JP2017051990A - レーザ加工方法 - Google Patents

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秀彦 唐崎
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Abstract

【課題】レーザ加工方法において、テーパ率の良い小径加工を少ないショット数のレーザ照射で実現し、小径化に求められる加工品質と高生産性を両立させる。
【解決手段】本発明のレーザ加工方法は、シート状のベース部材に絶縁樹脂層とカバーフィルムが接着された被加工物をレーザ光で穴加工する製造方法であって、前記カバーフィルムの厚さを所定の厚さ以上に決定するステップと、前記被加工物の前記カバーフィルム側をレーザ照射面として加工テーブルに載置し保持するステップと、レーザ光の強度とパルス時間幅によって加工に用いるレーザ光のパルスエネルギを設定するステップと、前記加工に用いるレーザ光の焦点の位置を調整するステップと、レーザパルスを照射して前記絶縁樹脂層と前記カバーフィルムを同時に除去して穴加工するステップを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いた加工方法に関し、特に、シート状材料に穴加工を行って電子デバイスを製造する方法に関するものである。
レーザによる薄板基材の穴あけ加工において、近年、電子機器の小型化・高集積化に伴い、加工径が微細になり要求される精度も非常に高くなってきた。特に、ビアホール加工の場合、上下の穴径の差(テーパー率)を可能な限り小さくすることが要求される。
そのような課題に対する従来技術の一例を図12を用いて説明する。図12は従来技術に係るビアホール加工の一例を示す断面図である。
有機樹脂を含有する厚みtの絶縁層5の一方の表面に、離型性フィルム6と、接着層7とを、離型性フィルム6と接着層7との合計厚みが、絶縁層5厚みtの0.15t以上の厚みとなるように形成する。
絶縁層5に離型性フィルム6および接着層7を介してレーザ光照射によって、一方の絶縁層端面側のホール径をd1、他方の絶縁層端面側のホール径をd2とした時、0.6≦d2/d1≦1となるビアホール8を形成する。
ビアホール8内に導電性物質を充填し、ビアホール導体4を形成した後、離型性フィルム6および接着層7を剥離した後、絶縁層5の表面に導体回路層3を形成する(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−22297号公報
従来技術に係るレーザ加工方法は、マイクロドリルやパンチング加工と比較した場合の小径の穴加工を対象としているが、更に小径の穴加工、例えば直径50μm以下の穴加工は想定していない。しかしながら、電子部品の高密度化を進めるには、構成部品に求められる開口穴の小径化は避けて通ることはできない。
電子部品の構成材料に開けられた穴は、一般的に導電性材料(金属メッキまたは導電性ペーストなど)で表裏が接続して使用される。そのため信頼性を確保するためには接続面積を大きいことが望まれ上下の穴径の差(テーパー率)を可能な限り小さくすることは大変重要な加工品質を決定する因子である。
一方、これまで小径加工においてテーパ率の良い穴あけ加工をするには、従来技術同様、一般的に複数回のレーザパルスまたはレーザ分割パルスを用いて加工することが実施されている。電子部品は、高機能化とともに低価格化も求められており、複数回のレーザパルスまたはレーザ分割パルスを用いることは生産性を大きく低下させることにつながり、結果として低コスト化の妨害となる。
つまり、テーパ率の良い小径加工と高生産性は相反する要因として、これまで両立することは困難とされていた。
そこで本発明は、以上の問題を解決し、テーパ率の良い小径加工を少ないショットのレーザ照射で実現し、小径化に求められる加工品質と高生産性を両立させることができるレーザ加工方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明に係るレーザ加工方法は、シート状のベース部材に絶縁樹脂層とカバーフィルムが接着された被加工物をレーザ光で穴加工する製造方法であって、前記カバーフィルムの厚さを所定の厚さ以上に決定するステップと、前記被加工物の前記カバーフィルム側をレーザ照射面として加工テーブルに載置し保持するステップと、レーザ光の強度とパルス時間幅によって加工に用いるレーザ光のパルスエネルギを設定するステップと、前記加工に用いるレーザ光の焦点の位置を調整するステップと、レーザパルスを照射して前記絶縁樹脂層と前記カバーフィルムを同時に除去して穴加工するステップを備える。
上記の製造方法により、本発明に係るレーザ加工方法では、テーパ率の良い小径加工を少ないショット数のレーザ照射で実現し、小径化に求められる加工品質と高生産性を両立させることができる。
本開示の実施の形態に係る製造方法を実施するレーザ加工装置の構成を示したブロック図である。 本開示の実施の形態に係る制御について、主要な信号の時間変化、及び出力ビームや信号のエネルギの変化を示したタイムチャートである。 本開示の実施の形態に係る被加工物材料の構造と穿孔例を示す断面図である。 本開示の実施の形態の係る製造方法の最適加工条件の設定の手順を示すフローチャートである。 本開示の製造法における標準カバーフィルム使用時の最適焦点位置の確認実験結果を示すグラフである。 本開示の製造法における標準カバーフィルム使用時の加工穴径と照射エネルギの相関を計測した結果を示すグラフである。 本開示の製造法における標準カバーフィルム使用時の最適加工パルス幅の確認実験結果を示すグラフである。 本開示の製造法においてカバーフィルム厚さの影響確認のために行った厚さ毎の最適焦点位置の確認実験結果を示すグラフである。 本開示の製造法においてカバーフィルム厚さ毎に加工穴径と照射エネルギの相関を計測した結果を示すグラフである。 本開示の製造法においてカバーフィルム厚さ毎に上穴径に対するテーパ率の変化を計測した結果を示すグラフである。 本開示の製造法におけるカバーフィルム厚/加工上穴径の比とテーパ率の関係を示すグラフである。 従来技術に係るビアホール加工の一例を示す断面図である。
本開示の製造方法の詳細を電子部品の代表例としてプリント基板の加工を例に記載する。以下の図面においては、同じ構成要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
<レーザ加工装置の主要構成>
最初に、本発明を実施する設備について説明する。
図1は本開示の実施の形態に係る製造方法を実施するレーザ加工装置の構成を示したブロック図である。
レーザ加工装置100は、レーザ発振器161と、コリメータレンズユニット162と、マスク163と、音響光学変調器164と、フェーズリターダ165と、ビームダンパ166と、ガルバノスキャナ167と、スキャンレンズ168と、被加工物216が載せられる加工テーブル217と、パワーモニタ218と、制御装置223とを備える。
レーザ発振器161は、パルス発振指令501を受けてレーザ光220を射出する。レーザ発振器161には、CO2レーザやYAGレーザ等の発振を可能にする種々のレーザ媒質を用いることができる。本実施の形態のごとく、プリント基板のような被加工対象部位が樹脂のように赤外領域で吸収をもつ材料に対しては、比較的安価なCO2レーザが選択されることが多い。
コリメータレンズユニット162は、制御装置223からの指令(レンズ調整信号505)によってコリメータレンズ距離Lcを調整し、レーザ発振器161から出力されたレーザ光220を所定のビーム径に変換する。マスク163は、被加工物上に投影する形の孔が開いた耐光性のある材料で製作される。CO2レーザの場合、銅や真鍮などのベースに金蒸着または金メッキで耐光性を改善された材料が使用される。
マスク163では、異なる直径(マスク径)の複数の開口が設けられており、使用される開口は装置側の制御(マスク選択信号506)で選択することができる。コリメータレンズ距離Lcによるビーム径と選択した開口の直径を任意に組み合わせることで、レーザビームのプロファイルと被加工物上の加工穴径が、おおよその狙いを定めて制御可能である。
音響光学変調器164(AOM)は、音響光学素子ドライバ214の出力するAOM変調信号504の指令に基づいてレーザ光220の方向を変える。方向の制御は、入射されたレーザ光220を回折するオン状態と、入射されたレーザ光220を回折せずに通過させるオフ状態とに選択的に設定される。
それにより音響光学変調器164は、レーザ発振器161から出力されたレーザ光220の波形を時間的に整形する働きをする。一般的には、音響光学変調器164は、レーザ光の立上り時間とレーザ光の立下り時間をカットして短パルスを得る働きをする。
音響光学変調器164がオン状態に制御されている場合、レーザ光220は音響光学変調器164によって回折される。これを1次レーザ光222とする。一方、音響光学変調器164がオフ状態に設定されている場合、レーザ光220は回折されずに音響光学変調器164を通過する。これを0次レーザ光221とする。なお、オン状態でも回折されないレーザ光も0次レーザ光221に含まれる。
音響光学変調器164に入射したレーザ光220のうち、本実施形態においては、回折された1次レーザ光222がレーザ加工に用いられる。一方、「音響光学変調器164で整形され加工に使用されるパルス波形」以外のレーザ光である0次レーザ光221は、ビームダンパ166で吸収し、熱エネルギに変換する。ビームダンパ166で受けたエネルギは、冷却水により排熱される。
加工に用いられる1次レーザ光222は、フェーズリターダ165により、直線偏光のから円偏光に変換される。フェーズリターダ165として当該機能を有するユニットを用いてもよいし、レーザの偏光に対して回転可能に設けられた波長板を用いることもできる。フェーズリターダ165は、レーザ発振器161から出力された直線偏光のレーザ光220を円偏光に変換する。
1次レーザ光222は適宜設置されたミラーによってZ軸ボックス215に導かれる。Z軸ボックス215には、ガルバノスキャナ167、及びスキャンレンズ168が備えられており、全体が加工面に対して垂直の方向(Z軸方向)に可動な状態で設置されている。これによりレーザ光の焦点位置が調整可能になっている。焦点位置は制御装置223より制御される(Z軸調整信号507)。
ガルバノスキャナ167は、直交する2方向にスキャンするミラーを有し、入射したレーザ光を所定の位置に精度よく位置決めする。スキャンレンズ168は、マスク163の開口形状を被加工物上に投影する役割をする。
制御装置223は、一定のプログラムに従ってレーザ加工装置100の制御を行うものであり、その制御機能として、レーザ発振器161に対してはパルス発振指令501を、音響光学素子ドライバ214に対してはAOM駆動パルス502と強度指示指令503を出力する。
<レーザ加工装置の動作、及び、レーザ加工方法>
それでは、図1の構成図、および、図2のタイミングチャートを用いて、本発明の製造方法を実施する装置の動作について説明する。
図2は本開示の実施の形態に係る制御について、主要な信号の時間変化、及び出力ビームや信号のエネルギの変化を示したタイムチャートである。図2において、横軸は時刻の経過を示し、縦軸はそれぞれの信号の変化を示している。時刻の範囲は、レーザ光を1パルスだけ照射する期間を示している。
レーザ発振器161には、制御装置223から図2(a)に示すようにパルス発振指令501が入力される。
入力されたパルス発振指令501に対して図2(b)に示したように所定の遅延時間Tdをもってレーザ発振器161からレーザ光220が出力される。遅延時間Tdはだいたい10μ秒程度である。このレーザ光220はパルス発振指令501がなくなると減衰する。
これは、パルス発振指令501がある間はレーザの励起に必要なエネルギがCO2レーザの場合放電により供給されるが、パルス発振指令501が終わると、放電が消え励起エネルギの供給が止まるためレーザガスの成分や圧力に依存する励起寿命の特性に従って自然に減衰する。
次に、図2(c)に示したように音響光学変調器164にはAOM変調信号504が、パルス発振指令501から一定の遅延時間を持って出力される。AOM変調信号504はRF電波であり、音響光学素子ドライバ214が、AOM駆動パルス502と強度指示指令503を受けてRF電波を出力し、音響光学変調器164の素子に回折格子を発生させる。回折格子が素子に現れた音響光学変調器164は、レーザ光を所定の角度だけ曲げる。
曲げられたレーザ光の1次レーザ光222は、上述のように、フェーズリターダ165により円偏光に変換され、ガルバノスキャナ167により所定の位置にレーザ光を誘導し、スキャンレンズ168により被加工物216にマスク163の形状が投影されて加工に使用される。
一方、音響光学変調器164の回折現象には効率があり、通常は85〜90%程度である。従って、残りの10〜15%のレーザ光と、AOM変調信号504が入力していない時間のレーザ光は直進し、ビームダンパ166に吸収される。
さらに、加工に用いるレーザ光について説明する。
シート材の穴加工に用いるレーザ出力は、平均定格出力350W程度であるが、加工に必要なエネルギは数mJである。高速のガルバノスキャナ167が数kHzで移動しても、数十W程度しか使用しないので、ほとんどがマスク163と音響光学変調器164で切り捨てられている。
レーザ光のピーク出力は飽和時には1kW超である。この飽和レーザピーク出力を加工に有効に使用するため音響光学変調器164を用いて、パルスの立上がり部と立下り部を切り捨てるパルス整形し、高ピーク部分の切り出し加工に使用している。係る状況を図2(d)、(e)に示している。
また、音響光学変調器164では回折効率を電圧により指令でき、RF信号であるAOM変調信号504よりパルス幅を制御するだけでなく、RF信号強度で回折効率を制御する。結果、一定のエネルギをパルスピーク値とパルス幅の積として自由に設定することが可能である。音響光学素子ドライバ214が、AOM駆動パルス502でオン時間を、強度指示指令503で信号強度を設定し、RF信号であるAOM変調信号504を出力している。
図2(e)に示すように、加工に使用するレーザパルス(1次レーザ光222)は、ピーク出力が加工パルス強度P1のレーザ光が加工パルス幅Tpの期間だけ照射される鋭いパルス波形になっている。加工に供されるエネルギは、加工パルス強度P1と加工パルス幅Tpの積で決定される。
なお、レーザ加工装置100には、設定された条件で実際に所定の加工エネルギが照射されるかを確認するためにパワーモニタ218を有している。被加工物216がない状態で空うちをすることで加工エネルギを測定する。
<被加工材料の構成の例示>
次に本発明に使用する被加工物216について、図3を用いて説明する。図3にはプリント基板に使用されている材料のレーザ加工時の構成を示した。
ベース層301にはガラス繊維などで強化された樹脂材料、セラミックまたはガラスなどが使用され、その上には銅箔が積層されている。この銅箔を内層銅箔302と呼び、この銅箔の穴あけの後に表層に新たに積層される銅箔との間で電気的な接続を実現することになる。
内層銅箔302を表面処理で粗化した後に絶縁樹脂層303が積層されている。絶縁樹脂層303には最近ガラスフィラーなど熱膨張を抑制する材料が含有されていることが多くなってきた。さらにカバーフィルム304が積層されている。カバーフィルム304には比較的安価なPETフィルムが使用されることが多い。
これらの構成材料は、一般的なもので、内層銅箔約12μm厚、銅箔処理CZ処理を実施し、絶縁樹脂25〜40μmで半導体パッケージ用に使用されている。また、標準の材料として市販されている半導体パッケージ用材料はカバーフィルムに38μm厚のPETフィルムが使用されている。
レーザ光による穴あけは、このカバーフィルム304を積層した状態でカバーフィルム側からレーザ光を照射することで実施される。以降、被加工物に照射され加工に供されるレーザ光のパルスを「加工パルス」と称することにする。
加工パルスによって供給されるエネルギで、カバーフィルム304と絶縁樹脂層303が共に部分的に除去され、加工穴305を形成する。加工穴305において、絶縁樹脂層303の加工パルス照射側の穴径を上穴径Dt、反対側の加工の底の穴径を下穴径Dbとする。
共に穴加工されたカバーフィルム304はレーザ加工後に剥離され、被加工物216は次の化学プロセスに持ち込まれる。
<被加工物の構成・厚さに対する最適加工条件の設定>
レーザ加工装置で加工を開始する前に、レーザ加工装置を加工に適切な条件に調整設定する必要がある。その手順を以下説明する。説明では、実際に加工を行った結果を示した上で、条件をいかに調整・設定するかをグラフを参照しながら述べることとする。
条件設定のための加工と条件設定の手順を示すと図4のようになる。図4は本開示の実施の形態の係る製造方法の最適加工条件の設定の手順を示すフローチャートである。まず被加工物として標準の材料を用いた場合の条件の設定手順を説明する(Step1〜Step3)。
[A]標準的条件の設定手順
図4にもあるように、最初にレーザ加工装置の焦点を設定する必要がある(Step1)。続いて実施されるのは、所定の目標穴径が得られるマスク径と加工エネルギを設定する必要がある(Step2)。そして、最後に、加工品質を観察しながらパルス幅を決定する(Step3)。まず、ここまでについて詳細に説明する。
なお、本開示の実施の形態では、レーザ発振器161には、CO2レーザ発振器を使用し、被加工物216が樹脂の場合に比較的炭化が抑制される波長9.3μmのレーザ光を出力するものを用いている。レーザの加工パルス幅Tpは絶縁樹脂層303の材料に依存するが、本発明の検証で使用した材料ではパルス幅を10〜50μ秒で加工を実施した。
使用した材料は、一般的に半導体パッケージ用に使用されている材料である。その構成は、図3に示すとおりであり、内層銅箔302は、約12μm厚で銅箔処理CZ処理を実施している。絶縁樹脂層303は、特に記載のない場合は25μm厚のものを用いている。カバーフィルム304については、標準の材料として市販されている半導体パッケージ用材料では、38μm厚のPETフィルムが使用されている。
(Step1)最適焦点位置の確認と設定
レーザ加工装置の最適焦点位置を求めるために、Z軸方向に焦点位置を20μm単位で上下させて穴加工を行い、結果を測定した。加工に使用するマスク163は光学的に所定の穴径加工が想定される直径に近いものを選択する。加工エネルギは加工痕周囲がきれいに確認できるように弱いエネルギが好ましい。本加工では1mJに設定した。加工パルスはパルス幅が50μ秒の1ショットである。
係る条件で穴加工を行った結果、絶縁樹脂層303に形成された加工穴305の上穴径Dtと下穴径Dbを測定した値をグラフにまとめた。図5は本開示の製造法における標準カバーフィルム使用時の最適焦点位置の確認実験結果を示すグラフである。グラフの横軸は被加工物を基準にしたレーザ光の焦点位置であり、材料表面からカバーフィルム304の厚さだけ内に入った位置、即ち、絶縁樹脂層表面を原点にしている。縦軸は加工穴305の上穴径と下穴径の測定値である。
さて、図5に示されているように、焦点の位置によって加工される穴の径は変化している。この場合、絶縁樹脂層表面付近で最も小さい上穴径が得られている。下穴径については、上穴径よりは小さくなっているが、絶縁樹脂層表面に焦点位置を設定した場合が最も大きくなっている。
上穴径と下穴径の差が最も小さい場合が最適な条件である。グラフから、標準のカバーフィルム38μmの場合は、焦点位置を絶縁樹脂層表面とすることが、最も良好な穴径を得る条件であることがわかった。レーザ加工装置の制御としては、被加工物表面からカバーフィルム厚さだけ内部にオフセットした位置に焦点を設定することになる。
(Step2)ねらい穴径に対する照射条件の決定
2番目の工程は加工エネルギを変化させて、絶縁樹脂層303の表面の上穴径が「目標とする穴径(以降、ねらい穴径と称する)」になるように大まかに加工エネルギを設定する。そのために、所定の条件のもとで加工穴径と照射エネルギの相関を計測し、ねらい穴径に対する照射エネルギを逆算し決定する。
マスク径は、カバーフィルム304の厚さが38μmの本加工の場合は1.8mmのマスクを使用した。但し、マスク径は、レーザ加工装置の光学設計上の倍率で決定されるパラメータであるので、ねらい穴径に応じて変えることもあるが、本加工ではほぼ適切な上記値に仮ぎめして加工を行った。
レーザ加工装置の焦点設定は、実際の被加工物216が絶縁樹脂層303にPETなどカバーフィルムが積層されているので、絶縁樹脂層表面になるように焦点位置を設定した。加工パルスは50μ秒1ショットに設定し、音響光学変調器164に対する強度指示指令503を変えることで加工エネルギを変化させた。
係る条件で穴加工を行った結果、絶縁樹脂層303に形成された加工穴305の上穴径Dtを測定した値をグラフにまとめた。図6は本開示の製造法における標準カバーフィルム使用時の加工穴径と照射エネルギの相関を計測した結果を示すグラフである。グラフの横軸は加工エネルギで単位はミリジュールである。縦軸は加工穴の上穴径の測定値である。
このグラフから読み取るか、加工エネルギと穴径の関係を表す近似曲線から逆算すれば、ねらい穴径に対して必要な加工エネルギの値を得ることができる。例えば、本実証のカバーフィルム厚38μmの場合、図6より、穴径が30μmには0.47mJ、同40μmには0.80mJ、同50μmには1.35mJとなる。
(Step3)最適加工パルス幅の確認と設定
次に、最適な加工パルス幅Tpを求めるために、加工エネルギは一定にしたまま加工パルス幅Tpを変更し、加工パルス幅Tpと加工穴形状の関係を把握する。
カバーフィルム厚は38μmの材料を使い、ねらい穴径を30μmとした。加工条件は前ステップの設定を用いた。マスク径は1.8mm、焦点は絶縁樹脂層表面になるように位置を設定した。加工パルスは1ショットで、加工エネルギは0.47mJである。加工パルスを10〜50μ秒に変更することに応じて、音響光学変調器164に対する強度指示指令503を変えることで加工エネルギを一定とした。
本加工では、カバーフィルム厚は共通の38μmであるが、絶縁樹脂層303の厚さが25μmと30μmの2種類の材料を用意している。
係る条件で穴加工を行った結果、絶縁樹脂層303に形成された加工穴305の上穴径Dtを測定した値をグラフにまとめた。図7は本開示の製造法における標準カバーフィルム使用時の最適加工パルス幅の確認実験結果を示すグラフである。グラフの横軸は加工パルス幅で単位はμ秒である。縦軸は加工穴の上穴径と下穴径の測定値である。
図7からもわかるように、加工パルス幅が短いときは上穴径が大きく下穴径は小さい。加工パルス幅が長くなると、上穴径が多少小さくなり、下穴径が大きくなる。更に加工パルス幅が長くなると下穴径が小さくなる。
加工パルス幅が短いときに同じエネルギを得るにはパルスピーク値が高いことを意味し、加工しきい値は材料により一定であることから加工に寄与するビーム径が拡大することを意味する。一方、加工パルス幅が長くなると樹脂が高温になる時間が増えて除去体積が微増し下穴径が拡大する。
ところが、最近は、絶縁樹脂層材料にガラスフィラーが多く含有される傾向にあり、長パルス幅(例えば30μ秒超)で加工するとガラス粒子が析出する現象が顕著になり、結果として下穴径が小さくなってくる。このガラス玉の析出現象が顕著に出てくると、後工程のデスミア過程でも取ることができず問題になることがあるため、ガラス玉の析出が許される最大のパルス幅を選択する必要がある。
図7の加工結果から、最適な加工パルス幅は30μ秒だと分かる。これは、上述の考察のように絶縁樹脂層303の材質構成で影響される加工条件である。また、絶縁樹脂層303の厚さが違うと除去体積が変わり穴径の定量的な大きさは変化するが、定性的な傾向は変わることがなく、最適な加工パルス幅は同じ値になっている。
なお、異なる材質構成の絶縁樹脂層の有する被加工物を穴加工する場合は、本工程の加工と測定を行えば最適な加工パルス幅を設定できる。
[B]カバーフィルム別条件の設定手順
カバーフィルム側から穴加工を行う場合に、カバーフィルムの厚さが異なると除去体積が異なり、同じねらい穴径の加工でも加工エネルギが異なることまでは容易に推測される。
ところが、カバーフィルムの厚さが厚くなると現象が複雑になってきたことが分かった。
そこで、標準的材料のカバーフィルムに対して、更に厚く設定したカバーフィルムを有する材料を準備し、カバーフィルム厚さの影響を確認し(Step4)、そこから厚さ毎の最適な条件を設定する手順を示す(Step4、Step5)。さらに、ねらい穴径に対して最適なカバーフィルム厚さの選定手順を示していく(Step6)。
(Step4)カバーフィルム厚さの影響確認〜厚さ毎の焦点位置オフセットの設定
カバーフィルム304が厚さ38μmのPETである一般的材料以外に、カバーフィルム厚を75μmと100μmとした異なる被加工物材料を準備した。ただし、絶縁樹脂層303や内層銅箔302は同一材料、同一厚さとした。この3種類の材料に対して、焦点位置を20μmごとに変更して穴加工を行い、カバーフィルム厚ごとに上穴径Dtと下穴径Dbを測定した。
加工エネルギは、カバーフィルム表面に焦点位置を仮決めし、加工パルス出力を変化させながら加工穴305の絶縁樹脂層303の上穴径Dtが30〜35μmになるエネルギを求めて決定している。加工パルスは、暫定的にパルス幅を50μ秒とした1ショットである。
本加工の結果をグラフで示す。図8は本開示の製造法においてカバーフィルム厚さの影響確認のために行った厚さ毎の最適焦点位置の確認実験結果を示すグラフである。グラフの横軸は被加工物216を基準にしたレーザ光の焦点位置であり、カバーフィルム304の表面を原点にしている。縦軸は加工穴305の上穴径と下穴径の測定値である。
図8を見ると、カバーフィルム304が比較的薄い38μmときは、下穴径が最も大きくなる位置がカバーフィルム表面から内側に40μm付近にあり、ほぼカバーフィルムの厚さと一致しており、絶縁樹脂層表面に焦点を取る前述の加工方法が有効であることが分かる。
一方、仮に、カバーフィルム304が厚い75μmおよび100μmの場合でも絶縁樹脂層表面に焦点を取る前述の加工方法が有効であるとすると、カバーフィルム材料のPETの屈折率は約1.5であって屈折による焦点位置の誤差はほとんどないので、光学的に下穴径が最大になる焦点位置はカバーフィルムの内側75μmおよび100μm付近にあることになる。
しかしながら、図8に記しめされているように、実際は厚みが増すにつれ逆に表面側に移動していることがわかった。
この現象は、加工穴内で多重反射により加工穴が形成されている状態を示し、アクリルなどの樹脂ではこの多重反射のために穴径と同等以上の深さになると正確にバーンパターンによりレーザ光の分布が測定できないことが知られている。
従って、絶縁樹脂層表面に焦点を取る前述の加工方法では、下穴径を大きくしテーパ率を改善した最適な加工位置が得られないことを示している。そこで、本発明では、カバーフィルム厚毎に焦点オフセットの最適設定する工程を追加する。
レーザ加工装置100は被加工物216の表面の位置をセンサで測定し、焦点位置にZ軸を移動して加工を開始する。カバーフィルム304が積層している場合、カバーフィルムの厚さを予め入力しておけば、一般的には自動的に絶縁樹脂表面に焦点が一致するようにレーザ加工装置のZ軸が移動して加工を開始する。
本開示の実施の形態では、カバーフィルム304の材質と厚さ毎に絶縁樹脂層表面からの加工位置(即ち、最適な焦点に位置)までのオフセット量または、カバーフィルム表面から加工位置までのオフセット量のどちらか一方を固有値としてシステムに登録し、自動的に下穴径が最大となるZ軸加工位置で加工を行う。
加工位置オフセット量の求め方は、図8に示した穴加工と測定を、レーザ加工を行おうとする被加工物に対して予め行って決定すればよい。あるいは、カバーフィルムの材質と厚さが決まると最適値はほぼ決まるので、異なる種類の材料に対して予め穴加工と測定を行って、システムに登録しておいてもよい。
具体的な加工位置オフセット量の求め方を図8の場合を一例として説明する。このグラフで大切なのは、下穴径が最大になる位置を最適加工位置として選択することである。
図8において、カバーフィルム100μmの場合、内部に約20μmカバーフィルムの表面から入った位置に加工位置を設定する。カバーフィルム75μmの場合は、同じく約30μmである。カバーフィルム38μmの場合は、同じく約40μmであり、ほぼ絶縁樹脂層表面であるので、内部に38μmカバーフィルムの表面から入った位置に加工位置を設定するか、絶縁樹脂層を基準にするならば、オフセット量を0とすればよい。
なお、図5と図8で上穴径の変化の傾向が異なっているが、これは加工エネルギなどの設定条件が異なりターゲットとなる穴径が微小化方向に大きく異なっているためである。しかしながら、着目する下穴径については傾向や最適加工位置はほとんど変わらない。
(Step5)厚さ毎のねらい穴径に対する照射条件の決定
次の工程は、カバーフィルム304の厚さ毎にマスク径を設定し、さらに加工エネルギを変化させて、絶縁樹脂層表面の上穴径が目標となる穴径になるように大まかに加工エネルギを設定する。被加工物として、カバーフィルム厚が100μm、75μm、50μmを新たに準備した。
レーザ加工装置の焦点は、Step4で厚さ毎に設定された加工位置オフセット量だけカバーフィルム表面から内部に焦点が来るように設定される。例えば100μm厚のカバーフィルムの場合は内部に20μm焦点位置をシフトさせて加工される。加工パルスはパルス幅50μ秒の1ショットに設定し、音響光学変調器164に対する強度指示指令503を変えることで加工エネルギを変化させた。
また、加工痕は基本的に円錐形状になるので、カバーフィルムの厚さが厚くなると使用するマスク径は大きくなる。今回の実証の場合、PETカバーフィルムが100μm厚の場合3.25mm、同75μm厚の場合2.25mm、同50μmの場合は1.8mmのマスクを使用した。
但し、マスク径は、レーザ加工装置の光学設計上の倍率で決定されるパラメータであり、必ずしも、この値が最適値ではないが、本加工ではほぼ適切な値として仮ぎめして加工を行った。実際の生産工程では、レーザ加工装置固有のマスク径の中から選択することになる。
カバーフィルム304が厚くなると除去体積が多くなることから、加工エネルギも大きくなる。どのカバーフィルム厚の場合でも絶縁樹脂層303の除去体積は目標穴径が同じであるとほぼ同じになるから、加工エネルギの増加分はカバーフィルム304の除去加工に使用されている。
係る条件で穴加工を行った結果、絶縁樹脂層303に形成された加工穴305の上穴径Dtを測定した値をグラフにまとめた。なお、Step2で説明した汎用の厚さの38μmの場合も同一条件でグラフ内に描画しておく。図9は本開示の製造法においてカバーフィルム厚さ毎に加工穴径と照射エネルギの相関を計測した結果を示すグラフである。グラフの横軸は加工エネルギで単位はミリジュールである。縦軸は加工穴305の上穴径の測定値である。
各厚さ毎の設定条件は、このグラフから読み取るか、パルスエネルギと穴径の関係を表す近似曲線から逆算すれば、ねらい穴径に対して必要な加工エネルギの値を得ることができる。図9より、本実証の目標を仮に絶縁樹脂層上穴径がΦ30μmとすると、カバーフィルム厚38μmの場合0.47mJ、同50μm厚の場合0.7mJ、同75μm厚の場合1.15mJそして100μm厚の場合1.8mJとなる。
このようにして、Step5と図9に示した穴加工と測定を、レーザ加工を行おうとする被加工物に対して予め行って決定すれば、カバーフィルムの材質と厚さごとの穴径と加工エネルギの相関が分かり、ねらい穴径に対する最適な加工エネルギも決定できる。あるいは、事前に種々の異なる材料に対して当該穴加工と測定を行って、システムに登録しておいてもよい。
(Step6)ねらい穴径に対するカバーフィルム厚さの決定
カバーフィルム厚の影響は、加工位置オフセット量と加工エネルギだけではなく、さらに他の現象にも及んでいる。ここで、本開示のレーザ加工の条件設定を総合した実証加工の結果を示す。
被加工物216のカバーフィルム304の厚さが38μm、50μm、75μmおよび100μmの4種類を準備する。各材料とも、絶縁樹脂層303と内層銅箔302は同一材質・同一厚さである。
マスク径は、カバーフィルム厚さ毎にStep2とStep5の設定を用いる。焦点位置はStep4で求めたカバーフィルム厚さ毎の加工位置オフセット量の設定を用いる。レーザパルスは、絶縁樹脂層は共通であるのでStep3で求めたパルス幅30μ秒の1ショットで統一する。
そして、加工穴の上穴径を変数として、各カバーフィルム厚さ毎に下穴径はどのように変化するか計測する。ねらう上穴径はStep5で示した手順で決定した加工エネルギより実現する。相関を考察する測定値としてテーパ率を用いる。テーパ率は、下穴径Dbを上穴径Dtで除して100分率で表現したものである。100%に近いほど上穴径Dtと下穴径Dbの差が小さく良好である。
図10は本開示の製造法においてカバーフィルム厚さ毎に上穴径に対するテーパ率の変化を計測した結果を示すグラフである。グラフの横軸は上穴径、縦軸はテーパ率とし、4種類のカバーフィルム厚でデータ系列を分けている。
図10に示されるように、2つの観点で顕著な傾向が見て取れる。1つ目は、カバーフィルムの厚さが厚くなるほどテーパ率が良化していることである。2つ目は、同じカバーフィルム厚さの場合では、上穴径が小さくなるほどテーパ率が良化していることである。
なお、このような傾向が顕著に現れるのは、カバーフィルム厚さ毎に本開示の条件設定を行い、各厚さ、各穴径で良好な穴加工が実現できているからである。
2つの顕著な傾向の本質を定量的に考察すべく図10のデータを異なる変数で整理しなおす。カバーフィルム厚を上穴径で除した比率を横軸にしてデータを新たにプロットする。
図11は本開示の製造法におけるカバーフィルム厚/加工上穴径の比とテーパ率の関係を示すグラフである。この図から明らかなように、テーパ率が改善する傾向は、カバーフィルム厚と上穴径の比でほぼ一義的に表すことができるという新たな知見を得ることができた。
プリント基板の場合、一般的にテーパ率が80%以上の加工が求められるため、その場合カバーフィルム厚と加工上穴径の比を1.5倍以上にするとレーザ照射回数1回でも良好な加工を得ることができることが示されている。
つまり、加工の深さがカバーフィルム厚/穴径比が1.5以上になるとビーム本来の形状での加工に加えて多重反射の効果が重畳される。多重反射の効果は加工穴の深部で顕著になるため、カバーフィルムを厚くしてレーザ加工を実施し、カバーフィルムを剥離することで表面に加工穴深部が露出しテーパ率が改善する。
しかし、この効果は加工位置(焦点の位置)の設定に非常に敏感であることは前述の説明で示した。多重反射の効果をテーパ率改善効果として得るには、前述した下穴径を最大とする加工位置設定とカバーフィルムの厚さが加工穴径の約1.5倍以上あることの同時に条件を満たした場合に顕著に現れる。
よって、加工しようとする穴径が決まれば、最適なカバーフィルム厚を決定することができる。本開示の実証では、例えば、穴径30μmの加工であればカバーフィルム厚が45μm以上(例えば50μm)のものを選ぶ。例えば、30〜60μmの穴径が混在しているなら90μm以上の厚さである100μm厚のものを選べばよい。
なお、厚くなりすぎると不要なカバーフィルムの除去ばかりにエネルギを消費し、レーザ発振器161の出力の制限から短パルスでは少ないショット数の加工が困難になってくる。そこで、カバーフィルム厚の上限は、この制限を考慮して、例えば200μmとすればよい。
<まとめ>
以上に述べたように、本実施の形態のレーザ加工方法によれば、テーパ率の良い小径加工を1ショットのレーザ照射で実現し、小径化に求められる加工品質と高生産性を両立させることができる。
さらに、本実施の形態のレーザ加工方法では、加工パルスを1ショットで条件を設定したが、加工エネルギを時間的に分割し複数ショットの加工パルスで条件設定することを妨げない。同じ穴径を加工するためには合計のエネルギはほぼ同じになるので、照射回数を分割した場合の1ショットの加工エネルギは、ほぼ分割の除算の結果に近い値とすればよい。
かかる場合も、カバーフィルムを一定以上に厚くし、厚さに応じた加工位置オフセット量を設定することによる多重反射の効果によって、さらなるテーパ率の改善が見込める。
なお、プリント基板の加工を電子部品の代表例として本開示のレーザ加工方法を説明したが、本開示の製造方法は、プリント基板だけでなく、SAWフィルタ、インターポーザ基板など半導体内の構成部品、半導体プローブカードやMEMSなど、微小な穴あけが必要な電子部品にも適用可能である。
本開示のレーザ加工方法は、テーパ率の良い小径加工を少ないショットのレーザ照射で実現し、小径化に求められる加工品質と高生産性を両立させることができるものであり、レーザ光を用いた加工方法とその製造方法を用いた電子デバイス等において有用である。
100 レーザ加工装置
161 レーザ発振器
162 コリメータレンズユニット
163 マスク
164 音響光学変調器
165 フェーズリターダ
166 ビームダンパ
167 ガルバノスキャナ
168 スキャンレンズ
214 音響光学素子ドライバ
215 Z軸ボックス
216 被加工物
217 加工テーブル
218 パワーモニタ
220 レーザ光
221 0次レーザ光
222 1次レーザ光
223 制御装置
301 ベース層
302 内層銅箔
303 絶縁樹脂層
304 カバーフィルム
305 加工穴
501 パルス発振指令
502 AOM駆動パルス
503 強度指示指令
504 AOM変調信号
505 レンズ調整信号
506 マスク選択信号
507 Z軸調整信号
Lc コリメータレンズ距離
Td 遅延時間
TL レーザパルス幅
Tp 加工パルス幅
P1 加工パルス強度
Dt 上穴径
Db 下穴径

Claims (6)

  1. シート状のベース部材に絶縁樹脂層とカバーフィルムが接着された被加工物をレーザ光で穴加工する製造方法であって、
    前記カバーフィルムの厚さを所定の厚さ以上に決定するステップと、
    前記被加工物の前記カバーフィルム側をレーザ照射面として加工テーブルに載置し保持するステップと、
    レーザ光の強度とパルス時間幅によって加工に用いるレーザ光のパルスエネルギを設定するステップと、
    前記加工に用いるレーザ光の焦点の位置を調整するステップと、
    レーザパルスを照射して前記絶縁樹脂層と前記カバーフィルムを同時に除去して穴加工するステップを備えるレーザ加工方法。
  2. 前記被加工物の加工する穴径に対して一定の関係になるように前記カバーフィルムの厚さを決定する請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記一定の関係を、前記加工する穴径に対して前記カバーフィルムの厚さが1.5倍以上であるとした請求項1または2に記載のレーザ加工方法。
  4. 前記焦点の位置を前記カバーフィルムの内部に設定した請求項1から3のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  5. 前記カバーフィルムの厚さに応じた前記焦点の位置のオフセット量を予め設定し、前記カバーフィルム毎に前記焦点の位置を変更する請求項1から4のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  6. 前記カバーフィルムの厚さが75μm以上200μm以下であり、
    前記焦点の位置を、前記カバーフィルムの内部、かつ、前記カバーフィルムの厚さの中央よりレーザ光の照射側に設定した請求項5に記載のレーザ加工方法。
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