JP2019139227A - 立体映像液晶表示装置 - Google Patents

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鈴木 芳人
Yoshito Suzuki
芳人 鈴木
川上 徹
Toru Kawakami
徹 川上
むつみ 篠井
Mutsumi Shinoi
むつみ 篠井
江原 克典
Katsunori Ebara
克典 江原
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【課題】ボケが少なく、輝度均一で、高輝度な立体映像を表示でき、さらに、無駄な光を無くして低消費電力を実現できる立体映像液晶表示装置を提供する。【解決手段】平行光束を出射する平行光束出射手段1と、前記平行光束をバックライトとして偏光板から入射し、液晶層で強度変調し、各要素画像の視差数分の画素3(色成分RGBサブ画素からなる)にて色変調し前記視差数分の画素3に対応した視差光束として出射する液晶表示パネル2と、この液晶表示パネル上に配置され、前記各要素画像の視差数Nおよび前記画素3の個々の配置領域の水平方向長さLに対し、p=L×Nを満たすレンチキュラーレンズピッチ長さpを有し、前記画素の個々から出射される光束である各視差光束を入射し、入射した水平方向位置に対応して、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束に変換するレンチキュラーレンズ4と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、専用の眼鏡等を利用しなくても液晶ディスプレイを用いて自然な立体映像を見ることができる、立体映像液晶表示装置に関する。
自然な立体映像を表示する手段として、2眼方式や多眼方式以外に、100年以上前に発明され立体写真に用いられたインテグラルフォトグラフィー(以下、IPという。)方式を、垂直視差は付けずに水平視差のみとした1次元IP方式(特許文献1)がある。この1次元IP方式では、2眼方式や多眼方式のように視点の位置が固定されず、視域(立体視できる視点位置の範囲)が比較的広く、さらに調節(眼球レンズのフォーカス調節)と輻輳(寄り目)の不一致による眼精疲労等が少なく、複数人でも立体視できるという特徴がある。水平方向の解像度を悪くするので、水平視差を多く付けられないという欠点も、4Kや8Kなどの高解像度液晶ディスプレイの出現により、比較的容易に解決できるようになった。
1次元IP方式を用いた立体映像液晶表示装置では、立体映像の要素画像(表示画面の水平方向に或る一定のピッチで配列させる)を表示する液晶表示パネルの各要素画像は、立体を撮影する方向を少しずつ(視線方向の角度差分である視差分の角度ずつ)ずらして撮影した複数の画像(視差数分の画像、または視差画像という。)からなっており、この視差数分の画像(視差画像)をそれぞれ表示する画素である「各要素画像の視差数分の画素」から出射される光束は、液晶表示パネルの直前に設置した、各要素画像と同一ピッチのレンチキュラーレンズ(シリンドリカルレンズアレイともいう。)の作用により、視差分の角度だけ異なる方向(視差方向という。)に出射される。
なお、レンチキュラーレンズとは、図12に示すように、レンチキュラーレンズの単位レンズであるシリンドリカルレンズ(カマボコ型凸レンズ)をその長手方向と光軸方向との双方に直交する方向(幅方向)に隙間無く配列したものであり、レンチキュラーレンズのピッチとは、前記シリンドリカルレンズの配列間隔(=シリンドリカルレンズの幅+隣との隙間である。この場合は隙間は零(ゼロ))のことである。また、レンチキュラーレンズの光軸方向の両端側のいずれか一方はシリンドリカルレンズの凸面形状が連なる側であって、この一方の側を形状側と称し、他方は面形状が平坦である側であって、この他方の側を平坦側と称する。
前記液晶表示パネルの各要素画像からレンチキュラーレンズを介して出射される同一方向の光束が視差画像となって観察者の目に映るので、観察者が前後左右に動いても、それにつれて視差画像も移り変わって、滑らかに立体映像が変化して見えることになる。
このような液晶表示パネルの画素(色成分RGBを持つサブ画素からなる)から出射される光束を、レンチキュラーレンズの作用により視差方向に出射するには、例えば図10に示すようにレンチキュラーレンズ54の前側の焦点面となる水平方向位置に液晶表示パネル52の各画素53を並べ、各画素53からの光束の拡がりがレンチキュラーレンズ54の光出射面の水平方向の拡がりとほぼ同じ拡がりとなるように制御しなければならない。なお、図10では、シリンドリカルレンズ55の直前の(要素画像の視差数5つ分の)画素53のみ図示し、両隣のシリンドリカルレンズ55a、55bの直前の画素は図示を省略した。
しかしながら、従来の立体映像液晶表示装置に用いられるバックライト装置は、例えば図10および図11に直下型バックライト装置50を示すように、広視野角を実現するため、バックライト(液晶を背面から照明する光)として出射する光束の拡がりが大きくなっている。なおサイドエッジ型バックライト装置(図示せず)も同様に、出射する光束の拡がりが大きい。このため、図10に示すように、各画素53からの光束の拡がりがレンチキュレーレンズ54の単位レンズであるシリンドリカルレンズ55の光出射面の水平方向の広がりより大き過ぎるために、シリンドリカルレンズ55の両端付近に位置する画素からの光束の一部は隣のシリンドリカルレンズ55a、55bにも入射するので、この隣のシリンドリカルレンズに入射した光束は所望の視差方向ではない方向に出射され、迷光となる。この迷光は観察者の目が画面の中心から水平方向にずれるほどより多く目に入るので、正面からずれるに従い立体映像が多重像のように見えてしまい、立体映像の品質を著しく低下させている。さらに、正面からずれるに従い、所望の光束の大きさ(ルーメン)は小さくなるので、正面が明るく左右が暗い不均一な明るさの立体映像を見ることになり、画質を低下させてしまう。
また、レンチキュラーレンズの代わりに例えば図13に示すようなスリットアレイを用いる方法がある。なお、スリットアレイのピッチは、スリット幅+遮光幅を意味する(図13参照)。この方法では、スリットを設けることで所望の視差方向の光束だけを入射させて使えるので、レンチキュラーレンズの場合に問題であった光束の拡がり過ぎに起因した画質低下はある程度改善できる。また、スリットから出射される光束の拡がりは、スリットの作用によりレンチキュラーレンズの場合より狭くできるので、要素画像を構成する画素を増やすことが容易になる。しかしながら、スリットを設けることで、所望以外の光束(スリットを通過しない光束)を立体映像の構成に利用できず吸収してしまうので、明るい立体映像の表示が困難であり、光の利用効率も悪い。
なお、特許文献2、3は、後述の本発明の実施形態において参考とした文献である。
特許第4197716号公報 特許第5830828号公報 特開2017−098084号公報
上述のように、液晶表示パネルの直前に設置した、各要素画像と同一ピッチのレンチキュラーレンズやスリットアレイにより、画素からの光束を所望の視差方向に出射する従来の1次元IP方式の立体映像液晶表示装置にあっては、立体映像が多重に重なって(ボケて)見えたり、映像の明るさが不均一であったり、映像そのものが全体的に暗かったりしており、高輝度で、ほぼ均一な明るさで、ボケの少ない高画質の立体映像液晶表示装置は実現できていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ボケが少なく、輝度均一で、高輝度な立体映像を表示でき、さらに、無駄な光を無くして低消費電力を実現できる立体映像液晶表示装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するためになされた本発明は、以下のとおりである。
第1の発明は、輝度が均一で、方向が揃った平行光束を出射する平行光束出射手段と、
液晶表示パネルと、
レンチキュラーレンズと
を備えたことを特徴とする立体映像液晶表示装置である。
第2の発明は、第1の発明において、
前記液晶表示パネルは、各要素画像の視差数分の画素を具備し、
前記レンチキュラーレンズは、前記液晶表示パネルの各要素画像の視差数分の画素の個数である各要素画像の視差数Nおよび前記画素の個々の配置領域の水平方向長さLに対し、
p=L×N
を満たすレンチキュラーレンズピッチ長さpを有する
ことを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記平行光束出射手段と、前記液晶表示パネルと、前記レンチキュラーレンズとをこの順に備え、
前記液晶表示パネルは、前記平行光束出射手段から出射された平行光束をバックライトとして入射する偏光板と、該偏光板からの出射光束を入射して強度変調する液晶層とを具備し、
前記各要素画像の視差数分の画素は、その個々が前記液晶層からの出射光束を入射して色変調を行う色成分RGBサブ画素からなり、色変調した光束を、前記バックライトの入射方向と同じ方向に、前記画素の個々に対応した視差光束として出射し、
前記レンチキュラーレンズは、前記液晶表示パネルの出射面に配置されており、前記画素の個々から出射される光束である各視差光束を入射し、入射した水平方向位置に対応して、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束に変換して出射する、
ことを特徴とする。
第4の発明は、第1または第2の発明において、
前記平行光束出射手段と、前記レンチキュラーレンズと、前記液晶表示パネルとをこの順に備え、
前記レンチキュラーレンズは、前記平行光束出射手段から出射された平行光束をバックライトとして形状側から入射し、入射した水平方向位置に対応して、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束に変換して平坦側から出射し、
前記液晶表示パネルは、前記レンチキュラーレンズの平坦側の面に配置されており、前記レンチキュラーレンズから出射された、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束を入射する偏光板と、該偏光板からの出射光束を入射して強度変調する液晶層とを具備し、
前記各要素画像の視差数分の画素は、その個々が前記液晶層からの出射光束を入射して色変調を行う色成分RGBサブ画素からなり、色変調した光束を、前記レンチキュラーレンズからの入射方向と同じ方向に、前記画素の個々に対応した視差光束として出射する、
ことを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、
前記レンチキュラーレンズの形状側を前記液晶表示パネルの出射側と対向させたことを特徴とする。
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つにおいて、
前記レンチキュラーレンズの形状側が入射側となっており、
前記レンチキュラーレンズの厚さdが当該レンチキュラーレンズの焦点距離f×レンチキュラーレンズの屈折率nと等しいことを特徴とする。
第7の発明は、第5または第6の発明において、
前記レンチキュラーレンズの平坦側の面に密着したヘーズ率4〜40%の表面形状拡散フィルムを具備したことを特徴とする。
第8の発明は、第1〜第7の発明のいずれか1つにおいて、
前記平行光束出射手段が、前記平行光束を複数種類出射することを特徴とする。
本発明によれば、ボケが少なく、輝度均一で、高輝度な立体映像を表示でき、さらに、無駄な光を無くして低消費電力を実現できる立体映像液晶表示装置が実現するという優れた効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の1例を示す説明図である。 図1の補足説明図である。 本発明の第2の実施形態の1例を示す説明図である。 本発明に用いる平行光束出射手段の1例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態の1例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態の1例を示す説明図である。 本発明の第5の実施形態の1例を示す説明図である。 本発明の第1〜5の実施形態のいずれか1つにおいて平行光束を2種類とする場合である第6の実施形態の1例を示す説明図である。 第6の実施形態に用いる平行光束出射手段の1例を示す構成図である。 本発明の第1〜5の実施形態のいずれか1つにおいて平行光束を3種類とする場合である第7の実施形態の1例を示す説明図である。 第7の実施形態に用いる平行光束出射手段の1例を示す構成図である。 従来の立体映像液晶表示装置の1例を示す説明図である。 従来の直下型バックライト装置の1例を示す説明図である。 レンチキュラーレンズを示す説明図である。 スリットアレイを示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の1例を示す説明図である。この図は第1、第2および第3の発明の特徴を示している。すなわち、図1の例は、輝度が均一で、方向が揃った平行光束を出射する平行光束出射手段1と、液晶表示パネル2と、レンチキュラーレンズ4とをこの順に備えている。
平行光束出射手段1は、輝度が均一で、方向が揃った光束である平行光束を出射する。ここで輝度が均一な光束とは、光束の輝度の測定値のばらつきの範囲が、平均値±20%以内である光束を意味する。また、方向が揃った光束とは、光束の主光線方向を中心とする正負の拡がり角度範囲で定義される光平行度が±10°以内である光束を意味する。
液晶表示パネル2は、平行光束出射手段1から出射された平行光束を、バックライトとして入射する偏光板(図示せず)を備える。そして、該偏光板からの出射光束を入射して強度変調する液晶層(図示せず)を備える。さらに、該液晶層からの出射光束を入射して色変調する、各要素画像の視差数分の画素3を具備する。
前記各要素画像の視差数分の画素3は、その個々が前記色変調を行う色成分RGBサブ画素(図示せず)からなり、色変調した光束を、前記バックライトの入射方向と同じ方向に、画素3の個々に対応した視差光束として出射するものである。なお、図1では、ある1つの要素画像の視差数5つ分の画素3のみ図示し、残りの要素画像の視差数分の画素は図示を省略した(他の図でも同様とする場合がある。)
前記液晶表示パネルに係る偏光板、液晶層、画素3および色成分RGBサブ画素は、いずれも技術常識の範囲内から、構成材料および構成方法を適宜選択して構成することができる。
本発明の第1の実施形態に係るレンチキュラーレンズ4は、その平坦側が液晶表示パネル2の出射側と対向しており、そのレンチキュラーレンズピッチ長さpは、液晶表示パネルの各要素画像の視差数(図1では5つ)分の画素3の個数である視差数N(図1ではN=5)および画素3の個々の配置領域の水平方向長さL(=水平方向の画素幅+画素間隔)に対し、p=L×N、を満たしている。
なお、以下では、説明の便宜上、レンチキュラーレンズ4のシリンドリカルレンズ5の並び方向であってかついずれか1つの要素画像の視差数N分の視差画像を表示するN個の画素3の並び方向でもある水平方向は、X方向(または−X方向)であるとし、液晶表示パネル2の光出射面の法線方向はZ方向であるとし、X方向およびZ方向に直交する方向はY方向(または−Y方向)であるとする。換言すると、液晶表示パネルの表示画面の面内の横(水平)方向、縦(垂直)方向をそれぞれX方向、Y方向とし、前記表示画面の法線方向をZ方向とする。
液晶表示パネル2の各画素3から出射される光束である各視差光束は、レンチキュラーレンズ4に入射する水平方向(X方向)位置に対応して、レンチキュラーレンズ4により、出射する水平方向(X方向)位置ごとに出射角度が異なる光束に変換される。
すなわち、各要素画像の視差数分の画素3からの視差光束はレンチキュラーレンズ4の(単位レンズであるシリンドリカルレンズ5の)主平面から後側(光出射側)に焦点距離fだけ離れた焦点面6内の、画素3と同一ピッチ(水平方向位置が視差数分の画素3と同一)のシリンドリカルレンズ5の焦点位置に集光するように、出射する水平方向(X方向)位置により出射角度を変更され、視差光束ごとに異なる視差方向に出射される。
ただし、平行光束出射手段1から出射される平行光束は、光平行度が±10°以内であり、また、画素3をなす色成分RGBサブ画素(図示せず)のカラーフィルターは光を若干拡散させる。そのため、画素3から出射する視差光束は、実際は図1Aに示すように、或る程度の拡がりをもった光束としてレンチキュラーレンズ4に入射する。なお、図1Aでは画素3の中心から出射する視差光束のみ図示し、画素3の中心以外から出射する視差光束は図示を省略した。(後掲の図でも同様とする場合がある。)
とはいえ、本発明では、液晶表示パネル2へ入射するバックライトが平行光束であるゆえ、画素3から出射光束は、その拡がりが小さいため、視差光束のほとんどが画素3の正面のシリンドリカルレンズ5から出射し、両隣のシリンドリカルレンズ5a、5bから出射する光束部分は無視できる程度に小さい。
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、従来の立体映像液晶表示装置(図10のように、視差光束の拡がりが大きすぎて、両隣のシリンドリカルレンズ55a、55bから出射して迷光となる光束部分が大きい。)と比べて、図1Aのように、両隣のシリンドリカルレンズ5から出射する光束部分は無視できる程度に小さくて、図10のような迷光はほとんど生じないから、ボケが少なく、輝度均一で、高輝度な立体映像を表示することができる。また、レンチキュラーレンズ4を通過する光の全部が立体映像の表示に用いられるから、無駄な光を無くして低消費電力を実現できる。
視差数Nは多いほど立体映像の解像度が高くなるので好ましいが、そのためには液晶表示パネルの高精細化が必要になる。8Kの水平方向の解像度は7,680であるので、立体映像の水平方向解像度を1,280とするとN=6となる。立体映像の応用分野によっても異なるが、N=15〜20を実現するには、液晶表示パネルの高精細化だけではなく、視差数を見かけ上増やせる技術の開発が必要となる。
平行光束出射手段1の構成としては、図2に1例を示すように、LED(発光ダイオード)20からの光束を光整形ロッド21で整形し、整形した光束を投射レンズ22により凹面反射ミラー23に投射して反射させ、反射した光束をプリズム反射板24に入射させて反射させ、最終的に平行光束とする構成が挙げられる。なお、光整形ロッドはロッドライクインテグレーターとも称される。この平行光束出射手段1の構成は特許文献2,3を参考にした。
LED20、光整形ロッド21、投射レンズ22の配置形態は、LED20の光出射面、光整形ロッド21の光入射側端面と光出射側端面、および投射レンズ22の主平面(図示せず)が互に平行であり、それぞれの面の中心が、これらの面に直交する同一直線上に位置し、該同一直線が投射レンズ22の光軸と一致する配置形態とする。投射レンズ22から光出射側への光軸の延在方向は例えばX方向に平行とする。
凹面反射ミラー23の配置形態は、凹面反射ミラー23の反射面の中心が投射レンズ22の光軸上に位置し、凹面反射ミラー23の光軸が凹面反射ミラー23中心から−X方向へ延びる半直線を−Z方向側に傾斜(反時計回りに回転)させた半直線と重なる配置形態とする。
プリズム反射板24の配置形態は、その平坦面側からプリズム形状面側への厚み方向がZ方向と一致し、かつLED20から出て光整形ロッド21、投射レンズ22を通過し、凹面反射ミラー23で反射した光束が、プリズム反射板24のプリズム形状面側へ入射する配置形態とする。
LED20は例えば白色LEDからなる。LED20を単一のLEDから構成する場合、単一のLEDの光出射端面が直径2〜4mmの円形状であるものを使用するのが好ましい。
光整形ロッド21は、LED20からの光束を光整形ロッド21の光入射側端面から入射し、光整形ロッド21内で光を全反射させることにより整形し、光整形ロッド21の光出射側端面から出射する。
光整形ロッド21は、LED20から出射した光束に対して透明な材料からなることが好ましい。かかる材料としては珪酸塩ガラスや溶融石英などのガラスや樹脂等の光学材料が挙げられる。
光整形ロッド21においては、光入射側端面と光出射側端面とは、ともにY方向に平行な長辺と、Z方向に平行な短辺とをもつ矩形状であることが好ましい。
また、光出射側端面の面積が光入射側端面の面積よりも大であることが好ましい。
また、光入射側端面(矩形状)の短辺長さ、長辺長さをLz0、Ly0、光出射側端面(矩形状)の短辺長さ、長辺長さをLz1、Ly1と記すこと(以下、同じ)とし、薄型化のために、Lz0<Lz1、かつ、Ly0<Ly1であることが好ましい。
また、光入射側端面から光出射側端面までの距離(X方向距離)をLxと記すこと(以下、同じ)とし、光整形を十分に行うために、例えば、Lx=68.5〜78.5[mm]、Lz0=1.0〜1.2[mm]、Ly0=4.6〜8.0[mm]、Lz1=2.0〜2.4[mm]、Ly1=28.0〜31.0[mm]であること(例ア)が好ましい。
また上記例アにおいて、平行光束出射手段を拡大縮小し、その拡大縮小比をαとした場合、Lz0=1.0×α〜1.2×α[mm]、Ly0=4.6×α〜8.0×α[mm]、Lz1=2.0×α〜2.4×α[mm]、Ly1=28.0×α〜31.0×α[mm]であることが好ましい。
また、光整形ロッド21は、XY断面(Z方向に直交する断面)およびZX断面(Y方向に直交する断面)の形状が出射側に向かって広がる台形状であることが好ましい。
上述のLED20および光整形ロッド21によって、2次元光源が構成され、光整形ロッド21から出射される光束の、光整形ロッド21の光出射側端面内での光強度分布は、LED20から出射され光整形ロッド21に入射する光束の、光整形ロッド21の光出射側端面内での光強度分布に比して、均一性がきわめて高くなる。
投射レンズ22は、少なくとも4枚のレンズから構成され、焦点距離f1を有し、F値(Fナンバー)が例えば1.1程度のいわゆる明るいレンズ系である。投射レンズ22が5枚のレンズ(図示せず。光束入射側から順に第1レンズ〜第5レンズと称する。5枚のレンズの光軸は同一直線上にある。)から構成される場合の例(例イ)について各レンズの具体例を以下に挙げる。
まず、第1レンズは、材質が例えば重バリウムクラウンガラスの光学ガラスからなり、光束入射側の面の曲率半径(以下、後方面曲率半径)が、中心がX方向の後方側となる560mm(以下、X方向後方側の場合には「−」を付し、−560mm等とする)、厚さが18.9mm、直径が58.8mm、光束出射側の面の曲率半径(以下、前方面曲率半径)が−41.84mmである。光軸に沿った第1レンズと第2レンズとの間隔が0.3mmである。次に、第2レンズは、材質が例えば重バリウムクラウンガラスの光学ガラスからなり、後方面曲率半径が75.3mm、厚さが18.9mm、直径が58.8mm、前方面曲率半径が−288mmである。光軸に沿った第2レンズと第3レンズとの間隔が0.3mmである。次に、第3レンズは、材質が例えば重フリントガラスの光学ガラスからなり、後方面曲率半径が42.9mm、厚さが17.9mm、直径が56.7mm、前方面曲率半径が29.36mmである。そして、光軸に沿った第3レンズと第4レンズとの間隔は19.2mm、この間隔を形成する空間におけるYZ断面の最大径は18.9mmである。次に、第4レンズは、材質が例えば重フリントガラスの光学ガラスからなり、後方面曲率半径が−27.8mm、厚さが12.6mm、直径が56.7mm、前方面曲率半径が−38.13mmである。そして、光軸に沿った第4レンズの光学ガラスからなり、後方面曲率半径が423mm、厚さが13.7mm、直径が56.7mm、前方面曲率半径が−82.75mmである。そして、第5レンズの後方に出射射出光束を整形する最大有効径18.9mmの遮光板(図示せず)がある。
さらに、投射レンズ22においては、少なくとも1箇所、この例イにおいては2箇所に1つずつ、有効光束以外の一部の光束を遮断する遮断板(図示せず。X方向の後方側から順に第1、第2の遮断板という。)が設けられている。第1の遮断板は、第2レンズと第3レンズとの間に設けられ、第1の遮断板の板面内には、有効光束を通過させる例えば矩形状の開口が形成されている。また、第2の遮断板は投射レンズ22の光束出射側に設けられ、第2の遮断板の板面内には、有効光束を通過させる例えば矩形状の開口が形成されている。なお、前記第1、第2の遮断板の板面内の開口の面内形状は矩形状に限定されず、必要に応じて、矩形状以外の面内形状として、楕円状、円状、台形状、または平行四辺形状などを採用してもよい。また、例イでは、LED20から出射する光束のうちの、光整形ロッド21の光束入射側端部に入射されなかった漏れ光を遮蔽する遮蔽板(図示せず)も併設されている。
ここで、投射レンズ22を構成する5枚のレンズのうち、光整形ロッド21に最も近い第1レンズと、光整形ロッド21の出射側端面との距離は、例えば22.8mmである。また、投射レンズ22を構成する5枚のレンズのうち、凹面反射ミラー23に最も近い第5レンズと、凹面反射ミラー23との距離は、例えば1472.0mmである。
凹面反射ミラー23は、具体的に例えば、焦点距離f2を有する少なくとも1枚の凹面鏡から構成される。ここで、凹面反射ミラー23の寸法の1例を挙げると、凹面反射ミラー23の光軸方向をX方向と合わせた状態下で、後方面曲率半径が例えば2950mmであり、Y方向寸法が例えば830mm、Z方向寸法が例えば60mmになる矩形領域上の部分球面である。また、凹面反射ミラー23は、その反射面がプリズム反射板24のプリズム形状面に向くように、凹面反射ミラー23の中心において前記部分球面と接する平面である接平面23SがZ方向に対して傾斜角度θで傾斜している(図2参照)。ここで、図2の実施形態においては、凹面反射ミラー23の傾斜角度θは、平行光束出射手段1からバックライトとして出射する平行光束の照射領域の面積と相関し、具体的には0.7度以上4.0度以下とするのが好ましい。
これにより、凹面反射ミラー23から出射する光束は平行光束となって、プリズム反射板24へ入射する。
また、平行光束出射手段1の薄型化のために、投射レンズ22から出射した光束が凹面反射ミラー23の直前(凹面反射ミラー23と略同位置)で結像(集光)させるのが好ましく、そのためには、光整形ロッド21の出射側端面と投射レンズ22の前方主点(図示せず)の間隔S1、および、投射レンズ22と凹面反射ミラー23との互いに対向する主点(投射レンズ22の後方主点と凹面反射ミラー23の前方主点。図示せず)の間隔S2、および、投射レンズ22の焦点距離f1、および、凹面反射ミラー23の焦点距離f2が、下記(1)式および(2)式を満足するようにすることが肝要である。
1/f1=1/S1+1/S2 ‥‥(1)
0.9×f2≦S2≦1.1×f2 ‥‥(2)
ここで、具体的には、焦点距離f1が例えば21.17mm、焦点距離f2が例えば600mmである場合、間隔S2は、600mmとするのが好ましい。また、間隔S1は、1/(1/21.17−1/600)=21.94mmとするのが好ましい。
プリズム反射板24は、プリズム形状面側にY方向に延在する三角柱状凸部がX方向に複数配列した面形状を有する。このプリズム形状面側の面形状において、前記三角柱状凸部の寸法および配列間隔を調整することで、凹面反射ミラー23からプリズム反射板24のプリズム形状面側へ斜めに入射してくる平行光束の向きをZ方向に変え、液晶表示パネル2(図1、図2参照)の背面へのバックライトとして無駄なく出射させることができる。
(第2の実施形態)
次に、図1Bは、本発明の第2の実施形態の1例を示す説明図である。この図は、第1、第2、第4および第6の発明の特徴を示している。すなわち、図1Bの例では、平行光束出射手段1と、レンチキュラーレンズ4と、液晶表示パネル2とをこの順に備える。
平行光束出射手段1は、出射先を液晶表示パネル2ではなくレンチキュラーレンズ4とした以外は、図1の場合と同様であり、レンチキュラーレンズ4へ平行光束をバックライトとして出射する。
液晶表示パネル2は、各要素画像の視差数分の画素3を具備し、レンチキュラーレンズ4は、液晶表示パネル2の各要素画像の視差数分の画素3の個数である各要素画像の視差数Nおよび前記画素の個々の配置領域の水平方向長さLに対し、p=L×Nを満たすレンチキュラーレンズピッチ長さpを有する。
図1Bの例のレンチキュラーレンズ4は、平行光束出射手段1から出射された平行光束をバックライトとして形状側から入射し、入射した水平方向位置に対応して、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束に変換して平坦側から液晶表示パネル2へ出射する。
この例において、レンチキュラーレンズ4の厚さdは、レンチキュラーレンズ4の焦点距離fおよび屈折率nに対し、d=f×nを満たす厚さとされた。これにより、各画素3への入射光束がレンチキュラーレンズ4の平坦側の表面で集光し、屈折率の違いにより空気中に大きな角度で出射されるようになるので、立体映像の水平視野角(X方向の視野角)を拡げる効果がもたらされる。
図1Bの例の液晶表示パネル2は、レンチキュラーレンズ4の出射側(ここでは平坦側)の面に配置されており、レンチキュラーレンズ4から出射された、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束を入射する偏光板(図示せず)と、該偏光板からの出射光束を入射して強度変調する液晶層(図示せず)とを具備する。
そして、前記各要素画像の視差数分の画素3は、その個々が前記液晶層からの出射光束を入射して色変調を行う色成分RGBサブ画素(図示せず)からなり、色変調した光束を、レンチキュラーレンズ4からの入射方向と同じ方向に、前記画素3の個々に対応した視差光束として出射する、
なお、図1Bの例のように、光束をレンチキュラーレンズ4の形状側から入射させ、平坦側から出射させる場合、d=f×nである形態(図1B)に代えて、d>f×nである形態(図示せず)とすることにより、焦点面6をレンチキュラーレンズ4の内部に配位し、レンチキュラーレンズ4の形状側の面と画素3との距離を短縮して、立体映像液晶表示装置の全体の厚さをより薄くすることもできる。また、d<f×nである形態(図示せず)としてもよい。
(第3の実施形態)
次に、図3は、第3の実施形態の1例を示している。この図に例示されるとおり、第3の実施形態では、第1の実施形態において、第5の発明に則り、レンチキュラーレンズ4の形状側を液晶表示パネル2との密着側とした。なお、図1、図1Aの例では、図3とは違って、レンチキュラーレンズ4の平坦側を液晶表示パネル2との密着側とした。
図3では、画素3からレンチキュラーレンズ4の形状面までの視差光束の光路長さが、図1、図1Aの場合よりも短くなり、視差光束がその平行光束の拡がり範囲の狭いうちにレンチキュラーレンズ4の形状面に到達する。その結果、この形状面を通過した各画素3の視差光束が焦点面6に集光するときの集光度(集光度とは複数の光点が面内の1箇所に集まるときのその1箇所の面積の逆数を基準値に対する比で表した量のことである。)が高められる。したがって、より高画質の立体映像を表示できる。さらに、レンチキュラーレンズ4の平坦側の面(平面)が立体映像液晶表示装置の表面側になることで、この表面側をハードコートで被覆し易くなるから、立体液晶表示装置の表面を傷付き難くすることや、表面の外光映り込みを防止することが容易になる。
(第4の実施形態)
次に、図4は、本発明の第4の実施形態の1例を示している。第4の実施形態では、例えば図4のように、第1の実施形態において、第6の発明に則り、レンチキュラーレンズ4の形状側が入射側となるようにし、レンチキュラーレンズ4の厚さdをレンチキュラーレンズ4の焦点距離f×レンチキュラーレンズの屈折率nに等しくした。すなわち、d=f×nとした。これにより、各視差光束がレンチキュラーレンズ4の平坦側の表面で集光し、屈折率の違いにより空気中に大きな角度で出射されるようになるので、立体映像の水平視野角(X方向の視野角)を拡げる効果がもたらされる。なお、例えば前掲図1Bで説明したように、第2の実施形態において、d=f×nとしてもよい。
(第5の実施形態)
次に、図5は、第5の実施形態の1例を示している。図5の例は、第4の実施形態(d=f×n)において、第7の発明に則り、レンチキュラーレンズ4の平坦側の面に密着したヘーズ率4〜40%の表面形状拡散フィルム10を具備した例である。ただし、第7の発明は、d=f×nの場合に限らず、例えば図3のようなd≠f×nの場合にも、レンチキュラーレンズの平坦側の面にヘーズ率4〜40%の表面形状拡散フィルムを具備した形態(図示せず)をも含む。表面形状拡散フィルム10の厚さは、機械的強度の観点から、50μm以上150μm以下とするのが好ましい。
これによれば、外光の映り込み防止の効果に加え、各視差光束を拡散して滑らかな運動視差を与える効果を得ることができる。第7の発明に用いる表面形状拡散フィルムのヘーズ率は4〜40%の範囲内とする。ヘーズ率4%未満では外光の映り込み防止の効果に乏しく、一方、ヘーズ率40%超では隣り合う視差光束の拡散範囲同士の重なりが過大となって立体映像の画質が低下する。
(第6の実施形態)
次に、図6は、第6の実施形態の1例を示している。第6の実施形態は、第1〜5の実施形態のいずれか1つにおいて、第8の発明に則り、前記平行光束出射手段が、2種類の平行光束を出射するものとした場合の形態である。平行光束の種類は平行光束の主光線方向によって区別される。なお、視差光束の種類も視差光束の主光線方向によって区別される。
図6の例は、第1の実施形態において、平行光束が、平行光束aおよび平行光束bの2種類である場合の例である。このように複数種類の平行光束をバックライトとして液晶パネル2の背面に入射することで、視差数分の各画素3から出射する視差光束を平行光束aからの視差光束aおよび平行光束bからの視差光束bの2種類にし、かつ隣り合う画素3からの視差光束同士の重なりが無いようにすることができる。これにより、視差光束が1種類である場合と比べ、視差画像の視野が拡大し、視線の動きに応じてより滑らかに変化する立体映像を表示できる。
図7は、図6のように平行光束を2種類とする場合である第6の実施形態に用いる平行光束出射手段の1例を示している。図7の平行光束出射手段は、LED20からの光束を光整形ロッド21で整形し、この整形した光束を投射レンズ22から平面ミラー26を介して凹面反射ミラー23に投射する第1の光学系30と、LED20Aからの光束を光整形ロッド21Aで整形し、この整形した光束を投射レンズ22Aから平面ミラー26Aを介して凹面反射ミラー23に投射する第2の光学系30Aとを有する。第1、第2の光学系30、30Aは、投射レンズ22、22Aの光軸同士が一致し投射レンズ22、22Aの光出射側が互いに真正面に相対する配置としている。平面ミラー26は反射面を凹面反射ミラー23側に向けて投射レンズ22の光軸から45°傾斜し、かつこの光軸を回転軸としてその周りに回転する構造である。平面ミラー26Aは反射面を凹面反射ミラー3側に向けて投射レンズ22Aの光軸から45°傾斜し、かつこの光軸を回転軸としてその周りに回転する構造である。なお、投射レンズ22、22Aの光軸方向は±Y方向とした。
さらに、図7の平行光束出射手段は、第1、第2の光学系30、30Aから投射された光束を反射させてプリズム反射板24へ入射させる凹面反射ミラー23と、凹面反射ミラー23から入射した光束を平行光束となるように反射させ液晶表示パネル2の背面へのバックライトとして出射するプリズム反射板24とを有する。
図7の構成を有する平行光束出射手段によれば、平面ミラー26、26Aをその回転軸周りに基準位置から互いに逆向きに小さな角度(例えば0°超10°以下の角度)だけ回転させてX方向に対する角度を調節することで、第1の光学系30に由来する平行光束と第2の光学系30Aに由来する平行光束とのいずれか一方と他方とを互いに主光線方向の異なる2種類の平行光束a、平行光束bとすることができる。
(第7の実施形態)
次に、図8は、第7の実施形態の1例を示している。第7の実施形態は、第1〜5の実施形態のいずれか1つにおいて、第8の発明に則り、前記平行光束出射手段が、3種類の平行光束を出射するものとした場合の形態である。平行光束の種類は平行光束の主光線方向によって区別される。なお、視差光束の種類も視差光束の主光線方向によって区別される。
図8の例は、第1の実施形態において、平行光束が後述の3種類である場合の例である。
この例ではレンチキュラーレンズ4と同一ピッチ内に水平方向(X方向)の視差数N=9個分の画素3が配置されている。3種類の平行光束は、液晶表示パネル2の背面へ垂直に入射する平行光束B、および、左右いずれか一方と他方とからそれぞれ斜めに入射する平行光束A、平行光束Cの3種類である。平行光束A、B、Cはそれぞれ、レンチキュラーレンズ4を通過後、レンチキュラーレンズ4の後方の焦点面6内の集光点A、B、Cに集光し、その後通過域を拡大しつつ進行する。なお、レンチキュラーレンズ4の前方の焦点面(図示せず)内の同一点を通ってレンチキュラーレンズ4に入射した光(光線)はレンチキュラーレンズ4を通過後互いに平行光(互いに平行な光線)となる。
これによれば、平行光束A、B、Cに由来する視差光束A、B、Cそれぞれの通過領域である視域A、B、Cのいずれからでも同じ立体映像を見ることができるから、3人の観察者が互いに異なる方向から同時に同じ立体映像を見ることができる。また、視差光束A、B、Cに対応する光源であるLEDを順次点灯して、それぞれの視差光束に対応する要素画像を表示する液晶パネルの表示画像を順次切り替えることで、視差数を3倍に増やすことが可能になる。
図9は、図8のように平行光束を3種類とする場合である第7の実施形態に用いる平行光束出射手段の1例を示している。図9の平行光束出射手段は、LED20からの光束を光整形ロッド21で整形し、この整形した光束を投射レンズ22から凹面反射ミラー23に投射する投光ユニットを、投光ユニット40A、投光ユニット40B、投光ユニット40Cの計3台具備し、かつ、投光ユニット40A、40B、40Cから投射された光束を反射させてプリズム反射板24へ入射させる凹面反射ミラー23と、凹面反射ミラー23から入射した光束を平行光束となるように反射させ液晶表示パネル2の背面へのバックライトとして出射するプリズム反射板24とを有する。図9の平行光束出射手段において投光ユニット40A、40Cを削除し、投光ユニット40Bのみ残した形態は、図2の平行光束出射手段と同一形態になる。図9において、投光ユニット40Bは、その光軸(投射レンズ22の光軸である。以下同じ)がX方向に延在して凹面反射ミラー23の中心を通る構成とする(図2と同様)。
投光ユニット40Aは、投光ユニット40Bの−Y方向側に隣接し、その光軸がX方向からY方向側にやや傾いて凹面反射ミラー23の中心を通る方向から±Z方向の正負いずれか一方または両方の側に片側あたりの小さな傾き角度(傾き角度βという。)だけ傾けうる構成とする。傾き角度βは例えば0°超10°以下とする。
投光ユニット40Cは、投光ユニット40BのY方向側に隣接し、その光軸がX方向から−Y方向側にやや傾いて凹面反射ミラー23の中心を通る方向から±Z方向の正負いずれか一方または両方の側に傾き角度βだけ傾けうる構成とする。
これによれば、投光ユニット40Bからの投光により平行光束B(図8)をつくり、かつ、投光ユニット40Aと投光ユニット40Cを傾き角度βだけ傾ける方向を互いに逆の方向とすることで、投光ユニット40A、40Cのいずれか一方と他方とからの投光によりそれぞれ平行光束A、Cをつくることができ、かくして図9の平行光束出射手段によれば、平行光束を3種類とすることができる。
ただし、平行光束A、B、Cを同時に出射すると、あるシリンドリカルレンズからの視差光束《この視差光束は、例えば図8において中央のシリンドリカルレンズ5からの視差光束Bである。》と、別のシリンドリカルレンズからの異種類の視差光束《この異種類の視差光束は、例えば図8において中央のシリンドリカルレンズ5から左方2つ目のシリンドリカルレンズ(図示せず)からの視差光束B(図示せず)、および中央のシリンドリカルレンズ5から右方2つ目のシリンドリカルレンズ(図示せず)からの視差光束C(図示せず)である。》とが視域B内で重なり合って、異なる要素画像同士の干渉により立体映像がボケる可能性が高い。そこで、これを解決するためには、いわゆる「時分割光方向切り換えFSバックライト」(図8にこの名称を記載した。ここで、FSとは、フィールドシーケンシャルのことである。)と呼ばれる方式の時分割制御機能を図9の構成に付加した平行光束出射手段が好適である。
図9の構成に前記時分割制御機能を付加する方法としては、投光ユニット40A、40B、40Cの各LCD20を例えばLCD、LCD、LCDとし、時分割した制御の1周期分の時間tを、例えばt=1/180sとし、第1周期ではLCD、LCD、LCDをそれぞれオン(点灯)、オフ(消灯)、オフとし、第2周期ではそれぞれオフ、オン、オフとし、第3周期ではそれぞれオフ、オフ、オンとし、第1周期から第3周期までを順次繰り返す制御を行うLCD点灯制御手段(図示せず)を設けることが挙げられる。これによれば、平行光束A、B、Cは、出射周期が重なり合うことがなく、したがって、互いに異なる複数の要素画像からの視差光束が同じ視域に同時に入り込むことがなくなり、視差数と視野角が拡張された立体映像を見ることができる。
なお、図8の立体映像液晶表示装置において、レンチキュラーレンズ4に代えて、フライアイレンズ(図示せず)を採用してもよい。フライアイレンズとはマイクロレンズアレイのことであり、複数のマイクロレンズを水平方向(X方向)と垂直方向(Y方向)の2方向に配列した形態を有する。前述のとおり水平方向とは液晶画面の横方向であり、垂直方向とは液晶画面の縦方向である。フライアイレンズを採用した形態では、垂直方向の視差数分の視差画像を表示する画素を設けることにより、視線の水平方向移動に応じた視差画像の変化に加え、視線の垂直方向移動に応じた視差画像の変化をも与えることができ、より立体感に富む立体映像の表示が可能となる。
第7の発明に係る立体映像液晶表示装置を、第5の実施形態(図5)に則って、作製し、本発明例とした。本発明例において、液晶表示パネルの表示画面サイズは、縦12.45[cm]×横22.10[cm]とした。平行光束出射手段は、図2の形態とし、前記表示画面の背面全域が前記平行光束出射手段からの平行光束で照射されるように平行光束出射手段の具体的構成条件を調整した。
レンチキュラーレンズピッチ長さpは、p=1.28[mm]とし、要素画像の視差数Nは、N=8とし、画素の個々の配置領域の水平方向長さLは、L=p/N=0.16[mm]とした。また、レンチキュラーレンズの焦点距離fおよび厚さdは、f=d=1.2[mm]とした。
また、レンチキュラーレンズの平坦側に密着させて配置した表面形状拡散フィルムとしては、ヘーズ率=27.7%、フィルム厚さ=0.25[mm]の表面形状拡散フィルムを用いた。
本発明例によりサンプル画像を表示し観察したところ、正面から左右方向への視線移動または視線傾斜に応じて、視差画像が滑らかに変化し、ボケのない自然な感じの立体映像を見ることができた。
一方、本発明例において、平行光束出射手段に代えて従来の直下型バックライト装置を配置し、それ以外は本発明例と同様とした比較例では、正面から左右方向への視線移動または視線傾斜に応じて、視点が正面から離れるほど、異なる要素画像からの視差画像同士の重なりが大きくなり、立体映像がボケのある見づらいものとなった。
1 平行光束出射手段
2 液晶表示パネル
3 画素(各要素画像の視差数分の画素)
4 レンチキュラーレンズ
5 シリンドリカルレンズ
6 焦点面
10 表面形状拡散フィルム
20、20A LED(発光ダイオード)
21、21A 光整形ロッド
22、22A 投射レンズ
23 凹面反射ミラー
23S 接平面
24 プリズム反射板
26、26A 平面ミラー
30 第1の光学系
30A 第2の光学系
40A、40B、40C 投光ユニット
50 直下型バックライト装置(従来に係る)
52 液晶表示パネル(従来に係る)
53 画素(従来に係る)
54 レンチキュラーレンズ(従来に係る)
55、55a、55b シリンドリカルレンズ(従来に係る)

Claims (8)

  1. 輝度が均一で、方向が揃った平行光束を出射する平行光束出射手段と、
    液晶表示パネルと、
    レンチキュラーレンズと
    を備えたことを特徴とする立体映像液晶表示装置。
  2. 前記液晶表示パネルは、各要素画像の視差数分の画素を具備し、
    前記レンチキュラーレンズは、前記液晶表示パネルの各要素画像の視差数分の画素の個数である各要素画像の視差数Nおよび前記画素の個々の配置領域の水平方向長さLに対し、
    p=L×N
    を満たすレンチキュラーレンズピッチ長さpを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体映像液晶表示装置。
  3. 前記平行光束出射手段と、前記液晶表示パネルと、前記レンチキュラーレンズとをこの順に備え、
    前記液晶表示パネルは、前記平行光束出射手段から出射された平行光束をバックライトとして入射する偏光板と、該偏光板からの出射光束を入射して強度変調する液晶層とを具備し、
    前記各要素画像の視差数分の画素は、その個々が前記液晶層からの出射光束を入射して色変調を行う色成分RGBサブ画素からなり、色変調した光束を、前記バックライトの入射方向と同じ方向に、前記画素の個々に対応した視差光束として出射し、
    前記レンチキュラーレンズは、前記液晶表示パネルの出射面に配置されており、前記画素の個々から出射される光束である各視差光束を入射し、入射した水平方向位置に対応して、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束に変換して出射する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の立体映像液晶表示装置。
  4. 前記平行光束出射手段と、前記レンチキュラーレンズと、前記液晶表示パネルとをこの順に備え、
    前記レンチキュラーレンズは、前記平行光束出射手段から出射された平行光束をバックライトとして形状側から入射し、入射した水平方向位置に対応して、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束に変換して平坦側から出射し、
    前記液晶表示パネルは、前記レンチキュラーレンズの平坦側の面に配置されており、前記レンチキュラーレンズから出射された、出射する水平方向位置ごとに出射角度が異なる光束を入射する偏光板と、該偏光板からの出射光束を入射して強度変調する液晶層とを具備し、
    前記各要素画像の視差数分の画素は、その個々が前記液晶層からの出射光束を入射して色変調を行う色成分RGBサブ画素からなり、色変調した光束を、前記レンチキュラーレンズからの入射方向と同じ方向に、前記画素の個々に対応した視差光束として出射する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の立体映像液晶表示装置。
  5. 前記レンチキュラーレンズの形状側を前記液晶表示パネルの出射側と対向させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の立体映像液晶表示装置。
  6. 前記レンチキュラーレンズの形状側が入射側となっており、
    前記レンチキュラーレンズの厚さdが当該レンチキュラーレンズの焦点距離f×レンチキュラーレンズの屈折率nと等しいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の立体映像液晶表示装置。
  7. 前記レンチキュラーレンズの平坦側の面に密着したヘーズ率4〜40%の表面形状拡散フィルムを具備したことを特徴とする請求項5または6に記載の立体映像液晶表示装置。
  8. 前記平行光束出射手段が、前記平行光束を複数種類出射することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の立体映像液晶表示装置。
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