以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るロッカー1の外観斜視図である。図1では、2台のロッカー1が、所定のエリアに設置された様子を示している。ロッカー1は、「ロッカー利用配送サービス」に利用されるロッカーである。ロッカー利用配送サービスとは、受取人に届けるべき荷物について、荷物の配送に従事する者(以下、「配送者」という)がロッカー1に荷物を格納し、受取人が、任意のタイミングで、ロッカー1に格納された荷物を受け取れるようにしたサービスである。以下、配送された荷物をロッカー1を利用して受け取る受取人を「ユーザー」と表現し、配送者と区別する。
図1で例示するロッカー1は、複数(図1の例では、14個)の格納ユニット2を含んで構成される。図1に示すように、1つの格納ユニット2は、複数のロッカーボックス3と、1台の操作パネル4とを含んで構成される。詳細には、本実施形態では、1つの格納ユニット2には、ロッカーボックス3が上下方向に一列に並んで配置されると共に、上下方向における所定の位置において、ロッカーボックス3とロッカーボックス3との間に1台の操作パネル4が配置されている。図1に示すように、1つのロッカー1において、各格納ユニット2の操作パネル4の上下方向における位置は近似しており、全ての操作パネル4の地面からの高さがほぼ同じである。このため、ロッカー1全体で見た目に統一感がある。
ロッカー1は、所定のエリアに1台設けられてもよく、図1に示すように、複数設けられてもよい。所定のエリアは、例えば、店舗や、駅、オフィスビル等における特定のエリアである。以下、ロッカー1が設けられたエリアを「設置エリア」と表現する。ロッカーボックス3のそれぞれにはボックス番号が付与され、ロッカーボックス3の開閉扉6のそれぞれには、対応するボックス番号が記録されている。また、ロッカー1のそれぞれには、LEDディスプレイ等により構成された電光掲示板7が設けられている。電光掲示板7には、後述する所定の場合を除いて、設置エリアの名称が表示される。また、設置エリアに複数のロッカー1が設けられている場合は、電光掲示板7には、設置エリアの名称と、組番号との組み合わせが表示される。組番号とは、設置エリアに複数のロッカー1が設けられている場合に、各ロッカー1を識別する識別情報である。図1に示すように、ロッカー1の近傍には、作業台8が設置されている。作業台8には、荷物を梱包する梱包用品や、荷物を包装する包装用品が収納されている。また、作業台8には、シールタイプのラベルを発行可能なラベルプリンター9が載置されている。
図2は、ロッカーボックス3および操作パネル4の拡大斜視図である。図2に示すように、ロッカーボックス3は、荷物を格納する格納スペース10と、この格納スペース10の開口を開閉する開閉扉6とを備える。開閉扉6は、その一端が、ヒンジ(図示略)を介して回動可能にロッカー1の筐体に取り付けられており、閉状態と、開状態との間で状態を変移させることができる。閉状態とは、開閉扉6が、その回動範囲のうち、格納スペース10の開口を塞ぐ側の端部に位置し、当該開口を完全に塞いだ状態を意味する。開閉扉6が閉状態の場合に、後述するロック機構11による開閉扉6の施錠を正常に行うことができる。また、開状態とは、閉状態ではない状態を意味する。ロッカーボックス3には、開閉扉6の開状態/閉状態の検出に利用される開閉状態検出センサー12が設けられている。開閉状態検出センサー12は、開閉扉6が開状態のときにスイッチがオフされる一方、閉状態のときにスイッチがオンされ、開状態と閉状態のときで異なる信号を出力するスイッチ式センサーである。図2では、図面の見易さのため、開閉状態検出センサー12の形状を単純化して模式的に示している。開閉状態検出センサー12は、機械的なスイッチ式センサーに限らず、光学式センサーであってもよい。
開閉扉6の基端部のヒンジには、開閉扉6を閉状態へと移行させるようなテンションがかけられており、開閉扉6が開状態のときに、開閉扉6に何ら力が加わらなかった場合、開閉扉6は自動で閉状態へ変移する。図2に示すように、ロッカーボックス3は、開閉扉6を施錠/解錠するロック機構11を備える。本実施形態において、ロック機構11は、電子錠であり、後述するロッカー制御装置13の制御の下、閉状態の開閉扉6を施錠し、または、解錠する。なお、図2では、図面の見易さのため、ロッカー機構11の形状を単純化して模式的に示している。
図3(A)は、ロッカーボックス3を上から見た様子を第1カメラ15および第2カメラ16と共に示す図である。図3(B)は、格納スペース10を右側面17側から見た様子を第1カメラ15および第2カメラ16と共に示す図である。図3(A)、(B)では、格納スペース10を断面として表している。図3(C)は、ロッカーボックス3の格納スペース10を正面から見た様子を示す図である。図3(C)では、ロック機構11および開閉状態検出センサー12を単純化して模式的に記載している。図3に示すように、格納スペース10は、格納スペース10の開口と逆側に位置する奥面18と、天面19と、底面20と、正面視で左側に位置する左側面21と、正面視で右側に位置する右側面17とに囲まれた空間である。
図3に示すように、奥面18が形成される奥壁23には、第1レンズ22が奥面18を介して格納スペース10に露出した状態で、第1カメラ15が設けられている。図3に示すように、第1カメラ15の第1レンズ22は、奥面18の中央部(奥面18の左右方向の中心線と、上下方向の中心線とが交わる部位)に設けられている。図3(A)に示すように、第1カメラ15の光軸は、前後方向(図3(A)の矢印Y1参照)に延びており、第1カメラ15は、格納スペース10の開口の全域を撮影可能である。第1カメラ15は、格納スペース10の開口付近に位置する被写体を、焦点を合わせた状態で撮影することができる。
図3に示すように、天面19が形成される天上の壁27には、第2レンズ24が天面19を介して格納スペース10に露出した状態で、第2カメラ16が設けられている。図3に示すように、第2カメラ16の第2レンズ24は、天面19の中央部(天面19の前後方向の中心線と、左右方向の中心線とが交わる部位)に設けられている。図3(B)に示すように、第2カメラ16の光軸は、上下方向(図3(B)の矢印Y2参照)に延びており、第2カメラ16は、格納スペース10の内部の全域を撮影可能である。
図3に示すように、奥面18が形成される奥壁23の第1カメラ15の近傍には、光源25が設けられている。光源25は、LEDや、レーザー光源等の発光体であり、後述するロッカー制御装置13の制御の下、奥面18から格納スペース10の開口に向かって光を照射する。一方、開閉扉6の表面には、利用者が開閉扉6を開閉するときに利用する取っ手26(図1、図2、図3(C)参照)が設けられている。取っ手26は、開閉扉6の表面から突出した部材であり、光透過性樹脂等の光透過性を有する材料により構成されている。
開閉扉6において、取っ手26と、開閉扉6との接続部分には、開閉扉6を貫通する貫通孔と、この貫通孔を塞ぐ光透過性を有する部材とにより構成される窓部(不図示)が設けられている。窓部の貫通孔の外周形状は、取っ手26の基端部の外周形状に沿った形状とされている。開閉扉6が閉状態の場合において、光源25により光が投射されると、窓部を介して取っ手26に対して背面から光が供給され、光透過性を有する部材により構成された取っ手26の内部で光が屈折し、取っ手26の全体から光が投射される構成となっている。なお、図3で示す第1カメラ15や、第2カメラ16、光源25の位置は一例である。例えば、光源25は、天井の壁27に設けられてもよい。
図2に示すように、操作パネル4は、上方に向かうに従って奥に向かうように傾斜した傾斜面43に形成されている。操作パネル4は、タッチスクリーン40と、ICカードリーダー41と、音声出力ユニット42とを有する。タッチスクリーン40は、情報を表示する機能と、タッチ操作を受け付ける機能とを有するタッチパネルである。ICカードリーダー41は、非接触型ICカードの読取装置であり、傾斜面43に形成されたカード載置面41aに近接されたICカードとの間で、所定の近距離無線通信を行い、ICカードから情報を読み取る。音声出力ユニット42は、スピーカーから各種音声を放音する。
図4は、本実施形態に係るロッカーシステム44の機能構成例を示すブロック図である。ロッカーシステム44は、ロッカー利用配送サービスを提供するシステムであり、ロッカー1と、ロッカー制御装置13と、統括制御サーバー45とを含んで構成されている。ロッカー制御装置13および統括制御サーバー45は、インターネットを含むネットワークNに接続されている。本実施形態では、ロッカー制御装置13および統括制御サーバー45が連携して、特許請求の範囲の「制御システム」として機能する。また、図4に示すように、ネットワークNには、ユーザー端末47が接続されている。ユーザー端末47は、ユーザーが所有する携帯端末であり、少なくとも、カメラ、および、GPSユニットが搭載されている。ユーザー端末47にインストールされたアプリケーションは、OSが提供するAPIを利用してカメラの撮影結果を取得可能であり、また、GPSユニットの検出結果を取得可能である。ユーザー端末47には、ロッカー利用配送サービスに利用される専用のアプリケーション(以下「専用アプリ」という)がインストールされている。
ロッカー制御装置13は、ロッカー1の各デバイスと接続されたコンピューターである。本実施形態では、1台のロッカー1につき1台のロッカー制御装置13が設けられている。例えば、ロッカー制御装置13は、ロッカー1を構成する格納ユニット2のいずれかの筐体内に設けられる。また例えば、ロッカー制御装置13は、ロッカー1と独立して、ロッカー1から離間した位置に設けられる。
図4に示すように、ロッカー制御装置13は、機能構成として、ロッカー制御部50、ロッカー通信部51およびデバイス通信部52を備えている。上記各機能ブロック50〜52は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアのいずれによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック50〜52は、実際にはコンピューターのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリー等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。このことは、後述する他の機能ブロックについても同様である。また、ロッカー制御装置13は、記憶手段として、ロッカー記憶部53を備えている。
ロッカー制御部50は、演算処理手段であり、ロッカー制御装置13の各部を制御する。ロッカー通信部51は、ロッカー制御部50の制御に従って、ネットワークNと接続する装置(統括制御サーバー45を含む)と所定の通信規格に従って通信する。デバイス通信部52は、ロッカー制御部50の制御に従って、ロッカー1の各デバイスと通信する。デバイス通信部52には、デバイスとして、1台の電光掲示板7が接続されている。また、デバイス通信部52には、操作パネル4ごとにタッチスクリーン40、ICカードリーダー41および音声出力ユニット42が接続されている。また、デバイス通信部52には、ロッカーボックス3ごとにロック機構11、第1カメラ15、第2カメラ16および光源25が接続されている。ロッカー制御部50は、デバイス通信部52を介して各デバイスと通信し、各デバイスを制御する。
ロッカー制御部50は、ロッカー1に設けられたロッカーボックス3のそれぞれについて、ロッカーボックス3の施錠状態/解錠状態、開状態/閉状態、および、空状態/格納状態を検出可能である。ロック機構11による施錠状態/解錠状態について、ロッカー制御部50は、ロック機構11と通信し、施錠が行われているかを問い合わせることにより、開閉扉6の施錠状態/解錠状態を検出する。なお、ロッカーボックス3の施錠/解錠は、ロッカー制御部50がロック機構11に出力する施錠信号/解錠信号に基づいて行われるため、ロッカー制御部50が、データベースを利用して、各ロッカーボックス3への施錠信号/解錠信号の出力状況に応じて、各ロッカーボックス3の施錠状態/開錠状態を管理する構成でもよい。
また、ロッカー制御部50は、開閉状態検出センサー12の検出値に基づいて開閉扉6の開状態/閉状態を検出する。なお、ロッカー制御部50が、第1カメラ15または第2カメラ16(両方のカメラであってもよい)の撮影結果を利用して、開閉扉6の開状態/閉状態を検出する構成でもよい。
また、ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3の空状態/格納状態を以下の方法で検出する。空状態とは、ロッカーボックス3に荷物が入っていない状態を意味し、格納状態とはロッカーボックス3に荷物が格納されている状態を意味する。すなわち、ロッカーボックス3の底面20の全域には、所定の形状の模様が付されている。これにより、ロッカーボックス3に何らかの物体が格納され、底面20に載置された状態となると、当該物体により底面20の模様の少なくとも一部が隠れた状態となる。このため、第1カメラ15の撮影結果について、ロッカーボックス3が空状態のときは、底面20の領域の画像の内容は特定の内容である一方、ロッカーボックス3が格納状態のときは、底面20の領域の画像の内容は、空状態のときにおける画像の内容と異なることとなる。第2カメラ16の撮影結果についても同様である。
これを利用して、ロッカー制御部50は、第1カメラ15の撮影結果について、パターンマッチング等の既存の画像処理を行って、底面20の領域の画像の内容が特定の内容であるか否かを判定することにより、ロッカーボックス3内に物体が存在するか否かを判定する。同様に、ロッカー制御部50は、第2カメラ16の撮影結果について、底面の領域の画像の内容に基づいて、ロッカーボックス3内に物体が存在するか否かを判定する。そして、ロッカー制御部50は、第1カメラ15の撮影結果に基づく判定、および、第2カメラ16の撮影結果に基づく判定の双方で「物体が存在しない」と判定した場合にのみ、ロッカーボックス3が空状態であると判定し、少なくともいずれか一方のカメラの撮影結果に基づく判定で「物体が存在する」と判定した場合は、ロッカーボックス3が格納状態であると判定する。
ここで、ロッカーボックス3内に物体が存在する場合であっても、第1カメラ15の撮影結果に対する画像処理では物体の存在が検出できない可能性がゼロではない。第2カメラ16についても同様である。一方、第1カメラ15および第2カメラ16は、それぞれ異なる位置に設けられ、それぞれ異なる角度から、共通する格納スペース10を撮影するカメラである。このため、ロッカーボックス3内に物体が存在するにもかかわらず、双方のカメラの撮影結果に基づく判定で「物体が存在しない」と判定されることは非常に稀である。従って、ロッカー制御部50は、第1カメラ15および第2カメラ16の撮影結果に基づいて、非常に高い精度で、ロッカーボックス3の格納状態/空状態を検出することができる。なお、ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3の空状態/格納状態を検出する際、適切に、光源25を駆動する。
以上のとおり、本実施形態では、ロッカー制御部50は、第1カメラ15および第2カメラ16の撮影結果に基づいて、ロッカーボックス3の格納状態/空状態を検出する。ここで、第1カメラ15は、後述するように、送り状を撮影することを目的として、奥壁23に、光軸が前後方向に延びるように設けられたカメラである。そして、上記構成によれば、このように送り状を撮影することを目的として第1カメラ15が設けられていることを好適に活用して、コストを削減しつつ、高い精度で、ロッカーボックス3の格納状態/空状態の検出が可能である。なお、本実施形態では、ロッカー制御部50は、第1カメラ15および第2カメラ16の撮影結果に基づいてロッカーボックス3の空状態/格納状態を検出するが、第2カメラ16の撮影結果に基づいて当該検出を行う構成でもよい。
統括制御サーバー45は、荷物の配送を業務として行う会社のサーバー装置である。図4に示すように、統括制御サーバー45は、機能構成として、サーバー制御部56およびサーバー通信部57を備えている。サーバー制御部56は、演算処理手段であり、統括制御サーバー45の各部を制御する。サーバー通信部57は、サーバー制御部56の制御に従って、ネットワークNと接続する装置(ロッカー制御装置13を含む)と所定の通信規格に従って通信する。また、統括制御サーバー45は、記憶手段として、サーバー記憶部58を備えている。サーバー記憶部58は、ユーザー管理データベース60、配送管理データベース61および集荷管理データベース62を記憶している。
ユーザー管理データベース60は、ユーザーごとにレコードを有する。各レコードには、ユーザーIDと対応付けて、ユーザーのメールアドレスや、ユーザーにより登録された設置エリア(複数であってもよい)を示す情報等のユーザーに関する情報が登録されている。配送管理データベース61は、配送される荷物ごとに、レコードを有する。各レコードには、伝票ID(後述)と対応付けて、荷物を受け取るユーザーのユーザーID等の配送される荷物に関する様々な情報が登録されている。配送される荷物のステータスや、荷物が格納されたロッカーボックス3のボックスID(ロッカーボックス3の識別情報)は、配送管理データベース61により管理される。集荷管理データベース62は、集荷(後述)される荷物ごとに、レコードを有する。各レコードには、伝票IDと対応付けて、荷物を預け入れるユーザーID等の集荷される荷物に関する様々な情報が登録されている。集荷される荷物のステータスや、荷物が預け入れられるロッカーボックス3のボックスIDは、集荷管理データベース62により管理される。
以上の構成の下、ユーザーが受け取る荷物を配送者がロッカー1のロッカーボックス3に格納するときのロッカーシステム44の動作について説明する。以下、配送者がロッカーボックス3に荷物を格納することを「配送格納」という。配送格納される荷物は、包装用品に包装されており、包装用品の所定の位置には「送り状」が貼付されている。本実施形態では、送り状は、ロッカー利用配送サービスに特化した特別なフォーマットのものではなく、宅配で広く使用されているフォーマットの送り状である。従って、本実施形態に係る送り状には、荷物の受取人であるユーザーに関する情報が記録されるほか、伝票IDが文字列として記録されている。伝票IDは、配送される荷物ごとに割り振られる識別情報であり、「伝票番号」や、「送り状番号」、「お問い合わせ番号」、「お問い合わせ伝票番号」と呼ばれる場合もある。本実施形態では、配送伝票IDが特許請求の範囲の「荷物情報」に相当する。
配送格納に際し、トラックによる輸送等の手段で、相当数の荷物が設置エリアに運搬される。設置エリアへの荷物の運搬後、配送者は、荷物を配送格納するロッカー1(図1の例のように、設置エリアに複数のロッカー1が設けられている場合は、ロッカー1のいずれか)の「任意」の操作パネル4のカード載置面41aに、自身が所有する配送者カードを近接させる。つまり、配送者が配送格納に際して配送者カードを近接させる操作パネル4は、ロッカー1に設けられた操作パネル4のうち、特定の操作パネル4ではなく、どの操作パネル4であってもよい。
配送者カードは、荷物を配送する権限を有する者にのみ引き渡される非接触型ICカードであり、メモリーに、配送者の認証に使用する認証情報が記憶されている。配送者カードのカード載置面41aへの近接に応じて、ICカードリーダー41は、配送者カードから認証情報を読み取り、ロッカー制御装置13のロッカー制御部50に出力する。ロッカー制御部50は、認証情報を入力し、認証情報に基づいて認証を行う。認証を行うために必要な情報はロッカー制御装置13に事前に登録されている。
認証に成功した場合、ロッカー制御部50は、電光掲示板7を制御して、電光掲示板7に表示される情報を、配送者による作業中であることを示す情報へと変更する。更に、ロッカー制御部50は、ロッカー1に設けられたロッカーボックス3のそれぞれについて、第1カメラ15および第2カメラ16を用いた上述の方法でロッカーボックス3が空状態か否かを判定する。そして、ロッカー制御部50は、空状態のロッカーボックス3のロック機構11に解錠信号を出力し、空状態のロッカーボックス3を一斉に解錠する。なお、ロッカーボックス3が空状態か否かの判定について、ロッカー制御部50が、データベースを用いて、それぞれのロッカーボックス3の空状態/格納状態を管理し、このデータベースを用いて判定する構成でもよい。
ロッカー制御部50は、空状態のロッカーボックス3を一斉に解錠した後、再び配送者カードの読み取りが行われるまでの期間を、配送格納が行われる期間(以下、「配送格納期間」という)として管理し、この配送格納期間の間、以下の処理を実行する。
ここで、ロッカー制御部50は、所定の場合を除き、基本的に、一のロッカーボックス3が施錠された状態の場合、当該一のロッカーボックス3の光源25の駆動を停止する。これにより、省電力化が図られている。そして、ロッカー制御部50は、空状態のロッカーボックス3を一斉に解錠した後、解錠した空状態のロッカーボックス3のそれぞれの光源25を点滅(点灯と消灯との繰り返し)させる。この結果、解錠された空状態のロッカーボックス3のそれぞれについて、取っ手26が点滅した状態となる。これにより、配送者は、ロッカー1の外観を見るだけで、簡単に、空状態のロッカーボックス3(=荷物を格納可能なロッカーボックス3)の位置を把握することができる。特に、取っ手26は、開閉扉6から突起した部材である。このため、配送者は、正面に位置していないロッカーボックス3でも、その取っ手26が点滅していることを認識できる。
更に、ロッカー制御部50は、一斉に解錠した空状態のロッカーボックス3のそれぞれの第1カメラ15および第2カメラ16を駆動する。以後、ロッカー制御部50は、一斉に解錠した空状態のロッカーボックス3の第1カメラ15および第2カメラ16の撮影結果に基づいて、適宜、これらロッカーボックス3の開状態/閉状態および格納状態/空状態を判定する。
その後、配送者によって各荷物の配送格納が行われる。一の荷物の配送格納に際し、配送者は、まず、当該一の荷物を配送格納するロッカーボックス3を決定する。本実施形態では、上述した処理により解錠された空状態のロッカーボックス3の全てが、配送者が荷物を配送格納するロッカーボックス3の候補となる。そして、配送者は、空状態のロッカーボックス3から、自身の位置や、荷物の大きさ、荷物の重さ等を考慮して、荷物を配送格納する上で自身にとって最も都合のよいロッカーボックス3を、荷物を配送格納するロッカーボックス3として決定する。配送者は、自身の位置から近い(=移動距離が少ない)ロッカーボックス3を決定したり、また、荷物の重さが重い場合は、できるだけ下の方に位置しているロッカーボックス3を決定したりすることにより、自身の負担を減らすことができる。
配送者は、当該一の荷物を配送格納するロッカーボックス3を決定した後、そのロッカーボックス3の開閉扉6を手で開いて開状態とする。ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3の開閉扉6が開状態となったことを検出した場合、そのロッカーボックス3の光源25を制御し、光源25の点滅を停止し、光源25に第1出力量(>第2出力量(後述))で光を投射させる。第1出力量は、後述する伝票IDの認識を目的とした第1カメラ15による撮影が適切に行われる程度に十分な出力量とされる。
更に、ロッカー制御部50は、当該一のロッカーボックス3が属する格納ユニット2の操作パネル4のタッチスクリーン40に、送り状を撮影させる必要があること、および、送り状を撮影させるために、荷物をロッカーボックス3の開口の前で安定させるべきことを示す内容の情報を表示させる。これと同時に、ロッカー制御部50は、当該一のロッカーボックス3が属する格納ユニット2の音声出力ユニット42に、当該内容の情報を音声出力させる。一例として、ロッカー制御部50は、「送り状を撮影します。荷物をロッカーボックスの前で安定させてください」という音声メッセージを音声出力させる。これにより、配送者は、視覚および聴覚を通して、送り状の撮影を行うべきこと、および、荷物をロッカーボックス3の前で安定させるべきことを認識できる。
送り状の撮影は、奥壁23に設けられた第1カメラ15(図3参照)によって行われる。配送者は、送り状が、格納スペース10の開口付近に位置し、かつ、送り状の面が、奥面18(図3)に対向する状態で、荷物を支えることによって、第1カメラ15に送り状を撮影させる。図5(A)は、厚みのある荷物の送り状を第1カメラ15に撮影させるときの様子を示しており、図5(B)は、厚みのない荷物の送り状を第1カメラ15に撮影させるときの様子を示している。図3を用いて説明したように、第1カメラ15は、光軸が前後方向に延びており、格納スペース10の開口の全域を撮影可能であるため、送り状の撮影に際し、送り状が特定の位置に厳密に位置している必要は無く、配送者は、荷物の送り状を、ロッカーボックス3の開口付近にかざすだけでよい。
配送格納期間において、一のロッカーボックス3の開閉扉6が開いたことを検出した場合、ロッカー制御部50は、随時、第1カメラ15の撮影結果を取得し、送り状に記録された伝票IDの認識を試みる。本実施形態では、伝票IDの認識とは、文字列として送り状に記録されている伝票IDをテキスト化することを意味する。ただし、荷物情報の認識は伝票IDのテキスト化のみならず、荷物情報がコード(バーコードや2次元コード)の場合には、コードの読み取りであってもよい。伝票IDの認識に成功した場合、ロッカー制御部50は、認識した伝票IDや、伝票IDの認識に用いた撮影画像データ(以下、「送り状画像データ」という)、ロッカーボックス3の識別情報であるボックスID等を統括制御サーバー45に送信する。統括制御サーバー45のサーバー制御部56は、各種情報を受信し、受信した各種情報および配送管理データベース61に基づいて、荷物の正当性を判定し、判定結果をロッカー制御部50に通知する。サーバー制御部56は、荷物が正しい設置エリアのロッカー1に配送されているかどうか等を確認したり、撮影画像データを分析して送り状の改ざんが行われていないかどうかを確認したりすることによって、荷物の正当性を判定する。サーバー制御部56は、荷物の正当性が認められた場合には、配送管理データベース61の対応するレコードに、送り状画像データを登録する。
ロッカー制御部50は、荷物の正当性が認められなかった場合、エラー処理を実行する。例えば、エラー処理において、ロッカー制御部50は、荷物の正当性が認められなかったため、再度、送り状の撮影を行うべきことを示す情報をタッチスクリーン40に表示する等して、送り状を、再度、撮影させることを配送者に促す。ロッカー制御部50は、荷物の正当性が認められなかった場合、再度、送り状の撮影が行われて荷物の正当性が認められるか、配送格納がキャンセルされまでは、開閉扉6が閉状態となった場合であっても、開閉扉6を施錠しない。なお、配送格納のキャンセルは、タッチスクリーン40に対して所定のタッチ操作をすることによって可能である。
荷物の正当性が認められた場合、ロッカー制御部50は、配送格納を許可する旨の情報(例えば「OK」等の文言)をタッチスクリーン40に表示させると共に、音声出力ユニット42に所定の音(例えば、「ピッ」という電子音)を音声出力させる。更に、ロッカー制御部50は、光源25の出力量を、第1出力量から第2出力量(<第1出力量)に変更する。つまり、ロッカー制御部50は、伝票IDの認識に成功し、荷物の正当性が認められた場合には、光源25の出力量を第1出力量から第2出力量に変更する。第2出力量は、第1出力量より小さく、配送者が、ロッカーボックス3の内部を確認できる程度の出力量とされる。このような処理が行われるため、配送者は、荷物の正当性が認められ、配送格納を行うことが許可されたことを視覚および聴覚を通して的確に認識することができる。配送者は、配送格納を行うことが許可されたことを認識すると、ロッカーボックス3の格納スペース10に荷物を格納する。以上により、配送者による1つの荷物についての配送格納に係る作業が完了する。配送者は、ロッカーボックス3の格納スペース10に荷物を格納した後、次の荷物についての配送格納に係る作業を開始できる。
以上のように、本実施形態では、配送者による操作パネル4に対する操作に応じて、ロッカー制御部50は、全ての格納ユニット2が有するロッカーボックス3を対象範囲として、対象範囲のロッカーボックス3のうち空状態のロッカーボックス3を一斉に解錠する。このような構成のため、配送者は、ロッカーボックス3に荷物を格納する際、都度、空きのロッカーボックス3がある格納ユニット2に赴き、その格納ユニット2に設けられた操作パネル4に所定の操作を行って、空きのロッカーボックス3を解錠する、といった作業を行う必要がなく、ワンタッチで、荷物を配送格納する候補となるロッカーボックス3を一斉に解錠することができ、配送者の負担が小さく、作業効率が高い。
さて、上述したように、開閉扉6に何ら力が加わらないと、開閉扉6は自動で閉状態となる。このため、格納スペース10に荷物が格納された後、開閉扉6への支えが無くなると、開閉扉6は自動で閉状態となる。ロッカー制御部50は、開閉扉6が閉状態となったことを検出すると、ロッカーボックス3が格納状態か否かを判定する。そして、ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3が格納状態の場合は、ロック機構11に施錠信号を出力し、開閉扉6を施錠させる。
一方、ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3が空状態の場合は、ロック機構11に施錠信号を出力せず、開閉扉6を施錠しない。この処理は、以下のことを目的として実行される。すなわち、配送格納期間において、空状態のロッカーボックス3が開状態となった場合、基本的には、配送者が、配送格納をするためにロッカーボックス3を開いた状態である。この場合、通常は、配送者により荷物が格納された後に開閉扉6が閉状態となるが、荷物を格納する前に誤って開閉扉6が閉状態となってしまったり、配送者がそのロッカーボックス3への荷物の格納をやめてしまったりする場合がある。このような場合に、ロッカーボックス3が空状態のまま施錠されてしまうことを防止するため、上記処理が実行される。
このように、本実施形態では、配送格納において、配送者がロッカーボックス3に荷物を格納すると、開閉扉6が自動で閉まり、しかも開閉扉6が自動で施錠されるため、配送者が、開閉扉6を閉める作業を行ったり、施錠する作業を行ったりする必要が無く、配送者の負担が小さい。特に、図1で例示するロッカー1のように、ロッカー1が多数のロッカーボックス3を有し、ロッカー1の規模が大規模の場合、配送格納に係る作業を開始した後、全てのロッカーボックス3が配送者の目の届く範囲に存在するわけではない。従って、ロッカーボックス3に荷物が格納された後は、配送者がその場を離れる前に、すぐに、ロッカーボックス3が施錠されることが求められる。本実施形態では、ロッカーボックス3の配送格納が完了した場合、自動で迅速に確実に施錠が行われるため、このような要求に的確に応えることができる。
ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3の開閉扉6を施錠した場合、光源25による光の投射を停止する。また、ロッカーボックス3の開閉扉6を施錠した場合、ロッカー制御部50は、統括制御サーバー45のサーバー制御部56に、そのロッカーボックス3のボックスID、および、認識した伝票ID(=そのロッカーボックス3に配送格納された荷物の伝票ID)と共に、配送格納が完了したことを通知する。サーバー制御部56は、当該通知に基づいて、配送管理データベース61の対応するレコードにボックスIDを登録し、荷物が配送格納されたボックスIDを管理する。
更に、サーバー制御部56は、荷物を受け取るユーザーに対して、以下の情報が記載されたメールを送信する。(1)ロッカー1への荷物の配送が完了したこと、(2)荷物が格納されたロッカーボックス3を特定する情報(本例では、設置エリアの名称と、ロッカー1の組番号と、ロッカーボックス3のボックス番号)、(3)伝票ID。なお、これら情報は、あくまで最低限、メールに記載すべき情報であり、例えば、荷物の内容や、設置エリアへのアクセス方法、設置エリアにおいて荷物を受け取るときの手順等の他の情報が記載されていてもよいことは勿論である。なお、本実施形態では、メールを送信する構成であるが、専用アプリに対するプッシュ通知によって、ロッカー1への荷物の配送が完了したことを通知する構成でもよい。
上述したように、配送者は、空状態のロッカーボックス3のうち、任意のロッカーボックス3に荷物を格納することができる。配送者は、上述した方法で、順次、ロッカーボックス3に荷物を配送格納していく。そして、全ての荷物の配送格納が完了した場合、配送者は、以下の作業を行う。なお、配送者により全ての荷物の配送格納が完了した段階では、配送者カードの読み取りに応じて一斉解錠されたロッカーボックス3の中に、最後まで荷物が格納されず、空状態のままのロッカーボックス3が存在している可能性がある。そこで、配送者は、配送者カードを、任意の操作パネル4のICカードリーダー41に読み取らせる。
ロッカー制御装置13のロッカー制御部50は、配送者カードの読み取りが行われたことを検出すると、その時点で施錠されていないロッカーボックス3の全てのロック機構11に施錠信号を出力し、その時点で施錠されていないロッカーボックス3の全てを施錠する。なお、ロッカー制御部50がロッカー1の全てのロッカーボックス3に対して施錠信号を出力する構成でもよい。このように、本実施形態では、配送者は、配送者カードを読み取らせるという簡易な操作を行うだけで、荷物の配送格納が行われないロッカーボックス3を一斉に施錠することができる。このため、配送者は、荷物の配送格納が行われないロッカーボックス3のそれぞれについて、施錠のための作業を行う必要が無く、配送者の負担が小さい。
また、ロッカー制御部50は、一斉に施錠したロッカーボックス3のそれぞれについて、光源25の点滅を停止し、光源25による光の投射を停止する。また、ロッカー制御部50は、配送者カードの読み取りにより、配送格納期間が終了したことを認識する。ロッカー制御部50は、電光掲示板7を制御して、電光掲示板7の表示内容を戻す。なお、本実施形態では、配送者が、配送格納を開始するときに使用するICカードと、配送格納が終了したときに使用するICカードとが同じカードであるが、配送格納の開始に係る専用のICカードと、終了に係る専用のICカードとをそれぞれ用意してもよいことは勿論である。
以上のように、本実施形態では、ロッカーボックス3のそれぞれに送り状(荷物情報)を撮影可能な第1カメラ15が設けられており、ロッカー制御装置13により、第1カメラ15により撮影された送り状(より具体的には、伝票ID)の認識が行われる。このため、どのロッカーボックス3に、どの荷物が格納されているかが管理されるようにするために、配送者は、空いているロッカーボックスのうち、任意のロッカーボックス3の第1カメラ15に、その荷物の送り状を撮影させるという作業を行えばよい。このような簡易な作業が行われるだけで、ロッカー制御装置13により伝票IDの認識が行われ、統括制御サーバー45の配送管理データベース61において、その荷物が格納されるロッカーボックス3のボックスIDと、そのロッカーボックス3に格納される荷物の伝票IDとが対応付けて管理される。このため、配送者は、従来のように、どのロッカーボックスに、どの荷物が格納されているかが管理されるようにするため、配送格納すべき荷物ごとに、入力パネルに伝票番号等の情報を入力する必要がなく、また、荷物ごとに、空状態のロッカーボックスと入力パネルとを行き来する必要がなく、配送者の負担が小さい。
更に、本実施形態では、第1カメラ15は、ロッカーボックス3の奥壁23に設けられ、ロッカーボックス3の開口を介して荷物の送り状を撮影する。このため、配送者は、第1カメラ15に送り状を撮影させる際、ロッカーボックス3の開口付近に荷物の送り状をかざす、という簡易で単純な作業を行えばよく、例えば、第1カメラ15に撮影を行わせるために、送り状の位置を厳密に調整したり、ハンディタイプのスキャナーのような専用の装置を利用して各種読み取りを行わせたりする等の煩雑な作業を行う必要がない。その点でも、配送格納時の配送者の負担が小さい。
次に、ユーザー(受取人)が配送格納された荷物を受け取るときのロッカーシステム44の動作について説明する。以下、ユーザーがロッカーボックス3に格納された荷物を取り出すことを「配送取出」という。ユーザーは、配送格納が完了した旨のメールを受信し、内容を確認することにより、自身が受け取るべき荷物が、設置エリアのロッカー1に配送格納されたことを認識する。なお、ユーザーへの通知が専用アプリへのプッシュ通知により行われる場合は、ユーザーは、プッシュ通知の内容を確認する。ユーザーは、自身にとって都合のよいタイミングで、設置エリアに向かう。設置エリアに向かう際、ユーザーは、専用アプリを使用することにより、以下のサービスの提供を受けることができる。
すなわち、ユーザーは、自身のユーザー端末47の専用アプリを起動する。すると、専用アプリは、統括制御サーバー45のサーバー制御部56に対して、ユーザーIDとユーザー端末47の位置(=ユーザーの位置)を示す情報とを、随時、送信する。統括制御サーバー45のサーバー制御部56は、専用アプリと連携し、ユーザーが設置エリアを中心とする所定圏内(例えば、300メートル圏内)に入ったか否かを監視する。そして、ユーザーが所定圏内に入っている間、サーバー制御部56は、ロッカー制御装置13のロッカー制御部50と通信し、ユーザーの荷物が格納されているロッカーボックス3の光源25を点滅させることによって取っ手26を点滅させる。これにより、ユーザーが設置エリアに到着したときに、ユーザーの荷物が配送格納されているロッカーボックス3の取っ手26が点滅した状態となり、自身の荷物が格納されているロッカーボックス3の位置を容易に把握できる。
設置エリアに到着すると、ユーザーは、自身に届いたメールの内容に基づいて、荷物が格納されたロッカー1と、そのロッカー1において、自身の荷物が格納されたロッカーボックス3と、そのロッカーボックス3が属する格納ユニット2の操作パネル4を特定する。設置エリアでは、ロッカー1毎に組番号が明示されると共に、ロッカーボックス3ごとにボックス番号が明示されているため、ユーザーは、メールに記載されたロッカーボックス3を特定する情報(組番号とボックス番号との組み合わせ)に基づいて、的確にロッカーボックス3を特定できる。更に、上述した通り、専用アプリの機能を使用すれば、ロッカーボックス3の取っ手26が点滅している状態のため、ユーザーは、更に容易かつ迅速に格納ユニット2を特定できる。
特に、図1で示す本実施形態に係る格納ユニット2では、ロッカーボックス3が上下方向に一列に並べて配置されると共に、一のロッカーボックス3と他のロッカーボックス3との間に操作パネル4が設けられている。この構成のため、格納ユニット2と操作パネル4との対応関係が明確であり、ユーザーは、迷うことなく確実に、自身の荷物が格納されたロッカーボックス3を特定した後、そのロッカーボックス3に対応する操作パネル4を特定することができる。ここで特定された操作パネル4は、配送取出に際して、ユーザーが、操作すべき操作パネル4である。なお、配送取出に際し、荷物が格納されたロッカーボックス3が属する格納ユニット2の操作パネル4を操作すべきことは、ユーザーに対して、所定の手段で事前に通知される。例えば、配送格納が完了したことを通知するメールに当事項が記載される。
ここで、配送格納期間ではない期間、ロッカー制御部50は、一の操作パネル4のタッチスクリーン40に、当該一の操作パネル4が属する格納ユニット2の識別情報である格納ユニットIDが記録された2次元コードを表示させる。ユーザーは、操作パネル4を特定した後、専用アプリを起動した状態でユーザー端末47のカメラにより、特定した操作パネル4のタッチスクリーン40に表示された2次元コードを撮影し、2次元コードに記録された格納ユニットIDを認識させる。
専用アプリは、格納ユニットIDを認識すると、認識した格納ユニットIDをユーザーID(伝票IDであってもよい)と対応付けて統括制御サーバー45に送信する。統括制御サーバー45のサーバー制御部56は、専用アプリから受信した情報および配送管理データベース61の対応するレコードの内容に基づいて、ユーザーが正しい操作パネル4で2次元コードの読み取りを行っているか否かを判定する。ユーザーが正しい操作パネル4で2次元コードの読み取りを行っているとは、ユーザーが、ユーザーの荷物が格納されたロッカーボックス3が属する格納ユニット2の操作パネル4に表示された2次元コードの読み取りを行っていることを意味する。
ユーザーが正しい操作パネル4で2次元コードの読み取りを行っている場合、サーバー制御部56は、送り状画像データ(荷物の送り状の画像データ)を専用アプリに送信する。専用アプリは、受信した送り状画像データに基づいて、送り状の画像をユーザー端末47のタッチパネルに表示する。ユーザーは、送り状の画像を視認することにより、送り状の内容を確認し、荷物を受け取るか否かを判断する。例えば、身に覚えのない人物や、組織等が送り主であったり、自身にとって荷物を受け取るのが適切ではない者が送り主であった場合、ユーザーは、この段階で、荷物の受け取りをキャンセルすることができる。
さて、ユーザーは、送り状の内容を確認し、荷物を受け取ると判断した場合、専用アプリに、サイン入力欄を有するサイン入力画面を表示させる。ユーザーは、サイン入力欄に自身の名前をサインとして入力する。サインの入力は、ユーザーの指や、タッチペンを利用して手書きによって行われる。所定の操作が行われてサイン入力欄への入力が確定すると、専用アプリは、サイン入力欄に入力されたサインが画像として記録された画像データ(以下、「受取サイン画像データ」という)を生成し、伝票IDと共に、受取サイン画像データを統括制御サーバー45に送信する。なお、伝票IDは専用アプリに事前に登録される。サーバー制御部56は、受信した受取サイン画像データを、配送管理データベース61の対応するレコードに登録する。これにより、受取人たるユーザーのサインがデータ化され、保存された状態とされる。
サーバー制御部56は、受取サイン画像データを登録すると、ロッカー制御部50と通信し、ユーザーの荷物が格納されたロッカーボックス3の解錠を指示する。当該指示に基づいて、ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3のロック機構11に解錠信号を出力し、ロッカーボックス3を解錠する。更に、ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3の解錠に応じて、光源25を点滅させることにより取っ手26を点滅させる。ロッカーボックス3の解錠後、ユーザーは、点滅している取っ手26のロッカーボックス3が、自身の荷物が格納されているロッカーボックス3であることを認識しつつ、開閉扉6を開状態とした上で、格納スペース10から荷物を取り出す。荷物が取り出され、開閉扉6が支持されない状態となると、開閉扉6は自動で閉状態へ移行する。
このように、本実施形態では、ユーザーの荷物が格納されているロッカーボックス3が属する格納ユニット2の操作パネル4に対してユーザーが操作を行った場合に、ロッカーボックス3が解錠する構成である。これにより、ユーザーが、ユーザーの荷物が格納されたロッカーボックス3とが離れた位置にいる状態のときに、そのロッカーボックス3が解錠状態となる事態が発生することを防止できる。
ロッカー制御部50は、一のロッカーボックス3の開閉扉6を解錠した場合、当該一のロッカーボックス3の開閉扉6が閉状態から開状態へ移行したか否かを監視する。開状態へ移行したことを検出した場合、ロッカー制御部50は、光源25の点滅を停止し、光源25に第2出力量で光を投射させる。更に、ロッカー制御部50は、開閉扉6が開状態から閉状態へ移行したか否かを監視する。開閉扉6が閉状態へ移行したことを検出した場合、ロッカー制御部50は、ロッカーボックス3が空状態か否かを判定する。ロッカーボックス3が空状態の場合、ロッカー制御部50は、ロック機構11に施錠信号を出力し、開閉扉6を施錠させる。一方、ロッカーボックス3が空状態ではない場合、ロッカー制御部50は、ロック機構11に施錠信号を出力せず、開閉扉6を施錠しない。これにより、ユーザーが、荷物を取り出していない状態で、誤って開閉扉6を閉じてしまった場合に、ロッカーボックス3が施錠されてしまうことを防止できる。
開閉扉6を施錠した場合、つまり、ユーザーにより配送取出が正常に行われた場合、ロッカー制御部50は、伝票IDと共に、配送取出が完了したことをサーバー制御部56に通知する。サーバー制御部56は、配送管理データベースの対応するレコードの内容を更新し、荷物の配送取出が完了したことを管理する。
以上、ロッカー1の構成と、配送格納および配送取出が行われるときのロッカーシステム44の動作を説明したが、当該構成の下、以上の処理が実行されることにより、以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態では、ロッカー1は、複数のロッカーボックス3を有する格納ユニット2ごとに、操作パネル4を有している。そして、ロッカーシステム44は、一の操作パネル4に対する受取人による操作により、当該一の操作パネル4が属する格納ユニット2が有するロッカーボックス3を対象範囲とした解錠を行う。このため、配送取出に際し、ユーザーが操作を行うべき操作パネル4が1つに集中するのではなく、複数に分散され、共通する操作パネル4に多数のユーザーが操作を行わなければならない状態となる可能性を低減でき、ユーザーに「待ち」が発生するリスクを低減することができる。
特に、ロッカーが有する全てのロッカーボックスの解錠を1台の操作パネルに対する操作によって行う構成において、ロッカーボックスの個数を増大する場合は、ロッカーボックスの個数が多ければ多いほど、ユーザーに「待ち」が発生する可能性が増大し、また、待ち時間が長時間化する可能性が増大するが、本実施形態によれば、ロッカーボックス3の個数が多数であっても、ユーザーに「待ち」が発生するリスクを効果的に低減でき、また、ユーザーの待ち時間が長時間化するリスクを効果的に低減できる。つまり、本実施形態によれば、受取人の利便性の低下を抑制しつつ、ロッカーボックスの個数を増大可能である。
その上で、本実施形態では、ロッカーシステム44は、一の操作パネル4に対する配送者による操作により、全ての格納ユニット2が有するロッカーボックス3を対象範囲とした解錠を行う。従って、配送者が荷物を格納する場合、任意の操作パネル4に対する1回の操作で、操作を行った操作パネル4が属する格納ユニット2に属するロッカーボックス3だけでなく、全ての格納ユニット2におけるロッカーボックス3を対象範囲として、ロッカーボックス3を解錠することが可能である。このような構成のため、配送者は、ロッカーボックス3に荷物を格納する際、都度、空きのロッカーボックス3がある格納ユニット2に赴き、その格納ユニット2に設けられた操作パネル4に所定の操作を行って、空きのロッカーボックス3を解錠するといった作業を行う必要がない。
特に、1台の操作パネルと、この1台の操作パネルに対する操作により解錠が可能な複数のロッカーボックスとを有するロッカーユニットを、複数、設置することにより、ロッカーボックスの個数を増大させる場合、配送者は、荷物を格納する度に、荷物を格納しようとしているロッカーボックスが設けられたロッカーユニットの操作パネル4に対して所定の操作を行う必要があるため、ロッカーユニットの個数が多ければ多いほど、配送者の作業が煩雑化する。一方、本実施形態によれば、ロッカーボックス3の個数が多数であっても(=格納ユニット2の個数が多数であっても)、配送者は、ワンタッチで、全てのロッカーボックス3を対象範囲として開閉扉6を解錠できるため、配送者の負担が小さい。つまり、本実施形態によれば、受取人の利便性のみならず、配送者の作業効率の低下を抑制しつつ、ロッカーボックスの個数を増大可能である。
なお、本実施形態では、ロッカー制御装置13のロッカー制御部50は、操作パネル4に対する配送者の操作(第1操作)に応じて、全ての格納ユニット2が有するロッカーボックス3を対象範囲として、荷物が格納されていないロッカーボックス3を一斉に解錠した。この点に関し、ロッカー制御装置13が、操作パネル4に対する配送者の操作に応じて、操作された操作パネル4が属する格納ユニット2を対象範囲としてロッカーボックス3を解錠する構成でもよい。
また、ロッカー制御装置13が、操作された操作パネル4が属する格納ユニット2を含む複数個(ただし、ロッカー1が有する格納ユニット2の総数よりも小さい個数)の格納ユニット2を対象範囲としてロッカーボックス3を解錠する構成でもよい。例えば、図1で例示するロッカー1において、左端の格納ユニット2の操作パネル4に対して、配送者が、空状態のロッカーボックス3を一斉に解錠するために操作パネル4に配送者カードを近接させる操作(第1操作)を行った場合に、ロッカー制御部50は、左端の格納ユニット2を含み、隣接するN個の格納ユニットを対象範囲として、荷物が格納されていないロッカーボックス3を一斉に解錠する構成でもよい。隣接するN個の格納ユニットは、例えば、Nが「3」の場合は、左端の格納ユニット2、左端から2番目の格納ユニット2および左端から3番目の格納ユニット2である。このような構成であっても、配送者は、操作した操作パネル4が属する格納ユニット2だけではなく、複数の格納ユニット2が有するロッカーボックス3を対象範囲として、ワンタッチで空状態のロッカーボックス3を解錠することができ、配送者の作業効率を向上することができる。特に、隣接する複数の格納ユニット2が有するロッカーボックス3を対象範囲とすることにより、解錠されるロッカーボックス3が配送者の近傍である程度まとまった状態となり、配送者の作業効率を効果的に向上することができる。
ところで、ロッカー1は、ユーザーが荷物を特定の送り先に送る場合も使用可能である。ロッカー1を利用してユーザーが荷物を特定の送り先に送る場合、ユーザーにより荷物がロッカーボックス3に格納されると共に、集荷者により荷物が集荷され、送り先へ配送される。以下、ユーザーがロッカーボックス3に荷物を格納することを「ユーザー格納」といい、集荷者がロッカーボックス3から荷物を取り出すことを「集荷取出」という。以下、ユーザー格納および集荷取出が行われるときのロッカーシステム44の動作について説明する。
まず、ユーザー格納が行われるときのロッカーシステム44の動作について説明する。ユーザー格納に際し、所定の手段で、ユーザーが荷物を預け入れるべきロッカーボックス3(以下、「預入ボックス」という)が事前に定められ、ユーザーに通知される。ユーザーは、荷物をユーザー格納するため、任意のタイミングで設置エリアに赴く。なお、ユーザーは、設置エリアの作業台8に準備された梱包用品や、包装用品、作業台8に設けられたラベルプリンター9を利用して、設置エリアで荷物の梱包や、包装、送り状の発行、送り状の貼り付けを行うことができる。
その後、ユーザーは、専用アプリを起動した状態で、ユーザー端末47のカメラで、預入ボックスに対応する操作パネル4の2次元コードの読み取りを行う。当該2次元コードの読み取りに応じて、専用アプリからサーバー制御部56に必要な情報が送信され、サーバー制御部56は、ロッカー制御部50と通信し、預入ボックスを解錠させる。専用アプリには伝票IDが登録されている。
ユーザーは、預入ボックスの開閉扉6を開状態とし、第1カメラ15に送り状を撮影させる。上述したように、ユーザーは、荷物の送り状を、ロッカーボックス3の開口付近にかざす、という簡易な作業を行うことにより、第1カメラ15に送り状を撮影させることができる。ロッカー制御部50は、開閉扉6が開状態となったときに、光源25に第1出力量で光を投射させ、また、第1カメラ15の撮影結果に基づいて伝票IDの認識を行い、認識した伝票ID、および、対応する撮影画像データを統括制御サーバー45に送信する。統括制御サーバー45のサーバー制御部56は、伝票IDおよび撮影画像データに基づいて荷物の正当性を判定する。サーバー制御部56により荷物の正当性が認められた場合、ロッカー制御部50は、所定の態様でタッチスクリーン40への表示、音声出力ユニット42による音声出力を行うと共に、光源25の出力量を、第1出力量から第2出力量に変更する。ユーザーは、これら処理により、視覚的および聴覚的にユーザー格納を行うことが許可されたことを認識し、ロッカーボックス3の格納スペース10に荷物を格納する。荷物の格納後、開閉扉6は自動で閉状態へと移行する。
荷物を格納した後、ユーザーは、専用アプリが起動した状態のユーザー端末47に対して所定の操作を行って、サインを入力可能なサイン入力欄が形成されたサイン入力画面を表示させる。ユーザーは、サイン入力画面のサイン入力欄にサインを行う。専用アプリは、サイン入力欄に入力されたサインが画像として記録された画像データ(以下「預入サインデータ」という)を生成し、伝票IDと共に、預入サイン画像データを統括制御サーバー45に送信する。サーバー制御部56は、集荷管理データベース62の対応するレコードに、受信した預入サイン画像データを登録する。これにより、ユーザーのサインがデータ化され、保存された状態とされる。預入サイン画像データを登録した後、サーバー制御部56は、ロッカー制御部50と通信し、預入ボックスの開閉扉6を施錠させる。ロッカー制御部50は、開閉扉6が閉状態となったときに格納状態の場合は施錠し、空状態の場合は施錠しない。ロッカー制御部50は、開閉扉6を施錠した後、光源25による光の投射を停止する。
次に、集荷取出が行われるときのロッカーシステム44の動作について説明する。なお、以下では、集荷に係る作業を行うものを便宜的に「集荷者」と表現するが、配送者が、荷物の配送の際に、併せて荷物の集荷を行う構成でもよい。集荷者は、ロッカー1の任意の操作パネル4のカード載置面41aに、自身が所有する集荷カードを近接させる。集荷カードは、荷物を集荷する権限を有する者にのみ引き渡される非接触型ICカードであり、メモリーに、集荷者の認証に使用する認証情報が記憶されている。集荷者カードのカード載置面41aへの近接に応じて、ICカードリーダー41は、集荷者カードから認証情報を読み取り、ロッカー制御部50は、認証情報に基づいて認証を行う。
認証に成功した場合、ロッカー制御部50は、電光掲示板7を制御して、電光掲示板7の表示内容を「集荷者による作業中であることを示す情報」へと変更する。次いで、ロッカー制御部50は、集荷待ちの荷物が格納された全てのロッカーボックス3のロック機構11に解錠信号を出力し、集荷待ちの荷物が格納された全てのロッカーボックス3を一斉に解錠する。ロッカー制御部50は、サーバー制御部56と通信し、統括制御サーバー45が記憶する集荷管理データベース62に基づいて、集荷待ちの荷物が格納されたロッカーボックス3を認識する。ロッカー制御部50は、集荷待ちの荷物が格納されたロッカーボックス3を一斉に解錠した後、再び集荷者カードの読み取りが行われるまでの期間を、集荷取出が行われる期間(以下、「集荷取出期間」という)として管理し、この集荷取出期間の間、以下の処理を実行する。
すなわち、ロッカー制御部50は、解錠したロッカーボックス3のそれぞれについて、光源25を点滅させることによって取っ手26を点滅させる。これにより、集荷者は、ロッカー1の外観を見るだけで、簡単に、集荷待ちの荷物が格納されたロッカーボックス3の位置を把握することができる。その後、集荷者によって集荷取出が行われる。一の荷物の集荷取出に際し、集荷者は、集荷取出を行うロッカーボックス3を決定する。次いで、集荷者は、ロッカーボックス3の開閉扉6を開状態とする。ロッカー制御部50は、集荷取出期間において、一のロッカーボックス3の開閉扉6が開状態となったことを検出した場合、当該一のロッカーボックス3の光源25を制御し、第2出力量で光を投射させる。集荷者は、ロッカーボックス3から荷物を取り出す(集荷取出を行う)。ロッカーボックス3から荷物が取り出された後、開閉扉6は自動で閉状態となる。ロッカー制御部50は、開閉扉6が閉状態となったことを検出すると、ロッカーボックス3が空状態か否かを判定し、空状態の場合は、開閉扉6を施錠し、空状態ではない場合は、開閉扉6を施錠しない。これにより、開閉扉6から荷物が取り出されていない状態で開閉扉6が施錠されることが防止されている。
ロッカーボックス3の開閉扉6を施錠した場合、ロッカー制御部50は、統括制御サーバー45のサーバー制御部56に、そのロッカーボックス3のボックスIDと共に、そのロッカーボックス3についての集荷取出が完了したことを通知する。サーバー制御部56は、当該通知を受信した場合、集荷管理データベース62の対応するレコードの内容を更新し、集荷取出が完了したことを管理する。
以上のようにして、集荷者により、集荷待ちの全ての荷物について、集荷取出が行われ、これにより集荷が完了する。詳細は省略するが、集荷された荷物は、所定の手段で適切に送り先に送り届けられる。以上のように、本実施形態では、集荷者による操作パネル4への操作に応じて、ロッカー制御装置13は、統括制御サーバー45と協働して、全ての格納ユニット2に属するロッカーボックス3のうち、集荷者が集荷すべき荷物が格納されているロッカーボックス3を解錠する。このような構成のため、集荷者は、集荷者が集荷すべき荷物が格納されているロッカーボックス3を認識し、ロッカーボックス3ごとに所定の作業を行って解錠するといった煩雑な作業を行う必要が無く、集荷者の負担が小さい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、配送格納において、第1カメラ15の撮影結果に基づいて認識する対象は、伝票IDであった。しかしながら、当該対象は、伝票IDに限らない。また、上記実施形態では、認識する対象の伝票IDは、文字列であったが、2次元コードや、バーコードであってもよい。
また、上述した実施形態では、ロッカー1の各デバイス(操作パネル4を含む)とネットワークを介さずに直接接続されたロッカー制御装置13と、ロッカー制御装置13とネットワークNを介して接続された統括制御サーバー45(サーバー装置)とが協働して「制御システム」として機能した。これに関し、ロッカー制御装置13の処理として説明した処理の一部を統括制御サーバー45が実行する構成でもよく、逆に、統括制御サーバー45の処理として説明した処理の一部をロッカー制御装置13が実行する構成でもよい。なお、本実施形態では、統括制御サーバー45は、インターネットを含むネットワークNと接続するグローバルサーバーであったが、ローカルエリアネットワークを介してロッカー制御装置13と接続されたローカルサーバーであってもよい。また、ロッカー制御装置13が、必要なデータを記憶し、ロッカー利用配送サービスに関する処理の全てを実行する構成でもよい。この場合、ロッカー制御装置13が、特許請求の範囲の「制御システム」として機能する。また、上記実施形態では、1台のロッカー1を1台のロッカー制御装置13が制御する構成であった。この点に関し、複数台のロッカー1を1台のロッカー制御装置13が制御する構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、配送者は、ロッカー1に設けられた操作パネル4のうち、任意の操作パネル4のICカードリーダー41に配送者カードを読み取らせることにより、空状態のロッカーボックス3を解錠させた。集荷者も同様である。この点に関し、以下の構成でもよい。すなわち、ロッカー1とは別個に、配送者および集荷者が操作する専用の操作ユニットを設ける。操作ユニットには、ICカードリーダーが設けられると共に、ICカードリーダーは、ロッカー制御装置13に接続される。そして、配送者および集荷者が、ロッカー1とは別体の操作ユニットを操作して(ICカードリーダーにICカードを読み取らせて)、ロッカーボックスを解錠させる構成でもよい。この場合において、配送者および集荷者による操作について、操作パネル4に対する操作、および、操作ユニットへの操作の双方を受け付ける構成としてもよく、操作ユニットへの操作のみを受け付ける構成としてもよい。
また、上記実施形態では、ロッカー制御部50は、送り状の認証が成功した場合、第1出力量に代えて第2出力量で光源25を駆動した。上述のとおり、これは、格納スペース10を照らし、配送者が作業をしやすくなるようにするためである。この点に関し、外光が十分に供給され、光源25から光を投射しなくても、配送者が、格納スペース10の内側を確認できる場合には、第2出力量で光源25を駆動することに代えて、光源25の駆動を停止する構成でもよい。
また、上述した実施形態では、配送取出に際し、ユーザーは、自身のユーザー端末47で、タッチスクリーン40に表示された2次元コードを読み取ることにより、統括制御サーバー45に情報を通知した。この点に関し、ユーザーがICカードを所有し、ICカードをICカードリーダー41に読み取らせることにより情報を通知する構成でもよい。ユーザーが所有するICカードは、ロッカー利用配送サービスの利用のために会員カードとして発行されユーザーに受け渡されるものでもよく、他の用途で発行されたICカード(例えば、交通系ICカード)を登録し、利用できるようにしたものでもよい。また、配送取出に際し必要な所定の情報(例えば、配送伝票番号や、パスワードが発行された場合に、そのパスワード)を、タッチスクリーン40に入力する構成でもよい。また、上記実施形態では、ユーザーは、サインを、ユーザー端末47のユーザーインターフェースに入力する構成であったが、これを、タッチスクリーン40に入力する構成としてもよい。