JP2019147085A - 防食方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】防食塗膜の管理性を向上させることが可能となる、防食方法を提供すること。【解決手段】防食方法は、第1防食塗膜32を形成する第1形成工程と、第1防食塗膜32の表面上にマーキング材33を敷設する敷設工程と、第2防食塗膜34を形成する第2形成工程と、を含み、第2形成工程は、マーキング材33の表面及び裏面に第2防食用ライニング材34aを塗布して乾燥することにより、マーキング材33を第1防食塗膜32に付着させる第1塗布乾燥工程と、マーキング材33の表面に第2防食用ライニング材34aをさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材33を外部から視認可能にさせる第2塗布乾燥工程と、マーキング材33の表面に第2防食用ライニング材34aをさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材33を外部から視認不可能にさせる第3塗布乾燥工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、防食方法に関する。
従来から、所定の対象物の防食性を向上させる技術の一つとして、下地処理された対象物の表面上に樹脂製の下塗り剤を塗布することで防食塗膜を形成した後に、当該対象物の表面上にさらに樹脂製の上塗り剤を塗布することで防食塗膜を形成することにより、対象物の表面を被覆する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、この対象物の表面に形成された防食塗膜の管理方法については、膜厚計を用いて防食塗膜の一部の膜厚を計測することにより管理している。
特開2013−13855号公報
しかしながら、上述した従来の技術においては、上述したように、膜厚計を用いて防食塗膜の一部の膜厚を計測することにより防食塗膜の管理を行うので、防食塗膜全体の膜厚を計測する場合に比べて、防食塗膜の管理を正確に行うことが難しくなるという問題があった。一方で、防食塗膜全体の膜厚を計測することで防食塗膜の管理を行う場合には、当該計測作業に手間を要することから、防食塗膜の管理を容易に行うことが難しくなるという問題があった。以上のことから、防食塗膜の管理性の観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、防食塗膜の管理性を向上させることが可能となる、防食方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の防食方法は、防食対象の腐食を防止するための防食方法であって、前記防食対象の表面に第1防食用ライニング材を塗布して乾燥することにより、第1防食塗膜を形成する第1形成工程と、前記第1形成工程の後に、前記第1形成工程において形成された前記第1防食塗膜の表面上にマーキング材を敷設する敷設工程と、前記敷設工程の後に、前記マーキング材の表面に非透明の第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することを複数回繰り返すことにより、第2防食塗膜を形成する第2形成工程と、を含み、前記第2形成工程は、前記マーキング材の表面及び裏面に前記第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を前記第1防食塗膜に付着させる第1塗布乾燥工程と、前記第1塗布乾燥工程の後に、前記マーキング材の表面に前記第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を外部から視認可能にさせる第2塗布乾燥工程と、前記第2塗布乾燥工程の後に、前記マーキング材の表面に前記第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を外部から視認不可能にさせる第3塗布乾燥工程と、を含む。
請求項2に記載の防食方法は、請求項1に記載の防食方法において、前記第1塗布乾燥工程、前記第2塗布乾燥工程、及び前記第3塗布乾燥工程の各々において塗布される前記第2防食用ライニング材の塗布量を、400g/m〜500g/mとした。
請求項3に記載の防食方法は、請求項1又は2に記載の防食方法において、前記第2防食塗膜の膜厚の厚さを、0.8mm以上とした、
請求項4に記載の防食方法は、請求項1から3のいずれか一項に記載の防食方法において、前記第1防食用ライニング材及び前記第2防食用ライニング材の各々は、水性ビニルエステル樹脂系ライニング材である。
請求項5に記載の防食方法は、請求項1から4のいずれか一項に記載の防食方法において、前記マーキング材を、メッシュ状、ビーズ状、又は線形状に形成した。
請求項6に記載の防食方法は、請求項1から5のいずれか一項に記載の防食方法において、前記マーキング材をメッシュ状に形成し、前記マーキング材の厚さを0.24mm〜0.26mmとした。
請求項7に記載の防食方法は、請求項1から6のいずれか一項に記載の防食方法において、前記マーキング材をメッシュ状に形成し、前記マーキング材の目開き面積を5mm〜25mmとした。
請求項8に記載の防食方法は、請求項1から7のいずれか一項に記載の防食方法において、前記マーキング材を、ガラス材料にて形成した。
請求項1に記載の防食方法によれば、第1防食塗膜を形成する第1形成工程と、第1防食塗膜の表面上にマーキング材を敷設する敷設工程と、マーキング材の表面に非透明の第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することを複数回繰り返すことにより、第2防食塗膜を形成する第2形成工程と、を含むので、マーキング材の視認の有無に基づいて防食塗膜の膜厚を管理でき、従来技術(膜厚計を用いて防食塗膜を管理する技術)に比べて、防食塗膜の膜厚を正確且つ容易に管理できる。また、第2形成工程が、マーキング材の表面及び裏面に第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することにより、マーキング材を第1防食塗膜に付着させる第1塗布乾燥工程と、第1塗布乾燥工程の後に、マーキング材の表面に第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材を外部から視認可能にさせる第2塗布乾燥工程と、第2塗布乾燥工程の後に、マーキング材の表面に第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材を外部から視認不可能にさせる第3塗布乾燥工程とを含むので、第2形成工程の各工程で第2防食用ライニング材の塗布状態を確認しながら第2防食塗膜を形成でき、第2防食塗膜の膜厚を一層正確に管理できる。
請求項2に記載の防食方法によれば、第1塗布乾燥工程、第2塗布乾燥工程、及び第3塗布乾燥工程の各々において塗布される第2防食用ライニング材の塗布量を、400g/m〜500g/mとしたので、第2塗布乾燥工程においてマーキング材を外部から確実に視認でき、且つ第3塗布乾燥工程においてマーキング材を外部から確実に視認できないようにでき、第2防食塗膜の膜厚をさらに一層正確に管理できる。
請求項3に記載の防食方法によれば、第2防食塗膜の膜厚の厚さを、0.8mm以上としたので、第2防食塗膜の防食性を確保でき、防食対象の腐食を確実に防止できる。
請求項4に記載の防食方法によれば、第1防食用ライニング材及び第2防食用ライニング材の各々は、水性ビニルエステル樹脂系ライニング材であるので、ビニルエステル樹脂系ライニング、エポキシ樹脂系ライニング材で構成されている場合に比べて取り扱いが容易であるため(例えば、ビニルエステル樹脂は発がん性の疑いのあるスチレンを含まないので、刺激臭が発生せず、また、エポキシ樹脂系は人体のかぶれの原因物質であるアミンを含まないので、作業時において皮膚のかぶれが生じにくいため)、第1防食用ライニング材及び第2防食用ライニング材の使用性を向上できる。
請求項5に記載の防食方法によれば、マーキング材を、メッシュ状、ビーズ状、又は線形状に形成したので、マーキング材を状況に応じた形状に形成でき、マーキング材の使用性を向上できる。
請求項6に記載の防食方法によれば、マーキング材をメッシュ状に形成し、マーキング材の厚さを0.24mm〜0.26mmとしたので、施工性、第1防食用ライニング材及び第2防食用ライニング材との付着性、又は第2防食用ライニング材に対する隠蔽性を高めることができ、マーキング材の使用性を一層向上できる。
請求項7に記載の防食方法によれば、マーキング材をメッシュ状に形成し、マーキング材の目開き面積を5mm〜25mmとしたので、施工性、第1防食用ライニング材及び第2防食用ライニング材との付着性、又は第2防食用ライニング材に対する隠蔽性を高めることができ、マーキング材の使用性を一層向上できる。
請求項8に記載の防食方法によれば、マーキング材を、ガラス材料にて形成したので、マーキング材が樹脂材料にて形成された場合に比べて耐薬品性を向上でき、マーキング材の使用性を一層向上できる。
本発明の実施の形態に係る排水槽を備える建物を概念的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は排水槽の周辺領域の拡大図である。 壁部を示す図(一部図示省略)であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。 防食方法の第1形成工程を示す図であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のB−B矢視断面図である。 防食方法の敷設工程を示す図であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のC−C矢視断面図である。 防食方法の第1塗装乾燥工程を示す図であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のD−D矢視断面図である。 防食方法の第2塗装乾燥工程を示す図であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のE−E矢視断面図である。 第2形成工程時の第2防食用ライニング材の塗布状況を示す図であり、(a)は第1塗布乾燥工程後を示す図であり、(b)は第2塗布乾燥工程後を示す図であり、(c)は第3塗布乾燥工程後を示す図である。 塗布量試験の試験条件を示す図である。 塗布量試験の試験結果を示す図である。 付着性試験に用いられる試験体の特性を示す図である。 付着性試験、施工性試験、及び隠蔽性試験の試験結果を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る防食方法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、防食対象の腐食を防止するための防食方法に関する。ここで、「防食対象」とは、防食の対象となるものを意味し、例えば、様々な構造物や装置等を構成するコンクリート基材、セメント基材、モルタル基材、プラスチック基材、及び金属基材等を含む概念であるが、実施の形態では、建物用の排水槽を構成するコンクリート基材として説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る防食方法が適用される排水槽の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る排水槽を備える建物を概念的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は排水槽の周辺領域の拡大図である。以下の説明では、図1のX方向を建物の左右方向(−X方向を建物の左方向、+X方向を建物の右方向)、図1のY方向を建物の前後方向(+Y方向を建物の前方向、−Y方向を建物の後方向)、図1のZ方向を建物の上下方向(+Z方向を建物の上方向、−Z方向を建物の下方向)と称する。排水槽1は、建物2(例えば、商業ビル等)の所定領域(例えば、厨房室等)から排出された排出物3(例えば、排水3a、スカム等の浮遊物3b等)を貯蔵する貯蔵手段である。この排水槽1は、例えば公知の厨房排水槽(一例として、コンクリート製の排水槽等)を用いて構成されおり、図1(a)に示すように、建物2の下方部分(図1(a)では、建物2の地下部分)に設けられている。また、図1(a)、図1(b)に示すように、この排水槽1は、床部10、天井部20、及び複数の壁部30を備えている。なお、これら「床部10」、「天井部20」、及び「複数の壁部30」は、特許請求の範囲における「防食対象」に対応する。
このうち、床部10は、排水槽1を構成する床であり、図1(b)に示すように、排水槽1の下端部に設けられている。天井部20は、排水槽1を構成する天井であり、図1(b)に示すように、排水槽1の上端部に設けられている。複数の壁部30は、排水槽1を構成する壁であり、且つ天井部20を支持する壁であり、図1(b)に示すように、床部10と天井部20との相互間に間隔を隔てて設けられており、天井部20及び壁部30に対してそれぞれ接続されている。このような排水槽1の構成により、床部10、天井部20、及び複数の壁部30によって囲繞される空間S(以下、「貯蔵空間S」と称する)に排出物3を貯蔵することが可能となる。なお、これら床部10、天井部20、及び壁部30の各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、壁部30(特に、図1(b)の最右方側の壁部30)の構成のみについて説明することとする。
(構成−壁部)
図2は、壁部30を示す図(一部図示省略)であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。図2に示すように、壁部30は、本体部31、第1防食塗膜32、マーキング材33、及び第2防食塗膜34を備えている。
(構成−本体部)
本体部31は、壁部30の基本構造体であり、実施の形態では、公知のコンクリート基材等を用いて構成されており、略平坦状であり且つ厚肉な板状体にて形成されている。
(構成−第1防食塗膜)
第1防食塗膜32は、壁部30(特に、本体部31)の腐食を防止するための塗膜である。ここで、「壁部30の腐食」とは、例えば、壁部30の気相部30a(壁部30のうち排水槽1内の排出物3の上端よりも上方側の部分)が排水槽1内の排出物3に含まれる硫酸によって変質破壊されること、壁部30の喫水部30b(壁部30のうち排水槽1内の排水3aの上端から浮遊物3bの上端に至る部分)及び液相部30c(壁部30のうち排水槽1内の排水3aの上端よりも下方側の部分)が排水槽1内の排出物3に含まれる有機酸によって変質破壊されること等が該当する。
この第1防食塗膜32は、図2(b)に示すように、本体部31の貯蔵空間S側の側面(図2(b)では、左側面)に設けられており、具体的には、本体部31の貯蔵空間S側の側面に第1防食用ライニング材32aが塗布された後に乾燥されることで形成されている。
また、第1防食塗膜32の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、以下の通りとなる。すなわち、第1防食塗膜32の主側面(図2(b)では、左側面)の形状については、本体部31の主側面(図2(b)では、左側面)の形状と略同一の形状(矩形状)に設定している。また、第1防食塗膜32の前後方向の長さについては、本体部31の前後方向の長さと略同一に設定していると共に、第1防食塗膜32の上下方向の長さについては、本体部31の上下方向の長さと略同一に設定している。また、第1防食塗膜32の膜厚については、第2防食塗膜34の膜厚よりも薄く設定している。
(構成−第1防食塗膜−第1防食用ライニング材)
第1防食用ライニング材32aは、第1防食塗膜32を形成するためのライニング材であり、実施の形態では、公知の非透明な水性ビニルエステル樹脂系ライニング材(例えば、昭和電工建材製 ショウゼットSVE(登録商標)等)にて構成されている。また、この第1防食用ライニング材32aの物性(例えば、理論不揮発性成分の比率、粘性、水素イオン濃度(以下、「pH」と称する)、比重等)については、第1防食用ライニング材32aが下塗り剤として機能する限り任意に設定されている。
このような構成により、ビニルエステル樹脂系ライニング、エポキシ樹脂系ライニング材で構成されている場合に比べて取り扱いが容易であるため(例えば、ビニルエステル樹脂は発がん性の疑いのあるスチレンを含まないので、刺激臭が発生せず、また、エポキシ樹脂系は人体のかぶれの原因物質であるアミンを含まないので、作業時において皮膚のかぶれが生じにくいため)、第1防食用ライニング材32aの使用性を向上できる。ただし、第1防食用ライニング材32aは上述した構成に限らず、例えば、エポキシ樹脂系ライニング材等の他のライニング材にて構成されてもよい。
(構成−マーキング材)
マーキング材33は、後述する第2形成工程において第2防食塗膜34の膜厚が所望の厚さであるか否かを視認可能にするための部材である。このマーキング材33は、実施の形態では、公知のガラス材料(例えば、ガラス繊維等)を用いて構成され、後述の図4に示すように、メッシュ状体(具体的には、2軸のメッシュ状体)にて形成されており、第1防食塗膜32の貯蔵空間S側の側面(図2(b)では、左側面)に複数設けられている。
また、マーキング材33の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、以下の通りとなる。すなわち、複数のマーキング材33を組み合わせたものの主側面(図2(b)では、左側面)の形状については、第1防食塗膜32の主側面の形状(例えば矩形状)と略同一の形状に設定している。また、複数のマーキング材33を組み合わせたものの前後方向の長さについては、第1防食塗膜32の前後方向の長さよりも若干短く設定していると共に、複数のマーキング材33を組み合わせたものの上下方向の長さについては、第1防食塗膜32の上下方向の長さよりも若干短く設定している。また、複数のマーキング材33を組み合わせたものの厚さ、目開き面積、質量、及び線径については、施工性、第1防食用ライニング材32a及び後述の第2防食用ライニング材34aとの付着性、又は後述の第2防食用ライニング材34aに対する隠蔽性を高めることができるように設定している。具体的には、マーキング材33の厚さ=0.24mm〜0.26mm程度、マーキング材33の目開き面積=5mm〜25mm程度、マーキング材33の質量=43g/m〜60g/m程度、及びマーキング材33の線径=0.1mm〜0.13mm程度に設定している。
このような構成により、マーキング材33を備えない場合に比べて、第2防食塗膜34の管理を行う場合に当該計測作業に手間を省略でき、防食塗膜の管理を簡易且つ迅速に行うことができる。また、マーキング材33がガラス材料にて形成されているので、マーキング材33が樹脂材料にて形成された場合に比べて耐薬品性を向上でき、マーキング材33の使用性を一層向上できる。
(構成−第2防食塗膜)
第2防食塗膜34は、壁部30(特に、本体部31)の腐食を防止するための塗膜である。この第2防食塗膜34は、図2に示すように、第1防食塗膜32の貯蔵空間S側の側面(図2(b)では、左側面)において、マーキング材33を覆うように設けられており、具体的には、第1防食塗膜32及びマーキング材33の各々の貯蔵空間S側の側面に第2防食用ライニング材34aが塗布された後に乾燥されることで形成されている。
また、第2防食塗膜34の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、以下の通りとなる。すなわち、第2防食塗膜34の主側面(図2(b)では、左側面)の形状については、第1防食塗膜32の主側面の形状と略同一の形状に設定している。また、第2防食塗膜34の前後方向の長さについては、第1防食塗膜32の前後方向の長さと略同一に設定していると共に、第2防食塗膜34の上下方向の長さについては、第1防食塗膜32の上下方向の長さと略同一に設定している。また、第2防食塗膜34の膜厚については、第2防食塗膜34の防食性を確保できるように設定しており、具体的には、0.8mm以上に設定している。
(構成−第2防食塗膜−第2防食用ライニング材)
第2防食用ライニング材34aは、第2防食塗膜34を形成するためのライニング材であり、実施の形態では、公知の非透明な水性ビニルエステル樹脂系ライニング材(例えば、昭和電工建材製 ショウゼットSVE等)及び溶媒(例えば水等)を含んで構成されている。また、この第2防食用ライニング材34aの物性については、第2防食用ライニング材34aが上塗り剤として機能する限り任意に設定されている。
このような構成により、ビニルエステル樹脂系ライニング、エポキシ樹脂系ライニング材で構成されている場合に比べて取り扱いが容易であるため(例えば、ビニルエステル樹脂は発がん性の疑いのあるスチレンを含まないので、刺激臭が発生せず、また、エポキシ樹脂系は人体のかぶれの原因物質であるアミンを含まないので、作業時において皮膚のかぶれが生じにくいため)、第2防食用ライニング材34aの使用性を向上できる。ただし、第2防食用ライニング材34aは上述した構成に限らず、例えば、エポキシ樹脂系ライニング材等の他のライニング材にて構成されてもよい。
(防食方法)
続いて、本実施の形態に係る排水槽1の防食方法について説明する。図3は、防食方法の第1形成工程を示す図であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のB−B矢視断面図である。図4は、防食方法の敷設工程を示す図であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のC−C矢視断面図である。図5は、防食方法の第1塗装乾燥工程を示す図であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のD−D矢視断面図である。図6は、防食方法の第2塗装乾燥工程を示す図であり、(a)は左側面図であり、(b)は(a)のE−E矢視断面図である。図2から図5に示すように、本実施の形態に係る排水槽1の防食方法は、下地処理工程、第1形成工程、敷設工程、及び第2形成工程を含んでいる。さらに、第2形成工程は、第1塗布乾燥工程、第2塗布乾燥工程、及び第3塗布乾燥工程を含んでいる。なお、排水槽1の床部10、天井部20、及び壁部30の各々の防食方法はそれぞれ略同一であるので、以下では、壁部30の防食方法のみについて説明することとする。
(防食方法−下地処理工程)
まず、下地処理工程について説明する。下地処理工程は、壁部30の本体部31に対する下地処理を行う工程である。ここで、「下地処理」とは、本体部31に対する防食塗膜の接着性を高める処理である。具体的には、本体部31の貯蔵空間S側の側面(図3(b)では、左側面)全体を公知の洗浄材等を用いて洗浄した後に、本体部31の貯蔵空間S側の側面全体又は一部を公知の研磨機や研磨材(例えば、電動サンダー、サンドぺーバー等)を用いてサンディングすることにより、下地処理を行う。
(防食方法−第1形成工程)
次に、第1形成工程について説明する。第1形成工程は、下地処理の後において、本体部31の表面に第1防食用ライニング材32aを塗布して乾燥することにより、第1防食塗膜32を形成する工程である。具体的には、図3に示すように、公知の塗布器具(例えば、刷毛等)を用いて本体部31の貯蔵空間S側の側面(図3(b)では、左側面)に第1防食用ライニング材32aを所定量塗布し、その後所定時間経過するまで常温(例えば、0℃〜50℃)で乾燥させることにより、第1防食塗膜32を形成する。
また、第1防食用ライニング材32aの塗布量については、第1防食用ライニング材32aが下塗り剤として機能し、且つ第1防食塗膜32に白化現象が生じない限り任意に設定することができる。例えば、800g/m未満に設定することが好ましく、実施の形態では、200g/m程度に設定している。ここで、「白化現象」とは、第1防食用ライニング材32aの硬化不良によって、第1防食塗膜32の一部が白化する現象である。具体的には、第1防食用ライニング材32aの塗布量を800g/m以上に設定した場合に、第1防食用ライニング材32aに含まれる溶媒の揮散が十分でなかったことで、第1防食用ライニング材32aに含まれる硬化剤の一部の粒子同士が融着せずに第1防食用ライニング材32aが硬化し、当該融着しなかった粒子間の隙間が外部から視認可能になることにより、白化が生じるものとされる。
また、第1防食用ライニング材32aの乾燥時間については、第1防食用ライニング材32aが完全に乾燥できる限り任意に設定することができるが、例えば、排水槽1の施工性の観点から、16時間から7日程度に設定することが望ましい(なお、第2形成工程における第2防食用ライニング材34aの乾燥時間についても同様とする)。
(防食方法−敷設工程)
次に、敷設工程について説明する。敷設工程は、第1形成工程の後に、第1形成工程において形成された第1防食塗膜32の表面上にマーキング材33を敷設する工程である。具体的には、図4に示すように、複数のマーキング材33を第2防食塗膜34の表面(図4(b)では、左側面)に載置することにより、マーキング材33を敷設する。より具体的には、壁部30のマーキング材33同士の境界部については、隣接するマーキング材33同士の一部が重なり合うように、マーキング材33を敷設する。また、壁部30のマーキング材33と他の部材(例えば、床部10、天井部20等)のマーキング材33との境界部については、壁部30のマーキング材33の一部が他の部材のマーキング材33の一部と重複するように、マーキング材33を敷設する。これにより、マーキング材33のよれやマーキング材33同士の間に隙間が生じることを抑制でき、マーキング材33の設置性を向上できる。ただし、これに限らず、例えば、壁部30のマーキング材33同士の一部が重なり合わないように、マーキング材33を敷設してもよい。
(防食方法−第2形成工程)
次に、第2形成工程について説明する。第2形成工程は、敷設工程の後に、マーキング材33の表面に第2防食用ライニング材34aを塗布して乾燥することを複数回繰り返すことにより、第2防食塗膜34を形成する工程である。具体的には、第1塗布乾燥工程、第2塗布乾燥工程、及び第3塗布乾燥工程が順次実行することにより、第2防食塗膜34を形成する。
(防食方法−第2形成工程−第1塗布乾燥工程)
まず、第1塗布乾燥工程について説明する。第1塗布乾燥工程は、マーキング材33の表面及び裏面に第2防食用ライニング材34aを塗布し乾燥することにより、マーキング材33を第1防食塗膜32に付着させる工程である。具体的には、図5に示すように、まず、公知の塗布器具を用いてマーキング材33の裏面(図5(b)では、右側面)に第2防食用ライニング材34aを所定量塗布する。次いで、上記マーキング材33の裏面に塗布した第2防食用ライニング材34aが乾燥する前に、公知の塗布器具を用いてマーキング材33の表面(図5(b)では、左側面)に第2防食用ライニング材34aを所定量塗布する。その後、上記マーキング材33の表面及び裏面に塗布した第2防食用ライニング材34aを所定時間経過するまで常温で乾燥させる。
また、第1塗布乾燥工程の第2防食用ライニング材34aの塗布量については、マーキング材33を第1防食塗膜32に付着でき、且つ第2防食塗膜34に白化現象が生じない限り任意に設定することができる。例えば、800g/m未満に設定することが好ましく、実施の形態では、400g/m〜500g/mに設定している(より具体的には、上記マーキング材33の裏面の塗布量については、300g/m程度に設定し、上記マーキング材33の表面の塗布量については、200g/m程度に設定している)。なお、上述したように、壁部30のマーキング材33同士の境界部、又は壁部30のマーキング材33と他の部材(例えば、床部10、天井部20等)のマーキング材33との境界部については、これら部材のマーキング材33同士が重複するので、例えば、当該境界部の塗布量を他の部分の塗布量よりも多くしてもよい(なお、後述する第2塗布乾燥工程の第2防食用ライニング材34aの塗布量、後述する第3塗布乾燥工程の第2防食用ライニング材34aの塗布量についても同様とする)。
(防食方法−第2形成工程−第2塗布乾燥工程)
次に、第2塗布乾燥工程について説明する。第2塗布乾燥工程は、第1塗布乾燥工程の後に、マーキング材33の表面に第2防食用ライニング材34aをさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材33を外部から視認可能にさせる工程である。具体的には、図6に示すように、公知の塗布器具を用いて第1塗布乾燥工程にて乾燥された第2防食用ライニング材34aの表面(図6(b)では、左側面)に第2防食用ライニング材34aを所定量塗布し、その後所定時間経過するまで常温で乾燥させる。
また、第2塗布乾燥工程の第2防食用ライニング材34aの塗布量については、当該第2塗布乾燥工程が終了後(すなわち、当該第2防食用ライニング材34aが乾燥した後)にマーキング材33が外部から確実に視認でき、且つ第2防食塗膜34に白化現象が生じない限り任意に設定することができる。例えば、800g/m未満に設定することが好ましく、実施の形態では、400g/m〜500g/mに設定している。
(防食方法−第2形成工程−第3塗布乾燥工程)
図2に戻り、続いて、第3塗布乾燥工程について説明する。第3塗布乾燥工程は、第2塗布乾燥工程の後に、マーキング材33の表面に第2防食用ライニング材34aをさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材33を外部から視認不可能にさせる工程である。具体的には、図2に示すように、公知の塗布器具を用いて第2塗布乾燥工程にて乾燥された第2防食用ライニング材34aの表面(図2(b)では、左側面)に第2防食用ライニング材34aを所定量塗布し、その後所定時間経過するまで常温で乾燥させる。そして、これら第1塗布乾燥工程、第2塗布乾燥工程、及び第3塗布乾燥工程を実行することにより、第2防食塗膜34が形成される。
また、第3塗布乾燥工程の第2防食用ライニング材34aの塗布量については、当該第3塗布乾燥工程が終了後(すなわち、当該第2防食用ライニング材34aが乾燥した後)にマーキング材33が外部から確実に視認できず、且つ第2防食塗膜34に白化現象が生じない限り任意に設定することができる。例えば、800g/m未満に設定することが好ましく、実施の形態では、400g/m〜500g/mに設定している。
ここで、上述したように、第1塗布乾燥工程から第3塗布乾燥工程を実行することにより、膜厚=0.8mm以上とする第2防食塗膜34を形成することにした理由は、以下に示す通りである。
すなわち、まず、第1の理由については、膜厚=0.8mm以上とする第2防食塗膜34を1回の塗布乾燥工程で形成する場合には、第2防食用ライニング材34aの塗布量を800g/m以上に設定することになるので、第2防食塗膜34に白化現象が生じるおそれがあるからである。
また、第2の理由については、第1塗布乾燥工程から第3塗布乾燥工程を行うことにより、第2防食塗膜34の表面(図2(b)では、左側面)の平滑化が促進されるので、マーキング材33の隠蔽性を向上できるからである。具体的には、後述する計算例で示すように、下記式(1)、式(2)を用いて算出される第1塗布乾燥工程、第2塗布乾燥工程、及び第3塗布乾燥工程の各々に対応する理論乾燥後膜厚から、第2防食塗膜34の表面の平滑化が促進されると言える。
y=X/dt−X×(100−NV)/100×ds・・・式(1)
Z=X/dt・・・・式(2)
(ここで、y:マーキング材33に対応しない理論乾燥後膜厚(μm)、
X:理論塗布量(g/m)、
Z:理論乾燥前膜厚(μm)、
dt:第2防食用ライニング材34aの比重、
ds:第2防食用ライニング材34a中の揮発分の比重、
NV:第2防食用ライニング材34aの不揮発分(%))
ここで、第2防食塗膜34の表面の平滑化に関する計算例について以下で説明する。図7は、第2形成工程時の第2防食用ライニング材34aの塗布状況を示す図であり、(a)は第1塗布乾燥工程後を示す図であり、(b)は第2塗布乾燥工程後を示す図であり、(c)は第3塗布乾燥工程後を示す図である。なお、この計算例では、第2防食用ライニング材34aの比重dt=1.14、第2防食用ライニング材34a中の揮発分の比重ds=1、第2防食用ライニング材34aの不揮発分=82%、及びマーキング材33の厚さ=240μmとして説明する。
まず、図7(a)の第1塗布乾燥工程において、第1塗布乾燥工程におけるマーキング材33の裏面に対する理論乾燥後膜厚については、第1塗布乾燥工程におけるマーキング材33の裏面に対する理論塗布量X11=300g/mである場合に、マーキング材33に対応しない理論乾燥後膜厚y11=300/1.14−300×(100−82)/100×1=264−54=210μmとなる。また、第1塗布乾燥工程におけるマーキング材33の表面に対する理論乾燥後膜厚については、第1塗布乾燥工程におけるマーキング材33の表面に対する理論塗布量X12=200g/mである場合に、マーキング材33に対応しない理論乾燥後膜厚y12=200/1.14−200×(100−82)/100×1=176−36=140μmとなる。この場合において、第2防食用ライニング材34aに18%の体積収縮が生じるものの、マーキング材33には体積収集は生じない。このため、マーキング材33の表面に塗布された第2防食用ライニング材34aにマーキング材33が半分埋め込まれると仮定すると、マーキング材33の上部に塗布された第2防食用ライニング材34aの理論乾燥前膜厚Z1=マーキング材33に対応しない理論乾燥前膜厚Z−マーキング材33の厚さt1/2=176−240/2=56μmとなる。さらに、マーキング材33の上部に塗布された第2防食用ライニング材34aに18%の体積収縮が生じると、マーキング材33の上部に塗布された第2防食用ライニング材34aの理論乾燥後膜厚y13=56×(100−18)/100=46μmとなる。そして、この理論乾燥後膜厚y13が、塗布された第2防食用ライニング材34aのうちマーキング材33に対応しない部分とマーキング材33に対応する部分との膜厚差D1とされる。なお、マーキング材33の上部に塗布された第2防食用ライニング材34a(以下、「第1凸部34b」と称する)は、以後体積収縮はされないものと考えられる。
次に、第2塗布乾燥工程においては、図7(b)に示すように、第2塗布乾燥工程の理論塗布量X2=400g/mである場合に、第1凸部34bに対応しない理論乾燥後膜厚y21=400/1.14−400×(100−82)/100×1=352−72=280μmとなる。この場合において、第2防食用ライニング材34aに18%の体積収縮が生じるものの、第1凸部34bには体積収集は生じないので、第1凸部34bの上部に塗布された第2防食用ライニング材34aの理論乾燥前膜厚Z2=第1凸部34bに対応しない理論乾燥前膜厚Z−第1凸部34bの厚さt2=352−46=306μmとなる。さらに、第1凸部34bの上部に塗布された第2防食用ライニング材34aに18%の体積収縮が生じると、第1凸部34bの上部に塗布された第2防食用ライニング材34aの理論乾燥後膜厚y22=306×(100−18)/100=250μmとなる。そして、塗布された第2防食用ライニング材34aのうち第1凸部34bに対応しない部分と第1凸部34bに対応する部分との膜厚差D2=理論乾燥後膜厚y21−理論乾燥後膜厚y22=280μm−250μm=30μmとなる。なお、塗布された第2防食用ライニング材34aのうち第1凸部34bに対応する部分のうち突出している部分(以下、「第2凸部34c」と称する)は、以後体積収縮はされないものと考えられる。
続いて、第3塗布乾燥工程においては、図7(c)に示すように、第3塗布乾燥工程の理論塗布量X3=400g/mである場合に、第2凸部34cに対応しない理論乾燥後膜厚y31=400/1.14−400×(100−82)/100×1=352−72=280μmとなる。この場合において、第2防食用ライニング材34aに18%の体積収縮が生じるものの、第2凸部34cには体積収集は生じないので、第2凸部34cの上部に塗布された第2防食用ライニング材34aの理論乾燥前膜厚Z3=第2凸部34cに対応しない理論乾燥前膜厚Z−第2凸部34cの厚さt3=352−30=322μmとなる。さらに、第2凸部34cの上部に塗布された第2防食用ライニング材34aに18%の体積収縮が生じると、第2凸部34cの上部に塗布された第2防食用ライニング材34aの理論乾燥後膜厚y32=322×(100−18)/100=264μmとなる。そして、塗布された第2防食用ライニング材34aのうち第2凸部34cに対応しない部分と第2凸部34cに対応する部分との膜厚差D3=理論乾燥後膜厚y31−理論乾燥後膜厚y32=280μm−264μm=16μmとなる。
このような計算例より、第1塗布乾燥工程から第3塗布乾燥工程を実行することにより、上記膜厚差D3が視認できない程度の差になるので、第2防食塗膜34の表面の平滑化が促進されることから、マーキング材33の隠蔽性を向上できると言える。
以上のような防食方法により、マーキング材33の視認の有無に基づいて防食塗膜の膜厚を管理でき、従来技術(膜厚計を用いて防食塗膜を管理する技術)に比べて、防食塗膜の膜厚を正確且つ容易に管理できる。特に、第2形成工程が、第1塗布乾燥工程、第2塗布乾燥工程、及び第3塗布乾燥工程を含むので、第2形成工程の各工程で第2防食用ライニング材34aの塗布状態を確認しながら第2防食塗膜34を形成でき、第2防食塗膜34の膜厚を一層正確に管理できる。
(試験結果)
次に、本件出願人が行った各種の試験結果について説明する。ここでは、防食用ライニング材の塗布量試験の試験結果と、マーキング材の付着性試験、施工性試験、及び隠蔽性試験の試験結果とについて説明する。
(試験結果−塗布量試験)
最初に、防食用ライニング材の塗布量試験について説明する。図8は、塗布量試験の試験条件を示す図である。ここで、「塗布量試験」とは、防食用ライニング材の塗布量に応じたマーキング材の隠蔽状況を確認する試験である。
また、この塗布量試験の試験方法については任意であるが、例えば、下塗り済みの各種の試験体に対して所定の塗布量の防食用ライニング材を塗布(いわゆる上塗り)及び乾燥を複数セット行い、各セットにおいてマーキング材を隠蔽できたか否かを外部から視認する。さらに、マイクロスコープを用いて、各セットが終了した後の塗膜の膜厚を測定する。
ここで、塗布量試験に用いられる試験体は、コンクリート基材を用いて構成されており、第1塗布試験体から第3塗布試験体の3つの種類に分けられる。このうち、第1塗布試験体は、床を模擬した試験体であって、水平な設置面上に横置きされた試験体である。また、第2塗布試験体は、壁を模擬した試験体であって、水平な設置面上に縦置きされた試験体である。また、第3塗布試験体は、天井を模擬した試験体であって、垂直な設置面に対して片持ち固定された試験体である。
また、図8に示すように、防食用ライニング材の塗布及び乾燥のセットは、第1セットから第6セットの6つの種類に分けられる。このうち、第1セットは、塗布量=200g/mであり、塗布及び乾燥を行う回数(以下、「塗布乾燥回数」と称する)=3回とするセットである。また、第2セットは、塗布量=300g/mであり、塗布乾燥回数=3回とするセットである。また、第3セットは、塗布量=400g/mであり、塗布乾燥回数=3回とするセットである。また、第4セットは、塗布量=300g/mであり、塗布乾燥回数=1回と、400g/mであり、塗布乾燥回数=2回とを含むセットである(なお、塗布量=300g/mのセットを最初に行ってから、塗布量=400g/mのセットを行う)。また、第5セットは、塗布量=500g/mであり、塗布乾燥回数=3回とするセットである。また、第6セットは、塗布量=600g/mであり、塗布乾燥回数=3回とするセットである。
次いで、塗布量試験の試験結果の詳細について説明する。図9は、塗布量試験の試験結果を示す図である。ここで、図9の「×」はマーキング材を隠蔽できなかった旨を示し、図9の「〇」はマーキング材を隠蔽できた旨を示し、図9の「△」はマーキング材をやや隠蔽できた旨を示し、図9の「−」は、測定を中止した旨を示す。
図9に示すように、第1塗布試験体から第3塗布試験体の試験結果については、第1セット及び第2セットでは、1回目の塗布乾燥後、2回目の塗布乾燥後、及び3回目の塗布乾燥後のいずれにおいてもマーキング材を隠蔽できず、また3回目の塗布乾燥後の塗膜の膜厚については800μm(0.8mm)未満であった。一方、第3セットから第5セットでは、1回目の塗布乾燥後及び2回目の塗布乾燥後においてはマーキング材を隠蔽できなかったものの、3回目の塗布乾燥後においてはマーキング材を隠蔽でき、また3回目の塗布乾燥後の塗膜の膜厚については800μm以上であった(ただし、第3塗布試験体の第3セットは、他の塗布試験体の第3セットに比べて隠蔽の度合いがやや低かった)。また、第6セットでは、1回目の塗布乾燥後においてはマーキング材を隠蔽できなかったものの、2回目の塗布乾燥後においてはマーキング材を隠蔽できた。
この図9に示す試験結果より、第3セットから第5セットは実施の形態に係る第2形成工程に適したセットであると言えることから、実施の形態に係る第2防食用ライニング材34aの塗布量を400g/m〜500g/mに設定することの有効性が確認できた。
(試験結果−付着性試験)
次に、マーキング材の付着性試験について説明する。ここで、「付着性試験」とは、実施の形態に係る防食方法を用いて作成された試験体に含まれるマーキング材(2軸のマーキング材)の付着性を確認する試験である。
また、この付着性試験の試験方法については任意であるが、例えば、公知の引張試験装置を用いて各種の試験体を引張ることにより、マーキング材が防食塗膜から剥離した時の引張強度を測定する。
ここで、付着性試験に用いられる試験体について説明する。図10は、付着性試験に用いられる試験体の特性を示す図である。付着性試験に用いられる試験体は、実施の形態に係る防食方法を用いて、コンクリート基材に対して第1防食塗膜32及び第2防食塗膜34が形成されたものであり、図10に示すように、第1マーキング試験体から第4マーキング試験体の4つの種類に分けられる。このうち、第1マーキング試験体は、マーキング材の材質=ガラス、マーキング材の厚さ=0.24mm、マーキング材の質量=43g/m、マーキング材の目開き面積=25mmに設定された試験体である。第2マーキング試験体は、マーキング材の材質=ガラス、マーキング材の厚さ=0.13mm、マーキング材の質量=100g/m、マーキング材の目開き面積=2mmに設定された試験体である。第3マーキング試験体は、マーキング材の材質=ガラス、マーキング材の厚さ=0.20mm、マーキング材の質量=56g/m、マーキング材の目開き面積=3mmに設定された試験体である。第4マーキング試験体は、マーキング材の材質=ポリエステル、マーキング材の厚さ=0.26mm、マーキング材の質量=60g/m、マーキング材の目開き面積=5mmに設定された試験体である。
次いで、付着性試験の試験結果の詳細について説明する。図11は、付着性試験、施工性試験、及び隠蔽性試験の試験結果を示す図である。ここで、図11の付着性の「×」は引張強度が閾値未満であった旨を示し、図11の付着性の「〇」は引張強度が閾値以上であった旨を示し、図11の「△」は引張強度が閾値に近似していた旨を示す。図11に示すように、第1マーキング試験体及び第4マーキング試験体の試験結果については、引張強度が閾値(1.5N/mm)以上であったが(ただし、第4マーキング試験体については、1.5N/mm程度)、第2マーキング試験体及び第3マーキング試験体の試験結果については、引張強度が閾値未満だった。
この図11に示す試験結果より、第1マーキング試験体及び第4マーキング試験体が所望の引張強度を有することがわかり、マーキング材の厚さ=0.24mm〜0.26mm、マーキング材の質量=43g/m〜60g/m、及びマーキング材の目開き面積=5mm〜25mmに設定することの有効性が確認できた。
(試験結果−施工性試験)
次に、マーキング材の施工性試験について説明する。ここで、「施工性試験」とは、が実施の形態に係る防食方法を用いて試験体を作成する際の作業性を確認する試験である。
また、この施工性試験の試験方法については任意であるが、例えば、防食用ライニング材を塗布する際の作業性の度合いを評価する。なお、この施工性試験で作成される試験体は、付着性試験の試験体(具体的には、第1マーキング試験体から第4マーキング試験体)と同様のものであるので、その説明を省略する。
次いで、施工性試験の試験結果の詳細について説明する。ここで、図11の施工性の「×」は作業性が低い旨を示し、図11の施工性の「〇」は作業性が高い旨を示し、図11の「△」は作業性がやや高い旨を示す。図11に示すように、第1マーキング試験体の試験結果については、マーキング材のメッシュ目内に防食用ライニング材を比較的塗布しやすかったことから、作業性が高かった。一方で、第2マーキング試験体から第4マーキング試験体の試験結果については、第1マーキング試験体の試験体に比べて、マーキング材のメッシュ目内に防食用ライニング材を塗布しにくかったことから、作業性がやや低かった。
この図11に示す試験結果より、第1マーキング試験体を作成する際の作業性が高いことがわかり、マーキング材の厚さ=0.24mm、マーキング材の質量=43g/m、及びマーキング材の目開き面積=25mmに設定することの有効性が確認できた。
(試験結果−隠蔽性試験)
次に、マーキング材の隠蔽性試験について説明する。ここで、「隠蔽性試験」とは、実施の形態に係る防食方法を用いて作成された防食用ライニング材に含まれるマーキング材の隠蔽性を確認する試験である。
また、この隠蔽性試験の試験方法については任意であるが、例えば、実施の形態に係る防食方法を用いて作成された試験体に含まれるマーキング材を隠蔽できたか否かを外部から視認する。なお、この隠蔽性試験で用いられる試験体は、付着性試験の試験体(具体的には、第1マーキング試験体から第4マーキング試験体)と同様のものであるので、その説明を省略する。
次いで、隠蔽性試験の試験結果の詳細について説明する。ここで、図11の隠蔽性の「×」はマーキング材を第3塗布乾燥工程後に隠蔽できなかった旨を示し、図11の隠蔽性の「〇」はマーキング材を第3塗布乾燥工程後に隠蔽できた旨又は第2塗布乾燥工程後に隠蔽できた旨を示す。図11に示すように、第1マーキング試験体及び第4マーキング試験体の試験結果については、第2塗布乾燥工程後又は第3塗布乾燥工程後にマーキング材を隠蔽できた。一方で、第2マーキング試験体及び第3マーキング試験体の試験結果については、第3塗布乾燥工程後にマーキング材を隠蔽できなかった。
この図11に示す試験結果より、第1マーキング試験体及び第4マーキング試験体においては適切なタイミングでマーキング材を隠蔽できることがわかり、マーキング材の厚さ=0.24mm〜0.26mm、マーキング材の質量=43g/m〜60g/m、及びマーキング材の目開き面積=5mm〜25mmに設定することの有効性が確認できた。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、第1防食塗膜32を形成する第1形成工程と、第1防食塗膜32の表面上にマーキング材33を敷設する敷設工程と、マーキング材33の表面に非透明の第2防食用ライニング材34aを塗布して乾燥することを複数回繰り返すことにより、第2防食塗膜34を形成する第2形成工程と、を含むので、マーキング材33の視認の有無に基づいて防食塗膜の膜厚を管理でき、従来技術(膜厚計を用いて防食塗膜を管理する技術)に比べて、防食塗膜の膜厚を正確且つ容易に管理できる。また、第2形成工程が、マーキング材33の表面及び裏面に第2防食用ライニング材34aを塗布して乾燥することにより、マーキング材33を第1防食塗膜32に付着させる第1塗布乾燥工程と、第1塗布乾燥工程の後に、マーキング材33の表面に第2防食用ライニング材34aをさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材33を外部から視認可能にさせる第2塗布乾燥工程と、第2塗布乾燥工程の後に、マーキング材33の表面に第2防食用ライニング材34aをさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材33を外部から視認不可能にさせる第3塗布乾燥工程とを含むので、第2形成工程の各工程で第2防食用ライニング材34aの塗布状態を確認しながら第2防食塗膜34を形成でき、第2防食塗膜34の膜厚を一層正確に管理できる。
また、第1塗布乾燥工程、第2塗布乾燥工程、及び第3塗布乾燥工程の各々において塗布される第2防食用ライニング材34aの塗布量を、400g/m〜500g/mとしたので、第2塗布乾燥工程においてマーキング材33を外部から確実に視認でき、且つ第3塗布乾燥工程においてマーキング材33を外部から確実に視認できないようにでき、第2防食塗膜34の膜厚をさらに一層正確に管理できる。
また、第2防食塗膜34の膜厚の厚さを、0.8mm以上としたので、第2防食塗膜34の防食性を確保でき、防食対象の腐食を確実に防止できる。
また、第1防食用ライニング材32a及び第2防食用ライニング材34aの各々は、水性ビニルエステル樹脂系ライニング材であるので、ビニルエステル樹脂系ライニング、エポキシ樹脂系ライニング材で構成されている場合に比べて取り扱いが容易であるため(例えば、ビニルエステル樹脂は発がん性の疑いのあるスチレンを含まないので、刺激臭が発生せず、また、エポキシ樹脂系は人体のかぶれの原因物質であるアミンを含まないので、作業時において皮膚のかぶれが生じにくいため)、第1防食用ライニング材32a及び第2防食用ライニング材34aの使用性を向上できる。
また、マーキング材33をメッシュ状に形成し、マーキング材33の厚さを0.24mm〜0.26mmとしたので、施工性、第1防食用ライニング材32a及び第2防食用ライニング材34aとの付着性、又は第2防食用ライニング材34aに対する隠蔽性を高めることができ、マーキング材33の使用性を一層向上できる。
また、マーキング材33をメッシュ状に形成し、マーキング材33の目開き面積を5mm〜25mmとしたので、施工性、第1防食用ライニング材32a及び第2防食用ライニング材34aとの付着性、又は第2防食用ライニング材34aに対する隠蔽性を高めることができ、マーキング材33の使用性を一層向上できる。
また、マーキング材33を、ガラス材料にて形成したので、マーキング材33が樹脂材料にて形成された場合に比べて耐薬品性を向上でき、マーキング材33の使用性を一層向上できる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(第1防食用ライニング材について)
上記実施の形態では、第1防食用ライニング材32aが、非透明な水性ビニルエステル樹脂系ライニング材であると説明したが、これに限らず、例えば、透明な水性ビニルエステル樹脂系ライニング材であってもよい。
(マーキング材について)
上記実施の形態では、マーキング材33が、ガラス材料にて形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、ガラス材料以外の他の材料(一例として、樹脂材料、炭素繊維)にて形成されてもよい。
また、上記実施の形態では、マーキング材33が、2軸のメッシュ状体であると説明したが、これに限らず、例えば、3軸のメッシュ状体であってもよい。
また、上記実施の形態では、マーキング材33の厚さを、0.24mm〜0.26mmに設定していると説明したが、これに限らず、例えば、0.24mm〜0.26mm以外の厚さに設定してもよい。
また、上記実施の形態では、マーキング材33の目開き面積を、5mm〜25mmに設定していると説明したが、これに限らず、例えば、5mm〜25mm以外の面積に設定してもよい。
また、上記実施の形態では、マーキング材33をメッシュ状に形成したと説明したが、これに限らず、例えば、メッシュ状以外の形状(一例として、ビーズ状、又は線形状(具体的には、直線形状、曲線形状))に形成してもよい。これにより、マーキング材33を状況に応じた形状に形成でき、マーキング材33の使用性を向上できる。
(防食方法について)
上記実施の形態では、防食方法が、下地処理工程を含んでいると説明したが、これに限らず、例えば、下地処理工程を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、敷設工程において、複数のマーキング材33を敷設すると説明したが、これに限らず、例えば、第1防食塗膜32の形状及び大きさと略同一に形成された1枚のマーキング材33のみを敷設してもよい。
また、上記実施の形態では、第2形成工程が、第1塗布乾燥工程から第3塗布乾燥工程を含むと説明したが、これに限らず、例えば、これら第1塗布乾燥工程から第3塗布乾燥工程に加えて、さらに少なくとも1回以上の塗布乾燥工程を含んでもよい。この場合には、各塗布乾燥工程における塗布量を400g/m〜500g/m以外の塗布量(一例として、400g/m未満)にしてもよい。
(付記)
付記1の防食方法は、防食対象の腐食を防止するための防食方法であって、前記防食対象の表面に第1防食用ライニング材を塗布して乾燥することにより、第1防食塗膜を形成する第1形成工程と、前記第1形成工程の後に、前記第1形成工程において形成された前記第1防食塗膜の表面上にマーキング材を敷設する敷設工程と、前記敷設工程の後に、前記マーキング材の表面に非透明の第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することを複数回繰り返すことにより、第2防食塗膜を形成する第2形成工程と、を含み、前記第2形成工程は、前記マーキング材の表面及び裏面に前記第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を前記第1防食塗膜に付着させる第1塗布乾燥工程と、前記第1塗布乾燥工程の後に、前記マーキング材の表面に前記第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を外部から視認可能にさせる第2塗布乾燥工程と、前記第2塗布乾燥工程の後に、前記マーキング材の表面に前記第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を外部から視認不可能にさせる第3塗布乾燥工程と、を含む。
付記2の防食方法は、付記1に記載の防食方法において、前記第1塗布乾燥工程、前記第2塗布乾燥工程、及び前記第3塗布乾燥工程の各々において塗布される前記第2防食用ライニング材の塗布量を、400g/m〜500g/mとした。
付記3の防食方法は、付記1又は2に記載の防食方法において、請求項1又は2に記載の防食方法において、前記第2防食塗膜の膜厚の厚さを、0.8mm以上とした。
付記4の防食方法は、付記1から3のいずれか一項に記載の防食方法において、前記第1防食用ライニング材及び前記第2防食用ライニング材の各々は、水性ビニルエステル樹脂系ライニング材である。
付記5の防食方法は、付記1から4のいずれか一項に記載の防食方法において、前記マーキング材を、メッシュ状、ビーズ状、又は線形状に形成した。
付記6の防食方法は、付記1から5のいずれか一項に記載の防食方法において、前記マーキング材をメッシュ状に形成し、前記マーキング材の厚さを0.24mm〜0.26mmとした。
付記7の防食方法は、付記1から6のいずれか一項に記載の防食方法において、前記マーキング材をメッシュ状に形成し、前記マーキング材の目開き面積を5mm〜25mmとした。
付記8の防食方法は、付記1から7のいずれか一項に記載の防食方法において、前記マーキング材を、ガラス材料にて形成した。
(付記の効果)
付記1に記載の防食方法によれば、第1防食塗膜を形成する第1形成工程と、第1防食塗膜の表面上にマーキング材を敷設する敷設工程と、マーキング材の表面に非透明の第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することを複数回繰り返すことにより、第2防食塗膜を形成する第2形成工程と、を含むので、マーキング材の視認の有無に基づいて防食塗膜の膜厚を管理でき、従来技術(膜厚計を用いて防食塗膜を管理する技術)に比べて、防食塗膜の膜厚を正確且つ容易に管理できる。また、第2形成工程が、マーキング材の表面及び裏面に第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することにより、マーキング材を第1防食塗膜に付着させる第1塗布乾燥工程と、第1塗布乾燥工程の後に、マーキング材の表面に第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材を外部から視認可能にさせる第2塗布乾燥工程と、第2塗布乾燥工程の後に、マーキング材の表面に第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、マーキング材を外部から視認不可能にさせる第3塗布乾燥工程とを含むので、第2形成工程の各工程で第2防食用ライニング材の塗布状態を確認しながら第2防食塗膜を形成でき、第2防食塗膜の膜厚を一層正確に管理できる。
付記2に記載の防食方法によれば、第1塗布乾燥工程、第2塗布乾燥工程、及び第3塗布乾燥工程の各々において塗布される第2防食用ライニング材の塗布量を、400g/m〜500g/mとしたので、第2塗布乾燥工程においてマーキング材を外部から確実に視認でき、且つ第3塗布乾燥工程においてマーキング材を外部から確実に視認できないようにでき、第2防食塗膜の膜厚をさらに一層正確に管理できる。
付記3に記載の防食方法によれば、第2防食塗膜の膜厚の厚さを、0.8mm以上としたので、第2防食塗膜の防食性を確保でき、防食対象の腐食を確実に防止できる。
付記4に記載の防食方法によれば、第1防食用ライニング材及び第2防食用ライニング材の各々は、水性ビニルエステル樹脂系ライニング材であるので、ビニルエステル樹脂系ライニング、エポキシ樹脂系ライニング材で構成されている場合に比べて取り扱いが容易であるため(例えば、ビニルエステル樹脂は発がん性の疑いのあるスチレンを含まないので、刺激臭が発生せず、また、エポキシ樹脂系は人体のかぶれの原因物質であるアミンを含まないので、作業時において皮膚のかぶれが生じにくいため)、第1防食用ライニング材及び第2防食用ライニング材の使用性を向上できる。
付記5に記載の防食方法によれば、マーキング材を、メッシュ状、ビーズ状、又は線形状に形成したので、マーキング材を状況に応じた形状に形成でき、マーキング材の使用性を向上できる。
付記6に記載の防食方法によれば、マーキング材をメッシュ状に形成し、マーキング材の厚さを0.24mm〜0.26mmとしたので、施工性、第1防食用ライニング材及び第2防食用ライニング材との付着性、又は第2防食用ライニング材に対する隠蔽性を高めることができ、マーキング材の使用性を一層向上できる。
付記7に記載の防食方法によれば、マーキング材をメッシュ状に形成し、マーキング材の目開き面積を5mm〜25mmとしたので、施工性、第1防食用ライニング材及び第2防食用ライニング材との付着性、又は第2防食用ライニング材に対する隠蔽性を高めることができ、マーキング材の使用性を一層向上できる。
付記8に記載の防食方法によれば、マーキング材を、ガラス材料にて形成したので、マーキング材が樹脂材料にて形成された場合に比べて耐薬品性を向上でき、マーキング材の使用性を一層向上できる。
1 排水槽
2 建物
3 排出物
3a 排水
3b 浮遊物
10 床部
20 天井部
30 壁部
30a 気相部
30b 喫水部
30c 液相部
31 本体部
32 第1防食塗膜
32a 第1防食用ライニング材
33 マーキング材
34 第2防食塗膜
34a 第2防食用ライニング材
34b 第1凸部
34c 第2凸部
y11 マーキング材に対応しない理論乾燥後膜厚
y12 マーキング材に対応しない理論乾燥後膜厚
y13 マーキング材の上部に塗布された第2防食用ライニング材の理論乾燥後膜厚
y21 第1凸部に対応しない理論乾燥後膜厚
y22 第1凸部の上部に塗布された第2防食用ライニング材の理論乾燥後膜厚
y31 第2凸部に対応しない理論乾燥後膜厚
y32 第2凸部の上部に塗布された第2防食用ライニング材の理論乾燥後膜厚
t1 マーキング材の厚さ
S 貯蔵空間

Claims (8)

  1. 防食対象の腐食を防止するための防食方法であって、
    前記防食対象の表面に第1防食用ライニング材を塗布して乾燥することにより、第1防食塗膜を形成する第1形成工程と、
    前記第1形成工程の後に、前記第1形成工程において形成された前記第1防食塗膜の表面上にマーキング材を敷設する敷設工程と、
    前記敷設工程の後に、前記マーキング材の表面に非透明の第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することを複数回繰り返すことにより、第2防食塗膜を形成する第2形成工程と、を含み、
    前記第2形成工程は、
    前記マーキング材の表面及び裏面に前記第2防食用ライニング材を塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を前記第1防食塗膜に付着させる第1塗布乾燥工程と、
    前記第1塗布乾燥工程の後に、前記マーキング材の表面に前記第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を外部から視認可能にさせる第2塗布乾燥工程と、
    前記第2塗布乾燥工程の後に、前記マーキング材の表面に前記第2防食用ライニング材をさらに重ねて塗布して乾燥することにより、前記マーキング材を外部から視認不可能にさせる第3塗布乾燥工程と、を含む、
    防食方法。
  2. 前記第1塗布乾燥工程、前記第2塗布乾燥工程、及び前記第3塗布乾燥工程の各々において塗布される前記第2防食用ライニング材の塗布量を、400g/m〜500g/mとした、
    請求項1に記載の防食方法。
  3. 前記第2防食塗膜の膜厚の厚さを、0.8mm以上とした、
    請求項1又は2に記載の防食方法。
  4. 前記第1防食用ライニング材及び前記第2防食用ライニング材の各々は、水性ビニルエステル樹脂系ライニング材である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の防食方法。
  5. 前記マーキング材を、メッシュ状、ビーズ状、又は線形状に形成した、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の防食方法。
  6. 前記マーキング材をメッシュ状に形成し、
    前記マーキング材の厚さを0.24mm〜0.26mmとした、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の防食方法。
  7. 前記マーキング材をメッシュ状に形成し、
    前記マーキング材の目開き面積を5mm〜25mmとした、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の防食方法。
  8. 前記マーキング材を、ガラス材料にて形成した、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の防食方法。
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