JP2019139319A - 物流管理装置、物流管理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
[物流管理システムの概要]
図1は、本実施形態に係る物流管理システム1000のコンセプトを表した概念図である。
本実施形態に係る物流管理システム1000は、管理対象となる現実倉庫RWをデジタル上で仮想倉庫PWとして再現することより、管理者や作業員の経験や勘といった属人性を排除し、ロボットや各設備および作業などから得られる多様な情報に基づいて意思決定を行い、倉庫の運営の適正化を可能とするものである。
管理者は、仮想倉庫PWを活用し、現実倉庫RWから取得される実績データや指示データなどに基づき、作業現場の動きを可視化し、作業現場の状況を監視する(図2に示す(1)参照)。さらに、管理者は、現実倉庫RWから取得される実績データや指示データなどをもとに、パターンマッチングやシミュレーション(いずれも後述)を実施し、作業の将来予測及びこれから採るべきアクションを決定することで、現実倉庫RWの運営の適正化を図る(図2に示す(2)参照)。
物流管理装置100は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって構成されている。物流管理装置100は、CPU11によって実行される様々な制御プログラムを記憶するROMやRAMなどのメモリ12、キーボードやマウス、操作ボタンなどを備えた入力装置13、液晶パネルなどを備えた出力装置14、ハードディスク等の記憶装置15、各通信インタフェースを備えた通信装置16などを備えている。
物流管理装置100は、CPU11がメモリ12などに記憶されたソフトウェアを読み込み、解釈/実行することにより、図4に示す各部の機能を提供する。
図5は、データ収集部(収集部)101によって収集される各種データを例示した図である。
データ収集部101によって収集されるデータは、基本実績データDbと、特定実績データDsとに大別できる。
基本実績データDbは、稼働マスタデータD1、能力マスタデータD2、計画データD3、稼働実績データD4を含んで構成される。
稼働マスタデータD1は、日付、工程名、開始時刻、終了予定時刻、休息開始時刻など、倉庫稼働に関する基本データを含む。
能力マスタデータD2は、工程名、基準生産性、仕掛容量など、倉庫能力に関する基本データを含む。
計画データD3は、日付、工程、処理数など、稼働計画に関するデータを含む。
稼働実績データD4は、工程、タイムスタンプ、処理数、仕掛数など、実際の稼働実績に関するデータを含む。
特定実績データDsは、基本実績データDbを適宜抽出・加工して得られるデータであり、進捗率、稼働率、滞留状況を含んで構成される。これら進捗率、稼働率、滞留状況は、工程、計画処理数、実績処理数、稼働可能時間(min)、稼働時間(min)といった基本実績データDbに含まれる情報を抽出・加工することによって導出される。
データベース部102は、実績データデータベース(DB)、アラートデータベース(DB)、パターンテーブルデータベース(DB)を備えている。
実績DBには、データ収集部101によって収集された実績データDi等が格納される。
アラートDB(第1記憶部)には、アラート条件設定部103によって設定されるアラート条件等が格納される(詳細は後述)。
パターンテーブルDB(第2記憶部)には、モデルパターン設定部106によって設定されるパターンマッチング用のモデルパターンと、採るべきアクションとが対応づけられているパターンテーブル等が格納されている(詳細は後述)。
アラート条件設定部103は、収集される実績データDiを監視するためのアラート条件Caを設定する。アラート条件Caは、後述するように計画と実績の剥離が発生したタイミングで稼働分析を行い、分析結果に基づきアラート条件を設定・更新してもよいが、事前に管理者等がアラート条件(例えば、進捗率が50%未満など)Caを適宜設定・更新してもよい。いかなる方法を採用するかは、システム設計等に応じて適宜変更可能である。
アラート対象判定部104は、収集される実績データDiとアラート条件Caを突合(比較)し、実績データDiをアラート対象とすべきか否かを判定する。
実パターン生成部(生成部)105は、アラート対象判定部104によってアラート対象とすべき旨の判断がなされた場合に、作業現場の状況把握に必要なすべての実績データ(すなわち、アラート対象となった実績データを含む様々な実績データ)を用いて、倉庫の現場状況をあらわす実パターンを生成する。
図6に示す例では、ある倉庫において工程A、工程B、・・・工程Nが実施されており、工程ごとに進捗率、稼働率、滞留状況を含む特定実績データDsが与えられている。ここで、進捗率、稼働率、滞留状況には、それぞれ基準値Vsとして進捗率80%未満、稼働率80%以上、滞留状況50%以上が設定されている。
実パターン生成部105は、工程ごとに、現況の進捗率、稼働率、滞留状況をプロットし、これらを基準値Vsと比較することで、能力ステータスSaを決定する。
モデルパターン設定部106は、パターンマッチング用のモデルパターンPm、及びアクションAcを設定する。図7は、モデルパターンPm及びアクションAcが登録されたパターンテーブルTpを例示した図である。
パターンマッチング処理部(抽出部)107は、実パターン生成部105によって生成された実パターンPrと、パターンテーブルDBに登録されているパターンテーブルTpとを突合(比較)することで、パターンマッチングを行う。
図8に示す例では、倉庫の現場状況(現況)を示す実パターンPrが、パターンテーブルTpに登録されているモデルパターンPm−2と一致(マッチング)している状態を示している。パターンマッチング処理部107は、図8に示すように、実パターンPrが、モデルパターンPm−2に一致していると判断すると、モデルパターンPm−2に対応づけられているアクションAc−2(ここでは、「工程Nから工程Aへ○×人配置換え」)をパターンテーブルTpから読み出し、出力部109に出力する。
シミュレーション実行部(策定部)108は、パターンマッチング処理部107からの指示に従い、対策シミュレーションを実行することで、倉庫の現場を最適にコントロールするためのアクションAcを策定する。
シミュレーション実行部108は、まず、人員配置計画案を設定する(図9に示すA参照)。シミュレーション実行部108は、設定した人員配置で作業シミュレーション(対策シミュレーション)を実行する(図9に示すB参照)。シミュレーション実行部108は、人員配置計画案毎のシミュレーションを比較し、シミュレーション結果を評価する(図9に示すC参照)。シミュレーション実行部108は、最良の人員配置計画案が確定するまで、図9のAからCに示す処理(以下、「検証サイクル処理」ともいう。)を実行する。シミュレーション実行部108は、検証サイクル処理を実行することで、最良の人員配置計画案を決定すると、これをアクションAcとして策定し、出力部109に出力するとともに、策定したアクションAcをパターンマッチング処理部107に出力する。
出力部109は、パターンマッチング処理部107またはシミュレーション実行部108から供給されるアクションAcを出力装置(液晶パネルなど)14に表示し、現場へのアクションAcの適用を管理者に促す。管理者は、液晶パネルに表示されるアクションAcを参照し、現実倉庫RWの作業員に最適な指示を送る。
このような構成を採用することで、管理者や作業員の経験や勘といった属人性を排除し、ロボットや各設備および作業などから得られる多様な情報に基づいて意思決定を行うことができ、倉庫の運営の適正化が可能となる。
図11は、モデルパターンの設定・更新処理を示すフローチャートである。モデルパターンの設定・更新処理は、モデルパターン設定部106により、定期または不定期に実行される。
モデルパターン設定部(検知部)106は、まず、処理計画と処理実績とを比較することで、処理計画と処理実績に乖離のある日を検知し(図12参照)、検知した日の実績データDiを実績DBから抽出する(ステップS100a)。
計画・実績グラフGは、処理計画と処理実績との対応関係を示しており、データベース部102等に格納される。図12の例では、t1のタイミングで処理計画と処理実績との間に乖離が生じている。なお、乖離が生じているか否かは、例えば、処理計画と処理実績との差分ΔDが閾値Vthを超えているか否かに基づいて判断すればよい。
本明細書において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その「部」が実行する処理をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が実行する処理を2つ以上の物理的構成や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置が実行する処理を1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。また、本実施形態では特に言及しなかったが、物流管理装置100に係る機能をクラウド環境下で実現するか、オンプレミス環境下で実現するかは、製造業者等の要求に応じて任意に選択可能である。
Claims (6)
- 作業現場の特定実績データを収集する収集部と、
アラート条件を記憶する第1記憶部と、
収集した特定実績データが、前記アラート条件に合致する場合には、現場状況把握に必要な前記特定実績データを含む複数の実績データを取得する取得部と、
取得した前記複数の実績データに基づき、稼働状況をパターン化した実パターンデータを生成する生成部と、
モデルパターンと、採るべきアクションとを対応づけて記憶する第2記憶部と、
前記実パターンデータが、いずれかの前記モデルパターンに合致した場合には、合致した前記モデルパターンに対応する前記アクションを抽出する抽出部と、
抽出したアクションを出力する出力部と
を具備する、物流管理装置。 - 前記生成部は、
前記作業現場の工程ごとに、抽出した前記複数の実績データと基準値とを比較し、能力ステータスを決定することで、前記作業現場の工程ごとの能力ステータスをパターン化した前記実パターンデータを生成する、請求項1に記載の物流管理装置。 - 前記実パターンデータが、いずれの前記モデルパターンにも合致しなかった場合には、対策シミュレーションを実行することにより、採るべきアクションを策定する策定部と、
合致しなかった前記実パターンデータと、策定した前記アクションとを対応づけて前記第2記憶部に記憶する更新部とをさらに備え、
前記出力部は、前記策定部によって策定された前記アクションを出力する、請求項1にまたは2に記載の物流管理装置。 - 作業計画に対する作業実績の剥離を検知する検知部と、
前記剥離が始まったときの前記特定実績データに基づき、今回の稼働状況をパターン化した実パターンデータを生成するとともに、採るべきアクションを策定し、前記実パターンデータと、策定した前記アクションとを対応づけて前記第2記憶部に記憶する設定・更新部と、をさらに具備する請求項1から3のいずれか一項に記載の物流管理装置。 - アラート条件を記憶する第1記憶部と、モデルパターンと、採るべきアクションとを対応づけて記憶する第2記憶部とを備えたコンピュータが実行する方法であって、
作業現場の特定実績データを収集するステップと、
収集した特定実績データが、前記アラート条件に合致する場合には、現場状況把握に必要な前記特定実績データを含む複数の実績データを取得するステップと、
抽出した前記複数の実績データに基づき、稼働状況をパターン化した実パターンデータを生成するステップと、
前記実パターンデータが、いずれかの前記モデルパターンに合致した場合には、合致した前記モデルパターンに対応する前記アクションを抽出するステップと、
抽出したアクションを出力するステップと
を含む物流管理方法。 - アラート条件を記憶する第1記憶部と、モデルパターンと、採るべきアクションとを対応づけて記憶する第2記憶部とを備えたコンピュータを、
作業現場の特定実績データを収集する収集部と、
収集した特定実績データが、前記アラート条件に合致する場合には、現場状況把握に必要な前記特定実績データを含む複数の実績データを取得する取得部と、
抽出した前記複数の実績データに基づき、稼働状況をパターン化した実パターンデータを生成する生成部と、
前記実パターンデータが、いずれかの前記モデルパターンに合致した場合には、合致した前記モデルパターンに対応する前記アクションを抽出する抽出部と、
抽出したアクションを出力する出力部と
して機能させるための物流管理プログラム。
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