JP2019144556A - 情報処理装置、方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】地図を見る際に情報過多とならず基準位置周辺の景観を把握することができる情報処理装置を提供する。【解決手段】地図上の基準位置に基づいて地図上の道路の両側方の所定範囲にそれぞれの側の景観を通常の地図に重ねて表示する。より具体的には、地図表示に対し景観を重ねて表示することにより、地図表示と景観表示とで画面を分割することなく表示をする。【選択図】図1

Description

本発明は、計算機である情報処理装置や同装置の動作方法、同装置に読取実行可能なプログラムなどに関する。
カーナビゲーションシステムや目的地への経路検索を行うアプリケーションソフト等地図表示をおこなうにあたっては、単にある場所の道路や建物等を上空から見て平面的に表示するのみならず、地理的情報をより簡易に、直感的に把握可能とする技術が求められている。
そしてこのような要望に対し、従来から、路面側方にある建物などの景観に着目した表示技術が知られてきた。たとえば特許文献1には、地図情報において道路両側に建つ建物の模式図を進行方向に向かって地図とは別ウインドウで表示する技術が開示されている。これは当該表示を行うことで、市街地を走行する運転者に対し実際の車両位置をつかみ易くさせる技術である。
特開2000−275055
しかしながら、上記従来技術は建物模式図を地図表示と別ウインドウにて表示させる技術であるところ、限られた表示画面において地図ウインドウ、右サイド用ウインドウ、左サイド用ウインドウを個別に設けなければならず、車載などの要請から限られたディスプレイ画面上ではそれぞれの表示領域が狭くなり、かえって表示内容を把握しづらくさせていた。スマートフォンなど携帯情報機器でも、限られた広さの画面を表示内容の異なる複数の領域に区分しておくことは、解りづらく、使い勝手に劣る。
以上のような課題を解決するために、本発明は、地図を表示するための情報である地図情報を保持する地図情報保持部と、表示される地図の道路の側方の景観を表わす景観情報を保持する景観情報保持部と、表示される地図の道路上の位置を示す基準位置を取得する基準位置取得部と、取得された基準位置に基づいて表示される地図上の当該道路に隣接して表示する景観を取得すべき範囲である表示景観範囲を取得する表示景観範囲取得部と、取得した表示景観範囲の景観情報を景観情報保持部から取得する景観情報取得部と、取得した景観情報と保持されている地図情報とに基づき地図上の基準位置に基づいて当該道路の一部に隣接して景観を表示した地図である景観付地図を表示する景観付地図表示部と、を有する情報処理装置などを提案する。
主に以上のような構成をとる本発明によって、地図を見る際に情報過多とならず基準位置周辺の景観を把握することができる。
本実施形態の情報処理装置による景観付地図表示の一例を示す概念図 走行中の運転者の視野の一例を示す図 本実施形態の情報処理装置の機能ブロックの一例を示す図 地図をローカル座標系を用いて説明する場合の一例を示す図 基準位置を中心とした景観の一例である側面図 景観情報取得の一例を示す図 景観情報と地図情報との関連付けの一例を示す図 共通景観情報により示される共通景観の一例を示す図 所定高景観情報に基づいた景観を表示する一例を示す図 グラデーション処理手段により表示される景観付地図表示の一例を示す図 縮尺変更手段により表示される景観付地図表示の一例を示す図 本実施形態の情報処理装置の機能的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図 本実施形態の情報処理装置における処理の流れの一例を示す図
<1.概要>
図1は、本実施形態の情報処理装置による景観付地図表示の一例を示す概念図である。同図において示されているように、本実施形態の情報処理装置は、地図上の基準位置に基づいて地図上の道路の両側方の所定範囲にそれぞれの側の景観を通常の地図に重ねて表示する。より具体的には、地図表示に対し景観を重ねて表示することにより、地図表示と景観表示とで画面を分割することなく表示をする。
なお、本発明は、スマートフォンやタブレットPCその他のポータブル及び据置型の情報処理装置全般が適用対象であり、例えば、歩行者が現場で周囲の地図を表示して確認したり、今後赴く場所の地図を表示する場合にも好適である。
但し、以下で述べる説明では、バリエーションを示すため、適宜本実施形態の情報処理装置がカーナビゲーションシステムである場合の一例として説明を行うことがある。図1に示されている内容に即していえば、情報処理装置は同図中矢印で示された方向に進行中の車両に搭載されたカーナビゲーションシステムであり、車両の現在位置は矢印0101で示された位置にあり、矢印0102にて示される経路を通って星印で示された目的値である建物へ向かおうとしている。
一般的にカーナビゲーションシステムはGPSの測位に数メートル程度の誤差があるので交差点などがいくつも連続して錯綜している場所ではカーナビゲーションシステム上の地図に示された自車表示位置を頼りにしても、実際にどこを曲がればよいのか、明確に把握できない場合がある。走行中の運転者の視野がどのような範囲を示しているかの一例を示す図2を示して説明すると、たとえば、同図に示されたように左前すぐにこれだと思われる左折路があるにも関わらず、カーナビゲーションシステム上の自車表示位置は、いまだに左折すべき交差点に至っていないような場合がある。
本実施形態のカーナビゲーションシステムである情報処理装置を利用すると、表示される地図上の指示位置(例えば、「次の路地を左折:例えば図1の矢印0102」など)における地図上の景観と、車両搭乗者が肉眼で把握する実風景の景観との照合が容易になる。したがって、車両搭乗者は自身が地図上でどこに位置しているのか、実風景のどんな建物を目印にして路地を左折すればよいか、が容易に把握できストレスのない移動を実現することができる。
たとえば、図1で示すように、本実施形態のカーナビゲーションシステムの景観付き地図上で左折位置の把握は、壁面が黒っぽく上階に窓のない建物でヤマトパーキングの看板のある建物と、平屋建てで壁面の大部分がガラスの窓又は扉で占められているコンビニエンスストア風の建物の間の道である、とできる場合には、図2に示される搭乗者の目線では、黒っぽい壁面でパーキングの文字の看板が描かれた建物と、小さな左折可能な路地と、その向こうにコンビニマートと文字が描かれた看板を掲げた平屋建てのコンビニエンスストアが見えるので、まさにこの路地がカーナビゲーションシステムにて指示されている左折すべき路地であると確認ができる。したがって、たとえカーナビゲーションシステムの地図上の自車表示位置がいまだにヤマトパーキングに至っていなかったとしても、車窓からの風景を確認してすぐに、そこを左折する、という判断を下すことができる。
<2.機能的構成>
図3は、本実施形態の情報処理装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の情報処理装置0300は、地図情報保持部0301と、景観情報保持部0302と、基準位置取得部0303と、表示景観範囲取得部0304と、景観情報取得部0305と、景観付地図表示部0306と、表示景観範囲変更判断部0307と、景観表示制御部0308と、からなり、景観情報保持部0302は、所定高景観情報保持手段0312と、共通景観情報保持手段0322と、を有し、基準位置取得部0303は、現在基準位置取得手段0313と、ポインタ基準位置取得手段0323と、タッチ基準位置取得手段0333と、を有し、景観付情報表示部0306は、グラデーション処理手段16と、縮尺変更手段0326と、表示範囲変更手段0336とを有する。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題およびその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
以下に記載する情報処理装置を構成する各装置の機能ブロックは、いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアのいずれによっても実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)、情報入力に利用される操作ボタン等の入力デバイス、マウス、タッチパネル、専らタッチパネルをタッチする目的で利用する電子ペン、ジョイスティック又はジョイスティック類似のポインタ位置入力装置その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、GPS受信インターフェース、GPS用演算装置、ジャイロセンサー、加速度センサ、タイヤ回転する検知センサ、ハンドル操舵角検知センサ、日照センサ、温度センサ、これらセンサの信号の処理装置、カメラ、画像ファイル処理回路、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。
そして、メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
また、本発明は、その一部をソフトウェアとして構成することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記憶媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる(本実施形態に限らず、本明細書の全体を通じて同様である。)。
<2−1.地図情報>
地図情報保持部0301は、地図を表示するための情報である地図情報を保持するように構成されている。具体的には、地図画像や当該地図画像の所定位置を示す位置情報(住所、地名、建物名、施設名、施設ジャンル、施設利用可能時間、施設利用状況、店舗名、店舗ジャンル、店舗での提供サービス、店舗での提供商品、店舗の開店時間帯、店舗の顧客来店状況、郵便番号、交差点名、道路名、ポリゴンID、緯度、経度、属性(公園、学校、警察署、橋、トンネル、アンダーパス、など)、道路上の位置、景観情報と関連付けられた表示景観範囲を識別する情報など)を地図情報として保持する。景観情報と関連付けられた表示景観範囲を識別する情報としては、地図上の位置に対応して設けるローカル座標、地球全体の中での位置を表わす経度緯度情報、地図を表示するポリゴンに関連付けられたポリゴンIDなどが考えられる。
ここで図4を示す。同図は図1などを用いて説明する地図の縦方向、横方向がそれぞれ本地図のために設けられたローカル座標にて管理されている場合の一例である。具体的に言えば、同図にて示された「MPEW1051」とは、地図中東西方向に付されたローカル座標の1051番目の位置、地図上の「MPNS801」とは、地図中南北方向に付されたローカル座標の801番目の位置をそれぞれ表している。したがってこの地図上のすべての位置はこの二つのローカル座標の交差点として識別可能となる。
地図情報として他に、地図上の位置の起伏を示す情報である起伏情報や道路工事や混雑状況を示す情報である交通状況情報、飲食店の人気度を示す情報である評判情報、特定の日時に開催されるイベントの情報であるイベント情報、道路が車道か歩道かを示す情報である道路種別情報、上り車線か下り車線かを示す情報である車線情報、首都高速道の都心環状線のように道路が上下に複数階層を構成している場合の階層を示す情報である道路階層情報(なぜなら階層に応じて左右に広がる景観は異なることとなるので)、などを特定の位置と関連付けて保持してもよい。
これらの情報をあわせて備えることで、バリエーション豊かな景観付地図表示を提供することが可能になる。たとえば時間帯によって景観をシャッターが下りている景観、シャッターが開いて店舗営業をしている景観、夜間の照明に照らされた景観、イベントが行われている際の景観など、雨の日の景観、晴れの日の景観、雪の日の景観など、より人の直観に訴える景観を表示することが可能となる。
地図情報は記憶媒体からもしくはネットワークを介して外部サーバから取得し保持される。特に本実施形態の情報処理装置の利用時に都度外部から地図情報を取得し保持する態様を採用すれば、最新の地理状況、交通状況などが反映された地図情報を利用した地図表示を行うことができる。
<2−2.景観情報>
景観情報保持部0302は、表示される地図の道路の側方の景観を表わす景観情報を保持するように構成されている。「表示される地図の道路の側方」とは必ずしも道路の両側であることを要求するものではなく、道路の片側のみの景観を景観情報の対象としてもよい。これにより進行方向左側(あるいは右側)のみの景観を確認したい利用者のニーズにも対応した景観表示を行うことができる。
なお、幹線道路などのように同じ道路に歩道と車道とがあり、それぞれの位置における景観が異なりうるような場合には、歩道からの景観を表す歩道景観情報および車道からの景観を表す車道景観情報を景観情報として保持する構成を採用してもよい。当該構成を採用すれば、歩行者と車両搭乗者双方からの地図表示に対するニーズに応えた直感的な表示を行うことができる。
また、景観情報をその場所に関連付けて複数保持する複数情報保持手段を設けてもよい。具体的には、時間帯別(日中、夕方、夜など)、時期別(冬場、夏場など)、行事開催時(花見開催時、コンサート開催時、元旦、クリスマスなど)、天候別(雨、晴れ、雪、嵐、)など様々な状況における複数の景観情報をその場所に関連付けて保持しておくことにより、利用者による利用時、あるいは利用者が求める特定の時期における景観をその要求に応じてあるいは所定のルールにて表示することが可能になる。
ここで図4や図5を用いて景観情報について説明する。図4のうち中心付近にある十字印で示された部分が基準位置である。基準位置に関しては後ほど詳述するが、基準位置は景観情報を取得すべき範囲である表示景観範囲を定める際に用いられる。同図では基準位置に基づいて点線で囲まれた領域が表示景観範囲であるとする。
するとこの表示景観範囲では路面の北側に大田工業、東京バス、ヤマトパーキング、コンビニマートが並んでいるが、その景観の実際の様子が図5である。そして、大田工業の下に付されるC121N、東京バスの下に付されるC122N、ヤマトパーキングの下に付されるC123N、コンビニマートの下に付されるC124Nがそれぞれのビルの景観を表わす情報である景観情報の識別情報である。つまり、景観情報は画像ファイルであり、画像ファイルはこれらの識別情報で識別されて景観情報保持部に保持されている。
またヤマトパーキングとコンビニマート千代田中央店の間には進行方向からみて左折する路地があるが路地も景観情報として揃えてもよいし、路地は景観情報外として通常通り平面的な地図で表示してもよい。後者の場合には進行路が平面的に表わされ矢印などの指示記号も重ね書して見やすいのでカーナビゲーション等に本情報処理装置を応用する場合には適している。景観を示す景観情報としての具体的態様は様々に考えられ、所定範囲の写真画像である場合のほか、スケッチ画像、CG画像などが用いられ得る。
ちなみに、景観情報としてどの程度の幅、高さ、明るさの画像等を保持するかは適宜決められてよく、一の建物、施設のうち道路に面している一側面をすべて景観情報としてもよいし、当該一側面の一部のみを景観情報としてもよい。公園や大規模店舗、マンションなど広大な建物、施設についてはその一部のみが複数の景観情報を構成していることが望ましい。当該構成をとることで、柔軟な景観付地図表示を行うことができる。
ここで図6を示す。同図は景観情報を表示した景観付き地図の一例を説明するための図であり、図1や図4などこれまで説明に用いた地図と同様の内容で構成されている。景観情報は基準位置に基づいて通常の平面的な地図の路面の両側に重畳配置される。図6の場合にはそれぞれの景観情報がそれぞれのビルが配置される平面的な地図の位置にぴったりと併せられて配置されている様子を示す。
なお景観情報は必ずしもビルなどの単位である必要はなく、1メートル間隔、2メートル間隔、3メートル間隔など多様であってもよい。一般的には低速度で移動する移動体ないしは歩行者は1メートル間隔の景観情報で景観表示するとより自分の位置に対して詳細な景観を地図上で認識できるし、高速で移動する移動体から見る地図である場合には3メートルないしはそれ以上の幅で景観情報の単位を作られていてもあまり不都合はないと考えられる。
これらの景観情報は適宜収集され、例えば道路上を先行する他の車両に搭載されたドライブレコーダーにて周囲の景観を撮影し、サーバを介して撮影された画像を後続の車両にて景観情報として取得することなどが考えられる。景観情報もまた、地図情報と同様、記憶媒体からもしくはネットワークを介して外部サーバから取得し保持され、最新の内容にて提供されることが好ましい。
景観情報は直接または間接的に地図上の特定の位置と関連付けられている。地図情報保持部の説明にて言及したように、景観情報は地図上の位置を示すローカル座標と関連付けることが考えられ、特段の処理が要求されない限り、後記景観付地図表示部では、その関連付けられているローカル座標の位置に表示されることが考えられる。ここで景観情報と地図上の特定の位置との関連付けを説明するために図7を示す。景観情報保持部では、同図に示されたような関連付けが行われた状態にて景観情報を保持する。
すなわち、C120Nとの名称が付された景観情報は、ローカルマクロでMPEW1051ないし1070、MPNS805ないし807で特定される範囲を表示景観範囲とした場合、MPEW1053.7ないし1055.2の範囲に表示されるように関連付けがなされている。この関連付けは、後記縮尺変更手段などにより変更処理がなされない限り景観の幅が地図上の平面的な表示幅と略一致するよう設定されている。
所定高景観情報保持手段0312は、景観情報保持部0302にて表示される地図の道路から所定の高さの範囲の景観を表わす景観情報である所定高景観情報を保持するように構成されている。所定高景観情報が道路から所定の高さまでの全ての範囲の景観を示すものである必要はない。たとえば歩行時や車両搭乗時の人の視線に含まれうる範囲の景観が含まれていればよい。たとえば路面から30ないし40センチメートルの位置から路面から3メートルないし4メートルの位置までの2メートル60センチメートルから3メートル70センチメートル程度の高さ幅の範囲である。
ここで再び図5を用いて説明する。同図は所定高景観情報を説明するための概念図でもあり、同図中点線で囲まれた範囲の景観を表す景観情報が所定高景観情報である。同図においては、車両搭乗時の運転者の視線の高さに含まれうる範囲の景観の情報が所定高景観情報とされている。景観情報には建物の名称表示が含まれていることが好ましく、同図に示されているように、例えば、建物の看板などが設置されている程度の高さが範囲に含まれていることが望ましい。景観に含まれる建物の全景の情報や道路面近辺の情報を保持していてもその利用価値は低く、景観情報を利用者の視線に対応する範囲の景観に関する情報に限定することにより、無駄な視覚的情報を排し利用者に対しより直感的な地図表示を提供することができる。また、表示画面における景観表示の表示面積を節約することも可能である。
共通景観情報保持手段0322は、景観情報保持部0302にて表示される景観として道路の属性に応じて共通に利用可能な共通景観を表示するための景観情報である共通景観情報を保持するように構成されている。道路の属性とは、たとえば一般道、高速道路、立体交差やトンネル、アンダーパス、橋、などを指す。橋やトンネル等のように道路の属性によっては道路の側方の景観が一定の距離全く変わらないような場所もありえ、そのような場合には景観情報として当該場所のリアルな画像を表示しても利用者に与える印象は必ずしも大きくない。そこで共通景観情報として道路の属性ごとの共通景観を対応させることで、景観情報保持部に保持されるべき情報の量を少なくし、コンピュータのメモリ、ハードディスクなどの容量の節約につながる。
なおここで図8を示し、共通景観情報の一例を説明する。同図(a)(b)に示されているのはいずれもある道路と当該道路に対応した共通景観情報に基づいた表示の一例である。同図(a)はトンネルに対応する、同図(b)は橋に対応する、共通景観情報のそれぞれの一例を示す図である。同各図で示したように、(a)ではトンネルに対応した塀ブロックの画像を共通景観情報として備え、(b)では橋に対応した川の画像を共通景観情報として備えている。通常、橋、トンネルの途中に運転の目標位置などは来ないので共通景観とできるのである。
共通景観情報は、あらかじめ外部サーバ等から取得し保持されていてもよいし、情報処理装内の共通景観情報生成部にて生成されたものを取得し保持されてもよい。また、いったん保持した共通景観情報の内容を変更するための共通景観情報編集部を設けてもよい。当該構成を採用することで、利用者ごとに個性ある共通景観情報を利用した地図表示を行うことができるようになり、直感的な地図の理解をより一層深めることが可能になる。
<2−3.基準位置>
基準位置取得部0303は、表示される地図の道路上の位置を示す基準位置を取得するように構成されている。ここでいう道路には、公道や私道のほか、駐車場や建物、各種施設内の通路が含まれていてもよい。取得される基準位置は、景観情報を取得する範囲である表示景観範囲(景観情報と関連付けられた地球上座標値、メモリ値など)を取得するために用いられる。基準位置は以下で説明する各種手段その他の手段により取得される。
基準位置取得の具体的態様としては、先に地図情報保持部の説明にて言及した、地図上のローカル座標を用いることが好ましい。図4に示された例の場合でいえば、MPEW1061およびMPNS806にて特定される道路上の位置を基準位置として取得する。
現在基準位置取得手段0313は、基準位置取得部0303にて基準位置として現在位置を取得するように構成されている。具体的には、車載の、あるいは携帯端末搭載のGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)を用いたり、携帯端末と通信を行う基地局との相対位置に基づいたりして現在位置を取得する。取得した現在位置は、基準位置が地球上座標値である経度緯度で示されている場合にはそれ自体が基準位置として処理され、基準位置が他の座標系、たとえば地図特有のローカル座標系のようなもので処理されている場合にはGPS取得データをローカル座標系の値などに換算しなおして基準位置とする。さらに、利用者から、自身がいる場所又は景観を知りたい場所の住所や建物名、店舗名、店舗等の電話番号、等基準位置を確認できる情報の入力を受付け、当該入力結果に応じて基準位置を取得してもよい。
ポインタ基準位置取得手段0323は、情報処理装置のディスプレイなどに表示されている地図上のポインタの位置を基準位置として取得するように構成されている。具体的には、利用者がスマートフォンやタブレットPCなどのタッチパネル、他の種類の情報機器におけるマウスやジョイスティック、ないしはこれらに類似したインターフェースを用いた操作により移動したディスプレイ上のポインタの位置を基準位置として取得する構成があげられる。画面又は地図表示範囲の中心など所定位置を基準位置としてもよい。
このほか、利用者により入力された住所や場所名、店舗名、建物名、施設名などに基づく検索結果として示される場所に隣接ないし近接した道路の位置をポインタの位置である基準位置として取得してもよい。当該構成をとることで、利用者の望む様々な位置を基準位置として取得し、その周辺環境の様子を簡易に把握することが可能になる。なお上記と同じくポインタの置かれた位置が道路上でない場合には、そのポインタの置かれた位置に近接した道路上の位置を基準位置として処理する態様も本ポインタ基準位置取得手段の処理に含まれる場合がある。
タッチ基準位置取得手段0333は、情報処理装置のディスプレイ等に表示されている地図上の位置を指、タッチペンなどによってタッチさせることで、そのタッチ位置を基準位置として取得するように構成されている。タッチ位置の取得は、ディスプレイに配置されたタッチパネルを利用する。なお同じく、タッチされた位置が道路上にない場合には、そのタッチされた位置にもっとも近接した道路上の位置を基準位置として取得する処理も本タッチ基準位置取得手段の処理に含まれる場合がある。
景観表示とする範囲の形状は矩形に限らず、円や楕円でもよいので、例えば、タッチしている周囲だけ円形に景観表示となり、指を動かせば景観表示の範囲が追従して移動し、その範囲が通り過ぎた場所は通常の地図表示に戻る例が考えられる。
<2−4.表示景観範囲ほか>
表示景観範囲取得部0304は、取得された基準位置に基づいて表示される地図上の当該道路に隣接して表示する景観を取得すべき範囲である表示景観範囲を取得するように構成されている。ここで再び図4を示す。すでに説明したように、同図中点線で囲われた範囲が表示景観範囲である。表示景観範囲の大きさは任意に定められてよいが、例えば、基準位置前方は相対的に広く、基準位置後方は相対的に狭く表示景観範囲を取得することが考えられる。当該構成を採用すれば、利用者にとって関心のある進行方向の景観に重点を置いた表示をすることができる。
表示景観範囲は基準位置に基づいて取得され、例えば基準位置が上述の地図上の座標を示す情報により示される場合には、表示景観範囲もまた座標を示す情報により示すことが可能である。図4を用いて示されている例の場合、基準位置がMPEW1061およびMPNS806と特定されており、表示景観範囲は「MPEW方向にプラスマイナス3」「MPNS方向にプラスマイナス1」などと特定することが可能である。
なお、利用者が歩行者であるか、車両搭乗者であるかによって表示景観範囲を変更する構成を採用してもよい。歩行者か車両搭乗者であるかは利用者からの選択に応じて判断する。歩行者にとって関心のある景観の範囲は、通常車両搭乗者にとり関心のある景観の範囲よりも狭く、当該構成を採用すれば、上記のような利用者ごとの需要に対応したわかりやすい地図表示を適宜行うことが可能になる。
表示景観範囲変更判断部0307は、取得される基準位置が変更されることにより表示景観範囲が変更されたか判断するように構成されている。取得される基準位置が変更される具体例としては、携帯端末である本実施形態の情報処理装置を所持する利用者が移動することで、現在位置である基準位置が変更された場合、タッチパネルで従前の基準位置とは異なる位置をタッチすることで基準位置が変更された場合などが該当する。
景観表示制御部0308は、表示景観範囲変更判断部0307での判断結果が表示景観範囲が変更されたとの判断結果である場合には、後記景観付地図表示部0306に対して変更によって表示景観範囲に含まれなくなった範囲の景観の表示を終了させるように構成されている。表示景観範囲に含まれなくなった時点で、当該範囲に含まれる景観は利用者にとり関心が薄まっているのが通常であり、そのような景観の表示を継続すると、地図上の多数の個所において景観が表示されかえって地図表示が見づらくなってしまう。ただ当該構成を採用すれば上記のような事態の発生を回避でき、利用者にとって把握しやすい地図表示を提供することが可能になる。図4および6を示して説明すると、もし基準位置が東方向に座標1つ分移動しMPEW1062となった場合、表示景観範囲からC121Nが外れることとなるが、そのような場合はC121Nの景観の表示を終了する。
なお、景観表示制御部0308では、終了させる景観について、表示景観範囲に含まれなくなった時点ですぐに表示を終了させるのではなく、徐々に表示を終了させるグラデーション表示終了制御処理が行われることが好ましい。表示が突然終了するのではなく徐々に終了する当該構成を採用すれば、利用者に対し表示終了および新たな景観表示が行われる旨の事実を認識させやすくし、新たな表示景観範囲への目線の移動を促すことができるようになる。
景観情報取得部0305は、取得した表示景観範囲の景観情報を景観情報保持部から取得するように構成されている。具体的には、保持されている景観情報のうち、表示景観範囲に関連付けられている景観情報を取得する。図6で示した例の場合、進行方向左側の景観情報としてC121N、C122N、C123N、C124Nにて特定される各景観の画像情報からなる景観情報を取得する。具体的には図7にあるように景観情報(画像ファイル)と表示景観範囲の座標とが関連付けて表示景観範囲保持部に保持されているので、基準位置に基づいて表示景観範囲として取得された範囲が、図4のローカル座標系でいうところのMPEW1057から1064.5であり、MPNSが806であった場合には、この範囲に関連付けられている景観情報として、図7の中で、C121N〜C124Nの景観情報(画像ファイル)が取得されることとなる。
なお、取得した表示景観範囲のなかに上記建物等の一部のみの景観が含まれているような場合には、当該一部のみが含まれている建物等についてはその全体の景観情報を取得することが望ましい。一部のみの景観を取得可能な構成としてもよいがそのような構成のもと後期景観付地図表示部にて表示を行うと、建物等の一部のみが表示されることとなり、利用者にとって表示態様がわかりづらいからである。
景観付地図表示部0306は、取得した景観情報と保持されている地図情報とに基づき地図上の基準位置に基づいて当該道路の一部に隣接して景観を表示した地図である景観付地図を表示するように構成されている。景観を表示した地図である景観付地図の表示の一例として、再び図1を示す。同図においては、表示景観範囲内に含まれる建物については、その一部のみが含まれているに過ぎない同図右下の東京建物株式会社の建物も含めその全景が平面表示されている。また、上記景観付地図において建物の景観が平面表示されることで、地図上の一部の建物や施設の平面表示が景観情報に隠れることによって消えている。
なおちなみに、景観情報保持部にて所定高景観情報を保持している場合には、景観付地図として、所定高の景観のみが表示された景観付地図が表示される。ここで言及した表示の一例について図9を用いて説明する。同図は図5を用いて説明した所定高景観情報に基づいて図4にて示された表示景観範囲内の景観を表示する一例を示す図である。同図に示されているように、この場合には利用者の視線に対応した部分のみ景観が表示されることになり、景観付地図の表示を過度に複雑化し読みにくくなることを避けることができる。
グラデーション処理手段0316は、景観付地図表示部0306にて地図と表示される景観の境界をグラデーション処理するように構成されている。地図と表示される景観の境界とは上記景観付地図表示部の説明で言及した、景観と地図上に平面的に表現される建物等との表示の重複部分の境界を指す。この境界部分がくっきりとした線で描かれると、景観情報で示される景観と通常表現の地図上の建物などの平面的表示との区別がつきにくくなり、景観付地図の誤読、たとえば景観としての建物を平面的な建物表示の一部であると誤読したり、また逆に平面的な建物の表示を景観の表示であると誤読する事態が発生しかねない。
ここで図10を示す。同図はグラデーション処理手段の機能の一例を説明するための図である。同図のうち東京バス株式会社の建物を表す景観は、その北側にあるシティコート東京の地図上の表示とその一部が重複している。また同様に、ヤマトパーキングの景観は、その北側にある建物の地図上の表示とその一部が重複している。グラデーション処理手段16では、かかる重複している境界をグラデーション表示するように構成されており、図10においては、景観の外縁のうちその一部(左上部分)をぼやかして表示させている。
なお、地図誤読防止の観点からは、グラデーション表示は一の景観の一部についてなされていればよく上記境界部分のすべてにおいて行われる必要まではない。このようなグラデーション表示がなされることにより、景観付地図の誤読が起こらないようにすることができる。
縮尺変更手段0326は、景観付地図表示部0306にて表示する景観の地図に対する縮尺を変更するように構成されている。縮尺の変更の一例としては、利用者が歩行中など比較的低速で移動中に本実施形態の情報処理装置を利用する場合には縮尺を相対的に縮小し、車両搭乗者に利用する場合であれば縮尺を相対的に拡大する。移動速度が早い場合には景観付地図の表示を見るタイミングを逸してしまいがちなので、そのような事態を避けるために移動速度に応じた景観の縮尺変更を行うメリットがある。
ここで図11を用いて縮尺変更手段の具体的な構成について説明する、同図は、景観の縮尺を変更(縮小)する際の表示の一例を示す図である。同図では、従前図6などを用いて景観情報がC121N、C122N、C123N、C124Nにて識別される各施設を示す景観の地図に対する縮尺を同図記載の矢印の分だけ小さくした場合の表示例が示されている。どの程度縮尺を変更するかは、所定のルールに従い景観が関連付けられているローカル座標の幅を変更することで実現される。
例えば、時速60キロメートルで移動している場合にはMPEW1057からMPEW1065までの間に表示させる場合を想定する。この場合、例えば時速40キロメートルで移動する場合には、景観情報にて特定される景観を所定のルールに従って縮小し、MPEW1058からMPEW1063までの間に表示させるようにする。
なお縮尺変更手段0326により縮尺を変更する際は、変更された景観が道路上に配置されないようにすることが好ましい。道路上に景観が表示されるとなると、車の運転の際など走行すべき道路がわかりづらくなってしまうなど、地図表示としての機能をかえって損ねてしまう場合があるからである。
表示範囲変更手段0336は、景観付地図表示部0306にて、基準位置に基づいて景観を表示する地図上の範囲を変更するように構成されている。図4を用いて具体的に説明すると、従前は「MPEW方向にプラスマイナス3」「MPNS方向にプラスマイナス1」などと特定されていた表示範囲を必要に応じて変更する。具体的には、縮尺変更手段0326について説明した場合と同様に、移動速度が早ければ表示範囲を拡大し、移動速度が遅ければ表示範囲を縮小する。
当該構成を採用することにより、景観表示を行う範囲を利用者の需要に応じたものとし、見やすい表示を可能にすることができる。例えば、C121NからC124Nまでの景観情報にて特定される景観について、時速60キロメートルで移動している場合にはMPEW1057からMPEW1062までの間に表示させる場合を想定する。この場合、例えば時速80キロメートルで移動する場合には、表示範囲を拡大し、C121NからC126Nまでの景観情報にて特定される景観を表示するようにする。
縮尺変更手段0326や表示範囲変更手段0336を用いることにより、利用者の利用態様に応じた柔軟かつ視認性の高い地図表示を行うことができる。
<3.具体的な構成>
図12は、本実施形態の情報処理装置の機能的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。この図を利用して、それぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
図12にあるように、情報処理装置は各種演算処理を実行するためのCPU1250と、記憶装置(記憶媒体)1251と、メインメモリ1252と、入出力インターフェース1253、1254と、ネットワーク通信インターフェース1255と、を備え、入出力インターフェース1253、1254を介して、例えばタッチパネル1271やディスプレイ72などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。
また、ネットワーク通信インターフェース55を介して外部装置1273やGPS通信基地局1274などと情報の送受信を行う。このネットワーク通信インターフェース1255の具体的な態様は有線、無線を問わず、また、通信方法も直接、間接を問わない。よって特定の利用者の管理する外部装置ないし利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
記憶装置1251には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUは1250これら各種プログラムをメインメモリ1252のワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、システムバス1255などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
(地図情報保持部の具体的な構成)
地図情報保持部0301は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、特にコンピュータの記憶領域に地図情報を格納することにより構成されている。この記憶領域は不揮発性メモリであるハードディスクやメインメモリである。
(景観情報保持部の具体的な構成)
景観情報保持部0302は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、特にコンピュータの記憶領域に、各施設を識別する情報などにより構成され景観を表す景観情報を格納するデータベースを構築することで構成される。
(所定高景観情報保持手段の具体的な構成)
所定高景観情報保持手段0312は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、特にコンピュータの記憶領域に、道路から所定の高さの範囲の景観を表す景観情報である所定高景観情報を格納可能なデータベースを構築することで構成される。
(共通景観情報保持手段の具体的な構成)
共通景観情報保持手段0322は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、特にコンピュータの記憶領域に、道路の属性に応じて共通に利用可能な共通景観を表示するための景観情報である共通景観情報を格納可能なデータベースを構築することで構成される。
(基準位置取得部の具体的な構成)
基準位置取得部0303は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から基準位置取得プログラム1263をメインメモリに読み出して実行し、表示される地図の道路上の位置を示す基準位置を取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
(現在基準位置取得手段の具体的な構成)
現在基準位置取得手段0313は、基準位置取得プログラムの実行に際し現在基準位置取得サブプログラムを読み出して実行し、現在位置を基準位置として取得しメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(ポインタ基準位置取得手段の具体的な構成)
ポインタ基準位置取得手段0323は、基準位置取得プログラムの実行に際しポインタ基準位置取得サブプログラムを読み出して実行し、表示されている地図上のポインタ位置を基準位置として取得しメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(タッチ基準位置取得手段の具体的な構成)
タッチ基準位置取得手段0333は、基準位置取得プログラムの実行に際しタッチ基準位置取得サブプログラムを読み出して実行し、表示されている地図上のタッチ位置を基準位置として取得しメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(表示景観範囲取得部の具体的な構成)
表示景観範囲取得部0304は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から表示景観範囲取得プログラム1264をメインメモリに読み出して実行し、命令を取得する処理を行う。
(景観情報取得部の具体的な構成)
景観情報取得部0305は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から景観情報取得プログラム1265をメインメモリに読み出して実行し、表示景観範囲取得プログラムの実行により得られた表示景観範囲の景観情報を、保持されている景観情報のなかから取得してメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(景観付地図表示部の具体的な構成)
景観付地図表示部0306は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から景観付地図表示プログラム1266をメインメモリに読み出して実行し、景観情報取得プログラムの実行により得られた景観情報と、保持されている地図情報とに基づき地図上の基準位置に基づいて景観を表示した地図を表示出力する処理を行う。
(グラデーション処理手段の具体的な構成)
グラデーション処理手段0316は、景観付地図表示プログラム1266の実行に際しグラデーション処理サブプログラムを読み出して実行し、地図と表示される景観の境界をグラデーション処理して表示出力する。
(縮尺変更手段の具体的な構成)
縮尺変更手段0326は、景観付地図表示プログラム1266の実行に際し縮尺変更サブプログラムを読み出して実行し、景観の地図に対する縮尺を変更する処理を行い景観を表示出力する。
(表示景観範囲変更手段の具体的な構成)
表示景観範囲変更手段0336は、景観付地図表示プログラム1266の実行に際し表示景観範囲変更サブプログラムを読み出して実行し、基準位置に基づいて景観を表示する範囲を変更する処理を行う。たとえば、基準位置がトンネル内にある時は共通の景観としてのトンネル壁面を基準位置の路面に沿った短い範囲のみでなく、トンネルの全長にわたって表示するように制御してもよい。
また、基準位置の移動速度が高速である場合には地図上の路面に沿ってより長い範囲に景観を表示するようにしてもよい。これは、表示すべき景観を取得する範囲の変更でなく、取得する表示すべき景観の範囲は不変であるが、取得した景観をどの程度引き延ばして表示するか、又は、どの程度縮めて表示するかの制御である。ただし、併せて表示すべき景観を取得する範囲も変更してもよい。したがって、たとえば、取得した景観がビルの路面側の写真である場合でも、地図上のそのビルの存在位置にそのビルの路面側の写真が景観として表示されるとは限らない。
(表示景観範囲変更判断部の具体的な構成)
表示景観範囲変更判断部0307は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から表示景観範囲変更判断プログラム1267をメインメモリに読み出して実行し、取得される基準位置が変更されることにより表示景観範囲が変更されたかを判断する処理をおこなう。
(景観表示制御部の具体的な構成)
景観表示制御部0308は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、表示景観範囲変更判断プログラムの実行結果が変更ありとの内容である場合には、CPUが記憶装置から景観表示制御プログラム1268をメインメモリに読み出して実行し、変更によって表示景観範囲に含まれなくなった範囲の景観の表示を終了させる処理を行う。
<4.処理の流れ>
図13は、本実施形態の情報処理装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1301では、表示される地図の道路上の位置を示す基準位置として現在位置を取得するのか、地図上のポインタの市を取得するのか、地図上のタッチ位置を取得するのかを判断する。
ここでの判断結果が現在位置を取得するとの内容であればステップS1302−Aにて基準位置として現在位置を取得しステップS1303の処理に移行する。地図上のポインタ位置を取得するとの判断結果であればステップS1302−Bにて基準位置として地図上のポインタ位置を取得しステップS1303の処理に移行する。地図上のタッチ位置を取得するとの判断結果であればステップS1302−Cにて基準位置として地図上のタッチ位置を取得しステップS1303の処理に移行する。
ステップS1303では、取得された基準位置に基づいて表示される地図上の当該道路に隣接して表示する景観を表示すべき範囲である表示景観範囲を取得する(表示景観範囲取得ステップ)。その後ステップS1304では、取得した表示景観範囲に変更があるか否かを判断する(表示景観範囲変更判断ステップ)。
ここでの判断結果が変更有との内容である場合にはステップS1305の処理に移行し、変更がないあるいは表示景観範囲の取得が初めてであるとの判断結果である場合にはステップS1306の処理に移行する。ステップS1305では、変更によって表示景観範囲に含まれなくなった範囲の景観の表示を終了させ、ステップS1306では景観情報として特に所定高景観情報や共通景観情報を取得するか否かの判断を行う。
ここでの判断結果が所定高景観情報を取得するとの内容である場合には、ステップS1307−Aにて所定高景観情報を取得してステップS1308の処理に移行する。共通景観情報を取得するとの内容であれば、ステップS1307−Bにて共通景観情報を取得しステップS1308の処理に移行する。特に上記情報を取得しないとの判断結果であれば、景観情報を取得しステップS1308の処理に移行する。
そしてステップS1308では、取得した景観情報と地図情報とに基づき地図上の基準位置に基づいて景観を表示した地図を表示する(景観付地図表示ステップ)。その後ステップS1309では引き続き地図表示に関する処理を続けるかどうかを判断し、続けるとの判断結果である場合にはステップS1301以降の処理に戻る。
<5.効果>
以上の構成を有する情報処理装置を利用することにより、地図を見る際に情報過多とならず基準位置周辺の景観を把握することができる。
情報処理装置…0300、地図情報保持部…0301、景観情報保持部…0302、基準位置取得部…0303、表示景観範囲取得部…0304、景観情報取得部…0305、景観付地図表示部…0306

Claims (12)

  1. 地図を表示するための情報である地図情報を保持する地図情報保持部と、
    表示される地図の道路の側方の景観を表わす景観情報を保持する景観情報保持部と、
    表示される地図の道路上の位置を示す基準位置を取得する基準位置取得部と、
    取得された基準位置に基づいて表示される地図上の当該道路に隣接して表示する景観を取得すべき範囲である表示景観範囲を取得する表示景観範囲取得部と、
    取得した表示景観範囲の景観情報を景観情報保持部から取得する景観情報取得部と、
    取得した景観情報と保持されている地図情報とに基づき地図上の基準位置に基づいて当該道路の一部に隣接して景観を表示した地図である景観付地図を表示する景観付地図表示部と、を有し、
    前記地図は2次元の地図である情報処理装置。
  2. 景観情報保持部は、表示される地図の道路から所定の高さの範囲の景観を表わす景観情報である所定高景観情報を保持する所定高景観情報保持手段を有する請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 取得される基準位置が変更されることにより表示景観範囲が変更されたか判断する表示景観範囲変更判断部と、
    表示景観範囲変更判断部での判断結果が表示景観範囲が変更されたとの判断結果である場合には、景観付地図表示部に対して変更によって表示景観範囲に含まれなくなった範囲の景観の表示を終了させる景観表示制御部と、
    を有する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 景観付地図表示部は、地図と表示される景観の境界をグラデーション処理するグラデーション処理手段を有する請求項1から3のいずれか一に記載の情報処理装置。
  5. 景観付地図表示部は、表示する景観の地図に対する縮尺を変更する縮尺変更手段を有する請求項1から4のいずれか一に記載の情報処理装置。
  6. 景観付地図表示部は、基準位置に基づいて景観を表示する地図上の範囲を変更する表示範囲変更手段を有する請求項1から5のいずれか一に記載の情報処理装置。
  7. 基準位置取得部は、現在位置を基準位置として取得する現在基準位置取得手段を有する請求項1から6のいずれか一に記載の情報処理装置。
  8. 基準位置取得部は、表示されている地図上のポインタの位置を基準位置として取得するポインタ基準位置取得手段を有する請求項1から7のいずれか一に記載の情報処理装置。
  9. 基準位置取得部は、表示されている地図上のタッチ位置を基準位置として取得するタッチ基準位置取得手段を有する請求項1から8のいずれか一に記載の情報処理装置。
  10. 景観情報保持部は、表示される景観として道路の属性に応じて共通に利用可能な共通景観を表示するための景観情報である共通景観情報を保持する共通景観情報保持手段を有する請求項1から9のいずれか一に記載の情報処理装置。
  11. 地図を表示するための情報である地図情報を保持する地図情報保持部と、
    表示される地図の道路の側方の景観を表わす景観情報を保持する景観情報保持部と、
    を有する情報処理装置の動作方法であって、
    表示される地図の道路上の位置を示す基準位置を取得する基準位置取得ステップと、
    取得された基準位置に基づいて表示される地図上の当該道路に隣接して表示する景観を取得すべき範囲である表示景観範囲を取得する表示景観範囲取得ステップと、
    取得した表示景観範囲の景観情報を景観情報保持部から取得する景観情報取得ステップと、
    取得した景観情報と保持されている地図情報とに基づき地図上の基準位置に基づいて当該道路の一部に隣接して景観を表示した地図である景観付地図を表示する景観付地図表示ステップと、
    を有する情報処理装置の動作方法。
  12. 地図を表示するための情報である地図情報を保持する地図情報保持部と、
    表示される地図の道路の側方の景観を表わす景観情報を保持する景観情報保持部と、
    を有する情報処理装置の動作プログラムであって、
    表示される地図の道路上の位置を示す基準位置を取得する基準位置取得ステップと、
    取得された基準位置に基づいて表示される地図上の当該道路に隣接して表示する景観を取得すべき範囲である表示景観範囲を取得する表示景観範囲取得ステップと、
    取得した表示景観範囲の景観情報を景観情報保持部から取得する景観情報取得ステップと、
    取得した景観情報と保持されている地図情報とに基づき地図上の基準位置に基づいて当該道路の一部に隣接して景観を表示した地図である景観付地図を表示する景観付地図表示ステップと、
    を計算機である情報処理装置に読取実行可能なプログラム。
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