JP2019143599A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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渡邉 隆司
Takashi Watanabe
隆司 渡邉
昭治 中嶋
Akiharu Nakajima
昭治 中嶋
雅洋 稲垣
Masahiro Inagaki
雅洋 稲垣
佐藤 真一
Shinichi Sato
真一 佐藤
紀一 出戸
Kiichi Ideto
紀一 出戸
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Abstract

【課題】開閉を適切に行なうことができ、開閉の際に不要な位置に応力集中が発生することを抑制可能な吐出リード弁を備えたベーン型圧縮機を得る。【解決手段】ベーン型圧縮機は、シリンダ部14の軸方向における一方側に位置する端面14tに重なるように配置された弁プレート80と、吐出リード弁81に切欠82が設けられることによって形成される板ばね状の吐出リード弁81と、締結具78と、を備える。吐出リード弁81は、先端部81aと基端部81bとを有し、吐出通路37を開閉可能なように端面14tを弁座として配置されており、切欠82は、先端部80aから基端部80bに向かう方向において、締結具78の締結位置を越える位置にまで到達するように延在している。【選択図】図2

Description

本発明は、ベーン型圧縮機に関する。
特開2013−249768号公報(特許文献1)には、ベーン型圧縮機に関する発明が開示されている。この圧縮機においては、リアサイドブロックがシリンダに結合されることにより圧縮室が形成されている。リアサイドブロックには吐出孔が設けられており、この吐出孔を開閉可能なように吐出リード弁がリアサイドブロックに取り付けられている。圧縮室で圧縮された冷媒は、吐出孔を通過し、吐出リード弁を押し退けて吐出空間に吐出される。
特開2013−249768号公報
特開2013−249768号公報(特許文献1)に開示された圧縮機においては、リアサイドブロックと吐出リード弁とが互いに別の部材から構成される。部品点数を少なくするためには、リアサイドブロックと吐出リード弁との双方の機能を備える部材を、1枚の板状部材から作製するという手法が考えられる。
吐出リード弁は、1枚の板状部材に切欠を設けることによって形成することができる。切欠の形成によって板ばね状の吐出リード弁を構成した場合、吐出リード弁が適切に固定されていないと、開閉が適切に行なわれ難くなったり、開閉の際に不要な位置に応力集中が発生しやすくなったりする。
本発明は、開閉を適切に行なうことができ、開閉の際に不要な位置に応力集中が発生することを抑制可能な吐出リード弁を備えたベーン型圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に基づくベーン型圧縮機は、筒状のシリンダ部を有し、上記シリンダ部の内側にシリンダ室が形成されるハウジングと、上記ハウジングにより回転可能に支持された回転軸と、上記回転軸を環状に囲む板状の形状を有し、上記シリンダ部の軸方向における一方側に位置する端面に重なるように配置された弁プレートと、上記シリンダ室内に収容され、上記回転軸と一体的に回転可能であり、外周面に複数のベーン溝が形成されたロータと、上記複数のベーン溝の各々に出没可能に装着されたベーンと、上記シリンダ室内に、上記シリンダ部、上記ロータおよび上記ベーンによって形成される圧縮室と、上記シリンダ部の上記端面に開口するように形成され、上記圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される吐出通路と、上記圧縮室で圧縮された冷媒が上記吐出通路を介して吐出される吐出室と、上記弁プレートに切欠が設けられることによって形成される板ばね状の吐出リード弁と、上記吐出リード弁を上記シリンダ部の上記端面に固定する締結具と、を備え、上記吐出リード弁は、上記吐出通路を開閉する先端部と、上記先端部の反対側に位置する基端部とを有し、上記吐出通路を開閉可能なように上記端面を弁座として配置されており、上記切欠は、上記先端部から上記基端部に向かう方向において、上記締結具の締結位置を越える位置にまで到達するように延在している。
上記構成によれば、締結具の締結位置が弾性変形の固定端を形成することとなり、吐出リード弁による吐出通路の開閉を適切に行なうことができ、開閉の際に不要な位置に応力集中が発生することも効果的に抑制することが可能となる。
上記ベーン型圧縮機において好ましくは、上記切欠は、外側開口端を有し、上記外側開口端が上記弁プレートの外周縁で開口するように形成されている。
上記構成によれば、吐出リード弁の外周縁と中央部の外周縁とが1つの連続した閉曲線から形成されることとなり、吐出リード弁は弁プレートの中で径方向における最外側に位置することとなる。中央部の面積をその分広く確保することが可能となり、たとえばより大きな容量を有するシリンダ室を形成することが可能となる。
上記ベーン型圧縮機において好ましくは、上記切欠は、上記弁プレートの周方向に沿うように延在する第1部分と、上記第1部分から上記外側開口端に向かって上記弁プレートの径方向の内側から外側に延びる第2部分と、を有している。
上記構成によれば、吐出リード弁を形成するための切欠をより小さく構成することにより、吐出リード弁の表面積と中央部の表面積とをより多く確保することができ、ひいては所定の剛性を有する弁プレートを効率よく得ることが可能となる。
上記ベーン型圧縮機において好ましくは、上記弁プレートは、上記シリンダ部とともに上記シリンダ室を形成する中央部を有し、上記弁プレートの径方向において上記吐出リード弁の外側に位置する外周縁は、上記中央部の外周縁を規定している周方向に沿うように延在している。
上記構成によれば、弁プレートの径方向において外周縁の位置をより外側に設けることによって、吐出リード弁の表面積をより多く確保することができ、ひいては所定の剛性を有する吐出リード弁を効率よく得ることが可能となる。
上記ベーン型圧縮機において好ましくは、上記吐出リード弁は、上記先端部および上記基端部が上記弁プレートの外周域に位置するように延在している。
上記構成によれば、先端部および基端部が弁プレートの外周域に位置するように吐出リード弁が延在しているため、吐出リード弁のアーム長さを変更したとしてもハウジングの内径におよぶ影響を小さくすることが可能となる。たとえば、吐出リード弁のアーム長さを長くした場合であっても圧縮機の大型化を抑制することが可能となる。
上記ベーン型圧縮機において好ましくは、上記切欠のうち、上記先端部から上記基端部に向かう方向において上記締結具の上記締結位置を越えて延在している部分は、上記吐出リード弁の幅を狭めるように湾曲している。
上記構成によれば、弁プレートのうちの吐出リード弁が形成されている部分は、弁プレートの長手方向に延びる中心軸に対して左右対称により近い形状を呈することとなり、吐出リード弁が弾性変形して吐出通路を開閉する際、吐出リード弁に捩れなどが発生することをより一層抑制でき、吐出リード弁の幅方向において吐出リード弁がより均一に弾性変形することが可能となる。
上記ベーン型圧縮機において好ましくは、上記吐出通路は、上記シリンダ部の内周面に開口しており、上記軸方向に対して交差する方向に沿って斜めに延在している。
上記構成によれば、たとえば吐出通路がL字状に形成される場合に比べてデッドボリュームを小さくすることが可能となる。
上記ベーン型圧縮機において好ましくは、上記ハウジングは、吸入ポートを有し、上記吸入ポートには、上記シリンダ室に吸入される冷媒の逆流を防止する逆止弁が設けられており、上記締結具は、上記締結具を上記軸方向に仮想的に投影させた際に形成される投影像が上記逆止弁に重ならない位置に配置されている。
上記構成によれば、逆止弁が配置されている位置は、吐出通路が形成されている位置に比べて軸方向に作用する圧力が小さいため、たとえば、吐出通路に対応する位置に締結具を配置することによって、締結具の締結力を効率よく利用可能となる。
上記のベーン型圧縮機によれば、吐出リード弁が開閉を適切に行なうことができ、開閉の際に不要な位置に応力集中が発生することも抑制可能となる。
実施の形態におけるベーン型圧縮機10を示す断面図である。 実施の形態におけるベーン型圧縮機10の分解した状態を示す斜視図である。 実施の形態におけるベーン型圧縮機10の分解した状態を示す側面図である。 実施の形態におけるベーン型圧縮機10に備えられた吐出リード弁81およびその周辺構成を示す断面図である。 実施の形態の変形例(その他の構成1)におけるベーン型圧縮機の分解した状態を示す側面図である。
実施の形態におけるベーン型圧縮機10について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。図1は、ベーン型圧縮機10を示す断面図である。以下の説明においては便宜上のため、図1に示すベーン型圧縮機10の図中左方向を前方と称し、同右方向を後方と称する。
図2は、ベーン型圧縮機10の分解した状態を示す斜視図である。図2に示すフロントハウジング13、弁ユニット15(弁プレート80およびリテーナプレート90)およびガスケット50については、後方側から前方側に向かってこれらを斜めに見た様子が図示されており、リヤハウジング12については、前方側から後方側に向かってリヤハウジング12を斜めに見た様子が図示されている。
図3は、ベーン型圧縮機10の分解した状態を示す側面図である。図3に示すフロントハウジング13、弁ユニット15(弁プレート80およびリテーナプレート90)およびガスケット50については、後方側から前方側に向かって回転軸16の軸方向に沿ってこれらを側面視した様子が図示されており、リヤハウジング12については、前方側から後方側に向かって回転軸16の軸方向に沿ってリヤハウジング12を側面視した様子が図示されている。図3に示すリヤハウジング12の周壁12aには、便宜上のため斜線のハッチングを付している。図4は、ベーン型圧縮機10に備えられた吐出リード弁81およびその周辺構成を示す断面図である。
[ベーン型圧縮機10]
ベーン型圧縮機10は、たとえば車両に搭載され、車両の空調装置に用いられる。図1に示すように、ベーン型圧縮機10は、ハウジング11、弁ユニット15、回転軸16、ロータ18(図1,図3)、ベーン19(図3)、およびガスケット50(図2,図3)等を備える。
(ハウジング11)
ハウジング11は筒状のシリンダ部14を有する。本実施の形態では、ハウジング11がリヤハウジング12とフロントハウジング13とから構成される。フロントハウジング13はリヤハウジング12の前端に結合される。シリンダ部14は、フロントハウジング13に設けられる。リヤハウジング12は周壁12aを有し、シリンダ部14は周壁12aの内側に配置される。周壁12aには吸入ポート22(図1)が形成され、吸入ポート22の内側には逆止弁26が設けられる。
シリンダ部14の内周面14cは、楕円状の形状を有する(図2,図3)。シリンダ部14の外周面には凹部14aが設けられる。凹部14aはシリンダ部14の全周に亘って延在する。凹部14aおよびリヤハウジング12の内周面により吸入空間20が区画される。シリンダ部14には一対の吸入孔23(図1,図3)が設けられる。吸入行程の際、吸入空間20は吸入孔23を通じてシリンダ室14d(図3)に連通する。
フロントハウジング13は底壁部13p(図1)を有する。底壁部13pには孔13hが設けられ、孔13hには回転軸16が挿通される。回転軸16とフロントハウジング13との間には軸封装置17aが設けられる。底壁部13pは、シリンダ室14d(図3)を区画する端面13s(図1)を有する。端面13s、内周面14c、および、後述する弁プレート80の前面80a(中央部87)により、シリンダ部14の内側にシリンダ室14dが形成される。
シリンダ室14d(図3)内にはロータ18が収容される。ロータ18は回転軸16と一体的に回転可能である。ロータ18の外周面18cには複数のベーン溝18aが形成される。複数のベーン溝18aの各々にはベーン19が出没可能に装着される。ロータ18の外周面18cと、シリンダ部14の内周面14cと、隣り合う一対のベーン19と、底壁部13pの端面13s(図1)と、後述する弁プレート80の前面80a(中央部87)とにより、シリンダ室14d内に圧縮室21(図3)が形成される。
ベーン溝18aの底面とベーン19の底面とによって背圧室41(図3)が形成される。背圧室41は、ベーン19に背圧を付与し、ベーン19を外周側に押し出す。図1および図3に示すように、底壁部13pの端面13sには、周方向にて互いに離間した複数の(ここでは2つの)通油溝13aが形成されている。複数の通油溝13aの各々は、互いに隣り合っている背圧室41同士の間を接続するように周方向に延在している。
リヤハウジング12の底部12tには、有底状のカバー部36が一体的に設けられる。カバー部36は、自身の前側に壁部36j(隔壁)を有している。カバー部36の内部(カバー部36自身の内部)には、壁部36jによって油分離室36sが区画される。油分離室36s内には油分離筒36wが設けられる。油分離筒36wの上方には吐出ポート34が形成される。
カバー部36の壁部36jには連絡通路36k(図1,図3)と油通路36vとが形成される。圧縮室21で圧縮された冷媒は吐出通路37(後述する)を介して吐出室35aに吐出される。連絡通路36kは吐出室35aと油分離室36sとを連通させる。油通路36vは、油分離室36sと貯油室35b(後述する)とを連通させる。貯油室35bは油分離室36sで分離された潤滑油を貯留する。
カバー部36の壁部36jには、第1突出部36a(図1〜図3)、第2突出部36b、段差部36d、垂下部36f、および連通孔36mが形成される。第1突出部36a、第2突出部36b、段差部36d、および垂下部36fの前端面は、回転軸16の軸方向に対して直交する同一の平面内に位置する。
第1突出部36aおよび第2突出部36bはいずれも円環状に延びる形状を有し、第1突出部36aは、第2突出部36bの内径側に位置する。第1突出部36aの内側には、回転軸16(図1)が挿入される凹部36uが設けられる。ハウジング11により、すなわちフロントハウジング13に設けられた孔13hとリヤハウジング12(第1突出部36a)の内周面36eとにより回転軸16が回転可能に支持される。
段差部36dは、第2突出部36bの外径側において円弧状に延在する。垂下部36fは第1突出部36aの下部から下方に向かって延在しており、垂下部36fを貫通するように連通孔36mが設けられる。連通孔36mの前端部分は垂下部36fの前端面に開口しており、連通孔36mの後端部分36n(図1)は第1突出部36aの内周面36eに開口している。
シリンダ部14は端面14tを有する。端面14tは、シリンダ部14のうちの回転軸16の軸方向における一方側(後方側)に位置する。端面14tは、回転軸16の軸方向に対して直交する平面形状を有する。シリンダ部14には、吐出通路37が設けられる。端面14tには、吐出通路37の後端部分と複数のネジ穴14m,14n(図2,図3)とが開口している。吐出通路37の前端部分はシリンダ部14の内周面14cに開口している(図1,図2)。
吐出通路37は、シリンダ室14d(圧縮室21)で圧縮された冷媒が吐出される通路である。吐出通路37は、シリンダ部14の端面14t上に設けられた吐出リード弁81(図2,図3)により開閉する。圧縮室21で圧縮された冷媒は、吐出通路37を通過し、吐出リード弁81を押し退けて吐出室35a(後述する)へ吐出される。
(弁ユニット15)
弁ユニット15は弁プレート80とリテーナプレート90との2枚を含む。弁プレート80は前面80aおよび後面80bを有する。リテーナプレート90は前面90aおよび後面90bを有する。弁プレート80およびリテーナプレート90には、回転軸16が挿通される孔87h,97hがそれぞれ設けられる。
弁プレート80およびリテーナプレート90はいずれも、全体として回転軸16を環状に囲む板状(円盤状)の形状を有し、リヤハウジング12の周壁12aの内側に配置される。弁プレート80は、前面80aがシリンダ部14の端面14tに重なるように配置される。リテーナプレート90は、前面90aが弁プレート80の後面80bに重なるように配置される。
弁プレート80およびリテーナプレート90は、シリンダ部14の端面14tに、複数のボルト78,79(図2)を用いて固定される。弁プレート80には複数の挿通孔88,89が形成されており、リテーナプレート90には複数の挿通孔98,99が形成されている。ボルト78は挿通孔98,88に挿通されてネジ穴14mに螺合し、ボルト79は挿通孔99,89に挿通されてネジ穴14nに螺合する。ボルト78は、締結具に相当する部材であり、後述する吐出リード弁81をシリンダ部14の端面14tに固定する。
弁プレート80には連通孔87v(図2,図3)が設けられる。リテーナプレート90には連通溝97g(図3)が設けられる。連通溝97gは、リテーナプレート90の前面90a側に設けられ、孔97hの位置から径方向の外側に向かって直線状に延びている。連通孔87vと連通溝97gとは相互に対向する。複数の背圧室41の各々は、回転に伴って、連通孔87vに対向している状態と、連通孔87vに対向していない状態とを繰り返す。
背圧室41が連通孔87vと対向しているときに、連通溝97gおよび連通孔87vを通して背圧室41に潤滑油が供給される。図2,図3に示すように、弁プレート80にも、周方向にて互いに離間した複数の(ここでは2つの)通油溝87wが形成されている。複数の通油溝87wの各々は、互いに隣り合っている背圧室41同士の間を接続するように周方向に延在している。
(吐出リード弁81)
弁プレート80には、略J字形状の切欠82が設けられることにより板ばね状の吐出リード弁81が形成されている。弁プレート80には、一対の切欠82が設けられている。弁プレート80は、中央部87と一対の吐出リード弁81とを有している。中央部87は、切欠82,82の間に位置しており、シリンダ部14とともにシリンダ部14の内側にシリンダ室14dを形成する。吐出リード弁81は、切欠82から見て中央部87の反対側、すなわち、切欠82の径方向外側に位置する。
吐出リード弁81の根元に対応する位置に挿通孔88が設けられる。吐出リード弁81はシリンダ部14の端面14tに重なるように配置され、ボルト78(締結具)によって端面14tに締結される。吐出リード弁81は、吐出通路37を開閉する先端部81aと、先端部81aの反対側に位置する基端部81bとを有する。吐出リード弁81が端面14tに締結された状態では、吐出リード弁81は吐出通路37を開閉可能なようにシリンダ部14の端面14tを弁座として配置されており、吐出通路37の後端部分は吐出リード弁81により塞がれる。基端部81bがボルト78によって端面14tに締結されることで、吐出リード弁81の先端部81aは弾性変形の自由端を構成するとともに、吐出リード弁81の基端部81bは弾性変形の固定端を構成する。
吐出リード弁81を形成している切欠82は、先端部81aから基端部81bに向かう方向(矢印AR(図3))において、ボルト78(図2)の締結位置を越える位置にまで到達するように延在している。ボルト78(図2)の締結位置とは、弁プレート80のうちの挿通孔88が形成されている位置に相当する。本実施の形態では、切欠82が、その延在方向(矢印AR)における先端に端部82T(図3)を有している。切欠82の延在方向(矢印AR)において、挿通孔88が形成されている位置を越えるように、切欠82が端部82Tの位置まで延在している。切欠82の延在方向(矢印AR)に対して直交する方向に挿通孔88を仮想的に投影(仮想的にスライド移動)させたとしても、挿通孔88の投影像が端部82Tに重なることはない。
(リテーナ91)
リテーナプレート90には、略J字形状の切欠92が設けられることによってリテーナ91が形成されている。リテーナプレート90には、一対の切欠92が設けられている。リテーナプレート90は、中央部97と一対のリテーナ91とを有している。中央部97は弁プレート80の中央部87を後側から支持する部分であり、切欠92,92の間に位置する。リテーナ91は、切欠92から見て中央部97の反対側、すなわち切欠92の径方向外側に位置する。
リテーナ91の根元に対応する位置に挿通孔98が設けられる。リテーナ91はボルト78によって、弁プレート80を介してシリンダ部14の端面14tに締結される。リテーナ91は、先端部91aと、先端部91aの反対側に位置する基端部91bとを有する。先端部91aは、吐出リード弁81の先端部81aに後側から重ね合わさるように配置され、基端部91bは、吐出リード弁81の基端部81bに後側から重ね合わさるように配置される。リテーナ91は吐出リード弁81の開度を規制する。
リテーナ91を形成している切欠92は、先端部91aから基端部91bに向かう方向において、ボルト78(図2)の締結位置を越える位置にまで到達するように延在している。ボルト78(図2)の締結位置とは、リテーナプレート90のうちの挿通孔98が形成されている位置に相当する。本実施の形態では、切欠92が、その延在方向における先端に端部92T(図3)を有している。切欠92の延在方向において、挿通孔98が形成されている位置を越えるように、切欠92が端部92Tの位置まで延在している。切欠92の延在方向に対して直交する方向に挿通孔98を仮想的に投影(仮想的にスライド移動)させたとしても、挿通孔98の投影像が端部92Tに重なることはない。
(ガスケット50)
図1〜図3に示すように、ガスケット50は、リテーナプレート90とカバー部36との間に配置される。ガスケット50は、リテーナプレート90とカバー部36とにより軸方向に挟み込まれて、吐出室35a、貯油室35bおよび供給室70を区画する。ガスケット50は、たとえば金属製の薄板から構成され、表面はゴム等の樹脂で覆われている。
ガスケット50は、第1環状部51、第2環状部52、外周部53、接続部54,55、垂下部56、および連通孔57を有する。第1環状部51および第2環状部52はいずれも円環状に延びる形状を有し、第1環状部51は、第2環状部52の内径側に位置する。第1環状部51の内側には、回転軸16(図1)が挿通される孔51hが設けられている。接続部54は、径方向に延在し、第1環状部51と第2環状部52とを接続する。
外周部53は、第2環状部52の外径側において円弧状に延在する。接続部55は、径方向に延在し、第2環状部52と外周部53とを接続する。垂下部56は第1環状部51の下部から下方に向かって延在しており、垂下部56を貫通するように連通孔57が設けられる。
図3を参照して、ガスケット50がリテーナプレート90の後面90bに重ね合わされた状態では、孔51hと孔97hとが相互に一致する。ガスケット50の外周部53は、後面90bのうちの挿通孔99,98の間に位置する部分に重ね合わされる。ガスケット50の垂下部56および連通孔57は、後面90b(中央部97)のうちの孔97hの下方に位置する部分に重ね合わされる(図1参照)。
ガスケット50の第1環状部51、第2環状部52、外周部53、および垂下部56は、カバー部36の第1突出部36a、第2突出部36b、段差部36d、および垂下部36fとそれぞれ略同一の形状を有する。ガスケット50の第1環状部51は、リテーナプレート90の中央部97と第1突出部36aとによって挟持される。
ガスケット50の第2環状部52は、リテーナプレート90の中央部97と第2突出部36bとによって挟持される。ガスケット50の外周部53は、リテーナプレート90のうちの挿通孔99,98の間に位置する部分と段差部36dとによって挟持される。ガスケット50の垂下部56は、リテーナプレート90の中央部97と垂下部36fとによって挟持される。
弁プレート80の外縁部(弁プレート80のうちの挿通孔88,89の間に位置する部分)は、シリンダ部14の端面14tのうちのネジ穴14m,14nの間に位置する部分と、リテーナプレート90およびガスケット50(外周部53)を介してリヤハウジング12(カバー部36)の段差部36dとの間に挟まれることにより支持されることとなる。
(貯油室35b、吐出室35a、供給室70)
リテーナプレート90(後面90b)と、ガスケット50の第1環状部51の外周部分と、ガスケット50の第2環状部52の内周部分と、カバー部36の第1突出部36aの外周面と、カバー部36の第2突出部36bの内周面と、第2突出部36bの内側に形成されている凹部36tとによって、貯油室35b(図1)が形成される。
リテーナプレート90(後面90b)と、ガスケット50の第2環状部52の外周部分と、カバー部36の第2突出部36bの外周面と、第2突出部36bの外側に形成されている凹部(カバー部36の壁部36jの表面)とによって、吐出室35a(図1)が形成される。
回転軸16の後端側の部分(孔51hよりも後方側に位置する部分)と、ガスケット50の第1環状部51の内周部分と、カバー部36の第1突出部36aの内周面36eと、第1突出部36aの内側に形成されている凹部36uとによって、供給室70が形成される。供給室70は、貯油室35b内の潤滑油を一時的に貯留し、回転軸16の後端部周りの摺動部へ潤滑油を供給する。
弁ユニット15(弁プレート80およびリテーナプレート90)とカバー部36の前側の壁部36jとの間に、吐出室35a、貯油室35bおよび供給室70が区画されており、これらはいずれも互いに離れた位置(ガスケット50によって分離された位置)に形成される。供給室70は貯油室35bから見て内径側に位置し、貯油室35bは吐出室35aから見て内径側に位置する。カバー部36の前側の壁部36jは、油分離室36sを、吐出室35a、貯油室35bおよび供給室70から区画する隔壁をなしている。
リテーナプレート90の後面90bとガスケット50の垂下部56との間には、隙間S(図1)が設けられる。貯油室35bと供給室70とは、隙間Sと、ガスケット50の連通孔57と、垂下部36fの連通孔36mとを介して連通する。供給室70は、複数の背圧室41の各々に連通してベーン19に背圧を付与する。すなわち、隙間S、連通孔57、連通孔36m、供給室70、第1突出部36aの内周面36eと回転軸16との間の隙間(第1突出部36aの内周面36eと回転軸16との間の摺動部分)、孔51hと回転軸16との間の隙間、孔97hと回転軸16との間の隙間、連通溝97g(図3)、および、連通孔87v(図2,図3)は、貯油室35bに貯留された潤滑油を背圧室41に導く背圧供給路を構成する。
(ベーン型圧縮機10の動作)
回転軸16が回転すると、矢印R(図3)に示す方向にロータ18が回転し、ベーン型圧縮機10の外部から吸入ポート22(図1)を通過して吸入空間20に冷媒が吸入される。吸入空間20に吸入された冷媒は、吸入孔23(図3)を通過して、吸入行程中のシリンダ室14d(圧縮室21)に吸入される。冷媒は、ロータ18の回転に伴う圧縮室21の容積減少により圧縮される。図4に示すように、圧縮室21で圧縮された冷媒は、圧縮室21から吐出通路37に吐出され、吐出通路37を通過し、吐出リード弁81を押し退けて吐出室35aへ吐出される。
冷媒はその後、連絡通路36k(図1)を通過して油分離室36s内に送出される。冷媒は油分離筒36wの外周面に吹き付けられ、油分離筒36wの周囲を旋回しながら油分離室36s内の下方へ導かれる。遠心分離により冷媒から潤滑油が分離される。冷媒から分離された潤滑油は、油分離室36sの底部側へ移動するとともに、油通路36vを通過して貯油室35bに送出される。
油分離室36s内の圧力は貯油室35b内の圧力より高く、貯油室35bに送出された潤滑油の一部は、上記の背圧供給路および背圧室41を通してベーン19に供給される。外周側に押し出されたベーン19により圧縮室21が区画される。潤滑油は、供給室70、背圧室41、通油溝87wおよび通油溝13aなど、ベーン型圧縮機10内の各種の部材を潤滑させるために各所に案内され、ベーン型圧縮機10内で循環する。
油分離室36s内の上側(吐出ポート34側)に位置する空間と、油分離室36sの下方に位置する空間(すなわち貯油室35b)とは直接的には連通していない。油分離室36s内で潤滑油が分離された冷媒は、吐出室35aおよび貯油室35bを通過することなく、吐出ポート34を介してベーン型圧縮機10の外部へ吐出される。
油分離室36s内で潤滑油と分離されて吐出ポート34に向かって流れる冷媒が、貯油室35b内の潤滑油に流入することはほとんどない。油分離室36s内で潤滑油と分離されて吐出ポート34に向かって流れる冷媒が貯油室35b内に貯留されている潤滑油の油面を乱すといったこともほとんどない。
(作用および効果)
特開2013−249768号公報(特許文献1)に開示された圧縮機においては、シリンダ室を形成するリアサイドブロックと、吐出孔を開閉する吐出リード弁とが互いに別の部材から構成される。本実施の形態のベーン型圧縮機10においては、1枚の弁プレート80が、シリンダ室14dを形成するという機能(中央部87)と、吐出通路37を開閉するという機能(吐出リード弁81)との両方を兼ね備えている。上記公報に開示された圧縮機に比べて、ベーン型圧縮機10によればこれら2つの機能を担う構成の部品点数を少なくすることが可能となる。
ベーン型圧縮機10においては、シリンダ部14の端面14tに吐出通路37が開口しており、吐出通路37の後端部分を直接塞ぐように吐出リード弁81が端面14tを弁座として配置されている。仮に、シリンダ部14の端面14tに、特開2013−249768号公報(特許文献1)に開示されているような所定厚みを有するリアサイドブロックを配置したとする。リアサイドブロックには、リアサイドブロックを厚み方向(軸方向)に貫通する吐出孔が形成される。吐出孔の後端部分を塞ぐように吐出リード弁81をリアサイドブロックの後面上に配置した場合には、吐出孔がデッドボリュームとなる。これに対して本実施の形態のベーン型圧縮機10によれば、吐出通路37の後端部分を直接塞ぐように吐出リード弁81が端面14tを弁座として配置されているため、上記のような仮の構成の場合に比べてデッドボリュームを小さくすることが可能となっている。
ベーン型圧縮機10においては、弁プレート80に切欠82を形成することによって、板ばね状の吐出リード弁81が構成されている。仮に、吐出リード弁81を形成している切欠82が、吐出リード弁81の先端部81aから基端部81bに向かう方向(矢印AR(図3))において、ボルト78(図2)の締結位置を越える位置にまで到達するように延在していないとする。このような場合、ボルト78の締結位置よりも先端部81aに近い箇所に弾性変形の固定端が形成される。このように形成された固定端は、ボルト78の締結位置から離れているため、弾性変形の固定端(起点)として安定して機能することが難しく、結果として、吐出リード弁81による吐出通路37の開閉が適切に行なわれ難くなったり、開閉の際に不要な位置に応力集中が発生しやすくなったりする。これに対し、ベーン型圧縮機10においては、吐出リード弁81を形成している切欠82が、吐出リード弁81の先端部81aから基端部81bに向かう方向(矢印AR(図3))において、ボルト78(図2)の締結位置を越える位置にまで到達するように延在している。すなわち、上述の仮の技術思想の下では、切欠の端部により弾性変形の固定端が規定されるが、本実施の形態においてはボルト78によって弾性変形の固定端が規定される。ボルト78の締結位置が弾性変形の固定端を形成することとなり、吐出リード弁81による吐出通路37の開閉を適切に行なうことができ、開閉の際に不要な位置に応力集中が発生することも効果的に抑制することが可能となる。本実施の形態では切欠82は略J字形状を有しているが、切欠82の形状は、略J字形状に限られず、たとえば、C字形状、L字形状、U字形状、V字形状など、任意のアルファベット文字を模した形状を呈していても構わない。
ベーン型圧縮機10においては、シリンダ部14の端面14tにネジ穴14m,14nが開口しており、挿通孔88,89,98,99に挿通されたボルト78,79によって弁ユニット15(弁プレート80およびリテーナプレート90)がシリンダ部14の端面14tに固定されている。このような構成に限られず、カバー部36の壁部36jから前側に向けて延びる突出部を設けて、弁ユニット15がこの突出部から受ける押圧力によってシリンダ部14の端面14tに固定されることも可能であるが、ネジ穴14m,14nとボルト78,79とによる固定手法の方が、突出部をカバー部36に設ける場合に比べて吐出リード弁81の基端部81bをシリンダ部14に直接的に固定でき、設計変更(仕様変更)などに柔軟に対応しやすいというメリットがある。
(その他の構成1)
図3に示すように、ベーン型圧縮機10においては、切欠82(図3)が、外側開口端83、湾曲部84、直線部85、および内側端86を有しており、全体として略J字形状に延びている。切欠82は、外側開口端83が弁プレート80の外周縁で開口するように形成されている。当該構成によれば、吐出リード弁81の外周縁と中央部87の外周縁とが1つの連続した閉曲線から形成されることとなり、吐出リード弁81は弁プレート80の中で径方向における最外側に位置することとなる。中央部87の面積をその分広く確保することが可能となり、たとえばより大きな容量を有するシリンダ室14dを形成することが可能となる。
本実施の形態においては、吐出リード弁81が弁プレート80の外周縁(最外側)の位置に形成され、吐出リード弁81を規定している切欠82が吐出リード弁81の内周側のみに形成されている。すなわち、図3に示すような吐出リード弁81の構成が採用されている。このような構成を採用した上で特段の対策が実施されていない場合には、弁の開閉の起点(弾性変形の固定端)が安定しにくく、弾性変形(すなわち開閉)の際に吐出リード弁81にねじれが生じて開閉が安定しなくなる可能性がある。これに対して本実施の形態においては、吐出リード弁81を形成している切欠82が、吐出リード弁81の先端部81aから基端部81bに向かう方向(矢印AR(図3))において、ボルト78(図2)の締結位置を越える位置にまで到達するように延在している。ボルト78の締結位置が弾性変形の固定端を形成することとなり、吐出リード弁81による吐出通路37の開閉を適切に行なうことができ、開閉の際に不要な位置に応力集中が発生することも効果的に抑制することが可能となる。
図5に示すように、切欠82は、弁プレート80の外周縁80sから離れた位置に設けられていてもよい。図5に示す切欠82は、略U字形状に形成され、一対の端部82Tを有している。切欠92についても同様に、略U字形状に形成され、一対の端部92Tを有している。切欠82,92は、いわゆる抜き孔(貫通孔)の形状を有している。当該構成によれば、吐出リード弁81やリテーナ91を、これらの長手方向に延びる中心軸に対して左右対称に構成することが容易に可能となり、吐出リード弁81が弾性変形して吐出通路37を開閉する際、吐出リード弁81に捩れなどが発生することをより一層抑制でき、吐出リード弁81の幅方向において吐出リード弁81がより均一に弾性変形することが可能となる。
(その他の構成2)
切欠82の湾曲部84は、外側開口端83に連続して形成されており、外側開口端83の位置から径方向の内側に向かって湾曲して延在している。外側開口端83および湾曲部84は、吐出リード弁81の先端部81aの外周縁を円弧状に囲むように延在している。直線部85は、湾曲部84に連続して形成されている。直線部85は、吐出リード弁81のうちの長手方向に延びる側部(弁プレート80の径方向における内側に位置する側部)を形成している。
切欠82の直線部85は第1部分に相当しており、弁プレート80の周方向に沿うように延在している。換言すると、直線部85のうちの湾曲部84の側に位置する端部と、直線部85のうちの内側端86の側に位置する端部とは、いずれも弁プレート80の外周域内に存在しており、弁プレート80(中央部87)の周方向において相互に離間するように配置されている。本実施の形態では、直線部85は弁プレート80の径方向に対して直交する方向に直線状に延在している。湾曲部84は、第2部分に相当しており、直線部85から外側開口端83に向かって弁プレート80の径方向の内側から外側に延びている。
切欠82が直線部85(第1部分)と湾曲部84(第2部分)とを有していることによって、吐出リード弁81のうちの長手方向に延びる側部(弁プレート80の径方向における内側に位置する側部)と、吐出リード弁81の先端部81aとが形成される。吐出リード弁81を形成するための切欠82をより小さく構成することにより、吐出リード弁81の表面積と中央部87の表面積とをより多く確保することができ、ひいては所定の剛性を有する弁プレート80を効率よく得ることが可能となっている。
(その他の構成3)
図3に示すように、ベーン型圧縮機10の弁プレート80は、シリンダ部14とともにシリンダ室14dを形成する中央部87を有している。吐出リード弁81は、切欠82から見て中央部87の反対側、すなわち切欠82の径方向外側に位置する。弁プレート80の径方向において吐出リード弁81の外側に位置する外周縁81s(弁プレート80の径方向における外側に位置する側部)は、中央部87の外周縁87sを規定している周方向に沿うように延在している。換言すると、外周縁81sの一端と外周縁81sの他端とは、中央部87の外周縁87sを規定している周方向において相互に離間するように位置している。
弁プレート80の径方向において吐出リード弁81の外側に位置する外周縁81sは、吐出リード弁81の中で径方向における最外側に位置している。弁プレート80の径方向において外周縁81sの位置をより外側に設けることによって、吐出リード弁81の表面積をより多く確保することができ、ひいては所定の剛性を有する吐出リード弁81を効率よく得ることが可能となっている。
(その他の構成4)
本実施の形態においては、吐出リード弁81の外周縁81sは、直線状に延びている。中央部87の外周縁87sを規定している周方向を延長して仮想円C(図3)を描いたとすると、弁プレート80の径方向において吐出リード弁81の外側に位置する外周縁81sはこの仮想円Cよりも内側に位置している。当該構成によれば、吐出リード弁81が設けられた弁プレート80をリヤハウジング12(周壁12a)の内側に容易に配置することができる。
弁プレート80の径方向において吐出リード弁81の内側に位置する側部(外周縁81s)が直線状であることにより、吐出リード弁81のばね定数を容易に算出することが可能となり、設計上の都合もよい。弁プレート80の径方向において吐出リード弁81の内側(直線部85側)に位置する側部が直線状であることによっても、吐出リード弁81のばね定数を容易に算出することが可能となり、設計上の都合もよい。吐出リード弁81の両方の側部が直線状であることにより、吐出リード弁81は安定して吐出通路37を開閉することも可能となる。
弁プレート80の径方向において吐出リード弁81の外側に位置する外周縁および吐出リード弁81の内側に位置する内周縁が、直線状に延びる形状を有し、互いに平行に延在している。吐出リード弁81の幅方向において中心に位置し且つ吐出リード弁81の延在方向に沿って延びる直線を描いたとすると、当該構成によれば、吐出リード弁81は、当該直線に対して略対称形状を有することとなるため、吐出リード弁81は安定して開閉動作を行なうことが可能となる。
(その他の構成5)
吐出リード弁81は、先端部81aおよび基端部81bが弁プレート80の外周域に位置するように延在している。先端部81aと基端部81bとは弁プレート80(中央部87)の周方向において相互に離間している。仮に、先端部81aおよび基端部81bのうちのいずれかが弁プレート80の外周域に位置しないように吐出リード弁81が延在している場合、先端部81aと基端部81bとの間の距離を増減させることは、周壁12aの内径の変化に繋がる可能性がある。先端部81aおよび基端部81bの双方が弁プレート80の外周域に位置するように吐出リード弁81が延在している場合、先端部81aと基端部81bとの間の距離を増減させたとしても、周壁12aの内径への影響を少なく(または影響がおよばないように)することができ、設計変更(仕様変更)などに柔軟に対応しやすいというメリットがある。たとえば、吐出リード弁81のアーム長さを長くした場合であっても、ベーン型圧縮機10の大型化を抑制することが可能となる。
(その他の構成6)
切欠82の内側端86は、直線部85に連続して形成されており、直線部85の位置に対して湾曲部84の反対側に設けられる。内側端86の一部が、切欠82の端部82Tを構成している。内側端86の一部または全部が、先端部81aから基端部81bに向かう方向(矢印AR(図3))においてボルト78の締結位置を越える位置に配置されている。
切欠82のうち、先端部81aから基端部81bに向かう方向(矢印AR)においてボルト78の締結位置を越えて延在している部分(ここでは直線部85から内側端86に向けて延びる部分)は、吐出リード弁81の幅を狭めるように、あるいはボルト78(図2)の周方向(ここでは挿通孔88の周方向)に沿うように湾曲している。吐出リード弁81の外周縁81sも、吐出リード弁81の幅を狭めるように、あるいはボルト78(図2)の周方向(ここでは挿通孔88の周方向)に沿うように湾曲している。
当該構成によれば、弁プレート80のうちの吐出リード弁81が形成されている部分の幅が、先端部81aの側から基端部81bの側に向かうにしたがって左右で略均等に増減することとなる。すなわち、弁プレート80のうちの吐出リード弁81が形成されている部分は、弁プレート80の長手方向に延びる中心軸に対して左右対称により近い形状を呈することとなる。吐出リード弁81が弾性変形して吐出通路37を開閉する際、吐出リード弁81に捩れなどが発生することをより一層抑制でき、吐出リード弁81の幅方向において吐出リード弁81がより均一に弾性変形することが可能となる。
(その他の構成7)
吐出通路37の前端部分は、シリンダ部14の内周面14cに開口しており(図1,図2)、吐出通路37の後端部分は、シリンダ部14の端面14tに開口している。図1に示すように、吐出通路37は、回転軸16の軸方向に対して交差する方向に沿って、斜めに延在している。径方向における位置を比較すると、吐出通路37の後端部分は吐出通路37の前端部分よりも外側に位置している。
吐出通路37は、L字状に屈曲または湾曲して形成することも可能である。すなわち、吐出通路37は、回転軸16に対して直交する方向(すなわち径方向)に延びるように形成された部分と、当該部分から後方に向かって軸方向に延びるように形成された部分とから構成することも可能である。これに対して、吐出通路37が回転軸16の軸方向に対して交差する方向に沿って斜めに延在している場合には、L字状の吐出通路37の場合に比べてデッドボリュームを小さくすることが可能となる。
(その他の構成8)
ベーン型圧縮機10においては、弁プレート80およびリテーナプレート90が、複数のボルト78,79(図2)を用いてシリンダ部14の端面14tに固定されている。ボルト78,79のうちのボルト78が、吐出リード弁81を端面14tに締結している。弁プレート80およびリテーナプレート90は、ボルト78のみによりシリンダ部14の端面14tに固定されていてもよい。ボルト79が用いられないため、弁プレート80をシリンダ部14に固定するための構成の部品点数を少なくすることが可能となる。
(その他の構成9)
上述のとおり、吸入ポート22(図1)の内側にはシリンダ室14dに吸入される冷媒の逆流を防止するための逆止弁26が設けられる。ボルト78,79(図2)は、ボルト78,79を逆止弁26の側に向かって軸方向に仮想的に投影させた際に形成される投影像が、逆止弁26に重ならない位置に配置されているとよい。逆止弁26が配置されている位置は、吐出通路37が形成されている位置に比べて軸方向に作用する圧力が小さい。吐出通路37に対応する位置にボルト78,79を配置することによって、ボルト78,79の締結力を効率よく利用可能となる。
(その他の構成10)
ベーン型圧縮機10においては、底壁部13pとシリンダ部14とが一体に形成されているが、フロントサイドプレートとして底壁部13pをシリンダ部14とは別体に形成し、軸方向において間隔を空けて配置されたフロントサイドプレートと弁ユニット15との間にシリンダ部14が配置されている構成であってもよい。油分離室36sは、鉛直方向に延在するように図示されているが、油分離室36sは、鉛直方向に対して傾斜して配置されていてもよい。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ベーン型圧縮機、11 ハウジング、12 リヤハウジング、12a 周壁、13 フロントハウジング、13a,87w 通油溝、13h,51h,87h,97h 孔、13p 底壁部、13s,14t 端面、14 シリンダ部、14a,36t,36u 凹部、14c,36e 内周面、14d シリンダ室、14m,14n ネジ穴、15 弁ユニット、16 回転軸、17a 軸封装置、18 ロータ、18a ベーン溝、18c 外周面、19 ベーン、20 吸入空間、21 圧縮室、22 吸入ポート、23 吸入孔、26 逆止弁、34 吐出ポート、35a 吐出室、35b 貯油室、36 カバー部、36a 第1突出部、36b 第2突出部、36d 段差部、36f,56 垂下部、36j 壁部、36k 連絡通路、36m,57,87v 連通孔、36n 後端部分、36s 油分離室、36v 油通路、36w 油分離筒、37 吐出通路、41 背圧室、50 ガスケット、51 第1環状部、52 第2環状部、53 外周部、54,55 接続部、70 供給室、78 ボルト(締結具)、79 ボルト、80 弁プレート、80a,90a 前面、80b,90b 後面、80s,81s,87s 外周縁、81 吐出リード弁、81a,91a 先端部、81b,91b 基端部、82,92 切欠、82T,92T 端部、83 外側開口端、84 湾曲部、85 直線部、86 内側端、87,97 中央部、88,89,98,99 挿通孔、90 リテーナプレート、91 リテーナ、97g 連通溝、AR,R 矢印、C 仮想円、S 隙間。

Claims (8)

  1. 筒状のシリンダ部を有し、前記シリンダ部の内側にシリンダ室が形成されるハウジングと、
    前記ハウジングにより回転可能に支持された回転軸と、
    前記回転軸を環状に囲む板状の形状を有し、前記シリンダ部の軸方向における一方側に位置する端面に重なるように配置された弁プレートと、
    前記シリンダ室内に収容され、前記回転軸と一体的に回転可能であり、外周面に複数のベーン溝が形成されたロータと、
    前記複数のベーン溝の各々に出没可能に装着されたベーンと、
    前記シリンダ室内に、前記シリンダ部、前記ロータおよび前記ベーンによって形成される圧縮室と、
    前記シリンダ部の前記端面に開口するように形成され、前記圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される吐出通路と、
    前記圧縮室で圧縮された冷媒が前記吐出通路を介して吐出される吐出室と、
    前記弁プレートに切欠が設けられることによって形成される板ばね状の吐出リード弁と、
    前記吐出リード弁を前記シリンダ部の前記端面に固定する締結具と、を備え、
    前記吐出リード弁は、前記吐出通路を開閉する先端部と、前記先端部の反対側に位置する基端部とを有し、前記吐出通路を開閉可能なように前記端面を弁座として配置されており、
    前記切欠は、前記先端部から前記基端部に向かう方向において、前記締結具の締結位置を越える位置にまで到達するように延在している、
    ベーン型圧縮機。
  2. 前記切欠は、外側開口端を有し、前記外側開口端が前記弁プレートの外周縁で開口するように形成されている、
    請求項1に記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記切欠は、前記弁プレートの周方向に沿うように延在する第1部分と、前記第1部分から前記外側開口端に向かって前記弁プレートの径方向の内側から外側に延びる第2部分と、を有している、
    請求項2に記載のベーン型圧縮機。
  4. 前記弁プレートは、前記シリンダ部とともに前記シリンダ室を形成する中央部を有し、
    前記弁プレートの径方向において前記吐出リード弁の外側に位置する外周縁は、前記中央部の外周縁を規定している周方向に沿うように延在している、
    請求項2または3に記載のベーン型圧縮機。
  5. 前記吐出リード弁は、前記先端部および前記基端部が前記弁プレートの外周域に位置するように延在している、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
  6. 前記切欠のうち、前記先端部から前記基端部に向かう方向において前記締結具の前記締結位置を越えて延在している部分は、前記吐出リード弁の幅を狭めるように湾曲している、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
  7. 前記吐出通路は、前記シリンダ部の内周面に開口しており、前記軸方向に対して交差する方向に沿って斜めに延在している、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
  8. 前記ハウジングは、吸入ポートを有し、
    前記吸入ポートには、前記シリンダ室に吸入される冷媒の逆流を防止する逆止弁が設けられており、
    前記締結具は、前記締結具を前記軸方向に仮想的に投影させた際に形成される投影像が前記逆止弁に重ならない位置に配置されている、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
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