JP2019146505A - 自律走行圃場作業車 - Google Patents

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和彦 石井
Kazuhiko Ishii
和彦 石井
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【課題】本発明は、畝で仕切られた圃場を横切って直線的に移動しながら農作業を行う自律走行の圃場作業車を安全に使用できるようにすることを課題とする。【解決手段】GPS受信器6で機体位置を認識して地形地図データ7に走行開始地点Aと目標地点Bを登録し、走行装置10と操舵装置11を制御して走行開始地点Aから目標地点Bに向かって自律走行する自律走行圃場作業車において、畔AZを検出する畔検出手段8を設け、該畔検出手段8で畔を検出すると自律走行を中断し、人為操作による畔乗越え操作後に自律走行を再開することを特徴とする自律走行圃場作業車とする。【選択図】図2

Description

本発明は、圃場において播種、施肥、田植等の農作業を行う自律走行圃場作業車に関する。
自律走行圃場作業車として、特許文献1に、地磁気方位センサを用いて、スタート時に車体の向きを所定の方位にセットした上でティーチング処理を行い、車体の向き(方位)を記憶することにより、以後は地磁気方位センサで検出した車体の向きをフィードバックしながら操舵機構を制御し、ティーチング時に記憶した所定の方位に直進走行することを可能とした技術が記載されている。
また、特許文献2には、GPS装置により計測される位置情報に基づいて、ティーチング経路生成手段により生成されたティーチング経路に対して平行な目標経路を生成し、該目標経路上を自律的に走行する田植機が記載されている。
その他に、GPSやセンサ類を備え、GPSにより車体位置を計測しつつ、障害物センサや倣いセンサ等の各種センサからの情報に基づいて自律的に直進走行して作業を行う農用作業車も知られている。
特許第4948098号公報 特開2016−21890号公報
前記従来の自律走行圃場作業車は、圃場内に設定した出発地と目的地の間を自律で直線的に走行し旋回は人為操作で行いながら往復移動して農作業を行うものであるが、畔で仕切られた複数の圃場で同じ農作業をする場合には、畔を横切って直線的に移動して農作業を行った方が作業効率が良くなる。しかし、畔が圃場面より高くなっているために、圃場作業車が畔を乗り越える際に機体が不安定になるので、自律走行が困難である。
本発明は、畝で仕切られた圃場を横切って直線的に移動しながら農作業を行う自律走行圃場作業車を安全に使用できるようにすることを課題とする。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1の発明は、GPS受信器6で機体位置を認識して地形地図データ7に走行開始地点Aと目標地点Bを登録し、走行装置10と操舵装置11を制御して走行開始地点Aから目標地点Bに向かって自律走行する自律走行圃場作業車において、畔AZを検出する畔検出手段8を設け、該畔検出手段8で畔を検出すると自律走行を中断し、人為操作による畔乗越え操作後に自律走行を再開することを特徴とする自律走行圃場作業車とする。
請求項2の発明は、畔検出手段を機体の傾きを検出する前後傾斜センサ8として、所定角以上の車体前上がり角を検出すると走行装置10を停止することを特徴とする請求項1に記載の自律走行圃場作業車とする。
請求項3の発明は、人為操作による畔乗越え操作後に前後傾斜センサ8が所定角以下の前下がり角になったことを検出すると、制御装置5が自律走行を再開することを特徴とする請求項2に記載の自律走行圃場作業車とする。
請求項4の発明は、作業機2の昇降手段12を設け、畔検出停止後に作業機2を上昇させると走行装置10が走行を開始することを特徴とする請求項1に記載の自律走行圃場作業車とする。
請求項5の発明は、機体の左右傾斜を検出する横傾斜センサ9を設け、横傾斜センサ9の傾斜で走行を停止する停止傾斜角は前後傾斜センサ8の傾斜で走行を停止する停止傾斜角よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の自律走行圃場作業車とする。
請求項6の発明は、制御装置5の自律走行制御を解除する緊急停止スイッチ4を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自律走行圃場作業車とする。
請求項1の発明で、自律走行圃場作業車は圃場内を走行開始地点Aから目標地点Bに向かって走行装置10と操舵装置11を制御して直進走行しながら作業機で圃場作業(播種、施肥、田植等)を行うが、走行装置10が畔AZを乗り越えようとすると畔検出手段8が畔を検出して走行装置が10を停止するので、作業者が他の作業を行っていても停止した自律走行圃場作業車を操縦して安全に畔AZを乗り越え、再び自律走行するので、作業者は操縦以外の作業にも傾注出来る。
請求項2の発明で、請求項1の効果に加えて、前後傾斜センサ8が所定の前上がり傾斜角を検出することで畔AZに遭遇したとするので、畔を乗り越え始めると畔を確実に検出出来る。
請求項3の発明で、請求項2の効果に加えて、人為操作で畔AZを乗り越えて前後傾斜センサ8が所定角以下の前下がり角になったことを検出して制御装置5が自律走行を開始するので、作業者の操縦が楽になる。
請求項4の発明で、請求項1の効果に加えて、畔AZに遭遇して停止後に圃場作業車に乗った作業者が作業機2を上昇する操作を行うと走行装置10が走行を開始するので、人為操作による畔AZの乗り越えが容易に行える。
請求項5の発明で、請求項1の効果に加えて、圃場作業車が畔AZに対して斜めに進むと横傾斜センサ9が機体の倒れ易い横傾斜を前後傾斜センサ8よりも早く検出して走行を停止するので、安全である。
請求項6の発明で、請求項1の効果に加えて、圃場作業車に乗った作業者が不調になるなどの緊急時に緊急停止スイッチ4で自律走行を停止させて安全を図ることが出来る。
自律走行圃場作業車としての田植機の自動制御ブロック図である。 田植機の圃場作業平面図である。 田植機の一部拡大平面図である。 田植機のステップフロアの一部正断面図である。 苗植付作業機の後部側面図である。 肥料散布機支持パイプの拡大断面図である。 田植機の右側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例を参照しながら説明する。なお、実施例の説明においては、機体の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後というが、本発明の構成を限定するものでは無い。
図1は、田植機1の制御ブロック図で、制御装置5の入力側には、GPS受信器6から機体の地形上位置、地形地図である地形データ7、前後傾斜センサ8から機体の前後傾斜角度、左右傾斜センサ9から機体の左右傾斜角度、目標地設定スイッチ13から地形データ7上の走行目標地B、出発スイッチ14のオン信号、緊急停止スイッチ4の停止信号がそれぞれ入力し、制御装置5の出力側から、走行装置10に走行速度と走行停止制御、操舵装置11に操舵制御、作業機昇降シリンダ12に昇降制御、苗植付作業機2に駆動制御が、それぞれ出力する。
図2に示す圃場H1、H2、H3の平面図で、自律圃場作業車としての田植機1の苗植付作業機2による苗の植付作業を説明する
田植機1は、機体上の操縦席に作業者が座って操縦しながら圃場H1に侵入させる。機体の後部には作業機昇降シリンダ12で苗移植装置2を昇降可能に装着し、圃場H1に入って走行開始地点Aで苗移植装置2を圃場に降ろして植付開始準備を行う。
操縦席に座った作業者は、ナビゲーションの画面に表示される地形データ7に目標地設定スイッチ13で圃場H3の目標値Bを入力し、走行速度を設定して出発スイッチ14をオンする。すると、制御装置5から作業機昇降シリンダ12に降下指示がなされると共に苗移植装置2が駆動され、走行装置10が駆動されて田植機1が走行を開始して苗植付作業が開始する。
その後、制御装置5は、GPS受信器6からの機体位置情報で地形データ7上の位置を認識しながら、圃場H1の凹凸や硬軟に応じて走行装置10と操舵装置11を制御しながら目標値Bに向かって直進走行を続ける。
やがて、隣の圃場H2との境目である畔AZ1に差し掛かると田植機1の前輪が畔AZ1に乗り上がったことを前後傾斜センサ8が所定角度(約10°程度)の後傾を検出することで知り、制御装置5が走行装置10を停止させる。
操縦者はブザー等で機体が停止したことを知ると、作業機昇降シリンダ12を伸長させて苗植付作業機2を上昇させ、走行装置10を駆動して前進走行させることで畔AZ1を乗り越え、圃場H2に移動して苗植付作業機2を降下させる。すると、制御装置5が田植機1の直進走行制御を開始して苗移植装置2を駆動して苗の植付作業を再開始する。
なお、苗植付作業機2を上昇させると走行装置10を駆動したり、前後傾斜センサ8が検出する前下り傾斜角が所定角以下になると苗植付作業機2を降下して苗の植付作業を開始したりすると、畔AZ1の乗り越え操作が簡略化出来る。
圃場H3との境である畔AZ2に達すると、前記と同様の畔乗越え操作を行って次の圃場H3に移り、直進苗植付作業を行い、目標地Bに達すると走行を停止し、作業者が田植機1の旋回操作を行い、前回の直進走行と逆の方向へ平行に直進走行制御を開始する。
なお、畔AZを検出する畔検出手段として前後傾斜センサ8の傾斜角度で説明したが、田植機1の前方をカメラで撮影して映像を解析して畔AZを判別するようにすることも出来る。
また、田植機1は左右の傾きに弱く、畔に対して斜めに進んでいくと転倒の恐れがあるので、左右傾斜センサ9が検出する機体の左右傾きで走行を停止する角度は前後傾斜センサ8が検出する前後傾斜角で停止する角度よりも小さくすると良い。
図4、5は、田植機1のステップフロア15の左右両側部に取り付ける第一サイドフロア16と第二サイドフロア17の取付構成を示している。
メインフレームの左右前後に長いサイドメインフレーム18の前後に第一追加パイプ19と第二追加パイプ20を側方へ張り出してその端部を前後に縦パイプ23で連結し、さらに第一追加パイプ19と第二追加パイプ20にそれぞれ延長パイプ21,22を差し込んで、これらの上に載せてフランジ部25で第一サイドフロア16と第二サイドフロア17を連結して取り付けている。24は補強パイプである。
図5、6は、苗植付作業機2の後部に取り付ける肥料散布機29の取付構造を示している。苗植付作業機2の支持フレーム30から後方へ突出した支持棒31に肥料散布機29の支持パイプ28を後方より嵌め込み、支持棒31と支持パイプ28を連結ピン36で連結する。
支持棒31に突出するピン32と支持パイプ28に突出するピン33をガイドプレート34で長孔融通可能に連結し、ガイドプレート34の上に山形ガイド35を被せ、連結ピン36で支持パイプ28と支持棒31と山形ガイド35を貫通してヘヤーピン37で抜け止めしている。
従って、肥料散布機29を後方へ移動する場合は、連結ピン36を抜き、支持棒31から支持パイプ28を倒さずにガイドプレート34の長孔融通分だけ後方へ移動できて、苗植付作業機2の苗押え40を上方へ跳ね上げることが可能になる。
図7には、田植機1の左右側部に設ける予備苗置台を示し、前台41と中間台42と後台43が水平に並んだレール状態と上下三段にした段状態になるように支持脚46を電動で伸縮駆動するが、その台駆動トグルスイッチ44を後台43の後端に設け、カバー45で左右側面と上面を覆っている。
上下三段からレール状態になる場合に後台43が後方へ移動するが、台駆動トグルスイッチ44を触ると移動停止するようにして安全を確保している。再度台駆動トグルスイッチ44をオンするとレール状態になるようにしている。台駆動トグルスイッチ44の配線は支持脚46の内側に沿わせている。
A 走行開始地点
B 目標地点
AZ 畔
4 緊急停止スイッチ
5 制御装置
6 GPS受信器
7 地形地図データ
8 畔検出手段(前後傾斜センサ)
9 横傾斜センサ
10 走行装置
11 操舵装置
12 昇降手段(昇降シリンダ)

Claims (6)

  1. GPS受信器(6)で機体位置を認識して地形地図データ(7)に走行開始地点(A)と目標地点(B)を登録し、走行装置(10)と操舵装置(11)を制御して前記走行開始地点(A)から前記目標地点(B)に向かって自律走行する自律走行圃場作業車において、畔(AZ)を検出する畔検出手段(8)を設け、該畔検出手段(8)で畔を検出すると自律走行を中断し、人為操作による畔乗越え操作後に自律走行を再開することを特徴とする自律走行圃場作業車。
  2. 前記畔検出手段を機体の傾きを検出する前後傾斜センサ(8)として、所定角以上の車体前上がり角を検出すると前記走行装置(10)を停止することを特徴とする請求項1に記載の自律走行圃場作業車。
  3. 人為操作による畔乗越え操作後に前記前後傾斜センサ(8)が所定角以下の前下がり角になったことを検出すると、制御装置(5)が自律走行を再開することを特徴とする請求項2に記載の自律走行圃場作業車。
  4. 作業機(2)の昇降手段(12)を設け、畔検出停止後に前記作業機(2)を上昇させると前記走行装置(10)が走行を開始することを特徴とする請求項1に記載の自律走行圃場作業車。
  5. 機体の左右傾斜を検出する横傾斜センサ(9)を設け、前記横傾斜センサ(9)の傾斜で走行を停止する停止傾斜角は前後傾斜センサ(8)の傾斜で走行を停止する停止傾斜角よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の自律走行圃場作業車。
  6. 制御装置(5)の自律走行制御を解除する緊急停止スイッチ(4)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自律走行圃場作業車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021145046A1 (ja) * 2020-01-14 2021-07-22 株式会社クボタ 農作業車
JP2021108597A (ja) * 2020-01-14 2021-08-02 株式会社クボタ 自動走行可能な農作業車

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