JP2019137820A - 缶塗料用樹脂組成物及び缶塗料 - Google Patents

缶塗料用樹脂組成物及び缶塗料 Download PDF

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智亮 前野
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淳一 亀井
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Abstract

【課題】密着性の向上と、最近の缶形状の多様化により、缶内外面に求められる高い意匠性、硬度とを併せ持ち、かつ、扱いやすい塗料粘度となるポリウレタン樹脂を含有する缶塗料用樹脂組成物及び該缶塗料樹脂組成物を用いてなる缶塗料を提供する。【解決手段】本発明の缶塗料用樹脂組成物は、多塩基酸成分(a1)及びポリオール成分(a2)からなるポリエステルポリオール(A)と、ヒドロキシカルボン酸(B)と、ジイソシアネート(C)との反応物であるポリウレタン樹脂を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂を含有する缶塗料用樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いてなる缶塗料に関する。
缶の外部には、その意匠性を向上させるため又は缶材質を腐食から防止するために、塗装が施される。また、缶内面には、内容物の風味、フレーバーを保持し、材質の腐食を防止するために塗装が施される。そのため、缶塗料には、安全性、加工性に加え、耐水性、耐酸性、耐レトルト性、耐熱性等の各種物性が要求される。
また、缶外面塗装としてワニス化塗装が多用されているので、高い加工性と低摩擦力を有しつつも、同時にワニス化塗装に際しては、作業性、塗膜の平滑性の点から最適な塗料粘度として使用できるものが要求されている。
従来、缶塗料用樹脂としては、前記の各種物性に優れるエポキシ樹脂が広く用いられていたが、エポキシ樹脂に含まれるビスフェノールAが内分泌攪乱物質の疑いがあるとされ、ビスフェノールAを含まない缶塗料用樹脂の開発が望まれている。
この対応として、例えば、加工性と耐汚染性に優れ、最近の缶形状の多様化及び缶内容物の多様化により缶内外面に求められる高い意匠性、缶素材の腐食や汚染性に対する高い耐性とを併せ持ち、かつ、ワニス安定性にも優れた缶塗料用ポリエステル樹脂組成物が開示されている。(特許文献1参照)。
しかし、何れの場合にもすべての要求性能を満足するものはなく、一つの性能に重点をおくと、他の性能に欠点を生ずることが避けられず、使用上の制限を受けているのが現状である。さらに、2ピース食飲料缶の分野においては高付加価値化として絞り又はしごき加工性が要求されている。
例えば、特許文献2、特許文献3などのように、硬度と加工性を両立させるべく検討されているが、いずれの場合も充分な効果は得られていない。また、特許文献4においても、テレフタル酸とアルキレングリコールを主成分とした塗料用樹脂組成物が知られているが、同様に絞り加工性が不充分であり、硬度、耐擦り傷性が劣る。特許文献5では、テレフタル酸とプロピレングリコールを主成分としてポリエステルとアミノ樹脂を硬化剤に用いた系で、硬度と加工性の両立を検討しているが、絞り加工性に劣り、加工後の耐沸水性、密着性に劣る問題がある。
特許文献6では、イソフタル酸及びオルソフタル酸と長鎖グリコールを主体とした塗料用樹脂組成物が知られているが、良好な加工性を有するものの被膜強度が不足しているため絞り加工性が不充分であり、硬度、耐汚染性、耐擦り傷性が劣る。また、特許文献7では、テレフタル酸とプロピレングリコールを主成分としたポリエステルを熱可塑系(硬化剤なし)で缶塗料に検討しているが、絞り加工性に劣り、絞り後の耐沸水性も劣る。
以上のように 塗装金属板用ポリエステル樹脂組成物において、加工性の良好な低Tgのポリエステル樹脂は、絞り又はしごき加工時にキズや剥離が発生し、硬度に劣る。一方、高Tgのポリエステル樹脂では絞り又はしごき加工そのものは可能となる場合が多いが、加工後の密着性、耐沸水性に劣り、両者を両立できるものはない。
特開2008−81617号公報 特開昭57−57746号公報 特開昭63−108081号公報 特公昭61−34754号公報 特開平1−245065号公報 特開平7−18169号公報 特開昭56−4664号公報
本発明はこうした問題に鑑み、密着性の向上と、最近の缶形状の多様化により、缶内外面に求められる高い意匠性、硬度とを併せ持ち、かつ、扱いやすい塗料粘度となる缶塗料用ポリウレタン樹脂を含有する缶塗料用樹脂組成物及び該缶塗料樹脂組成物を用いてなる缶塗料を提供することを目的とする。
本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、缶塗料用樹脂組成物として高Tでありながら、ヒドロキシカルボン酸骨格を含有するポリウレタン樹脂を含有することにより、密着性と硬度に優れ、かつ、塗料粘度の良好な樹脂組成物となることを見出し、本課題を解決するに至った。
多塩基酸成分(a1)及びポリオール成分(a2)からなるポリエステルポリオール(A)と、ヒドロキシカルボン酸(B)と、ジイソシアネート(C)との反応物であるポリウレタン樹脂を含む、缶塗料用樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、酸価が1〜15 mgKOH/gである上記のポリウレタン樹脂を含む缶塗料用樹脂組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、水酸基価が5〜50mgKOH/gである上記のポリウレタン樹脂を含む缶塗料用樹脂組成物を提供するものである。
加えて、本発明は、ガラス転移温度が10〜80℃である上記のポリウレタン樹脂を含む缶塗料用樹脂組成物を提供するものである。
加えて、本発明は、数平均分子量が15,000〜60,000である上記のポリウレタン樹脂を含む缶塗料用樹脂組成物を提供するものである。
加えて、本発明は、前記ポリエステルポリオール(A)が、脂肪族ジカルボン酸を10〜30モル%及び芳香族を含む多塩基酸を70〜90モル%含有する多塩基酸成分(a1)と、分岐型ジオール成分を50〜90モル%含有するポリオール成分(a2)とを有する、上記のポリウレタン樹脂を含む缶塗料用樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記缶塗料用樹脂組成物を用いてなる缶塗料を提供するものである。
加えて、本発明は、上記缶塗料において、さらに上記缶塗料用樹脂組成物が硬化剤を含む缶塗料を提供するものである。
加えて、本発明は、上記缶塗料において、さらに上記缶塗料用樹脂組成物がアミノ樹脂を含む缶塗料を提供するものである。
本発明の缶塗料用樹脂組成物は、密着性と硬度の向上を図ることができ、塗装後に缶素材が種々の缶形状に加工を施されても、剥離することなく、また、傷付きが低減できる。さらに、扱いやすい塗料粘度を有するため、塗装時の作業性が良好である。
本発明の缶塗料用樹脂組成物は、多塩基酸成分(a1)及びポリオール成分(a2)からなるポリエステルポリオール(A)、ヒドロキシカルボン酸(B)及びジイソシアネート(C)との反応物であるポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする。
本発明におけるポリウレタン樹脂のポリエステルポリオール(A)の成分は、多塩基酸成分とポリオール成分との反応によって得ることができる。前記多塩基酸成分としては、塗布作業性及び塗膜加工性の点から、脂肪族ジカルボン酸を10〜30モル%及び芳香族を含有する多塩基酸を70〜90モル%含有することが好ましい。脂肪族ジカルボン酸が10モル%未満だと塗料粘度が高く作業性が悪くなり、30モル%を超えると良好な加工性が得られない。また、芳香族を含有する多塩基酸が70モル%未満では良好な加工性、硬度が得られず、90モル%を超えると塗料粘度が高く作業性が悪くなる傾向がある。
本発明における脂肪族酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、テルペン−マレイン酸付加体などの不飽和ジカルボン酸などを挙げることができ、これらの中から1種又はそれ以上を使用できる。衛生面で好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸である。また、これらを1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明における芳香族を含有する多塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等3価以上の多塩基酸が挙げることができ、これらの中から1種、又は2種以上を選択し使用できる。
本発明のポリウレタン樹脂のポリエステルポリオール(A)の成分は、上記多塩基酸とともにポリオール成分を含むが、該ポリオール成分として分岐型ジオールを30〜80モル%の比率で含むことが好ましい。分岐型ジオールが、30モル%未満だと塗料粘度が高く作業性が悪くなり、80モル%を超えると良好な作業性が得られない。
本発明における分岐型ジオールとしては、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、4−プロピル−1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。これらの中から1種、又はそれ以上を選び使用できる。
本発明において上記分岐型ジオールと併用する、側鎖のないジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、等が挙げられる。また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、及び1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカングリコール類等の脂環式グリコール等を使用することもできる。これらの中から1種、又はそれ以上を選び使用できる。
本発明のポリウレタン樹脂の合成に用いるポリエステルポリオールの製造方法は、通常のエステル化反応、すなわち重縮合反応によればよく、反応は常圧、減圧のいずれでもよい。また、分子量の調節は、適宜に減圧状態を調整して行えばよく、さらに、重縮合反応後に無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸の酸無水物による付加反応等の工程を行ってもよい。
本発明におけるヒドロキシカルボン酸(B)としては、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸又は2,2−ジメチロール吉草酸などのα,α−ジメチロールアルカン酸などを上げることができ、これらの中から1種又はそれ以上を使用できる。
本発明で用いるジイソシアネート化合物(C)としては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、またこれらのジイソシアネート化合物の変性体が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール(A)、ヒドロキシカルボン酸(B)及びジイソシアネート(C)を反応させることにより得ることができるが、これらの成分に加えて、鎖伸長剤としてエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ハイドロキノンジエチロールエーテル、2,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子ポリオールを含有させてもよい。ポリウレタン樹脂を製造するときの方法は特に限定されるものではない。反応に際しては、溶媒の存在下、非存在下のいずれでもよく、触媒の存在下、非存在下のいずれでもよく、また、反応温度も原料となるポリエステルポリオール(A)、ヒドロキシカルボン酸(B)及びジイソシアネート(C)の物性、或いは得られるポリウレタン樹脂の性質により適宜任意に調節することができる。反応の際のジイソシアネート添加量は、本発明で使用するポリエステルポリオール(A)及びヒドロキシカルボン酸(B)の分子量や末端官能基の数、或いは所望の物性に応じて変えることができるので、特に限定されるものではないが、通常は反応に係る原料の合計質量に対して0.001〜40質量%、好ましくは0.01〜25質量%、より好ましくは0.01〜10質量%である。40質量%を超えると、ポリエステルポリオール(A)及びヒドロキシカルボン酸(B)によって得られる特性を十分に発揮できない場合がある。また0.001%未満では、得られるポリウレタン樹脂の硬化性が劣るためジイソシアネートと反応する効果が殆どなくなってしまうことがある。
ポリウレタン樹脂の製造において溶媒を使用する場合には、使用できる溶媒として、例えば、水、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミドゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられるが、特に制限はない。
また、ウレタン化触媒を使用する場合、触媒の具体例として、ジブチル錫ジラウレート、テトラメチルブタンジアミン、1,4−ジアザ[2,2,2]ビシクロオクタン、オクタン酸スズ、4−メチルモルホリン、トリエチルアミン等が挙げられるが特に限定されない。また、ウレタン化触媒の使用量も公知のウレタン化反応に準じて使用すればよく、特に限定されない。
ポリウレタン樹脂の製造において、反応温度は使用する前記ポリエステルポリオール(A)や生成するポリウレタン樹脂の種類にも依存する為、特に限定されないが、通常無溶媒下では溶融条件下で行うので、60〜250℃の温度域で反応が行われる。また、溶媒存在下では通常室温〜溶媒の沸点の領域で反応が行われる。
このようにして製造される本発明のポリウレタン樹脂の酸価は、密着性及び耐水性の点から、1〜15KOHmg/gが好ましく、より好ましくは1.5〜5KOHmg/gである。酸価が1KOHmg/g未満だと密着性が悪くなり、15KOHmg/gを超える場合には、耐水性が低下する傾向にある。
また、本発明のポリウレタン樹脂の水酸基価は、加工性及び硬化性の点から、1〜10KOHmg/gが好ましく、より好ましくは2〜5KOHmg/gである。水酸基価が10KOHmg/gを超える場合には、加工性が劣る傾向があり、1KOHmg/gを下回る場合には、十分な硬化性が得られず、耐酸性、耐レトルト性が劣る傾向がある。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、硬度及び塗布作業性の点から、ガラス転移温度が10〜80℃であることが好ましい。ガラス転移温度が10℃未満だと加工性は良好であるものの硬度に劣り、また、耐レトルト性が劣る傾向があり、耐ブロッキング性も問題になる場合がある。また、80℃を超えると塗料粘度が高く作業性が低下したりする場合がある。なお、ここで言うガラス転移温度(Tg)とは示差熱分析(DSC)によって測定したものである。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、塗膜性及び塗料粘度の点から、数平均分子量を15,000〜60,000とすることが好ましい。数平均分子量の下限は塗膜が脆弱化することを考慮し、上限は塗料粘度が高く作業性を考慮したものであり、これらの点から重量平均分子量の下限は18,000以上、上限は30,000以下とするのがより好ましい。なお、ここで言う数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
得られた缶塗料用ポリウレタン樹脂は、溶剤に溶解し、樹脂溶液とする。このポリウレタン樹脂溶液には、通常、ポリイソシアネート化合物等の硬化剤を配合することにより缶塗料として使用される。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、上記ジイソシアネート(C)として例示された化合物等が挙げられる。また、ポリイソシアネートは、脂肪族又は芳香族のモノイソシアネートと併用する形で使用してもよいが、塗膜の硬化性及び硬度の点から、全イソシアネート中でポリイソシアネートが50質量%以上含まれることが好ましい。
上記樹脂溶液に使用する溶剤としては、缶塗料用ポリウレタン樹脂を希釈可能な溶剤であれば何ら制限なく使用できる。例えば、トルエン、キシレン、ソルベッソ#100(エクソン社製)、ソルベッソ#150(エクソン社製)等の芳香族炭化水素系;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、蟻酸エチル、プロピオン酸ブチル、メトキシプロピルアセテート等のエステル系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコール、メトキシプロパノール等のアルコール系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系;ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系;セロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系の各種溶剤が挙げられる。
樹脂溶液の樹脂固形分濃度は通常30〜70質量%程度、好ましくは35〜50質量%である。70質量%を超える場合には高粘度で取り扱いが困難となり、30質量%に満たない場合には塗工したときの膜厚が薄くなりすぎる傾向がある。
さらに、本発明の缶塗料用樹脂組成物にはアミノ樹脂を配合してもよい。アミノ樹脂の配合により、缶塗料としての加工性をさらに向上させることができ、また、得られる塗膜に適切な硬度を付与することができる。アミノ樹脂としては、例えば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等とアルデヒド類との縮合反応物又はその一部もしくは全部がアルコキシ化した樹脂等が挙げられ、市販品としてはサイメル303、サイメル350(三井サイテック株式会社製)、デラミンT−100S(富士化成工業株式会社製)、ユ−バン120(三井化学株式会社製)等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂とアミノ樹脂の配合比は、ポリウレタン樹脂/アミノ樹脂の固形分質量比で、95/5〜50/50程度、好ましくは90/10〜60/40である。ポリウレタン樹脂とアミノ樹脂の配合比が前記範囲を外れる場合には加工性が低下したり、硬度が低下したりする傾向があり好ましくない。
また、本発明の塗料用樹脂組成物には各種の添加剤や顔料を含有することがでる。具体的には、硬化触媒、レベリング剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、酸化チタン等があげられる。塗料用樹脂組成物は前記と同様の溶剤で希釈して混合すればよく、その場合であっても、樹脂溶液中の固形分濃度は、前記と同様に、通常20〜70質量%、好ましくは30〜60質量%とすればよい。
以下に、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例中、部及び%は特記なし限り質量基準である。
<ポリエステルポリオール成分(A)として使用する樹脂の重合例>
(ポリエステルポリオール樹脂(a)の重合例)
温度計、窒素導入管、還流脱水装置及び攪拌装置を備えたフラスコに分岐型ジオールとしてネオペンチルグリコール615.7部と2−メチル1,3−プロパンジオール105.3部、側鎖のないジオールとして1,6−ヘキサンジオール414.2部と1,4−シクロヘキサンジメタノール168.5部、脂肪族酸としてアジピン酸151.7部、芳香族を含有する多塩基酸としてテレフタル酸355.9部とイソフタル酸1207.1部及び触媒としてテトラブチルチタネート0.263部を仕込み、原料が溶融して攪拌できるようになったら攪拌を開始して140℃から240℃まで5時間かけて徐々に昇温させ240℃で1時間保温を続けた。この時に生成する水は系外へ留去した。次に、220℃まで冷却し系内を徐々に減圧していき、1時間かけて30mmHgまで減圧し、220℃にて5時間重縮合反応を行い、酸価0.6、水酸基価57、数平均分子量2,600のポリエステルポリオール樹脂(a)を得た。このようにして得られたポリエステルポリエーテル樹脂(a)の組成、樹脂特性値を下記表1に示す。表1に示す特性値の各測定項目は下記の方法に従った。
(ポリエステルポリオール樹脂(b)の重合例)
ポリエステルポリオール樹脂(a)の重合例と同様にして、ポリエステルポリオール樹脂の構成成分である多塩基酸成分の種類又はその使用量、ジオール成分の種類又はその使用量を表1に示すように変えたポリエステルポリオール樹脂(b)を得た。ポリエステルポリエーテル樹脂(b)の組成、樹脂特性値を表1に示す。各測定項目は、下記に示す方法に従って行った。
(実施例1)
撹拌機、温度計及び窒素導入管を備えたフラスコに、(A)成分として表1に記載したポリエステルポリオール樹脂(a)900.0部、(B)成分としてジメチロールプロピオン酸10.7部、(C)成分としてトリレンジイソシアネート75.1部、溶剤としてトルエン385.7部及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.180部を仕込み、窒素気流下、90℃で16時間反応させてから、トルエン608.7部、メチルエチルケトン852.4部を投入して固形分濃度を35質量%に調整し、ポリウレタン樹脂溶液を得た。この溶液に含まれるポリウレタン樹脂の特性値を下記表2に示す。各測定項目は下記の方法に従った。
(1)GPC;
以下の条件で、数平均分子量をGPC法により、標準ポリスチレン検量線を用いて測定した。
(GPC測定条件)
装置:株式会社日立製作所製L−2350
カラム:日立化成株式会社製ゲルパックGL−A130−S,GL−A150−S,
GL−A160−S
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
(2)ガラス転移温度;
以下の条件で、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度を測定した。
(ガラス転移温度測定条件)
装置:株式会社リガク製示差走査熱量126−30−7計DSC8230
昇温速度:10℃/min
(3)酸価;
ポリエステルポリオール樹脂又はポリウレタン樹脂(固形分又は溶液)を三角フラスコに秤量し、溶剤(イソプロピルアルコール/トルエン=1/2(容量比))約30mlを加えて溶解した。次に指示薬(1%フェノールフタレイン・エチルアルコール溶液)約2〜3滴を加えて0.1mol/l水酸化カリウム溶液(アルコール性)で滴定し、薄紅色が消失した時を終点として、次式により算出した。
酸価(mgKOH/g)=F×V/S
F:0.1mol/l水酸化カリウム溶液の係数(f×5.61)
V:0.1mol/l水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
S:試料採取量(g)
(4)水酸基価;
ポリエステルポリオール樹脂又はポリウレタン樹脂(固形分又は溶液)を三角フラスコに秤量し、アセチル化剤(無水酢酸20gにピリジンを加え100mlとしたもの)5mlを正確に加えて溶解した。約120℃に加熱したホットプレート上で30分間保温した後、純水1.2mlを加えて静かに振り、再度5分間保温した。室温まで冷却後、溶剤(イソプロピルアルコール/トルエン=1/2(容量比))約20mlと指示薬(1%フェノールフタレイン・エチルアルコール溶液)約2〜3滴を加えて0.5mol/l水酸化カリウム溶液(アルコール性)で滴定し、薄紅色が消失しなくなった時を終点とした。本試験に並行して空試験を行い、次式により算出した。
水酸基価(mgKOH/g)=(A−B)×F/S+C
A:空試験の0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
B:本試験の0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
F:0.5mol/l水酸化カリウム溶液の係数(f×28.05)
S:試料の採取量(g)
C:同試料の酸価(mgKOH/g)
以上のようにして得られたポリウレタン樹脂溶液100.0部(固形分)と硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート2.8部を均一に混合し、クリア塗料Aを得た。得られたクリア塗料Aを、厚さ0.5mmのアルミニウム板に塗布し、190℃、10分間焼付を行った。得られた試験片について、塗膜物性として硬度、密着性を調べた。また、ポリウレタン樹脂溶液を含むクリア塗料の粘度を調べた。各測定項目は下記の方法に従った。塗料Aの塗膜物性と塗料粘度の評価結果を下記表2に示す。
(5)硬度;
鋼板の塗面をJIS S−6006に規定された高級鉛筆を用い、JIS K−5400に従って測定し、キズの有無で判断した。
○:H以上。
△:HB〜H。
×:HB以下。
(6)密着性;
試験片の塗膜面が外側に向くように直径8mmのマンドレルを用い折り曲げた後、はぜ折り試験(荷重:4.9N(0.5kgf)、高さ:0.5mm)を行い、塗膜加工部にセロハンテープを貼り付け、これを急速に引き剥がしたときの塗膜状態を目視により判定した。
○:塗膜の80%以上が試験片に残る。
△:塗膜の50〜80%が試験片に残る。
×:塗膜の50%以下が試験片に残る。
(7)粘度;
E型粘度計を用い25℃で測定したポリウレタン樹脂溶液の粘度により判定した。
○:200〜500mPa・s
△:500〜800mPa・s
×:800mPa・s以上
(実施例2〜4)
実施例1と同様にして、表2に示す原料を用いて製造した各ポリウレタン樹脂溶液を有するクリア塗料B、C及びDを得た。クリア塗料B、C及びDに含まれる各ポリウレタン樹脂の特性、及び塗料B、C及びDの塗膜物性と塗料粘度の評価結果を表2に合わせて示す。
Figure 2019137820
Figure 2019137820
表2に示すように、実施例1〜4の缶塗料は、高い硬度と優れた密着性とを併せ持ち、かつ、扱いやすい塗料粘度を有するため、塗布作業性に優れることが分かる。
このように、本発明の缶塗料用樹脂組成物及び該缶塗料樹脂組成物を用いてなる缶塗料は、最近の缶形状の多様化により、缶内外面に求められる高い意匠性と優れた加工性を実現するために適用することができる。また、本発明の缶塗料用樹脂組成物及び缶塗料は、従来の缶を含め、様々な加工性が求められる缶に対しても適用が可能であることから、その有用性が極めて高い。

Claims (8)

  1. 多塩基酸成分(a1)及びポリオール成分(a2)からなるポリエステルポリオール(A)と、ヒドロキシカルボン酸(B)と、ジイソシアネート(C)との反応物であるポリウレタン樹脂を含む、缶塗料用樹脂組成物。
  2. 前記ポリウレタン樹脂の酸価が1〜15KOHmg/gである請求項1に記載の缶塗料用樹脂組成物。
  3. 前記ポリウレタン樹脂の水酸基価が1〜10KOHmg/gである請求項1又は2に記載の缶塗料用樹脂組成物。
  4. 前記ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が10〜80℃である請求項1〜3のいずれか一項に記載の缶塗料用樹脂組成物。
  5. 前記ポリウレタン樹脂の数平均分子量が15,000〜60,000である請求項1〜4のいずれか一項に記載の缶塗料用樹脂組成物。
  6. 前記ポリエステルポリオール(A)が脂肪族ジカルボン酸を10〜30モル%及び芳香族を含む多塩基酸を70〜90モル%含有する多塩基酸成分(a1)と、分岐型ジオール成分を50〜90モル%含有するポリオール成分(a2)とを有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の缶塗料用樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の缶塗料用樹脂組成物を用いてなる缶塗料。
  8. 前記缶塗料用樹脂組成物が、さらに硬化剤を含む請求項7に記載の缶塗料。
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