JP2019142154A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Kazuhiro Asai
和宏 浅井
誠一郎 柳沼
Seiichiro Yaginuma
誠一郎 柳沼
弘司 笹木
Hiroshi Sasaki
弘司 笹木
純 山室
Jun Yamamuro
純 山室
松本 圭司
Keiji Matsumoto
圭司 松本
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Abstract

【課題】従来よりも工程数の削減が可能な貫通孔(又は凹部)を有する基板を用いた液体吐出ヘッドの製造方法の提供。【解決手段】吐出口及び流路を有するノズル層とエネルギー発生素子及び液体供給口を有する基板とを有する液体吐出ヘッドの製造方法であり、第一の面及び第二の面を有し該第一の面に配されるエネルギー発生素子及び開口部を有する基板を用意する工程と、この基板の開口部内を含む両面に保護膜を形成する工程と、少なくとも該開口部を閉塞する位置にマスク層を形成する工程と、該マスク層をマスクとして該保護膜をパターニングし特定部分を露出させる工程と、該第一の面及び該マスク層を被覆する感光性樹脂層を形成する工程と、該開口部を閉塞する位置に該マスク層を配した状態で該感光性樹脂層を露光して吐出口及び流路パターンを形成する工程と、該マスク層、該吐出口及び該流路パターンを除去する工程とを有する液体吐出ヘッドの製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
液体吐出ヘッドは、インクジェット記録装置等の液体吐出装置に用いられ、通常、吐出口及び流路を有するノズル層と、エネルギー発生素子及び液体供給口を有する素子基板とから構成される。また、液体吐出ヘッドは、液体から駆動回路や基板を保護する目的から、これらの液体と接触する面に保護膜が形成されている。なお、液体吐出ヘッドは、素子基板とノズル層との密着性や、エネルギー発生素子の熱伝導等の様々な観点から、基板表面の一部(例えば、エネルギー発生素子上)には保護膜が形成されない場合がある(特許文献1参照)。
上記保護膜を必要な箇所にのみ形成する方法は種々知られているが、例えば、貫通孔(液体供給口)を有する基板(貫通基板)上に保護膜を形成した後、この貫通基板上にノズル層を形成することで液体吐出ヘッドを作製する場合には、以下の方法が用いられる。すなわち、まず、前記貫通基板の貫通孔内を含む両面に保護膜を形成し、当該保護膜の不要な部分をパターニングするためのマスクを貫通基板上に形成する。そして、このマスクを用いて保護膜をパターニングした後、当該マスクを除去する。次いで、得られた貫通基板上に感光性樹脂等を用いてノズル層を形成する。
特開2006−315190号公報
このように、保護膜を必要な箇所にのみ形成する方法はいずれも、パターニング用マスクの形成及び除去等、工程数が多くなる傾向があり、工程数の削減が求められていた。
従って、本発明は、従来よりも工程数が削減され、製造コストの削減が可能な、貫通孔(又は凹部)を有する基板を用いた液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する流路とを有するノズル層と、
該吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子と、該流路に連通し液体を供給する液体供給口とを有する素子基板と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
第一の面、および、該第一の面に対向する第二の面を有し、該第一の面に配されるエネルギー発生素子と、該第一の面に配される開口部とを有する基板を用意する工程と、得られた基板の開口部内を含む両面に保護膜を形成する工程と、少なくとも前記第一の面上の前記開口部を閉塞する位置に、前記第一の面に配された前記保護膜をパターニングするためのマスク層を形成するマスク層形成工程と、前記マスク層をマスクとして前記保護膜をパターニングし、前記第一の面の前記エネルギー発生素子を少なくとも含む部分を露出させるパターニング工程と、前記第一の面および前記マスク層を被覆する感光性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記開口部を閉塞する位置に前記マスク層を配した状態で、前記感光性樹脂層を露光して、吐出口パターンおよび流路パターンを形成するパターン形成工程と、前記マスク層、前記吐出口パターンおよび前記流路パターンを除去する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明によれば、従来よりも工程数が削減され、製造コストの削減が可能な、貫通孔(又は凹部)を有する基板を用いた液体吐出ヘッドの製造方法を提供することが可能となる。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一実施形態における各工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の他の実施形態における各工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の一実施形態より得られる液体吐出ヘッドを一部破断した状態の模式的斜視図である。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法では、保護膜のパターニング用マスクを残したまま、貫通孔(又は凹部)を有する基板(貫通(又は凹部)基板)上にノズル層を形成し、当該マスクを流路パターン及び吐出口パターンと共に除去することができる。このため、マスクを除去する工程を別途行っていた従来の方法に比べ、工程数を削減することができる。
また、保護膜が形成された貫通(又は凹部)基板上に感光性樹脂を用いてノズル層を形成する場合、以下のことが生じることがある。すなわち、流路及び吐出口のパターンを形成する際の露光操作において、貫通孔(又は凹部)及び保護膜からの反射の影響を受けることがあり、パターニング精度が低下する場合がある。しかしながら、上述したように、本発明では、保護膜のパターニング用マスクを残したままノズル層を形成するため、貫通孔(又は凹部)の開口部分においてもマスクが残存した状態でノズル層の形成が行われる。従って、本発明において、当該マスク層に、(例えば特定の反射率を有する)反射防止層としての役割を兼ねさせることで、従来と比較して、ノズル層形成時のパターニング精度を向上することができ、液体吐出ヘッドの品質を一層向上することができる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
<液体吐出ヘッド>
本発明より得られる液体吐出ヘッドを用いることにより、液体吐出システムを構成することができる。液体吐出システムとは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサや携帯機器等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業装置等を示す。液体吐出ヘッドが液体吐出する対象物は、2次元的な構造体でもよく、3次元的な構造体でもよく、また、空間に対して吐出してもよい。さらに、係る液体吐出システムは、半導体製造装置や医療用装置や3Dプリンタ等の造形装置に応用することもできる。
本実施形態より得られる液体吐出ヘッドは、図3に示すように、ノズル層14と、素子基板15とを少なくとも備える。前記ノズル層14は、液体を吐出する(液体)吐出口12と、吐出口12に連通する(液体)流路13とを有する。また、前記素子基板15は、吐出口12から液体を吐出するためのエネルギー発生素子2と、流路13に連通し液体を供給する液体供給口3とを有する。さらに、当該液体吐出ヘッド16は、素子基板15の第一の面の一部(例えば、エネルギー発生素子2)を除く部分、液体供給口3の内壁面、及び、第二の面に保護膜4が形成されている。なお、素子基板15のノズル層が形成される側の面を第一の面とし、該第一の面に対向する面を第二の面とする。
ここで、図3は、本実施形態より得られる液体吐出ヘッドを一部破断した状態の模式的斜視図である。また、図1及び図2は、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法の各工程を説明するための模式的断面図であり、これらの各工程断面図は、液体吐出ヘッド16を図3に示す線分A−A’において切断した際の断面図に相当する。
(ノズル層)
ノズル層14は、図3では単層構成として記載されているが、多層構成であってもよい。例えば、図1(J)に示すように、ノズル層14が、吐出口12を有するオリフィスプレート14aと、流路13を有する流路壁部材14bとから構成されてもよい。さらに、ノズル層14の表面に、フッ素樹脂膜等の表面処理膜(不図示)が付与されていてもよい。
吐出口12は、液体を吐出するためのものであり、例えば、図1(J)に示すように、エネルギー発生素子2の上方(紙面上方)のオリフィスプレート部分に形成することができ、通常、1つの液体吐出ヘッドに複数形成される。
流路13は、素子基板15の第一の面と、流路壁部材14bの内壁面と、オリフィスプレート14aの裏面(紙面下側の面)とで囲まれる空間部分であることができる。そして、流路13は、この空間部分に液体を保持する液室として利用される。
上述したように、ノズル層14は、多層構成とすることができ、ノズル層中に、密着層、平坦化層、反射防止層及び耐薬品層等が任意の位置に配されていてもよい。
ノズル層14を構成する材料は特に限定されず、適宜選択することができる。
例えば、ノズル層14は、感光性樹脂等の樹脂材料で形成することができる。前記感光性樹脂は、ネガ型感光性樹脂及びポジ型感光性樹脂のいずれを用いてもよいが、実使用の観点から、光に対して硬化するタイプのネガ型感光性樹脂を用いることが好ましい。ネガ型感光性樹脂は、製造工程の自由度や製品の信頼性の観点から、熱や薬品への耐性が高い樹脂を用いることが好ましい。このことを踏まえると、ノズル層14は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂及びフッ素樹脂のうち少なくとも1つの樹脂(第一樹脂)を含む感光性樹脂(感光性樹脂組成物)で構成されることが好ましい。
上記ポリイミド樹脂としては、例えば、全芳香族ポリイミドが挙げられる。上記ポリアミド樹脂としては、例えば、アラミドが挙げられる。上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型及び脂環式のエポキシ樹脂が挙げられる。上記アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。また、上記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
なお、感光性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記感光性樹脂組成物(固形分)は、上記第一樹脂を主成分として含むことができる。なお、主成分とは、対象物(ここでは、感光性樹脂組成物)に含まれる成分のうち、もっとも多く含まれる成分のことを意味する。具体的には、上記感光性樹脂組成物(固形分)中に、上記第一樹脂を、例えば、30質量%以上、99質量%以下含むことができる。
また、上記感光性樹脂組成物には、光酸発生剤、増感剤、還元剤、密着向上添加剤、撥水剤、及び電磁波吸収材等の添加剤を含んでもよい。また、上記感光性樹脂組成物には、熱可塑性樹脂、軟化点制御用樹脂、及び、強度を高める樹脂等の他の樹脂が添加されてもよい。さらに、上記感光性樹脂組成物には、無機フィラーやカーボンナノチューブ等が含まれていてもよく、静電気対策等のために、導電性材料が含まれていてもよい。これら添加剤の添加量は適宜設定することができ、特に限定されない。
なお、ノズル層が、図1及び図2に示すように、多層構成を有する場合、各層に用いる樹脂材料は、吐出口及び流路のパターン形成への影響等を考慮して、適宜設定することができる。
(素子基板)
素子基板15に用いる基板1は、トランジスタ等の半導体素子や回路が形成可能な基板であれば特に限定されず、適宜用いることができる。基板1としては、例えば、Si、Ge、SiC、GaAs、InAs、GaP、ダイヤモンド、酸化物半導体であるZnO、窒化物半導体であるInN及びGaN、並びに、これらの混合物等や、有機半導体等の半導体材料が挙げられる。また、基板1としては、ガラス及びAl、樹脂、金属等の基板に、薄膜トランジスタ等を用いた回路が形成されたもの、並びに、SOI基板等を用いてもよく、また、プラスチック及び金属等を貼り合わせた基板を用いてもよい。これらの中でも、基板1として、シリコン基板を好適に用いることができる。
エネルギー発生素子2としては、液体吐出ヘッドの分野において公知の素子を適宜用いることができる。エネルギー発生素子2としては、例えば、TaSiN等の熱エネルギーを用いる抵抗加熱ヒーター素子や電磁波加熱素子、機械的エネルギーを用いるピエゾ素子や超音波素子、電気エネルギーや磁気エネルギーで液体を吐出する素子等が挙げられる。なお、エネルギー発生素子2の数や配置は、作製する液体吐出ヘッドの構造に応じて適宜選択することができ、例えば、この素子を複数、所定のピッチで2列に並べて、素子基板の第一の面に設けることができる。また、エネルギー発生素子2は、基板1の表面と接触していてもよいし、一部が基板1から離間した状態に形成されていてもよい。
素子基板15は、流路13と連通しかつ液体を供給するための液体供給口(貫通孔)3を有する。図3に示す液体吐出ヘッドでは、このヘッドの長手方向に沿って吐出口12を等間隔に配置することにより形成した吐出口列を2列配置しており、これらの吐出口列の間に液体供給口3が設けられている。なお、この液体供給口3は、素子基板15を、基板面に対して(略)垂直な方向に貫通しており、素子基板の第一の面及び第二の面において開口している。
また、基板1上には、エネルギー発生素子2を駆動するための回路(不図示)や接続端子(不図示)等を有することもできる。さらに、エネルギー発生素子2は、絶縁層や他の保護膜(例えば、Ta等の金属膜)で覆われていてもよいが、図3に示すように、当該液体吐出ヘッドでは、エネルギー発生素子上には(更なる)保護膜4は形成されない。
保護膜4は、貫通基板の貫通孔等に露出する基板材料を、液体供給口3を通じて供給する液体から保護できるものであれば、いずれの材料も使用できる。保護膜を構成する材料としては、例えば、金属材料、半導体材料及び絶縁体材料等、並びに、これらの組み合わせを挙げることができる。
保護膜を構成する材料としては、具体的には、以下のものを挙げることができる。すなわち、Al、Cu、Ni、Ti、Fe、Mn、Mo、Sn、Cr、Ca、Pt、Au、Ag、Pd、W、Be、Na、Co、Sc、Zn、Ga、V、Nb、Ir、Hf、Ta、Hg、Bi及びPb、並びに、これらの混合物等の金属材料;La、Ce、Nd及びSm、並びに、これらの混合物等;一般的な合金であるステンレス鋼(SUS)及び金属ガラス等;上述した金属の酸化物、窒化物、窒酸化物、炭化物、フッ化物及びホウ化物、並びに、これらの混合物等。
また、保護膜4には、上記基板1とは別途、Si、Ge、SiC、GaAs、InAs、GaP、GaN、SiN、BN等の半導体材料や、ダイヤモンドライクカーボン、グラファイト、カーボンナノチューブ等の炭素材料を含んでいてもよい。
また、保護膜4は、単層構成であってもよいし、多層構成であってもよい。保護膜4中に、密着性、平坦性、反射防止性、耐薬品性等を向上する層(膜)が配されていてもよい。これらの層は、任意の位置に配することができる。また、保護膜4中に、集積回路やMEMS等のデバイスが形成されていてもよい。
<液体吐出ヘッドの使用方法>
本発明より得られる液体吐出ヘッドを用いて、紙等の記録媒体に記録を行う場合、このヘッドの吐出口12が形成された面(吐出口面)を記録媒体の記録面に対面するように配置する。そして、液体供給口3から素子基板内に流入し、ノズル層内の流路内に充填された液体が、エネルギー発生素子2から発生するエネルギーによって、吐出口12から吐出され、記録媒体にこの液体が着弾することにより印字(記録)を行うことができる。
<液体吐出ヘッドの製造方法>
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、以下の工程を有する。
・第一の面、及び、該第一の面に対向する第二の面を有し、該第一の面に配されるエネルギー発生素子と、該第一の面に配される開口部とを有する基板を用意する工程(基板用意工程)。
・得られた基板の開口部内を含む両面に保護膜を形成する工程(保護膜形成工程)。
・少なくとも前記第一の面上の前記開口部を閉塞する位置に、前記第一の面に配された前記保護膜をパターニングするためのマスク層を形成する工程(マスク層形成工程)。
・前記マスク層をマスクとして前記保護膜をパターニングし、前記第一の面の前記エネルギー発生素子を少なくとも含む部分を露出させる工程((保護膜)パターニング工程)。
・前記第一の面及び前記マスク層を被覆する感光性樹脂層を形成する工程(樹脂層形成工程)。
・前記開口部を閉塞する位置に前記マスク層を配した状態で、前記感光性樹脂層を露光して、吐出口パターン及び流路パターンを形成する工程(パターン形成工程)。
・前記マスク層、前記吐出口パターン及び前記流路パターンを除去する工程(除去工程)。
また、上記基板用意工程は、以下の工程を含むことができる。
・基板の第一の面に、エネルギー発生素子を形成する工程(素子形成工程)
・基板の第一の面に、(基板の(厚み方向の)少なくとも一部を貫通する凹部又は貫通孔により構成される)前記開口部を形成する工程(開口部形成工程)。
なお、この開口部は、前記第一の面から(該第一の面に対向する)前記第二の面を貫通する貫通孔(液体供給口)により構成されてもよく、すなわち、前記開口部が、前記貫通孔が有する開口部分を意味するものであってもよい。
この場合、上記開口部形成工程は、基板を貫通する貫通孔(液体供給口)を形成する工程であることができる。
また、前記開口部が、前記第一の面に開口する凹部により構成されてもよく、すなわち、前記開口部が、前記凹部が有する開口部分を意味するものであってもよい。この場合、本発明の製造方法は、さらに、以下の工程を有することができる。
・前記凹部の底面と、前記第二の面とを貫通させ、前記第一の面から該第二の面を貫通する貫通孔(液体供給口)を形成する工程。
このように、本発明の製造方法では、液体供給口(貫通孔)が製造過程において段階を経て形成されていてもよく、未貫通のままノズル層を形成してもよい。製造過程において液体供給口を形成する場合には、別途形成された液体供給口部分を保護するための以下の工程を設けることもできる。
・少なくとも、前記液体供給口の内壁面の少なくとも一部を保護する保護膜を形成する工程。
また、上記マスク層形成工程は、以下の工程を含むことができる。
・樹脂層と、支持体とを有するドライフィルムレジスト(DFR)を用意する工程(DFR用意工程)。
・前記開口部を含む前記第一の面に対して、前記樹脂層と、前記支持体とをこの順に有するDFRを被覆する工程(DFR被覆工程)。
・前記支持体を、この樹脂層上から剥離する工程(剥離工程)。
・前記第一の面に配された樹脂層をパターニングして、前記保護膜のパターニングのためのマスク層を形成する工程(樹脂層パターニング工程)。
ここで、上述したように、ノズル層14が例えば、吐出口12を有するオリフィスプレート14aと、流路13を有する流路壁部材14bとを含む多層構成を有する場合、上記樹脂層形成工程は、以下の工程を含むことができる。
・前記第一の面及び前記マスク層を被覆する第一の感光性樹脂層を形成する工程(第一の樹脂層形成工程)。
・前記第一の感光性樹脂層上に、第二の感光性樹脂層を形成する工程(第二の樹脂層形成工程)。
また、この場合、前記パターン形成工程は、以下の工程を含むことができる。
・前記開口部を閉塞する位置に前記マスク層を配した状態で、前記第一の感光性樹脂層を露光して、流路パターンを形成する工程(流路パターン形成工程)。
・前記開口部を閉塞する位置に前記マスク層を配した状態で、前記第二の感光性樹脂層を露光して、吐出口パターンを形成する工程(吐出口パターン形成工程)。
さらに、本発明の製造方法は、機能性の観点から、上記(保護膜)パターニング工程と、上記(第一の)樹脂層形成工程との間に、前記マスク層の一部を加工処理する工程(加工処理工程)を有することもできる。また、本発明の製造方法は、前記(第二の)感光性樹脂層の表面を処理する工程(表面処理工程)を有することもできる。
なお、本発明の製造方法が有する各工程の順序は特に限定されず、複数の工程(例えば、上記樹脂層形成工程及び上記パターン形成工程)が並行に行われてもよい。
以下に、各工程について詳しく説明する。
(基板用意工程)
まず、図1(A)に示すように、第一の面1aに、エネルギー発生素子2と、開口部3aとが配された基板1を用意する。
具体的には、まず、基板(例えば、シリコン基板)1の第一の面1aに、エネルギー発生素子2、及び、必要に応じて当該エネルギー発生素子を被覆する絶縁膜(不図示)等を、フォトリソグラフィーを用いた多層配線技術等によって形成する(素子形成工程)。
続いて、エネルギー発生素子2が配された基板1の第一の面1aに開口部を形成する(開口部形成工程)。
ここで、上述したように、この開口部3aは、図3に示すように、貫通孔(液体供給口)3が有する開口部分であってもよいし、第一の面1aに開口する凹部が有する開口部分であってもよい。開口部3aとして、凹部を形成した場合は、後の工程において、前記凹部の底面と、前記第二の面とを貫通させ、第一の面1aから第二の面1bを貫通する貫通孔(液体供給口)を形成する。例えば、上記樹脂層形成工程又は上記除去工程後に、基板の第二の面から(エッチング等により)加工して、前記凹部の底面と、第二の面とを貫通させ、液体供給口を形成することができる。
なお、上記貫通孔の形状は特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、図1〜図3に示すように、基板面を略垂直に貫通する貫通孔であってもよいし、第一の面1aから第二の面1bに向かって開口面積が広がるテーパー形状の貫通孔であってもよい。また、貫通孔3が、例えば、基板の厚み方向(図1に示す紙面上下方向)において複数の貫通部により構成されていてもよい。例えば、貫通孔3が、第一の面1aに開口する複数の貫通部(個別液体供給口)と、該複数の貫通部が連通しかつ第二の面1bに開口する貫通部(共通液体供給口)とから構成されていてもよい。この場合、例えば、基板1に、上記個別液体供給口(上記凹部に相当)を形成した段階でノズル層を形成し、その後、上記共通液体供給口を形成することで貫通孔3を形成してもよい。また、新たに作製した上記共通液体供給口の内壁面に別途、後述する保護膜4を形成してもよい。例えば、上記樹脂層形成工程又は上記除去工程後に、前記凹部の底面と、第二の面とを貫通させて上記共通液体供給口を形成し、続いて、この共通液体供給口の内壁面に、後述する成膜法を用いて別途保護膜を形成する。これにより、貫通孔(液体供給口)全体に保護膜を形成してもよい。
開口部3a(貫通孔又は凹部)の形成方法としては、例えば、レーザー加工、反応性イオンエッチング、サンドブラスト、ウェットエッチング等を用いることができる。また、開口部の形成に、これらの加工方法を組み合わせて用いても良い。なお、開口部3aを形成する際に、エネルギー発生素子2が傷つくのを防ぐ観点から、基板1上に、半導体レジストや保護テープなどの犠牲層(不図示)を形成してもよい。
なお、以下では、基板1に開口部として貫通孔3を形成した場合に着目した説明を行う。
(保護膜形成工程)
続いて、図1(B)に示すように、得られた基板1の開口部内(図1では、貫通孔の内壁面)を含む両面(第一の面1a及び第二の面1b)に保護膜4を形成する。この際、第一の面1aに配されるエネルギー発生素子2上(詳しくは表面)にも保護膜4を形成する。保護膜4の形成方法は特に限定されず、様々な方法を用いることができる。すなわち、保護膜の形成に、スパッタ、真空蒸着、分子線エピタキシー、レーザー堆積、電子ビーム蒸着等の物理気相堆積法(PVD)を用いてもよいし、原子層堆積法(ALD)、蒸着重合等を含む化学反応を利用した化学気相堆積法(CVD)を用いてもよい。また、CVDにおいて、熱、プラズマ、電磁波、触媒等を組み合わせて用いてもよい。さらに、これらの成膜法を組み合わせて、保護膜4を形成してもよい。基板1の所定箇所に保護膜4を形成した後、熱、電磁波、電子ビーム及びプラズマ等を用いた処理を行ってもよい。
保護膜4は、求められる物性に応じて、上述した材料から適宜選択して用いることができる。なお、基板1及び保護膜4と、後述するマスク層5aとが密着しやすいように、これらの表面を、ヘキサメチルジシランなどのシランカップリング剤で表面処理してもよい。
(マスク層形成工程)
続いて、図1(C)及び(D)に示すように、第一の面1a上に、詳しくは、少なくとも開口部3aを閉塞する位置に、第一の面1aに配された保護膜4をパターニングするためのマスク層5aを形成する。
このマスク層5aの作製方法は特に限定されないが、マスク層5aは、例えば、ドライフィルムレジスト(DFR)を用いて形成することができる。
具体的には、まず、樹脂層5と、支持体6とを有するドライフィルムレジスト(DFR)7を用意する(DFR用意工程)。次に、図1(C)に示すように、開口部3aを含む第一の面1aを、樹脂層5と、支持体6とをこの順に有するDFR7で被覆する(DFR被覆工程)。続いて、支持体6を樹脂層5上から剥離し(剥離工程)、樹脂層5を任意の形状にパターニングして、マスク層5aを形成する(樹脂層パターニング工程)。
上記DFR用意工程において、DFRの作製方法は特に限定されないが、例えば、支持体6上に樹脂層5を構成する樹脂材料を、スピンコート法、カーテンコート法及びロールコート法などの塗布方法により塗布する方法が挙げられる。支持体6の厚みは適宜設定することができる。また、(DFR作製時の)樹脂層5の厚みもノズル層等の構成によって適宜設定することができるが、強度の観点から3μm以上とすることが好ましい。
上記支持体6を構成する材料は特に限定されないが、例えば、フィルム材料、ガラス材料、セラミック材料、金属材料、半導体材料等を用いることができる。
上記フィルム材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニル等が挙げられる。
また、上記樹脂層5を構成する樹脂材料は適宜選択することができる。しかしながら、本発明では、当該樹脂層5は、保護膜4のパターニング用のマスクであるマスク層5aとして用いられ、上記除去工程において、吐出口パターン及び流路パターンと共に除去される。さらに、本発明では、ノズル層のパターン精度をより向上させるために、当該マスク層5aが反射防止層としての役割を兼ねることができる。これらの観点から、樹脂層5(マスク層5a)は、以下の材料により構成されることが好ましい。
すなわち、樹脂層5(マスク層5a)は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂及びフッ素樹脂から選ばれる樹脂(第二樹脂)を含む感光性樹脂(感光性樹脂組成物)で構成されることが好ましい。これらの各樹脂の具体例としては、上記ノズル層において上述した樹脂と同様のものを挙げることができる。
なお、感光性樹脂のタイプとしては、ポジ型とネガ型とが存在するが、最終的に除去することができればどちらを用いてもよい。この感光性樹脂組成物(固形分)中に、上記第二樹脂は主成分として含まれることができる。
また、樹脂層5に用いる感光性樹脂組成物(特に上記第二樹脂)の軟化点は、後述する開口部内への充填の観点から、30℃以上、100℃以下であることが好ましい。なお、感光性樹脂組成物の軟化点は、熱機械分析装置により測定することができる。
さらに、後述するパターン形成工程に用いる露光波長(例えば、波長:365nm)における、樹脂層5(マスク層5a)の反射率は、反射抑制の観点から、小さければ小さいほど好ましいが、具体的には、50%以下であることが好ましい。なお、樹脂層5(マスク層5a)の当該反射率は、この樹脂層の表面からの反射光と、樹脂層の下方(図1では紙面下側)に配される層(保護膜4等)との界面からの反射光との干渉を含む反射率である。この反射率は、分光光度計等の通常の反射率測定装置(例えば、エリプソメーター)を用いて測定することができる。
また、上記樹脂層(マスク層5a)が反射防止層としての役割を担う観点から、少なくとも、パターン形成工程に用いる露光波長における、樹脂層5の反射率が、樹脂層の下方に配される層(保護膜4等)の反射率よりも低いことが好ましい。具体的には、上記露光波長における、上記樹脂層の反射率が、該樹脂層の下方に配される層の反射率よりも5%以上低いことが好ましい。
また、上記DFR被覆工程において、このDFRを第一の面上に形成する方法は特に限定されず、例えば、ラミネートやプレスによる転写方法を用いることができる。
この際、図1(C)に示すように、樹脂層5は、開口部3aを閉塞(被覆)する位置にも配されるが、樹脂層5を構成する樹脂材料(感光性樹脂組成物)が開口部内に嵌め込まれ、開口部内の少なくとも一部がこの樹脂材料で充填されることが好ましい。これにより、ノズル層形成時の露光操作において、開口部内からの反射をマスク層によってより抑制し易くなり、さらに、基板上にDFRを被覆する際や支持体を樹脂層上から剥離する際のDFRの基板への転写性をより向上させることができる。
当該樹脂材料を開口部内に嵌め込む(埋め込む)方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂層5に、ヒーター等で熱を加え、その熱によって樹脂材料を軟化させることで、開口部内に当該樹脂材料を充填(垂下)させてもよい。樹脂層5を加熱する際の温度は、樹脂層5に用いた樹脂材料によって適宜設定することができるが、例えば、40℃以上、150℃以下とすることができる。
開口部内への樹脂材料の埋め込み(嵌め込み)量は、開口部(具体的には、貫通孔3又は凹部)のサイズに応じて、適宜設定できるが、流路13の高さ(図1に示す流路壁部材14bの厚み)を考慮すると多ければ多い程好ましい。具体的には、開口部内の少なくとも一部に充填される樹脂材料の厚み5iiは、上述したDFRの基板への転写性等の観点から、第一の面1a上(詳しくは、第一の面1aに配された保護膜4上)に配される樹脂層5の厚み5iの1.5倍以上であることが好ましい。
なお、樹脂材料は、後の工程で除去することができるため、開口部内全てに埋め込まれてもよく、貫通孔(又は凹部)の厚みに対して、当該貫通孔(又は凹部)内に充填される樹脂材料の厚みは、適宜設定することができる。
また、第一の面1a上に配される樹脂層5の厚み5iが薄ければ薄いほど、後の工程で形成する流路13の高さ(流路壁部材14bの厚み)精度が高まる効果が得られる。具体的には、第一の面1a上に配される樹脂層5の厚み5iが、流路壁部材14bの厚みの50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。
上記剥離工程における剥離方法は特に限定されず、例えば、剥離装置を用いて支持部材6の剥離を行うことができる。なお、DFR7は、支持体6を、樹脂層5上から剥離しやすいように、支持体6と、樹脂層5との界面に離型剤が施されていてもよい。離型剤の種類は特に限定されず、液体吐出ヘッドの分野で公知ものを適宜用いることができる。
ここで、本発明では、上述したように、樹脂層5は感光性樹脂で構成されることが好ましい。このため、上記樹脂層パターニング工程において、任意のパターンが描写されたフォトマスク(不図示)を介して、樹脂層5を露光及び現像するフォトリソグラフィーによって、樹脂層5を任意の形状に容易にパターニングすることができる。これにより、所定の位置に、第一の面1aに配された保護膜4をパターニングするためのマスク層5aを形成することができる。図1(D)では、開口部3aを閉塞するとともに、一部が、開口部内に嵌め込まれるマスク層5aが記載されている。また、このマスク層5aは、保護膜4のパターニング箇所上には形成されておらず、図1(D)では、第一の面のエネルギー発生素子2を少なくとも含む部分に対応する保護膜4は表面に露出した状態となっている。
なお、開口部内に嵌め込まれるマスク層5aの厚み5aiiは、パターニング前の樹脂層5と同様に、基板への転写性等の観点から、第一の面上(詳しくは第一の面に配された保護膜4上)に配されるマスク層の厚み5aiの1.5倍以上であることが好ましい。また、流路の高さ精度の観点から、第一の面上に配されるマスク層は、流路壁部材14bの厚みの50%以下の厚みを有することが好ましく、25%以下の厚みを有することがより好ましい。
((保護膜)パターニング工程)
次に、図1(E)に示すように、マスク層5aをマスクとして、保護膜4をパターニングし、第一の面1aのエネルギー発生素子2を少なくとも含む部分1aiを露出させる。また、図1(E)では、パターニング後の保護膜4は、基板1の第二の面1bから貫通孔3の内壁面及び第一の面1aまで連続して形成されており、第一の面1aにおける貫通孔の開口部近傍(開口縁部の角部)を被覆している。
保護膜4のパターニング方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング、電子ビーム加工、レーザー加工、サンドブラスト加工等の化学的、物理的な方法を用いることができる。これらの中でも、マスク層5aにほぼダメージを与えない液体やガスを用いて、保護膜4をエッチングする方法を用いることが好ましい。
(樹脂層形成工程及びパターン形成工程)
続いて、第一の面(例えば、符号1aiに示す露出部分)及びマスク層5aを被覆する感光性樹脂層を形成する(樹脂層形成工程)。図1では、オリフィスプレート14aと、流路壁部材14bとから構成されるノズル層14を形成する。このため、図1(F)では、第一の面1a及びマスク層5a上に、流路壁部材14bに対応する第一の感光性樹脂層8を形成しており、図1(H)では、第一の感光性樹脂層8上に、オリフィスプレート14aに対応する第二の感光性樹脂層10を形成している。
(各)感光性樹脂層の形成方法は特に限定されず、例えば、樹脂材料を用いたスピンコート法、カーテンコート法、ロールコート法などの塗布方法や、支持体と感光性樹脂層とを有するDFRを用いたラミネートやプレスによる転写方法が挙げられる。
(各)感光性樹脂層は、上記ノズル層の説明において述べたように、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂及びフッ素樹脂から得らればれる樹脂を含む感光性樹脂で構成されることが好ましい。また、上述したように、感光性樹脂層には、ネガ型の感光性樹脂を用いることが好ましい。なお、ノズル層を多層構成とする場合は、ノズル層を構成する各感光性樹脂層(例えば、第二の感光性樹脂層10)を光照射する際に、他の感光性樹脂層(例えば、第一の感光性樹脂層8)が感光しないような樹脂材料をそれぞれ選択することが好ましい。
なお、(第一及び第二の)樹脂層形成工程では、保護膜のパターニング用のマスクであるマスク層5aが残存した状態で、これらの感光性樹脂層が形成される。ここで、マスク層5aによる反射抑制効果を充分に発揮する観点から、(第一及び第二の)樹脂層形成工程において、マスク層5aが軟化又は溶解しない条件で、これらの感光性樹脂層を形成することが好ましい。すなわち、樹脂層形成工程後においても、マスク層5aを開口部3aに配した状態を維持することが好ましい。例えば、樹脂層形成工程を、マスク層5aを構成する樹脂材料の軟化点未満の温度で行うことで、マスク層5aを軟化も溶解もさせずにこれらの感光性樹脂層を形成することができる。
さらに、第二の樹脂層形成工程では、第一の感光性樹脂層8を軟化又は溶解しない条件で、第二の感光性樹脂層10を形成することが好ましい。例えば、第二の樹脂層形成工程を、第一の感光性樹脂層を構成する樹脂材料の軟化点未満の温度で行うことで、第一の感光性樹脂層を軟化も溶解もさせずに第二の感光性樹脂層を形成することができる。
なお、第二の感光性樹脂層の表面(図1に示す紙面上側の面)は表面処理されていてもよく、例えば、第二の感光性樹脂層の表面にフッ素樹脂膜などを付与してもよい。
次に、第一の面上に(詳しくは開口部を閉塞する位置に)マスク層を配した状態で、得られた感光性樹脂層を露光して、吐出口パターン及び流路パターンを形成する(パターン形成工程)。ここで、図1のように、ノズル層14が多層構造を有する場合、第一の感光性樹脂層8に流路パターンを形成する工程は、第二の感光性樹脂層10を形成する前に行っても、後に行ってもどちらでもよい。図1では、図1(F)〜(I)に示すように、第一の感光性樹脂層8を形成した(第一の樹脂層形成工程)後、この樹脂層8に流路パターンを作製している(流路パターン形成工程)。そして、この流路パターンが形成された樹脂層8上に、第二の感光性樹脂層10を形成し(第二の樹脂層形成工程)、この樹脂層10に吐出口パターンを形成している(吐出口パターン形成工程)。
具体的には、図1(G)に示すように、流路パターンが描写されたマスク9を介して、例えば、ネガ型感光性樹脂で構成される第一の感光性樹脂層8を露光し、流路の一部に相当する非露光部8aと、流路壁となる露光部8bとを形成する。続いて、図1(H)に示すように、マスク層5a及び第一の感光性樹脂層8を軟化又は溶解させない条件で、例えば、ネガ型感光性樹脂で構成される第二の感光性樹脂層10を形成する。そして、吐出口パターンが描写されたマスク11を介して、第二の感光性樹脂層10を露光し、吐出口に相当する非露光部10aと、露光部10bとを形成する。これらの図に示すように、マスク層5aは、流路13及び貫通孔(液体供給口)3の少なくとも一部となる位置に配されている。
流路パターン及び吐出口パターンの形成に用いる露光波長は、ノズル層及びマスク層に使用する樹脂材料等に応じて、適宜設定することができる。マスク層5aの上記露光波長に対する反射率を例えば50%以下とすることで、マスク層が反射防止層の役割を兼ねることもできる。このため、本発明では、反射防止層としてのマスク層を開口部に配した状態で、各感光性樹脂層を露光することができ、従来と比較して、ノズル層のパターニング精度を向上することができる。
(除去工程)
最後に、図1(J)に示すように、マスク層5aと、流路パターン及び吐出口パターン(具体的には、非露光部8a及び10a)とを除去して、流路13と吐出口12とを有するノズル層14を形成する。この際、マスク層5aを除去しやすいように、製造過程中に、第一(及び第二)の感光性樹脂層を感光させないような光を選択して、マスク層5aを露光させてもよい。マスク層及びこれらのパターンを除去する方法としては、例えば、液体やガスによる方法が挙げられる。例えば、除去液としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、キシレン等が挙げられる。
なお、マスク層の除去と、流路パターンの除去と、吐出口パターンの除去とをそれぞれ別途行うことも可能であるが、工程数削減の観点から、これらの除去は同時に行うことが好ましい。
以上より、図1(J)に示す液体吐出ヘッドを得ることができる。
(加工処理工程)
上述したように、本発明の製造方法では、機能性の観点から、上記(保護膜)パターニング工程と、上記(第一の)樹脂層形成工程との間に、マスク層5aの一部を加工処理する工程を有することができる。
上記加工処理工程を含む、本発明の別の実施形態の例を図2(A)〜(E)に示す。以下に、この実施形態について詳しく説明する。
まず、図2(A)に示す基板を、例えば、図1(A)〜(E)に示す方法と同じ方法を用いて形成する。
続いて、図2(B)に示すように、パターニングされたマスク層5aの一部を加工処理する(加工処理工程)。図2(B)では、底部(先端部)が尖ったテーパー形状の凹み5bがマスク層5aに形成されている。マスク層の加工方法としては特に限定されないが、例えば、レーザー加工、フォトリソグラフィーを用いることができる。例えば、フォトリソグラフィーは、フォトマスクに、ハーフトーンやグラデーションマスク等を用いてもよい。また、加工精度に問題なければ、マスク層5aの加工部分をデフォーカスによるパターンボケで形成してもよい。
続いて、第一の面及び加工処理されたマスク層5aを、例えば、ネガ型感光性樹脂で構成される第一の感光性樹脂層で被覆する。その後、図2(C)に示すように、第一の面上に当該マスク層5aが配された状態で、マスク16を介して、この第一の感光性樹脂層を露光して、流路パターン(非露光部8a及び露光部8b)を形成する。その際、凹み5bを含む部分も流路壁部材の一部として使用するため、この凹み部分に配された樹脂材料に対しても露光を行い、露光部8bとする。
次に、流路パターンが形成された第一の感光性樹脂層上に、例えば、第一の感光性樹脂層よりも光に対する感度が高いネガ型感光性樹脂により構成される第二の感光性樹脂層を被覆する。続いて、図2(D)に示すように、第一の面上にマスク層5aが配された状態で、マスク11を介して、第二の感光性樹脂層を露光し、吐出口パターン(非露光部10a及び露光部10b)を形成する。
最後に、図2(E)に示すように、マスク層5aと、流路パターン及び吐出口パターン(具体的には、非露光部8a及び10a)を、例えば、PMAを用いて除去して、流路13と吐出口12とを有するノズル層14を形成する。この実施形態では、流路壁部材の一部として、上記凹み5bに対応する流路壁14cが形成されている。以上より、図2(E)に示す液体吐出ヘッドを得ることができる。
このように、上記加工処理工程は、ノズル層(より詳しくは流路壁部材)の一部の構造の形成に寄与することができる。なお、このような流路壁14cを形成することにより、液体を吐出する際に、(流路壁14cにより分断される)異なるノズル部(対岸の発泡室)への影響をより小さくすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
まず、図1(A)に示すように、TaSiNからなるエネルギー発生素子(ヒーター素子)2と、貫通孔(液体供給口)3とを有するシリコン製の基板1を用意した(基板用意工程)。
具体的には、シリコン基板に、フォトリソグラフィーを用いた多層配線技術によってエネルギー発生素子2を形成した。次に、この基板の表面に、耐エッチングレジストとしてのポジ型感光性樹脂(東京応化工業製、商品名:THMR−iP5700)を塗布した。そして、当該樹脂をステッパー(キヤノン製、商品名:FPA−3000i5+)によって露光し、現像することで、貫通孔形成用のマスクを形成した。続いて、得られた基板に、このマスクを介して、SFガスを用いたドライエッチングを行い、貫通孔3を形成した。その後、耐エッチングレジストを除去液(ローム・アンド・ハース製、商品名:リムーバー1112A)で除去した。
次に、図1(B)に示すように、得られた基板の第一の面1a、第二の面1b及び貫通孔3の内壁面に、プラズマCVDによる、厚み400nmのSiCNからなる保護膜4を形成した(保護膜形成工程)。
次に、図1(C)に示すように、得られた基板の第一の面1aに対して、樹脂層5と、支持体6とをこの順に有するDFRを、ロール式ラミネータを用いて貼り付けた。ここで、このDFRは、ポリエチレンテレフタレートからなる支持体上に、ポジ型感光性樹脂(ポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)東京応化工業製、商品名:ODUR1010)をスピンコート法で塗布することにより、厚さ6μmの樹脂層を作製した。
得られたDFRのラミネータによる貼り付けを、温度:90℃で行うことにより、樹脂層5を構成するポジ型感光性樹脂(軟化点:約60℃)を軟化させ、貫通孔内に一部を垂下させた。これにより、樹脂層5は、貫通孔3の開口部3aを閉塞するとともに、この貫通孔3内に上記ポジ型感光性樹脂がはめ込まれた。
なお、この貫通孔内の樹脂層5(樹脂材料)の厚み5iiは8μmであり、第一の面上に配される樹脂層5の厚み5iは5μmであった。
続いて、この支持体6を剥離装置により剥離し、不図示のマスクを用いて、樹脂層5をステッパーで露光及び現像し、図1(D)に示す所望の形状にパターニングし、保護膜のパターニング用マスクとなるマスク層5aを形成した(マスク層形成工程)。なお、貫通孔内に充填されるマスク層の厚み5aii及び第一の面上に配されるマスク層の厚み5aiはそれぞれ、上記厚み5ii及び5iと同じであった。当該マスク層5aは、流路及び液体供給口の一部となる位置に配されていた。
次に、図1(E)に示すように、得られたマスク層5aをマスクとして、エッチングガスとしてCF、O及びNを用いて、保護膜4をドライエッチングした。これにより、第一の面のエネルギー発生素子2を少なくとも含む部分1aiを露出させた(保護膜パターニング工程)。
次に、図1(F)に示すように、第一の面及びマスク層5aを被覆するように、流路壁部材となる基板の第一の面からの厚さが20μmの第一の感光性樹脂層8を形成した(第一の樹脂層形成工程)。この第一の感光性樹脂層8は、まず、ネガ型感光性樹脂(エポキシ樹脂、ダイセル化学製、商品名:EHPE−3150)を主成分として含む感光性樹脂組成物を、スピンコート法で第一の面上に塗布した。そして、さらに、バックリンスとサイドリンスを行うことで基板の裏面及び基板周縁部の余分なレジストを除去した。続いて、当該感光性樹脂組成物が配された基板に対して、ホットプレートを用いて温度:50℃でベークを行って第一の感光性樹脂層を形成した。
次に、図1(G)に示すように、第一の感光性樹脂層8を、流路パターンが描写されたフォトマスク9を介してステッパーで露光し、潜像状態とした(流路パターン形成工程)。その際、露光波長は365nmであり、この露光波長に対する、貫通孔の開口部に配されたマスク層5aの反射率は、当該マスク層5aの下方に配される保護膜等の反射率よりも低く、マスク層5aは反射防止層としての役割も果たしていた。
続いて、パターン形成された第一の感光性樹脂層8上に、ドライフィルム化された、厚さ10μmの第二の感光性樹脂層10を、ロール式ラミネータを用いて貼り付けた(第二の樹脂層形成工程)。ここで、この第二の感光性樹脂層は、エポキシ樹脂を主成分として含むネガ型感光性樹脂組成物(東京応化工業製、商品名:TMMF S2000)により構成されていた。さらに、この第二の感光性樹脂層10の表面に、不図示のフッ素系樹脂をスリットコートにて塗布した。そして、第二の感光性樹脂層及びフッ素系樹脂層が配された基板に対して、吐出口パターンが描写されたフォトマスク11を介して、ステッパーで露光した(吐出口パターン形成工程)。その際、露光波長は365nmであった。
なお、第一の感光性樹脂層及び第二の感光性樹脂層を基板上に作製する際に、マスク層5aは、軟化及び溶解することなく、貫通孔3の開口部に配された状態を維持していた。
最後に、図1(J)に示すように、マスク層5aと、非露光部8a及び10aとを、PMAを用いて同時に除去し、素子基板15及びノズル層14を有する液体吐出ヘッドを製造した。
[実施例2]
以下の点を変更した以外は実施例1と同様の方法で、図1(E)に相当する図2(A)に示す基板を作製した。
具体的には、実施例2では、保護膜4として、厚み200nmのSiOをALDで形成するとともに、マスク層5aをマスクとして用いる保護膜4のパターニングにバッファードフッ酸を用いた。また、樹脂層5の樹脂材料として、アクリル樹脂を主成分として含むポジ型感光性樹脂組成物(東京応化工業製、商品名PMER P−CY500)を用いた。
なお、この樹脂層5を含むDFRのラミネータによる貼り付けを、温度:90℃で行うことにより、樹脂層5を構成するポジ型感光性樹脂(軟化点:約60℃)を軟化させ、貫通孔内に流下させた。これにより、樹脂層5は、貫通孔3の開口部3aを被覆するとともに、この貫通孔3の一部が上記ポジ型感光性樹脂で充填されていた。
なお、貫通孔3内のマスク層5a(樹脂材料)の厚み5aiiは8μmであり、第一の面上に配されるマスク層5aの厚み5aiは5μmであった。当該マスク層5aは、流路及び液体供給口の一部となる位置に配されていた。
次に、図2(B)に示すように、パターニングされたマスク層5aの一部(符号5bに示す部分)をフォトリソグラフィーにて加工した(加工処理工程)。
次に、第一の面及びマスク層5aを被覆するように、第一の感光性樹脂層を形成した(第一の樹脂層形成工程)。
この第一の感光性樹脂層は、ネガ型感光性樹脂(エポキシ樹脂、ダイセル化学製、商品名:EHPE−3150)を主成分として含むレジストを、スピンコート法で第一の面上に塗布した。さらに、バックリンスとサイドリンスを行うことで基板の裏面及び基板周縁部の余分なレジストを除去した。続いて、当該レジストが配された基板に対して、ホットプレートを用いて、温度:50℃でベークを行って第一の感光性樹脂層を形成した。なお、第一の面からの第一の感光性樹脂層(流路壁部材)の厚みは、20μmであった。
次に、図2(C)に示すように、第一の感光性樹脂層8を、流路パターンが描写されたフォトマスク16を介してステッパーで露光し、潜像状態とした(流路パターン形成工程)。その際、露光波長は365nmであり、この露光波長に対する、貫通孔の開口部に配されたマスク層5aの反射率は、当該マスク層5aの下方に配される保護膜等の反射率よりも低く、マスク層5aは反射防止層としての役割も果たしていた。
さらに、パターン形成された第一の感光性樹脂層上に、ドライフィルム化された、厚さ10μmの第二の感光性樹脂層を、ロール式ラミネータを用いて貼り付けた(第二の樹脂層形成工程)。ここで、この第二の感光性樹脂層は、ネガ型感光性樹脂(エポキシ樹脂、三菱化学製、商品名:157S70)を主成分として含む感光性樹脂組成物により構成されていた。さらに、この第二の感光性樹脂層10の表面に、不図示のフッ素系樹脂をスリットコートにて塗布した。そして、第二の感光性樹脂層及びフッ素系樹脂層が配された基板に対して、吐出口パターンが描写されたフォトマスク11を介して、ステッパーで露光した(吐出口パターン形成工程)。その際、露光波長は365nmであった。なお、第一の感光性樹脂層及び第二の感光性樹脂層を基板上に作製する際に、マスク層5aは、軟化及び溶解することなく、貫通孔3の開口部に配された状態を維持していた。
最後に、図2(E)に示すように、マスク層5a、非露光部8a及び10aを、PMAを用いて同時に除去して、素子基板15及びノズル層14を有する液体吐出ヘッドを製造した。
1 基板
1a 第一の面
1ai 第一の面のエネルギー発生素子を少なくとも含む部分
1b 第二の面
2 エネルギー発生素子
3 貫通孔(液体供給口)
3a 開口部
4 保護膜
5 樹脂層
5a マスク層
5ai 第一の面上に配されるマスク層の厚み
5aii開口部内に嵌め込まれるマスク層の厚み
6 支持体
7 ドライフィルムレジスト(DFR)
8 第一の感光性樹脂層
10 第二の感光性樹脂層
12 (液体)吐出口
13 (液体)流路
14 ノズル層
14a オリフィスプレート
14b 流路壁部材
15 素子基板
16 液体吐出ヘッド

Claims (15)

  1. 液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する流路とを有するノズル層と、
    該吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子と、該流路に連通し液体を供給する液体供給口とを有する素子基板と、
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    第一の面、および、該第一の面に対向する第二の面を有し、該第一の面に配されるエネルギー発生素子と、該第一の面に配される開口部とを有する基板を用意する工程と、
    得られた基板の開口部内を含む両面に保護膜を形成する工程と、
    少なくとも前記第一の面上の前記開口部を閉塞する位置に、前記第一の面に配された前記保護膜をパターニングするためのマスク層を形成するマスク層形成工程と、
    前記マスク層をマスクとして前記保護膜をパターニングし、前記第一の面の前記エネルギー発生素子を少なくとも含む部分を露出させるパターニング工程と、
    前記第一の面および前記マスク層を被覆する感光性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記開口部を閉塞する位置に前記マスク層を配した状態で、前記感光性樹脂層を露光して、吐出口パターンおよび流路パターンを形成するパターン形成工程と、
    前記マスク層、前記吐出口パターンおよび前記流路パターンを除去する工程と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記マスク層を、ドライフィルムレジストを用いて形成する、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記マスク層が、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂およびフッ素樹脂から選ばれる樹脂を含む感光性樹脂で構成される、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記感光性樹脂層が、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂およびフッ素樹脂から選ばれる樹脂を含む感光性樹脂で構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記パターニング工程と、前記樹脂層形成工程との間に、前記マスク層の一部を加工処理する工程を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記開口部が、前記第一の面から前記第二の面を貫通する液体供給口により構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記開口部が、前記第一の面に開口する凹部により構成され、
    さらに、前記凹部の底面と、前記第二の面とを貫通させ、該第一の面から該第二の面を貫通する液体供給口を形成する工程を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. さらに、少なくとも、前記液体供給口の内壁面の少なくとも一部を保護する保護膜を形成する工程を有する、請求項7に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記パターン形成工程に用いる露光波長における、前記マスク層の反射率が50%以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記マスク層形成工程において、前記マスク層が、前記開口部を閉塞するとともに、該マスク層の一部が、開口部内に嵌め込まれる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記開口部内に嵌め込まれる前記マスク層の厚みが、前記第一の面上に配される前記マスク層の厚みの1.5倍以上である、請求項10に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記樹脂層形成工程において、前記マスク層が軟化または溶解せず、該マスク層が前記開口部を閉塞した状態を維持する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記マスク層形成工程において、前記マスク層が、前記開口部を閉塞するとともに、前記流路および前記液体供給口の少なくとも一部となる位置に配される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  14. 前記ノズル層が、前記吐出口を有するオリフィスプレートと、前記流路を有する流路壁部材とを含む多層構成を有し、
    前記樹脂層形成工程が、
    前記第一の面および前記マスク層を被覆する第一の感光性樹脂層を形成する工程と、
    前記第一の感光性樹脂層上に、第二の感光性樹脂層を形成する工程と、
    を含み、
    前記パターン形成工程が、
    前記開口部を閉塞する位置に前記マスク層を配した状態で、前記第一の感光性樹脂層を露光して、流路パターンを形成する工程と、
    前記開口部を閉塞する位置に前記マスク層を配した状態で、前記第二の感光性樹脂層を露光して、吐出口パターンを形成する工程と、
    を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  15. 前記第一の面上に配される前記マスク層が、前記流路壁部材の厚みの50%以下の厚みを有する、請求項14に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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