JP2019140396A - コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents

コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐電圧性を有する、絶縁破壊特性に優れたコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することである。さらに、高温下で高電圧が印加される高容量のコンデンサに好適に使用可能である、好ましくは厚さの薄い、コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することである。【解決手段】コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、該ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、数平均分子量が4万以上10万以下、Z平均分子量が95万以上150万以下、分子量分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値からLog(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が−15%以上11%以下である、ポリプロピレンフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、高温下での高い耐電圧性を有する、絶縁破壊特性に優れたコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。さらにより詳細には、高温下、高電圧が印加される高容量型コンデンサに好適に使用可能であり、好ましくは厚さの薄い、コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレンフィルムの耐電圧性および低い誘電損失特性等の優れた電気特性、並びに高い耐湿性を生かして、電子および電気機器において、例えば高電圧コンデンサ、各種スイッチング電源、コンバータおよびインバータ等のフィルタ用コンデンサおよび平滑用コンデンサ等のコンデンサ用誘電体フィルムとして好ましく利用されている。ポリプロピレンフィルムは、近年需要が高まっている電気自動車およびハイブリッド自動車等の駆動モーターを制御するインバータ電源機器用コンデンサとしても利用され始めている。
このような自動車等に用いられるインバータ電源機器用のコンデンサに対しては、車両の小型化と軽量化に伴い、コンデンサ自体のさらなる小型化および軽量化が求められている。コンデンサを小型化および軽量化するためには、コンデンサ用フィルムとして高延伸性能を有するポリプロピレンフィルムを用いて、例えば1〜6μmの厚みに極薄化することが考えられる。その一方で、極薄化されたフィルムであっても、より高温下、より高い電圧を印加しても絶縁破壊されない高い耐電圧性が必要とされていること、また、そのようなフィルムに基づくコンデンサにおいては、−40℃〜90℃という広い温度範囲、特に高温下で、高電圧が印加されても、高い耐電圧性を有すること、特に高い初期耐電圧性および長期耐電圧性を有することが求められる。
ポリプロピレンフィルムに関し、例えば特許文献1には、電気絶縁性、アンチブロッキング性および機械特性に優れたキャパシターフィルムを得るために、所定の数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/MnまたはMz/Mn)、メルトフローレートとしたポリプロピレン樹脂を二軸延伸し、ポリプロピレンフィルムを得ることが提案されている。しかしながら、特許文献1に記載のフィルムは、コンデンサ用の誘電体フィルムとして使用することが想定されるものではなく、高温下での耐電圧性に与える影響については何らの検討もなされていない。
特許文献2には、巻き加工適性に優れた極薄の粗面化二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得るために、特定のメルトフローインデックス(MFR)を有するアイソタクチックポリプロピレンの単重合体(A)に、MFRが当該樹脂(A)より1〜30g/10分大きいアイソタクチックポリプロピレンの単重合体(B)を1質量%以上30質量%以下添加してなる樹脂混合物からなる二軸延伸ポリプロピレンフィルムが提案されている。しかし、低分子量成分の構成が大きい樹脂からなる当該ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ素子自体のさらなる小型化と高温下での高い初期耐電圧性及び長期耐用性に関する近年の市場からの高度な要請に対して必ずしも十分とは言えない場合があった。
特開2004−175932号公報 特開2010−254794号公報
高温下で高電圧が印加される高容量型コンデンサにおいて、さらなる小型化と、高温下でのさらなる高い耐電圧性、特に初期耐電圧性および長期耐電圧性に関する近年の市場からの高度な要請を十分に満足する、コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ることは困難であった。
そこで、本発明の目的は、高温下での耐電圧性を有する、絶縁破壊特性に優れたコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することである。さらに、高温下で高電圧が印加される高容量のコンデンサに好適に使用可能である、好ましくは厚さの薄い、コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することである。さらに、上記のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムに金属蒸着が施されたコンデンサ用金属化ポリプロピレンフィルム、ならびに、このようなポリプロピレンフィルムを用いて製造した、高温下での耐電圧性を有するコンデンサを提供することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、以下に記載する手段により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、該ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、
・数平均分子量が4万以上10万以下、
・Z平均分子量が95万以上150万以下、
・分子量分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値からLog(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が−15%以上11%以下
である、ポリプロピレンフィルム。
〔2〕前記ポリプロピレンフィルムの結晶子サイズは、広角X線回折法により測定したα晶(040)面反射ピークの半価幅からScherrerの式を用いて算出して12.2nm以下である、前記〔1〕に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
〔3〕前記ポリプロピレンフィルムはポリプロピレン樹脂組成物を二軸延伸してなり、該ポリプロピレン樹脂組成物は、メルトフローレートが4g/10分以下であるポリプロピレン樹脂を、該ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて1質量%以上70質量%以下の量で含有する、前記〔1〕または〔2〕に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
〔4〕前記ポリプロピレンフィルムはポリプロピレン樹脂組成物を二軸延伸してなり、該ポリプロピレン樹脂組成物は、数平均分子量(Mn)が4万以上15万以下であり、Z平均分子量が120万以上260万以下であるポリプロピレン樹脂を、該ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて1質量%以上70質量%以下の量で含有する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
〔5〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面または両面に金属蒸着が施された、コンデンサ用金属化ポリプロピレンフィルム。
〔6〕前記〔5〕に記載のコンデンサ用金属化ポリプロピレンフィルムを用いて製造したコンデンサ。
本発明によれば、高温下での高い耐電圧性を有する、絶縁破壊特性に優れたコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することができる。また、高温下、高電圧が印加される高容量のコンデンサに好適に使用可能である、好ましくは厚さの薄い、コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することができる。また、本発明によれば、高温下での高い耐電圧性を有するコンデンサを得ることができる。
本発明のポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)は、4万以上10万以下である。ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)は、フィルムの熱−機械的特性や延伸性の観点から、4.1万以上であることが好ましく、4.2万以上であることがより好ましい。ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)は、フィルムの厚み精度の観点から、8万以下であることが好ましく、6万以下であることがより好ましい。
本発明のポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂のZ平均分子量(Mz)は、95万以上150万以下である。ポリプロピレン樹脂のZ平均分子量(Mz)は、耐電圧性の観点から、96万以上であることが好ましく、98万以上であることがより好ましい。ポリプロピレン樹脂のZ平均分子量(Mz)は、延伸性の観点から、145万以下であることが好ましく、140万以下であることがより好ましい。
ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。GPC法に使用されるGPC装置には特に制限はなく、ポリオレフィン類の分子量分析が可能な市販の高温型GPC測定機、例えば、東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵型高温GPC測定機、HLC−8121GPC-HT等を使用することができる。この場合、例えば、GPCカラムとして東ソー株式会社製、TSKgel GMHHR−H(20)HTを3本連結させたものが用いられ、カラム温度は140℃に設定され、溶離液としてトリクロロベンゼンが用いられ、流速1.0ml/分にて測定される。通常、標準ポリスチレンを用いて検量線を作製し、ポリスチレン換算により数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)を得る。また、こうして得られる重量平均分子量の対数値を、対数分子量(「Log(M)」)と称する。
本発明のポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂において、分子量微分分布曲線おける対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値から、Log(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差は、−15%以上11%以下である。上記差が−10%以上11%以下であることが好ましく、−8以上11%以下であることがより好ましい。このようなポリプロピレン樹脂は、分子量100万前後の高分子量成分に対して、分子量1万から10万程度の成分を所定の割合で含む。その結果、フィルムの厚み精度を保持しつつ、結晶子サイズがより小さくなり、所望の配向性及び粗化された表面を得やすくなる。
ここで、上記の微分分布値の差は、ポリプロピレン樹脂の有する数平均分子量(Mn)の値(4万〜10万)に近い分子量1万から10万の成分(以下、「低分子量成分」ともいう)の代表的な分布値として対数分子量Log(M)=4.5における微分分布値を用い、ポリプロピレン樹脂の有するZ平均分子量(Mz)の値(95万〜150万)に近い分子量100万前後の成分(以下、「高分子量成分」ともいう)の代表的な分布値としてLog(M)=6.0の微分分布値を用い、対数分子量Log(M)が4〜5の間(低分子量成分)の分布値が、対数分子量Log(M)が6前後(高分子量成分)の分布値に比較して、所定の割合となることを意味している。ここで、例えば分子量分布Mz/Mn等の範囲を規定するとしても単に分子量分布幅の広さを表しているに過ぎず、その中の高分子量成分と低分子量成分との量的な関係までを表すものではない。本発明のポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、上記の所定の数平均分子量およびZ平均分子量を有すると同時に、上記のように、分子量100万の成分に対して、分子量1万から10万の成分を上記所定の範囲の割合で含む。
このような微分分布値は、次のような方法で測定することができる。まず、GPCの示差屈折検出計(RI検出計)を用いて検出される、強度分布の時間曲線(一般には、「溶出曲線」ともいう)を、上記標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて、標準ポリスチレンの分子量M(Log(M))に対する分布曲線に変換した。次に、分布曲線の全面積を100%とした場合のLog(M)に対する積分分布曲線を得て、この積分分布曲線をLog(M)で微分することによって、Log(M)に対する微分分布曲線を得る。この微分分布曲線から、Log(M)=4.5およびLog(M)=6.0のときの微分分布値を読み取る。なお、上記微分分布曲線を得るまでの一連の操作は、GPC測定装置に内蔵されている解析ソフトウェアを用いて行うことができる。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、25万以上45万以下であることが好ましい。このようなポリプロピレン樹脂を用いると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、キャスト原反シートの厚さの制御が容易となり、例えば小型かつ高容量型のコンデンサ用に適した、極薄化された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ることが容易となるため好ましい。また、キャスト原反シートおよび二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みのムラが発生し難くなるため好ましい。ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みの均一性、力学特性、熱-機械特性等の観点から、27万以上であることがより好ましく、29万以上であることがさらに好ましい。ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリプロピレン樹脂組成物の流動性および極薄化された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得る際の延伸性の観点から、40万以下であることがより好ましい。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比として算出される分子量分布(Mw/Mn)は、6以上12以下であることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は、7以上であることがより好ましく、7.5以上であることがさらに好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は、11以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。このようなポリプロピレン樹脂を用いると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、厚みムラのない極薄化された二軸延伸プロピレンフィルムを得ることが容易となるため好ましい。また、このようなポリプロピレン樹脂組成物は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの耐電圧性の観点からも好ましい。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂の、Z平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比として算出される分子量分布(Mz/Mn)は、20以上70以下であるポリプロピレン樹脂を含有することが好ましい。分子量分布(Mz/Mn)は、24以上であることがより好ましい。分子量分布(Mz/Mn)は、60以下であることがより好ましく、50以下であることがさらに好ましい。このようなポリプロピレン樹脂を用いると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、厚みムラのない極薄化された二軸延伸プロピレンフィルムを得ることが容易となるため好ましい。また、このようなポリプロピレン樹脂組成物は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの耐電圧性の観点からも好ましい。
なお、ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、上記の数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)と同様にして、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。また、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)として算出され、分子量分布(Mz/Mn)は、Z平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比、Z平均分子量(Mz)/数平均分子量(Mn)として算出される。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、例えばアイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等のポリプロピレンのホモポリマー、および、ポリプロピレンとポリエチレンとのコポリマーが挙げられる。耐熱性の観点から、ポリプロピレン樹脂は、アイソタクチックポリプロピレンであることが好ましく、オレフィン重合用触媒の存在下でポリプロピレンを単独重合して得られるアイソタクチックポリプロピレンであることがより好ましい。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン樹脂組成物を二軸延伸することにより得ることができる。
ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂としては、例えばアイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等のポリプロピレンのホモポリマー、および、ポリプロピレンとポリエチレンとのコポリマーが挙げられる。耐熱性の観点から、ポリプロピレン樹脂は、アイソタクチックポリプロピレンであることが好ましく、オレフィン重合用触媒の存在下でポリプロピレンを単独重合して得られるアイソタクチックポリプロピレンであることがより好ましい。
ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂は、本発明のポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂が、上記の数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)および微分分布値の差を有する限り特に限定されず、例えば多段重合等により得た1種類のポリプロピレン樹脂であってもよいし、2種以上のポリプロピレン樹脂を組み合わせて得たポリプロピレン樹脂のブレンドであってもよい。
本発明のポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)および微分分布値の差等の調整方法としては、例えば、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂の重合条件を調節して分子量分布を調整することによる方法、分解剤を使用する方法、高分子量成分を選択的に分解処理する方法、異なる分子量の樹脂をブレンドする方法などが挙げられる。
重合条件によって数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)および微分分布値の差等を調整する場合には、後述の重合触媒を用いることが、調整しやすさの観点から好ましい。多段重合反応によってポリプロピレン樹脂を得る場合には、例えば、次のような方法が例示できる。触媒の存在下、高分子量成分用の重合反応器と低分子量または中分子量成分用の反応器の複数の反応器によって重合反応を行う。複数の反応器は、例えば直列又は並列に使用することができる。まず、反応器中へプロピレンおよび触媒を供給する。これらの成分とともに、要求されるポリマーの分子量に到達するために必要な量の分子量調整剤、例えば水素を混合して第1の重合反応を行う。反応温度は、例えばスラリー重合の場合、70〜100℃程度、滞留時間は20分〜100分程度である。第1の重合反応による生成物を、追加のプロピレン、触媒、分子量調整剤とともに逐次又は連続的に次の反応器に送り、第1の重合反応より低分子量あるいは高分子量の生成物が得られるように調整して第2の重合反応を行う。第1および第2の重合反応による収量(生産量)を調整することによって、高分子量成分及び低分子量成分の組成(構成)を調整することができる。
例えば、前段の重合で相対的に高分子量のポリプロピレンを製造し、後段の重合で相対的に低分子量のポリプロピレンを製造することができる。具体的には、2段重合の場合、第1段目において極限粘度[η1st]が2.5〜10dl/g、好ましくは2.5〜7dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が0.5〜40質量%となる量で製造し、次いで第2段目において極限粘度[η2nd]が0.1〜5dl/g、好ましくは0.3〜3dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が99.5〜60質量%となる量で製造することが好ましい。
また3段重合の場合、第1段目において極限粘度[η1st]が2.5〜10dl/g、好ましくは2.5〜7dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が0.5〜40質量%となる量で製造し、次いで第2段目において極限粘度[η2nd]が0.1〜5dl/g、好ましくは0.3〜3dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が20〜99質量%となる量で製造し、次いで第3段目において極限粘度[η3rd]が0.001〜5dl/g、好ましくは0.05〜3dl/gのポリプロピレンを最終的に得られるポリプロピレン樹脂中の含有量が0.5〜40質量%となる量で製造することが好ましい。
触媒としては、一般的なチーグラー・ナッタ触媒が好適に用いられる。また、用いる触媒は助触媒成分やドナーを含んでいてもよい。触媒や重合条件を適宜調整することにより、分子量分布をコントロールすることができる。
過酸化分解によって、ポリプロピレン原料樹脂の高分子量成分及び低分子量成分の組成(構成)を調整する場合には、過酸化水素や有機過酸化物などの分解剤を用いて過酸化処理を行う方法を採用することが好ましい。ポリプロピレンのような崩壊型ポリマーに過酸化物を添加すると、ポリマーからの水素引抜き反応が起こり、生じたポリマーラジカルは一部再結合し架橋反応も起こすが、殆どのラジカルは二次分解(β開裂)を起こし、より分子量の小さな二つのポリマーに分かれることが知られている。したがって、高分子量成分からの分解が高い確率で進行し、その結果、低分子量成分が増大することにより、分子量分布の構成を調整することができる。低分子量成分を適度に含有する樹脂を過酸化分解により得る方法としては、例えば、次のような方法が例示できる。すなわち、重合反応により得られたポリプロピレン樹脂の粉末あるいはペレットと、有機過酸化物として、例えば、1,3−ビス−(ターシャリー−ブチルパーオキサイドイソプロピル)−ベンゼンなどを0.001質量%〜0.5質量%程度、目標とする高分子量成分及び低分子量成分の組成(構成)を考慮しながら調整添加して、溶融混練器機にて、180℃〜300℃程度の溶融混練する方法が挙げられる。
樹脂のブレンドによって、上記の数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)および微分分布値の差を調整する場合、異なる分子量を有する少なくとも2種以上の樹脂を、ドライあるいは溶融状態で混合してポリプロピレン樹脂組成物を得ることが、調整の容易さの観点から好ましい。
樹脂のブレンドによってポリプロピレン樹脂組成物を得る本発明の一実施形態においてポリプロピレン樹脂組成物は、以下に記載するポリプロピレン樹脂Aを含むことが好ましい。ポリプロピレン樹脂Aの重量平均分子量は、25万以上45万以下であることが好ましく、25万以上40万以下であることがより好ましい。このようなポリプロピレン樹脂Aを含むポリプロピレン樹脂組成物を用いると、樹脂流動性が適度であり、キャスト原反シートの厚さの制御が容易であり、薄い延伸フィルムを作製することが容易になり得る。更に、シートおよびフィルムの厚みにムラを発生し難くなり、シートが適度な延伸性を有し得るので、好ましい。
ポリプロピレン樹脂Aの、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比として算出される分子量分布(Mw/Mn)は、7.0以上12.0以下であることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は、7.0以上11.0以下であることがより好ましく、7.2以上10.0以下であることがさらに好ましい。このようなポリプロピレン樹脂Aを含むポリプロピレン樹脂組成物を用いると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、厚みムラのない極薄化された二軸延伸プロピレンフィルムを得ることが容易となるため好ましい。また、このようなポリプロピレン樹脂組成物は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの耐電圧性の観点からも好ましい。
ポリプロピレン樹脂Aの、Z平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比として算出される分子量分布(Mz/Mn)は、20以上70以下であることが好ましい。分子量分布(Mz/Mn)は、25以上60以下以上であることがより好ましく、25以上50以下であることがさらに好ましい。このようなポリプロピレン樹脂Aを含むポリプロピレン樹脂組成物を用いると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、厚みムラのない極薄化された二軸延伸プロピレンフィルムを得ることが容易となるため好ましい。また、このようなポリプロピレン樹脂組成物は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの耐電圧性の観点からも好ましい。
なお、ポリプロピレン樹脂Aの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)は、上記のポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)等と同様にして、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。また、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)として算出され、分子量分布(Mz/Mn)は、Z平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比、Z平均分子量(Mz)/数平均分子量(Mn)として算出される。
また、平均分子量の目安として、メルトフローレート(MFR)を用いることもできる。この場合、ポリプロピレン樹脂AのMFRは、延伸性の観点から7g/10分以下であることが好ましく、6g/10分以下であることがより好ましい。また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みの精度を高める観点から4g/10分以上であることが好ましく、4.5g/10分以上であることがより好ましい。
ポリプロピレン樹脂Aのメソペンタッド分率([mmmm])は、94.0%以上98.0%以下であることが好ましい。メソペンタッド分率は、95.0%以上97.0%以下であることがより好ましい。ポリプロピレン樹脂Aを含むポリプロピレン樹脂を用いると、適度に高い立体規則性によって樹脂の結晶性が適度に向上し、初期耐電圧性および長期間に渡る耐電圧性が向上する一方、キャスト原反シートを成形する際の適度な固化(結晶化)速度によって所望の延伸性を得ることができる。
メソペンタッド分率([mmmm])は、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって得ることができる立体規則性の指標である。具体的には、例えば、日本電子株式会社製、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)、JNM−ECP500を利用して測定することができる。観測核は、13C(125MHz)であり、測定温度は、135℃、ポリプロピレン樹脂を溶解する溶媒にはo−ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(混合比=4/1)を用いることができる。高温NMRによる測定方法は、例えば、「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版 高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、第610頁」に記載の方法を参照して行うことができる。
測定モードは、シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は、9.1μsec(45°パルス)、パルス間隔5.5sec、積算回数4500回、シフト基準は、CH(mmmm)=21.7ppmとすることができる。
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmm及びmrrm等)に由来する各シグナルの強度の積分値に基づいて百分率で計算される。mmmm及びmrrm等に由来する各シグナルは、例えば、「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」等を参照して帰属することができる。
ポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂組成物中に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて、ポリプロピレン樹脂Aを、55質量%以上、90質量%以下含むことが好ましく、60質量%以上、85質量%以下含むことがより好ましく、60質量%以上80質量%以下含むことが特に好ましい。
本発明の一実施形態において、ポリプロピレン樹脂組成物は、結晶子サイズを小さくし、耐電圧性の高いコンデンサフィルムを得る観点から、数平均分子量(Mn)が4万以上15万以下であり、Z平均分子量が120万以上260万以下であるポリプロピレン樹脂B1を含有することが好ましい。
ポリプロピレン樹脂B1の数平均分子量(Mn)は、延伸性の観点から、4万以上15万以下であることが好ましく、4.5万以上13万以下であることがより好ましい。ポリプロピレン樹脂B1のZ平均分子量は、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みの精度を高める観点から、120万以上260万以下であることが好ましく、120万以上240万以下であることがより好ましく、120万以上200万以下であることがさらに好ましく、125万以上190万以下であることが特に好ましい。
上記範囲の数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量を有するポリプロピレン樹脂B1は、結晶子サイズを小さくし、耐電圧性の高いコンデンサフィルムを得る観点から、ポリプロピレン樹脂組成物中に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であって、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下の量で含まれることが好ましい。
また、平均分子量の目安として、メルトフローレート(MFR)を用いることもできる。この場合、ポリプロピレン樹脂組成物は、結晶子サイズを小さくし、耐電圧性の高いコンデンサフィルムを得る観点からメルトフローレートが4g/10分以下であるポリプロピレン樹脂B2を含むことが好ましい。
ポリプロピレン樹脂B2のメルトフローレートは、結晶子サイズを小さくし、耐電圧性の高いコンデンサフィルムを得る観点から4g/10分以下であることが好ましく、3.5g/10分以下であることがより好ましく、2.0g/10分以下であることが特に好ましい。上記のメルトフローレートは、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みの精度を高める観点から0.1g/10分以上であることが好ましく、0.2g/10分以上であることがより好ましく、0.3g/10分以上であることがさらに好ましい。
上記範囲のメルトフローレートを有するポリプロピレン樹脂B2は、結晶子サイズを小さくし、耐電圧性の高いコンデンサフィルムを得る観点から、ポリプロピレン樹脂組成物中に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であって、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下の量で含まれることが好ましい。
樹脂のブレンドによって高分子量成分の含有量を調整する場合には、上記のポリプロピレン樹脂Aに対して、より高い分子量を有するポリプロピレン樹脂B1、または、より低いMFRを有するポリプロピレン樹脂B2を、ドライあるいは溶融状態で混合してポリプロピレン樹脂組成物を得ることが好ましい。例えば、主成分としてのポリプロピレン樹脂A100質量%に対して、ポリプロピレン樹脂B1またはB2を好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜50質量%の量で混合し、2種のポリプロピレン樹脂混合系であるポリプロピレン樹脂組成物を得る方法は、高分子量成分量の調整が容易であるため、好ましく採用される。ここで、これらの樹脂は、その重合粉あるいはペレットをミキサー等によってドライブレンドする方法、その重合粉あるいはペレットを混練機によって溶融混練してブレンド樹脂を得る方法などを含む非限定的な任意の混合方法に従って混合してよい。
本発明において、ポリプロピレン樹脂組成物に、ポリプロピレン樹脂以外の他の樹脂(以下「他の樹脂」ともいう)を本発明の効果を損なわない範囲内で混合してよい。ここで、「他の樹脂」は特に限定されず、ポリプロピレン樹脂以外の樹脂であってコンデンサ用途に適したものとされる従来公知の樹脂を本発明においても適宜用いることができる。他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリイソブテン、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(1−メチルペンテン)などのポリプロピレン以外の他のポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などの、α−オレフィン同士の共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体などのビニル単量体−ジエン単量体ランダム共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのビニル単量体−ジエン単量体−ビニル単量体ランダム共重合体等が挙げられる。このような他の樹脂の配合量は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下である。
ポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂の他に、必要に応じて少なくとも1種の添加剤を含有してよい。添加剤とは、一般的に、ポリプロピレン樹脂に使用される添加剤である限り特に制限されない。このような添加剤には、例えば酸化防止剤、塩素吸収剤、紫外線吸収剤等の安定剤、滑剤、可塑剤、難燃化剤、帯電防止剤、着色剤等が含まれる。このような添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内でポリプロピレン樹脂組成物に添加してよい。
「酸化防止剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。酸化防止剤は、一般的に2種類の目的で使用される。一つの目的は、押出機内での熱劣化および酸化劣化を抑制することであり、他の目的は、フィルムコンデンサとしての長期使用における劣化抑制およびコンデンサ性能の向上に寄与することである。押出機内での熱劣化および酸化劣化を抑制する酸化防止剤を「1次剤」ともいい、コンデンサ性能の向上に寄与する酸化防止剤を「2次剤」ともいう。これらの2つの目的のために、2種類の酸化防止剤を用いてもよいし、2つの目的のために1種類の酸化防止剤を使用してもよい。
2種類の目的で酸化防止剤を用いる場合、ポリプロピレン樹脂組成物は、1次剤として、例えば、2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−パラ−クレゾール(一般名称:BHT)を、ポリプロピレン樹脂を基準(100質量部)に対して、1000ppm〜4000ppm程度含むことができる。この目的の酸化防止剤は、押出機内での成形工程にてほとんどが消費され、製膜成形後のフィルム中には、ほとんど残存しない(一般的には、残存量100ppmより少ない)。
2次剤として、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用することができる。本発明において使用できるカルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、特に制限されないが、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−ターシャリー−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス259)、ペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:イルガノックス1076)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(商品名:イルガノックス1098)などが挙げられる。なかでも、高分子量であってポリプロピレンとの相溶性に富み、低揮発性かつ耐熱性に優れたペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が、最も好ましい。
カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤は、押出機内で少なからず消費されることを考慮して、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて、好ましくは2000ppm以上7000ppm以下、より好ましくは3000ppm以上7000ppm以下の量で、ポリプロピレン樹脂組成物中に含まれる。
ポリプロピレン樹脂組成物が1次剤を含まない場合、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤をより多く使用することができる。この場合、押出機内におけるカルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤の消費量が増える点から、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ポリプロピレン樹脂100質量部を基準に、3000ppm以上8000ppm以下の量で添加することが好ましい。
本発明では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの長期使用時における経時的に進行する劣化を抑制する目的で、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤(2次剤)を1種類以上含有し、フィルム中の含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて、1000ppm以上6000ppm以下であることが好ましく、1500ppm以上6000ppm以下であることが好ましい。
ポリプロピレンと分子レベルで相溶性が良好であるカルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤を、最適な特定範囲の量を含有させたフィルムコンデンサは、高い耐電圧性能を維持したまま、非常に高温のライフ試験においても長期に渡って、静電容量を低下させず(劣化が進行せず)、長期耐用性が向上するので好ましい。
ポリプロピレン樹脂組成物は、酸化防止剤として、リン系酸化防止剤を含有してもよい。リン系酸化防止剤は、有機過酸化物の均等開裂を抑制し樹脂の劣化を抑制することができる。リン系酸化防止剤として、例えば、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト(商品名:イルガフォス168)、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト(商品名:イルガフォス38)などが挙げられる。リン系酸化防止剤は、ポリプロピレン樹脂100質量部を基準に、1000ppm〜2000ppm程度の量で添加することが好ましい。
ポリプロピレン樹脂組成物は、酸化防止剤として、上記酸化防止剤を単独で含有してもよいし、例えばBHTとヒンダードフェノール系酸化防止剤とを組み合わせて含有してもよく、リン系酸化防止剤とBHTおよび/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤とを組み合せて含有してもよい。リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤との併用は、強い相乗効果が得られるため、好ましい。
「塩素吸収剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。塩素吸収剤として、例えば、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸等を例示できる。
「紫外線吸収剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾトリアゾール(BASF製Tinuvin328等)、ベンゾフェノン(Cytec製Cysorb UV−531等)、ハイドロキシベンゾエート(Ferro製UV−CHEK−AM−340等)等を例示できる。
「滑剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。滑剤として、例えば、第一級アミド(ステアリン酸アミド等)、第二級アミド(N−ステアリルステアリン酸アミド等)、エチレンビスアミド(N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド等)等を例示できる。
「可塑剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。可塑剤として、例えば、PPランダム共重合体等を例示できる。
「難燃化剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。難燃化剤として、例えば、ハロゲン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸塩、ボレート、アンチモン酸化物等を例示できる。
「帯電防止剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。帯電防止剤として、例えば、グリセリンモノエステル(グリセリンモノステアレート等)、エトキシル化された第二級アミン等を例示できる。
「着色剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。着色剤として、例えば、カドミウム、クロム含有無機化合物からアゾ、キナクリドン有機顔料の範囲まで例示できる。
本発明において、ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂は、従来公知の方法を用いて製造することができ、重合方法としては、例えば、気相重合法、塊状重合法およびスラリー重合法が挙げられる。重合は、1つの重合反応機を用いる一段重合であってよく、2以上の重合反応器を用いた多段重合であってもよい。また、反応器中に水素又はコモノマーを分子量調整剤として添加して重合を行ってもよい。重合触媒としては、従来公知のチーグラー・ナッタ触媒を使用することができ、重合触媒には助触媒成分やドナーが含まれていてもよい。ポリプロピレン樹脂の分子量、分子量分布および立体規則性等は、重合触媒その他の重合条件を適宜調整することによって制御することができる。
本発明の一態様において、複数のポリプロピレン原料樹脂を混合してポリプロピレン樹脂組成物として使用する場合、混合方法は特に制限されないが、例えば粉末状あるいはペレット状の各樹脂をミキサー等によってドライブレンドする方法、粉末状あるいはペレット状の各樹脂を混練機内で溶融混練することによりブレンド樹脂を得る方法などが挙げられる。
使用できるミキサーには特に制限が無く、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサーなどを使用することができる。また、使用できる混練機にも特に制限は無く、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、又はそれ以上の多軸スクリュータイプの何れを使用することもできる。2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向又は異方向回転のいずれの混練タイプも使用できる。
溶融混練によるブレンドの場合には、良好な混練さえ得られる限り混練温度に特に制限はないが、一般的には、200℃から300℃の範囲であり、230℃から270℃が好ましい。あまり高い温度で混練を行うと、樹脂の劣化を招く場合があるため好ましくない。樹脂の混練混合の際の劣化を抑制するために、混練機中へ窒素などの不活性ガスをパージしてもよい。溶融混練された樹脂は、既知の造粒機を用いて適当な大きさにペレタイズすることによって、混合ポリプロピレン原料樹脂ペレットを得ることができる。
本発明におけるポリプロピレン原料樹脂中に含まれる重合触媒残渣等に起因する総灰分は、電気特性を向上させるために可能な限り少ないことが好ましい。総灰分は、ポリプロピレン樹脂を基準(100質量部)として、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、75ppm以下であることが特に好ましい。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上記のポリプロピレン樹脂組成物を二軸延伸してなるポリプロピレンフィルムである。本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、耐電圧性の観点から、広角X線回折法により測定したα晶(040)面反射ピークの半価幅からScherrerの式を用いて算出して12.2nm以下の結晶子サイズを有することが好ましい。
本発明において、ポリプロピレンフィルムの「結晶子サイズ」とは、広角X線回折法(XRD法)を用いて測定される、ポリプロピレンフィルムのα晶(040)面の回折反射ピークの半価幅から、後述するScherrerの式を用いて算出される結晶子サイズをいう。
ポリプロピレンフィルムの結晶子サイズは、より好ましくは12.0nm以下である。結晶子サイズが上記の範囲で小さいポリプロピレンフィルムを使用すると、漏れ電流が小さくなり、ジュール発熱による構造破壊の発生が抑制されるため、耐熱性、耐電圧性および長期間にわたる耐熱性および耐電圧性の観点から好ましい。ポリプロピレンフィルムの結晶子サイズは、ポリプロピレンフィルムの機械的強度および融点を維持する観点から、好ましくは10.0nm以上であり、より好ましくは10.5nm以上である。
本発明のポリプロピレンフィルムの「結晶子サイズ」は、具体的には、以下のようにして求めることができる。まず、二軸延伸ポリプロピレンフィルムまたはその金属化フィルムの広角X線回折を行い、得られたα晶(040)面の回折反射ピークの半価幅を求めた。次に、得られたα晶(040)面の回折反射ピークの半価幅から、下記(1)式に示すScherrerの式を用いて、結晶子サイズを求めた。なお、本発明では、形状因子定数Kは、0.94を用いた。
Figure 2019140396
[ここで、Dは、結晶子サイズ(nm)、Kは定数(形状因子)、λは使用X線波長(nm)、βは求めた半価幅、θは回折ブラッグ角である。]
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上記のポリプロピレン樹脂組成物を通常の方法に従って二軸延伸することによって得ることができる。本発明では、まず、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造するための「延伸前のキャスト原反シート」を、公知の方法を使用して成形することが好ましい。例えば、ポリプロピレン樹脂ペレット、ドライ混合されたポリプロピレン樹脂ペレット及び/又は粉末、もしくは、予め溶融混練して作製した混合ポリプロピレン樹脂ペレット類を押出機に供給して、加熱溶融し、ろ過フィルタを通した後、170℃〜320℃、好ましくは、200℃〜300℃に加熱溶融してTダイから溶融押し出し、通常80℃〜140℃、好ましくは90℃〜120℃、より好ましくは90℃〜105℃に保持された少なくとも1個以上の金属ドラムで、冷却、固化させることによって、未延伸のキャスト原反シートを成形することができる。上記キャスト原反シートの厚さは、0.05mm〜2mmであることが好ましく、0.1mm〜1mmであることがより好ましい。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、前記ポリプロピレンキャスト原反シートに延伸処理を行って製造することができる。延伸は、縦および横に二軸に配向させる二軸延伸が行われ、延伸方法としては同時又は逐次の二軸延伸方法が挙げられるが、逐次二軸延伸方法が好ましい。逐次二軸延伸方法としては、例えば、まずキャスト原反シートを100〜160℃の温度に保ち、速度差を設けたロール間に通して流れ方向に3〜7倍に延伸し、直ちに室温に冷却する。引き続き、当該延伸フィルムをテンターに導いて160℃以上の温度で幅方向に3〜11倍に延伸した後、緩和、熱固定を施して、巻き取る。巻き取られたフィルムは、20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施された後、所望の製品幅に断裁することができる。
金属化ポリプロピレンフィルムの作製に用いる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚さは、小型かつ大容量型のコンデンサ素子を得る点で1〜6μmであることが好ましい。厚さが1.5μm以上の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いることがより好ましい。また、用いる二軸延伸ポリプロピレンフィルムは極薄化されていることが望ましく、その厚さは5μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。フィルムの厚さは、例えば紙厚測定器、マイクロメータ(JIS−B7502)等を用いて、JIS−C2330に準拠して測定することができる。
このような延伸工程によって、機械的強度、剛性に優れたフィルムとなり、また、表面の凹凸もより明確化され、微細に粗面化された延伸フィルムとなる。二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面には、巻き適性を向上させつつ、コンデンサ特性をも良好とする適度な表面粗さを付与することが好ましい。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、少なくとも片方の表面において、その表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で0.03μm以上0.08μm以下であることが好ましく、かつ、最大高さ(Rz、旧JIS定義でのRmax)で0.3μm以上0.8μm以下に微細粗面化されていることが好ましい。RaおよびRzが、上述の好ましい範囲にある場合、表面は、微細に粗化された表面になり得、コンデンサ加工の際には、素子巻き加工において巻きシワが発生し難く、好ましく巻上げることができる。更に、フィルム同士の間も均一な接触が可能となるため、耐電圧性および長期間に渡る耐電圧性も向上し得る。
ここで、「Ra」および「Rz」(旧JIS定義のRmax)とは、例えばJIS−B0601:2001等に定められている方法によって、一般的に広く使用されている触針式表面粗さ計(例えば、ダイヤモンド針等による触針式表面粗さ計)を用いて測定された値をいう。「Ra」および「Rz」は、より具体的には、例えば、東京精密社製、三次元表面粗さ計サーフコム1400D−3DF−12型を用い、JIS−B0601:2001に定められている方法に準拠して求めることができる。
フィルム表面に微細な凹凸を与える方法としては、エンボス法、エッチング法など、公知の各種粗面化方法を採用することができ、その中でも、不純物の混入などの必要がないβ晶を用いた粗面化法が好ましい。β晶の生成割合は、一般的には、キャスト温度およびキャストスピードを変更することによって制御することができる。また、縦延伸工程のロール温度によってβ晶の融解/転移割合を制御することができ、これらのβ晶生成とその融解/転移の二つのパラメーターについて最適な製造条件を選択することによって微細な粗表面性を得ることができる。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、金属蒸着加工工程などの後工程における接着特性を高める目的で、延伸および熱固定工程終了後に、オンラインもしくはオフラインにてコロナ放電処理を行うことができる。コロナ放電処理は、公知の方法を用いて行うことができる。雰囲気ガスとしては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、およびこれらの混合ガスを用いることが好ましい。
金属化ポリプロピレンフィルムを作製する工程では、二軸延伸されたポリプロピレンフィルムの片面に金属蒸着膜を形成する。二軸延伸ポリプロピレンフィルムに金属蒸着膜を設ける方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられ、生産性や経済性などの点からは真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法によって金属蒸着膜を設ける場合には、るつぼ方式、ワイヤー方式など公知の方式から適宜選択して行われる。金属蒸着膜を構成する金属としては、亜鉛、鉛、銀、クロム、アルミニウム、銅、ニッケルなどの単体金属、これらの金属から選択される複数種の金属からなる混合物または合金などを使用することができる。環境面、経済性、およびフィルムコンデンサ性能、とりわけ静電容量や絶縁抵抗の温度特性並びに周波数特性などの点からは、金属蒸着膜を構成する金属として、亜鉛およびアルミニウムから選択される単体金属、金属混合物または合金を採用することが好ましい。
金属蒸着膜の膜抵抗は、コンデンサの電気特性の点から、1〜100Ω/□が好ましい。この範囲内でも高めであることがセルフヒーリング(自己修復)特性の点から望ましく、膜抵抗は5Ω/□以上であることがより好ましく、10Ω/□以上であることが更に好ましい。また、コンデンサ素子としての安全性の点から、膜抵抗は50Ω/□以下であることがより好ましく、20Ω/□以下であることが更に好ましい。金属蒸着膜の膜抵抗は、例えば当業者に既知のニ端子法によって金属蒸着中に測定することができる。金属蒸着膜の膜抵抗は、例えば蒸発源の出力を調整して蒸発量を調整することによって調節することができる。
フィルムの片面に金属蒸着膜を形成する際、フィルムを巻回した際にコンデンサとなるよう、フィルムの片方の端部から一定幅は蒸着せずに絶縁マージンが形成される。さらに、金属化ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接合を強固にするため、絶縁マージンと逆の端部に、ヘビーエッジ構造を形成することが好ましく、ヘビーエッジの膜抵抗は通常2〜8Ω/□であり、3〜6Ω/□であることが好ましい。
形成する金属蒸着膜のマージンパターンには特に制限はないが、フィルムコンデンサの保安性等の点からは、フィッシュネットパターン、Tマージンパターン等のいわゆる特殊マージンを含むパターンとすることが好ましい。特殊マージンを含むパターンで金属蒸着膜を二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に形成すると、得られるフィルムコンデンサの保安性が向上し、フィルムコンデンサの破壊やショートを抑制できるため、好ましい。マージンを形成する方法としては、蒸着時にテープによりマスキングを施すテープ法、オイルの塗布によりマスキングを施すオイル法等、公知の方法を何ら制限なく使用することができる。
金属蒸着膜を設けた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、フィルムの長尺方向に沿って巻き付ける巻き付け加工を経て、金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサに加工される。すなわち、上記のように作製された金属化ポリプロピレンフィルムを2枚1対として、金属蒸着膜とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように重ね合わせて巻回した後、両端面に金属溶射によって一対のメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサ素子を作製する。
フィルムコンデンサ素子を作製する工程では、フィルムの巻き付け加工が行われる。例えば、金属蒸着部とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように、更には、絶縁マージン部が逆サイドとなるように、2枚1対の金属化ポリプロピレンフィルムを重ね合わせて巻回する。この際、2枚1対の金属化ポリプロピレンフィルムを1〜2mmずらして積層することが好ましい。用いる巻回機は特に制限されず、例えば、株式会社皆藤製作所製の自動巻取機3KAW−N2型等を利用することができる。
巻回後、通常、得られた巻回物に対して圧力をかけながら熱処理(以下、「熱プレス」と称することがある)が施される。熱プレスによってフィルムコンデンサ素子の巻締まりや結晶構造の変化が適度に起こると、機械的および熱的な安定が得られる。しかし、熱プレスによって過度な素子の巻締まりや結晶構造の変化が起こると、フィルムが熱負けして収縮し、熱シワや型付などの成形不良といった問題が生じる場合がある。このような点から、与える圧力は、ポリプロピレンフィルムの厚さ等によってその最適値は変わるが、10×10〜450×10Paが好ましく、より好ましくは30×10〜300×10Pa、更に好ましくは40×10〜150×10Paである。また、熱処理の温度は100〜120℃とすることが好ましい。熱処理を施す時間は、機械的および熱的な安定を得る点で、5時間以上とすることが好ましく、10時間以上とすることがより好ましいが、熱シワや型付などの成形不良を防止する点で、20時間以下とすることが好ましく、15時間以下とすることがより好ましい。
続いて、巻回物の両端面に金属を溶射してメタリコン電極を設けることによって、フィルムコンデンサ素子を作製する。メタリコン電極には、通常、リード線が溶接される。また、耐候性を付与し、とりわけ湿度劣化を防止するため、コンデンサ素子をケースに封入してエポキシ樹脂でポッティングすることが好ましい。
上述した方法によって作製された金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ素子に対して、更に所定の熱処理が施される。すなわち、フィルムコンデンサ素子に対し、80〜115℃の温度で1時間以上の熱処理を施す(以下、「熱エージング」と称することがある)。
フィルムコンデンサ素子に対して熱処理を施す上記工程において、熱処理の温度は、80℃以上であって、90℃以上とすることが好ましく、一方、115℃以下であって、110℃以下とすることが好ましい。上記の温度で熱処理を施すことによって熱エージングの効果が得られるが、具体的には、金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子を構成するフィルム間の空隙が減少し、コロナ放電が抑制され、しかも金属化ポリプロピレンフィルムの内部構造が変化して結晶化が進み、その結果、耐電圧性が向上するものと考えられる。熱処理の温度が所定温度より低い場合には、熱エージングによる上記効果が十分に得られない。一方、熱処理の温度が所定温度より高い場合には、ポリプロピレンフィルムに熱分解や酸化劣化等が生じることがある。
フィルムコンデンサ素子に対して熱処理を施す方法としては、例えば、大気雰囲気下、真空雰囲気下、又は不活性ガス雰囲気下で、恒温槽を用いる方法や高周波誘導加熱を用いる方法などを含む公知の方法から適宜選択してよいが、恒温槽を用いる方法を採用することが好ましい。
上記方法によって得られるコンデンサ素子は、金属化ポリプロピレンフィルムに基づく小型かつ大容量型のフィルムコンデンサ素子であって、高温下での高い耐電圧性及び高温下での長期耐用性を有するものである。コンデンサ素子の耐用性を調べる試験方法としては、「ステップアップ試験」、「ライフ(寿命)試験」などが挙げられ、これらはいずれも100℃以上の高温下における耐用性を評価する試験方法である。「ステップアップ試験」は、コンデンサ素子への一定時間(短時間)、一定電圧の電圧印加を、電圧値を少しずつ上げながら繰り返し行う試験方法であって、コンデンサ素子の耐用性を電圧限界(高電圧)の観点から評価する方法である。一方、「ライフ試験」は、コンデンサ素子への一定電圧の電圧印加を長時間に亘って行う試験方法であって、長期間の耐電圧性、すなわちコンデンサ素子の耐用性を静電容量の減少がなく暴走なども起こさない時間の観点から評価する方法である。各試験方法の詳細は後述のとおりである。
本発明のコンデンサ素子は、フィルム厚みにもよるが、例えば2.5μm厚の場合に、「ステップアップ試験」に従って評価される容量変化率ΔC=−5%時の電圧が1100Vを超えることが好ましく、1120V以上であることがより好ましく、1150V以上であることが更に好ましく、1180V以上であることが特に好ましい。また、「ステップアップ試験」に従って評価される容量変化率ΔC=−95%時の電圧が1450Vを超えることが好ましく、1460V以上であることがより好ましく、1470V以上であることが更に好ましく、1480V以上であることが特に好ましい。
また、本発明のコンデンサ素子は、「ライフ試験」に従って評価される電圧印加後の容量変化率ΔC(200時間後)が−10%以上であることが好ましく、−8%以上であることがより好ましく、−6%以上であることがさらに好ましく、−5%以上であることが特に好ましい。ハイブリッド自動車用高電圧タイプのコンデンサの定格電圧は400〜800VDCが一般的であり、例えば印加電圧を600VDCとして「ライフ試験」を行ってよい。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、これらの例は本発明を説明するためのものであり、本発明を何ら限定するものではない。また、特に断らない限り、「部」および「%」という記載は、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
[樹脂の各特性値の測定]
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)および微分分布値
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、以下の条件で、ポリプロピレン樹脂の平均分子量および分布曲線の微分分布値を測定した。
測定機:東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵高温GPC装置、HLC−8121GPC−HT型
カラム:東ソー株式会社製、TSKgel GMHHR−H(20)HTを3本連結
カラム温度:140℃
溶離液:トリクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
なお、検量線の作製には東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用い、ポリスチレン換算により測定結果を得た。ただし、分子量はQ−ファクターを用いてポリプロピレンの分子量へ換算した。
微分分布値は、次のような方法で得た。まず、RI検出計を用いて検出される強度分布の時間曲線(溶出曲線)を、上記標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて標準ポリスチレンの分子量M(Log(M))に対する分布曲線に変換した。次に、分布曲線の全面積を100%とした場合のLog(M)に対する積分分布曲線を得た後、この積分分布曲線をLog(M)で、微分することによってLog(M)に対する微分分布曲線を得ることが出来た。この微分分布曲線から、Log(M)=4.5およびLog(M)=6.0のときの微分分布値を読んだ。なお、微分分布曲線を得るまでの一連の操作は、使用したGPC測定装置に内蔵されている解析ソフトウェアを用いて行った。
(2)メルトフローレート
JIS K 7210−1999に準拠して230℃にて測定した。
[ポリプロピレン樹脂]
実施例および比較例のポリプロピレンフィルムの製造に、下記の表1に示す数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn)、分子量分布(Mz/Mn)およびMFRを有するポリプロピレン樹脂を使用した。なお、これらの値は、原料樹脂ペレットの形態で、上記の測定方法に従い測定した値である。
なお、PP−4は、Mw=30万、Mw/Mn=5.2、MFR=4.0g/10分のアイソタクチックポリプロピレン樹脂(プライムポリマー製)を80質量%、MFR=10.0g/10分のアイソタクチックポリプロピレン樹脂(プライムポリマー製)を20質量%混合して得た。
Figure 2019140396
ポリプロピレン樹脂PP−1:アイソタクチックポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製)
ポリプロピレン樹脂PP−2:アイソタクチックポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製)
ポリプロピレン樹脂PP−3:アイソタクチックポリプロピレン(大韓油化社製)
ポリプロピレン樹脂PP−4:アイソタクチックポリプロピレン
ポリプロピレン樹脂PP−5:アイソタクチックポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製)
ポリプロピレン樹脂PP−6:アイソタクチックポリプロピレン(大韓油化社製)
ポリプロピレン樹脂PP−7:アイソタクチックポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製)
ポリプロピレン樹脂PP−8:アイソタクチックポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製)
ポリプロピレン樹脂PP−1〜PP−8のいずれも、酸化防止剤(1次剤)としての2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(一般名称:BHT)2000ppm、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤(2次剤)としてのペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1010)3000〜6500ppm、および、リン系酸化防止剤であるトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト(商品名:イルガフォス168)1000〜2000ppmからなる群から選択される、少なくとも1種の酸化防止剤を含有する。
上述のポリプロピレン樹脂を用いて、表2および表3に示す組成のポリプロピレン樹脂組成物を以下に示す方法に従い調製した。得られたポリプロピレン樹脂組成物を二軸延伸して、実施例1〜6および比較例1〜4のポリプロピレンフィルムを製造した。それぞれのフィルムを構成するポリプロピレン樹脂の物性を、上記測定方法に従い測定した。また、得られたポリプロピレンフィルムについて、絶縁破壊電圧および結晶子サイズを以下に示す方法で評価した。得られた結果を表2および表3に示す。
Figure 2019140396
Figure 2019140396
実施例1
樹脂PP−1(酸化防止剤としてイルガノックス1010を5000ppm添加)と樹脂PP−2(酸化防止剤としてイルガノックス1010を5000ppm添加)を、PP−1/PP−2=80/20(質量比)で、連続的に計量混合したドライブレンド体を、押出機に供給した。ドライブレンド体を250℃の温度で溶融した後、Tダイから押し出し、表面温度を92℃に保持した金属ドラムに巻きつけて固化させて、厚さ約125μmのキャスト原反シートを製造した。このキャスト原反シートを140℃の温度で、流れ方向に5倍に延伸し、直ちに室温まで冷却した後、テンターにて165℃の温度で横方向に10倍に延伸して、厚さ2.3μmの非常に薄い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例2
樹脂PP−1と樹脂PP−2を、PP−1/PP−2=65/35(質量比)で計量混合したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例3
樹脂PP−1と樹脂PP−3を、PP−1/PP−3=65/35(質量比)で計量混合したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例4
樹脂PP−1と樹脂PP−6を、PP−1/PP−6=65/35(質量比)で計量混合したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例5
樹脂PP−1と樹脂PP−7を、PP−1/PP−7=65/35(質量比)で計量混合したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例6
樹脂PP−1と樹脂PP−8を、PP−1/PP−8=65/35(質量比)で計量混合したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例1
樹脂PP−1を単独で使用したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例2
樹脂PP−2を単独で使用したこと以外は、実施例1と同様にして、キャスト原反シートを製造した。このキャスト原反シートを実施例1と同様にして二軸延伸することを試みたが、延伸工程で破断し、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは得られなかった。
比較例3
樹脂PP−4を単独で使用したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例4
樹脂PP−5を単独で使用したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
[フィルムの各特性値の測定]
(1)フィルムの厚み
フィルムの厚さは、例えば紙厚測定器、マイクロメータ(JIS−B7502)等を用いて、JIS−C2330に準拠して測定することができる。
(2)結晶子サイズ
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの結晶子サイズを、XRD(広角X線回折)装置を用いて、以下に従い測定した。
測定機:リガク社製のディストップX線回折装置「MiniFlex300」
X線発生出力:30KV、10mA
照射X線:モノクローメーター単色化CuKα線(波長0.15418nm)
検出器:シンチュレーションカウンター
ゴニオメーター走査:2θ/θ連動走査
得られたデータから、解析コンピューターを用い、装置標準付属の統合粉末X線解析ソフトウェアPDXLを用い、α晶(040)面の回折反射ピークの半価幅を算出した。
得られたα晶(040)面の回折反射ピークの半価幅から、下記(1)式のScherrerの式を用いて、結晶子サイズを求めた。なお、本発明では、形状因子定数Kは、0.94を用いた。
Figure 2019140396
[ここで、Dは、結晶子サイズ(nm)、Kは定数(形状因子)、λは使用X線波長(nm)、βは求めた半価幅、θは回折ブラッグ角である。]
(3)絶縁破壊電圧
JIS C2330(2001)7.4.11.2 B法(平板電極法)にならって、直流電源を使用し、100℃で、絶縁破壊電圧値を測定した。12回の測定の平均絶縁破壊電圧値(VDC)を、フィルムの厚み(μm)で割り、上位2回および下位2回の値を除いた8回の平均値を、絶縁破壊電圧(VDC/μm)とした。
[コンデンサ素子の作製]
上記の実施例1〜3で得た二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、特殊マージン蒸着パターンを蒸着抵抗15Ω/□にてアルミニウム蒸着を施し、金属化フィルムを得た。小幅にスリットした後に、2枚の金属化フィルムを相合わせて、株式会社皆藤製作所製、自動巻取機 3KAW−N2型を用い、1100ターン巻回を行った。
素子巻きした素子は、プレスしながら120℃にて熱処理を施した後、素子端面に亜鉛金属を溶射し、扁平型コンデンサを得た。出来上がったコンデンサの静電容量は、75μF(±2μF)であった。
[コンデンサ素子の各特性値の測定]
(1)コンデンサ素子のライフ試験(長期間にわたる耐電圧性)
上記のコンデンサ素子を、予め105℃にて予熱した後、試験前の初期の静電容量を日置電機株式会社製LCRハイテスター3522−50にて、室温で評価した。次に、105℃の高温槽中にて、コンデンサ素子に直流600Vの電圧を200時間負荷続けた。200時間経過後の素子の容量をLCRテスターにて室温で測定し、電圧負荷前後の容量変化率を算出した。200時間経過後の容量変化率を、素子3個の平均値により評価した。200時間経過後の容量変化率は、実施例1で−1.9%、実施例2で−1.0%、実施例3で−3.0%であった。なお、200時間経過後の容量変化率は、−5%以上であることが好ましい。
実施例1〜6に示されるように、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、優れた絶縁破壊電圧を有し、高温下での優れた耐電圧性を有することがわかる。また、厚さ2.3μmの非常に薄い二軸延伸ポリプロピレンフィルムでありながら、上記の優れた耐電圧性を有することが確認され、高い耐電圧性が要求される小型かつ高容量型のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムとして極めて好適である。
これに対し、比較例1および3のポリプロピレンフィルムは、所定の範囲の微分分布値の差を有するポリプロピレン樹脂から構成されるものではなく、十分な耐電圧性が得られなかった。特に、高分子量成分の構成が小さく、所定のZ平均分子量を有さないポリプロピレン樹脂からなる比較例3および4のポリプロピレンフィルムでは、絶縁破壊電圧が非常に低い結果となった。また、比較例2のポリプロピレンフィルムは、フィルムに延伸することができなかった。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、絶縁破壊電圧に優れるので、このフィルムを用いてコンデンサを製造することで、高温下での耐電圧性、特に初期耐電圧性および長期耐電圧性の向上が見込まれる。さらに、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、絶縁破壊電圧に優れると共に厚さを薄くすることができるので、高い耐電圧性が要求される小型かつ高容量型のコンデンサに好ましく利用可能である。

Claims (6)

  1. コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、該ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、
    ・数平均分子量が4万以上10万以下、
    ・Z平均分子量が95万以上150万以下、
    ・分子量分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値からLog(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が−15%以上11%以下
    である、ポリプロピレンフィルム。
  2. 前記ポリプロピレンフィルムの結晶子サイズは、広角X線回折法により測定したα晶(040)面反射ピークの半価幅からScherrerの式を用いて算出して12.2nm以下である、請求項1に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  3. 前記ポリプロピレンフィルムはポリプロピレン樹脂組成物を二軸延伸してなり、該ポリプロピレン樹脂組成物は、メルトフローレートが4g/10分以下であるポリプロピレン樹脂を、該ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて1質量%以上70質量%以下の量で含有する、請求項1または2に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. 前記ポリプロピレンフィルムはポリプロピレン樹脂組成物を二軸延伸してなり、該ポリプロピレン樹脂組成物は、数平均分子量(Mn)が4万以上15万以下であり、Z平均分子量が120万以上260万以下であるポリプロピレン樹脂を、該ポリプロピレン樹脂組成物に含まれるポリプロピレン樹脂の総量に基づいて1質量%以上70質量%以下の量で含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面または両面に金属蒸着が施された、コンデンサ用金属化ポリプロピレンフィルム。
  6. 請求項5に記載のコンデンサ用金属化ポリプロピレンフィルムを用いて製造したコンデンサ。
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