JP2019140188A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 Download PDF

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雅俊 齊藤
俊成 荻原
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俊成 荻原
圭 吉崎
Kei Yoshizaki
圭 吉崎
祐一郎 河村
Yuichiro Kawamura
祐一郎 河村
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Abstract

【課題】発光効率を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機EL素子を搭載した電子機器を提供すること。【解決手段】陽極と、発光層と、陰極と、を有し、発光層は、第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物を含み、第一の化合物は、蛍光発光性の化合物であり、第二の化合物は、遅延蛍光性の化合物であり、第三の化合物は、特定の複素縮合環を有する化合物であり、第一の化合物の一重項エネルギーS1(M1)と、第二の化合物の一重項エネルギーS1(M2)と、第三の化合物の一重項エネルギーS1(M3)とが、数式(数1)の関係を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子。S1(M3)>S1(M2)>S1(M1)(数1)【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
一重項励起子からの発光を用いる蛍光型の有機EL素子は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されつつあるが、内部量子効率25%が限界といわれている。一重項励起子に加えて三重項励起子からの発光を用いる燐光型の有機EL素子は、発光材料として重原子金属(例えばイリジウム等)を用いることによって、理論上、内部量子効率の上限を100%にすることができるとされている。
例えば、特許文献1には、燐光型の有機EL素子材料として、特定の式で表される7員環化合物が開示され、この7員環化合物を燐光用ホスト材料として用いた有機EL素子も開示されている。
一方、熱活性化遅延蛍光(以下、単に「遅延蛍光」という場合がある。)を利用した高効率の蛍光型の有機EL素子が提案され、研究がなされている。
例えば、TADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence、熱活性化遅延蛍光)機構(メカニズム)が研究されている。このTADFメカニズムは、一重項準位と三重項準位とのエネルギー差(ΔST)の小さな材料を用いた場合に、三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が熱的に生じる現象を利用するメカニズムである。熱活性化遅延蛍光については、例えば、『安達千波矢編、「有機半導体のデバイス物性」、講談社、2012年4月1日発行、261−268ページ』に記載されている。
例えば、非特許文献1には、TADF性を示すドーパント材料(発光材料)、及びホスト材料が複数開示されている。具体的に非特許文献1には、青色ドーパント材料としてのトリアジン系TADF性化合物と、青色発光用ホスト材料としてのN,N−カルバゾリル−3,5−ベンゼン(mCP)とを発光層に含む有機EL素子、及び、青色ドーパント材料としてのシアン系TADF性化合物と、青色発光用ホスト材料としての9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール(SiCz)とを発光層に含む有機EL素子等が開示されている。
欧州特許出願公開第3070144号明細書
Mallesham Godumala,Suna Choi,Min Ju Cho and Dong Hoon Choi,"Thermally activated delayed fluorescence Blue dopants and hosts:from the design strategy to organic light-emitting diode applications",Journal of Materials Chemistry C, 2016,4,11355-11381
非特許文献1でホスト材料として用いられているmCP及びSiCzは、一重項エネルギーが比較的高い化合物であるが、mCP又はSiCzを、第三成分として発光層に含ませても発光効率の向上が不十分であった。
TADFメカニズムを利用した有機EL素子においては、従来の蛍光型及び燐光型の有機EL素子とは異なるメカニズムで発光するため、従来知られている蛍光型及び燐光型の有機EL素子用材料とは異なる設計により、発光層に含ませる第三成分を選定する必要がある。
なお、特許文献1に記載の7員環化合物は、従来の燐光用ホスト材料として用いられており、この7員環化合物を用いた燐光型の有機EL素子は、TADFメカニズムを利用しない。
本発明の目的は、発光効率を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機EL素子を搭載した電子機器を提供することである。
本発明の一態様によれば、陽極と、発光層と、陰極と、を有し、
前記発光層は、第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物を含み、
前記第一の化合物は、蛍光発光性の化合物であり、
前記第二の化合物は、遅延蛍光性の化合物であり、
前記第三の化合物は、下記一般式(3)で表される化合物であり、
前記第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)と、前記第二の化合物の一重項エネルギーS(M2)と、前記第三の化合物の一重項エネルギーS(M3)とが、下記数式(数1)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
(M3)>S(M2)>S(M1) (数1)
(前記一般式(3)において、X〜X14は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR80であり、
は、NR95、硫黄原子、又は酸素原子であり、
80は、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR80は、それぞれ独立に、
フッ素原子、
シアノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
連結基Dが介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であり、
NR95におけるR95は、
−(A)о−(A)p−(A)q−(A)r−R16で表される基であり、
ただし、s、t、u、v、о、p、q、及びrは、それぞれ独立に、0又は1であり、複数のR80は、互いに同一であるか又は異なり、
16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR16及びR17は、それぞれ独立に、
−NR1011
−SiR121314
−C(=O)R15
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
10、R11、及びR15は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
〜Aは、それぞれ独立に、
−SiR12A13A−、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基であり、
12、R13、R12A、R13A、及びR14は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
連結基Dが介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
前記連結基Dは、
−CO−、
−COO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−O−、
−NR65−、
−SiR7071−、
−POR72−、
−CR63=CR64−、又は
−C=C−であり、
63及びR64は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR63及びR64は、それぞれ独立に、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基であり、
65は、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基であり、
70〜R71、及びR72は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基であり、
ただし、前記一般式(3)において、X〜Xのうち、0個又は1個が窒素原子であり、X〜Xのうち、0個又は1個が窒素原子であり、о、p、q、及びrが0である場合、R16は水素原子ではなく、NR1011でもない。置換基が複数存在する場合、それぞれの置換基は、互いに同一であるか又は異なる。)
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、発光効率を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機EL素子を搭載した電子機器を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 本実施形態に係る第三の化合物の3次元分子構造を示す図である。(a)及び(b)は、互いに異なる方向から第三の化合物を見た3次元分子構造である。 従来の有機EL素子用材料であるmCPの3次元分子構造を示す図である。 従来の有機EL素子用材料であるSiCzの3次元分子構造を示す図である。 過渡PLを測定する装置の概略図である。 過渡PLの減衰曲線の一例を示す図である。 本実施形態に係る有機EL素子の一例の発光層における第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物の、エネルギー準位、及びエネルギー移動の関係を示す図である。
[有機EL素子]
(有機EL素子の素子構成)
以下、本実施形態に係る有機EL素子の素子構成について説明する。
本実施形態に係る有機EL素子は、一対の電極間に有機層を備える。この有機層は、有機化合物で構成される層を少なくとも一つ含む。あるいは、この有機層は、有機化合物で構成される複数の層が積層されてなる。有機層は、無機化合物をさらに含んでいてもよい。本実施形態の有機EL素子において、有機層のうち少なくとも一層は、発光層である。ゆえに、有機層は、例えば、一つの発光層で構成されていてもよいし、有機EL素子に採用され得る層を含んでいてもよい。有機EL素子に採用され得る層としては、特に限定されないが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、及び障壁層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、次の(a)〜(f)等の構成を挙げることができる。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
(f)陽極/正孔注入・輸送層/障壁層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
上記の中で(d)の構成が好ましく用いられる。ただし、本実施形態は、これらの構成に限定されない。なお、上記「発光層」とは、発光機能を有する有機層である。前記「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層、及び正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。前記「電子注入・輸送層」は「電子注入層、及び電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。有機EL素子が、正孔注入層、及び正孔輸送層を有する場合には、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、有機EL素子が電子注入層、及び電子輸送層を有する場合には、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を有する。有機層10は、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8、及び電子注入層9を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8、及び電子注入層9が、この順番で積層されている。
本実施形態の有機EL素子1において、発光層5は、第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物を含む。
第一の化合物は、蛍光発光性の化合物であり、第二の化合物は、遅延蛍光性の化合物であり、第三の化合物は、前記一般式(3)で表される化合物である。
発光層5は、金属錯体を含んでもよい。
発光層5は、燐光発光性の金属錯体を含まないことが好ましい。また、発光層5は、金属錯体を含まないことも好ましい。
発光層5における第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)と、第二の化合物の一重項エネルギーS(M2)と、第三の化合物の一重項エネルギーS(M3)とは、下記数式(数1)の関係を満たす。
(M3)>S(M2)>S(M1) (数1)
本発明者らは、第三成分として、特異な構造を有する第三の化合物(一般式(3)で表される化合物)を発光層に含ませた場合に、発光効率が向上することを見出した。
本実施形態の有機EL素子では、この第三の化合物の特異な構造が発光効率の向上に寄与していると考えられる。その理由は以下のように推測される。
図2に、本実施形態に係る第三の化合物の3次元分子構造を示し、図3に、従来の有機EL素子用材料であるmCPの3次元分子構造を示し、図4に、従来の有機EL素子用材料であるSiCzの3次元分子構造を示す。なお、これらの3次元分子構造は、B3LYP/6−31G*でGaussian09(ガウシアン社製)を用いて計算した構造である。
図2に示すように、本実施形態に係る第三の化合物は、π電子共役系で形成される面が撓んでいることがわかる。すなわち、第三の化合物は、分子が大きく撓んだ構造を有していると考えられる。
図2に示すように、本実施形態に係る第三の化合物は、π電子共役系で形成される面が撓んでいることがわかる。すなわち、第三の化合物は、分子が大きく撓んだ構造を有していると考えられる。
本実施形態に係る第三の化合物は、この特異な構造(大きく撓んだ構造)によって、分子間の相互作用が低減されると考えられる。
一方、図3に示すmCPは、カルバゾリル基(以下、Czとも称する)が分子間で相互作用を生じてしまう構造と考えられる。図4に示すSiCzは、Czが分子間で相互作用を起こさないように嵩高いシリル基とt−ブチルフェニル基を有する構造であるが、後に記載する比較例2の結果のように、第三成分としてSiCzを発光層に含ませても、十分な発光効率の向上効果が得られていないと考えられる。すなわち、単に嵩高い置換基を有するだけの構造では、十分な発光効率の向上効果が得られないと考えられる。
本実施形態の有機EL素子では、第三成分として大きく撓んだ構造を有し、かつこの構造によって分子間の相互作用を低減できる第三の化合物を発光層に含ませることで、遅延蛍光性の化合物(本実施形態では第二の化合物)の三重項エネルギーを発光層に有効に閉じ込めることができると考えられる。
したがって、本実施形態の有機EL素子によれば、発光効率が向上する。
有機EL素子の分野においては、青色発光領域(通常430nm以上480nm以下の波長領域)における発光の制御が困難とされているが、本実施形態の有機EL素子の一態様によれば、青色発光の発光効率も向上する。
(発光層)
・第三の化合物
本実施形態に係る第三の化合物は、一般式(3)で表される化合物である。
前記一般式(3)において、X〜X14は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR80であり、
は、NR95、硫黄原子、又は酸素原子であり、
80は、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR80は、それぞれ独立に、
フッ素原子、
シアノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
連結基Dが介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であり、
NR95におけるR95は、
−(A)о−(A)p−(A)q−(A)r−R16で表される基であり、
ただし、s、t、u、v、о、p、q、及びrは、それぞれ独立に、0又は1であり、複数のR80は、互いに同一であるか又は異なり、
16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR16及びR17は、それぞれ独立に、
−NR1011
−SiR121314
−C(=O)R15
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
10、R11、及びR15は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
〜Aは、それぞれ独立に、
−SiR12A13A−、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基であり、
12、R13、R12A、R13A、及びR14は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
連結基Dが介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
前記連結基Dは、
−CO−、
−COO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−O−、
−NR65−、
−SiR7071−、
−POR72−、
−CR63=CR64−、又は
−C=C−であり、
63及びR64は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR63及びR64は、それぞれ独立に、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基であり、
65は、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基であり、
70〜R71、及びR72は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基であり、
ただし、前記一般式(3)において、X〜Xのうち、0個又は1個が窒素原子であり、X〜Xのうち、0個又は1個が窒素原子であり、о、p、q、及びrが0である場合、R16は水素原子ではなく、NR1011でもない。置換基が複数存在する場合、それぞれの置換基は、互いに同一であるか又は異なる。
・置換基G
第三の化合物において、R80、R16、R17、R10、R11、R15、A〜A、R12、R13、R12A、R13A、及びR14のそれぞれについて、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基とは、それぞれ独立に、以下の置換基Gである。
置換基Gが複数存在する場合、複数の置換基Gは、互いに同一であるか又は異なる。
置換基Gは、具体的には、
−OR69B
−SR69C
−NR65C66B
−COR68A
−COOR67A
−CONR65D66C
−CN、
フッ素原子、
−SiR737475
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基
フッ素原子で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基、
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基、
無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
フッ素原子で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基である。
65C、R66B、R65D及びR66Cは、それぞれ独立に、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基であり、
65C及びR66Bの組、並びにR65D及びR66Cの組は、それぞれ独立に、互いに結合して5員環を形成するか、互いに結合して6員環を形成するか、又は環を形成しない。
67A、R69B、及びR69Cは、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基である。
68Aは、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR68Aは、
無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基である。
73、R74、及びR75は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基、
無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基である。
前記一般式(1)において、「連結基Dが介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基」における「連結基Dが介在する」とは、前記アルキル基に含まれる任意の2つの炭素原子の間に、二価の連結基Dが少なくとも1以上(好ましくは1つ)存在し、当該2つの炭素原子が二価の連結基Dを介して結合しているか、前記アルキル基の結合手側の末端のメチレン基に前記連結基Dの一方が結合している(−(連結基D)−(アルキル基))ことを意味する。
以下、一般式(3)で表される化合物における好ましい置換基について説明する。
第三の化合物において、R80が「置換の炭素数1〜25のアルキル基」である場合の置換基Gは、
−OR69B、−SR69C、−NR65C66B、−COR68A、−COOR67A、−CONR65D66C、−CN、又はフッ素原子であることが好ましく、−OR69B、−SR69C、−NR65C66B、−COR68A、−COOR67A、−CONR65D66C、又は−CNであることがより好ましい。
前記R65C、R65D、R66B、R66C、R67A、R68A、R69B、及びR69Cは、それぞれ独立に、無置換の炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、及び2−エチルヘキシル基等)、又は無置換の環形成炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、及びビフェニル基等)であることが好ましい。
・X
第三の化合物において、Xは、NR95、又は硫黄原子であることが好ましく、NR95であることがより好ましい。
・R95
第三の化合物において、NR95におけるR95は、−(A)о−(A)p−(A)q−(A)r−R16で表される基であることが好ましい。
・X13及びX14
第三の化合物において、X13は、窒素原子であることが好ましい。
第三の化合物において、X14は、窒素原子であることが好ましい。
第三の化合物において、X13及びX14は、窒素原子であることが好ましい。
・X〜X及びX12
第三の化合物において、X〜X及びX12がCR80であり、CR80におけるR80は、それぞれ独立に、水素原子、又は−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であることが好ましく、前記CR80におけるR80は、水素原子であることがより好ましい。
・X10及びX11
第三の化合物において、X10及びX11がCR80であり、CR80におけるR80は、それぞれ独立に、水素原子又はシアノ基であることが好ましい。
・連結基D
第三の化合物において、連結基Dは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO−、−O−、又は−NR65−であることが好ましい。
−NR65−におけるR65は、無置換の炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びsec−ブチル基等)、
無置換の環形成炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、及びビフェニル基等)、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基(例えば、下記一般式(65A)で表される基(benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-2-yl)、カルバゾリル基、及びジベンゾフラニル基等)であることが好ましい。
65における環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜10のアリール基で置換されていることも好ましい。
65における環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜10のアリール基で置換されていることも好ましい。
65における環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基は、置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基で置換されていることも好ましい。
前記一般式(65A)において、R60は、無置換の環形成炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜10のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基である。
・置換基G
置換基Gは、
−OR69B
−SR69C
−NR65C66B
−CN、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、−CF等)、
無置換の環形成炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、1−ナフチル基、及び2−ナフチル基等)、
フッ素原子で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基、
無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基(例えば、benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl、benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-2-yl、カルバゾリル基、及びジベンゾフラニル基等)、
フッ素原子で置換された環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基、又は
−SiR737475(例えば、トリフェニルシリル基等)であることが好ましい。
前記R65C、R66B、R69B、及びR69Cは、それぞれ独立に、
無置換の炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、及び2−エチルヘキシル基等)、又は
無置換の環形成炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、及びビフェニル基等)であることが好ましい。
前記−SiR737475におけるR73、R74、及びR75は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜10のヘテロアリール基、又は
フェニル基で置換された環形成炭素数2〜10のヘテロアリール基であることが好ましい。
置換基Gにおける環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基は、前記一般式(65A)で表される基(benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-2-yl)、下記一般式(65B)で表される基(benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl)、benzimidazolo[2,1-b][1,3]benzothiazolyl、カルバゾリル基、又はジベンゾフラニル基であることが好ましい。
これらのヘテロアリール基(例えば、前記一般式(65A)で表される基、下記一般式(65B)で表される基(benzimidazo[1,2-b]benzimidazo-2-yl)、benzimidazolo[2,1-b][1,3]benzothiazolyl、カルバゾリル基、及びジベンゾフラニル基等)は、無置換の環形成炭素数6〜10のアリール基で置換されていることも好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜10のアリール基で置換されていることも好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜10のヘテロアリール基で置換されていることも好ましい。
・A〜A
第三の化合物において、A〜Aは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基であることが好ましい。
〜Aにおける「置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基」は、それぞれ独立に、
フェニレン基、
ナフチレン基(好ましくは、1−ナフチレン基又は2−ナフチレン基)、
ビフェニレン基、
ターフェニレン基、
ピレニレン基、
2−フルオレニレン基、
9−フルオレニレン基、
フェナントレニレン(phenanthrylene)基、又は
アントラニレン(anthrylene)基であることが好ましい。
〜Aにおける「置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基」は、それぞれ独立に、
1,2−フェニレン基、
1,3−フェニレン基、
1,4−フェニレン基、
1,1’−ビフェニル−4,4’ −ジイル基(−C−C−)、
3,3’−m−ターフェニレン基、
2−フルオレニレン基、
9−フルオレニレン基、又は
フェナントレニレン基であることがより好ましい。
これらのアリーレン基(例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,1’−ビフェニル−4,4’ −ジイル基(−C−C−)、3,3’−m−ターフェニレン基、2−フルオレニレン基、9−フルオレニレン基、及びフェナントレニレン基等)は、トリフェニルシリル基で置換されていることも好ましく、無置換の環形成炭素数6〜10のアリール基で置換されていることも好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜10のアリール基で置換されていることも好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基で置換されていることも好ましい。
〜Aにおける「置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基」は、それぞれ独立に、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含み、少なくともπ電子系の縮合6員環を有する5〜30個の原子で構成されるヘテロ環基であることが好ましい。
具体的には、A〜Aにおける「置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基」は、それぞれ独立に、
下記一般式(3A)で表される基(benzofuro[2,3-b]pyridylene)、
下記一般式(3B)で表される基(benzothiopheno[2,3-b]pyridylene)、
下記一般式(3C)で表される基(pyrido[2,3-b]indolylene)、
下記一般式(3D)で表される基(benzofuro[2,3-c]pyridylene)、
下記一般式(3E)で表される基(benzothiopheno[2,3-c]pyridylene)、
下記一般式(3F)で表される基(pyrido[2,3-c]indolylene)、
下記一般式(3G)で表される基、
下記一般式(3H)で表される基(furo[3,2-b:4,5-b’]dipyridylene,benzofuro[3,2-b]pyridylene)、
下記一般式(3I)で表される基(benzothiopheno[3,2-b]pyridylene)、
下記一般式(3J)で表される基(thieno[3,2-b:4,5-b’]dipyridylene)、
下記一般式(3K)で表される基(pyrrolo[3,2-b:4,5-b’]dipyridylene)、
チエニレン基、
ベンゾチオフェニレン基、
チアントレニレン基、
フリレン基、
フルフリレン基、
2H−ピラニレン基、
ベンゾフラニレン基、
イソベンゾフラニレン基、
下記一般式(3L)で表される基(dibenzofuranylene)、
下記一般式(3M)で表される基(dibenzothiophenylene)、
フェノキシチエニレン(phenoxythienylene)基、
ピロリレン基、
イミダゾリレン基、
ピラゾリレン基、
ピリジレン(pyridylene)基、
ビピリジレン(bipyridylene)基、
トリアジニレン基、
ピリミジニレン基、
ピラジニレン基、
ピリダジニレン基、
インドリジニレン基、
イソインドリレン基、
インドリレン基、
インダゾリレン基、
プリニレン基、
キノリジニレン(quinolizinylene)基、
キノリレン(quinolylene)基、
イソキノリレン基、
フタラジニレン(phthalazinylene)基、
ナフチリジニレン基、
キノキサリニレン基、
キナゾリニレン基、
キノリニレン(quinolinylene)基、
プテリジニレン基、
カルボリニレン基、
ベンゾトリアゾリレン基、
ベンゾキサゾリレン基、
フェナントリジニレン基、
アクリジニレン基、
ピリミジニレン基、
フェナントロリニレン基、
フェナジニレン基、
イソチアゾリレン基、
下記一般式(3N)で表される基(phenothiazinylene)、
イソキサゾリレン基、
フラザニレン(furazanylene)基、
下記一般式(3O)で表される基(carbazolylene)、
下記一般式(3P)で表される基(carbazolylene)、
下記一般式(3Q)で表される基(benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-2,5-ylene)、
下記一般式(3R)で表される基(benzimidazo-1,2-ylene)、
下記一般式(3S)で表される基(9,9-dialkylacridinylen)、又は
下記一般式(3T)で表される基(phenoxazinylene)であることが好ましい。
〜Aにおける「置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基」は、それぞれ独立に、
チエニレン基、
ベンゾチオフェニレン基、
チアントレニレン基、
フリレン基、
フルフリレン基、
2H−ピラニレン基、
ベンゾフラニレン基、
イソベンゾフラニレン基、
下記一般式(3L)で表される基(dibenzofuranylene)、
下記一般式(3M)で表される基(dibenzothiophenylene)、
フェノキシチエニレン基、
ピロリレン基、
イミダゾリレン基、
ピリジニレン基、
インドリジニレン基、
イソインドリレン基、
インドリレン基、
インダゾリレン基、
カルバゾリレン基、
phenothiazin-10-ylene、
下記一般式(3Q)で表される基(benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-2,5-ylene)、
phenoxazin-10-ylene、又は
9,9-dialkylacridin-10-yleneであることがより好ましい。
前記一般式(3S)において、R29及びR30は、置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基である。R29及びR30における「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、それぞれ独立に、前記置換基Gと同義である。
前記一般式(3C)、(3F)、(3K)、(3N)、(3O)、(3S)、及び(3T)において、R61は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基である。
61における「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、それぞれ独立に、前記置換基Gと同義である。
前記R61における環形成炭素数6〜24のアリーレン基としては、例えば、
1,3−フェニレン基、
1,1’−ビフェニル−4,4’ −ジイル基(−C−C−)、
3,3’−m−ターフェニレン基、
2−フルオレニレン基、
9−フルオレニレン基、及び
フェナントリレン基等が挙げられる。
これらのアリーレン基(例えば、1,3−フェニレン基、1,1’−ビフェニル−4,4’ −ジイル基(−C−C−)、3,3’−m−ターフェニレン基、2−フルオレニレン基、9−フルオレニレン基、及びフェナントリレン基等)は、無置換の環形成炭素数6〜10のアリール基で置換されていることも好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜10のアリール基で置換されていることも好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基で置換されていることも好ましい。
〜Aにおいて、「置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基」及び「置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基」における置換基(すなわち置換基G)は、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、及び−CF等)、
−CN、
トリフェニルシリル基、
無置換の環形成炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基、1−ナフチル基、及び2−ナフチル基等)、
フッ素原子で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基、
無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基(例えば、benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl、benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-2-yl、カルバゾリル基、及びジベンゾフラニル基等)、
フッ素原子で置換された環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基、又は
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基であることが好ましい。
一般式(3)において、A〜Aとしては、それぞれ独立に、下記一般式(A11)〜(A23)、又は(A25)〜(A26)で表される基がより好ましい。
前記一般式(A11)において、R200は、水素原子、Si(Ph)、又は下記一般式(A24)で表される基である。Phは、フェニル基を表す。
前記一般式(A16)において、R201は、水素原子、又はシアノ基である。
前記一般式(A19)において、R202は、フェニル基である。
・R16及びR17
第三の化合物において、−SiR121314で表される基は、例えば、
トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基、
tert−ブチルジメチルシリル基、
プロピルジメチルシリル基、
トリイソプロピルシリル基、
トリフェニルシリル基、
フェニルジメチルシリル基、
tert−ブチルジフェニルシリル基、
トリトリルシリル基、
トリキシリシリル基、及び
トリナフチルシリル基等が挙げられる。
第三の化合物において、−NR1011で表される基としては、例えば、ジフェニルアミノ基、及びフェニルナフチルアミノ基等が挙げられる。
第三の化合物において、−C(=O)R15としては、例えば、1−フェニルカルボニル基、及びナフチルカルボニル基が挙げられる。
16及びR17における「無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基」としては、それぞれ独立に、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ナフチル基(好ましくは1−ナフチル基又は2−ナフチル基)、ビフェニル基、ターフェニル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、フェナントリル基、アントリル基、及びトリフェニレニル(triphenylenyl)基(好ましくはトリフェニレン−2−イル)が挙げられる。
16及びR17における「置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基」としては、それぞれ独立に、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含み、少なくともπ電子系の縮合6員環を有する5〜30個の原子で構成されるヘテロ環基が好ましい。
具体的には、R16及びR17における「置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基」としては、それぞれ独立に、9H−pyrido[2,3-b]indolyl、benzofuro[2,3-b]pyridyl、benzothiopheno[2,3-b]pyridyl、9H−pyrido[2,3-c]indolyl、benzofuro[2,3-c]pyridyl、benzothiopheno[2,3-c]pyridyl、furo[3,2-b:4,5-b’]dipyridyl、pyrrolo[3,2-b:4,5-b’]dipyridyl、thieno[3,2-b:4,5-b’]dipyridyl、チエニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾチオフェニル基、チアントレニル基、フリル基、フルフリル基、2H−ピラニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、フェノキシチエニル(phenoxythienyl)基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ビピリジル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル(phthalazinyl)基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル(quinazolinyl)基、キノリニル基、プテリジニル基、カルボリニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾキサゾリル基、フェナントリジニル(phenanthridinyl)基、アクリジニル基、ピリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、ベンゾイミダゾリル基、benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl、benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-2-yl、benzimidazo[1,2-b][1,3]benzothiazolyl、カルバゾリル基、9−フェニルカルバゾリル、azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazolyl、フェノキサジニル基、又は下記一般式(G1)で表される基が好ましい。
前記一般式(G1)において、R81〜R92は、それぞれ独立に、前記一般式(3)におけるR80と同義である。
16における「置換の環形成炭素数6〜24のアリール基」における置換基(すなわち置換基G)としては、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、−CF等)、
無置換の環形成炭素数6〜14のアリール基、
フッ素原子で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基で置換された環形成炭素数6〜14のアリール基が好ましい。
17における「置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基」における置換基(すなわち置換基G)は、
無置換の環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基、
フッ素原子で置換された環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基、又は
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基であることが好ましい。
16及びR17における「置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基」は、それぞれ独立に、
ピリジル基、
トリアジニル基、
ピリミジニル基、
9H−pyrido[2,3-b]indolyl、
benzofuro[2,3-b]pyridyl、
benzothiopheno[2,3-b]pyridyl、
9H−pyrido[2,3-c]indolyl、
benzofuro[2,3-c]pyridyl、
benzothiopheno[2,3-c]pyridyl、
furo[3,2-b:4,5-b’]dipyridyl、
pyrrolo[3,2-b:4,5-b’]dipyridyl、
thieno[3,2-b:4,5-b’]dipyridyl、
下記一般式(C1)で表される基(benzimidazol-2-yl)、
下記一般式(C2)で表される基(benzimidazol-1-yl)、
下記一般式(C3)で表される基(benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl)、
下記一般式(C4)で表される基(benzimidazo[1,2-a]benzimidazo-2-yl)、
下記一般式(C5−1)で表される基(benzimidazo[2,1-b][1,3]benzothiazolyl)、
下記一般式(C5−2)で表される基(benzimidazo[2,1-b][1,3]benzothiazolyl)、
カルバゾリル基、
ジベンゾフラニル基、
ジベンゾチオフェニル基、
下記一般式(C6)で表される基(4−azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazo-6-yl)、
下記一般式(C7)で表される基(3−azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazo-6-yl)、下記一般式(C8)で表される基(2−azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazo-6-yl)、
下記一般式(C9)で表される基(1−azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazo-6-yl)、
下記一般式(C10)で表される基(4−azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl)、
下記一般式(C11)で表される基(3−azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl)、
下記一般式(C12)で表される基(2−azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl)、
下記一般式(C13)で表される基(1−azabenzimidazo[1,2-a]benzimidazo-5-yl)、又は
下記一般式(C14)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(C1)、(C2)、及び(C4)において、R62は、それぞれ独立に、
無置換の環形成炭素数6〜10のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜10のアリール基、又は
環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基である。
一般式(C14)で表される基は、置換もしくは無置換であり、置換基を有する場合、その置換基は、
無置換の環形成炭素数6〜10のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜10のアリール基、又は
環形成炭素数2〜14のヘテロアリール基である。
前記第三の化合物において、R16としては、−CN、又は下記一般式(B11)〜(B27)で表されるいずれかの基であることがより好ましい。
前記一般式(B20)において、X200は、窒素原子又はCHである。ただし、R16が−CN、又は前記一般式(B12)、(B13)、(B21)、(B23)、及び(B25)のいずれかである場合、−(A)о−(A)p−(A)q−(A)r−R16におけるоはゼロではない。
第三の化合物において、R17としては、
−CN、
前記一般式(B11)〜(B27)で表されるいずれかの基であることが好ましい。ただし、R17が前記一般式(B20)で表される基である場合、前記一般式(B20)におけるX200は窒素原子又はCHである。
本実施形態において、第三の化合物は、下記一般式(31)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(31)において、
は、前記一般式(3)におけるXと同義であり、
81〜R92は、それぞれ独立に、前記一般式(3)におけるR80と同義である。
本実施形態において、第三の化合物は、下記一般式(32)で表される化合物であることがより好ましい。
前記一般式(32)において、
95は、前記一般式(3)におけるR95と同義であり、
81〜R92は、それぞれ独立に、前記一般式(3)におけるR80と同義である。
前記一般式(32)において、R95は、−(A)о−(A)p−(A)q−(A)r−R16で表される基であることが好ましく、前記R16は、−CN、及び前記一般式(B11)〜(B25)で表される基からなる群から選択される基であることが好ましい。
前記一般式(32)において、
90及びR91が水素原子であるか、
90及びR91がシアノ基であるか、
90及びR91の一方が水素原子であり、他方がシアノ基であるか、又は
90及びR91の一方が水素原子であり、他方が−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であることが好ましい。
前記一般式(32)において、A〜Aは、それぞれ独立に、前記一般式(A11)〜(A23)で表される基のいずれかの基であることが好ましい。
前記一般式(32)において、R17は、シアノ基、及び前記一般式(B11)〜(B25)からなる群から選択される基であることが好ましい。ただし、R17が前記一般式(B20)で表される基である場合、前記一般式(B20)におけるX200は窒素原子又はCHである。
本実施形態において、第三の化合物は、下記一般式(33)で表される化合物であることがより好ましい。
前記一般式(33)において、
95は、前記一般式(3)におけるR95と同義であり、
90及びR91が、水素原子であるか、
90及びR91が、シアノ基であるか、
90及びR91の一方が水素原子であり、他方がシアノ基であるか、又は
90及びR91の一方が水素原子であり、他方が−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であり、
ただし、s、t、u及びvは、それぞれ独立に、0又は1であり、
〜Aは、それぞれ独立に、前記一般式(A11)〜(A23)で表される基からなる群から選択される基であり、
17は、シアノ基、及び前記一般式(B11)〜(B25)で表される基からなる群から選択される基である。ただし、R17が前記一般式(B20)で表される基である場合、前記一般式(B20)におけるX200は窒素原子又はCHである。
第三の化合物において、R95が−(A)о−(A)p−(A)q−(A)r−R16で表される基であり、R16は、下記一般式(A1)〜(A2)からなる群から選択される基であることが好ましい。
前記一般式(A1)において、R21は、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR21は、それぞれ独立に、
無置換の炭素数1〜18のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基
無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基であり、
は、5であり、複数のR21は、互いに同一であるか又は異なる。
前記一般式(A2)において、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR22及びR23は、それぞれ独立に、前記一般式(A1)におけるR21と同義であり、
及びnは、それぞれ、4であり、
複数のR22は互いに同一であるか又は異なり、複数のR23は互いに同一であるか又は異なる。
前記一般式(33)において、R95は、
下記一般式(33a)で表される基、又は
下記一般式(33b)で表される基であり、
90及びR91が、水素原子であるか、
90及びR91が、シアノ基であるか、
90及びR91の一方が水素原子であり、他方がシアノ基であるか、又は
90及びR91の一方が水素原子であり、他方が−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であり、
−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基は下記一般式(33b)で表される基であることがより好ましい。
前記一般式(33a)及び前記一般式(33b)において、R24〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
置換基としてのR24〜R27は、それぞれ独立に、
無置換の炭素数1〜18のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基
無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基であり、
は、5であり、n、n及びnは、それぞれ、4であり、
複数のR24は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のR25は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のR26は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のR27は、互いに同一であるか又は異なる。
本実施形態の有機EL素子において、発光層に含まれる第三の化合物は、下記一般式(34)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(34)において、R90及びR91は、それぞれ独立に、前記一般式(3)におけるR80と同義である。
本実施形態に係る第三の化合物において、「置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基」としては、後述の「第一の化合物及び第二の化合物の一般式中における各置換基についての説明(各置換基の説明とも称する)」中のアルキル基のうち、炭素数が1〜25のアルキル基が挙げられ、好ましい基も同様である。
「置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基」も同様に、後述の「各置換基の説明」中のアルキル基のうち、炭素数が1〜18のアルキル基が挙げられ、好ましい基も同様である。
本実施形態に係る第三の化合物において、「置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基」としては、後述の「各置換基の説明」中のアリール基のうち、環形成炭素数が6〜24のアリール基が挙げられ、好ましい基も同様である。
「置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基」も同様に、後述の「各置換基の説明」中のアリール基のうち、環形成炭素数が6〜18のアリール基が挙げられ、好ましい基も同様である。
本実施形態に係る第三の化合物において、「置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基」としては、上述の環形成炭素数6〜24のアリール基から、1つの原子を除いて得られる二価の基が挙げられ、好ましいアリーレン基も、好ましいアリーレン基から1つの原子を除いて得られる二価の基が挙げられる。
本実施形態に係る第三の化合物において、「置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基」としては、後述の「各置換基の説明」中のヘテロアリール基のうち、環形成炭素数が2〜30のヘテロアリール基が挙げられ、好ましい基も同様である。
本実施形態に係る第三の化合物において、「置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基」としては、上述の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基から、1つの原子を除いて得られる二価の基が挙げられ、好ましいヘテロアリーレン基も、好ましいヘテロアリーレン基から1つの原子を除いて得られる二価の基が挙げられる。
本実施形態に係る第三の化合物において、「置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基」としては、後述の「各置換基の説明」中のアルコキシ基のうち、炭素数が1〜18のアルコキシ基が挙げられ、好ましい基も同様である。
本実施形態に係る第三の化合物(一般式(3)で表される化合物)の具体例を以下に示す。本発明における第三の化合物は、これらの具体例に限定されない。
・第三の化合物の製造方法
第三の化合物は、例えば、欧州特許出願公開第3070144号明細書に記載された方法により製造できる。また、例えば、後述する実施例で説明する反応に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることで、第三の化合物を製造できる。
・第一の化合物
本実施形態に係る第一の化合物は、蛍光発光性の化合物である。
第一の化合物の発光色は、限定されない。
第一の化合物は、主ピーク波長が550nm以下の蛍光発光を示すことが好ましく、主ピーク波長が480nm以下の蛍光発光を示すことがより好ましい。従来、有機EL素子は、青色の波長領域における発光効率を向上させるという課題を有していたところ、本実施形態の一態様によれば、青色の波長領域における発光効率を向上させることのできる有機EL素子を提供できると考えられる。
主ピーク波長とは、第一の化合物が10−6モル/リットル以上10−5モル/リットル以下の濃度で溶解しているトルエン溶液について、測定した発光スペクトラムにおける蛍光発光強度が最大となる蛍光スペクトルのピーク波長をいう。
第一の化合物は、青色の蛍光発光を示すことが好ましい。また、第一の化合物は、蛍光量子収率の高い材料であることが好ましい。
本実施形態に係る第一の化合物としては、蛍光発光性材料を用いることができる。蛍光発光性材料としては、具体的には、例えば、ビスアリールアミノナフタレン誘導体、アリール置換ナフタレン誘導体、ビスアリールアミノアントラセン誘導体、アリール置換アントラセン誘導体、ビスアリールアミノピレン誘導体、アリール置換ピレン誘導体、ビスアリールアミノクリセン誘導体、アリール置換クリセン誘導体、ビスアリールアミノフルオランテン誘導体、アリール置換フルオランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、アセナフトフルオランテン誘導体、ピロメテンホウ素錯体化合物、ピロメテン骨格を有する化合物、ピロメテン骨格を有する化合物の金属錯体、ジケトピロロピロール誘導体、ペリレン誘導体、およびナフタセン誘導体などが挙げられる。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(1)において、
101〜R116は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又はR101及びR102の組、R102及びR103の組、R103及びR104の組、R104及びR105の組、R105及びR106の組、R106及びR107の組、R107及びR108の組、R108及びR109の組、R109及びR110の組、R110及びR111の組、R111及びR112の組、R112及びR113の組、R113及びR114の組、R114及びR115の組、R115及びR116の組、並びにR116及びR101の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
置換基としてのR101〜R116は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、
置換もしくは無置換のアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、
置換もしくは無置換のホスフィノ基、
置換もしくは無置換のホスホリル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールカルボニル基、
シアノ基、
ニトロ基、
カルボキシ基、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の炭素数2〜31のアシル基
からなる群から選択される。
第一の化合物の好ましい一つの態様としては、前記一般式(1)におけるR101〜R108、並びにR110〜R115のいずれか一つ以上が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜31のアシル基、及びハロゲン原子からなる群から選択される基である場合の態様が挙げられる。
第一の化合物の好ましい一つの態様としては、前記一般式(1)におけるR109及びR116が、それぞれ独立に、置換基である態様が挙げられる。この態様において、より好ましい第一の化合物の態様としては、前記一般式(1)におけるR109及びR116が、それぞれ独立に、置換基であり、R101〜R108、並びにR110〜R115が水素原子である場合の態様が挙げられる。
第一の化合物の好ましい一つの態様としては、前記一般式(1)におけるR101〜R108、並びにR110〜R115のいずれか一つ以上が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜31のアシル基、及びハロゲン原子からなる群から選択される基であり、かつ前記一般式(1)におけるR109及びR116が、それぞれ独立に、置換基である場合の態様が挙げられる。
置換基としてのR101〜R116は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択される基であることが好ましい。
前記一般式(1)におけるR109及びR116は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択される基であることがより好ましい。
前記一般式(1)におけるR109及びR116は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることが更に好ましく、置換もしくは無置換のフェニル基であることが特に好ましい。前記一般式(1)におけるR109及びR116がフェニル基である場合、これらフェニル基は、無置換であることも好ましい。
前記一般式(1)におけるR109及びR116が置換もしくは無置換のフェニル基であり、かつR101〜R108、R110、R111、R114、並びにR115が水素原子であることも好ましい。この場合、第一の化合物は、下記一般式(1A)で表される。
前記一般式(1A)において、R112、R113並びにR117〜R126は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、置換基としてのR112、R113並びにR117〜R126は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜31のアシル基、及びハロゲン原子からなる群から選択される基であり、R112及びR113の少なくともいずれかは、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜31のアシル基、及びハロゲン原子からなる群から選択される基である。
前記一般式(1A)において、R112及びR113の一方が、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択される基であり、他方が水素原子であることも好ましい。
前記一般式(1A)において、R112及びR113の少なくともいずれかが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることも好ましい。
前記一般式(1A)において、R112及びR113の一方が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であり、他方が水素原子であることも好ましい。
前記一般式(1A)において、R117〜R126は、水素原子であることも好ましい。
置換基としてのR117〜R126は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択される基であることが好ましい。
第一の化合物において、R111〜R114のうちの1つが、下記一般式(1a)で表される基であることがより好ましい。
前記一般式(1a)において、
131〜R134及びR136は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR131〜R134及びR136は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、
置換もしくは無置換のアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、
置換もしくは無置換のホスフィノ基、
置換もしくは無置換のホスホリル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールカルボニル基、
シアノ基、
ニトロ基、
カルボキシ基、及び
ハロゲン原子
からなる群から選択され、
135及びR137は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、及びシアノ基からなる群から選択される置換基であるか、又は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは無置換のホスファニル基、置換もしくは無置換のホスホリル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、及びハロゲン原子からなる群から選択され、R135及びR137は、互いに同一であるか又は異なる。
第一の化合物は、下記一般式(1B)で表される化合物、又は下記一般式(1C)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(1B)において、R101〜R112及びR114〜R116は、前記一般式(1)におけるR101〜R112及びR114〜R116のそれぞれと同義であり、R131〜R137は、前記一般式(1a)におけるR131〜R137のそれぞれと同義である。
前記一般式(1C)において、R101〜R111及びR113〜R116は、前記一般式(1)におけるR101〜R111及びR113〜R116のそれぞれと同義であり、R131〜R137は、前記一般式(1a)におけるR131〜R137のそれぞれと同義である。
一般式(1)において、置換基としてのR131〜R137は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される基であることが好ましい。
一般式(1)、(1A)〜(1C)、及び(1a)における各置換基(例えば、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基)の具体例としては、後述の「第一の化合物及び第二の化合物の一般式中における各置換基についての説明」で例示した置換基が挙げられる。
・第一の化合物の製造方法
第一の化合物は、公知の方法により製造することができる。例えば、目的物に合わせた既知の代替反応や原料を用いることで、第一の化合物を製造できる。
第一の化合物は、製造方法に由来して異性体の混合物として製造される場合もある。異性体の混合物を第一の化合物として用いることもできる。
本実施形態に係る第一の化合物の具体例を以下に示す。本発明における第一の化合物は、これらの具体例に限定されない。
・第二の化合物
本実施形態に係る第二の化合物は、遅延蛍光性の化合物である。
本実施形態に係る第二の化合物は、燐光発光性の金属錯体ではない。また、本実施形態に係る第二の化合物は、金属錯体ではないことが好ましい。
・遅延蛍光性
遅延蛍光については、「有機半導体のデバイス物性」(安達千波矢編、講談社発行)の261〜268ページで解説されている。その文献の中で、蛍光発光材料の励起一重項状態と励起三重項状態のエネルギー差ΔE13を小さくすることができれば、通常は遷移確率が低い励起三重項状態から励起一重項状態への逆エネルギー移動が高効率で生じ、熱活性化遅延蛍光(ThermallyActivated delayed Fluorescence, TADF)が発現すると説明されている。さらに、当該文献中の図10.38で、遅延蛍光の発生メカニズムが説明されている。本実施形態における第二の化合物は、このようなメカニズムで発生する熱活性化遅延蛍光を示す化合物である。
遅延蛍光の発光は過渡PL(Photo Luminescence)測定により確認できる。
過渡PL測定から得た減衰曲線に基づいて遅延蛍光の挙動を解析することもできる。過渡PL測定とは、試料にパルスレーザーを照射して励起させ、照射を止めた後のPL発光の減衰挙動(過渡特性)を測定する手法である。TADF材料におけるPL発光は、最初のPL励起で生成する一重項励起子からの発光成分と、三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光成分に分類される。最初のPL励起で生成する一重項励起子の寿命は、ナノ秒オーダーであり、非常に短い。そのため、当該一重項励起子からの発光は、パルスレーザーを照射後、速やかに減衰する。
一方、遅延蛍光は、寿命の長い三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光のため、ゆるやかに減衰する。このように最初のPL励起で生成する一重項励起子からの発光と、三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光とでは、時間的に大きな差がある。そのため、遅延蛍光由来の発光強度を求めることができる。
図5には、過渡PLを測定するための例示的装置の概略図が示されている。
本実施形態の過渡PL測定装置100は、所定波長の光を照射可能なパルスレーザー部101と、測定試料を収容する試料室102と、測定試料から放射された光を分光する分光器103と、2次元像を結像するためのストリークカメラ104と、2次元像を取り込んで解析するパーソナルコンピュータ105とを備える。なお、過渡PLの測定は、本実施形態で説明する装置に限定されない。
試料室102に収容される試料は、マトリックス材料に対し、ドーピング材料が12質量%の濃度でドープされた薄膜を石英基板に成膜することで得られる。
試料室102に収容された薄膜試料に対し、パルスレーザー部101からパルスレーザーを照射してドーピング材料を励起させる。励起光の照射方向に対して90度の方向へ発光を取り出し、取り出した光を分光器103で分光し、ストリークカメラ104内で2次元像を結像する。その結果、縦軸が時間に対応し、横軸が波長に対応し、輝点が発光強度に対応する2次元画像を得ることができる。この2次元画像を所定の時間軸で切り出すと、縦軸が発光強度であり、横軸が波長である発光スペクトルを得ることができる。また、当該2次元画像を波長軸で切り出すと、縦軸が発光強度の対数であり、横軸が時間である減衰曲線(過渡PL)を得ることができる。
例えば、マトリックス材料として、下記参考化合物H1を用い、ドーピング材料として下記参考化合物D1を用いて上述のようにして薄膜試料Aを作製し、過渡PL測定を行った。
ここでは、前述の薄膜試料A、および薄膜試料Bを用いて減衰曲線を解析した。薄膜試料Bは、マトリックス材料として下記参考化合物H2を用い、ドーピング材料として前記参考化合物D1を用いて、上述のようにして薄膜試料を作製した。
図6には、薄膜試料Aおよび薄膜試料Bについて測定した過渡PLから得た減衰曲線が示されている。
上記したように過渡PL測定によって、縦軸を発光強度とし、横軸を時間とする発光減衰曲線を得ることができる。この発光減衰曲線に基づいて、光励起により生成した一重項励起状態から発光する蛍光と、三重項励起状態を経由し、逆エネルギー移動により生成する一重項励起状態から発光する遅延蛍光との、蛍光強度比を見積もることができる。遅延蛍光性の材料では、素早く減衰する蛍光の強度に対し、緩やかに減衰する遅延蛍光の強度の割合が、ある程度大きい。
本実施形態における遅延蛍光の発光量は、前記図5の装置を用いて求めることができる。前記第二の化合物からの発光としては、Prompt発光(即時発光)と、Delay発光(遅延発光)とが存在する。Prompt発光(即時発光)とは、当該第二の化合物が吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察される発光である。Delay発光(遅延発光)とは、当該パルス光による励起後、即座には観察されず、その後観察される発光である。本実施形態においては、Prompt発光(即時発光)の量をXとし、Delay発光(遅延発光)の量をXとしたときに、X/Xの値が0.05以上であることが好ましい。
Prompt発光とDelay発光の量は、“Nature 492, 234−238, 2012”(参考文献1)に記載された方法と同様の方法により求めることができる。なお、Prompt発光とDelay発光の量の算出に使用される装置は、前記参考文献1に記載の装置に限定されない。
また、遅延蛍光性の測定には、次に示す方法により作製した試料が用いられる。例えば、第二の化合物と後述する化合物TH−2とを、第二の化合物の割合が12質量%となるように石英基板上に共蒸着し、膜厚100nmの薄膜を形成して試料を作製する。
本実施形態の有機EL素子において、発光層に含まれる第二の化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(2)において、
Aは下記一般式(a−1)〜(a−2)から選ばれる部分構造を有する基である。
Bは下記一般式(b−1)〜(b−4)から選ばれる部分構造を有する基である。
Lは、単結合または連結基であり、
連結基としてのLは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、および
これらの基が互いに2〜5個連結した基
からなる群から選択されるいずれかの基から誘導される基である。なお、互いに連結した基は、互いに同じであるかまたは異なる。
aは、1、2、3、4、又は5であり、Lに直接結合するAの置換数を表し、
aが2、3、4、又は5の場合、複数のAは、互いに同じであるかまたは異なる。
bは、1、2、3、4、又は5であり、Lに直接結合するBの置換数を表し、
bが2、3、4、又は5の場合、複数のBは、互いに同じであるかまたは異なる。
前記一般式(a−1)及び前記一般式(a−2)において、*は、それぞれ独立に、前記第二の化合物(一般式(2)で表される化合物)の分子中の他の原子との結合部位を表す。
前記一般式(b−1)〜(b−4)において、
11は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又は複数のR11同士の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
置換基としてのR11は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、および
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基
からなる群から選択される基であり、
複数のR11が存在する場合、複数のR11は互いに同じであるかまたは異なり、*は、それぞれ独立に、前記第二の化合物(一般式(2)で表される化合物)の分子中の他の原子との結合部位を表す。
前記一般式(2)において、Aは、アクセプター性(電子受容性)部位であり、Bは、ドナー性(電子供与性)部位である。
前記一般式(a−1)〜(a−2)からなる群から選ばれる部分構造を有する基について、例を次に示す。
例えば、前記一般式(a−1)の部分構造を有する基として、下記一般式(a−1−1)で表される基が挙げられる。
前記一般式(a−1−1)において、
Rzは、水素原子、置換基、または前記一般式(2)中のLもしくはBとの結合位置であり、
置換基としてのRzは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、および
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基
からなる群から選択される基である。
前記一般式(b−1)〜(b−4)からなる群から選ばれる部分構造を有する基について、例を次に示す。
例えば、前記一般式(b−2)の部分構造を有する基として、下記一般式(b−2−1)で表される基が挙げられる。
前記一般式(b−2−1)において、Xbは、単結合、酸素原子、硫黄原子、CRb1b2、または前記一般式(2)中のLもしくはAと結合する炭素原子である。
前記一般式(b−2−1)は、Xbが単結合のとき、下記一般式(b−2−2)で表される基であり、Xbが酸素原子のとき、下記一般式(b−2−3)で表される基であり、Xbが硫黄原子のとき、下記一般式(b−2−4)で表される基であり、XbがCRb1b2のとき、下記一般式(b−2−5)で表される基である。
b1およびRb2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、置換基としてのRb1および置換基としてのRb2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選択されるいずれかの基である。
b1およびRb2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基からなる群から選択されるいずれかの基であることがより好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、前記一般式(2)におけるLは、単結合であるか、あるいは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、単結合であるか、あるいは置換もしくは無置換のフェニル基であることがより好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、前記一般式(2)におけるBは、前記一般式(b−2)、(b−3)および(b−4)からなる群から選ばれる部分構造を有する基であることが好ましく、前記一般式(b−2)で表される部分構造を有する基であることがより好ましい。
前記一般式(2)におけるBは、下記一般式(100)で表されることも好ましい。
前記一般式(100)において、
101〜R108は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又はR101及びR102の組、R102及びR103の組、R103及びR104の組、R105及びR106の組、R106及びR107の組、並びにR107及びR108の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
置換基としてのR101〜R108は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換シリル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、および
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基
からなる群から選択される基である。
100は、下記一般式(111)〜(117)からなる群から選ばれる連結基であり、
sは、0、1、2、又は3であり、複数のL100は、互いに同一であるかまたは異なり、
100は、下記一般式(121)〜(125)からなる群から選ばれる連結基である。
前記一般式(113)〜(117)において、R109は、それぞれ独立に、前記一般式(100)におけるR101〜R108と同義である。
ただし、前記一般式(100)において、R101〜R108のうち一つまたはR109のうち一つは、前記一般式(1)中のLまたはAに対して結合する単結合である。
109と前記一般式(100)中のR104との組合せが飽和もしくは不飽和の環を形成するかまたは環を形成せず、またはR109と前記一般式(100)中のR105との組合せが飽和もしくは不飽和の環を形成するかまたは環を形成せず、
複数のR109は、互いに同一であるかまたは異なる。
前記一般式(123)〜(125)において、
110は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR110は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、および
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基
からなる群から選択される基であり、
複数のR110は、互いに同一であるかまたは異なる。
110と前記一般式(100)中のR101との組み合わせにおいて、R110及びR101が飽和もしくは不飽和の環を形成するかまたは環を形成しない。
110と前記一般式(100)中のR108との組み合わせにおいて、R110及びR108が飽和もしくは不飽和の環を形成するかまたは環を形成しない。
複数のR110は、互いに同一であるかまたは異なる。
前記一般式(100)におけるsは、0または1であることが好ましい。
前記一般式(100)におけるsが0である場合、前記一般式(2)におけるBは、下記一般式(100A)で表される。
前記一般式(100A)におけるX100、およびR101〜R108は、前記一般式(100)におけるX100、およびR101〜R108とそれぞれ同義である。
100は、前記一般式(111)〜(114)のいずれかで表されることが好ましく、前記一般式(113)または(114)で表されることがより好ましい。
100は、前記一般式(121)〜(124)のいずれかで表されることが好ましく、前記一般式(123)または(124)で表されることがより好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、発光層に含まれる第二の化合物は、下記一般式(20)で表される化合物であることがより好ましい。
前記一般式(20)において、
10は前記一般式(a−1)〜(a−2)から選ばれる部分構造を有する基であり、
Czは、下記一般式(2a)で表される基であり、
20は、単結合または連結基であり、
連結基としてのL20は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択された基が互いに2個、3個、4個、又は5個連結した基
から誘導される基であり、
a1は、1、2、3、4、又は5であり、a1は、L20に直接結合するA10の置換数を表し、
a1が2、3、4、又は5である場合、複数のA10は、互いに同じであるか又は異なり、
b1は、1、2、3、4、又は5であり、b1は、L20に直接結合するCzの置換数を表し、
b1が2、3、4、又は5である場合、複数のCzは、互いに同じであるか又は異なる。
前記一般式(2a)において、
21〜X28は、それぞれ独立に、窒素原子またはCRである。
は、水素原子または置換基であり、
置換基としてのRは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスホリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
カルボキシル基
からなる群から選択される基であり、
複数のRは、互いに同じであるか、又は異なり、
21〜X28のうち、複数がCRであって、かつRが置換基である場合、R同士が結合して環を形成するか、または環を形成せず、
*は、前記一般式(20)におけるL20又はA10で表される基中の炭素原子との結合部位を表す。
前記一般式(2a)におけるX21〜X28は、CRであることが好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、前記一般式(20)におけるL20は、単結合であるか、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、単結合であるか、又は置換もしくは無置換のフェニル基であることがより好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、第二の化合物は、下記一般式(21)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(21)において、
Czは、前記一般式(20)におけるCzと同義であり、
Azは、
置換もしくは無置換のピリジン環、
置換もしくは無置換のピリミジン環、
置換もしくは無置換のトリアジン環、および
置換もしくは無置換のピラジン環
からなる群から選択される環構造である。
本実施形態の有機EL素子において、第二の化合物は、下記一般式(2C)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(2C)において、
Czは、前記一般式(20)におけるCzと同義であり、
Azは、前記一般式(21)におけるAzと同義であり、
c3は、4であり、
2Cは、水素原子もしくは置換基であり、
置換基としてのR2Cは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスホリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
カルボキシ基
からなる群から選択されるいずれかの基であり、複数のR2Cは、同一であるかまたは異なる。
本実施形態の有機EL素子において、第二の化合物は、下記一般式(2D)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(2D)において、
d1は、5であり、d2は、それぞれ独立に、0または1である。
11は、それぞれ独立に、単結合または連結基であり、
連結基としてのL11は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、および
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
からなる群から選択されるいずれかの基から誘導される基である。
11は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのA11は、それぞれ独立に、
シアノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、および
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
ただし、A11のうちの少なくとも1つは、前記一般式(2a)で表される基である。
本実施形態の有機EL素子において、第二の化合物は、下記一般式(22)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(22)において、
21〜A25は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのA21〜A25は、それぞれ独立に、
シアノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、および
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基
からなる群から選択される基であり、
ただし、A21〜A25のうちの少なくとも1つは、前記一般式(2a)で表される基である。
本実施形態の有機EL素子において、前記一般式(22)におけるA21、A22、A24、及びA25のうち少なくとも1つが、前記一般式(2a)で表される基であることが好ましく、A21、A22、A24、及びA25がいずれも前記一般式(2a)で表される基であることがより好ましい。
一般式(20)におけるCzは、下記一般式(12a)、一般式(12b)または一般式(12c)で表されることも好ましい。
前記一般式(12a)、一般式(12b)および一般式(12c)において、Y21〜Y28、およびY51〜Y58は、それぞれ独立に、窒素原子またはCRy(Ryを有する炭素原子)であり、
ただし、前記一般式(12a)中、Y25〜Y28のうち、少なくとも一つは、Y51〜Y54のいずれかと結合する炭素原子であり、Y51〜Y54のうち、少なくとも一つは、Y25〜Y28のいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(12b)中、Y25〜Y28のうち、少なくとも一つは、Y51〜Y58を含有する含窒素縮合環の5員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、
前記一般式(12c)中、**aおよび**bは、それぞれ、Y21〜Y28のうちのいずれかとの結合部位を表し、Y25〜Y28のうち、少なくとも一つは、**aで表される結合部位であり、Y25〜Y28のうち、少なくとも一つは、**bで表される結合部位であり、
nは、1、2、3、又は4であり、
Ryは、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又は隣接するRy同士の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
置換基としてのRyは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスホリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
カルボキシ基
からなる群から選択されるいずれかの基であり、
複数のRyは、互いに同一であるかまたは異なり、
11は、酸素原子、硫黄原子、NR45、およびCR4647からなる群から選択されるいずれか一種であり、
45〜R47は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又はR46及びR47が互いに結合して環を形成し、
置換基としてのR45〜R47は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスホリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
カルボキシ基
からなる群から選択されるいずれかの基であり、
複数のR45は、互いに同一であるかまたは異なり、
複数のR46は、互いに同一であるかまたは異なり、
複数のR47は、互いに同一であるかまたは異なり、
*は、Azで表される環構造中の炭素原子との結合部位を表す。
11は、NR45であることが好ましい。
11がNR45である場合、R45は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
51〜Y58は、CRyであることが好ましく、ただし、この場合、Y51〜Y58のうち、少なくともいずれかが、前記一般式(2a)で表される環構造と結合する炭素原子である。
前記一般式(20)におけるCzは、前記一般式(12c)で表され、nは、1であることも好ましい。
前記一般式(20)におけるCzは、下記一般式(12c−1)で表されることも好ましい。下記一般式(12c−1)で表される基は、前記一般式(12c)中のY26が、**aで表される結合部位であり、Y27が、**bで表される結合部位である場合を例示した基である。
前記一般式(12c−1)において、
21〜Y25、Y28、およびY51〜Y54は、それぞれ独立に、窒素原子またはCRyであり、
Ryは、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又は隣接するRy同士の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
置換基としてのRyは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスホリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
カルボキシ基
からなる群から選択されるいずれかの基であり、
複数のRyは、互いに同一であるかまたは異なり、
11は、酸素原子、硫黄原子、NR45、およびCR4647からなる群から選択されるいずれか一種であり、
45〜R47は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又はR46及びR47が互いに結合して環を形成し、
置換基としてのR45〜R47は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスホリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
カルボキシ基
からなる群から選択されるいずれかの基であり、
複数のR45は、互いに同一であるかまたは異なり、
複数のR46は、互いに同一であるかまたは異なり、
複数のR47は、互いに同一であるかまたは異なり、
*は、Azで表される環構造中の炭素原子との結合部位を表す。
前記一般式(12c)におけるnが2である場合、Czは、例えば、下記一般式(12c−2)で表される。nが2である場合、添え字nが付された括弧内の構造が、2つ、前記一般式(2a)で表される環構造に縮合する。下記一般式(12c−2)で表されるCzは、前記一般式(12c)中のY22が、**bで表される結合部位であり、Y23が、**aで表される結合部位であり、Y26が、**aで表される結合部位であり、Y27が、**bで表される結合部位である場合の例示である。
前記一般式(12c−2)において、Y21、Y24、Y25、Y28、Y51〜Y54、Z11、および*は、前記一般式(12c−1)中のY21、Y24、Y25、Y28、Y51〜Y54、Z11、および*とそれぞれ同義である。複数のY51は、互いに同一であるかまたは異なり、複数のY52は、互いに同一であるかまたは異なり、複数のY53は、互いに同一であるかまたは異なり、複数のY54は、互いに同一であるかまたは異なる。複数のZ11は、互いに同一であるかまたは異なる。
前記一般式(21)及び(2C)において、Azは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のピリミジン環、および置換もしくは無置換のトリアジン環からなる群から選択される環構造であることが好ましい。
Azは、置換基を有するピリミジン環、および置換基を有するトリアジン環からなる群から選択される環構造であり、これらピリミジン環が有する置換基、およびトリアジン環が有する置換基は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択される基であることがより好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることがさらに好ましい。
Azとしてのピリミジン環およびトリアジン環が、置換もしくは無置換のアリール基を置換基として有する場合、当該アリール基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。
前記一般式(2)、(b−1)〜(b−4)、(a−1−1)、(b−2−5)、(100)、(113)〜(117)、(123)〜(125)、(100A)、(20)、(2a)、(21)、(2C)、(2D)、(22)、(12a)〜(12c)、(12c−1)、及び(12c−2)における各置換基(例えば、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基)の具体例としては、後述の「第一の化合物及び第二の化合物の一般式中における各置換基についての説明」で例示した置換基が挙げられる。
Azが、置換もしくは無置換のアリール基を置換基として有する場合、当該置換基は、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフェナントリル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、および置換もしくは無置換のフルオレニル基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、および置換もしくは無置換のナフチル基からなる群から選択されるいずれかの基であることがより好ましい。
Azが、置換もしくは無置換のヘテロアリール基を置換基として有する場合、当該置換基は、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、および置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
前記一般式(12a)〜(12c)において、Ryは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、置換基としてのRyは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
置換基としてのRyが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基である場合、置換基としてのRyは、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフェナントリル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、および置換もしくは無置換のフルオレニル基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、および置換もしくは無置換のナフチル基からなる群から選択されるいずれかの基であることがより好ましい。
置換基としてのRyが置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基である場合、置換基としてのRyは、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、および置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
前記一般式(12a)及び(12c)において、置換基としてのR45〜R47は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
・第二の化合物の製造方法
第二の化合物は、例えば、Chemical Communications,p.10385-10387(2013)およびNATURE Photonics,p.326-332(2014)に記載された方法により製造できる。また、例えば、国際
公開第2013/180241号、国際公開第2014/092083号、および国際公開第2014/104346号等に記載された方法により製造できる。また、例えば、後述する実施例で説明する反応に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応および原料を用いることで、第二の化合物を製造できる。
本実施形態に係る第二の化合物の具体例を以下に示す。本発明における第二の化合物は、これらの具体例に限定されない。
(発光層における第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物の関係性)
本実施形態では、第三の化合物は、発光層において、本実施形態に係る第二の化合物が分子会合することを抑制する分散材としての機能を有すると考えられる。
本実施形態に係る第二の化合物は、遅延蛍光性の化合物であるため、分子会合を起こし易い。分子会合体の励起エネルギー(一重項エネルギー、及び三重項エネルギー)は、単量体の励起エネルギーと比較して、小さい。そのため、薄膜中において第二の化合物の濃度が高くなると、分子会合によるエネルギー損失が予測される。
従って、特に励起エネルギーの大きい青色蛍光発光性材料を発光層に用いる場合、第三の化合物を使用することで、上述の分子会合によるエネルギー損失が抑制され、有機EL素子の効率が向上すると考えられる。また、赤色で発光する波長領域から黄色で発光する波長領域までの範囲の波長で発光する発光材料を発光層に用いる場合においても、第三の化合物を使用することで、キャリアバランスファクターが向上し、有機EL素子の効率が向上すると考えられる。
本実施形態に係る第三の化合物は、前述の通り、大きく撓んだ構造を有するため(図2参照)、分子間の相互作用を低減できると考えられる。
本実施形態の有機EL素子は、このような特性(分子間の相互作用が生じにくい特性)を有する第三の化合物を発光層に含有するので、第二の化合物の三重項エネルギーを発光層に有効に閉じ込めることができると考えられる。
本実施形態において、第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)、第二の化合物の一重項エネルギーS(M2)、及び第三の化合物の一重項エネルギーS(M3)は、下記数式(数1)の関係を満たす。
(M3)>S(M2)>S(M1) (数1)
本実施形態において、第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)、第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)、及び第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)は、下記数式(数4)の関係を満たすことが好ましい。
77K(M3)>T77K(M2)>T77K(M1) (数4)
本実施形態において、第二の化合物の一重項エネルギーS(M2)と、第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)との差ΔST(M2)は、好ましくは0.3eV未満、より好ましくは0.2eV未満、さらに好ましくは0.1eV未満、特に好ましくは0.03eV以下である。
本実施形態において、第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)、第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)、及び第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)は、下記数式(数3)の関係を満たすことが好ましい。
77K(M3)>T77K(M2)>T77K(M1) (数3)
このようなエネルギー関係を有することで、発光層において、第二の化合物(遅延蛍光性の化合物)の三重項エネルギーを発光層に有効に閉じ込めることができると考えられる。
本実施形態において、第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)と、第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)との差ΔST(M1)は、下記数式(数5)の関係を満たすことが好ましい。
ΔST(M1)=S(M1)−T77K(M1)>0.3[eV] …(数5)
本実施形態において、第三の化合物の一重項エネルギーS(M3)と、第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)との差ΔST(M3)は、下記数式(数6)の関係を満たすことが好ましい。
ΔST(M3)=S(M3)−T77K(M3)>0.3[eV] …(数6)
本実施形態において、第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)は、2.9eV以上であることが好ましい。第三の化合物が、このようなエネルギーギャップT77K(M3)を有することで、発光層において、第二の化合物(遅延蛍光性の化合物)の三重項エネルギーを発光層に有効に閉じ込めることができると考えられる。
・TADF機構(メカニズム)
本実施形態の有機EL素子では、第二の化合物としてΔST(M2)が小さい化合物を用いることが好ましく、外部から与えられる熱エネルギーによって、第二の化合物の三重項準位から第二の化合物の一重項準位への逆項間交差が起こり易くなる。有機EL素子内部の電気励起された励起子の励起三重項状態が、逆項間交差によって、励起一重項状態へスピン交換がされるエネルギー状態変換機構をTADF機構と呼ぶ。
図7は、発光層における第一の化合物、第二の化合物および第三の化合物のエネルギー準位の関係の一例を示すものである。図7において、S0は、基底状態を表し、S1(M1)は、第一の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M1)は、第一の化合物の最低励起三重項状態を表し、S1(M2)は、第二の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M2)は、第二の化合物の最低励起三重項状態を表し、S1(M3)は、第三の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M3)は、第三の化合物の最低励起三重項状態を表す。図7中のS1(M2)からS1(M1)へ向かう破線の矢印は、第二の化合物の最低励起一重項状態から第一の化合物の最低励起一重項状態へのフェルスター型エネルギー移動を表す。
図7に示すように、第二の化合物としてΔST(M2)の小さな材料用いると、最低励起三重項状態T1(M2)は、熱エネルギーにより、最低励起一重項状態S1(M2)に逆項間交差が可能である。そして、第二の化合物の最低励起一重項状態S1(M2)から第一の化合物の最低励起一重項状態S1(M1)へのフェルスター型エネルギー移動が生じる。この結果、第一の化合物の最低励起一重項状態S1(M1)からの蛍光発光を観測することができる。このTADF機構による遅延蛍光を利用することによっても、理論的に内部効率を100%まで高めることができると考えられている。
・三重項エネルギーと77[K]におけるエネルギーギャップとの関係
ここで、三重項エネルギーと77[K]におけるエネルギーギャップとの関係について説明する。本実施形態では、77[K]におけるエネルギーギャップは、通常定義される三重項エネルギーとは異なる点がある。
三重項エネルギーの測定は、次のようにして行われる。まず、測定対象となる化合物を適切な溶媒中に溶解した溶液を石英ガラス管内に封入した試料を作製する。この試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値に基づいて、所定の換算式から三重項エネルギーを算出する。
ここで、本実施形態に係る化合物の内、熱活性化遅延蛍光性の化合物は、ΔSTが小さい化合物であることが好ましい。ΔSTが小さいと、低温(77[K])状態でも、項間交差、及び逆項間交差が起こりやすく、励起一重項状態と励起三重項状態とが混在する。その結果、上記と同様にして測定されるスペクトルは、励起一重項状態、及び励起三重項状態の両者からの発光を含んでおり、いずれの状態から発光したのかについて峻別することは困難であるが、基本的には三重項エネルギーの値が支配的と考えられる。
そのため、本実施形態では、通常の三重項エネルギーTと測定手法は同じであるが、その厳密な意味において異なることを区別するため、次のようにして測定される値をエネルギーギャップT77Kと称する。測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、濃度が10μmol/Lとなるように溶解し、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とする。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を77[K]におけるエネルギーギャップT77Kとする。
換算式(F1):T77K[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF−4500形分光蛍光光度計本体を用いることができる。なお、測定装置はこの限りではなく、冷却装置、及び低温用容器と、励起光源と、受光装置とを組み合わせることにより、測定してもよい。
・一重項エネルギーS
溶液を用いた一重項エネルギーSの測定方法(溶液法と称する場合がある。)としては、下記の方法が挙げられる。
測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出する。
換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
本実施形態では、一重項エネルギーSと、77[K]におけるエネルギーギャップT77Kとの差をΔSTとして定義する。
・発光層の膜厚
本実施形態の有機EL素子における発光層の膜厚は、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは7nm以上50nm以下、最も好ましくは10nm以上50nm以下である。5nm以上であると、発光層形成及び色度の調整が容易になりやすく、50nm以下であると、駆動電圧の上昇が抑制されやすい。
・発光層における材料の含有率
本実施形態の有機EL素子では、発光層において、第一の化合物の含有率は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、第二の化合物の含有率は、1質量%以上75質量%以下であることが好ましく、第三の化合物の含有率は、1質量%以上75質量%以下であることが好ましい。発光層における第一の化合物、第二の化合物および第三の化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。なお、本実施形態は、発光層に、第一の化合物、第二の化合物および第三の化合物以外の材料が含まれることを除外するものではない
発光層は、第一の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。発光層は、第二の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。発光層は、第三の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
(基板)
基板は、有機EL素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエチレンナフタレートからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる
(陽極)
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
陽極上に形成されるEL層のうち、陽極に接して形成される正孔注入層は、陽極の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成されるため、電極材料として可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を用いることができる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
(陰極)
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
なお、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
(正孔注入層)
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い物質としては、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等やジピラジノ[2,3−f:20,30−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)も挙げられる。
また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。具体的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/(V・s)以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層には、CBP、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(CzPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(PCzPA)のようなカルバゾール誘導体や、t−BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
正孔輸送層を二層以上配置する場合、エネルギーギャップのより大きい材料を発光層に近い側に配置することが好ましい。このような材料として、後記する実施例で用いた、HT−2が挙げられる。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(ptert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。本実施態様においては、ベンゾイミダゾール化合物を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/(V・s)以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いてもよい。また、電子輸送層は、単層で構成されていてもよいし、上記物質からなる層が二層以上積層されて構成されていてもよい。
また、電子輸送層には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。
(電子注入層)
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極からの電子注入をより効率良く行うことができる。
あるいは、電子注入層に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(層形成方法)
本実施形態の有機EL素子の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる
(膜厚)
本実施形態の有機EL素子の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した以外には制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
[電子機器]
本実施形態の電子機器は、本実施形態の有機EL素子を搭載している。電子機器としては、例えば、表示装置及び発光装置等が挙げられる。表示装置としては、例えば、表示部品(例えば、有機ELパネルモジュール等)、テレビ、携帯電話、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明及び車両用灯具等が挙げられる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前に記載される数値を下限値とし、「〜」の後に記載される数値を上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、Rx及びRyが互いに結合して環を形成するとは、Rx及びRyが炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子を含み、Rxに含まれる原子(炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子)と、Ryに含まれる原子(炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子)とが、単結合、二重結合、三重結合、又は二価の連結基を介して結合し、環形成炭素数が5以上の環(具体的には、複素環又は芳香族炭化水素環)を形成することを意味する。xは、数字、文字、又は、数字と文字との組み合わせである。yは、数字、文字、又は、数字と文字との組み合わせである。
二価の連結基としては特に制限されないが、例えば、−O−、−CO−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NRa−、及びこれらの連結基を2以上組み合わせた基等が挙げられる。
複素環の具体例としては、後述の「第一の化合物及び第二の化合物の一般式中における各置換基についての説明」で例示した「環形成原子数5〜30のヘテロアリール基」から結合手を除いた環構造(複素環)が挙げられる。これらの複素環は置換基を有していてもよい。
芳香族炭化水素環の具体例としては、後述の「第一の化合物及び第二の化合物の一般式中における各置換基についての説明」で例示した「環形成炭素数6〜30のアリール基」から結合手を除いた環構造(芳香族炭化水素環)が挙げられる。これらの芳香族炭化水素環は置換基を有していてもよい。
例えば、Rx及びRyが互いに結合して環を形成するとは、下記一般式(E1)で表される分子構造において、Rxに含まれる原子と、Ry1に含まれる原子とが、一般式(E2)で表される環(環構造)Eを形成すること;一般式(F1)で表される分子構造において、Rxに含まれる原子と、Ry1に含まれる原子とが、一般式(F2)で表される環Fを形成すること;一般式(G1)で表される分子構造において、Rxに含まれる原子と、Ry1に含まれる原子とが、一般式(G2)で表される環Gを形成すること;一般式(H1)で表される分子構造において、Rxに含まれる原子と、Ry1に含まれる原子とが、一般式(H2)で表される環Hを形成すること;一般式(I1)で表される分子構造において、Rxに含まれる原子と、Ry1に含まれる原子とが、一般式(I2)で表される環Iを形成すること;を意味する。
一般式(E1)〜(I1)中、*は、それぞれ独立に、一分子中の他の原子との結合位置を表す。一般式(E1)中の2つの*は一般式(E2)中の2つの*にそれぞれ対応し、一般式(F1)中の2つの*は一般式(F2)中の2つの*にそれぞれ対応し、一般式(G1)中の2つの*は一般式(G2)中の2つの*にそれぞれ対応し、一般式(H1)中の2つの*は一般式(H2)中の2つの*にそれぞれ対応し、一般式(I1)中の2つの*は一般式(I2)中の2つの*にそれぞれ対応する。
一般式(E2)〜(I2)で表される分子構造において、E〜Iはそれぞれ環構造(前記環形成原子数が5以上の環)を表す。一般式(E2)〜(I2)中、*は、それぞれ独立に、一分子中の他の原子との結合位置を表す。一般式(E2)中の2つの*は一般式(E1)中の2つの*にそれぞれ対応する。一般式(F2)〜(I2)中の2つの*についても同様に、一般式(F1)〜(I1)中の2つの*にそれぞれ対応する。
例えば、一般式(E1)において、Rx及びRyが互いに結合して一般式(E2)中の環Eを形成し、環Eが無置換のベンゼン環である場合、一般式(E1)で表される分子構造は、下記一般式(E3)で表される分子構造になる。ここで、一般式(E3)中の2つの*は、それぞれ独立に、一般式(E2)および一般式(E1)中の2つの*に対応する。
例えば、一般式(E1)において、Rx及びRyが互いに結合して一般式(E2)中の環Eを形成し、環Eが無置換のピロール環である場合、一般式(E1)で表される分子構造は、下記一般式(E4)で表される分子構造になる。ここで、一般式(E4)中の2つの*は、それぞれ独立に、一般式(E2)および一般式(E1)中の2つの*に対応する。一般式(E3)及び(E4)中、*は、それぞれ独立に、一分子中の他の原子との結合位置を表す。
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記載される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数が5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記載される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環は、環形成原子数が6であり、キナゾリン環は、環形成原子数が10であり、フラン環は、環形成原子数が5である。ピリジン環やキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
・第一の化合物及び第二の化合物の一般式中における各置換基についての説明(各置換基の説明)
本明細書における環形成炭素数6〜30のアリール基(芳香族炭化水素基と称する場合がある。)としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[a]アントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基、ピセニル基、及びペリレニル基等が挙げられる。
本明細書におけるアリール基としては、環形成炭素数が、6〜20であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。上記アリール基の中でもフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基がさらにより好ましい。1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基及び4−フルオレニル基については、9位の炭素原子に、後述する本明細書における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基や、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基が置換されていることが好ましい。
本明細書における環形成原子数5〜30のヘテロアリール基(複素環基、ヘテロ芳香族環基、または芳香族複素環基と称する場合がある。)は、ヘテロ原子として、窒素、硫黄、酸素、ケイ素、セレン原子、及びゲルマニウム原子からなる群から選択される少なくともいずれかの原子を含むことが好ましく、窒素、硫黄、及び酸素からなる群から選択される少なくともいずれかの原子を含むことがより好ましい。
本明細書における環形成原子数5〜30の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、イミダゾピリジニル基、ベンズトリアゾリル基、カルバゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、モルホリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、及びフェノキサジニル基等が挙げられる。
本明細書における複素環基の環形成原子数は、5〜20であることが好ましく、5〜14であることがより好ましい。上記複素環基の中でも1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチエニル基、2−ジベンゾチエニル基、3−ジベンゾチエニル基、4−ジベンゾチエニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、及び9−カルバゾリル基がさらにより好ましい。1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基及び4−カルバゾリル基については、9位の窒素原子に、本明細書における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基や、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基が置換していることが好ましい。
また、本明細書において、複素環基は、例えば、下記一般式(XY−1)〜(XY−18)で表される部分構造から誘導される基であってもよい。
前記一般式(XY−1)〜(XY−18)において、X及びYは、それぞれ独立に、ヘテロ原子であり、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、ケイ素原子、またはゲルマニウム原子であることが好ましい。前記一般式(XY−1)〜(XY−18)で表される部分構造は、任意の位置で結合手を有して複素環基となり、この複素環基は、置換基を有していてもよい。
また、本明細書において、置換もしくは無置換のカルバゾリル基としては、例えば、下記一般式(XY−19)〜(XY−22)で表されるような、カルバゾール環に対してさらに環が縮合した基も含み得る。このような基も置換基を有していてもよい。また、結合手の位置も適宜変更され得る。
本明細書における炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖または環状のいずれであってもよい。また、ハロゲン化アルキル基であってもよい。
直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、アミル基、イソアミル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、及び3−メチルペンチル基等が挙げられる。
本明細書における直鎖または分岐鎖のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。上記直鎖または分岐鎖のアルキル基の中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、アミル基、イソアミル基、及びネオペンチル基がさらにより好ましい。
本明細書における環状のアルキル基としては、例えば、環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
本明細書における環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、及びノルボルニル基等が挙げられる。シクロアルキル基の環形成炭素数は、3〜10であることが好ましく、5〜8であることがさらに好ましい。上記シクロアルキル基の中でも、シクロペンチル基やシクロヘキシル基がさらにより好ましい。
本明細書におけるアルキル基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基が1以上のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換された基が挙げられる。
本明細書における炭素数1〜30のハロゲン化アルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、トリフルオロメチルメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
本明細書における置換シリル基としては、例えば、炭素数3〜30のアルキルシリル基、及び環形成炭素数6〜30のアリールシリル基が挙げられる。
本明細書における炭素数3〜30のアルキルシリル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−オクチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−プロピルシリル基、ジメチル−n−ブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、及びトリイソプロピルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基における3つのアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
本明細書における環形成炭素数6〜30のアリールシリル基としては、例えば、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基が挙げられる。
ジアルキルアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を2つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を1つ有するジアルキルアリールシリル基が挙げられる。ジアルキルアリールシリル基の炭素数は、8〜30であることが好ましい。
アルキルジアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を1つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を2つ有するアルキルジアリールシリル基が挙げられる。アルキルジアリールシリル基の炭素数は、13〜30であることが好ましい。
トリアリールシリル基は、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を3つ有するトリアリールシリル基が挙げられる。トリアリールシリル基の炭素数は、18〜30であることが好ましい。
本明細書において、アルキルスルホニル基は、−SOで表される。−SOにおけるRは、置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
本明細書における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルスルホニル基としては、上記−SOにおけるRが、置換もしくは無置換の上記炭素数1〜30のアルキル基である基が挙げられる。
本明細書において、アラルキル基(アリールアルキル基と称する場合がある)におけるアリール基は、芳香族炭化水素基、または複素環基である。
本明細書における炭素数7〜30のアラルキル基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基を有する基であることが好ましく、−Z−Zと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基に対応するアルキレン基等が挙げられる。このZの例として、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基の例が挙げられる。このアラルキル基は、アリール部分が炭素数6〜30(好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)、アルキル部分が炭素数1〜30(好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6)であることが好ましい。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、及び2−β−ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書における炭素数1〜30のアルコキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、及びヘキシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。
アルコキシ基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルコキシ基が1以上のフッ素原子で置換された基が挙げられる。
本明細書において、アリールオキシ基(アリールアルコキシ基と称する場合がある)におけるアリール基は、ヘテロアリール基も含む。
本明細書における環形成炭素数6〜30のアリールアルコキシ基は、−OZと表される。このZの例として、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基等が挙げられる。アリールアルコキシ基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましい。このアリールアルコキシ基としては、例えば、フェノキシ基が挙げられる。
本明細書における置換アミノ基は、−NHR、または−N(Rと表される。このRの例として、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基、及び上記環形成炭素数6〜30のアリール基等が挙げられる。
本明細書における炭素数2〜30のアルケニル基としては、直鎖または分岐鎖のいずれかであり、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、及び2−フェニル−2−プロペニル基等が挙げられる。
本明細書における炭素数2〜30のアルキニル基としては、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよく、例えば、エチニル、プロピニル、および2−フェニルエチニル等が挙げられる。
本明細書における炭素数1〜30のアルキルチオ基及び環形成炭素数6〜30のアリールチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基及び上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。アリールチオ基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましい。
本明細書におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
本明細書における置換ホスフィノ基としては、例えば、フェニルホスファニル基等が挙げられる。
本明細書における環形成炭素数6〜30のアリールカルボニル基は、−COY’と表される。このY’の例として、上述の「環形成炭素数6〜30のアリール基」が挙げられる。本明細書における環形成炭素数6〜30のアリールカルボニル基としては、例えば、フェニルカルボニル基、ジフェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、及びトリフェニルカルボニル基等が挙げられる。
本明細書における炭素数2〜31のアシル基は、−COR’と表される。このR’の例としては、上述の炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。本明細書における炭素数2〜31のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
本明細書における置換ホスホリル基は、下記一般式(P)で表される。
前記一般式(P)において、ArP1及びArP2としては、炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基、及び環形成炭素数6〜30(好ましくは環形成炭素数6〜20、より好ましくは6〜14)のアリール基からなる群から選択されるいずれかの置換基等が挙げられる。炭素数1〜30のアルキル基の例としては、上述の炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。環形成炭素数6〜30のアリール基の例としては、上述の環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
本明細書において、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、または芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とはヘテロ環(飽和環、不飽和環、及び芳香環を含む)を構成する炭素原子及びヘテロ原子を意味する。
また、本明細書において、水素原子とは、中性子数の異なる同位体、すなわち、軽水素(Protium)、重水素(Deuterium)、三重水素(Tritium)を包含する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分岐鎖のアルキル基、環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数1〜30のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換アミノ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、ハロゲン原子、炭素数2〜30のアルキニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも一種の基が挙げられる。
「置換もしくは無置換の」という場合における置換基の具体例及び好ましい基としては、「各置換基の説明」中の置換基の具体例及び好ましい基と同様の基が挙げられる。
本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも一種の基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも一種の基がより好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、環形成炭素数6〜30のアリール基、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分岐鎖のアルキル基、環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数1〜30のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換アミノ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも一種の基によってさらに置換されてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成してもよい。
本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基に、さらに置換する置換基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも一種の基であることが好ましく、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基から選択される少なくとも一種の基であることがさらに好ましい。
本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基に、さらに置換する置換基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、炭素数1〜30の直鎖アルキル基、炭素数3〜30の分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも一種の基であることが好ましく、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基から選択される少なくとも一種の基であることがさらに好ましい。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
なお、本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。
本明細書において説明する化合物、またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、前記と同様である。
本明細書において、置換基同士が互いに結合して環が構築される場合、当該環の構造は、飽和環、不飽和環、芳香族炭化水素環、または複素環である。
本明細書において、連結基における芳香族炭化水素基や複素環基等としては、上述した一価の基から、1つ以上の原子を除いて得られる二価以上の基が挙げられる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
例えば、発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、少なくとも1つの発光層が上記実施形態で説明した条件を満たしていればよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
また、例えば、発光層の陽極側、及び陰極側の少なくとも一方に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子、及び励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層や正孔輸送層)に移動することを阻止する。
発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
その他、本発明の実施における具体的な構造、及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、本発明に係る実施例を説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されない。
<化合物>
有機EL素子の製造に用いた化合物を以下に示す。
<化合物の合成>
(1)合成実施例1:化合物1の合成
ヨウ素化合物(化合物(1a))7.50g(14.3mmоl)、カルバゾール2.86g(17.1mmоl)、ヨウ化銅(I)0.136g(0.71mmоl)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン0.2mL(1.43mmоl)、及びリン酸三カリウム3.46g(28.6mmоl)の混合物を、1,4−ジオキサン200mL中で24時間還流した。
反応混合物を室温(25℃)まで冷却後、1Nの塩酸100mLを加えた。無機固体を濾別した後、濾液をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。ジクロロメタン/酢酸エチル混合液を展開液として用い、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで化合物1を得た。化合物1の収量6.70g(収率83%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.22-8.12(m,4H);7.96(d,J=7.9Hz,2H);7.84-7.77(m,2H);7.76-7.71(m,2H);7.62-7.54(m,3H);7.50(t,J=7.8Hz,4H);7.40-7.31(m,5H);7.30-7.22(m,2H).
(2)合成実施例2:化合物2の合成
3,4−ジフルオロベンゾニトリル20.0g(144mmоl)、ベンゾイミダゾール34.0g(288mmоl)、及び炭酸カリウム49.7g(360mmоl)の混合物を、N−メチルピロリドン(NMP)340mL中で、120℃、24時間攪拌した。
反応混合物を室温(25℃)まで冷却し水を加えた。析出物を濾別して取り除いた後、乾燥させて化合物(2a)を含む生成物を得た。化合物(2a)の収量43g(収率89%)。
ベンゾイミダゾール化合物(化合物(2a))10.0g(39.8mmоl)、及びN−ブロモスクシンイミド(NBS)15.9g(89.5mmоl)の混合物を、テトラヒドロフラン(THF)100mL中で、1時間還流した。
反応混合物を室温(25℃)まで冷却し水を加えた。生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。ジクロロメタン/酢酸エチル混合液を展開液として用い、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで、化合物(2b)の異性体混合物を含む生成物を得た。化合物(2b)の異性体混合物の収量8.51g(収率58%)。
臭素化合物(化合物(2b)の異性体混合物)12.3g(25mmоl)、及びアニリン11.4mL(125mmоl)の混合物を、NMP10mL中で、150℃、2時間攪拌した。
反応混合物を室温(25℃)まで冷却後、1Nの塩酸150mLを加えた。生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。ジクロロメタン/酢酸エチル混合液を展開液として用い、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで化合物2を得た。化合物2の収量6.8g(収率64%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.23(d,J=1.8Hz,1H);8.06(d,J=8.3Hz,1H);7.87-7.81(m,3H);7.76-7.71(m,2H);7.60-7.54(m,2H);7.51-7.45(m,2H);7.40-7.31(m,5H).
(3)合成実施例3:化合物3の合成
臭素化合物(化合物(3a))4.3g(8.99mmоl)、カルバゾール1.8g(10.8mmоl)、ヨウ化銅(I)0.51g(2.7mmоl)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン0.46g(4.0mmоl)、及びリン酸三カリウム5.7g(27mmоl)の混合物を、1,4−ジオキサン70mL中で24時間還流した。
反応混合物を室温(25℃)まで冷却後、1Nの塩酸50mLを加えた。無機固体を濾別した後、濾液をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。ジクロロメタン/酢酸エチル混合液を展開液として用い、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで化合物3を得た。化合物3の収量4.6g(収率91%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.16-8.08(m,3H);8.06(dd,J=8.4,2.2Hz,1H);7.97-7.90(m,2H);7.82-7.75(m,2H);7.68-7.59(m,5H);7.59-7.53(m,2H);7.48(dd,J=7.8,1.8Hz,1H);7.41(t,J=7.7Hz,2H);7.36-7.30(m,4H);7.29-7.23(m,2H).
(4)合成実施例4:化合物4の合成
フッ素化合物(化合物(4a))0.50g(1.20mmоl)、カルバゾール0.22g(1.32mmоl)、及び炭酸カリウム0.20g(1.44mmоl)の混合物を、N−メチルピロリドン(NMP)10mL中で、190℃、48時間攪拌した。
反応混合物を室温(25℃)まで冷却し水を加えた。析出物を濾別した後、濾液をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。ジクロロメタン/酢酸エチル混合液を展開液として用い、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで化合物4を得た。化合物4の収量0.15g(収率22%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.20-8.12(m,4H);8.06-7.98(m,2H);7.89-7.81(m,2H);7.73-7.60(m,6H);7.49(dt,J=8.3,1.1Hz,2H);7.46-7.35(m,6H);7.34-7.27(m,2H).
(5)合成実施例5:化合物5の合成
臭素化合物(化合物(5a))5.3g(10.5mmоl)、カルバゾール3.2g(18.9mmоl)、ヨウ化銅(I)0.90g(8.5mmоl)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン0.9mL(7.1mmоl)、及びリン酸三カリウム10.0g(47.3mmоl)の混合物を、1,4−ジオキサン90mL中で24時間還流した。
反応混合物を室温(25℃)まで冷却後、1Nの塩酸25mLを加えた。無機固体を濾別した後、濾液をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。ジクロロメタン/酢酸エチル混合液を展開液として用い、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで化合物5を得た。化合物5の収量3.55g(収率57%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.24(d,J=1.9Hz,1H);8.14-8.10(m,3H);8.07(d,J=8.4Hz,1H);8.01(dd,J=8.4,2.1Hz,1H);7.84(dd,J=8.3,1.9Hz,1H);7.80-7.76(m,2H);7.67(dd,J=16.8,8.2Hz,3H);7.60-7.56(m,3H);7.44-7.35(m,6H);7.29(d,J=7.4Hz,2H).
(5)合成実施例6:化合物BD−1の合成
本合成実施例6において下記の通り合成した化合物BD−1は、化合物BD−1a及び化合物BD−1bを含む混合物であった。
三口フラスコに、SM−1(異性体混合物)2.0g(3.29mmol)、ボロン酸(Int−1)1.31g(5.28mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液3.3mL、1,2−ジメトキシエタン(DME)22mL、及びトルエン11mLを加え、次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.08g(0.07mmol)をさらに加えて、窒素雰囲気下にて24時間、加熱還流攪拌した。加熱還流攪拌の後、反応溶液を室温まで冷却し、析出した固体を濾集した。得られた固体をトルエン−メタノール混合溶媒で懸濁洗浄し、次いで酢酸エチルで懸濁洗浄することにより、目的物(化合物BD−1)を得た。収量は0.77g、収率は32%であった。FD−MS(Field Desorption Mass Spectrometry)分析の結果、分子量730に対してm/e=730であった。なお、出発原料(SM−1)が異性体混合物(SM−1aとSM−1bとを含む混合物)であることに由来し、化合物BD−1はBD−1aとBD−1bとの混合物であった。ただし、本合成実施例6の反応式中では、「SM−1」としてはSM−1aの構造のみを代表として示し、また「BD−1」としてはBD−1aの構造のみを代表として示した。
<化合物の評価>
化合物の性質を測定する方法を以下に示す。
・遅延蛍光性
遅延蛍光性は図5に示す装置を利用して過渡PLを測定することにより確認した。前記化合物TADF1と前記化合物TH−2とを、化合物TADF1の割合が12質量%となるように石英基板上に共蒸着し、膜厚100nmの薄膜を形成して試料を作製した。前記化合物TADF1が吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察されるPrompt発光(即時発光)と、当該励起後、即座には観察されず、その後観察されるDelay発光(遅延発光)とが存在する。本実施例における遅延蛍光性とは、Prompt発光(即時発光)の量をXとし、Delay発光(遅延発光)の量をXとしたときに、X/Xの値が0.05以上であることを意味する。
化合物TADF1について、X/Xの値が0.05以上であることが確認された。
Prompt発光とDelay発光の量は、“Nature 492, 234−238, 2012”に記載された方法と同様の方法により求めることができる。なお、Prompt発光とDelay発光の量の算出に使用される装置は、図5の装置や文献に記載された装置に限定されない。
・一重項エネルギーS
化合物1〜5、TADF1、及びBD−1のT77Kの一重項エネルギーSは、前述の溶液法により測定した。
化合物1の一重項エネルギーSは、3.58eVであった。
化合物2の一重項エネルギーSは、3.44eVであった。
化合物3の一重項エネルギーSは、3.56eVであった。
化合物4の一重項エネルギーSは、3.54eVであった。
化合物5の一重項エネルギーSは、3.56eVであった。
TADF1の一重項エネルギーSは、2.90eVであった。
BD−1の一重項エネルギーSは、2.68eVであった。
・77[K]におけるエネルギーギャップT77K
化合物1〜5、TADF1、BD−1、mCP、及びCzSiは、前述の溶液法により測定した。
化合物1のT77Kは、3.07eVであった。
化合物2のT77Kは、3.14eVであった。
化合物3のT77Kは、3.07eVであった。
化合物4のT77Kは、3.07eVであった。
化合物5のT77Kは、3.07eVであった。
TADF1のT77Kは、2.87eVであった。したがって、TADF1のΔSTは0.03eVであった。
BD−1のT77Kは、2.11eVであった。
mCPのT77Kは、3.07eVであった。
CzSiのT77Kは、3.06eVであった。
・化合物の主ピーク波長
測定対象となる化合物の5μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の蛍光スペクトル(縦軸:蛍光発光強度、横軸:波長とする。)を測定した。本実施例では、蛍光スペクトルを日立社製の分光光度計(装置名:F−7000)で測定した。なお、蛍光スペクトル測定装置は、ここで用いた装置に限定されない。蛍光スペクトルにおいて、蛍光発光強度が最大となる蛍光スペクトルのピーク波長を主ピーク波長とした。
化合物BD−1の主ピーク波長は、462nmであった。
<有機EL素子の作製>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)を、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄を行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付き前記ガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HIを蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、化合物HT1を蒸着し、HI膜上に膜厚80nmの第一正孔輸送層を形成した。
次に、この第一正孔輸送層上に、化合物HT2を蒸着し、膜厚10nmの第二正孔輸送層を形成した。
さらに、この第二正孔輸送層上に、mCPを蒸着し、膜厚5nmの第三正孔輸送層を形成した。
次に、この第三正孔輸送層上に、第二の化合物としての化合物TADF1と、第一の化合物としての化合物BD−1と、第三の化合物としての化合物1とを共蒸着し、膜厚25nmの発光層を形成した。発光層における化合物TADF1の濃度を24質量%とし、化合物BD−1の濃度を1質量%とし、化合物1の濃度を75質量%とした。
次に、この発光層上に、化合物ET1を蒸着し、膜厚5nmの第一電子輸送層を形成した。
次に、この第一電子輸送層上に、化合物ET2を蒸着し、膜厚20nmの第二電子輸送層を形成した。
次に、この第二電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を蒸着し、膜厚1nmの電子注入性電極(陰極)を形成した。
そして、この電子注入性電極上に、金属アルミニウム(Al)を蒸着し、膜厚80nmの金属Al陰極を形成した。
実施例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI(5)/HT1(80)/HT2(10)/mCP(5)/化合物1:TADF1:BD-1(25,75%:24%:1%)/ET1(5)/ET2(20)/LiF(1)/Al(80)
なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、発光層における第三の化合物、第二の化合物、及び第一の化合物の割合(質量%)を示す。以下、同様の表記とする。
(実施例2)
実施例2の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物1に代えて、化合物2を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
実施例2の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI(5)/HT1(80)/HT2(10)/mCP(5)/化合物2:TADF1:BD-1(25,75%:24%:1%)/ET1(5)/ET2(20)/LiF(1)/Al(80)
(実施例3)
実施例3の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物1に代えて、化合物3を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
実施例3の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI(5)/HT1(80)/HT2(10)/mCP(5)/化合物3:TADF1:BD-1(25,75%:24%:1%)/ET1(5)/ET2(20)/LiF(1)/Al(80)
(実施例4)
実施例4の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物1に代えて、化合物4を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
実施例4の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI(5)/HT1(80)/HT2(10)/mCP(5)/化合物4:TADF1:BD-1(25,75%:24%:1%)/ET1(5)/ET2(20)/LiF(1)/Al(80)
(実施例5)
実施例5の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物1に代えて、化合物5を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
実施例5の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI(5)/HT1(80)/HT2(10)/mCP(5)/化合物5:TADF1:BD-1(25,75%:24%:1%)/ET1(5)/ET2(20)/LiF(1)/Al(80)
(比較例1)
比較例1の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物1に代えて、mCPを用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
比較例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI(5)/HT1(80)/HT2(10)/mCP(5)/mCP:TADF1:BD-1(25,75%:24%:1%)/ET1(5)/ET2(20)/LiF(1)/Al(80)
(比較例2)
比較例2の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物1に代えて、CzSiを用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
比較例2の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI(5)/HT1(80)/HT2(10)/mCP(5)/CzSi:TADF1:BD-1(25,75%:24%:1%)/ET1(5)/ET2(20)/LiF(1)/Al(80)
<有機EL素子の評価>
実施例1〜5及び比較例1〜2において作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
・外部量子効率EQE及び主ピーク波長λ
電流密度が0.1mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ株式会社製)で計測した。
得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
また、得られた分光放射輝度スペクトルから、主ピーク波長λ(単位:nm)を求めた。
発光層に、蛍光発光性の化合物(第一の化合物)と、遅延蛍光性の化合物(第二の化合物)と、第三成分(第三の化合物)とを含む有機EL素子において、第三成分として前記一般式(3)で表される化合物を含む実施例1〜5は、第三成分としてmCPを含む比較例1及びCzSiを含む比較例2に比べ、発光効率が向上することがわかる。
表1に示すように、実施例1〜5及び比較例1、2で用いた第三成分の77[K]におけるエネルギーギャップT77Kは、同等の値であったが、実施例1〜5は、比較例1、2に比べ、EQEが大きな値を示した。したがって、本実施例では、第三の化合物(前記一般式(3)で表される化合物)の大きく撓んだ構造によって、遅延蛍光性の化合物の三重項エネルギーを発光層に有効に閉じ込めることができ、その結果、発光効率が向上したと考えられる。
1…有機EL素子、2…基板、3…陽極、4…陰極、5…発光層、6…正孔注入層、7…正孔輸送層、8…電子輸送層、9…電子注入層。

Claims (17)

  1. 陽極と、
    発光層と、
    陰極と、を有し、
    前記発光層は、第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物を含み、
    前記第一の化合物は、蛍光発光性の化合物であり、
    前記第二の化合物は、遅延蛍光性の化合物であり、
    前記第三の化合物は、下記一般式(3)で表される化合物であり、
    前記第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)と、前記第二の化合物の一重項エネルギーS(M2)と、前記第三の化合物の一重項エネルギーS(M3)とが、下記数式(数1)の関係を満たす、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (M3)>S(M2)>S(M1) (数1)
    (前記一般式(3)において、X〜X14は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR80であり、
    は、NR95、硫黄原子、又は酸素原子であり、
    80は、水素原子、又は置換基であり、
    置換基としてのR80は、それぞれ独立に、
    フッ素原子、
    シアノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
    連結基Dが介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
    −(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であり、
    NR95におけるR95は、
    −(A)о−(A)p−(A)q−(A)r−R16で表される基であり、
    ただし、s、t、u、v、о、p、q、及びrは、それぞれ独立に、0又は1であり、複数のR80は、互いに同一であるか又は異なり、
    16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
    置換基としてのR16及びR17は、それぞれ独立に、
    −NR1011
    −SiR121314
    −C(=O)R15
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
    10、R11、及びR15は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
    〜Aは、それぞれ独立に、
    −SiR12A13A−、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリーレン基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリーレン基であり、
    12、R13、R12A、R13A、及びR14は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
    連結基Dが介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜25のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、
    前記連結基Dは、
    −CO−、
    −COO−、
    −S−、
    −SO−、
    −SO−、
    −O−、
    −NR65−、
    −SiR7071−、
    −POR72−、
    −CR63=CR64−、又は
    −C=C−であり、
    63及びR64は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
    置換基としてのR63及びR64は、それぞれ独立に、
    無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
    酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基であり、
    65は、
    無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基
    置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は
    酸素原子が介在する置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基であり、
    70〜R71、及びR72は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、
    無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜18のアリール基であり、
    ただし、前記一般式(3)において、X〜Xのうち、0個又は1個が窒素原子であり、X〜Xのうち、0個又は1個が窒素原子であり、о、p、q、及びrが0である場合、R16は水素原子ではなく、NR1011でもない。置換基が複数存在する場合、それぞれの置換基は、互いに同一であるか又は異なる。)
  2. 前記第三の化合物は、下記一般式(31)で表される化合物である、
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(31)において、
    は、前記一般式(3)におけるXと同義であり、
    81〜R92は、それぞれ独立に、前記一般式(3)におけるR80と同義である。)
  3. 前記第三の化合物は、下記一般式(32)で表される化合物である、
    請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

    (前記一般式(32)において、
    95は、前記一般式(3)におけるR95と同義であり、
    81〜R92は、それぞれ独立に、前記一般式(3)におけるR80と同義である。)
  4. 前記一般式(3)において、X〜X及びX12がCR80であり、前記CR80におけるR80が水素原子である、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記一般式(3)において、X10及びX11がCR80である場合、前記CR80におけるR80が、それぞれ独立に、水素原子又はシアノ基である、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記一般式(3)において、R95が−(A)о−(A)p−(A)q−(A)r−R16で表される基であり、R16は、下記一般式(A1)〜(A2)からなる群から選択される基である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

    (前記一般式(A1)において、R21は、水素原子、又は置換基であり、
    置換基としてのR21は、それぞれ独立に、
    無置換の炭素数1〜18のアルキル基、
    無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基
    無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基であり、
    は、5であり、複数のR21は、互いに同一であるか又は異なる。
    前記一般式(A2)において、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
    置換基としてのR22及びR23は、それぞれ独立に、前記一般式(A1)におけるR21と同義であり、
    及びnは、それぞれ、4であり、
    複数のR22は互いに同一であるか又は異なり、複数のR23は互いに同一であるか又は異なる。)
  7. 前記第三の化合物は、下記一般式(33)で表される化合物である、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(33)において、
    95は、前記一般式(3)におけるR95と同義であり、
    90及びR91が、水素原子であるか、
    90及びR91が、シアノ基であるか、
    90及びR91の一方が水素原子であり、他方がシアノ基であるか、又は
    90及びR91の一方が水素原子であり、他方が−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であり、
    ただし、s、t、u及びvは、それぞれ独立に、0又は1であり、
    〜Aは、それぞれ独立に、下記一般式(A11)〜(A23)で表される基からなる群から選択される基であり、
    17は、シアノ基、及び下記一般式(B11)〜(B25)で表される基からなる群から選択される基である。)

    (前記一般式(A11)において、R200は、水素原子、Si(Ph)、又は下記一般式(A24)で表される基である。Phは、フェニル基を表す。
    前記一般式(A16)において、R201は、水素原子、又はシアノ基である。
    前記一般式(A19)において、R202は、フェニル基である。)

    (前記一般式(B20)において、X200は、窒素原子、又はCHである。)
  8. 前記一般式(33)において、R95は、
    下記一般式(33a)で表される基、又は
    下記一般式(33b)で表される基であり、
    90及びR91が、水素原子であるか、
    90及びR91が、シアノ基であるか、
    90及びR91の一方が水素原子であり、他方がシアノ基であるか、又は
    90及びR91の一方が水素原子であり、他方が−(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基であり、
    −(A)s−(A)t−(A)u−(A)v−R17で表される基は下記一般式(33b)で表される、
    請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(33a)及び前記一般式(33b)において、R24〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基であり、
    置換基としてのR24〜R27は、それぞれ独立に、
    無置換の炭素数1〜18のアルキル基、
    無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基
    無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜24のアリール基で置換された環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数2〜30のヘテロアリール基で置換された環形成炭素数6〜24のアリール基であり、
    は、5であり、n、n及びnは、それぞれ、4であり、
    複数のR24は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数のR25は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数のR26は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数のR27は、互いに同一であるか又は異なる。)
  9. 前記第二の化合物は、下記一般式(20)で表される化合物である、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(20)において、
    10は下記一般式(a−1)〜(a−2)から選ばれる部分構造を有する基であり、
    Czは、下記一般式(2a)で表される基であり、
    Lは、単結合または連結基であり、
    連結基としてのLは、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択された基が互いに2個、3個、4個、又は5個連結した基
    から誘導される基であり、
    aは、1、2、3、4、又は5であり、aは、Lに直接結合するA10の置換数を表し、
    aが2、3、4、又は5である場合、複数のA10は、互いに同じであるか又は異なり、
    bは、1、2、3、4、又は5であり、bは、Lに直接結合するCzの置換数を表し、
    bが2、3、4、又は5である場合、複数のCzは、互いに同じであるか又は異なる。)
    (前記一般式(a−1)及び前記一般式(a−2)において、*は、それぞれ独立に、前記第二の化合物の分子中の他の原子との結合部位を表す。)
    (前記一般式(2a)において、
    21〜X28は、それぞれ独立に、窒素原子またはCRである。
    は、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのRは、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換ホスホリル基、
    置換シリル基、
    シアノ基、
    ニトロ基、および
    カルボキシル基
    からなる群から選択される基であり、
    複数のRは、互いに同じであるか、又は異なり、
    21〜X28のうち、複数がCRであって、かつRが置換基である場合、R同士が結合して環を形成するか、または環を形成せず、
    *は、前記一般式(20)におけるL又はA10で表される基中の炭素原子との結合部位を表す。)
  10. 前記第二の化合物は、下記一般式(22)で表される化合物である、
    請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

    (前記一般式(22)において、
    21〜A25は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのA21〜A25は、それぞれ独立に、
    シアノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、および
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基
    からなる群から選択される基であり、
    ただし、A21〜A25のうちの少なくとも1つは、前記一般式(2a)で表される基である。)
  11. 前記第一の化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(1)において、
    101〜R116は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又はR101及びR102の組、R102及びR103の組、R103及びR104の組、R104及びR105の組、R105及びR106の組、R106及びR107の組、R107及びR108の組、R108及びR109の組、R109及びR110の組、R110及びR111の組、R111及びR112の組、R112及びR113の組、R113及びR114の組、R114及びR115の組、R115及びR116の組、並びにR116及びR101の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
    置換基としてのR101〜R116は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、
    置換もしくは無置換のアミノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、
    置換もしくは無置換のホスフィノ基、
    置換もしくは無置換のホスホリル基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールカルボニル基、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    カルボキシ基、
    ハロゲン原子、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜31のアシル基
    からなる群から選択される。)
  12. 前記一般式(1)で表される化合物において、R111〜R114のうちの1つが、下記一般式(1a)で表される基である、請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(1a)において、
    131〜R134及びR136それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのR131〜R134及びR136は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、
    置換もしくは無置換のアミノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、
    置換もしくは無置換のホスフィノ基、
    置換もしくは無置換のホスホリル基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールカルボニル基、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    カルボキシ基、及び
    ハロゲン原子
    からなる群から選択され、
    135及びR137は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、及びシアノ基からなる群から選択される置換基であるか、又は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは無置換のホスファニル基、置換もしくは無置換のホスホリル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、及びハロゲン原子からなる群から選択され、R135及びR137は互いに同一であるか又は異なる。)
  13. 前記第二の化合物の一重項エネルギーS(M2)と、前記第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)との差ΔST(M2)が、下記数式(数2)の関係を満たす、
    請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    ΔST(M2)=S(M2)−T77K(M2)<0.1[eV] (数2)
  14. 前記第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)、前記第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)、及び前記第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)が、下記数式(数3)の関係を満たす、
    請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    77K(M3)>T77K(M2)>T77K(M1) (数3)
  15. 「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    炭素数1〜30の直鎖のアルキル基、
    炭素数3〜30の分岐鎖のアルキル基、
    環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    前記直鎖のアルキル基、前記分岐鎖のアルキル基、又は前記シクロアルキル基のアルキル基が1以上のハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基、
    シアノ基、
    アミノ基、
    置換アミノ基、
    ハロゲン原子、
    炭素数1〜30のアルコキシ基、
    環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
    炭素数6〜30のアリールチオ基、
    炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換ホスホリル基、
    置換シリル基、
    ニトロ基、
    カルボキシ基、
    炭素数2〜30のアルケニル基、
    炭素数2〜30のアルキニル基、
    炭素数1〜30のアルキルチオ基、
    炭素数3〜30のアルキルシリル基、
    環形成炭素数6〜30のアリールシリル基、および
    ヒドロキシル基からなる群から選択される置換基である、
    請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    炭素数1〜30の直鎖のアルキル基、
    炭素数3〜30の分岐鎖のアルキル基、
    環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    前記直鎖のアルキル基、前記分岐鎖のアルキル基、又は前記シクロアルキル基のアルキル基が1以上のハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基、
    ハロゲン原子、
    炭素数3〜30のアルキルシリル基、
    環形成炭素数6〜30アリールシリル基、および
    シアノ基からなる群から選択される置換基である、
    請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器。
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