JP2019146646A - 使い捨てオムツ - Google Patents

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Abstract

【課題】排泄便で汚れることを抑制するのに適した使い捨てオムツを提供する。
【解決手段】本発明の使い捨てのオムツXは、本体部10と、臀裂対向部である山型パッド30と、チューブ40と、収容部60とを少なくとも備える。本体部10は、外装内側シート12および外装外側シート13を含む多層構成を有する。好ましくは、本体部10はトップシート11を更に含む多層構成を有し、本体部10における外装内側シート12とトップシート11の間には吸収ユニット20が設けられている。山型パッド30は、着用者の臀裂部に当接可能であり、且つ、排泄便を受けるための開口部30aを有する。チューブ40は、山型パッド30の開口部30aから収容部60まで排泄便を導くためのものである。収容部60は、着用者身体から隔てて排泄便を収容するためのものであり、外装内側シート12および外装外側シート13の間に位置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、使い捨てタイプのオムツに関する。
乳幼児用オムツや大人用オムツとして、使い捨てのオムツが多用されている。使い捨てオムツは、パンツタイプやいわゆるテープタイプなどのタイプに応じた形態を有するオムツ本体部、および、排泄物を吸収する役割を担う吸収ユニットを、備える。吸収ユニットは、水分吸収容量の大きな例えば高分子吸水材を内部に有し、使い捨てオムツの着用者からの排泄尿の多くは、この吸収ユニットによって吸収されることとなる。このような使い捨てオムツに関する技術については、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
特開2017−74113号公報 特開2017−86565号公報 特開2017−93931号公報
従来、使い捨てオムツの着用者から排泄される便は、オムツの着用者身体側内部で受けられて、その全部または大部分が着用者身体とオムツとの間に留め置かれる。この留め置かれた排泄便によって着用者身体は汚れてしまう。また、排泄後におけるオムツ替えの作業時には、その作業者の手など身体が、オムツ内に留め置かれた排泄便によって汚れてしまう場合がある。
本発明は、以上のような事情のもとで考え出されたものであって、その目的は、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに適した使い捨てオムツを提供することにある。
本発明により提供される使い捨てオムツは、本体部と、臀裂対向部と、収容部と、送便管路とを備える。本体部は、外装内側シートおよび外装外側シートを含む多層構成を有する。外装外側シートよりも外装内側シートはオムツの内方側に位置する。臀裂対向部は、着用者の臀裂部に当接可能であり、且つ、排泄便を受けるための先端開口部を有する。収容部は、着用者身体から隔てて排泄便を収容するためのものであり、外装内側シートおよび外装外側シートの間に位置する。送便管路は、臀裂対向部の先端開口部から収容部まで排泄便を導くためのものであり、例えば、柔軟素材よりなるフレキシブル管路である。このような構成の使い捨てオムツは、着用者の肛門に臀裂対向部の先端開口部が対向する位置および姿勢で臀裂対向部が着用者の臀裂部に当接するように、使用者に着用される。また、本発明の使い捨てオムツは、パンツタイプとして構成されたものであってもよいし、いわゆるテープタイプとして構成されたものであってもよいし、これら両タイプ兼用のタイプとして構成されたものであってもよい。
このような使い捨てオムツの着用者から排泄される便は、着用者の臀裂部に当接する臀裂対向部の先端開口部に受容され、送便管路を通って排泄物の収容部に至りうる。本体部の外装内側シートと外装外側シートとの間に排泄物の収容部を本オムツが備えるという上記構成は、着用者からの排泄便を着用者身体から隔てた状態で留め置くのに適し、従って、着用者ないしその身体が排泄便で汚れることを抑制するのに適する。そして、本オムツについて、収容部内に排泄便が収容された状態でオムツ替え作業が行われる場合、作業者の手など身体は、汚れにくい。また、排泄便受容口である先端開口部を有して着用者臀裂部に当接可能な臀裂対向部を本オムツが備えるという上記構成は、着用者からの排泄便を収容部に導くうえで好適であり、ひいては、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに資する。
以上のように、本使い捨てオムツは、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに適するのである。
本発明の使い捨てオムツは、好ましくは、上述の収容部から臀裂対向部の先端開口部への排泄便の逆流を抑制するための逆流抑制弁ユニットを更に備える。好ましくは、逆流抑制弁ユニットは、臀裂対向部の先端開口部の側と収容部の側とを区切る開閉弁膜を備え、この開閉弁膜は、互いの自由端が集合している複数の片持ち弁を含む。各片持ち弁は、例えば、自由端に近い部位ほど幅の漸減する片持ち構造を有し、且つ、可撓性を有する。各片持ち弁は、好ましくは、先端開口部の側の表面に切り込みを有する。また、各片持ち弁は、好ましくは、先端開口部の側の表面にリブ部を有する。このリブ部は、例えば、片持ち弁の先端開口部側表面において当該弁の自由端を通過する方向に伸びる形状を有する。これら構成は、収容部に収容された排泄便の当該収容状態を維持するうえで好適であり、ひいては、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに資する。先端開口部側表面に切り込みを有する片持ち弁は、臀裂対向部の先端開口部側から収容部側へと順方向に排泄便が開閉弁膜を通過する場合(順方向通過の場合)には変形しやすくて開状態をとりやすく、逆方向に排泄便が開閉弁膜を通過しようとする場合には順方向通過の場合よりも変形しにくくて開状態をとりにくい。したがって、片持ち弁がその先端開口部側表面に切り込みを有するという上記構成は、逆流抑制弁ユニットないし開閉弁膜によって排泄便の逆流を抑制するうえで好適である。また、先端開口部側表面にリブ部を有する片持ち弁は、排泄便の上述の順方向通過の場合における片持ち弁の変形のしやすさを維持しつつ、排泄便の上述の逆方向通過の場合における当該片持ち弁の変形のしにくさを確保するうえで、好適である。
本発明の使い捨てオムツにおいては、逆流抑制弁ユニットの開閉弁膜ないしこれをなす一組の片持ち弁は、例えば、送便管路における収容部側の端部(終端)に設けられる。このような場合、本使い捨てオムツは、好ましくは、当該開閉弁膜ないし片持ち弁における収容部側の開スペースを確保するためのカバー体を、送便管路の終端に備える。このような構成は、開閉弁膜ないし片持ち弁が外装外側シートなどに当接してその開動作を阻まれることを防止・抑制するうえで好適であり、従って、開閉弁膜に対する排泄便の上述の順方向通過を確保するうえで好適である。
臀裂対向部は、好ましくは、肛門周りに貼着するための粘着部を先端開口部の周りに有する。このような構成は、着用者からの排泄便を、臀裂対向部の先端開口部によって受容するうえで好適であり、従って、収容部に導くうえで好適である。
好ましくは、外装内側シートは組付け用開口部を有し、臀裂対向部は、組付け用開口部において、伸縮性を有する伸縮材を介して外装内側シートに組み付けられている。伸縮材は、例えば、ひも状ゴム材または伸縮シート材である。このような構成によると、本発明の使い捨てオムツの着用時において、着用者臀裂部に対する臀裂対向部の良好な当接状態ないし密着状態を伸縮材に因る付勢力を利用して実現しやすく、従って、着用者からの排泄便を臀裂対向部の先端開口部によって受容しやすい。
伸縮材として伸縮シート材が採用される場合、当該伸縮シート材および臀裂対向部は、好ましくは、外装内側シートの組付け用開口部を閉塞している。このような構成は、着用者からの排泄便を着用者身体から隔てた状態で収容部内に留め置くのに適し、従って、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに資する。
臀裂対向部は、好ましくは、先端開口部の形成された先端頂辺部と当該先端頂辺部を介して繋がる一対の傾斜面部とを含む。このような構成の臀裂対向部は、その先端開口部を着用者の肛門に対向させつつ、着用者身体において窪んだ臀裂部に当接しやすい。したがって、このような構成の臀裂対向部は、その先端開口部にて着用者からの排泄便を受容しやすい。
本発明の使い捨てオムツにおいて、好ましくは、臀裂対向部はその先端開口部とは反対の側に当該開口部よりも大きな後端開口部ないし基端開口部を有し、送便管路は当該基端開口部を通って収容部側へと延びる。このような構成によると、送便管路が上述のフレキシブル管路である場合に、当該フレキシブル管路における臀裂対向部先端開口部側の端部(始端)よりも収容部側の端部(終端)が下方の位置をとりやすい。送便管路の終端が始端よりも下方の位置をとりやすいことは、送便管路内での排泄便の逆流を抑制するうえで好ましい。
臀裂対向部における一対の傾斜面部は、好ましくは、開閉脚動作可能に構成されている。すなわち、臀裂対向部において先端頂辺部を介して繋がる一対の傾斜面部の開き角度が大きくなる開脚動と、開脚後に当該開き角度が小さくなる閉脚動との、両動作が可能なように、一対の傾斜面部は構成されているのが好ましい。このような臀裂対向部においては、一対の傾斜面部が開くほど、即ち、一対の傾斜面部の開き角度が大きくなるほど、先端頂辺部にて開口している先端開口部の開口サイズは大きくなる傾向にある。このような臀裂対向部が外装内側シートの組付け用開口部において伸縮材を介して当該外装内側シートに組み付けられている場合、着用者臀裂部の肛門から排泄されつつある便が臀裂対向部の先端頂辺部ないし先端開口部に対して押圧作用を及ぼすと、伸縮材を介して外装内側シートに組み付けられている臀裂対向部における一対の傾斜面部が開脚動して先端開口部の開口サイズが大きくなり、従って、当該開口部にて排泄便が受容されやすくなる。
収容部は、好ましくは、本体部における外装内側シートと外装外側シートとの間に配される収容袋体を有する。このような構成において、本オムツの着用者からの排泄便は、収容袋体内に収容されることとなる。当該構成は、着用者からの排泄便を着用者身体から隔てた状態で留め置くのに適し、従って、オムツ着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに資する。
本発明の使い捨てオムツにおける本体部は、上述の外装内側シートおよび外装外側シートとともにトップシートを更に含む多層構成を有するのが好ましい。当該多層構成において、両外装シートよりもトップシートはオムツの内方側すなわち着用者側に位置する。そして、本オムツは、排泄尿など排泄物を吸収する機能を担う吸収ユニットをトップシートと外装内側シートの間に更に備えるのが好ましい。
本発明の実施形態に係る使い捨てオムツの斜視図である。 図1に示す使い捨てオムツの展開平面図である。 図1に示す使い捨てオムツの一部省略展開平面図である。 図2の線IV−IVに沿った断面模式図である。 図1に示す使い捨てオムツの概念断面構成図である。 本発明の実施形態に係る使い捨てオムツにおける一の部分構造の斜視図である。 図6の線VII−VIIに沿った断面図である。 図6の線VIII−VIIIに沿った断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る使い捨てオムツにおける逆流抑制弁ユニットをなす開閉弁膜の一の平面図であり、(b)は、当該開閉弁膜の他の平面図であり、(c)は、当該開閉弁膜における一の片持ち弁の拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る使い捨てオムツの一変形例を表す。
図1から図5は、本発明に係る使い捨てオムツの一の実施形態であるオムツXを表す。図1はオムツXの斜視図であり、図2はオムツXの展開平面図であり、図3はオムツXの一部省略展開平面図である。図4は、図2の線IV−IVに沿った断面模式図である。また、図5はオムツXの概念断面構成図である。
オムツXは、本体部10と、吸収ユニット20と、山型パッド30と、チューブ40と、逆流抑制弁ユニット50と、収容部60とを備える使い捨てオムツであり、本実施形態ではパンツタイプとして構成されている。オムツXの使用にあたっては、山型パッド30が着用者の臀裂部に当接するように、オムツXは使用者に着用される。
本体部10は、本実施形態では図1に示すように、ウエスト開口部10aと脚開口部10b,10bとを伴うパンツ型の形状を有する。この本体部10は、展開状態にて図2や図3に示す平面視形状を有するシート体であって、図4や図5に表れているように、トップシート11(図3にて省略)と、外装内側シート12と、外装外側シート13とを含む多層構成を有する。この多層シート体における図2に示す端部E,Eどうしの接合、および、図2に示す端部E',E'どうしの接合を経て、本体部10ないしオムツXは立体化されたものである。
トップシート11は、本体部10において着用者側最表層をなし、且つ、液透過性を有する。また、トップシート11は、山型パッド30の配設箇所にて開口する開口部11aを有し、例えばこの開口部11aまわりなど所定の箇所が外装内側シート12と接合されている。この接合には、例えばホットメルト型接着剤を利用することができる。このようなトップシート11の素材としては、例えば、不織布、織布、メッシュシート、および、液透過孔の形成されたプラスチックフィルムが、挙げられる。トップシート用素材の不織布や織布をなすための繊維の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セルロース、レーヨン、およびコットンが挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレンが挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレートが挙げられる。また、トップシート用素材の不織布や織布をなすための繊維は、好ましくは、界面活性剤での表面処理によって表面の親水化が図られた疎水性繊維、または親水性繊維である。
本体部10における外装内側シート12および外装外側シート13は、排泄物における液分がオムツXの内側から外側に透過するのを防止するための液不透過性を有し、且つ、それらの外縁端部どうしが本実施形態では全周にわたって接合されている。この接合には、例えばホットメルト型接着剤を利用することができる。外装内側シート12は、山型パッド30の組付け箇所である開口部12a(組付け用開口部)を有する。各外装シートの素材としては、例えば、不織布、プラスチックフィルム、および、不織布とプラスチックフィルムとのラミネート材が、挙げられる。外装シート用素材の不織布をなすための繊維の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、およびナイロンが挙げられる。外装シート用素材の不織布をなすための繊維は、好ましくは疎水性繊維である。このような外装内側シート12および外装外側シート13は、防水処理が施されていてもよい。
吸収ユニット20は、オムツXにおいて排泄物中の排泄尿など液分を吸収する機能を担うものであり、図4に示すように、本体部10におけるトップシート11と外装内側シート12との間に配されている。また、吸収ユニット20は、トップシート11および/または外装内側シート12に対して接合されている。この接合には、例えばホットメルト型接着剤を利用することができる。
このような吸収ユニット20は、例えば、水分吸収容量の大きなシート状の高分子吸水材と、この高分子吸水材を被覆して保持するための液透過性シートとを有する。高分子吸水材の構成材料としては、例えば、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアスパラギン酸系樹脂、セルロース系樹脂が挙げられる。液透過性シートとしては、例えば綿状パルプが挙げられる。また、吸収ユニット20ないしその表面の液透過性シートと上述のトップシート11との間には、吸収ユニット20に向けての液分移動速度を高める目的で例えば、吸水紙が配されてもよい。
山型パッド30は、着用者臀裂部に当接可能な臀裂対向部であり、図6から図8によく表れているように、頂辺部31と、これを介して繋がり且つ開閉脚動作可能な一対の傾斜面部32とを有する。頂辺部31を介して繋がる一対の傾斜面部32は、具体的には、その開き角度が大きくなる開脚動と、開脚後に当該開き角度が小さくなる閉脚動とが可能なように、構成されている。一対の傾斜面部32の閉状態にあっては開口部30a,30bを開口端として山型パッド30内を貫通する貫通路が形成される形状を、山型パッド30は有する。開口部30aは、頂辺部31側にて排泄便を受けるための先端開口部である。開口部30bは、山型パッド30において頂辺部31とは反対の側に位置する基端開口部であり、開口部30aよりも大きい(開口部30aの最大径よりも開口部30bの最大径の方が大きい)。このような山型パッド30は、柔軟性と形状復帰性とを併せもつスポンジ材よりなる。スポンジ材としては、例えば、セルローススポンジ、ポリウレタンスポンジ、およびメラミンスポンジが挙げられる。また、山型パッド30の頂辺部31における開口部30a周りには、肛門周りに貼着するための粘着部33が設けられている。
また、山型パッド30は、図3に示すように、上述の本体部10の外装内側シート12に対し、その開口部12aにて伸縮材14を介して組み付けられている。伸縮材は、本実施形態では伸縮シート材である。これら山型パッド30および伸縮シート材は、外装内側シート12の開口部12aを閉塞している。伸縮シート材としては、例えば、フィルム状弾性素材またはネット状弾性素材とその片面または両面ともに貼り合わせられた不織布との積層構造を有するシート体が挙げられる。このような伸縮シート材の代わりにひも状ゴム材を伸縮材として用いてもよい。
チューブ40は、送便管路であって、山型パッド30の開口部30aから後述の収容部60まで排泄便を導くための経路をなし、当該経路の始端側の端部41および終端側の端部42を有する。チューブ40の端部41は山型パッド30の開口部30aと連結され、当該チューブ40は、山型パッド30に形成され得る開口部30bを通って収容部60の側へと延びる。このようなチューブ40は、本実施形態では柔軟素材よりなるフレキシブル管路であり、例えばプラスチックフィルム製またはゴム製である。
逆流抑制弁ユニット50は、後述の収容部60から山型パッド30の開口部30a側への排泄便の逆流を防止・抑制するためのものであり、本実施形態では、チューブ40端部42に付設されて開口部30a側と収容部60側とを区切る開閉弁膜を備える。図9に示すように、この開閉弁膜は、互いの自由端51aが集合している複数の片持ち弁51を備える。片持ち弁51は、自由端51aに近い部位ほど幅の漸減する片持ち構造を有し、且つ、可撓性を有する。片持ち弁51は、その片面(開口部30aの側の面51S)に複数の切り込み51bを有する。切り込み51bの延び方向と片持ち弁51の延び方向とは、好ましくは直交している。また、片持ち弁51は、その面51S側にリブ51cを有する。リブ51cは、本実施形態では、片持ち弁51の自由端51aを通過する方向に伸びる形状を有する。このような開閉弁膜ないし片持ち弁51は、例えばゴム製である。
収容部60は、着用者身体から隔てて排泄便を収容するためのものであって、図4や図5に表れているように、外装内側シート12および外装外側シート13の間に設けられる。本実施形態において、収容部60は、外装内側シート12の上述の開口部12a周りに沿って開口部周りが接合されている収容袋体61を備える。接合には、例えばホットメルト型接着剤を利用することができる。
以上のような構成を有するオムツXの使用にあたっては、着用者の肛門に山型パッド30の開口部30aが対向する位置・姿勢で山型パッド30が着用者の臀裂部に当接するように、オムツXは使用者に着用される。そして、着用者から排泄される便は、着用者の臀裂部に当接する山型パッド30の開口部30aに受容され、逆流抑制弁ユニット50の付設されたチューブ40を通って収容部60に至りうる。その排泄便は、収容袋体61内に収容されることとなる。
本体部10の外装内側シート12と外装外側シート13との間に排泄物の収容部60をオムツXが備えるという上述の構成は、着用者からの排泄便を着用者身体から隔てた状態で留め置くのに適し、従って、着用者ないしその身体が排泄便で汚れることを抑制するのに適する。そして、オムツXについて、収容部60内に排泄便が収容された状態でオムツ替え作業が行われる場合、作業者の手など身体は、汚れにくい。また、排泄便受容口である開口部30aを有して着用者臀裂部に当接可能な山型パッド30をオムツXが備えるという上述の構成は、着用者からの排泄便を収容部60に導くうえで好適であり、ひいては、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに資する。
以上のように、オムツXは、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに適する。このようなオムツXは、乳幼児用オムツとして構成されてもよいし、大人用オムツとして構成されてもよい。また、オムツXは、上述のようなパンツタイプの使い捨てオムツとして構成されるのに代えて、オムツ止着用の例えば一対のファスニングテープを伴うテープタイプの使い捨てオムツとして構成されてもよい。
また、オムツXは、上述のように、収容部60から山型パッド30の開口部30aへの排泄便の逆流を防止・抑制するための、開口部30a側と収容部60側とを区切る開閉弁膜たる逆流抑制弁ユニット50を更に備える。開閉弁膜は、上述のように、互いの自由端51aが集合している複数の片持ち弁51を含む。片持ち弁51は、上述のように、自由端51aに近い部位ほど幅の漸減する片持ち構造を有し、可撓性を有し、開口部30a側の面51Sに複数の切り込み51bを有し、且つ、面51S側にリブ51cを有する。これら構成は、収容部60に収容された排泄便の当該収容状態を維持するうえで好適であり、ひいては、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに資する。開口部30a側の面51Sに切り込み51bを有する片持ち弁51は、山型パッド30の開口部30a側から収容部60側へと排泄便が開閉弁膜を通過する場合(順方向通過の場合)には変形しやすくて開状態をとりやすく、逆方向に排泄便が開閉弁膜を通過しようとする場合には順方向通過の場合よりも変形しにくくて開状態をとりにくい。したがって、片持ち弁51がその面51Sに切り込み51bを有するという上述の構成は、逆流抑制弁ユニット50ないし開閉弁膜によって排泄便の逆流を抑制するうえで好適である。また、面51S側にリブ51cを有する片持ち弁51は、排泄便の上述の順方向通過の場合における片持ち弁51の変形のしやすさを維持しつつ、排泄便の上述の逆方向通過の場合における当該片持ち弁51の変形のしにくさを確保するうえで、好適である。
山型パッド30は、上述のように、外装内側シート12の開口部12aにて、伸縮材14を介して外装内側シート12に組み付けられている。このような構成によると、オムツXの着用時において、着用者臀裂部に対する山型パッド30の良好な当接状態ないし密着状態を伸縮材14に因る付勢力を利用して実現しやすく、従って、着用者からの排泄便を山型パッド30の開口部30aによって受容しやすい。
伸縮材14として伸縮シート材が採用される本実施形態では、当該伸縮材14および山型パッド30は、上述のように、外装内側シート12の開口部12aを図3に示すように閉塞している。このような構成は、着用者からの排泄便を着用者身体から隔てた状態で収容部60内に留め置くのに適し、従って、着用者やオムツ替え作業者が排泄便で汚れることを抑制するのに資する。
山型パッド30は、上述のように、開口部30aの形成された頂辺部31と当該頂辺部31を介して繋がる一対の傾斜面部32とを含む。このような構成の山型パッド30は、その開口部30aを着用者の肛門に対向させつつ、着用者身体において窪んだ臀裂部に当接しやすい。したがって、このような構成の山型パッド30は、その開口部30aにて着用者からの排泄便を受容しやすい。
山型パッド30は、上述のように、その開口部30a(先端開口部)とは反対の側に当該開口部30aよりも大きな開口部30b(基端開口部)を有し、チューブ40は開口部30bを通って収容部60側へと延びる。このような構成によると、柔軟素材よりなるチューブ40における収容部60側の端部(終端)が山型パッド30開口部30a側の端部(始端)よりも鉛直方向下方の位置をとりやすい。チューブ40の終端が始端よりも鉛直方向下方の位置をとりやすいことは、チューブ40内での排泄便の逆流を抑制するうえで好ましい。
山型パッド30における一対の傾斜面部32は、上述のように、開閉脚動作可能に構成されている。このような山型パッド30においては、一対の傾斜面部32が開くほど、即ち、一対の傾斜面部32の開き角度が大きくなるほど、頂辺部31にて開口している開口部30aの開口サイズは大きくなる傾向にある。このような山型パッド30が外装内側シート12の開口部12aにて伸縮材14を介して当該外装内側シート12に組み付けられている本実施形態では、着用者臀裂部の肛門から排泄されつつある便が山型パッド30の頂辺部31ないし開口部30aに対して押圧作用を及ぼすと、伸縮材14を介して外装内側シート12に組み付けられている山型パッド30における一対の傾斜面部32が開脚動して開口部30aの開口サイズが大きくなり、従って、当該開口部30aにて排泄便が受容されやすくなる。
以上のようなオムツXは、図10に示すように、送便管路であるチューブ40の端部42(終端)に組み付けられたカバー体70を備えてもよい。カバー体70は、上述の逆流抑制弁ユニット50の開閉弁膜ないしこれをなす一組の片持ち弁51における収容部60側の開スペースを確保ないし形成する機能を有する開口カバーであり、チューブ40の端部42から延出する筒状体である。本実施形態では、カバー体70は、円筒形状を有し、且つその開口端71側に切り欠き部70aを有する。このようなカバー体70は、その機能を発揮できる程度の形状維持性に加えて柔軟性と形状復帰性を併せもつスポンジ材よりなる。スポンジ材としては、例えば、セルローススポンジ、ポリウレタンスポンジ、およびメラミンスポンジが挙げられる。
オムツXがこのようなカバー体70を具備するという構成は、片持ち弁51が外装外側シート13などに当接してその開動作を阻まれることを防止・抑制するうえで好適であり、従って、開閉弁膜に対する排泄便の上述の順方向通過を確保するうえで好適である。カバー体70が円筒形状を有するという構成は、カバー体70構成材料として比較的に柔軟な素材を採用しつつも当該カバー体70の形状維持性ひいては上記の開スペース確保機能を適切に発現さえるうえで好適である。また、カバー体70における上述の切り欠き部70aは、カバー体70の開口端71側が外装外側シート13などに当接している状態において、排泄便等の通過口として機能しうる。したがって、カバー体70が切り欠き部70aを有するという構成は、カバー体70の開口端71側が外装外側シート13などに当接している状態で排泄便等が開閉弁膜を順方向に通過した場合に、その排泄便等を収容部60に適切に導くうえで、好適である。
X オムツ
10 本体部
11 トップシート
12 外装内側シート
12a 開口部(組付け用開口部)
13 外装外側シート
14 伸縮材
20 吸収ユニット
30 山型パッド(臀裂対向部)
30a 開口部(先端開口部)
31 頂辺部(先端頂辺部)
32 傾斜面部
40 チューブ(送便管路)
41,42 端部
50 逆流抑制弁ユニット
51 片持ち弁
51a 自由端
51b 切り込み
51c リブ(リブ部)
60 収容部
61 収容袋体
70 カバー体
70a 切り欠き部
71 開口端

Claims (15)

  1. 外装内側シートおよび外装外側シートを含む多層構成を有する本体部と、
    着用者の臀裂部に当接可能であり、且つ排泄便を受けるための先端開口部を有する、臀裂対向部と、
    着用者身体から隔てて排泄便を収容するための、前記外装内側シートおよび前記外装外側シートの間に位置する収容部と、
    前記臀裂対向部の前記先端開口部から前記収容部まで排泄便を導くための送便管路と、を備える使い捨てオムツ。
  2. 前記収容部から前記先端開口部への排泄便の逆流を抑制するための逆流抑制弁ユニットを更に備える、請求項1に記載の使い捨てオムツ。
  3. 前記逆流抑制弁ユニットは、前記臀裂対向部の前記先端開口部の側と前記収容部の側とを区切る開閉弁膜を備え、当該開閉弁膜は、互いの自由端が集合している複数の片持ち弁を含む、請求項2に記載の使い捨てオムツ。
  4. 前記片持ち弁は、前記先端開口部の側の表面に切り込みを有する、請求項3に記載の使い捨てオムツ。
  5. 前記片持ち弁は、前記先端開口部の側にリブ部を有する、請求項3または4に記載の使い捨てオムツ。
  6. 前記開閉弁膜は前記送便管路における前記収容部側の端部に位置し、当該開閉弁膜の前記片持ち弁における前記収容部側の開スペースを確保するためのカバー体を前記送便管路の前記端部に備える、請求項3から5のいずれか一つに記載の使い捨てオムツ。
  7. 前記臀裂対向部は、肛門周りに貼着するための粘着部を前記先端開口部の周りに有する、請求項1から6のいずれか一つに記載の使い捨てオムツ。
  8. 前記外装内側シートは、組付け用開口部を有し、
    前記臀裂対向部は、前記組付け用開口部において伸縮材を介して前記外装内側シートに組み付けられている、請求項1から7のいずれか一つに記載の使い捨てオムツ。
  9. 前記伸縮材は、ひも状ゴム材または伸縮シート材である、請求項8に記載の使い捨てオムツ。
  10. 前記伸縮シート材および前記臀裂対向部は、前記外装内側シートの前記組付け用開口部を閉塞している、請求項9に記載の使い捨てオムツ。
  11. 前記臀裂対向部は、前記先端開口部の形成された先端頂辺部と当該先端頂辺部を介して繋がる傾斜面部とを含む、請求項1から10のいずれか一つに記載の使い捨てオムツ。
  12. 前記臀裂対向部は、前記先端開口部とは反対の側に当該先端開口部よりも大きな基端開口部を有し、前記送便管路は当該基端開口部を通って前記収容部の側へと延びる、請求項11に記載の使い捨てオムツ。
  13. 前記臀裂対向部における前記傾斜面部は開閉脚動作可能である、請求項11または12に記載の使い捨てオムツ。
  14. 前記収容部は、前記本体部における前記外装内側シートおよび前記外装外側シートの間に配される収容袋体を備える、請求項1から13のいずれか一つに記載の使い捨てオムツ。
  15. 前記本体部は、前記外装内側シートおよび前記外装外側シートよりも着用者側に位置するトップシートを更に含む多層構成を有し、
    前記トップシートと前記外装内側シートとの間に位置する吸収ユニットを更に備える、請求項1から14のいずれか一つに記載の使い捨てオムツ。
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