一例として示す宅配ボックス10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る宅配システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、宅配ボックス10Aにおいて実行される各手段の一例を説明するフローチャートである。図1では、縦方向を矢印Aで示し、横方向を矢印Bで示す。図1では、床置き型の宅配ボックス10Aを図示しているが、建築物の内壁に嵌め込む嵌め込み型であってもよい(宅配ボックス10B,10Cも同様)。
宅配ボックス10Aは、オフィスビル(建築物)のエントランスやロビー、集合住宅(建築物)(マンションや公共住宅等)のエントランスやロビー、ホテルや劇場(建築物)のエントランスやロビー、コンビニエンスストア(建築物)、ドラッグストア(建築物)、駅構内(建築物)、戸建て住宅(建築物)等の設置箇所に設置されている。なお、宅配ボックス10Aの設置箇所はそれらに限定されず、宅配ボックス10Aを他のあらゆる箇所に設置することができる(宅配ボックス10B,10Cも同様)。宅配ボックス10A(宅配ボックス10B,10Cを含む)は、宅配ボックスの販売業者やリース業者、設置工事業者、オフィスビルのオーナー、企業のオーナー、集合住宅(マンションや公共住宅等)の管理組合、コンビニエンスストアやドラッグストアのオーナー等の設置者によって無償または廉価で各設置箇所に設置される。廉価とは、通常の費用(購入費用やリース費用、設置費用、管理維持費用)に比較して極めて安い金額であり、たとえば、費用(購入費用やリース費用、設置費用、管理維持費用)の1〜10%である(以下の廉価において同様)。
宅配ボックス10Aは、縦方向と横方向とへ並ぶ複数の第1〜第25収容ロッカー11a〜11y(第1〜第n収容ロッカー)と、収容ロッカー11a〜11yへの荷物(宅配便)の収納時(預け入れ時)や収容ロッカー11a〜11yからの荷物の取り出し時(受け取り時)に操作するコントロールパネル12(液晶タッチパネル、ICタグ(ICチップ)リーダまたはバーコードリーダ)とを有し、宅配便によって配送された荷物を収容しつつ収容された荷物を収受する(宅配ボックス10B,10Cも同様)。宅配便には、荷物を車両によって配送する通常の宅配便の他、幹線輸送に航空機を利用する航空宅配便、保冷設備を有して保冷が必要な荷物を配送するクール宅配便、国際航空小口輸送である国際宅配便が含まれる。
宅配ボックス10Aには、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(メインメモリおよびキャッシュメモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(OS)によって動作する物理的なコントローラー(コンピュータ)(図示せず)と非常用電源(バッテリー)(図示せず)とが内蔵され、大容量ハードディスク等の記憶領域が実装されている(宅配ボックス10B,10Cも同様)。コントロールパネル12(液晶タッチパネル、ICタグ(ICチップ)リーダまたはバーコードリーダ)は、コントローラーに接続されている。なお、収容ロッカーの数について特に制限はなく、任意の数の収容ロッカー(第1〜第n収容ロッカー)を設置することができる。
コントローラーは、ネットワーク(インターネットやWAN、LAN等)を介して宅配ボックス10A(宅配ボックス10B,10Cを含む)の管理会社(管理法人)に接続されている。宅配ボックス10Aは、電気式であって遠隔監視・遠隔操作機能を備えたオンライン方式であり、センサによって扉の開閉や荷物の状態がチェックされ、管理会社の遠隔監視の下、24時間体制でセキュリティーが確保されている(宅配ボックス10B,10Cも同様)。
宅配ボックス10Aは、扉のこじ開けや盗難時に警報を発し、コントロールパネル12に設置されたスピーカー(図示せず)によって管理会社に音声で連絡することができ、各種の質問に答えることができるとともに、住戸内のインターホンと連動し、住戸内のインターホンに荷物情報を表示することもできる(宅配ボックス10B,10Cも同様)。なお、宅配ボックス10A(宅配ボックス10B,10Cを含む)として機械式のそれを利用することもできる。
荷物の配送を依頼する配送依頼者には、配送依頼者を特定する依頼者番号(依頼者識別子が付与されている。宅配ボックス10Aの記憶領域には、配送依頼者データが依頼者番号(依頼者識別子)に関連付けられた状態で格納(記憶)され、送料に対する課金利率が格納(記憶)されている。課金利率の一例としては、低額の送料範囲に対して10〜20%、中程度の送料範囲に対して7〜15%、高額の送料範囲に対して5〜10%である。なお、課金利率は、自由に設定することができるとともに、何時でも自由に変更することができる。依頼者番号(依頼者識別子)は、配送依頼者(宅配業者(配送業者)、荷物(商品)の店舗販売業者、荷物(商品)の通信販売業者、荷物(商品)のネット販売業者等)を特定する番号であり、ユニークな番号が使用される。配送依頼者データには、配送依頼者の名称、配送依頼者の住所や連絡先、配送依頼者のメールアドレスやURL等があるが、配送依頼者に関するあらゆる情報を格納することができる。
宅配ボックス10Aの使用手順の一例は、以下のとおりである。なお、コントロールパネル12のディスプレイ13には、初期画面(図示せず)が表示されている。初期画面には、荷物収納ボタン、荷物受け取りボタンが表示されている。宅配業者の配送担当者が配送依頼を受けた荷物(宅配便)を宅配ボックス10Aに預け入れる場合、コントロールパネル12のディスプレイ13に表示された荷物収納ボタンをタップ(クリック)する(S−1)。荷物収納ボタンをタップすると、配送依頼者・送料入力画面がコントロールパネル12のディスプレイ13に表示される。
配送依頼者・送料入力画面には、依頼者番号(依頼者識別子)の番号入力エリア、送料入力エリア、依頼者番号および送料読み取りエリア、データ入力完了ボタン、クリアボタン、キャンセルボタンが表示される。クリアボタンをタップ(クリック)すると、番号入力エリアや送料入力エリアに入力された番号や送料が消去され、番号入力や送料入力をやり直す(以下のクリアボタンも同様)。キャンセルボタンをタップ(クリック)すると、初期画面に戻る(以下のキャンセルボタンも同様)。
宅配業者の配送担当者は、ICタグ(ICチップ)が設置されたICカード(カード)を所持し、そのICカードを利用して荷物の依頼者番号(依頼者識別子)および荷物の送料を宅配ボックス10A(コントローラー)に入力することができる。ICカード(カード)のICタグ(ICチップ)には、荷物(宅配便)を特定する荷物データ、依頼者番号(依頼者識別子)、配送依頼者データ、荷物の送料(配送料)が事前に格納されている。宅配業者の配送担当者は、荷物の配送毎にICカード(カード)のICタグ(ICチップ)に格納されたデータ(荷物データ、依頼者番号、配送依頼者データ、送料)をICタグ(ICチップ)リーダ/ライタによって更新する(書き換える)。荷物データには、荷物を特定する荷物番号(荷物識別子)、荷物の名称、配送者を特定する配送者番号(配送者識別子)、荷物の金額等がある。
また、荷物を包装した包装箱や包装紙には、1次元バーコードや二次元バーコードが表示される場合がある。それらバーコードは、荷物(宅配便)を特定する荷物番号、配送依頼者を特定する依頼者番号、荷物の送料(配送料)、荷物データ(荷物番号、荷物の名称)、配送依頼者データ(配送依頼者の名称)を表す。宅配業者の配送担当者は、それらバーコードを宅配ボックス10A(コントローラー)に読み取らせることで、依頼者番号(依頼者識別子)および荷物の送料を宅配ボックス10A(コントローラー)に入力することができる。
宅配業者の配送担当者は、宅配ボックス10AのICタグ(ICチップ)リーダにICカードをかざし、ICカードに格納されたデータをICタグ(ICチップ)リーダに読み取らせることで、荷物の依頼者番号および荷物の送料を宅配ボックス10A(コントローラー)に入力する(S−2)。または、包装箱や包装紙に表示されたバーコードを宅配ボックス10Aのバーコードリーダにかざし、バーコードリーダが表すデータをバーコードリーダに読み取らせることで、荷物の依頼者番号および荷物の送料を宅配ボックス10A(コントローラー)に入力する(S−2)。
宅配業者の配送担当者は、依頼者番号および送料を入力した後、データ入力完了ボタンをタップする。データ入力完了ボタンがタップされると、宅配ボックス10Aのコントローラーは、入力確認画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。入力確認画面には、入力された依頼者番号を表示した依頼者番号表示エリア、入力された送料を表示した送料表示エリア、荷物データを表示した荷物データ表示エリア、配送依頼者データを表示した配送依頼者データ表示エリア、確認ボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが表示される。戻るボタンをタップすると、1つ前の画面に戻り、各データの入力をやり直す(以下の戻るボタンも同様)。
なお、入力された依頼者番号が記憶領域に存在しない場合、宅配ボックス10Aのコントローラーは、登録画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。登録画面には、依頼者番号表示エリア、配送依頼者データ表示エリア、登録ボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが表示される。登録ボタンをタップすることで、依頼者番号および配送依頼者データが宅配ボックス10Aの記憶領域に登録(記憶)される(配送依頼者登録手段)。登録ボタンをタップすると、宅配ボックス10Aのコントローラーは、既述の入力確認画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。
宅配業者の配送担当者が入力確認画面の確認ボタンをタップすると、宅配ボックス10Aのコントローラーは、入力された依頼者番号と記憶領域に格納された依頼者番号とを比較し、入力された依頼者番号に対応する配送依頼者データを抽出することで、収容ロッカー11a〜11yに収容される荷物の配送を依頼した配送依頼者を特定するとともに(依頼者特定手段)、収容ロッカー11a〜11yに収容される荷物の送料を特定する(送料特定手段)(S−3)。宅配ボックス10Aのコントローラーは、特定した配送依頼者の配送依頼者データ、荷物データ、送料を依頼者番号および配送日時に関連付けた状態で記憶領域に格納(記憶)する(配送データ記憶手段)。
特定した配送依頼者の配送依頼者データを格納し、特定した送料を格納した後、宅配ボックス10Aのコントローラーは、荷物を収容する収容ロッカー11a〜11yの番号を表示した収容ロッカー番号表示エリア、ロック解除ボタンをコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。宅配業者の配送担当者がロック解除ボタンをタップすると、宅配ボックス10Aのコントローラーは、収容ロッカー番号表示エリアに表示された収容ロッカー11a〜11yの施錠を解除する(施錠第1解除手段)(S−4)。施錠第1解除手段では、配送依頼者の特定および送料の特定をトリガーとして荷物を収容する予定の特定の収容ロッカー11a〜11yの施錠を解除する。宅配システムは、荷物を収容ロッカー11a〜11yに収容された後では配送依頼者や送料の特定をすることが困難になるが、配送依頼者の特定および送料の特定をトリガーとして収容ロッカー11a〜11yの施錠を解除することで、配送依頼者や送料を確実に特定することができる。
宅配業者の配送担当者は、施錠が解除された収容ロッカー11a〜11yの開閉扉を開け、荷物をその収容ロッカー11a〜11yに入れた後、開閉扉を閉める。配送担当者が開閉扉を閉めると、宅配ボックス10Aのコントローラーは、暗証番号を入力する暗唱番号入力エリア、暗証番号決定ボタンが表示された暗証番号入力画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。配送担当者は、暗唱番号入力エリアに任意の番号(暗証番号)を入力した後、暗証番号決定ボタンをタップする。
暗証番号決定ボタンをタップすると、宅配ボックス10Aのコントローラーは、入力した暗証番号を表示した暗証番号表示エリア、荷物を収納した収容ロッカー11a〜11yの番号を表示した収容ロッカー番号表示エリア、ロックボタンが表示されたロック画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。配送担当者がロックボタンをタップすると、宅配ボックス10Aのコントローラーは、暗証番号表示エリア、収容ロッカー番号表示エリア、ロック確定ボタンが表示されたロック確認画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。配送担当者は、暗証番号や収容ロッカー番号を確認した後、ロック確定ボタンをタップする。ロック確定ボタンをタップすると、宅配ボックス10Aのコントローラーは、荷物を入れた収容ロッカー11a〜11yの開閉扉を施錠(ロック)し(S−5)、荷物の預け入れが完了する。
宅配ボックス10Aのコントローラーは、荷物を入れた収容ロッカー11a〜11yの開閉扉が施錠されると、特定された送料に対して課金する課金金額を配送依頼者毎に区分して算出する(課金金額算出手段)(S−6)。コントローラーは、算出した課金金額、送料、荷物データ、配送依頼者データを依頼者番号および算出日時(配送日時)に関連付けた状態で記憶領域に格納(記憶)する(課金金額記憶手段)。課金金額算出手段では、収容ロッカー11a〜11yに荷物が収容(荷物を収容した収容ロッカー11a〜11yの開閉扉が施錠(ロック))されたことをトリガーとして、特定された送料に対して課金する課金金額を配送依頼者毎に区分して算出する。
荷物(宅配便)の預け入れが完了すると、暗証番号と荷物を入れた収容ロッカー11a〜11yの番号とを記載した不在配達票が宅配ボックス10Aの伝票排出口から排出される。宅配業者の配送担当者は、その不在配達票を受取人の郵便受け等に入れる。なお、配送担当者が不在配達票に暗証番号と荷物を入れた収容ロッカー11a〜11yの番号とを記載し、その不在配達票を受取人の郵便受け等に入れる場合もある。宅配ボックス10Aが住戸内のインターホンと連動する場合は、荷物が届いた連絡データとともに入力された暗証番号および荷物を入れた収容ロッカー11a〜11yの番号がインターホンのディスプレイに表示される。または、荷物が届いた連絡データのみがインターホンのディスプレイに表示される。
受取人が荷物を受け取る場合、郵便受け等に入れられた不在配達票を受け取り、コントロールパネル12のディスプレイ13に表示された荷物受け取りボタンをタップ(クリック)する。荷物受け取りボタンをタップすると、暗証番号を入力する暗証番号入力エリア、暗証番号確定ボタンがコントロールパネル12のディスプレイ13に表示される。不在配達票に記載された暗証番号を暗証番号入力エリアに入力した後、暗証番号確定ボタンをタップする。暗証番号確定ボタンをタップすると、入力した暗証番号を表示した暗証番号表示エリア、荷物を収納した収容ロッカー11a〜11yの番号を表示した収容ロッカー番号表示エリア、ロック解除ボタンがコントロールパネル12のディスプレイ13に表示される。
受取人がロック解除ボタンをクリックすると、再度暗証番号や収容ロッカー番号が表示された受取確認画面が表示される。再度暗証番号や収容ロッカー番号を確認した後、受取確認画面の受取確定ボタンをタップし、入力した暗証番号が一致した場合、荷物を入れた収容ロッカー11a〜11yの開閉扉の施錠が解除される。受取人は、荷物を入れた収容ロッカー11a〜11yの開閉扉を開け、収容ロッカー11a〜11yから荷物を取り出した後、収容ロッカー11a〜11yの開閉扉を閉める。宅配ボックス10Aのコントローラーは、閉められた開閉扉を施錠(ロック)する。
なお、荷物が届いた連絡データのみがインターホンのディスプレイに表示される場合は、荷物の受取人が保持するカードキーをコントロールパネル12にかざすと、荷物収納ロッカー番号が表示された確認画面が表示され、荷物収納ロッカー番号を確認した後、確認画面の確定ボタンをタップし、荷物を入れた収容ロッカー11a〜11yの開閉扉の施錠が解除される。
なお、受取人によって荷物が取り出された収容ロッカー11a〜11yの開閉扉が施錠された後、特定された送料に対して課金する課金金額を宅配ボックス10Aのコントローラーが配送依頼者毎に区分して算出する場合がある(課金金額算出手段)(S−6)。この場合、課金金額算出手段では、収容ロッカー11a〜11yに収容された荷物が収容ロッカー11a〜11yから収受(荷物が収受された収容ロッカー11a〜11yの開閉扉が施錠(ロック))されたことをトリガーとして、特定された送料に対して課金する課金金額を配送依頼者毎に区分して算出する。
宅配ボックス10Aのコントローラーは、算出した配送依頼者毎の課金金額を配送依頼者毎に表示した課金金額明細を作成するとともに(課金金額明細作成手段)(S−7)、算出した課金金額、算出日時(配送日時)、課金金額明細、送料、荷物データ、配送依頼者データをネットワーク(インターネットやWAN、LAN等)(遠隔監視・遠隔操作機能)を介して管理会社に送信する。課金金額や算出日時(配送日時)、課金金額明細、送料、荷物データ、配送依頼者データは、管理会社のサーバに格納(記憶)される。なお、課金金額を配送依頼者毎に表示した課金金額明細が管理会社のサーバによって作成される場合もある。
宅配ボックス10Aの設置者がネットワーク(インターネットやWAN、LAN等)を介して管理会社のサーバにアクセスし、配送依頼者毎の課金金額明細の出力を要求すると、管理会社のサーバ(宅配ボックス10A)は、出力要求があった設置者の端末(サーバ)に配送依頼者毎の課金金額の課金金額明細を出力する(明細第1出力手段)。課金金額明細には、配送依頼者毎の課金金額(課金日時)、配送依頼者毎の課金金額の合計、課金金額の総合計、配送依頼者データが表示される。宅配システムでは、依頼者特定手段によって特定された配送依頼者が課金金額算出手段によって算出された課金金額を宅配ボックス10Aを無償または廉価で設置した設置者に対して支払う。課金金額の支払は、配送依頼者の口座から所定の期間毎(15日毎やひと月毎、ふた月毎等)に引き落とされる。
宅配システムは、第1〜第25収容ロッカー11a〜11y(第1〜第n収容ロッカー)に所定の荷物を収容する過程において、宅配ボックス10Aが第1〜第25収容ロッカー11a〜11yに収容される荷物の配送を依頼した配送依頼者(宅配業者(配送業者)や荷物(商品)の店舗販売業者、荷物(商品)の通信販売業者、荷物(商品)のネット販売業者等)を特定しつつ第1〜第25収容ロッカー11a〜11yに収容される荷物の送料を特定し、特定された送料に対して課金する課金金額を配送依頼者毎に区分して算出し、特定された配送依頼者が算出された課金金額を宅配ボックス10Aを無償または廉価で設置した設置者(宅配ボックス10Aの販売業者やリース業者、設置工事業者、オフィスビルのオーナー、集合住宅(マンションや公共住宅等)の管理組合、コンビニエンスストアやドラッグストアのオーナー等)に対して支払うから、宅配ボックス10Aが設置者によって各設置場所(オフィスビルのエントランスやロビー、集合住宅(マンションや公共住宅等)のエントランスやロビー、ホテルや劇場のエントランスやロビー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、駅構内、戸建て住宅等)に無償または廉価で設置され、宅配ボックス10Aの設置場所の所有者や共有者、地権者等の設置権限を有する被設置者が宅配ボックス10Aの各種費用(購入費用やリース費用、設置費用、管理維持費用)を負担することなしに宅配ボックス10Aを設置することができ、宅配ボックス10Aの設置要求や必要性に応じてタイムリーに宅配ボックス10Aを設置することができるとともに、宅配ボックス10Aを各所に容易に普及させることができる。
宅配システムは、配送依頼者が課金金額を宅配ボックス10Aを無償または廉価で設置した設置者に対して支払うことで、宅配ボックス10Aの設置者が荷物の配送毎に発生した課金金額を受け取ることができ、荷物の配送毎に発生した課金金額が配送依頼者から設置者に支払われることによって、設置者が宅配ボックス10Aの設置や維持に係る各種費用を回収することができるとともに、宅配ボックス10Aを長期的に設置しておくことで宅配ボックス10Aの設置者が収益を確保することができる。さらに、宅配ボックス10Aの設置や維持に係る各種費用の回収が見込めることで、宅配ボックス10Aを無償または廉価で設置する設置者を介した宅配ボックス10Aの普及を促進させることができる。
宅配システムは、第1〜第25収容ロッカー11a〜11y(第1〜第n収容ロッカー)に荷物が収容(荷物を収容した収容ロッカー11a〜11yの開閉扉が施錠(ロック))されたことをトリガーとして、送料に対して課金する課金金額を配送依頼者毎に区分して算出し、または、収容ロッカー11a〜11yに収容された荷物が収容ロッカー11a〜11yから収受(荷物が収受された収容ロッカーの開閉扉が施錠(ロック))されたことをトリガーとして、送料に対して課金する課金金額を配送依頼者毎に区分して算出するから、荷物の配送が確実に行われたことや荷物の配送が受取者に確実に収受されたことを担保することができ、荷物の配送がないにもかかわらず課金金額を受け取る課金金額の不正な取得を防ぐことができる。
図3は、他の一例として示す宅配ボックス10Bの斜視図であり、図4は、平常時における防災ボックス14の利用の一例を説明する図である。図5は、宅配ボックス10Bにおいて実行される各手段の一例を説明するフローチャートである。宅配ボックス10Bが図1のそれと異なるところは、宅配ボックス10Bに防災ボックス14が設置されている点にあり、宅配ボックス10Bのその他の構成は図1の宅配ボックス10Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の宅配ボックス10Aの説明を援用することで、宅配ボックス10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。なお、宅配ボックス10Bは縦方向と横方向とへ並ぶ複数の第1〜第10収容ロッカー11a〜11k(第1〜第n収容ロッカー)を備え、宅配ボックス10Aよりもロッカー数が少ない。
防災ボックス14は、宅配ボックス10Bの側方に配置され、宅配ボックス10Bと一体になった状態で、オフィスビル(建築物)のエントランスやロビー、集合住宅(建築物)(マンションや公共住宅等)のエントランスやロビーの設置箇所に設置されている。なお、防災ボックス14が宅配ボックス11Bの近傍に離間配置された状態で、それら設置箇所に設置されていてもよい。
防災ボックス14は、宅配ボックス10Bの側方に位置して縦方向と横方向とへ並ぶ複数の第1〜第14防災用品収容ロッカー15a〜15n(第1〜第n防災用品収容ロッカー)と、宅配ボックス10Bおよびそれら防災用品収容ロッカー15a〜15nの上方に位置して横方向へ並ぶ複数の第1〜第2用具・器具収納ロッカー16a,16b(第1〜第n用具・器具収納ロッカー)とを有する。なお、防災ボックス14の防災用品収容ロッカー15a〜15nや用具・器具収容ロッカー16a,16bの数について特に制限はなく、任意の数の防災用品収納ロッカー(第1〜第n防災用品収納ロッカー)を設置することができるとともに、任意の数の用具・器具収納ロッカー(第1〜第n用具・器具収納ロッカー)を設置することができる。
第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nは、鋼材から作られた天板と底板と後板と両側板とに囲繞された所定容積の空間であり、各種の防災用品17を収容可能な大きさを有し、各種の防災用品17が収納されている。各防災用品収納ロッカー15a〜15nには、一種類かつ1つの防災用品17が収納されている。防災用品17には、賞味期限が長い各種の防災食品と、防災食品以外の各種の防災グッズとが含まれる。
防災食品には、各種のレトルト食品や飲料水、ペットボトル、缶詰、炊き出しセット等の現在販売されているあらゆる防災食品(非常食)のみならず、将来販売される各種の防災食品(非常食)も含まれる。防災グッズには、使い捨てカイロ、使い捨てマスク、電池、市販の薬、ゴーグル、懐中電灯、手袋、ラジオ、太陽光利用充電器、携帯ティッシュ等の現在販売されているあらゆる防災グッズのみならず、将来販売される各種の防災グッズも含まれる。
第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nには、各種の防災用品17を出し入れ可能な取り出し開口(取り出し口)が作られている。取り出し開口には、開口を開閉可能な開閉扉18(開閉手段)が設置されている。開閉扉18は、透明なガラスや透明なプラスチック製の正面板と、正面板を取り囲む金属製の枠材とから作られている。したがって、正面板を透して第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nを覗くことができ、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17を外側から視認することができる。
開閉扉18は、蝶番(図示せず)によって取り出し開口を囲繞する側板に開閉可能に取り付けられている。開閉扉18には電動機(モーター)を利用した開閉機構(図示せず)が設置され、開閉扉18を手動で開閉することができるのみならず、開閉扉18が開閉機構によって自動で開放されるとともに自動で閉鎖される。取り出し開口を囲繞する側板には、開閉扉18を施錠する自動錠機構(電気錠)(図示せず)が設置されている。それら防災用品収納ロッカー15a〜15nでは、各開閉扉18が自動錠機構によって自動で施錠されるとともに自動で施錠が解除(解錠)される。
第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nを囲繞する底板には、各防災用品収納ロッカー15a〜15nにおける防災用品17の非存在を検出する非存在検出機構(図示せず)が設置されている。非存在検出機構には、圧力センサや光センサ等が利用され、それらセンサによって各防災用品収納ロッカー15a〜15nにおける防災用品17の有無(存在または非存在)を検出する。第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの天板には、各防災用品収納ロッカー15a〜15nを照らす照明(LED照明等)(図示せず)が設置されている。
第1〜第2用具・器具収納ロッカー16a,16bは、鋼材から作られた天板と底板と後板と両側板とに囲繞された所定容積の空間であり、所定の災害が発生した場合に使用する各種の避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具(図示せず)を収納可能な大きさを有する。避難誘導・救助用具や燃焼器具、暖房用具には、ガスコンロ、救助工具、脚立、ヘルメット、緊急避難用マスク、安全反射蛍光ベスト、三角コーン、非常用簡易トイレ、誘導灯、毛布、誘導灯、カイロ等の現在利用されているあらゆる避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具のみならず、将来利用される各種の避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具も含まれる。
平常時の防災ボックス14では、図3に示すように、各防災用品収納ロッカー15a〜15nに防災用品17が収納され、各防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18が閉められて取り出し開口が閉鎖され(開閉手段)、開閉扉18が施錠されて開閉扉18の開閉が不能になっている(施錠手段)。また、各用具・器具収納ロッカー16a,16bに避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具が収納され、各用具・器具収納ロッカー16a,16bの開閉扉が閉められて取り出し開口が閉鎖されている。各用具・器具収納ロッカー16a,16bの開閉扉は、施錠される場合と施錠されない場合とがある。防災ボックス14では、平常時においてそれら防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された各種の防災用品17を購入することができる。また、各用具・器具収納ロッカー16a,16bに収納された避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を利用することができる。
平常時において防災ボックス14の防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17を購入する手順の一例は、以下のとおりである。なお、宅配ボックス10Bの使用手順は、図1の宅配ボックス10Aのそれと同一であるから(図2参照)、図1の宅配ボックス10Aの説明を援用することで、その説明は省略する。宅配ボックス10Bのコントロールパネル12のディスプレイ13には、荷物収納ボタン、荷物受け取りボタン、防災用品購入ボタンを表示した初期画面(図示せず)が表示されている。
防災ボックス14の防災用品17を販売する防災用品販売者(販売法人)には、防災用品販売者を特定する防災用品販売者番号(防災用品販売者識別子)が付与されている。宅配ボックス10Bの記憶領域には、防災用品収納ロッカー番号(防災用品収納ロッカー識別子)および防災用品販売者データが防災用品販売者番号(防災用品販売者識別子)に関連付けられた状態で格納(記憶)され、防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の防災用品データが防災用品収納ロッカー番号に関連付けられた状態で格納(記憶)されているとともに、防災用品17の料金に対するマージン率が格納(記憶)されている。マージン率の一例としては、たとえば、防災用品17の料金が販売価格である場合、販売価格の5〜10%、防災用品17の料金が卸売価格である場合、卸売価格の8〜15%、防災用品17の料金が販売利益である場合、販売利益の10〜20%である。なお、マージン率は、自由に設定することができるとともに、何時でも自由に変更することができる。
防災用品販売者番号は、各防災用品17の販売者を特定する番号であり、ユニークな番号が使用される。防災用品データには、防災ボックス14で販売される防災用品17の名称や防災用品番号(防災用品識別子)、防災用品17の料金(販売価格または卸売価格あるいは販売利益)がある。防災ボックス14の防災用品販売者データには、防災用品販売者(販売法人)の名称、防災用品販売者の住所や連絡先、防災用品販売者のメールアドレスやURL等があるが、防災用品販売者に関するあらゆる情報を格納することができる。
購入者(オフィスビルに入居する会社の従業員や集合住宅に居住する居住者等)は、宅配ボックス10Bのコントロールパネル12のディスプレイ13に表示された防災用品購入ボタンをタップ(クリック)する(S−10)。防災用品購入ボタンをタップすると、宅配ボックス10Bのコントローラーは、防災用品購入画面(図示せず)をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。防災用品購入画面には、第1〜第14防災用品収納ロッカー特定画像が縦横方向に並んだ状態で表示されるとともに(スクロールによって次の防災用品収納ロッカー特定画像を順に表示)、購入者特定番号入力エリア、防災用品購入ボタンが表示される。防災用品購入画面に表示された第1〜第14防災用品収納ロッカー画像には、防災用品収納ロッカー15a〜15nの番号、各防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の名称、各防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の画像、各防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の値段(販売価格)が表示される。
防災用品購入画面に表示された第1〜第14防災用品収納ロッカー特定画像のうちの購入する防災用品17を収納した防災用品収納ロッカー特定画像をタップしてその防災用品収納ロッカー特定画像を反転させるとともに、購入者特定番号入力エリアに購入者特定番号(暗証番号)を入力し、防災用品購入ボタンをタップする。なお、購入者特定番号は、購入者に事前に割り当てられている。防災用品購入ボタンをタップすると、宅配ボックス10Bのコントローラーは、防災用品購入確認画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。防災用品購入確認画面には、特定された防災用品収納ロッカー15a〜15n(防災用品収納ロッカー番号を含む)、特定された防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の名称、特定された防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の画像、特定された防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の値段、購入者特定番号、購入者特定番号の購入者氏名、購入確定ボタンが表示される。
購入者は、購入確認画面において、購入する防災用品17を再度確認し、間違いがない場合、購入確定ボタンをタップする。購入確定ボタンをタップすると、購入確定信号と特定された防災用品収納ロッカー番号とが宅配ボックス10Bのコントローラーに送信される(購入指示手段)。宅配ボックス10Bのコントローラーは、特定された防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の施錠解除指令を防災ボックス14の自動錠機構(電気錠)に送信する。
施錠解除指令を受信した防災ボックス14の自動錠機構は、特定された防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の施錠を解除し(施錠第2解除手段)(S−11)、開閉扉18を開閉可能にする。開閉扉18の施錠が解除されると、宅配ボックス10Bのコントローラーは、防災用品17の取り出し画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。取り出し画面には、防災用品17の取り出しOKメッセージ、特定された防災用品収納ロッカー15a〜15nの番号、特定された防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の値段、購入者特定番号、購入者特定番号の購入者氏名が表示される。
購入者は、購入する防災用品17を収納した防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18を開け、その防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17を取り出し開口から取り出した後、開閉扉18を閉めて防災用品収納ロッカー15a〜15nの取り出し開口を閉じる。防災用品収納ロッカー15a〜15nから防災用品17が取り出されると、非存在検出機構によって防災用品収納ロッカー15a〜15nにおける防災用品17の非存在が検出される(非存在検出手段)。宅配ボックス10Bのコントローラーは、防災用品17が取り出された防災用品収納ロッカー防災用品17の開閉扉18に対する施錠(ロック)指令を防災ボックスの14自動錠機構(電気錠)に送信する。施錠(ロック)指令を受信した防災ボックス14の自動錠機構は、防災用品収納ロッカー防災用品17の開閉扉18を施錠し(施錠手段)(S−12)、防災用品17の販売が完了する。
防災用品収納ロッカー防災用品15a〜15nの開閉扉18が施錠された後、防災用品収納ロッカー15a〜15nにおける防災用品17の非存在信号、防災用品17の非存在が検出された防災用品収納ロッカー15a〜15nの防災用品収納ロッカー番号が防災ボックス14から宅配ボックス10Bのコントローラーに送信される。
非存在信号、防災用品収納ロッカー番号を受信した宅配ボックス10Bのコントローラーは、送信された防災用品収納ロッカー番号と記憶領域に格納された防災用品収納ロッカー番号とを比較し、送信された防災用品収納ロッカー番号に対応する防災用品販売者番号を特定しつつ、防災用品販売者番号に対応する防災用品販売者データを抽出することで、防災用品収納ロッカー15a〜15nから取り出された(販売された)防災用品17の防災用品販売者(施錠第2解除手段によって施錠が解除された防災ロッカー15a〜15nに収容された防災用品17の販売者)を特定する(販売者第1特定手段)(S−13)。さらに、防災用品収納ロッカー15a〜15nから取り出された(販売された)防災用品17の料金(施錠第2解除手段によって施錠が解除された防災用品収納ロッカー15a〜15nに収容された防災用品17の料金)を特定する(料金第1特定手段)(S−13)。
宅配ボックス10Bのコントローラーは、防災用品販売者および防災用品17の料金を特定した後、特定された防災用品17の料金×マージン率により、特定された防災用品17の料金に対するマージンを防災用品販売者毎に区分して算出する(マージン第1算出手段)(S−14)。宅配ボックス10Bのコントローラーは、特定した防災用品販売者の防災用品販売者データ、防災用品データ、防災用品17の料金、防災用品17の料金に対するマージンを防災用品販売者番号および購入日時(販売日時)に関連付けた状態で記憶領域に格納(記憶)する(防災用品購入データ記憶手段)。マージン第1算出手段では、非存在検出機構によって防災用品収納ロッカー15a〜15nにおける防災用品17の非存在が検出されたことをトリガーとして、特定された防災用品17の料金に対するマージンを防災用品販売者毎に区分して算出する。
宅配ボックス10Bのコントローラーは、算出した防災用品販売者毎のマージンを防災用品販売者毎に表示した防災用品マージン明細を作成するとともに(マージン明細第1作成手段)(S−15)、算出したマージン、算出日時(販売日時)、防災用品マージン明細、料金、防災用品データ、防災用品販売者データをネットワーク(インターネットやWAN、LAN等)(遠隔監視・遠隔操作機能)を介して管理会社に送信する。マージン、算出日時(販売日時)、防災用品マージン明細、料金、防災用品データ、防災用品販売者データは、管理会社のサーバに格納(記憶)される。なお、マージンを防災用品販売者毎に表示した防災用品マージン明細が管理会社のサーバによって作成される場合もある。
宅配ボックス10Bのコントローラーは、防災用品購入者特定番号(暗証番号)、防災用品収納ロッカー15a〜15nから取り出された防災用品17の名称、防災用品収納ロッカー15a〜15nから取り出された防災用品17の料金(販売価格)、防災用品17が取り出された防災用品収納ロッカー15a〜15n(防災用品17が非存在の防災用品収納ロッカー15a〜15n)の防災用品収納ロッカー番号、防災用品17の非存在メッセージをネットワークを介して(遠隔監視・遠隔操作機能を利用して)宅配ボックス10Bの管理会社(外部)に送信する(非存在通知手段)。購入された防災用品17の金額(販売金額)や名称を記載した購入明細票が宅配ボックス10Bの伝票排出口から排出される。
管理会社は、購入された防災用品17の金額や名称、引き落とし日等を記載した明細書(請求書)をネットワークを介して購入者に送信する。購入された防災用品17の金額は、後日購入者の口座から指定の日(10日や月末等)に引き落とされる。防災ボックス14では、宅配ボックス10Bの遠隔監視・遠隔操作機能を利用し、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nおいて購入された防災用品17の決済を行う(決済手段)。
管理会社は、所定の間隔で防災ボックス14のメンテナンスを行い、防災用品17が取り出された防災用品収納ロッカー15a〜15n(防災用品17が非存在の防災用品収納ロッカー15a〜15n)にあらたな防災用品17を補充する。防災用品17が取り出された防災用品収納ロッカー15a〜15nに防災用品17が補充されると、非存在検出機構によって防災用品収納ロッカー15a〜15nにおける防災用品17の存在信号が宅配ボックス10Bのコントローラーに送信され、その防災用品収納ロッカー15a〜15nにおいて防災用品17の購入が可能になる。
なお、平常時において、管理会社、オフィスビルや集合住宅の管理人は、宅配ボックス10Bのコントロールパネル12から所定の暗証番号を入力することで、防災ボックス14の防災用品収納ロッカー15a〜15nや宅配ボックス10Bの荷物収納ロッカー11a〜11sの施錠を解除することができ、防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18や荷物収納ロッカー11a〜11sの開閉扉を開けることができる。
宅配ボックス10B(防災ボックス14)の設置者がネットワーク(インターネットやWAN、LAN等)を介して管理会社のサーバにアクセスし、防災用品販売者毎の防災用品マージン明細の出力を要求すると、管理会社のサーバ(宅配ボックス10B)は、出力要求があった設置者の端末(サーバ)に防災用品販売者毎のマージンの防災用品マージン明細を出力する(明細第2出力手段)。防災用品マージン明細には、防災用品販売者毎のマージン(マージン算出日時)、防災用品販売者毎のマージンの合計、マージンの総合計、防災用品販売者データが表示される。宅配システムでは、販売者第1特定手段によって特定された防災用品販売者がマージン第1算出手段によって算出されたマージンを宅配ボックス10Bおよび防災ボックス14を無償または廉価で設置した設置者に対して支払う。マージンの支払は、防災用品販売者の口座から所定の期間毎(15日毎やひと月毎、ふた月毎等)に引き落とされる。
図3に示す宅配システムは、図1の宅配システムが有する効果に加え、以下の効果を有する。宅配システムは、宅配ボックス10Bとともに防災ボックス14が設置者によって各設置場所(オフィスビルのエントランスやロビー、集合住宅(マンションや公共住宅等)のエントランスやロビー)に無償または廉価で設置され、宅配ボックス10Bの設置場所の所有者や共有者、地権者等の設置権限を有する被設置者が防災ボックス14の各種費用(購入費用やリース費用、設置費用、管理維持費用)を負担することなしに防災ボックス14を設置することができ、防災ボックス14の設置要求や必要性に応じてタイムリーに防災ボックス14を設置することができるとともに、宅配ボックス10Bの普及に便乗して防災ボックス14を各所に容易に普及させることができる。
宅配システムは、各防災用品販売者が防災用品17のマージンを防災ボックス14(宅配ボックス10B)を無償または廉価で設置した設置者(防災ボックス14(宅配ボックス10B)の販売業者やリース業者、設置工事業者)に対して支払うことで、防災ボックス14の設置者が防災用品17の販売毎に発生したマージンを受け取ることができ、防災用品17の販売毎に発生したマージンが各防災用品販売者から設置者に支払われることによって、設置者が防災ボックス14(宅配ボックス10B)の設置や維持に係る各種費用を回収することができるとともに、防災ボックス14を長期的に設置しておくことで防災ボックス14の設置者が収益を確保することができる。
宅配システムは、宅配ボックス10Bのコントロールパネル12を利用することで第1〜第n防災用品収容ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17を個別に購入することが可能であるから、第1〜第n防災用品収容ロッカー15a〜15nに収納された各種の防災用品17を必要に応じて平常時に何人も購入することができ、平常時における防災用品17のニーズに応えることができる。宅配システムは、防災ボックス14に宅配ボックス10Bのコントロールパネル12を利用した自動販売機としての機能を持たせることで、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された各種の防災用品17のうちの希望のそれを平常時に何人も自由かつ容易に購入することができ、購入した防災用品17を平常時の生活用品として利用することができる。
宅配システムは、特定の防災用品収納ロッカー15a〜15nにおいて防災用品17が購入された場合、その防災用品収納ロッカー15a〜15nに防災用品17が非存在(無し)になるが、非存在検出手段によって防災用品収納ロッカー15a〜15nにおける防災用品17の非存在を検出するとともに、防災用品17の非存在が確認された防災用品収納ロッカー15a〜15nを宅配ボックス10Bの遠隔監視・遠隔操作機能を利用して管理会社(外部)に通知することで、管理会社(外部)が特定の防災用品収納ロッカー15a〜15nにおける防災用品17の非存在を直ちに知ることができ、防災用品17を特定の防災用品収納ロッカー15a〜15nに迅速に補充することができる。
図6は、災害発生信号を受信した場合の防災ボックス14の利用の一例を説明する図である。防災ボックス14(宅配ボックス10B)が設置された集合住宅やビルが存在する地域に地震、大規模火災、火山噴火、異常気象、放射能漏れ事故や原発事故、テロ事件等の災害が発生した場合、各省庁(国土交通省、防衛庁、警察庁、気象庁、環境庁、消防庁等)、地方自治体や国・地方公共団体等の公共機関から災害の発生を知らせる(災害・防災の各種情報を含む)緊急公共放送(災害発生信号)が送信されるとともに、民間放送会社や民間気象事業者等の民間機関から災害の発生を知らせる(災害・防災の各種情報を含む)緊急民間放送(災害発生信号)が送信される。
公共機関から送信された緊急公共放送(災害発生信号)や民間機関から送信された緊急民間放送(災害発生信号)は、防災ボックス14に設置されたアンテナ(図示せず)に受信される。アンテナが受信した地震に対する緊急公共放送や緊急民間放送は、アンテナから宅配ボックス10Bのコントローラーに送信され、コントローラーに受信される(緊急信号受信手段)。アンテナから緊急公共放送や緊急民間放送を受信したコントローラーは、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの全ての自動錠機構(電気錠)に施錠解除信号を送信するとともに、開閉機構に第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の開放信号を送信する。
なお、緊急公共放送(災害発生信号)と緊急民間放送(災害発生信号)との両者または緊急公共放送(災害発生信号)と緊急民間放送(災害発生信号)とのいずれか一方をアンテナが受信した場合、アンテナから緊急公共放送や緊急民間放送が宅配ボックス10Bのコントローラーに受信され(緊急信号受信手段)、コントローラーから施錠解除信号や開閉扉18の開放信号が送信される。
宅配ボックス10Bのコントローラーから施錠解除信号を受信した自動錠機構は、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の施錠を解除し、コントローラーから開放信号を受信した開閉機構は、開閉扉18を開放し、図6に示すように、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の全てが開けられる(施錠第3解除手段)。なお、コントローラーが第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの全ての自動錠機構(電気錠)に施錠解除信号のみを送信し、自動錠機構が第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の施錠を解除し、開閉扉18の開放が行われない場合がある。なお、災害によって電源が遮断された場合、宅配ボックス10Bや防災ボックス14の電源としては非常用電源(バッテリー)が利用される。
宅配システムでは、災害発生時に防災ボックス14の第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の全てが開放され、または、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の施錠が解除されることで、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17を取り出すことができ、防災用品17を何時に何人も利用することができる。また、第1〜第2用具・器具収納スペース16a,16bに収納された避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を取り出してそれらを利用することができる。
宅配システムは、災害が発生し、公共機関から送信された緊急公共放送と民間機関から送信された緊急民間放送との少なくとも一方を受信した場合、宅配ボックス10Bのコントローラーからの指令に基づいて第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15n(第1〜第n防災用品収納ロッカー)の全ての施錠を解除し、または、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの全ての施錠を解除しつつ全ての開閉扉18を開放するから、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された各種の防災用品17を何人も直ちに利用可能にすることができ、防災用品17を何時何人にも自由に利用させることができる。
宅配システムは、災害が発生した緊急時に、防災ボックス14の防災用品17を何時に何人にも自由に利用させることができるから、災害発生後の衣食住に必要な食料や物資を当面に間供給することができ、災害による食糧不足や物資不足を補うことができる。宅配システムは、災害が発生した場合、用具・器具収納スペース16a,16bに収納された避難誘導・救助用具や燃焼器具、暖房用具を何時に何人にも自由に利用させることができ、避難誘導・救助用具を利用して避難や救助を行うことができ、燃焼器具を利用して調理を行うことができるとともに、暖房用具を利用して暖房を行うことができる。
災害が発生した後、災害が沈静または回避された場合、安全宣言や終息宣言、帰還許可宣言等の平常公共放送(平常信号)が公共機関から送信され、または、平常民間放送(平常信号)が民間機関から送信される。公共機関から送信された平常公共放送と民間機関から送信された平常民間放送とのうちの少なくとも一方がアンテナに受信された場合、アンテナが受信した平常公共放送(平常信号)や平常民間放送(平常信号)がアンテナから宅配ボックス10Bのコントローラーに送信され、平常公共放送(平常信号)や平常民間放送(平常信号)をコントローラーが受信する(平常信号受信手段)。
アンテナから平常公共放送や平常民間放送を受信した宅配ボックス10Bのコントローラーは、開閉機構に第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の閉鎖信号を送信するとともに、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの自動錠機構(電気錠)に施錠信号を送信する。コントローラーから閉鎖信号を受信した開閉機構は、開閉扉18を閉鎖し、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の全てを閉め、コントローラーから施錠信号を受信した自動錠機構は、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18の全てを施錠する(施錠手段)。
宅配システムは、災害が発生した後、災害が沈静または回避され、防災用品17を提供する必要がなくなった場合、開放された防災ボックス14の第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18を閉鎖し、第1〜第14防災用品収納ロッカー15a〜15nの開閉扉18を施錠するから、防災用品17の不必要な持ち出しや不本意な盗難を防ぐことができ、防災用品17の無駄を省くことができる。
図7は、他の一例として示す宅配ボックス10Cの斜視図であり、図8は、宅配ボックス10Cにおいて実行される各手段の一例を説明するフローチャートである。宅配ボックス10Cが図1および図3のそれと異なるところは、宅配ボックス10Cに自動販売機19が設置されている点にあり、宅配ボックス10C(防災ボックス14)のその他の構成は図1および図3の宅配ボックス10A,10Bのそれと同一であるから、図1および図3と同一の符号を付すとともに、図1および図3の宅配ボックス10A,10Bの説明を援用することで、宅配ボックス10C(防災ボックス14)のその他の構成の詳細な説明は省略する。なお、宅配ボックス10Cは縦方向と横方向とへ並ぶ複数の第1〜第10収容ロッカー11a〜11k(第1〜第n収容ロッカー)を備え、宅配ボックス10Aよりもロッカー数が少ない。
自動販売機19は、防災ボックス14の反対側であって宅配ボックス10Cの側方に配置され、宅配ボックス10Cと一体になった状態で、オフィスビル(建築物)のエントランスやロビー、集合住宅(建築物)(マンションや公共住宅等)のエントランスやロビーの設置箇所に設置されている。なお、自動販売機19が宅配ボックス11Cの近傍に離間配置された状態で、それら設置箇所に設置されていてもよい。図示の自動販売機19では、飲料水を販売しているが、自動販売機19で販売する商品に特に制限はなく、自動販売機19で現在販売されている商品のみならず、自動販売機19で将来販売される商品も含まれる。
自動販売機19の商品は自動販売機19における周知の手順で購入することができる他、宅配ボックス11Cのコントロールパネル12を利用して購入することもできる。なお、宅配ボックス10Cの使用手順は、図1の宅配ボックス10Aのそれと同一であるから(図2参照)、図1の宅配ボックス10Aの説明を援用することで、その説明は省略する。また、宅配ボックス10Cに設置された防災ボックス14から防災用品17を購入する手順や災害発生信号受信時における防災ボックス14の利用手順は、図3の宅配ボックス10Bのそれと同一であるから(図5,図6参照)、図3の宅配ボックス10Bの説明を援用することで、その説明は省略する。
自動販売機19の商品を販売する商品販売者(販売会社)には、商品販売者を特定する商品販売者番号(商品販売者識別子)が付与されている。宅配ボックス10Cの記憶領域には、防災用品収納ロッカー番号および防災用品販売者データが防災用品販売者番号(防災用品販売者識別子)に関連付けられた状態で格納(記憶)され、防災用品収納ロッカー15a〜15nに収納された防災用品17の防災用品データが防災用品収納ロッカー番号に関連付けられた状態で格納(記憶)されているとともに、防災用品17の料金に対するマージン率が格納(記憶)されている。さらに、自動販売機番号および商品販売者データが商品販売者番号(商品販売者識別子)に関連付けられた状態で格納(記憶)され、自動販売機19の各商品の商品データが商品番号(商品識別子)に関連付けられた状態で格納(記憶)されているとともに、自動販売機19の各商品の料金に対するマージン率が格納(記憶)されている。マージン率の一例としては、たとえば、自動販売機19の商品の料金が販売価格である場合、販売価格の5〜10%、自動販売機19の商品の料金が卸売価格である場合、卸売価格の8〜15%、自動販売機19の商品の料金が販売利益である場合、販売利益の10〜20%である。なお、マージン率は、自由に設定することができるとともに、何時でも自由に変更することができる。
商品販売者番号は、自動販売機19の商品の販売者を特定する番号であり、ユニークな番号が使用される。商品データには、自動販売機19で販売される商品の名称や商品番号(商品識別子)、商品の料金(販売価格または卸売価格あるいは販売利益)がある。自動販売機19の商品販売者データには、商品販売者(販売法人)の名称、商品販売者の住所や連絡先、商品販売者のメールアドレスやURL等があるが、商品販売者に関するあらゆる情報を格納することができる。
コントロールパネル12を利用して自動販売機19の商品を購入する手順の一例は、以下のとおりである。宅配ボックス10Cのコントロールパネル12のディスプレイ13には、荷物収納ボタン、荷物受け取りボタン、防災用品購入ボタン、自動販売機商品購入ボタンを表示した初期画面(図示せず)が表示されている。購入者(オフィスビルに入居する会社の従業員や集合住宅に居住する居住者等)は、宅配ボックス10Cのコントロールパネルのディスプレイに表示された自動販売機商品購入ボタンをタップ(クリック)する(S−20)。
自動販売機商品購入ボタンをタップすると、宅配ボックス10Cのコントローラーは、自動販売機商品購入画面(図示せず)をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。自動販売機商品購入画面には、自動販売機画像において販売される商品(商品名、商品番号、販売価格を含む)の画像が縦横方向に並んだ状態で表示されるとともに(スクロールによって次の商品を順に表示)、購入者特定番号入力エリア、商品購入ボタンが表示される。
自動販売機商品購入画面において購入する商品をタップしてその商品を反転させるとともに、購入者特定番号入力エリアに購入者特定番号(暗証番号)を入力し、商品購入ボタンをタップする。なお、購入者特定番号は、購入者に事前に割り当てられている。商品購入ボタンをタップすると、宅配ボックス10Cのコントローラーは、商品購入確認画面をコントロールパネル12のディスプレイ13に表示する。商品購入確認画面には、特定された商品画像(商品名、商品番号、販売価格を含む)、購入者特定番号、購入者特定番号の購入者氏名、購入確定ボタンが表示される。
購入者は、購入確認画面において、購入する商品を再度確認し、間違いがない場合、購入確定ボタンをタップする。購入確定ボタンをタップすると、購入確定信号と特定された商品の商品番号とが宅配ボックス10Cのコントローラーに送信される(購入指示手段)。宅配ボックス10Cのコントローラーは、特定された商品の商品番号を自動販売機19に送信する。
商品番号を受信した自動販売機19は、受信した商品番号の商品を取り出し口に移動させ、商品の販売が完了する(S−21)。なお、自動販売機19自体から商品を購入する場合も購入された商品を取り出し口に移動させ、商品の販売が完了する(S−21)。この場合、販売した商品の商品番号が自動販売機19から宅配ボックス10Cのコントローラーに送信される。購入された(販売された)商品の金額(販売金額)や名称を記載した購入明細票が宅配ボックス10Cの伝票排出口から排出される。
商品の商品番号を自動販売機19に送信し、または、販売した商品の商品番号が自動販売機19から送信された場合、宅配ボックス10Cのコントローラーは、送信しまたは送信された商品番号と記憶領域に格納された商品番号とを比較し、送信しまたは送信された商品番号に対応する商品販売者番号を特定しつつ、商品販売者番号に対応する商品販売者データを抽出することで、自動販売機19から販売された商品の商品販売者(購入された特定の商品の商品販売者)を特定する(販売者第2特定手段)(S−22)。さらに、自動販売機19から販売された(購入された)商品の料金を特定する(料金第2特定手段)(S−22)。
宅配ボックス10Cのコントローラーは、商品販売者および商品の料金を特定した後、特定された商品の料金に対するマージンを商品販売者毎に区分して算出する(マージン第2算出手段)(S−23)。宅配ボックス10Cのコントローラーは、特定した商品販売者の商品販売者データ、商品データ、商品の料金、商品の料金に対するマージンを商品販売者番号および購入日時(販売日時)に関連付けた状態で記憶領域に格納(記憶)する(商品購入データ記憶手段)。
宅配ボックス10Cのコントローラーは、算出した商品販売者毎のマージンを商品販売者毎に表示した商品マージン明細を作成するとともに(マージン明細第2作成手段)(S−24)、算出したマージン、算出日時(販売日時)、商品マージン明細、料金、商品データ、商品販売者データをネットワーク(インターネットやWAN、LAN等)(遠隔監視・遠隔操作機能)を介して管理会社に送信する。マージン、算出日時(販売日時)、商品マージン明細、料金、商品データ、商品販売者データは、管理会社のサーバに格納(記憶)される。なお、マージンを商品販売者毎に表示した商品マージン明細が管理会社のサーバによって作成される場合もある。
管理会社は、宅配ボックス11Cのコントロールパネル12を利用して購入された自動販売機19の商品の金額や名称、引き落とし日等を記載した明細書(請求書)をネットワークを介して購入者に送信する。購入された商品の金額は、後日購入者の口座から指定の日(10日や月末等)に引き落とされる。自動販売機19では、宅配ボックス10Cの遠隔監視・遠隔操作機能を利用し、宅配ボックス11Cのコントロールパネル12を利用して自動販売機19において購入された商品の決済を行う(決済手段)。
宅配ボックス10C(自動販売機19)の設置者がネットワーク(インターネットやWAN、LAN等)を介して管理会社のサーバにアクセスし、商品販売者毎の商品マージン明細の出力を要求すると、管理会社のサーバ(宅配ボックス10C)は、出力要求があった設置者の端末(サーバ)に商品販売者毎のマージンの商品マージン明細を出力する(明細第3出力手段)。商品マージン明細には、商品販売者毎のマージン(マージン算出日時)、商品販売者毎のマージンの合計、マージンの総合計、商品販売者データが表示される。宅配システムでは、販売者第2特定手段によって特定された商品販売者がマージン第2算出手段によって算出されたマージンを宅配ボックス10Cおよび自動販売機19を無償または廉価で設置した設置者に対して支払う。マージンの支払は、商品販売者の口座から所定の期間毎(15日毎やひと月毎、ふた月毎等)に引き落とされる。
図7に示す宅配システムは、図1および図3の宅配システムが有する効果に加え、以下の効果を有する。宅配システムは、宅配ボックス10Cとともに自動販売機19が設置者によって各設置場所(オフィスビルのエントランスやロビー、集合住宅(マンションや公共住宅等)のエントランスやロビー)に無償または廉価で設置され、宅配ボックス10C(自動販売機19)の設置場所の所有者や共有者、地権者等の設置権限を有する被設置者が自動販売機19の各種費用(購入費用やリース費用、設置費用、管理維持費用)を負担することなしに自動販売機19を設置することができ、自動販売機19の設置要求や必要性に応じてタイムリーに自動販売機19を設置することができるとともに、宅配ボックス10Cの普及に便乗して自動販売機19を各所に設置することができる。
宅配システムは、自動販売機19の商品の商品販売者が自動販売機19の商品のマージンを自動販売機19(宅配ボックス10C、防災ボックス14)を無償または廉価で設置した設置者(自動販売機19の販売業者やリース業者、設置工事業者)に対して支払うことで、自動販売機19の設置者が商品の販売毎に発生したマージンを受け取ることができ、商品の販売毎に発生したマージンが各商品販売者から設置者に支払われることによって、設置者が自動販売機19の設置や維持に係る各種費用を回収することができるとともに、自動販売機19を長期的に設置しておくことで自動販売機19の設置者が収益を確保することができる。