JP2019147166A - 光加工装置及び光加工物の生産方法 - Google Patents

光加工装置及び光加工物の生産方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019147166A
JP2019147166A JP2018032824A JP2018032824A JP2019147166A JP 2019147166 A JP2019147166 A JP 2019147166A JP 2018032824 A JP2018032824 A JP 2018032824A JP 2018032824 A JP2018032824 A JP 2018032824A JP 2019147166 A JP2019147166 A JP 2019147166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
light
optical
workpiece
processing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2018032824A
Other languages
English (en)
Inventor
中島 智宏
Tomohiro Nakajima
智宏 中島
古賀 昇
Noboru Koga
昇 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2018032824A priority Critical patent/JP2019147166A/ja
Publication of JP2019147166A publication Critical patent/JP2019147166A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】加工光による光加工によってアスペクト比の高い円錐孔を形成することを課題とする。【解決手段】光照射手段1,2から照射される加工光Lを用いて加工対象物35の被加工面に頂角θhの円錐孔を形成する光加工装置であって、前記光照射手段は、前記加工光の焦点位置が前記加工対象物の被加工面よりも手前に位置し、かつ、該加工光の集光角θsが前記頂角θhよりも大きくなるように、該加工光を照射することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光加工装置及び光加工物の生産方法に関するものである。
従来、光照射手段から照射される加工光を用いて加工対象物の被加工面に円錐孔を形成する光加工装置が知られている。
特許文献1には、レーザ光(加工光)を照射してアブレーション加工(非熱加工)により加工対象物の被加工面に円錐孔35aを形成するレーザ加工装置(光加工装置)が開示されている。
従来の光加工装置では、径(被加工面上の開口径)に対する深さの比率(以下「アスペクト比」という。)が高い円錐孔を形成することが困難であった。
上述した課題を解決するために、本発明は、光照射手段から照射される加工光を用いて加工対象物の被加工面に頂角θhの円錐孔を形成する光加工装置であって、前記光照射手段は、前記加工光の焦点位置が前記加工対象物の被加工面よりも手前に位置し、かつ、該加工光の集光角θsが前記頂角θhよりも大きくなるように、該加工光を照射することを特徴とする。
本発明によれば、加工光による光加工によってアスペクト比の高い円錐孔を形成することができるという優れた効果が奏される。
実施形態におけるレーザ加工装置の主要部の構成を示す模式図である。 同レーザ加工装置におけるレーザ発振器の一構成例を示す模式図である。 同レーザ加工装置におけるワーク搬送部の一構成例を示す模式図である。 同レーザ加工装置におけるキャリッジが主走査方向の異なる位置にそれぞれ位置するときのレーザ光の光路を示す説明図である。 ワークに対して小ピッチ化で小径の円錐孔を複数形成して得られる光加工物の一例を示す平面図である。 ワークに形成された円錐孔の軸に沿ってワークを切断したときの断面図である。 本実施形態における円錐孔の頂角θhとレーザ光の集光角(発散角)θsとの関係を示す説明図である。 実施形態のレーザ加工装置による加工処理の一例を示すフローチャートである。 ワークが停止した状態におけるアライメントマークの中心位置と目標位置とのズレの一例を示す説明図である。 実施形態におけるパルスレーザ光を出力するタイミングの一例を示すタイミングチャートである。 (a)は、焦点位置をワークの表面よりもワーク内部側に設定したときの孔開け加工の様子を示す説明図であり、(b)は、焦点位置をワークの表面に設定したときの孔開け加工の様子を示す説明図であり、(c)は、焦点位置をワークの表面から手前側にオフセットさせたときの孔開け加工の様子を示す説明図である。 孔の内部でレーザ光が反射する様子を示す説明図である。
以下、本発明に係る光加工装置を、携帯電話機等のモバイル機器などに搭載されるイメージセンサやジャイロセンサ等のセンサとその処理回路等の集積回路とをハイブリッド実装する際に用いられる光加工物であるインターポーザー(中継基板)の生産に用いるレーザ加工装置に適用した一実施形態について説明する。
なお、本発明に係る光加工装置は、加工光を用いて加工対象物の被加工面に円錐孔を形成するものであれば、本実施形態のような貫通孔を形成するものに限らず、例えば、窪みを形成するものであってもよい。ここでいう円錐孔とは、加工対象物の被加工面に略円形の開口をもち、かつ、加工対象物内部に向けて当該略円形の径が先細る形状である孔を意味し、厳密な円錐形状の孔に限定されるものではない。また、複数の円錐孔を被加工面の面方向に重複させるように形成することで、面方向に長尺な溝を形成したり、被加工対象物を切断したりするものを含むので、溝の加工装置や切断加工装置などにも適用可能である。
インターポーザーは、集積回路の多層化に利用されるもので、このインターポーザー(中継基板)の表面と裏面とを電気的に導通するための貫通孔を備え、この貫通孔を介して表面と裏面に実装された素子間の電気的接続を実現する。インターポーザーは、センサと直接接触する構造であることから、センサ材料(例えばシリコン)と同程度の膨張係数をもつシリコンやガラスの材料から形成される。従来、このようなインターポーザーの孔開け加工には、サンドブラスト加工や超音波ドリル加工などが用いられていたが、貫通孔の内壁面の平滑性が悪かったため、貫通孔の内壁面の平滑性が良好な加工方法が望まれている。また、高密度実装に伴う貫通孔の小径化や小ピッチ化に対応するためにも、別の加工方向が必要となっていた。そのため、本実施形態では、レーザ光(加工光)によるレーザ加工(光加工)によって、インターポーザーの孔開け加工を行う。
一般に、レーザ光による孔開け加工には、高出力が得られる炭酸ガスレーザが用いた溶融加工(熱加工)が用いられる。ところが、レーザ光照射による熱影響に伴って加工対象物にクラックが入りやすいという問題があり、ピコ秒やフェムト秒に相当する超短パルスレーザ光を用いた熱影響が少ないアブレーション加工(非熱加工)が望ましい。超短パルスレーザ光を用いたアブレーション加工は、炭酸ガスレーザを用いた溶融加工(熱加工)とは異なり、短時間に高いエネルギーを投入することで被加工部分を瞬時に蒸発させるため、熱の発生が少ない加工が可能となる。反面、パルス幅が短いため、炭酸ガスレーザに比べて1パルスあたりのエネルギー量が低く、深い孔(貫通孔)を形成するには、同じ位置に複数のパルスを繰り返し照射することが必要となる。このとき、加工対象物への吸収率が高い波長のレーザ光(例えば紫外線レーザ光)を用いれば、同じ位置に照射するパルスの数を減らすことができ、その分、熱の発生を抑えることができる。しかしながら、一般的なレーザ発振器では、その構成上、基本波長である1064[nm]のレーザ光(赤外レーザ光)を波長変換して、第二高調波である532[nm]のレーザ光(緑色レーザ光)や第三高調波である355[nm]のレーザ光(紫外線レーザ光)を生成する。この場合、吸収率が落ちても1パルスあたりのエネルギー量を高めてパルスの数を減らした方が、熱の発生に有利な場合もあり、赤外レーザ光や緑色レーザ光が選択される場合もある。
図1は、本実施形態におけるレーザ加工装置の主要部の構成を示す模式図である。
本実施形態のレーザ加工装置は、レーザ出力部1と、レーザ走査部2と、ワーク搬送部3と、制御部4とを備えている。
レーザ出力部1は、所定の繰返し周波数で発振するレーザ光照射手段としてのレーザ発振器11と、レーザ発振器11から出力されるレーザ光Lのビーム径を拡大するビームエキスパンダ12とを有する。
レーザ走査部2は、レーザ光Lを反射するX軸方向走査用とY軸方向走査用の2つのガルバノミラー21aをステッピングモータ21bで回動させてX軸方向及びY軸方向にレーザ光Lを走査させる光走査手段であるガルバノスキャナ21と、ガルバノスキャナ21で走査されたレーザ光Lをワーク35の表面(被加工面)から所定距離だけ手前側にオフセットさせた位置(焦点位置)に集光させる集光手段としてのfθレンズ22とを有する。
ワーク搬送部3は、ワーク35が載置される加工テーブル32を備えている。加工テーブル32は、ステッピングモータ31によりリニアガイド38に沿って副走査方向(Y軸方向)へ移動可能に構成されている。
レーザ出力部1のレーザ発振器11は、レーザドライバ部10によって制御される。レーザドライバ部10は、レーザ走査部2のガルバノスキャナ21の走査動作に連動してレーザ発振器11の発光を制御する。レーザ発振器11には、例えば、パルス幅(時間幅)が1μ秒以下であるパルスレーザ光を発振するものが用いられ、基材への熱影響によるダメージが少ない100[n秒]以下、より好ましくは100[p秒]以下のパルス発振によるパルスファイバレーザ(ピコ秒ファイバレーザ)を発振するものが用いられるが、他のレーザ発振器を用いてもよい。
図2は、本実施形態のレーザ発振器11の一構成例を示す模式図である。
本実施形態のレーザ発振器11は、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)と呼ばれるパルスファイバレーザである。このレーザ発振器11は、例えば、平均出力30[W]、パルス幅15[p秒]、繰返し周波数20[kHz]の短パルス紫外線レーザを用い、fθレンズ22によって焦点位置でのビームウエスト径(直径)が10[μm]以下となるように絞り込んでいる。このレーザ発振器11は、シードLD74をパルスジェネレータ73でパルス発振させてシード光を生成し、光ファイバアンプで複数段階に増幅するパルスエンジン部70と、パルスエンジン部70から出力されるレーザ光Lを導光する出力ファイバ71と、平行光束化手段としてのコリメート光学系83により略平行光束としてレーザ光Lを出射する出力ヘッド部72とから構成されている。本実施形態では、出力ヘッド部72のみがレーザ出力部1に設けられる。
パルスエンジン部70は、光ファイバ78、励起LD76及びカプラ77を有するプリアンプ部と、光ファイバ82、励起LD80及びカプラ81を有するメインアンプ部とから構成される。光ファイバには、コアに希土類元素をドープしたダブルクラッド構造のものが用いられ、励起LD76からの励起光の吸収によりファイバの出力端、入射端に設置されるミラー間で反射を繰り返しレーザ発振に至る。図2中符号75は、逆方向の光を遮断するアイソレータであり、図2中符号79は、ASE光を除去するバンドパスフィルタである。
本実施形態では、シードLD74の波長が近赤外の1064[nm]であるが、第2高調波である532[nm]、第3高調波である355[nm]をはじめとして、ワーク材質に応じて好適な波長を選択できる。また、一般に、パルス幅を短くすることで熱拡散距離が短くなり、加工対象物への熱ダメージが少ないレーザ加工が可能となることが知られている。瞬間的にGW(ギガワット)レベルの高いパルス強度をもつレーザ光を照射することで、光吸収がほとんどない、例えば透明な材質であっても加工が可能であるという利点がある。なお、レーザ発振器11には、イットリウム・バナデート結晶からなるレーザ媒質に励起光を照射することでレーザ発振を生じさせるYVOレーザ等の固体レーザを用いてもよい。
レーザ走査部2のガルバノスキャナ21は、X軸方向走査用とY軸方向走査用の各ガルバノミラー21aをそれぞれ回動させる各ステッピングモータ21bがガルバノスキャナ制御部20によって制御される。ガルバノスキャナ制御部20は、加工パターンを構成する線分要素データ(線分始点座標と線分終点座標)に応じて、ガルバノミラー21aの反射面に対する傾斜角度(反射面に入射してくるレーザ光の光軸に対する反射面の傾斜角度)がX軸方向に対応する方向あるいはY軸方向に対応する方向へ変化するように、各ステッピングモータ21bを制御する。これにより、線分要素の始点及び終点のX−Y座標に対応して、各ガルバノミラー21aを走査開始傾斜角度から走査終了傾斜角度まで回動させることができる。
なお、本実施形態では、光走査手段として、X軸方向走査とY軸方向走査のいずれもガルバノスキャナによって構成しているが、これに限らず、広く公知の光走査手段を用いることができる。また、X軸方向走査用の光走査手段とY軸方向走査用の光走査手段は、異なる構成の光走査手段であってもよい。例えば、Y軸方向走査用の走査手段にはガルバノスキャナを用い、X軸方向走査用の走査手段にはポリゴンミラーをモータで回転させるポリゴンスキャナを用いてもよい。X軸方向の光走査制御は、ポリゴンミラーで反射したレーザ光Lをレンズを介して光学センサで受光する受光タイミングに基づいて行うことができる。
レーザ走査部2は、主走査方向(X軸方向)に移動可能なキャリッジ25上に搭載されている。キャリッジ25は、駆動プーリ27a及び従動プーリ27bに掛け渡されているタイミングベルト27上に取り付けられている。駆動プーリ27aに接続されているステッピングモータ26を駆動させることで、タイミングベルト27が移動し、主走査方向に延びるリニアガイド29(図3参照)に沿ってタイミングベルト27上のキャリッジ25が主走査方向(X軸方向)へ移動する。キャリッジ25の主走査方向位置は、リニアエンコーダ28からの出力信号(アドレス信号)に基づいて検出することができる。ステッピングモータ26は、主走査制御部24によって制御される。
なお、本実施形態では、レーザ走査部2を搭載するキャリッジ25の移動手段として、タイミングベルトを利用した移動手段を採用しているが、これに限られず、リニアステージ等の直線移動可能な手段でも代用できるし、2次元方向へ移動させる移動手段を利用してもよい。
ワーク搬送部3は、加工テーブル32を副走査方向(Y軸方向)へ移動させるリニアステージを備えている。このリニアステージは、タイミングベルト31aを介してステッピングモータ31から伝達される駆動力によって、リニアガイド38に沿って加工テーブル32を副走査方向(Y軸方向)へ移動させる。ステッピングモータ31は、副走査制御部30によって制御され、リニアステージ上の加工テーブル32を副走査方向(Y軸方向)における目標送り位置へ移動させ、これにより加工テーブル32上に保持されたワーク35を副走査方向(Y軸方向)における目標送り位置へ移動させることができる。ワーク搬送部3は、レーザ走査部2から照射されるレーザ光Lの走査範囲である加工領域36へワーク35上の被加工部分を順次送り込むように、ワークを間欠搬送する。
具体的には、ワーク搬送部3は、ワーク35の主走査方向両端付近におけるワーク表面に形成されている検出用マークとしてのアライメントマーク37を撮像する位置検出手段としての第一モニタカメラ34及び第二の位置検出手段としての第二モニタカメラ33を備えている。副走査制御部30は、ステッピングモータ31によってワーク35を微小量ずつワーク送り方向B(副走査方向)へステップ送りしながら、モニタカメラ33,34から出力される画像データを順次取り込む。そして、パターンマッチング処理等によりアライメントマーク37を検出して、目標送り位置までのワーク移動量を演算し、その演算結果に基づいてステッピングモータ31を制御して、ワーク35の副走査方向位置を目標送り位置まで移動させる。
図3は、ワーク搬送部3の一構成例を示す模式図である。
本実施形態において、ワーク搬送部3の加工テーブル32は、本レーザ加工装置の前面から引き出し可能に構成されている。加工テーブル32上にワーク35をセットする場合、ユーザーPは、本レーザ加工装置の前面から加工テーブル32を引き出し、引き出された加工テーブル32上にワーク35をセットして、加工テーブル32を本レーザ加工装置へ押し込む。加工後のワーク35を取り出すときも同様である。
加工テーブル32には無数の細孔が形成されており、加工テーブル32の裏面に形成された空洞部32aの空気をポンプ58が吸い出すことにより、ワーク35を加工テーブル32の表面に吸着させ、加工領域36におけるワーク35の平面性を確保しつつ保持している。
制御部4は、本レーザ加工装置の全体を統括して管理、制御する制御PC40を備えている。制御PC40は、レーザドライバ部10、ガルバノスキャナ制御部20、主走査制御部24、副走査制御部30、焦点位置制御部50等に接続されており、各々のステータスを管理したり、加工シーケンスを制御したりする。
レーザ出力部1のビームエキスパンダ12は、複数枚からなるレンズで構成され、レーザ光路上においてレーザ走査部2のfθレンズ22に最も近いレンズ39の位置がレーザ光の光軸方向へ移動可能に構成されている。レンズ39の位置を移動させることにより、レーザ走査部2を搭載したキャリッジが後述するように主走査方向の各停止目標位置に停止したときの集光距離が揃うように微調整することができる。すなわち、ビームエキスパンダ12は、ガルバノスキャナ21に入射するレーザ光Lが平行光束となるように微調整するフォーカシング機能を備える。
また、主走査方向の各停止目標位置に応じてレンズ39の位置を個別に移動調整するアクチュエータを備え、集光距離を停止目標位置ごとに可変することにより、被加工面に対するキャリッジの移動方向の平行度がわずかにずれている場合であってもfθレンズ22の結像位置(焦点位置)を精度よく合わせることができる。
本実施形態において、ワーク35に対するレーザ光Lの走査範囲である加工領域36のX軸方向及びY軸方向における各最大長Lは、fθレンズ22の焦点距離をfとすると、それぞれのガルバノミラー21aの最大傾斜角度θ(例えば±20°)を用いて、下記の式(1)より得られる。
L = f × θ ・・・(1)
この式(1)に示すように、加工領域36の広さは、ガルバノスキャナ21の走査範囲(ガルバノミラー21aの最大傾斜角度)によって制限されることになる。ここで、ガルバノスキャナ21の走査範囲が広がるほど、各走査位置における集光位置(集光位置とワーク表面とのオフセット距離)を揃えるが困難となるため、加工領域36内における加工の均一性を維持することが難しくなる。そのため、ガルバノスキャナ21の走査範囲すなわちガルバノミラー21aの最大傾斜角度θを広げるにも限界がある。したがって、ガルバノスキャナ21の走査範囲(ガルバノミラー21aの最大傾斜角度θ)を広げて加工領域36の広さを拡げることには限界がある。
一方、前記式(1)によれば、fθレンズ22の焦点距離fを長くすれば、加工領域36の広さを拡げることができる。しかしながら、この焦点距離fを長くするほど、ワーク35からfθレンズ22を遠ざけて配置する必要があり、本レーザ加工装置が大型化してしまうという問題が生じる。
加えて、X軸方向及びY軸方向における各加工分解能σは、ステッピングモータ21bのパルス数をPとすると、下記の式(2)より得られる。
σ = f × (2π/P) ・・・(2)
この式(2)に示すように、fθレンズ22の焦点距離fを長くするほど、加工分解能σが低くなる。よって、高い加工分解能σによる高精細な加工の実現と、より広い加工領域の実現とは、トレードオフの関係にある。したがって、加工分解能σを考慮すると、焦点距離fを長くして加工領域36の広さを拡げることにも限界がある。
他方、ワーク35を、ワーク搬送部3により副走査方向(Y軸方向)へ移動させるだけでなく、主走査方向(X軸方向)にも移動させる移動機構を設ける方法も考えられる。この方法であれば、加工領域36に対してワーク35の被加工部分を主走査方向に順次入れ替えながら、各被加工部分に対して加工処理を行うことができるので、加工領域36を超える主走査方向長さをもったワークに対しても加工処理が行うことが可能である。
しかしながら、ワークを副走査方向(Y軸方向)だけでなく主走査方向(X軸方向)にも移動させる移動機構を設けることは、本レーザ加工装置の大型化を招く。しかも、このような大きなワーク35は重量も大きいため、慣性力が大きく、高速な移動が実現困難であり、生産性が低いという問題も生じる。
そのため、本実施形態においては、主走査方向(X軸方向)について、ワーク35を移動させるのではなく、レーザ光Lの走査範囲を主走査方向へ移動させる構成を採用している。詳しくは、キャリッジ25上にレーザ走査部2を搭載し、レーザ走査部2を主走査方向へ移動可能に構成している。これにより、主走査方向(X軸方向)へワーク35を移動させることなく、ガルバノスキャナ21によって走査されたレーザ光Lがワーク表面を走査する範囲すなわち加工領域36をワーク35に対して主走査方向へ相対移動させることができる。これにより、加工領域36をワーク35の各被加工部分へ順次移動させて加工処理を行うことができ、主走査方向(X軸方向)における加工領域36の幅が狭くても、その幅を超える大きなワーク35に対して加工処理を行うことができる。
その結果、加工領域36を無理に拡げることなく、加工領域36を超える大きなワーク35に対して加工処理を行うことができることで、高い加工分解能σを維持できるので、大きなワーク35に対して高精細な加工を実現することができる。しかも、主走査方向(X軸方向)へ移動する移動手段としてのキャリッジ25に搭載される搭載物は、本実施形態では、実質的には、レーザ走査部2のみ、すなわち、ガルバノスキャナ21とfθレンズ22のみである。この搭載物の重量は、ワーク35に比べて遙かに軽量であることから、キャリッジ25の主走査方向への高速移動が実現でき、高い生産性を得ることができる。
なお、キャリッジ25に搭載される搭載物は、少なくとも、光射出手段を構成する集光手段としてのfθレンズ22が搭載されていればよい。したがって、最軽量の構成は、fθレンズ22のみをキャリッジ25に搭載した構成である。一方、ワーク35に対して軽量な部品であれば、fθレンズ22とともに他の部品も一緒にキャリッジ25に搭載してもよい。例えば、本実施形態のようにガルバノスキャナ21等の光走査手段をキャリッジに搭載してもよいし、レーザ出力部1の一部又は全部をキャリッジに搭載してもよい。
また、本実施形態において、主走査方向へ移動するキャリッジ25に入射するレーザ光Lの光路、すなわち、レーザ出力部1から出力されたレーザ光Lの光路は、X軸方向に平行である。そのため、図4に示すように、キャリッジ25が主走査方向(X軸方向)のどの位置に移動しても、レーザ出力部1から出力されたレーザ光Lはキャリッジ25の同じ箇所から入射する。よって、キャリッジ25が主走査方向(X軸方向)に移動しても、キャリッジ25に入射後のレーザ光Lの光路は同じであり、主走査方向の互いに異なる加工領域36−1,36−2で加工処理を行う場合でも同じ加工処理を実現できる。
ただし、本実施形態では、キャリッジ25が移動すると、キャリッジ25に入射するまでのレーザ光Lの光路長が変化することになる。そのため、キャリッジ25に入射するレーザ光Lが非平行収束であると、キャリッジ25の主走査方向位置によって、ワーク35に照射されるレーザ光Lの焦点が変化し、ワーク35上におけるレーザ光Lのスポット径が変化するなど、加工精度に影響が出てしまう。
本実施形態では、レーザ発振器11から出力されるレーザ光Lは略平行光束であり、2つの反射ミラー14,15を介してビームエキスパンダ12から射出されて、反射ミラー16によって反射されてレーザ出力部1から出力されるレーザ光Lも略平行光束である。したがって、キャリッジ25に入射するレーザ光Lが略平行収束であれば、キャリッジ25が移動して主走査方向位置が変わっても、ワーク35に照射されるレーザ光Lの焦点位置が実質的に変化せず、ワーク35上におけるレーザ光Lのビームスポット径が変化するなどの影響が出ない。よって、主走査方向の互いに異なる加工領域36−1,36−2で加工処理を行う場合でも、焦点調整などの作業を行うことなく、同じ加工精度で加工処理を行うことができ、より高い生産性を実現できる。
ただし、レーザ走査部2のほかにレーザ出力部1の全部もキャリッジ25上に搭載する構成とすれば、すなわち、レーザ発振器11等の光源自体をキャリッジ25上に搭載する構成とすれば、キャリッジ25を移動しても、ワーク35に照射されるレーザ光Lの焦点が変化するようなことはない。しかしながら、キャリッジ25上の搭載物の重量が大きくなることから、キャリッジ25の高速移動の実現が難しくなる点を考慮する必要がある。
本実施形態においては、図5に示すように、ワーク35に対して小ピッチ化で小径の貫通孔である円錐孔35aを複数形成する高密度の孔開け加工を行うため、アスペクト比の高い円錐孔を形成することが望まれる。ここで、本実施形態のワーク35は、ガラス基材であり、紫外線の波長帯域の吸収率が高いため、深い孔開け加工を行うために同一位置への照射時間が長くなるにつれて、アブレーション加工であっても熱の影響が発生しやすい。
すなわち、アスペクト比の高い円錐孔35aを形成する場合、加工対象物のより深い位置まで加工を進めるために、パルスレーザ光を間欠的に同一位置へ長い時間照射することが必要となる。この場合、アブレーション加工(非熱加工)であっても、被加工部分(レーザ光によって材料が蒸発する部分)以外の箇所の温度が上昇しやすく、加工途中の孔35aの側面に位置する材料の溶融が進行する。これにより、その溶融物が加工途中の孔35aの底部に溜まってしまい、孔35aの底部へ照射されるレーザ光が孔35aの底部に到達する前に当該溶融物に吸収され、孔35aの底部に位置する材料のアブレーションが妨げられる。その結果、形成される円錐孔35aの径だけが拡大されていき、孔35aの深さ方向の加工が進まず、アスペクト比の高い円錐孔35aを形成することができない。
そこで、本実施形態では、レーザ光Lの焦点位置をワーク35の表面から所定距離だけ手前側にオフセットさせ、レーザ光Lが照射されるワーク35上ではアブレーションを引き起こす閾値を僅かに超えるエネルギー密度となるように調整している。これにより、加工途中の孔35aの側面に位置する材料の溶融の進行が抑制され、径の拡大を抑制しつつ、その溶融物が加工途中の孔35aの底部に溜まることが抑制される。したがって、加工途中の孔35aの底部のアブレーションが溶融物によって阻害されにくく、孔35aの底部の加工を進めることができる。
ただし、この場合、孔35aの底部上に照射されるエネルギー密度も下がるため、アスペクト比の高い円錐孔35aを形成するには、孔35aの底部の加工速度を上げることが要求される。そのため、本実施形態では、図6に示すような円錐孔を形成する場合、図7に示すように、その円錐孔の狙いとする頂角θhよりもレーザ光の集光角(ビームスポットの発散角)θsが大きいレーザ光を照射するようにしている。
本実施形態では、焦点位置とワーク表面とのオフセット距離defを約0.1[mm]とし、ワーク表面でのビームスポットの直径dsが約45[μm]、集光角θsが10[°]以上となるようにしている。集光角θsは、波長λ、ビームウエスト径d0としたとき、下記の式で与えられる。
θs = 4×λ/π×d0 = D/f
一方で、図6に示す円錐孔の頂角θhは、ワーク表面側の目標開口径が直径20[μm]で、ワーク裏面側の目標開口径が直径5μ[μm]程度であり、ワーク35の厚みが0.5[mm]であることから、円錐孔の狙いとする頂角θhは1.7[°]である。
本実施形態では、ワーク表面側の開口径が直径20[μm]である円錐孔を形成するために、ワーク表面でのビームスポット径dsが約45[μm]となるように設定しているが、このビームスポット径dsは、直径20[μm]の開口に対してレーザ光の光束の取り込み量(エネルギー密度)をどの程度に設定するかによって適宜決定される。ビームスポット径dsの調整は、例えば、レーザ光の焦点位置を調節することにより、最適なエネルギー密度となるように調整する。
このように、形成する円錐孔の狙いとする頂角θhよりもレーザ光の集光角θsを大きくすることで、加工途中の孔の側面でレーザ光Lが反射しやすくなり、加工途中の孔の底部に到達するレーザ光の量を増やすことができる。その結果、孔の底部におけるエネルギー密度を増大させ、孔の底部の加工速度を上げることができる。しかも、加工途中の孔の側面でレーザ光Lが反射しやすくなる結果、加工途中の孔の側面に位置する材料の溶融の進行が更に抑制され、径の拡大を更に抑制しつつ、溶融物が加工途中の孔の底部に溜まることを更に抑制できる。
このように、本実施形態によれば、レーザ光によってアスペクト比の高い円錐孔を加工することができる。
また、本実施形態には、レーザ光の焦点位置を調整するための焦点位置調整手段が設けられている。本実施形態の焦点位置調整手段は、図1や図3に示すように、レーザ走査部2の全体をワーク35の表面に対して接離する方向(Z軸方向)に移動させる手段によって構成しているが、レーザ走査部2の光出射位置とワーク35の表面(加工面)との距離を変更するものであれば、例えば、加工テーブル32をZ軸方向に移動させる手段によって構成してもよい。また、焦点位置調整手段としては、fθレンズ22やビームエキスパンダ12等の集光部材を光軸方向へ移動させる手段によって構成することも可能である。
本実施形態の焦点位置調整手段は、図1や図3に示すように、キャリッジ25上に設置されたリニアステージ51によって構成されている。このリニアステージ51にはレーザ走査部2が搭載され、焦点位置制御部50によりレーザ走査部2をZ軸方向に移動させることができる。これにより、制御PC40からの信号で各加工目標位置においてワーク表面で最適なエネルギー密度が得られるように、焦点位置を調整することができる。
また、本実施形態では、上述したように、ガルバノスキャナ21で走査されるレーザ光Lのレーザ光の集光位置やビームスポット径は、fθレンズ22の像面湾曲特性により、その照射位置(走査角度)によって変化する。本実施形態では、集光位置やビームスポット径の調整精度が重要であるため、比較的狭い範囲の走査角度に制限されることになり、加工可能な面積が比較的小さい。そのため、本実施形態では、集光位置やビームスポット径を許容範囲内に収められる走査角度範囲に応じて、ワーク35の表面(被加工面)を複数領域に分割し、その被加工領域ごとに順次加工するように、レーザ走査部2あるいは加工テーブル32を移動し、ワーク35の全加工範囲を加工可能としている。
図8は、本実施形態のレーザ加工装置による加工処理の一例を示すフローチャートである。
ユーザーPがワーク35を加工テーブル32上にセットしたら、制御PC40は、ポンプ58を稼働させて加工テーブル32の裏面に形成された空洞部32aの空気を吸い出し、加工テーブル32の表面にワーク35を吸着させて、ワーク35の位置が容易に動かないようにホールドする(S1)。その後、制御PC40からの制御命令に従い、副走査制御部30がステッピングモータ31を制御して、ワーク35を副走査方向に沿ってワーク送り方向Bへ移動させる(S2)。そして、ワーク35の表面に形成されているアライメントマーク37がモニタカメラ33,34の撮像領域へ移動すると、モニタカメラ33,34の画像データからアライメントマーク37が検出される(S3)。制御PC40は、アライメントマーク37の検出結果から目標送り位置までのワーク移動量を演算し、その演算結果に基づいて副走査制御部30にステッピングモータ31を制御させる。これにより、副走査方向へ移動するワーク35は目標送り位置付近で停止する。
制御PC40は、ワークが停止した後、モニタカメラ33,34から出力される画像データを取り込み、アライメントマーク37の中心位置と目標位置とのズレ量(X軸方向ワークズレ量Δx、Y軸方向ワークズレ量Δy、傾斜ワークズレ量Δφ)を算出する。算出したワークズレ量Δx,Δy,Δφは、加工目標位置の補正値(オフセット値)として用いるために、制御PC40内のメモリに記憶される。
図9は、ワークが停止した状態におけるアライメントマーク37の中心位置と目標位置Oとのズレの一例を示す説明図である。
ワークが停止したときのアライメントマーク37の中心位置と目標位置Oとのズレ量は、モニタカメラ33,34で撮像した画像の中心位置Oと当該画像上に映し出されるアライメントマーク37の中心位置とのズレ量から算出される。本実施形態では、このワークズレ量を、X軸方向(主走査方向)におけるズレ量であるX軸方向ワークズレ量Δxと、Y軸方向(副走査方向)におけるズレ量であるY軸方向ワークズレ量Δyと、ワーク35の主走査方向両端における副走査方向同位置に形成されている2つのアライメントマーク37を結ぶ直線とX軸方向と(主走査方向)とのなす角度である傾斜ワークズレ量Δφとで表している。
なお、本実施形態におけるアライメントマーク37の形状は円形であるが、これに限らず、2本の線分を直交させたクロスライン形状など、画像処理によるパターンマッチングによる検出に有利な形状が好適である。アライメントマーク37の形状は、アライメントマーク37の検出方法等に応じて、適宜選定される。
そして、制御PC40は、ワーク35上の被加工部分を特定するための被加工部分番号Nをゼロにセットした後(S4)、主走査制御部24によりステッピングモータ26を制御して、待機ポジションに待機しているキャリッジ25を主走査方向に沿ってキャリッジ送り方向A(レーザ出力部1から離れる向き)へ移動させ、所定のホームポジションで停止させるキャリッジ位置のイニシャライズ処理を行う(S5)。
このイニシャライズ処理において、制御PC40は、ホームポジションで停止したキャリッジ25の主走査方向位置をリニアエンコーダ28からのアドレス信号に基づいて取得する。そして、リニアエンコーダ28からのアドレス信号に基づき、制御PC40が管理しているホームポジションと実際に停止したキャリッジ25の位置との差分を検出し、これをその後のキャリッジ25の主走査方向位置制御に用いる。なお、この差分も、加工目標位置の補正値(オフセット値)として用いてもよい。
次に、制御PC40は、上述したワークズレ量Δx,Δy,Δφと、その他のズレ量(キャリッジ姿勢ズレ量等)δxi,δyi,δφiとから、下記の式(3−1)〜(3−3)より、加工データを補正するための加工目標位置の補正値であるオフセット値ΔDxi,ΔDyi,ΔDφiを導出する。なお、キャリッジ姿勢ズレ量などのその他のズレ量δxi,δyi,δφiは、予め測定しておき、その測定値を制御PC40内のメモリに記憶しておく。また、下記の式(3−1)〜(3−3)において、「i」は、キャリッジの主走査方向各停止位置(第一停止位置i=1、第二停止位置i=2、第三停止位置i=3、第四停止位置i=4)を示す番号である。
ΔDxi = Δx+(d0+(i−1)×d)×(cosΔφ−1)+δxi
・・・(3−1)
ΔDyi = Δy+(d0+(i−1)×d)×(sinΔφ−1)+δyi
・・・(3−2)
ΔDφi = Δφ+δφi ・・・(3−3)
次に、制御PC40は、ワーク35の被加工部分番号Nを1にセットする(S6)。その後、制御PC40は、主走査制御部24によりステッピングモータ26を制御して、ホームポジションに位置しているキャリッジ25をキャリッジ送り方向Aへ移動させ、最初に加工処理が行われるワーク35上の第一被加工部分N=1を加工処理するための第一停止位置で停止させる(S7)。
本実施形態では、上述したように、ガルバノスキャナ21で走査されるレーザ光Lのレーザ光の集光位置やビームスポット径は、fθレンズ22の像面湾曲特性により、その照射位置(走査角度)によって変化するところ、集光位置やビームスポット径の調整精度が重要である。そのため、ガルバノスキャナ21によって走査されるワーク上のレーザ光走査範囲すなわち加工領域36のサイズは、10[mm]×10[mm]に設定してある。そのため、ワーク上の加工対象が全体で例えば40[mm](主走査方向)×40[mm](副走査方向)であるワーク35に対して加工処理を行う場合、当該加工対象の全体を、主走査方向へ4ピースに分割し、副走査方向へ4ピースに分割する。そして、これらの16個のピース(被加工部分N=1〜16)を順次加工処理することで、加工対象全体の加工処理を行う。
図10は、本実施形態における2つのパルスレーザ光を出力するタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
パルスレーザ光のパルス発生タイミング、言い換えれば、パルス発振の繰返し周波数は、レーザ発振器11に設けられるパルスジェネレータ73で生成される基準クロックPCLOKによって決まる。ガルバノスキャナ制御部20は、パルスジェネレータ73からの基準クロックPCLOKに同期するように、シードLD74の点灯信号(トリガ信号)を生成する。シードLD74は、トリガ信号が立ち上がっている期間のみ点灯するため、パルスレーザ光はトリガ信号が立ち上がっているトリガ信号期間(レーザ照射可能期間)のみ発振して出力される。例えば、トリガ信号が0.4[秒]だけ立ち上がっている場合、その時間内に8000個のパルスが発生する。
本実施形態では、ガルバノスキャナ制御部20からのトリガ信号が立ち上がっている期間(レーザ照射可能期間)であっても、バーストゲート信号が立ち上がっていない期間は、シードLD74が点灯せず、パルスレーザ光は出力されない。したがって、本実施形態では、バーストゲート信号の立ち上がり期間を適宜変更することにより、ガルバノスキャナ制御部20からのトリガ信号が立ち上がっている期間が一定であっても、当該期間内におけるパルスレーザ光の出力時間(レーザ光照射時間)を調整できる。例えば、1回のトリガ信号期間に0.1[秒]秒ずつ消灯期間を設けてパルスを間引きし、1回のトリガ信号期間中に0.1[秒]ずつの2回に分けて加工を行うことができる。すなわち、バーストゲート信号を用いることで、トリガ信号期間(レーザ照射可能期間)中の点灯時間と消灯時間との比を調整し、連続点灯する場合と比べて、発熱を抑えたレーザ光照射が可能となる。
本実施形態では、上述したように、レーザ光の照射によってワークの被加工部分ではアブレーションが起こる蒸発温度以上に材料が加熱される一方で、被加工部分以外の箇所(被加工部分の周囲の箇所)では溶融温度以下を維持することが、アスペクト比の高い円錐孔35aを形成する条件として望まれる。つまり、上述したように、レーザ光の焦点位置をワーク表面の手前側にシフトさせるだけではエネルギー密度の調整(ビームスポット径の調整)を難しい場合には、更に、バーストゲート信号による消灯時間の調整も行って前記条件を満たすことが有効である。
本実施形態においては、前記の条件を満たすように、焦点位置や、必要に応じてレーザ光の照射時間(バーストゲート信号による消灯時間)が調整された状態のパルスレーザ光を用いて、ワーク35をレーザ加工する。具体的には、制御PC40は、上述したとおり、ワーク35上の第一被加工部分N=1を加工処理するための第一停止位置でキャリッジ25を停止させた後(S7)、キャリッジ25の主走査方向位置をリニアエンコーダ28からのアドレス信号に基づいて取得する。そして、制御PC40が管理している目標停止位置と実際に停止したキャリッジ25の位置との差分を検出し、これをキャリッジ位置ズレ量Δxとし、メモリに一時保存する。その後、制御PC40は、メモリから、ワークズレ量Δx,Δy,Δφとキャリッジ位置ズレ量Δxを読み出し、上述した式(3−1)〜(3−3)より、オフセット値ΔDxi,ΔDyi,ΔDφiを算出する(S8)。
続いて、制御PC40は、円錐孔35aの加工データを読み出し、算出したオフセット値ΔDxi,ΔDyi,ΔDφiを用いて、加工データの座標原点をオフセットさせる。そして、制御PC40は、第一停止位置において、オフセット後の座標原点を基準にした加工データに基づいて、ワーク35上の第一被加工部分N=1に対し、円錐孔35aの孔開け加工(アブレーション加工)を実施する(S9)。
具体的には、ガルバノスキャナ制御部20により、オフセット後の座標原点を基準にした加工データに基づいて、最初の円錐孔35aの加工目標位置にビームスポットが位置決めされるようにガルバノスキャナ21のスキャン角度を固定する。その後、パルスジェネレータ73から第一基準クロックPCLOK1を出力させてパルスレーザ光を発振させ、そのパルスレーザ光によりワーク35上の第一被加工部分N=1に最初の円錐孔35aを形成するアブレーション加工を実施する。
その後、ワーク35上の第一被加工部分N=1において、ガルバノスキャナ制御部20によりガルバノスキャナ21のスキャン角度を順次変更して、各円錐孔35aの加工目標位置に対し、上述したアブレーション加工を順次実施する。そして、ワーク35上の第一被加工部分N=1に対するすべての円錐孔35aの孔開け加工を終えたら、制御PC40は、ワーク35の被加工部分番号Nを2にセットし(S6)、主走査制御部24によりステッピングモータ26を制御して、ワーク35上の第二被加工部分N=2を加工処理するための第二停止位置へキャリッジを移動させる(S7)。その後、第一停止位置の場合と同様、第二停止位置において、各円錐孔35aの加工目標位置に対して上述したアブレーション加工を順次実施する(S9)。第二停止位置での加工処理も終了したら、同様に、第三停止位置及び第四停止位置においても、各円錐孔35aの加工目標位置に対して上述したアブレーション加工を順次実施する(S9)。そして、第四停止位置での加工処理が終了したら(S10のYes)、ホームポジションに戻る。
一方、副走査方向については、キャリッジ25が第四停止位置へ移動して加工処理を終了した後(S10のYes)、次に第一停止位置での加工処理を開始するまでに、制御PC40は、副走査制御部30によりステッピングモータ31を制御して、ワーク35をワーク送り方向Bへ10[mm]だけ移動させる(S12)。そして、再び、キャリッジ25を第一停止位置、第二停止位置、第三停止位置、第四停止位置に順次移動させてアブレーション加工を実施する(S5〜S10)。
ワーク35上における被加工部分がそれぞれ独立したものであれば、キャリッジ25の各停止位置は、それぞれの加工領域36が離間するような位置であってもよい。しかしながら、被加工部分が独立したものではなく、複数の被加工部分によって1つの加工対象となる場合には、キャリッジ25の各停止位置やワークの各停止位置を、それぞれの加工領域36が隣接又は部分的に重複するような位置とする必要がある。そのような場合には、16個のピース(被加工部分)間に数十[μm]程度のオーバーラップ領域を設け、隣り合う被加工部分が互いに部分的に重複するように、各ピース(被加工部分)を設定してもよい。
以上のようにして主走査方向及び副走査方向への移動を行いながら、16個のピース(被加工部分N=1〜16)に対する加工処理を終了したら(S11のYes)、40[mm]×40[mm]の加工対象全体の加工処理が完了する。したがって、ユーザーPは、本レーザ加工装置の前面から加工テーブル32を引き出して、引き出された加工テーブル32上のワーク35を取り出し、加工後のワーク35を次工程へ移送する。
図11(a)〜(c)は、レーザ光Lの焦点位置が異なる3つの例を比較した孔開け加工の様子を示す説明図である。
図11(a)は、焦点位置をワーク35の表面よりもワーク内部側に設定したときの孔開け加工の様子を示す。この例においては、形成される孔形状は略円筒状となり、その孔底部付近の形状は鈍化する。これは、孔の径だけが拡大して、孔の深さ方向への加工が進んでいないことを意味する。この例では、ワーク35に照射されるエネルギー密度が高いため、上述したように、照射されたレーザ光Lによって孔(キーホール)の側面が溶融し、その溶融物が孔の底部に溜まる結果、孔の底部へ照射されるレーザ光の大部分が、溜まった溶融物に吸収され、孔の底部でのアブレーションが発生しにくく、孔の径だけが拡大して、孔の深さ方向への加工が進まなかったものである。
また、図11(a)を見ると、ワーク35の裏面側に微小な穴が形成されている。アブレーションは界面から進行するため、光透過性のガラス基板であるワーク35において、ワーク内部を透過したレーザ光によって裏面でアブレーションが発生し、裏面に微小な穴が発生したものである。
図11(b)は、焦点位置をワーク35の表面に設定したときの孔開け加工の様子を示す。この例においては、形成される孔形状は円錐状となるが、エネルギー密度が高いため、強度分布がガウス分布を示すビームスポット径では、おおよそ1/e値に相当する閾値で決まる開口が形成される。そのため、図11(a)の例と同様、ワーク35に照射されるエネルギー密度が高いため、照射されたレーザ光Lによって孔(キーホール)の側面が溶融し、その溶融物が孔の底部に溜まる。その結果、孔の底部へ照射されるレーザ光の大部分が、溜まった溶融物に吸収され、孔の底部でのアブレーションが発生しにくく、孔の深さ方向への加工が進みにくい。
図11(c)は、本実施形態のように、焦点位置をワーク35の表面から手前側にオフセットさせたときの孔開け加工の様子を示す。この例においては、形成される孔形状は円錐状となり、その孔の底部は鋭利な形状となる。この例では、おおよそ半値以上に相当する閾値で決まる開口が形成され、小径の円錐孔が形成される。
レーザ光Lの集光特性は、焦点位置から離れるほど強度分布が広がり、ピーク強度が低くなるため、ワーク35が厚くなれば、ワーク35の表面(レーザ光Lの入射側のワーク面)に対して裏面に近づくほどエネルギー密度が低いものとなる。また、ワーク35の厚みが厚くなるほど、加工に必要なレーザ光Lの照射時間(パルスのショット回数)が増えることになるため、エネルギー密度が高いと、ワーク35の内部の蓄熱量が大きくなる。したがって、ワーク35に孔35aを形成するためには、ワーク35の厚さを考慮して、集光角(発散角)θsを選定する必要がある。
ここで、孔35aに入射するレーザ光Lの集光角(発散角)θsが狭すぎると、ワーク35の内部側でのエネルギー密度は高いが、蓄熱量も大きくなるため、孔の底部で溶融が発生するおそれがある。一方で、孔35aに入射するレーザ光Lの集光角(発散角)θsを広げすぎると、ワーク35上でアブレーションが引き起こされる閾値を超えるエネルギー密度を得にくくなり、孔の加工を進めることが困難になる。
そのため、図11(c)の例では、ワーク35の内部(孔の底部等)で溶融が発生しない範囲で、レーザ光Lの集光角(発散角)θsを広めに設定している。このとき、集光角(発散角)θsを広めに設定することで、孔の底部でのエネルギー密度は小さくなる。しかしながら、集光角(発散角)θsを広めに設定しても、図12に示すように、孔の側面に入射したレーザ光Lが反射して孔の底部へ到達することにより、孔の底部においてアブレーションが引き起こされる閾値を超えるエネルギー密度を確保することが可能である。なお、このような集光角(発散角)θsの設定の目安としては、少なくとも、円錐孔35aの頂角θhよりも孔35aに入射するレーザ光Lの角度θsを大きく設定する必要がある。
レーザ光の集光角(ビームスポットの発散角)θsは、ビームウエスト径d0とfθレンズ22の焦点距離fとによって決定される。レーザ光の集光角(ビームスポットの発散角)θsを広げるためには、ビームウエスト径d0を絞ればよく、ビームウエスト径d0を絞るためには、fθレンズ22に入射するビーム径Dを広げればよい。ここで、ビーム径Dはビームエキスパンダ12の倍率の選択により決定されるので、可変倍率とすれば、レーザ光の集光角(ビームスポットの発散角)θsが調整できる。ただし、ビームウエスト径d0を絞りすぎると、角度θsが大きくなりすぎて、最適なエネルギー密度が得られる焦点位置のオフセット距離の調整が困難となる。なぜなら、角度θsが大きくなりすぎると、焦点位置のオフセット距離defの変更量に対するエネルギー密度の変動量の感度が高くなりすぎるためである。したがって、レーザ光の集光角θsは例えば10[°]程度に固定したうえで、ワーク35の表面でアブレーションが引き起こされる閾値よりも大きく、かつ、加工途中の孔の側面等の温度が溶融温度に達しないようなエネルギー密度が得られるように、焦点位置のオフセット距離defを調整するのが好ましい。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
光照射手段(例えば、レーザ出力部1及びレーザ走査部2)から照射される加工光(例えば、レーザ光L)を用いて加工対象物(例えば、ワーク35)の被加工面に頂角θhの円錐孔35aを形成する光加工装置(例えば、レーザ加工装置)であって、前記光照射手段は、前記加工光の焦点位置が前記加工対象物の被加工面よりも手前に位置し、かつ、該加工光の集光角θsが前記頂角θhよりも大きくなるように、該加工光を照射することを特徴とする。
従来の光加工装置では、加工対象物へ加工光を照射すると、加工光が照射された加工対象物の被加工部分に加工光が吸収されて温度が上昇し、変態、溶融、蒸発等を引き起こすことで、当該被加工部分の材料が除去されて円錐孔が形成される。特に、アブレーション加工(非熱加工)の場合、加工光の照射によって瞬間的に高いパルスエネルギーが加工対象物に印加されて、被加工部分以外の箇所に熱が伝達されないうちに材料が蒸発温度以上まで加熱されて蒸発するため、熱の影響を抑制した加工が実現できる。
ここで、アスペクト比の高い円錐孔を形成する場合、被加工対象物のより深い位置まで加工を進めるために、加工光を連続的に又は断続的(間欠的)に同一位置へ長い時間照射することが必要となる。そのため、アブレーション加工(非熱加工)であっても、被加工部分以外の箇所の温度が上昇しやすく、加工途中の孔の側面に位置する材料の溶融が進行して、その溶融物が加工途中の孔の底部に溜まる。このように溶融物が孔の底部に溜まると、照射される加工光が当該溶融物に吸収されてしまい、孔の底部に位置する材料の除去を妨げてしまう。その結果、形成される円錐孔の径の拡大が進む一方、深さの加工が進まず、アスペクト比の高い円錐孔を形成することができない。
本態様は、加工光の焦点位置を加工対象物の被加工面よりも手前に位置させるとともに、形成する円錐孔の狙いとする頂角θhよりも加工光の集光角θsが大きい加工光を照射することで、当該課題を解決するものである。
すなわち、加工光の焦点位置を加工対象物の被加工面よりも手前に位置させることで、加工対象物に照射されるエネルギー密度を下げ、これにより加工対象物に吸収される単位面積当たりのエネルギー量を抑制する。これにより、加工途中の孔の側面に位置する材料の溶融の進行を抑制し、径の拡大を抑制しつつ、その溶融物が加工途中の孔の底部に溜まることを抑制する。したがって、加工途中の孔の底部の加工が溶融物によって阻害されにくく、孔の底部の加工を進めることができる。ただし、上述したように加工対象物に照射されるエネルギー密度が下がるため、アスペクト比の高い円錐孔を形成するには、孔の底部の加工速度を上げることが要求される。このとき、加工光の集光角θsを狭く設定することで、孔の底部のエネルギー密度を高めると、加工対象物の内部(孔の底部付近)で溶融が発生し、その溶融物により孔の底部の加工が阻害されて孔の底部の加工を進めにくくなるおそれがある。そのため、本態様では、形成する円錐孔の狙いとする頂角θhよりも加工光の集光角θsが大きい加工光を照射する。これにより、加工光の集光角θsが広めに設定される結果、加工対象物の内部(孔の底部付近)での溶融発生を抑制できる。更に、本態様によれば、孔に入射した加工光を孔の側面で反射させ、孔の底部に到達する加工光の量を増やすことができるので、孔の底部におけるエネルギー密度を増大させ、孔の底部の加工速度を上げることができる。
しかも、加工途中の孔の側面で加工光を反射させやすくなる結果、加工途中の孔の側面に位置する材料の溶融の進行を更に抑制できるので、径の拡大を更に抑制しつつ、溶融物が加工途中の孔の底部に溜まることを更に抑制できる。
よって、本態様によれば、加工光による光加工によってアスペクト比の高い円錐孔を形成することができる。
(態様2)
前記態様1において、前記被加工面に対する前記加工光の光軸方向の前記焦点位置を調整する焦点位置調整手段(例えば、リニアステージ51)を有することを特徴とする。
これによれば、焦点位置を調整して、加工対象物に照射されるエネルギー密度を、加工途中の孔の側面に位置する材料の溶融の進行を抑制しつつ、円錐孔の加工を進めることのできるエネルギー密度に設定することが可能となる。
(態様3)
前記態様2において、前記焦点位置調整手段は、前記光照射手段に設けられる集光部材(例えば、ビームエキスパンダ12)を光軸方向へ移動させるものであることを特徴とする。
これによれば、簡易な構成で、焦点位置の調整を実現できる。
(態様4)
前記態様2において、前記焦点位置調整手段は、前記光照射手段の光出射位置と前記被加工面との距離を変更するものであることを特徴とする。
これによれば、簡易な構成で、焦点位置の調整を実現できる。
(態様5)
前記態様1〜4のいずれかにおいて、前記光照射手段は、前記被加工面の面方向における前記加工光の照射位置を固定した状態で該加工光を間欠照射することを特徴とする。
これによれば、所定時間毎に一定の放熱期間を設けることができるので、加工光の照射時間が長くなっても、溶融温度に到達しにくく、加工途中の孔の側面に位置する材料の溶融の進行を抑制でき、孔の底部の加工を進めることができる。
(態様6)
前記態様1〜5のいずれかにおいて、前記加工対象物に対する前記加工光の照射位置を該加工対象物の前記被加工面の面方向へ移動させる照射位置移動手段を有することを特徴とする。
これによれば、加工対象物に複数の円錐孔を連続的に形成することが可能となる。
(態様7)
前記態様6において、前記照射位置移動手段は、前記加工光を二次元方向に偏向させるガルバノミラーを含むことを特徴とする。
これによれば、加工光の照射位置を短時間で変更することができるので、複数の円錐孔の加工時間をより短いものとすることができる。
(態様8)
前記態様6又は7において、前記被加工面を複数領域に分割した被加工領域ごとに順次加工するように、前記照射位置移動手段を制御する移動制御手段を有することを特徴とする。
より広範囲の被加工面に対応しつつも、1つの被加工領域を狭くして集光位置(集光位置と被加工面とのオフセット距離)の均一化を図り、被加工面全体にわたって安定した品質の円錐孔を形成することができる。
(態様9)
光加工装置の光照射手段から照射される加工光を用いて頂角θhの円錐孔が被加工面に形成された光加工物の生産方法であって、前記加工光の焦点位置が加工前の前記光加工物の被加工面よりも手前に位置し、かつ、該加工光の集光角θsが前記頂角θhよりも大きくなるように、前記光照射手段を調整する工程と、前記調整後の前記光照射手段から前記加工光を照射して、加工前の前記光加工物の前記被加工面に前記円錐孔を形成する工程とを有することを特徴とする。
本態様によれば、アスペクト比の高い円錐孔が形成された光加工物を生産することができる。
1 レーザ出力部
2 レーザ走査部
3 ワーク搬送部
4 制御部
10 レーザドライバ部
11 レーザ発振器
12 ビームエキスパンダ
20 ガルバノスキャナ制御部
21 ガルバノスキャナ
24 主走査制御部
25 キャリッジ
30 副走査制御部
32 加工テーブル
32a 空洞部
33,34 モニタカメラ
35 ワーク
37 アライメントマーク
38 リニアガイド
70 パルスエンジン部
71 出力ファイバ
72 出力ヘッド部
73 パルスジェネレータ
特開2017−124416号公報

Claims (9)

  1. 光照射手段から照射される加工光を用いて加工対象物の被加工面に頂角θhの円錐孔を形成する光加工装置であって、
    前記光照射手段は、前記加工光の焦点位置が前記加工対象物の被加工面よりも手前に位置し、かつ、該加工光の集光角θsが前記頂角θhよりも大きくなるように、該加工光を照射することを特徴とする光加工装置。
  2. 請求項1に記載の光加工装置において、
    前記被加工面に対する前記加工光の光軸方向の前記焦点位置を調整する焦点位置調整手段を有することを特徴とする光加工装置。
  3. 請求項2に記載の光加工装置において、
    前記焦点位置調整手段は、前記光照射手段に設けられる集光部材を光軸方向へ移動させるものであることを特徴とする光加工装置。
  4. 請求項2に記載の光加工装置において、
    前記焦点位置調整手段は、前記光照射手段の光出射位置と前記被加工面との距離を変更するものであることを特徴とする光加工装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光加工装置において、
    前記光照射手段は、前記被加工面の面方向における前記加工光の照射位置を固定した状態で該加工光を間欠照射することを特徴とする光加工装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光加工装置において、
    前記加工対象物に対する前記加工光の照射位置を該加工対象物の前記被加工面の面方向へ移動させる照射位置移動手段を有することを特徴とする光加工装置。
  7. 請求項6に記載の光加工装置において、
    前記照射位置移動手段は、前記加工光を二次元方向に偏向させるガルバノミラーを含むことを特徴とする光加工装置。
  8. 請求項6又は7に記載の光加工装置において、
    前記被加工面を複数領域に分割した被加工領域ごとに順次加工するように、前記照射位置移動手段を制御する移動制御手段を有することを特徴とする光加工装置。
  9. 光加工装置の光照射手段から照射される加工光を用いて頂角θhの円錐孔が被加工面に形成された光加工物の生産方法であって、
    前記加工光の焦点位置が加工前の前記光加工物の被加工面よりも手前に位置し、かつ、該加工光の集光角θsが前記頂角θhよりも大きくなるように、前記光照射手段を調整する工程と、
    前記調整後の前記光照射手段から前記加工光を照射して、加工前の前記光加工物の前記被加工面に前記円錐孔を形成する工程とを有することを特徴とする光加工物の生産方法。
JP2018032824A 2018-02-27 2018-02-27 光加工装置及び光加工物の生産方法 Withdrawn JP2019147166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018032824A JP2019147166A (ja) 2018-02-27 2018-02-27 光加工装置及び光加工物の生産方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018032824A JP2019147166A (ja) 2018-02-27 2018-02-27 光加工装置及び光加工物の生産方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019147166A true JP2019147166A (ja) 2019-09-05

Family

ID=67849876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018032824A Withdrawn JP2019147166A (ja) 2018-02-27 2018-02-27 光加工装置及び光加工物の生産方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019147166A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021065897A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 ファナック株式会社 制御装置、制御システム、及びプログラム

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49121298A (ja) * 1973-03-28 1974-11-20
JPH1177355A (ja) * 1997-09-02 1999-03-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd レーザ孔加工方法および装置
US20110198321A1 (en) * 2007-10-25 2011-08-18 Herbert Walter Method for boring bottle-like holes having a defined geometry by means of pulsed laser radiation
WO2012039106A1 (ja) * 2010-09-24 2012-03-29 パナソニック株式会社 レーザ加工装置
WO2013136695A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 パナソニック株式会社 レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2013198934A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Kunio Arai X、y独立駆動方式のレーザー加工装置
JP2016113358A (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 旭硝子株式会社 貫通孔形成方法、貫通孔形成装置、および貫通孔を有するガラス基板の製造方法
JP2017051990A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ加工方法
JP2017186240A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 旭硝子株式会社 ガラス基板の製造方法、ガラス基板に孔を形成する方法、およびガラス基板に孔を形成する装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49121298A (ja) * 1973-03-28 1974-11-20
JPH1177355A (ja) * 1997-09-02 1999-03-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd レーザ孔加工方法および装置
US20110198321A1 (en) * 2007-10-25 2011-08-18 Herbert Walter Method for boring bottle-like holes having a defined geometry by means of pulsed laser radiation
WO2012039106A1 (ja) * 2010-09-24 2012-03-29 パナソニック株式会社 レーザ加工装置
WO2013136695A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 パナソニック株式会社 レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2013198934A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Kunio Arai X、y独立駆動方式のレーザー加工装置
JP2016113358A (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 旭硝子株式会社 貫通孔形成方法、貫通孔形成装置、および貫通孔を有するガラス基板の製造方法
JP2017051990A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ加工方法
JP2017186240A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 旭硝子株式会社 ガラス基板の製造方法、ガラス基板に孔を形成する方法、およびガラス基板に孔を形成する装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021065897A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 ファナック株式会社 制御装置、制御システム、及びプログラム
JP7396851B2 (ja) 2019-10-18 2023-12-12 ファナック株式会社 制御装置、制御システム、及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7459655B2 (en) Laser beam processing machine
KR100626554B1 (ko) 비금속재 절단장치 및 비금속재 절단시의 절단깊이 제어방법
US7482553B2 (en) Laser beam processing machine
JP5380986B2 (ja) レーザスクライブ方法及びレーザスクライブ装置
KR101264508B1 (ko) 레이저 다이싱 장치
US20110095006A1 (en) Laser dicing method and laser dicing apparatus
US20140263212A1 (en) Coordination of beam angle and workpiece movement for taper control
JP2011240349A (ja) 加工対象物切断方法
JP2007021548A (ja) レーザ加工装置およびレーザ加工方法
US20130026153A1 (en) Laser dicing method
KR101934558B1 (ko) 레이저 가공 방법
JP2006315031A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP2011212727A (ja) レーザ加工装置
US20180264597A1 (en) Laser processing apparatus and laser processing method
JP2007029952A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP2008055478A (ja) 仕上げ加工方法
TW202045289A (zh) 雷射鑽孔裝置及方法
JP2007061914A (ja) ハイブリッド加工装置
JPH11170072A (ja) レーザー加工方法及び装置、並びに非導電性透明基板の回路形成方法及び装置
KR20080113876A (ko) 피가공물의 홀 드릴링/다이싱 가공장치 및 가공방법
JP2019147166A (ja) 光加工装置及び光加工物の生産方法
TWI622446B (zh) 光學加工裝置及光學加工物的製造方法
JP2017124416A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP2015199114A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP2007125576A (ja) レーザ微細溶接方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201118

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210928

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20220111