以下、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は宅配ボックス装置1の一例を示す斜視図である。図2は宅配ボックス装置1と管理サーバ2を通信ネットワーク3で接続した宅配物発送受付けシステムの概略構成図である。
宅配ボックス装置1は、宅配物を入れる宅配物収納部5を1又は複数備えている。図1の実施形態の宅配ボックス装置1は、複数の宅配物収納部5を備えた例を示している。
この実施形態では、更に、複数の宅配物収納部5として、サイズの異なる複数種類の大きさの宅配物収納部5をそれぞれ1乃至複数備えている。もちろん、同じサイズの宅配物収納部5のみを複数備えたものであってもよい。
宅配物収納部5には宅配物の収納の有無を検知する宅配物検知センサ6、宅配物を出し入れするための開口を開閉する扉7、扉7を閉じた際に施錠する電気錠よりなる施錠装置4を設けている。
宅配ボックス装置1は、図2に示すように、コントロール装置8を有している。
コントロール装置8には、操作部10、発送受付手段11、識別コード生成部12、宅配情報付与手段13、発送費用決済手段14、開錠認証情報生成部15、認証部16、受付確認情報生成部17、通信部18を備え、更に、これらを制御する制御部9を備えている。
操作部10は外部から操作できるように宅配ボックス装置1の外面部に設けている。操作部10としては、例えば、液晶モニターを用いたタッチパネル式の操作部、キーを押して操作する操作部等が採用できる。もちろん操作部10の形態はこれらの例にのみ限定されない。
本実施形態ではこの操作部10の一部の機能が宅配物の発送情報を入力して受付けるための発送受付手段11を構成している。
発送受付手段11である操作部10は、発送人による宅配物の発送情報の入力に基づいて該発送情報を電子データとして受付ける。
入力する発送情報は、発送人の住所、氏名、電話番号、メールアドレス等の発送人情報、荷受人の住所、氏名、電話番号、メールアドレス等の荷受人情報、その他の発送情報等である。
識別コード生成部12は、発送受付手段11における前記発送情報の受付け毎に、対応する宅配物を個々に特定する識別コードを電子データとして生成する。この識別コードの電子データは、前記発送情報の電子データにひも付けしてある。
宅配情報付与手段13は、発送受付手段11で受付けた発送情報又は識別コード生成部12で生成した識別コード情報のいずれか一方又は両方の情報よりなる宅配情報を宅配物収納部5内に入れる宅配物に対して付与する機能を備えている。
宅配情報付与手段13としては、例えば、前記宅配情報をバーコードやQRコードとして宅配物に印字するインクジェット印刷装置のような印刷装置を挙げることができる。
この例では、発送受付手段11、識別コード生成部12で発送情報の受付け及び識別コード情報の生成を行い、宅配物検知センサ6で宅配物の収納を検知すると、宅配情報付与手段13である印刷装置が宅配物に対し宅配情報をバーコードやQRコードとして印字する。
また、宅配情報付与手段13の他の例としては、印刷した発送用ラベルを発行するラベル発行装置を挙げることができる。
ラベル発行装置は、例えば、宅配情報が生成されると直ちに発送用ラベルを発行するように制御部9により制御される。このようにして発行された発送用ラベルは、発送人が対応する宅配物に貼付ける。
また、他例としては、宅配物収納部5内に収納した宅配物を宅配業者の集配人が取出す際にラベル発行装置で発送用ラベルを発行するように制御部9により制御されるものであってもよい。この場合は、発行された発送用ラベルは、集配人が対応する宅配物に貼付ける。
発送費用決済手段14は、宅配物の発送費用を決済するためのものである。
発送費用決済手段14の例としては、例えば、操作部10において液晶モニターに表示される発送費用を確認し、銀行などの金融機関の指定口座、あるいはクレジットカード等の番号を入力することで発送費用を決済する。もちろん、発送費用決済手段14として他の決済方法を採用してもよい。
施錠装置4は、操作部10で施錠操作を行うことで施錠する。
開錠認証情報生成部15は、施錠装置4を開錠するための開錠認証情報を生成するもので、通信部18から管理サーバ2の通信部20に送信する。
管理サーバ2は通信部18から宅配業者端末装置19に、宅配ボックス装置1、該当する宅配物収納部5の番号、開錠認証情報等の集荷情報を送信するようになっている。
認証部16は、宅配業者が開錠認証情報に基づいて施錠装置4の開錠のための認証を行うためのもので、認証部16で認証が行われることで、施錠装置4を開錠することができる。
受付確認情報生成部17は、宅配物の発送受付、発送費用の決済、施錠装置4の施錠等発送受付けに関するすべての処理が完了すると、宅配物の発送受付け処理が完了したことを証明するための受付確認情報を生成する。
受付確認情報生成部17は、例えば、受付確認伝票発行装置であり、宅配物の発送情報、識別コード、決済内容等を記入した受付確認伝票をプリントアウトして発送人に発行する。
前述の構成の宅配ボックス装置1は、図2に示す実施形態、図4に示す実施形態のように、不特定の人が利用可能な多数の異なる公衆の場所30に設置し、不特定多数の人が宅配物の発送用として利用できる公衆利用の宅配ボックス装置1として使用できる。
また、図7に示すように、限られた特定の人のみが利用可能な私的な場所31(非公衆の場所)に設置して使用したりすることもできる。
図2には不特定多数の人が宅配物の発送用として利用できる公衆利用の宅配ボックス装置1として用いる例(以下、公衆利用の発送用宅配ボックス装置1という)を示す実施形態を示している。
本例においては、不特定の人が利用可能な多数の異なる公衆の場所30に前記構成の宅配ボックス装置1を設置し、この多数の公衆利用の発送用宅配ボックス装置1と管理サーバ2を通信ネットワーク3で接続する。
ここで、公衆利用の発送用宅配ボックス装置1が設置される公衆の場所30とは、例えば、コンビニエンスストア、駅、宅配業者の営業所等不特定の人が自由に利用できる場所のことである。
以下、公衆利用の宅配ボックス装置1による不特定の人の宅配物の発送受付けについて図2、図3に基づいて説明する。
まず、宅配物を発送しようとする発送人が、多数の異なる場所に設置した受付用の公衆利用の宅配ボックス装置1のうち、発送に都合の良い任意の公衆の場所に設置した宅配ボックス装置1を選び、該当する場所に宅配物を持参する。
そして、選択した公衆の場所に設置した公衆利用の発送用宅配ボックス装置1に備えている発送受付手段11である操作部10を操作して宅配物の発送情報を入力する。
入力する宅配物の発送情報とは、例えば、発送人氏名、住所、郵便番号、電話番号、携帯電話番号、メールアドレス等の発送人情報、荷受先の荷受人氏名、住所、郵便番号、電話番号、携帯電話番号、メールアドレス等の荷受先情報、発送日、荷受日等の情報である。
これらの発送情報を発送受付手段11に入力すると発送情報を電子データとして生成する。
発送情報の受付けを行うと、識別コード生成部12が発送対象となる宅配物を特定するための識別コードを電子データとして生成する。
このように該当する宅配物を特定する識別コードを生成することで、該当する宅配物を発送、集荷から荷受先における荷受の確認までこの識別コードにより管理する。
前記発送情報の入力の前、又は終了後、操作部10の液晶モニターで該当する宅配ボックス装置1に備えた複数の宅配物収納部5のサイズ・利用状況を表示し、このサイズ・利用状況を表示に基づいて、空いている宅配物収納部5のうち発送しようとする宅配物のサイズに適応した宅配物収納部5を選択し、操作部10で指定することで、該当する宅配物収納部5の扉7を自動的に開く。
続いて該当する宅配物収納部5内に宅配物を入れる。
宅配物収納部5内に宅配物を入れると、宅配物検知センサ6が宅配物の収納を検知する。
前記発送受付手段11により発送情報を受付け、識別コード生成部12により識別コードを生成し、且つ、宅配物検知センサ6により宅配物の収納を検知すると、発送情報又は前記識別コード情報のいずれか一方又は両方の情報よりなる宅配情報を宅配情報付与手段13で出力する。
本実施形態では、宅配情報付与手段13を構成する印刷装置により宅配物に宅配情報をバーコードやQRコードとして宅配物に印字する。
次に、発送人は、扉7を閉じ、操作部10を操作して施錠操作をし、施錠装置4を施錠する。
前記施錠の前又は施錠後に、発送費用決済手段14で宅配物の発送費用を決済する。
本実施形態では、発送情報の受付け、選択された宅配物収納部5のサイズ等に基づいて、操作部10の液晶モニターに発送費用を表示するので、発送者がこれを確認し、液晶モニターに表示される銀行などの金融機関の指定口座、あるいはクレジットカード等の番号を入力することで発送費用を決済する。
発送情報の受付け、施錠、発送費用の決済が完了すると、開錠認証情報生成部15で、施錠装置4を開錠するための開錠認証情報を生成する。
また、受付確認情報生成部17で受付確認情報を生成して発送人に対して出力する。
本実施形態では、宅配物の発送情報、識別コード、決済内容等を記入した受付確認伝票をプリントアウトして発送人に発行する。
他例としては、発送人の携帯電話やパソコン等の発送人端末装置25に受付確認情報を送信してもよい。
以上で、公衆利用の宅配ボックス装置1における発送受付処理が完了(発送登録が完了)する。
発送登録が完了すると、該当する宅配物に関する発送情報、識別コード、宅配物が収納された宅配物収納部5の番号、個別開錠認証情報、決済情報等の発送登録情報を、該当する公衆利用の発送用宅配ボックス装置1の通信部18から管理サーバ2の通信部20に送信する。
前記宅配ボックス装置1における発送登録に至る一連の処理及び後述の認証部16による認証、認証に基づく施錠装置4の開錠等の処理は制御部9の制御により行う。
管理サーバ2は、宅配情報管理部22、通信部20、これらを制御する制御部21を備えている。
管理サーバ2で前述の宅配物に関する発送情報、識別コード、宅配物が収納された宅配物収納部5の番号、個別開錠認証情報、決済情報等の発送登録情報を受信すると、管理サーバ2から宅配業者端末装置19に、該当する公衆利用の宅配ボックス装置1の設置場所、該当する宅配物収納部5の番号、個別開錠認証情報等の集荷情報を送信する。
宅配業者端末装置19に管理サーバ2から集荷情報が送信されると、宅配業者が、該当する設置場所の公衆利用の宅配ボックス装置1に集荷に行く。
そして、該当する設置場所の公衆利用の発送用宅配ボックス装置1に設けた認証部16において、送信された開錠認証情報に基づいて施錠装置4の開錠のための認証を行い、該当する宅配物収納部5の施錠装置4を開錠し、扉7を開けて中に入っている宅配物を取出す。
このように施錠装置4が開錠され且つ宅配物検知センサ6で宅配物の存在が非検知になると、開錠信号及び宅配物の非検知信号に基づき宅配業者による集荷完了を確認し、この宅配物の宅配業者による集荷完了情報を通信部18から管理サーバ2の通信部20に送信する。
また、宅配業者は、該当する宅配物の集荷完了情報を宅配業者端末装置19から管理サーバ2に送信する。
管理サーバ2は、前記、公衆利用の発送用宅配ボックス装置1及び宅配業者端末装置19からの該当する宅配物の集荷完了情報を受信すると、この集荷完了情報を宅配情報管理部22に保存して履歴管理する。
以上のような処理の流れで、多数の異なる場所に設置した公衆利用の発送用宅配ボックス装置1のうち、任意の設置場所に設置した公衆利用の発送用宅配ボックス装置1で不特定の人を対象として宅配物の発送受付けを行い、宅配業者による発送受付けして該当する宅配物収納部5に収納した宅配物を宅配業者が集荷を行うことができる。
このように、公衆利用の発送用宅配ボックス装置1を利用して宅配物の発送受付処理ができるので、宅配物の発送受付けに当たり、宅配業者や宅配物取扱店の人的な負担を軽減でき、宅配物の流通コストを低減できる。
しかも、発送人は、不特定の人が利用可能な多数の異なる公衆の場所30に設置した公衆利用の発送用宅配ボックス装置1の中から、任意の公衆利用の発送用宅配ボックス装置1を利用して宅配物を発送できるので、時間にとらわれず、発送人に最も都合のいい場所を選んで発送できる。
また、宅配物の発送に当たって、発送人が集配人や店員と対面することなく発送受付の手続きができ、宅配物の発送に当たってプライバシーを保護できる。
また、発送受付手段11で受付けた発送情報又は前記識別コード生成部12で生成した識別コード情報のいずれか一方又は両方の情報よりなる宅配情報を前記宅配物収納部5内に入れる宅配物に対して、付与する宅配情報付与手段13を備えているので、入力された発送情報や生成された識別コード情報と、宅配物に付与された宅配情報とが一致し、発送受付け以降の宅配物の配達の管理を確実に行える。
また、発送受付手段11における発送情報の受付けに基づいて、宅配物の発送受付けが完了したことを発送人宛に出力する受付確認情報生成部17を備えているので、公衆利用の発送用宅配ボックス装置1を利用して宅配物の発送受付がなされたことが確認できる。
本実施形態では、前述のようにして公衆利用の宅配ボックス装置1を利用して宅配物を受付、宅配業者により集荷されるのであるが、集荷された宅配物の以降の配達先への配達は、現在行われている公知の宅配物の配達システムにより行うことができる。
例えば、集荷された宅配物は、宅配業者の配送センターに集め、配達先の地域毎に分別し、地域配送基地に移送し、地域配送基地から目的とする配達先に配達する。この間の個々の宅配物の管理は、発送受付時に各宅配物毎に付与される識別コードに基づいて、管理サーバ2に設けた宅配情報管理部22で行う。すなわち、個々の宅配物には宅配情報付与手段13により発送情報又は識別コード情報のいずれか一方又は両方の情報よりなる宅配情報が付与してあるので、宅配情報がひも付けされた識別コード情報に基づいて管理ができる。
また、宅配物に付けられる宅配情報がバーコードやQRコードのような第3者から情報が盗まれないようなものの場合、宅配物の発送、荷受に関する様々な個人情報を第3者に知られるのが防止でき、プライバシーの保護の観点から好ましい。
図4には、前述の宅配ボックス装置1を用いた宅配システムの他例を示している。
本例の宅配システムは、前述の実施形態における多数の異なる公衆の場所30に設置され不特定の人が利用可能な荷受機能を備えた多数の公衆利用の発送用宅配ボックス装置1と、管理サーバ2、宅配業者端末装置19に加え、多数の異なる公衆の場所30に設置され不特定の人が利用可能な公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100と、荷受人端末装置23を備えている。
多数の公衆利用の発送用宅配ボックス装置1、多数の公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100、宅配業者端末装置19、荷受人端末装置23、管理サーバ2を通信ネットワーク3で接続している。
多数の異なる公衆の場所30に設置され不特定の人が利用可能な公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100は、図6に示すように複数の宅配物収納部103を備えている。
宅配物収納部103には宅配物の収納の有無を検知する宅配物検知センサ111、宅配物を出し入れするための開口を開閉する扉101、扉101を閉じた際に施錠する電気錠よりなる施錠装置102を設けている。
また、公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100はコントロール装置104を設けている。
コントロール装置104には、操作部106、認証部107、荷出情報生成部108、配達完了情報作成部109、通信部110を備えると共に、これらを制御する制御部105を備えている。
複数の宅配物収納部103にはそれぞれ宅配物の収納の有無を検知する宅配物検知センサ111を備えている。
管理サーバ2の基本的構成は前記実施形態と同じであるが、本実施形態では更に荷受認証情報作成部24を設けている。
多数の公衆利用の発送用宅配ボックス装置1は前記実施形態における公衆利用の発送用宅配ボックス装置1と同じ構成であり、宅配物の発送手続き処理は前述の図3に示す実施形態と同様なので、説明は省略する。
したがって、以下においては、同上の宅配システムにおいて、図3に示す前述の宅配物の発送手続き処理のフロー図以降の処理、つまり、集荷した宅配物を多数の異なる公衆の場所30に設置され不特定の人が利用可能な公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100のいずれかで荷受けするための処理を図5に基づいて説明する。
集荷した宅配物は、以下のような処理で荷受処理を行う。
まず、集荷した宅配物の配達に先立って、管理サーバ2から発送情報として受付けた荷受人情報に基づいて、荷受人の携帯電話、パソコン等の荷受人端末装置23に、宅配物の発送情報と、多数の公衆の場所30に設置した公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100に関する情報を送信する。また、この場合、公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100に備えた複数の宅配物収納部103に関する情報も送信する。
荷受人は、送信された多数の公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100の設置場所情報に基づいて、配達を希望する場所に設置された公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100を指定し、荷受人端末装置23から管理サーバ2の通信部20に送信する。
また、管理サーバ2は、荷受人による指定された公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100の指定情報を宅配業者端末装置19に送信する。
この管理サーバ2からの宅配業者端末装置19への荷受人による指定された公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100の指定情報に基づいて、宅配業者は指定された公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100の設置場所に該当する宅配物を運ぶ。
宅配業者は、該当する場所の公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100の操作部106の液晶モニターに表示された複数の宅配物収納部103のサイズ・利用状況表示に基づいて、空いている宅配物収納部103のうち配達する宅配物のサイズに適応した宅配物収納部103を選択し、操作部106で指定する。
該当する宅配物収納部103を操作部106で指定すると、該当する宅配物収納部103の扉101が自動的に開くので、宅配業者は、該当する宅配物収納部103内に宅配物を収納し、扉101を閉じ、操作部106を操作して施錠操作をし、施錠装置102を施錠する。
該当する宅配物収納部103内に宅配物を収納すると、宅配物検知センサ111が宅配物の収納を検知する。
宅配物検知センサ111で宅配物の収納を検知すると共に、施錠装置102の施錠を完了すると、宅配業者により宅配物が特定の宅配物収納部103に収納されたとして、指定された公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100の該当する宅配物収納部103の番号を公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100から管理サーバ2に送信する。
管理サーバ2は、宅配物を実際に収納した宅配物収納部103の番号を受信すると、荷受認証情報作成部24で荷受認証情報を作成し、この荷受認証情報と、宅配物を収納した宅配物収納部103の番号を荷受人端末装置23に送信する。
荷受人端末装置23で荷受認証情報と、宅配物を収納した宅配物収納部103の番号を受信すると、荷受人は、自ら指定した場所に設置した公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100の認証部107で送信された開錠認証情報に基づいて荷受人としての認証を行うと共に、送信された該当する宅配物収納部103の番号を操作部106入力して該当する番号の宅配物収納部103の施錠装置102を開錠し、扉101を開けて中に入っている宅配物を取出す。
この場合、認証部107で荷受人としても認証されない場合、又は、該当する宅配物収納部103の番号が間違っている場合は施錠装置102は開錠しない。
施錠装置102が開錠され且つ宅配物検知センサ111で宅配物の存在が非検知になると、宅配物が荷受人により荷受けされたことを確認し、荷出情報生成部108で宅配物の荷出情報を生成して荷受人に宛てて提供する。
荷出情報生成部108としては、例えば、印刷装置で構成し、荷出伝票をプリントアウトして発行する。この荷出伝票には、荷出情報、宅配物の発送情報、識別コード等を印刷する。
このように、荷受人による宅配物の荷受けを確認して荷受人に荷出情報を提供すると、続いて配達完了情報作成部109により配達完了情報を生成して該当する公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100から管理サーバ2に送信する。
管理サーバ2は、前記配達完了情報を受信すると、宅配情報管理部22において、当該宅配物の配達完了を登録し、該当する宅配物の発送受付から配達完了(荷受完了)までの一連の処理フローを終了する。
前述の一連の処理フローの荷受処理において、公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100における一連の処理は公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100に設けた制御部105で制御する。
本実施形態においては、多数の異なる公衆の場所30に設置され不特定の人が利用可能な多数の公衆利用の発送用宅配ボックス装置1のうち任意の場所に設置した公衆利用の発送用宅配ボックス装置1で宅配物の発送受付処理を行い、この宅配物を多数の異なる公衆の場所30に設置され不特定の人が利用可能な公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100のうち、荷受人が指定した場所に設置した公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100で荷受けするので、以下の作用効果がある。
本実施形態は、宅配物の発送処理、荷受処理を、多数の異なる公衆の場所30に設置され不特定多数の人が利用可能な公衆利用の宅配ボックス装置1、100で行うことができ、宅配業者や宅配物取扱店の人的な負担を軽減でき、宅配物の流通コストを低減できる。
しかも、発送人は、前述のように時間にとらわれず、発送人に最も都合のいい場所を選んで発送できる。
また、荷受人は自身が指定した宅配物の荷受けに最も都合の良い場所で、自身の都合の良い時間に宅配物の荷受けができる。
更に、宅配物の発送人、荷受人はいずれも集配人や店員と対面することなく発送受付の手続きや荷受け手続きができ、宅配物の発送、荷受けに当たってプライバシーを保護できる。
なお、公衆利用の発送用宅配ボックス装置1、公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100は、それぞれ前述の発送処理機能のみを備えた発送専用のもの、前述の荷受処理機能を備えた荷受専用のものであってもよい。
また、前述の発送処理機能と前述の荷受処理機能の両機能を備えた単一の宅配ボックス装置を形成して、この単一の宅配ボックス装置で公衆利用の発送用宅配ボックス装置1、公衆利用の荷受用宅配ボックス装置100を兼用させてもよい。
前述の図2、図4に示す各実施形態は、宅配ボックス装置1を多数の異なる公衆の場所30に設置され不特定の人が利用可能な多数の公衆利用の発送用宅配ボックス装置1として利用した例を示したが、図7のように宅配ボックス装置1を限られた特定の人のみが利用可能な私的な場所31(非公衆の場所)に設置してもよい。
限られた特定の人のみが利用可能な私的な場所31としては、例えば、企業関係者が利用可能な企業の敷地あるいは建物内の任意の場所、マンションの住民が利用可能なマンションのロビー等を例示できる。
また、図示を省略しているが、宅配ボックス装置1を、多数の異なる公衆の場所30、多数の私的な場所にそれぞれ設置してもよい。