JP2019142023A - 払拭装置、ヘッドメンテナンス装置、液体を吐出する装置 - Google Patents

払拭装置、ヘッドメンテナンス装置、液体を吐出する装置 Download PDF

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【課題】ウェブによる安定した払拭性を得る。【解決手段】払拭装置1の払拭ユニット30は、帯状の第1払拭部材としてのウェブ4を巻き回した繰り出し側ロール4Aの軸心部材となる繰り出しローラ5と、繰り出し側ロール4Aから繰り出されたウェブ4を巻き取った巻取り側ロール4Bの軸心部材となる巻取りローラ6とを保持し、払拭対象を払拭する払拭対象を払拭する第2払拭部材としてのブレード状のワイパ14とを備え、ワイパ14は、洗浄液20が付与される第1位置と、ウェブ4に接触して付与された洗浄液20をウェブ4に付与する第2位置との間で回動可能に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は払拭装置、ヘッドメンテナンス装置、液体を吐出する装置に関する。
液体を吐出する液体吐出ヘッドを使用する場合、ノズルの状態を維持回復するため、ノズル面をキャッピングするキャップ、ノズル面を払拭清掃するヘッド清掃装置などを含む維持回復機構(メンテナンス装置)を備える。
従来、ヘッド清掃装置として、洗浄液を付与したウェブによるノズル面清掃工程と、ブレード部材による清掃工程とを行い、ブレード部材に付着した付着物をウェブで清掃するものが知られている(特許文献1)。
特開2009−286077号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成にあっては、ウェブ上での洗浄液の滴下後の広がりなどはウェブの繊維の毛細血管力に依存するため、洗浄液の広がりにばらつきが発生して、払拭性にばらつきが生じるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、安定した払拭性を得ることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る払拭装置は、
払拭対象を払拭する帯状の第1払拭部材と、
前記払拭対象を払拭するブレード状の第2払拭部材と、を備え、
前記第2払拭部材は、洗浄液が付与される第1位置と、前記第1払拭部材に接触して前記付与された前記洗浄液を前記第1払拭部材に付与する第2位置との間で移動可能に配置されている
構成とした。
本発明によれば、安定した払拭性を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る払拭装置の側面説明図である。 同払拭装置の払拭ユニットの平面説明図である。 同払拭装置における払拭動作及びワイパ清浄化動作の制御に係る部分のブロック説明図である。 同払拭装置における洗浄液付与動作の説明に供する側面説明図である。 同払拭装置におけるワイパ清浄化動作の説明に供する側面説明図である。 同払拭装置におけるウェブ巻取り動作の説明に供する側面説明図である。 同払拭装置の払拭制御部による払拭動作及びワイパ清浄化動作の制御の説明に供するフロー図である。 同じく図7に続く説明に供するフロー図である。 同じく図7に続く説明に供するフロー図である。 本発明の第2実施形態におけるワイパの斜視説明図である。 本発明の第3実施形態におけるワイパの斜視説明図である。 本発明の第4実施形態における払拭ユニット部分の側面説明図である。 比較例の払拭ユニット部分の側面説明図である。 同じく平面説明図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例の機構部の平面説明図である。 同じく要部側面説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明に係る払拭装置の側面説明図、図2は同払拭装置の払拭ユニット平面説明図である。
本実施形態では、払拭装置1によって払拭する払拭対象を、液体を吐出する装置の液体吐出ヘッド(以下、「ヘッド」ともいう。)111のノズル面111aとしている。
払拭装置1は、液体を吐出する装置の装置本体に調整支持されるメインフレーム2と、メインフレーム2上に、払拭方向に往復移動可能に保持される払拭ユニット30とを備えている。
払拭ユニット30のサブフレーム3には、帯状の第1払拭部材としてのウェブ4を巻き回した繰り出し側ロール4Aの軸心部材となる繰り出しローラ5と、繰り出し側ロール4Aから繰り出されたウェブ4を巻き取った巻取り側ロール4Bの軸心部材となる巻取りローラ6とを保持している。
また、サブフレーム3には、案内ローラ7、8が回転可能に保持されている。これらの案内ローラ7、8の間には、ウェブ4を払拭対象であるノズル面111aに押し付ける押し付け部材9が配置されている。押し付け部材9は、ノズル面111aにウェブ4を接触させるときには、スプリング10によって所定の押し付け力でウェブ4をノズル面111aに押し付ける。
ウェブ4としては、吸収性を有し、少なくとも使用する液体に対して耐液性を有するとともに、毛羽立ちや発塵を生じないシート状の材料からなることが好ましく、例えば、不織布、布、フィルム、紙などが挙げられる。
ウェブ4は、繰り出しローラ5の繰り出し側ロール4Aから繰り出され、案内ローラ7を経て、押し付け部材9を通過し、案内ローラ8を経て、巻取りローラ6に巻取り側ロール4Bとして巻き取られる。
なお、ウェブ4は、巻取りローラ6を回転させることによって巻き取り方向(送り方向:矢印A方向)に送られて、巻取り側ロール4Bに巻き取られる。また、繰り出しローラ5を繰り出し方向(巻取り方向Aと同じ方向)と反対方向に回転させることで、ウェブ4を繰り出し側ロール4Aに巻き戻すことができる構成としている。
ここでは、繰り出しロール4Aを払拭方向Y1の下流側に、巻取り側ロール4Bを払拭方向Y1の下流側に配置し、ウェブ4は払拭方向Y1と反対方向である矢印A方向に送って巻き取る構成としている。なお、「払拭方向Y1」は、本実施形態では、払拭ユニット30が払拭対象であるノズル面111aに対して相対的に移動する方向である。
案内ローラ8にはコードホイール16を取り付け、このコードホイール16に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ17をサブフレーム3に設けている。これらのコードホイール16とエンコーダセンサ17によってウェブ4の移動距離(送り量)を検出するエンコーダ18を構成している。
また、サブフレーム3には、ウェブ4に対して、払拭方向Y1の上流側にブレード状の第2払拭部材であるワイパ14が配置されている。ワイパ14はワイパホルダ13に保持され、ワイパホルダ13は軸15によってサブフレーム3に回転可能に保持されている。
ワイパホルダ13が回動されることで、ワイパ14は、実線図示の第1位置(ホーム位置HP)と、破線図示の第2位置と、仮想線図示の第3位置との間で回動される。
ここで、第1位置は、ワイパ14によってノズル面111aを払拭し、或いは、ワイパ14が洗浄液20を付与される位置である。第2位置は、ワイパ14がウェブ4に接触して洗浄液20をウェブ4に付与し、或いは、ウェブ4によってワイパ14が清浄化される洗浄液付与位置及び清浄化位置を兼ねる位置である。第3位置は、ウェブ4のみによる払拭動作を行うときにワイパ14が退避する退避位置である。
そして、ワイパ14が第1位置(ホーム位置)にあるときに、ワイパ14の先端部に洗浄液20を滴下して付与する洗浄液供給チューブ21を配置している。
ここで、ワイパ14は、ウェブ4がノズル面111aに接触する位置(押し付け部材9の位置:ウェブ押し付け位置)よりもウェブ4の送り方向(矢印A方向)で下流側に配置されている。
したがって、ワイパ14に洗浄液20を付与し、ワイパ14を第2位置まで回転させてウェブ4に洗浄液20を付与する洗浄液付与位置は、ウェブ4がノズル面111aに接触して払拭する押し付け位置よりも送り方向(巻取り方向)下流側になる。
これらのサブフレーム3に保持されるウェブ4、繰り出しローラ5、巻取りローラ6、案内ローラ7、8、押し付け部材9、ワイパ14などは払拭ユニット(カートリッジ)30としてユニット化し、メインフレーム2に着脱可能に搭載できるようにしている。
払拭ユニット30のサブフレーム3は、メインフレーム2に対してヘッド111のノズル配列方向である矢印Y方向に往復移動可能に配置されている。このサブフレーム3の往復移動は、例えば、ラック31及びピニオン32と、ピニオン32を回転させる移動モータ33を含む移動機構よって行われる。
また、サブフレーム3は、ウェブ4がノズル面111aに対して進退する方向、ここでは上下方向に移動可能(昇降可能)に配置されている。サブフレーム3の昇降は、例えばカム35と、カム35を回転させる昇降モータ36を含む昇降機構によって行われる。
次に、この払拭装置1における払拭動作及びワイパ清浄化の制御に係る部分について図3のブロック説明図を参照して説明する。
払拭制御部501は、払拭装置1の制御を司る払拭制御手段であり、例えば、この払拭装置1を搭載する液体を吐出する装置の制御部の一部として構成することができる。
払拭制御部501は、モータ駆動部502を介して、巻取りローラ6を回転駆動する巻取りモータ61を駆動制御する。この場合、払拭制御部501は、エンコーダ18の出力パルスをカウントして、ウェブ4の巻取り量、巻戻し量に検出して、巻取りモータ61を駆動制御する。
なお、巻取りモータ61の回転は、一方向クラッチ機構を介して繰り出しローラ5に伝達している。これにより、巻取りモータ61を正転駆動(巻取り方向)して巻取りを行うときには、繰り出しローラ5との間はクラッチなどで切断され、巻取りモータ61を逆転駆動(巻戻し方向)して巻戻しを行うときには、繰り出しローラ5が繰り出し方向と逆回転する。
払拭制御部501は、モータ駆動部503を介してワイパ用モータ51を駆動制御し、ワイパホルダ13を回転させて、ワイパ14の第1位置、第2位置、第3位置への回動を行う。ワイパ用モータ51としてはステッピングモータを使用して、パルス数でワイパ14の回動量を制御している。
払拭制御部501は、ポンプ駆動部504を介して洗浄液供給用ポンプ23を駆動制御し、ワイパ14に付与する洗浄液18の供給を制御する。
払拭制御部501は、ポンプ駆動部504を介して洗浄液供給用ポンプ23を駆動制御し、ワイパ14に付与する洗浄液18の供給を制御する。
払拭制御部501は、モータ駆動部505を介して、移動モータ33、昇降モータ36を駆動制御し、払拭ユニット30の払拭位置への上昇、ノズル面111aに対する払拭方向への相対移動を制御する。
払拭制御部501は、サブフレーム3のホーム位置を検知するサブフレームホーム位置センサ37、ワイパ14のホーム位置を検知するワイパホーム位置センサ52の各検知結果を入力する。
次に、この払拭装置1における洗浄液付与動作について図4も参照して説明する。図4は同説明に供する側面説明図である。
本実施形態において、ウェブ4に洗浄液20を付与するときには、まず、図1に示すように、ワイパ14を第1位置にした状態で、洗浄液供給チューブ21からワイパ14の先端部に洗浄液20を滴下付与する。
そして、図4に示すように、ワイパホルダ13を回転させてワイパ14を破線図示の第2位置まで回動させ、ワイパ14の先端部をウェブ4へと接触させる。これにより、ワイパ14の保持されている洗浄液20がウェブ4に付与される。
このとき、ワイパ14は、払拭方向Y1と直交する方向では、ノズル面111a全体を払拭できるようにウェブ4の幅以上の幅を有している。したがって、ワイパ14からウェブ4に洗浄液20を付与することで、ウェブ4の幅方向にほぼ均一に洗浄液20が広がる。
これにより、ウェブ4での洗浄液20のばらつきが低減して、ウェブ4による安定した払拭性を得ることができる。
なお、ウェブ4のみで払拭を行うときには、ワイパ14はノズル面111aに接触しない第3位置に回動して退避している。また、ウェブ4とワイパ14の両方で払拭を行うときには、ワイパ14を第1位置に回動させる。
また、ウェブ4に洗浄液20を付与するときには、ウェブ4の未使用領域をワイパ14との接触位置まで矢印A方向に送り、洗浄液20を付与した後、洗浄液20が付与された領域が押し付け部材9による押し付け位置まで、ウェブ4を繰り出し側ロール4Aに巻き戻す。
次に、この払拭装置1におけるワイパ清浄化動作について図5を参照して説明する。図5は同説明に供する側面説明図である。
図4に示すように、ワイパ14を第2位置に回動させて、案内ローラ8上に位置するウェブ4に接触させ、ウェブ4を送ることで、ワイパ14に付着している付着物をウェブ4で除去して清浄化する。
このようにして、ワイパ14を清浄化して、ワイパ14の払拭性能を維持することができる。
次に、この払拭装置1におけるウェブ巻取り動作について図6を参照して説明する。図6は同説明に供する側面説明図である。
ウェブ4によるノズル面111aの払拭動作終了後、また、ウェブ4によるワイパ14の清浄化動作を行うときには、押し付け部材9でノズル面111aに押し付けられた使用済部分が、案内ローラ8よりも送り方向(巻取り方向)下流側になるように巻取り動作を行う。
これにより、ウェブ4の消費量を最適化するとともに、ワイパ14にウェブ4の使用済部分が接触して再転写されることを防止する。
次に、払拭制御部による払拭動作及びワイパ清浄化動作の制御について図7ないし図9のフロー図を参照して説明する。
まず、図7を参照して、払拭ユニット30のサブフレーム3がホーム位置(図7では「HP」と表記する。)にいるか否かを判別して、サブフレーム3がホーム位置にいないときには、サブフレーム3をホーム位置に移動させる。
そして、サブフレーム3をホーム位置(HP)から洗浄液滴下位置に移動させる。
その後、ワイパ14が図1の実線図示の第1位置(これを「ホーム位置:HP」とする。)にいるか否かを判別し、ワイパ14が第1位置にいないときには、ワイパ14を第1位置に回動する。
そして、ワイパ14上に洗浄液供給チューブ21から洗浄液20を滴下付与する。
次いで、ワイパ14を第1位置から第2位置に回動させて、ウェブ4に接触させ、ウェブ4に洗浄液20を付与する。このとき、ウェブ4の接触位置は未使用部分となるように送りを行っている。
その後、1回目の払拭動作か否かを判別する。
このとき、1回目の払拭動作であれば、ワイパ14を第3位置(退避位置)に回動させて、ウェブ4のみによる払拭を行う状態にして、図8に示す処理に移行する。
これに対して、1回目の払拭動作でなければ、ワイパ14を第1位置(ホーム位置)に回動させて、ウェブ4とワイパ14による払拭を行う状態にして、図8に示す処理に移行する。
図8を参照して、ウェブ4の所定量の巻戻しを開始して、ウェブ4の洗浄液20が付与された部分が押し付け部材9による押し付け位置になるまでウェブ4を巻き戻する。
そして、ウェブ4の巻戻しが完了した後、払拭ユニット30のサブフレーム3を上昇させて、ウェブ4がノズル面111aに押し付け可能で、ワイパ14がノズル面111aに接触可能な払拭位置にする。
その後、払拭ユニット30のサブフレーム3を払拭方向Y1に移動させて、ウェブ4でノズル面111aを払拭し、ワイパ14でノズル面111aを払拭する。
そして、払拭終了位置で払拭ユニット30のサブフレーム3を下降させた後、ウェブ4を所定量巻き取り、巻取り完了後、図7のサブフレーム3がホーム位置にあるか否かの判別処理に戻る。
図7に戻って、ウェブ4に洗浄液20を付与した後に2回目の払拭でなければ、つまり、2回目の払拭も終わっているときには、図9に示す処理に移行し、ウェブ4を所定量巻き取り、巻取り完了後、ワイパ14を第1位置に戻し、サブフレーム3をホーム位置に移動して、この処理を終了する。
次に、本発明の第2実施形態について図10を参照して説明する。図10は同実施形態におけるワイパの斜視説明図である。
ワイパ14には、ウェブ4に接触する部分14aに、払拭方向と直交する方向(幅方向)に沿って1又は複数本の凹部14bを設けている。なお、凹部14bの断面形状は、切り込み溝形状以外にも、V字状、円弧状などとすることができる。
これにより、凹部14bに洗浄液20を保持することができ、ワイパ14に付与された洗浄液20をウェブ4に確実に転移して付与できる。また、ウェブ4によってワイパ14を清浄化するときに、ワイパ14に洗浄液20を溜めた状態で清掃できるので、ワイパ14自体の清掃を確実に行うことができる。
この場合、ワイパ14を回動させるときに凹部14bから洗浄液20が垂れてしまうのを防ぐため、凹部14bは斜め上方向に開口するように設けることが好ましい。
次に、本発明の第3実施形態について図11を参照して説明する。図11は同実施形態におけるワイパの斜視説明図である。
ワイパ14には、天面に凹部14cを設けている。なお、凹部14cの断面形状は、円弧形状以外にも、V字状、切り込み溝などとすることができる。また、前記第2実施形態と同様に、幅方向に沿って複数本の溝状の凹部14cを設けることもできる。
これにより、凹部14cに洗浄液20を保持することができ、ワイパ14に付与された洗浄液20をウェブ4に確実に転移して付与できる。また、ワイパ14の天面は洗浄液溜めとし、側面を払拭部に特化させる機能を持たせることが可能となる。払拭部を平面にすることで、より確実に払拭やワイパ14の清掃を行うことができる。
次に、本発明の第4実施形態について図12を参照して説明する。図12は同実施形態における払拭ユニット部分の側面説明図である。
本実施形態では、繰り出し側ロール4Aを払拭方向Y1で上流側に、巻取り側ロール4Bを払拭方向Y1で下流側に配置し、押し付け部材9によるウェブ4の押し付け位置よりも巻取り方向上流側でワイパ14とウェブ4とを接触させる構成としている。
このように構成しても前記第1実施形態と同様に、ワイパ14に洗浄液20を付与し、ワイパ14の回動によってウェブ4に洗浄液20を転移付与できるので、ウェブ4の幅方向にほぼ均一に洗浄液20を付与できる。
これにより、ウェブ4での洗浄液20のばらつきが低減して、ウェブ4による安定した払拭性を得ることができる。
ここで、比較例について図13及び図14を参照して説明する。図13は同比較例の払拭ユニット部分の側面説明図、図14は同じく平面説明図である。
この比較例では、ウェブ4に対して、押し付け部材9による押し付け位置で、洗浄液20を滴下して付与する構成としている。
この比較例の構成にあっては、洗浄液20の滴下幅はウェブ4の繊維の毛細血管力に依存することになるため、ウェブ4への洗浄液20の付与位置・幅方向への広がりにバラツキが発生し、安定した払拭性が得られない。
そのため、払拭後におけるヘッドの吐出安定性の低下、例えば、局部的な空拭きの発生によるノズル面撥水膜の劣化、局部的な洗浄液過剰塗布による混色などの問題が発生する。
これに対し、本発明に係る各実施形態では、ウェブ4と幅方向(払拭方向と直交する方向)が略同じワイパを使用して、ワイパに洗浄液を滴下して、ワイパ上に広がった洗浄液をウェブに転移付与する。
これにより、ウェブへの洗浄液の付与位置、幅方向への広がりをほぼ均一にすることができる。また、ワイパを清浄化するときに、ワイパの洗浄液付与及び残留付着物の清掃を確実に行うことができるようになる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図15及び図16を参照して説明する。図15は同装置の機構部の平面説明図、図16は同じく要部側面説明図である。
この液体を吐出する装置100は、シリアル型装置である。左右の側板101A、101Bに架け渡した主ガイド部材102及び従ガイド板103などのガイド機構でキャリッジ105を主走査方向に移動可能に保持している。
キャリッジ105には、3つの液体吐出ユニット110(110a〜110c)を搭載している。液体吐出ユニット110は、液体吐出手段としての液体吐出ヘッド(ヘッド)111と、ヘッド111に液体を供給するサブタンク112とを一体化して構成している。
装置本体側には、各色の液体を収容した複数のメインタンク(液体カートリッジ)120が交換可能に装着されるカートリッジホルダ121が配置されている。このカートリッジホルダ121に装着されたメインタンク120から送液ポンプなどによって各色の供給チューブで構成した液体経路123を介して各液体吐出ユニット110のヘッド111に各色の液体が供給される。
一方、シート材130を搬送方向に搬送するために、シート材130を吸着してヘッド111に対向して搬送する搬送手段140を備えている。
搬送手段140は、搬送ローラ141と、搬送ローラ141に加圧されて接触する加圧ローラ142と、ヘッド111に対向するプラテン部材143と、プラテン部材143の吸引孔143aを介してシート材130を吸着する吸引機構部134などで構成される。なお、図では吸引孔143aは部分的に図示しているが、プラテン部材143の全体に配置される。
また、キャリッジ105の主走査方向の一方側にはヘッド111の維持回復(メンテナンス)を行う維持回復機構150が配置されている。
維持回復機構150は、本発明に係るヘッドメンテナンス装置であり、例えばヘッド111のノズル面111aをキャッピングするキャップ151、ノズル面111aを払拭清掃する本発明に係る払拭装置1を備えている。
この装置100においては、シート材130を搬送ローラ141及び加圧ローラ142によってプラテン部材143上を吸着しながら搬送方向に搬送する。
そこで、キャリッジ105を主走査方向に移動させながら印刷信号に応じてヘッド111を駆動することにより、停止しているシート材130に所要の色の液体を吐出して1行分を印刷し、シート材130を所定量搬送後、次の行の印刷を行うことを繰り返して印刷し、シート材130を排出する。
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
1 払拭装置
4 ウェブ(第1払拭部材)
4A 繰り出し側ロール
4B 巻取り側ロール
5 繰り出しローラ
6 巻取りローラ
9 押し付け部材
13 ワイパホルダ
14 ワイパ(第2払拭部材)
20 洗浄液
30 払拭ユニット
111 液体吐出ヘッド
150 維持回復機構(ヘッドメンテナンス装置)

Claims (8)

  1. 払拭対象を払拭する帯状の第1払拭部材と、
    前記払拭対象を払拭するブレード状の第2払拭部材と、を備え、
    前記第2払拭部材は、洗浄液が付与される第1位置と、前記第1払拭部材に接触して前記付与された前記洗浄液を前記第1払拭部材に付与する第2位置との間で移動可能に配置されている
    ことを特徴とする払拭装置。
  2. 前記第2払拭部材の前記第1払拭部材に接触する側の側面には、払拭方向と直交する方向に前記洗浄液を保持する凹部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の払拭装置。
  3. 前記第2払拭部材の先端部には、払拭方向と直交する方向に前記洗浄液を受ける凹部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の払拭装置。
  4. 前記第2位置は、前記第1払拭部材で前記第2払拭部材を清浄化する清浄化位置を兼ねており、
    前記第2払拭部材を前記第2位置で前記第1払拭部材に接触させた状態で前記第1払拭部材を移動させて、前記第2払拭部材を清浄化する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の払拭装置。
  5. 前記第1払拭部材の送り方向において、前記第1払拭部材と前記第2払拭部材との接触位置は、前記第1払拭部材と前記払拭対象との接触位置よりも下流側であり、
    前記第1払拭部材の払拭動作終了後に、前記第1払拭部材の使用済位置が前記第2払拭部材との接触位置より下流側になるまで前記第1払拭部材を送る動作を行う
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の払拭装置。
  6. 液体を吐出する液体吐出ヘッドのノズル面を払拭する
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の払拭装置。
  7. 液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うヘッドメンテナンス装置であって、
    請求項6に記載の払拭装置を備えている
    ことを特徴とするヘッドメンテナンス装置。
  8. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の払拭装置、又は請求項7に記載のメンテナンス装置と、を備えている
    ことを特徴とする液体を吐出する装置。
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