JP2019147284A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクの攪拌に要する時間を短縮できるようにすることを目的とする。【解決手段】プリンター1は、インクを貯留するインクパック81と、インクパック81から供給されたインクを吐出するインクジェットヘッド7と、インクジェットヘッド7を搭載し、走査方向に走査するキャリッジ6と、キャリッジ6を走査させる制御部と、キャリッジ6の走査に伴って空気を吸引及び排出する空気ポンプ11と、空気ポンプ11による空気の吸引及び排出でインクパック81が貯留するインクを流動させる作動部13と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置に関する。
従来、インクジェットプリンタで用いるインクにおいて、色素粒子が沈降することで生じる濃度むらを防止するため、インクを攪拌する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、印刷を開始する際に、空気ポンプ等により構成される加圧周辺システムによってインクカートリッジ内のインク貯留室を所定回数加減圧する加減圧繰り返し処理を実行し、インク貯留室のインクを攪拌する印刷装置を開示する。
特開2009−234214号公報
特許文献1は、印刷を開始する際、インクの攪拌を行うために待機時間が発生し、速やかに印刷を行えない場合がある。そのため、特許文献1のようなインクの攪拌を行う印刷装置には、攪拌に要する時間を短縮したいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、インクの攪拌に要する時間を短縮できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、インクを貯留するインク貯留部と、前記インク貯留部から供給されたインクを吐出可能である印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを搭載し、走査方向に走査するキャリッジと、前記キャリッジを走査させる制御部と、前記キャリッジの走査に伴って空気を吸引及び排出するポンプと、前記ポンプによる空気の吸引及び排出で前記インク貯留部が貯留するインクを流動させる作動部と、を備える。
本発明によれば、作動部がインクを流動させることでキャリッジの走査に伴ってインクを攪拌できるため、インク貯留部に貯留されているインクの状態を長期間適切な状態にできる。したがって、キャリッジの走査以外においてインクを攪拌する際、インクの攪拌に要する時間を短縮できる。
また、本発明は、前記ポンプは、前記走査方向において、印刷開始位置に位置する前記キャリッジと接する位置に設けられる。
本発明によれば、ポンプが印刷開始位置に位置するキャリッジと接する位置に設けられるため、キャリッジの走査に伴って確実にポンプが吸引及び排出を行うため、キャリッジの走査に伴って確実にインクを攪拌できる。
また、本発明は、前記インク貯留部をインクの色ごとに複数備え、また、複数の前記インク貯留部に対応して前記作動部を複数備え、複数の前記作動部のそれぞれは、1の前記ポンプにより、対応する前記インク貯留部が貯留するインクを流動させるように構成される。
本発明によれば、複数の作動部のそれぞれは、1のポンプにより、対応するインク貯留部が貯留するインクを流動させるように構成されるため、複数色のインクを攪拌するための構成を簡易にできる。
また、本発明は、前記インク貯留部を有し、前記インク貯留部を覆う空気層を内部に形成するインク貯留室と、前記ポンプに接続し前記空気層に連通する空気流路と、を備え、前記作動部は、前記インク貯留室、及び前記空気流路により構成される。
本発明によれば、空気層に対してポンプが空気を吸引及び排出を行うことで、インク貯留部が加減圧され、インク貯留部が貯留するインクが流動する。そのため、キャリッジの走査に伴って、インク貯留室のインク貯留部が貯留するインクを攪拌できる。
また、本発明は、前記空気層の圧力が所定の圧力を上回った場合に前記インク貯留室から空気を排出する排気弁を有する。
本発明によれば、排気弁を有するため、インク貯留部を加圧する圧力が高くなりすぎないように調整できる。
また、本発明は、前記ポンプによる空気の吸引及び排出で膨張収縮する膨張収縮部と、前記ポンプに接続し前記膨張収縮部に連通する空気流路と、を備え、前記作動部は、前記膨張収縮部、及び前記空気流路により構成され、前記膨張収縮部は、膨張収縮により前記インク貯留部を揺動可能な位置に設けられる。
本発明によれば、ポンプが空気を吸引及び排出することで膨張収縮部が膨張収縮し、この膨張収縮に伴ってインク貯留部が揺動することで、インク貯留部が貯留するインクが流動する。そのため、キャリッジの走査に伴ってインク貯留部が貯留するインクを攪拌できる。
また、本発明は、前記制御部は、前記印刷装置の動作モードが省電力モードから復帰した場合、印刷を終了してから所定期間経過した場合、或いは電源が投入された場合に、前記キャリッジを走査させる。
本発明によれば、印刷装置の動作モードが省電力モードから復帰した場合、印刷を終了してから所定期間経過した場合、或いは電源が投入された場合でも、キャリッジの走査によってインクを攪拌できる。
また、本発明は、前記制御部は、前記インクの吐出を伴わずに前記キャリッジを走査させる。
本発明によれば、インクの吐出を伴わずにキャリッジを走査させるため、印刷装置の動作モードが省電力モードから復帰した場合、印刷を終了してから所定期間経過した場合、或いは電源が投入された場合における走査において、不必要なインクの吐出を防止できる。
第1実施形態に係るプリンターの概略構成を示す図。 プリンターの機能的構成を示す図。 プリンターの動作を示すフローチャート。 プリンターの動作を示すフローチャート。 プリンターの動作を示すフローチャート。 第2実施形態に係る作動部の構成を示す図。 第3実施形態に係る作動部の構成を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るプリンター1(印刷装置)の概略構成を示す図である。
プリンター1は、外部の装置から受信する印刷データに基づいて、インクをジェット式で吐出することにより印刷媒体3に画像を印刷する装置である。特に、本実施形態のプリンター1は、比較的大型の印刷媒体3に対して印刷を実行するラージフォーマットプリンター(LFP)である。印刷媒体3としては、例えば、上質紙や、キャスト紙、アート紙、コート紙、合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)やPP(Polypropylene)等から成るフィルム、布帛等の印刷媒体を採用できる。
プリンター1は、プラテン2を備える。プラテン2の上面では、所定の印刷媒体3が搬送部105(図2参照)により搬送方向HYに搬送される。プラテン2の上方には、印刷媒体3の搬送方向HYに対して交差(例えば、直交)する交差方向KYに延在するガイドシャフト5が設けられる。ガイドシャフト5には、キャリッジ6が、図示しない駆動機構を介してガイドシャフト5に沿って往復走査自在に設けられる。したがって、キャリッジ6は、ガイドシャフト5に沿って交差方向KYに往復走査する。この交差方向KYが、キャリッジ6の走査方向である。以下、キャリッジ6の走査方向という場合、交差方向KYを示す。
キャリッジ6には、インクジェットヘッド7(印刷ヘッド)が搭載される。なお、キャリッジ6には、インクジェットヘッド7以外に種々のデバイスが搭載されていてもよい。
インクジェットヘッド7は、印刷媒体3の印刷面3aと対向する面に、インクを吐出するノズルが搬送方向HYに複数並ぶノズル列を、交差方向KYに並んで複数有している。本実施形態のインクジェットヘッド7は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)のインクを吐出するため、これら4色のそれぞれに対応した4つのノズル列を少なくとも有している。なお、インクジェットヘッド7が吐出するインクは、染料インク及び顔料インクのいずれの種類のインクを採用できるが、本実施形態では顔料インクである場合を例示する。
なお、インクジェットヘッド7が吐出するインクは、上述した色のインクに限定されず、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、オレンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリック等のインクでもよい。さらに、インクジェットヘッド7が吐出する液体は、インクに限定されず、プレコート液等のインク以外の液体でもよい。
プリンター1は、作動部13a、13b、13c、13dを備える。以下、作動部13a、13b、13c、13dを区別しない場合、「作動部13」と総称する。
作動部13aは、インクカートリッジ8a(インク貯留室)と空気管10とにより構成され、作動部13bは、インクカートリッジ8b(インク貯留室)と空気管10とにより構成され、作動部13cは、インクカートリッジ8c(インク貯留室)と空気管10とにより構成され、作動部13dは、インクカートリッジ8d(インク貯留室)と空気管10とにより構成される。
プリンター1は、例えば合成樹脂製の中空の箱により構成されるインクカートリッジ8a、8b、8c、8dを備える。インクカートリッジ8a、8b、8c、8dは、プリンター1の所定の位置に着脱可能に装着される。
インクカートリッジ8aは、シアンのインクを貯留するインクパック81a(インク貯留部)を内部に有する。インクパック81aは、供給管9aと接続し、加圧されることによって供給管9aを介してシアンのインクをインクジェットヘッド7に供給する。インクパック81aからインクジェットヘッド7へのインク供給路には、インクパック81aへのインクの逆流を防止する逆止弁12aが設けられている。逆止弁12aは、インクカートリッジ8aに設けられてもよく、供給管9の内部に設けられていてもよい。
インクカートリッジ8bは、マゼンタのインクを貯留するインクパック81b(インク貯留部)を内部に有する。インクパック81bは、供給管9bと接続し、加圧されることによって供給管9bを介してマゼンタのインクをインクジェットヘッド7に供給する。インクパック81bからインクジェットヘッド7へのインク供給路には、逆止弁12aと同様の逆止弁12bが設けられる。なお、逆止弁12bの配置については、逆止弁12aと同様である。
インクカートリッジ8cは、イエローのインクを貯留するインクパック81c(インク貯留部)を内部に有する。インクパック81cは、供給管9cと接続し、加圧されることによって供給管9cを介してイエローのインクをインクジェットヘッド7に供給する。インクパック81cからインクジェットヘッド7へのインク供給路には、逆止弁12aと同様の逆止弁12cが設けられる。なお、逆止弁12cの配置については、逆止弁12aと同様である。
インクカートリッジ8dは、ブラックのインクを貯留するインクパック81d(インク貯留部)を内部に有する。インクパック81dは、供給管9dと接続し、加圧されることによって供給管9dを介してブラックのインクをインクジェットヘッド7に供給する。インクパック81dからインクジェットヘッド7へのインク供給路には、逆止弁12aと同様の逆止弁12dが設けられる。なお、逆止弁12dの配置については、逆止弁12aと同様である。
以下では、インクカートリッジ8a、8b、8c、8dのそれぞれを区別しない場合、「インクカートリッジ8」と総称する。また、インクパック81a、81b、81c、81dのそれぞれを区別しない場合、「インクパック81」と総称する。また、供給管9a、9b、9c、9dのそれぞれを区別しない場合、「供給管9」と総称する。また、逆止弁12a、12b、12c、12dのそれぞれを区別しない場合、「逆止弁12」と総称する。
インクカートリッジ8aは、インクパック81aとインクカートリッジ8aの内壁との間に空気層82aが内部に形成される。また、インクカートリッジ8aは、排気弁83aを有している。排気弁83aは、空気層82aの気圧が一定以上の圧力になると空気層82aから空気を逃がし空気層82aを減圧する。
インクカートリッジ8bは、インクパック81bとインクカートリッジ8bの内壁との間に空気層82bが内部に形成される。また、インクカートリッジ8bは、排気弁83aと同様に機能する排気弁83bを有している。
インクカートリッジ8cは、インクパック81cとインクカートリッジ8cの内壁との間に空気層82cが内部に形成される。また、インクカートリッジ8cは、排気弁83aと同様に機能する排気弁83cを有している。
インクカートリッジ8dは、インクパック81dとインクカートリッジ8dの内壁との間に空気層82dが内部に形成される。また、インクカートリッジ8dは、排気弁83aと同様に機能する排気弁83dを有している。
以下では、空気層82a、82b、82c、82dを区別しない場合、「空気層82」と総称する。空気層82は、インクパック81を覆うようにインクカートリッジ8の内部に形成されている。
また、以下では、排気弁83a、83b、83c、83dを区別しない場合、「排気弁83」と総称する。
空気層82a、82b、82c、82dは、それぞれ、空気ポンプ11(ポンプ)に接続している空気管10(空気流路)と連通している。空気管10は、分岐して空気層82a、82b、82c、82dのそれぞれと連通している。
空気ポンプ11は、シリンダー111、及びピストン112により少なくとも構成されるピストンポンプである。シリンダー111は、空気管10と連通する。ピストン112がシリンダー111の内壁に沿ってシリンダー111に押し込まれる方向KY1に移動することで、空気ポンプ11は、空気管10に空気を排出し、空気管10を介してインクカートリッジ8の空気層82に空気を送る。これにより、空気層82の気圧が高まってインクパック81が加圧され、インクジェットヘッド7には、インクカートリッジ8からインクが供給される。一方で、ピストン112がシリンダー111の内壁に沿ってシリンダー111から離れる方向KY2に移動すると、空気ポンプ11は、空気管10を介して空気層82から空気を吸引する。これにより、空気層82の気圧が低くなり、インクパック81が空気層82から受ける圧力は低下する。
空気ポンプ11は、ピストン112が方向KY2に向いた状態で位置I2に設けられる。位置I2は、空気ポンプ11が印刷開始位置I1に位置するキャリッジ6と接する位置であり、且つ、ピストン112の状態がキャリッジ6によりシリンダー111へ押し込まれた状態となる位置である。印刷開始位置I1と位置I2とは、非印刷領域A1に含まれる。
なお、非印刷領域A1は、印刷領域A2、及び非印刷領域A3より方向KY1側にある領域であって、キャリッジ6の走査方向においてインクジェットヘッド7がインクを吐出しない領域である。非印刷領域A1には、インクジェットヘッド7をメンテナンスするメンテナンス機構等が設けられている。そのため、交差方向KYにおいて非印刷領域A1側は、ホーム(HOME)側ともいわれる。印刷領域A2は、交差方向KYにおいて非印刷領域A1、A3に挟まれる領域であって、インクジェットヘッド7がインクを吐出可能な領域である。また、非印刷領域A3は、印刷領域A2、及び非印刷領域A1より方向KY2側にある領域であって、キャリッジ6の走査方向においてインクジェットヘッド7がインクを吐出しない領域である。交差方向KYにおいて非印刷領域A3側は、フル(FULL)側ともいわれる。
また、印刷開始位置I1とは、印刷を開始する際のキャリッジ6の位置であり、印刷を実行しない場合のキャリッジ6の退避位置でもある。印刷開始位置I1は、ホームポジションとも呼ばれる。なお、キャリッジ6が印刷開始位置I1に位置するとは、少なくともインクジェットヘッド7が有するノズル列のうち、最も方向KY2側に位置するノズル列が非印刷領域A1に位置することを示す。
ここで、キャリッジ6の走査と、この走査に伴う空気ポンプ11の吸引及び排出について説明する。説明に際し、キャリッジ6が方向KY1に向かって印刷開始位置I1まで走査し、その後に、印刷開始位置I1から方向KY2に向かって走査する場合を例示する。
キャリッジ6が方向KY1に向かって走査し印刷開始位置I1に位置すると、空気ポンプ11は、キャリッジ6によりピストン112がシリンダー111へ押し込まれた状態となる。これにより、空気ポンプ11は、空気層82に空気を排出し、インクカートリッジ8のインクパック81は、加圧される。そして、この加圧により、インクカートリッジ8は、インクジェットヘッド7にインクを供給する。なお、空気層82の圧力が高まった場合でも、排気弁83は、空気層82の圧力が所定の圧力を上回らないように減圧し空気層82の圧力を調整する。これにより、排気弁83は、インクパック81に必要以上の圧力が加わらないように空気層82の圧力を調整でき、インクパック81がインクジェットヘッド7に必要以上のインクを供給することを防止できる。
キャリッジ6が印刷開始位置I1で走査方向を切り替えて方向KY2に走査すると、ばねや磁石等の機構により、空気ポンプ11のピストン112は、方向KY2に向かって移動しキャリッジ6に押し込まれる前の所定の位置まで移動する。この移動の際、空気ポンプ11は、空気管10を介して空気層82から空気を吸引する。この吸引により、空気層82の圧力が低下し、インクパック81が受ける圧力は低下する。この減圧の際に、インクジェットヘッド7に供給されたインクは、インクカートリッジ8に引き戻される力が作用するが、逆止弁12によりインクパック81に逆流しない。なお、空気層82の圧力が低くなりすぎた場合、空気ポンプ11が有する吸気弁113は、外部から空気を吸引し、吸引した空気を空気管10を介して空気層82に流入する。これにより、吸気弁113は、空気層82の圧力が低下しすぎないように調整できる。
このように、キャリッジ6の走査によって空気ポンプ11が空気を吸引及び排出し、インクパック81は、空気層82により加減圧される。この加減圧によりインクパック81の形状が変化するため、インクパック81が貯留するインクは、インクパック81内で流動する。したがって、プリンター1は、キャリッジ6の走査に伴って、インクパック81が貯留するインクを攪拌することができる。プリンター1は、キャリッジ6の走査に伴ってインクを攪拌できるため、インクパック81に貯留されるインクの状態を色素の沈降を抑えた適切な状態で長期間維持できる。そのため、プリンター1は、キャリッジ6の走査以外にインクを攪拌する場合、インクの攪拌に要する時間を短縮できる。例えば、印刷を終了した後に次の印刷を開始する際、プリンター1は、次の印刷を開始する前にインクの攪拌を行わなくてよく、また、インクの攪拌を行う構成であっても短時間で十分な攪拌を行うことができる。
また、キャリッジ6の走査に伴って空気ポンプ11によりインクを攪拌する構成とすることで、以下に示す効果を奏する。プリンター1は、インクカートリッジ8が貯留するインクを攪拌するために、専用のモーターを具備しなくてもよい。したがって、プリンター1は、このモーター、及びこのモーターを駆動させるための制御プログラムを実装しなくてもよく、プリンター1にかかるコストを削減できる。また、プリンター1は、インクを攪拌するため専用のモーターを駆動しなくてもよいため、消費電力を削減できる。
さらに、空気ポンプ11を位置I2に設けることで、以下に示す効果を奏する。すなわち、キャリッジ6は、印刷開始位置I1を起点として走査方向に走査するが、印刷媒体3の幅や、印刷面3aに印刷する画像の幅等によって、走査方向の全てを走査範囲として走査するとは限らない。これは、キャリッジ6の走査範囲を異ならせて印刷効率を向上させるためである。空気ポンプ11を例えば非印刷領域A3に設けてしまうと、印刷内容によっては、キャリッジ6が非印刷領域A3まで走査せず、インクの攪拌が行われない可能性がある。そこで、空気ポンプ11を位置I2に設けることで、キャリッジ6が走査するたびキャリッジ6が印刷開始位置I1に位置するため、確実にインクパック81を加減圧できる。したがって、プリンター1は、キャリッジ6の走査に伴って確実にインクパック81が貯留するインクを攪拌できる。
また、図1に示すように、作動部13a、13b、13c、13dのそれぞれは、空気ポンプ11により、対応するインクパック81が貯留するインクを流動させるように構成されている。つまり、空気層82a、82b、82c、82dのそれぞれは、空気管10を介して同じ空気ポンプ11から空気が吸引及び送気される。これにより、色ごとに複数の空気ポンプ11を具備する必要が無く、プリンター1は、複数色のインクを攪拌するための構成を簡易にできる。また、プリンター1は、色ごとに偏りなくインクを攪拌できる。
前述した通り、本実施形態のインクジェットヘッド7が吐出するインクは、顔料インクである場合を例示している。顔料インクは、周知の通り、色素として顔料粒子を用い、この顔料粒子をインク溶媒内に分散させたインクである。そのため、顔料インクは、染料インクと比較して色素を構成する粒子が大きく、短期間で多くの色素が沈降する可能性が高い。しかしながら、キャリッジ6の走査に伴ってインクの攪拌が行われるため、プリンター1は、色素の沈降を抑えたインクの状態を長期間維持でき、顔料インクを吐出する場合でもインクの攪拌に要する時間を短縮できる。
次に、プリンター1の機能的構成について説明する。
図2は、プリンター1の機能的構成を示す図である。
プリンター1は、制御部100、通信部102、入力部103、表示部104、搬送部105、印刷部106、及び、加熱部107を備える。
制御部100は、CPU100A、ROM100B、及びRAM100Cを備え、プリンター1の各部を制御する。制御部100は、CPU100AがROM100Bに記憶されたプログラムをRAM100Cに読み出して処理を実行する等、ハードウェア及びソフトウェアの協働により処理を実行する。
制御部100は、CPU100A、及び記憶部101により構成される。記憶部101は、CPU100Aが実行する制御プログラムや各種データを不揮発的に記憶する記憶装置であり、フラッシュROM等の半導体記憶素子等で構成される。記憶部101は、CPU100Aのワークエリアを構成するRAM100Cを含んでもよい。
通信部102は、所定の通信規格に従ったハードウェアを備え、制御部100の制御で、所定の通信規格に従って外部の装置と通信する。
入力部103は、プリンター1に設けられた操作スイッチや、タッチパネル等の入力手段を備え、ユーザーの入力手段に対する操作を検出し、制御部100に出力する。制御部100は、入力部103からの入力に基づいて、入力手段に対する操作に対応する処理を実行する。
表示部104は、複数のLEDや、表示パネル等を備え、制御部100の制御で、LEDを所定の態様で点灯/消灯や、表示パネルへの情報の表示等を実行する。
搬送部105は、印刷媒体3を搬送方向HYに搬送するための搬送ローラー(不図示)や、搬送ローラーを回転させる搬送モーター、搬送モーターを駆動するモータードライバー、その他の印刷媒体3の搬送に関する構成を備える。搬送部105は、ロール・ツー・ロール方式で印刷媒体3を搬送する構成を備えていてもよい。搬送部105は、制御部100の制御で、印刷媒体3を搬送する。
印刷部106は、キャリッジ6や、キャリッジ6に搭載されるインクジェットヘッド7、インクジェットヘッド7を駆動する駆動回路(不図示)、キャリッジ6を交差方向KYに走査させるキャリッジ駆動モーター、その他の印刷媒体3への印刷に関する構成を備える。印刷部106は、制御部100の制御で、印刷媒体3に画像を印刷する。
加熱部107は、プラテン2を加熱するプラテンヒーター等の印刷媒体3の加熱に関する構成を備え、制御部100の制御で、搬送される印刷媒体3を加熱する。
図1の説明では、印刷する際にキャリッジ6が走査する場合について言及したが、キャリッジ6の走査が行われる態様は、印刷時に限定されない。例えば、プリンター1に電源が投入された場合、プリンター1の動作モードが省電力モードから復帰した場合、或いは、印刷を終了してから所定期間経過した場合に、インクの吐出を伴わずにキャリッジ6の走査を行ってインクを攪拌してもよい。これにより、比較的長期間インクの攪拌が行われておらず色素の沈降が進行している場合でも、プリンター1は、十分にインクを攪拌することができる。
以下、プリンター1に電源が投入された場合、プリンター1の動作モードが省電力モードから復帰した場合、或いは、印刷を終了してから所定期間経過した場合のそれぞれにおけるプリンター1の動作について説明する。
[省電力モードから復帰した場合]
図3は、プリンター1の動作を示すフローチャートである。
プリンター1の制御部100は、プリンター1の動作モードが省電力モードから復帰したか否かを判別する(ステップSA1)。省電力モードとは、消費電力を抑制する動作モードである。省電力モードから復帰するとプリンター1の動作モードは、少なくとも印刷動作が実行可能な通常モードに移行する。例えば、プリンター1は、外部装置から印刷データを受信すると動作モードが省電力モードから復帰する。
制御部100は、プリンター1の動作モードが省電力モードから復帰したと判別した場合(ステップSA1:YES)、省電力モードであった期間が所定期間以上であるか否かを判別する(ステップSA2)。この所定期間は、インクの攪拌が必要か否かを判別するための期間であり、事前のテストやシミュレーション等によって予め算出される。特に、プリンター1は、1の空気ポンプ11で全色のインクを攪拌させる構成である。そのため、この所定期間は、最も色素の沈降が進行易い色のインクに基づいて予め算出される。
制御部100は、省電力モードであった期間が所定期間以上でないと判別した場合(ステップSA2:NO)、本処理を終了する。
一方で、制御部100は、省電力モードであった期間が所定期間以上であると判別した場合(ステップSA2:YES)、キャリッジ6を走査させてインクパック81のインクを攪拌させる(ステップSA3)。なお、ステップSA3では、キャリッジ6が走査方向に走査するだけであって、インクジェットヘッド7はインクを吐出しない。
ステップSA3では、省電力モードであった期間に応じた回数分、キャリッジ6を往復走査させることが好ましい。これにより、色素の沈降の進行度合いに応じてインクパックの加減圧の回数を異ならせることができるため、プリンター1は、色素の沈降の進行度合いに応じて適切にインクを攪拌できる。さらに、キャリッジ6の往復走査における走査範囲は、ピストン112をシリンダー111に押し込むために必要な範囲のみでよい。例えば、走査範囲は、非印刷領域A3まで含まなくてもよい。これにより、プリンター1は、キャリッジ6の走査範囲を必要最小限の範囲とすることができ、インクを攪拌するために要する時間を短縮できる。また、インクの吐出が行われないため、プリンター1は、不必要にインクが吐出されるのを防止して、インクを攪拌できる。
[電源が投入された場合]
図4は、プリンター1の動作を示すフローチャートである。
プリンター1の制御部100は、プリンター1の電源が投入されたか否かを判別する(ステップSB1)。
制御部100は、プリンター1の電源が投入されたと判別した場合(ステップSB1:YES)、電源がオフであった期間、すなわち、電源が投入されていなかった期間が所定期間以上であるか否かを判別する(ステップSB2)。この所定期間は、省電力モードからの復帰において説明した所定期間と同様の期間である。
制御部100は、電源がオフであった期間が所定期間以上でないと判別した場合(ステップSB2:NO)、本処理を終了する。
一方で、制御部100は、電源がオフであった期間が所定期間以上であると判別した場合(ステップSB2:YES)、キャリッジ6を走査させてインクパック81のインクを攪拌させる(ステップSB3)。なお、ステップSB3では、キャリッジ6が走査方向に走査するだけであって、インクジェットヘッド7はインクを吐出しない。
ステップSB3では、電源がオフであった期間に応じた回数分、キャリッジ6を往復走査させることが好ましい。これにより、省電力モードからの復帰において説明した効果と同様の効果を奏する。また、キャリッジ6の往復走査における走査範囲は、ピストン112をシリンダー111に押し込むために必要な範囲のみでよい。これにより、上述した効果と同様の効果を奏する。
[印刷を終了してから所定期間経過した場合]
図5は、プリンター1の動作を示すフローチャートである。
プリンター1の制御部100は、前回の印刷が終了してから印刷を実行しない期間が所定期間経過したか否かを判別する(ステップSC1)。この所定期間は、省電力モードからの復帰において説明した所定期間と同様の期間である。
制御部100は、前回の印刷が終了してから印刷を実行しない期間が所定期間経過したと判別した場合(ステップSC1:YES)、キャリッジ6を走査させてインクパック81のインクを攪拌させる(ステップSC2)。なお、ステップSC2では、キャリッジ6が走査方向に走査するだけであって、インクジェットヘッド7はインクを吐出しない。
ステップSB3では、所定期間に対応した回数分、キャリッジ6を往復走査させることが好ましい。これにより、色素の沈降の進行度合いに対応してインクパック81の加減圧を行うことができるため、プリンター1は、色素の沈降の進行度合いに対応して適切にインクを攪拌できる。また、キャリッジ6の往復走査における走査範囲は、ピストン112をシリンダー111に押し込むために必要な範囲のみでよい。これにより、上述した効果と同様の効果を奏する。
以上、説明したように、プリンター1(印刷装置)は、インクを貯留するインクパック81(インク貯留部)と、インクパック81から供給されたインクを吐出するインクジェットヘッド7(印刷ヘッド)と、インクジェットヘッド7を搭載し、走査方向(交差方向KY)に走査するキャリッジ6と、制御部100と、キャリッジ6の走査に伴って空気を吸引及び排出する空気ポンプ11(ポンプ)と、空気ポンプ11による空気の吸引及び排出でインクパック81が貯留するインクを流動させる作動部13と、を備える。
この構成によれば、作動部13がインクを流動させることでキャリッジ6の走査に伴ってインクを攪拌できるため、インクパック81に貯留されているインクの状態を長期間適切な状態にできる。適切な状態とは、インクの色素の沈降を抑えた状態である。したがって、プリンター1は、キャリッジ6の走査以外においてインクを攪拌する際、インクの攪拌に要する時間を短縮できる。
また、空気ポンプ11は、キャリッジ6の走査方向において、印刷開始位置I1に位置するキャリッジ6と接する位置I2に設けられる。
この構成によれば、位置I2に設けられるため、キャリッジ6の走査に伴って確実に空気ポンプ11が吸引及び排出を行うため、キャリッジ6の走査に伴って確実にインクを攪拌できる。
また、プリンター1は、インクパック81をインクの色ごとに複数備える。また、プリンター1は、複数のインクパック81に対応して作動部13を複数備える。複数の作動部13のそれぞれは、1の空気ポンプ11により、対応するインクパック81が貯留するインクを流動させるように構成される。
この構成によれば、色ごとに複数の空気ポンプ11を具備する必要が無く、プリンター1は、複数色のインクを攪拌するための構成を簡易にできる。また、プリンター1は、色ごとに偏りなくインクを攪拌できる。
また、プリンター1は、インクパック81を有し、インクパック81を覆う空気層82を内部に形成するインクカートリッジ8(インク貯留室)と、空気ポンプ11に接続し空気層82に連通する空気管10(空気流路)と、を備える。作動部13は、インクカートリッジ8、及び空気管10により構成される。
この構成によれば、空気層82に対して空気ポンプ11が空気を吸引及び排出を行うことで、インクパック81が加減圧されて貯留するインクが流動するため、キャリッジ6の走査に伴ってインクカートリッジ8が貯留するインクを攪拌できる。
また、プリンター1は、空気層82の圧力が所定の圧力を上回った場合にインクパック81から空気を排出する排気弁83を有する。
この構成によれば、空気層82の圧力が高まった場合でも、排気弁83により、空気層82の圧力が所定の圧力を上回らないように減圧し空気層82の圧力を調整できる。したがって、排気弁83は、インクパック81に必要以上の圧力が加わらないように空気層82の圧力を調整でき、インクパック81がインクジェットヘッド7に必要以上のインクを供給してしまうことを防止できる。
また、制御部100は、プリンター1の動作モードが省電力モードから復帰した場合、印刷を終了してから所定期間経過した場合、或いは電源が投入された場合に、キャリッジ6を走査させる。
この構成によれば、プリンター1の動作モードが省電力モードから復帰した場合、印刷を終了してから所定期間経過した場合、或いは電源が投入された場合でも、キャリッジ6の走査によってインクを攪拌できる。
また、制御部100は、上記場合においてインクの吐出の伴わずにキャリッジ6を走査させる。
この構成によれば、プリンター1の動作モードが省電力モードから復帰した場合、印刷を終了してから所定期間経過した場合、或いは電源が投入された場合において、不必要にインクが吐出されるのを防止できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るプリンター1は、第1実施形態に係るプリンター1と比較して、具備する作動部13の構成が異なる。
以下に、作動部13を代表して作動部13aについて説明する。
図6は、第2実施形態に係る作動部13aの構成を示す図である。
図6を用いた説明では、矢印に示すように、図中で左へ向かう方向を「前方」とする。また、図中で右へ向かう方向を「後方」とする。また、図中で上へ向かう方向を「上方」とする。また、図中で下へ向かう方向を「下方」とする。なお、下方は、プリンター1を設置した際の重力方向であり、上方は、下方と反対の方向である。
図6に示すように、インクカートリッジ8aは、インクカートリッジ8aを着脱可能に収容する収容部200に収容されている。収容部200は、前方に開口200Aが形成された箱状の部材により構成される。ユーザーは、インクカートリッジ8aの交換等を行う際、開口200Aからインクカートリッジ8aを取り出したり収容させたりする。
インクカートリッジ8aは、収容部200の内部において、インクジェットヘッド7と接続する供給管9aと接続した状態で収容される。インクカートリッジ8aと収容部200との間であって、インクカートリッジ8aの後方には、空気ポンプ11と接続する空気管10と連通する膨張収縮部材300(膨張収縮部)が設けられている。膨張収縮部材300は、空気ポンプ11による空気の吸引及び排出によって膨張及び収縮し、体積を増減させる柔軟な材料により構成される。図6において、実線で示す膨張収縮部材300は膨張状態を示しており、破線で示す膨張収縮部材300は収縮状態を示している。
第2実施形態に係る作動部13aは、空気管10、及び膨張収縮部材300により構成される。
ここで、キャリッジ6の走査と、この走査に伴うインクカートリッジ8の動きについて説明する。説明に際し、キャリッジ6が方向KY1に向かって印刷開始位置I1まで走査し、その後に、印刷開始位置I1から方向KY2に向かって走査する場合を例示する。
キャリッジ6が方向KY1に向かって走査し印刷開始位置I1に位置すると、空気ポンプ11は、キャリッジ6によりピストン112がシリンダー111へ押し込まれた状態となる。これにより、空気ポンプ11は、空気管10を介して膨張収縮部材300に空気を排出し、膨張収縮部材300は、収縮状態から膨張状態に移行する。この膨張状態への移行に伴って、インクカートリッジ8の後部は、インクカートリッジ8の前方下端部を支点として膨張収縮部材300の膨張により上昇する。
キャリッジ6が印刷開始位置I1で走査方向を切り替えて方向KY2に走査すると、ばねや磁石等の機構により、空気ポンプ11のピストン112は、方向KY2に向かって移動しキャリッジ6に押し込まれる前の所定の位置まで移動する。この移動の際、空気ポンプ11は、空気管10を介して膨張収縮部材300から空気を吸引する。この吸引により、膨張収縮部材300は、膨張状態から収縮状態に移行する。この収縮状態への移行に伴って、インクカートリッジ8の後部は、インクカートリッジ8の前方下端部を支点として膨張収縮部材300の収縮により下降する。
このように、キャリッジ6の走査によって空気ポンプ11が空気を吸引及び排出し、インクカートリッジ8aの後部は、上下方向に揺動する。この揺動によりインクカートリッジ8aのインクパック81aが貯留するインクは、インクパック81a内で流動する。したがって、第2実施形態に係る作動部13aを備えるプリンター1は、第1実施形態に係るプリンター1と同様の効果を奏する。なお、インクカートリッジ8を揺動させることが、インクパック81を揺動させることに相当する。
図6では、作動部13を代表して作動部13aについて説明したが、作動部13b、13c、13dについても同様に構成が採用される。これより、各色のインクについて、第2実施形態に係る作動部13を備えるプリンター1は、第1実施形態に係るプリンター1と同様の効果を奏する。
さらに、第2実施形態に係る作動部13は、さらに以下に示す効果を奏する。第2実施形態に係る作動部13は、インクパック81を加減圧することなくインクカートリッジ8を揺動させることで、インクパック81が貯留するインクを流動させる。そのため、インクカートリッジ8は、排気弁83や、逆止弁12等を具備する必要がない。また、空気層82が無くてもよいため、インクカートリッジ8は、インクパック81のスペースを広く確保でき、インクパック81が貯留可能なインク量を増やすことができる。
図6では、インクカートリッジ8の後部を揺動させる位置に膨張収縮部材300を設ける構成を説明したが、膨張収縮部材300の設置位置は、膨張収縮によりインクカートリッジ8を上下方向に揺動可能な位置であればよい。例えば、膨張収縮部材300が設置位置は、インクカートリッジ8の前方と収容部200との間でもよい。この場合、膨張収縮部材300の膨張収縮によってインクカートリッジ8の後方下端部を支点として、インクカートリッジ8の前部は上昇及び降下する。
また、図6では、膨張収縮部材300によりインクカートリッジ8を直接揺動させる構成を例示しているが、膨張収縮部材300により収容部200を揺動させ、間接的にインクカートリッジ8を揺動させる構成としてもよい。
以上、説明したように、第2実施形態に係るプリンター1、空気ポンプ11による空気の吸引及び排出で膨張収縮する膨張収縮部材300(膨張収縮部)と、空気ポンプ11に接続し膨張収縮部材300に連通する空気管10とにより構成される作動部13を備える。膨張収縮部材300は、膨張収縮によりインクパック81を揺動可能な位置に設けられる。
この構成によれば、空気ポンプ11が空気を吸引及び排出することで膨張収縮部材300が膨張収縮し、この膨張収縮に伴ってインクカートリッジ8が揺動することで、インクパック81が貯留するインクが流動する。そのため、キャリッジ6の走査に伴って、インクパック81が貯留するインクを攪拌できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態に係るプリンター1は、第1実施形態、及び第2実施形態に係るプリンター1と具備する作動部13の構成が異なる。
以下に、作動部13を代表して作動部13aについて説明する。
図7は、第3実施形態に係る作動部13aの構成を示す図である。図7における各方向は、図6に示す矢印と同じである。また、図7の説明において、図6に示す構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
インクカートリッジ8aの下部と収容部200との間には、移動部材500と、移動部材500の移動経路を形成する経路部材400とが設けられる。移動部材500は、空気ポンプ11による吸引及び排出によって経路部材400が形成する移動経路を移動可能な質量であって、インクカートリッジ8を支持可能な材料が採用される。移動部材500は、上下方向に経路部材400より高い高さを有する。経路部材400は、移動部材500の移動に伴って移動部材500周辺の形状を移動部材500の形状に沿った形状に変形可能な柔軟な材料が採用される。図7では、経路部材400が形成する移動経路は、前後方向に延びる経路である。
第3実施形態に係る作動部13aは、空気管10、移動部材500、及び経路部材400により構成される。
ここで、キャリッジ6の走査と、この走査に伴う第2実施形態の作動部13aの動きについて説明する。説明に際し、キャリッジ6が方向KY1に向かって印刷開始位置I1まで走査し、その後に、印刷開始位置I1から方向KY2に向かって走査する場合を例示する。
キャリッジ6が方向KY1に向かって走査し印刷開始位置I1に位置すると、空気ポンプ11は、キャリッジ6によりピストン112がシリンダー111へ押し込まれた状態となる。これにより、空気ポンプ11は、空気管10を介して経路部材400に空気を排出し、移動部材500は、流入してきた空気に押され、移動経路を後方から前方に向かって移動する。この移動部材500の移動に伴って、移動部材500の上部を支点として、インクカートリッジ8の後部は下降し、インクカートリッジ8の前部は上昇する。
キャリッジ6が印刷開始位置I1で走査方向を切り替えて方向KY2に走査すると、ばねや磁石等の機構により、空気ポンプ11のピストン112は、方向KY2に向かって移動しキャリッジ6に押し込まれる前の所定の位置まで移動する。この移動の際、空気ポンプ11は、空気管10を介して経路部材400から空気を吸引する。この吸引により、移動部材500は、後方に引き寄せられ、移動経路を前方から後方に向かって移動する。この移動部材500の移動に伴って、移動部材500の上部を支点として、インクカートリッジ8の後部は上昇し、インクカートリッジ8の前部は下降する。
このように、キャリッジ6の走査によって空気ポンプ11が空気を吸引及び排出することで、インクカートリッジ8aの前部及び後部は、上下方向に揺動する。これにより、第3実施形態に係るプリンター1は、第2実施形態に係るプリンターと同様の効果を奏する。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、インクジェットヘッド7が吐出するインクの色をシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色として説明したが、インクジェットヘッド7が吐出するインクの色は、更に多くてもよく少なくてもよい。更に多い場合でも少ない場合でも、プリンター1には、色ごとのインクカートリッジ8が装着される。
また、制御部100の機能を実現は、1のプロセッサーにより実現する場合を例示したが、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
また、例えば、図3、図4、及び図5の処理単位は、処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよいし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、その処理の順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
また、図2に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プリンター1の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
1…プリンター(印刷装置)、2…プラテン、3…印刷媒体、3a…印刷面、5…ガイドシャフト、6…キャリッジ、7…インクジェットヘッド(印刷ヘッド)、8、8a、8b、8c、8d…インクカートリッジ(インク貯留室)、9、9a、9b、9c、9d…供給管、10…空気管(空気流路)、11…空気ポンプ(ポンプ)、12、12a、12b、12c、12d…逆止弁、13、13a、13b、13c、13d…作動部、81、81a、81b、81c、81d…インクパック(インク貯留部)、82、82a、82b、82c、82d…空気層、83、83a、83b、83c、83d…排気弁、100…制御部、111…シリンダー、112…ピストン、113…吸気弁、300…膨張収縮部材(膨張収縮部)、A1、A3…非印刷領域、A2…印刷領域、HY…搬送方向、I1…印刷開始位置、I2…位置(印刷開始位置に位置するキャリッジと接する位置)、KY…交差方向(走査方向)、KY1、KY2…方向。

Claims (8)

  1. インクを貯留するインク貯留部と、
    前記インク貯留部から供給されたインクを吐出可能である印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを搭載し、走査方向に走査するキャリッジと、
    前記キャリッジを走査させる制御部と、
    前記キャリッジの走査に伴って空気を吸引及び排出するポンプと、
    前記ポンプによる空気の吸引及び排出で前記インク貯留部が貯留するインクを流動させる作動部と、を備える、
    印刷装置。
  2. 前記ポンプは、前記走査方向において、印刷開始位置に位置する前記キャリッジと接する位置に設けられる、
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記インク貯留部をインクの色ごとに複数備え、また、複数の前記インク貯留部に対応して前記作動部を複数備え、
    複数の前記作動部のそれぞれは、1の前記ポンプにより、対応する前記インク貯留部が貯留するインクを流動させるように構成される、
    請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記インク貯留部を有し、前記インク貯留部を覆う空気層を内部に形成するインク貯留室と、
    前記ポンプに接続し前記空気層に連通する空気流路と、を備え、
    前記作動部は、前記インク貯留室、及び前記空気流路により構成される、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置。
  5. 前記空気層の圧力が所定の圧力を上回った場合に前記インク貯留室から空気を排出する排気弁を有する、
    請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記ポンプによる空気の吸引及び排出で膨張収縮する膨張収縮部と、
    前記ポンプに接続し前記膨張収縮部に連通する空気流路と、を備え、
    前記作動部は、前記膨張収縮部、及び前記空気流路により構成され、
    前記膨張収縮部は、膨張収縮により前記インク貯留部を揺動可能な位置に設けられる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置。
  7. 前記制御部は、前記印刷装置の動作モードが省電力モードから復帰した場合、印刷を終了してから所定期間経過した場合、或いは電源が投入された場合に、前記キャリッジを走査させる、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の印刷装置。
  8. 前記制御部は、前記インクの吐出を伴わずに前記キャリッジを走査させる、
    請求項7に記載の印刷装置。
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