JP2019137780A - 無灰系清浄分散剤、並びに潤滑油組成物 - Google Patents

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宇賀村 忠慶
Tadayoshi Ukamura
忠慶 宇賀村
和成 安村
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和成 安村
啓子 泉
Keiko Izumi
啓子 泉
洋平 今泉
Yohei IMAIZUMI
洋平 今泉
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Abstract

【課題】高温環境下でも安定な分散性能を維持しつつ、潤滑油に対する十分な溶解性と容易な取扱い性を示し、省燃費性の向上にも寄与する重合体を含有する無灰系清浄分散剤、並びに該無灰系清浄分散剤を用いた潤滑油組成物を提供する。【解決手段】単量体成分として、特定のマレイミド系単量体を必須成分として重合してなる重合体を含有し、該重合体の重量平均分子量(Mw)が20万以下、2000mm/sec時のトラクション係数に対する200mm/sec時のトラクション係数の比が2.50以下、2000mm/sec時のトラクション係数に対する1000mm/sec時のトラクション係数の比が1.15以下である無灰系清浄分散剤。また、潤滑油基油と上記無灰系清浄分散剤を含有する潤滑油組成物。さらには、上記重合体を含む無灰系清浄分散剤の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構造を有する無灰系清浄分散剤、並びにこれを含有する潤滑油組成物に関する。特に、高温環境下でも安定な分散性能を維持しつつ、潤滑油に対する十分な溶解性と容易な取扱い性を示し、省燃費性の向上にも寄与する無灰系清浄分散剤に関する。
近年の地球環境保護対策の一環で、自動車に対する省燃費性や排ガス浄化性能の強化が求められている。これに伴い、自動車の軽量化、エンジンの改良、駆動力の伝達効率の向上等、自動車の各種構成要素の改良と共に、自動車用潤滑油の改善も重要となっている。
自動車用潤滑油には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、その他内燃機関に用いられる内燃機関用や、歯車装置(ギア)用等があり、省燃費性はこれらの用途に共通して要求される性能である。この省燃費性の向上を図るために、低粘度化によって粘性抵抗を低減させることが有効であるが、この低粘度化には限界があることから、更なる省燃費性の向上を実現するためには摩擦係数を更に低減することが必要となる。摩擦係数の低減は、弾性流体潤滑領域における流体摩擦係数であるトラクション係数によって評価する方法が広く行われており、トラクション係数をより低くした潤滑油による省燃費性向上の検討がなされている(特許文献1、2)。
また、内燃機関の排ガス中の窒素酸化物(NOx)及び粒子状排出物(PM)などによる環境汚染対策は近年重要な課題となっており、これらの削減が急務となっているが、NOxの削減策としては、排出ガスの再循環率を高めることや、燃料噴射時期の遅延等によって燃焼ピーク温度を低下させる手法などがある。
しかし、燃焼ピーク温度を低下させると黒煙やPMが増加するため、排出ガスの後処理装置が必須となる。排出ガスの後処理装置にはPMトラップや酸化触媒の活用が検討されているが、これらは一般的にフィルター状の構造をしているため、自動車用潤滑油中の金属分によって堆積物が発生してしまうと、フィルターの目詰まり(閉塞)が発生し問題となる。
従来、内燃機関用潤滑油では清浄分散剤として、金属系と無灰系が併用されており、金属系清浄分散剤としては、一般的にアルカリ金属やアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレート、ホスホネート、及びこれらの過塩基化合物等が用いられているが、前記堆積物を抑制するには潤滑油中の金属分を低減することが必要となるため、清浄性を維持・向上しつつ、金属分も低減可能な無灰系の清浄分散剤の開発が進められている(特許文献3〜7)。
特開2010−90210号公報 特開2011−174000号公報 特開平7−316576号公報 特許第5400612号公報 特許第4212751号公報 特開2006−291042号公報 特表2013−512955号公報
しかしながら、これまでに開発された無灰系清浄分散剤の多くは、高温環境下での酸化劣化の抑制効果や塩基価維持特性が十分とは言えなかった。また、潤滑油基油への溶解性や、分散剤自体の粘度による取扱い性に改善の余地があり、更なる改良が望まれている。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温環境下でも安定な分散性能を維持しつつ、潤滑油に対する十分な溶解性と容易な取扱い性を示し、省燃費性の向上にも寄与する重合体を含有する無灰系清浄分散剤、並びに上記無灰系清浄分散剤を用いた潤滑油組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、主鎖に環構造を有する特定のポリメタクリレート系重合体を含有する無灰系清浄分散剤、さらには潤滑油組成物を見いだし本発明に至った。
すなわち本発明は、単量体成分として、(a)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体(以下、「(a)成分」と称する)を必須成分として重合してなる重合体を含有し、以下の(1)〜(3)を満たす無灰系清浄分散剤である。
(1)重量平均分子量(Mw)が20万以下
(2)下記の方法で測定した2000mm/sec時のトラクション係数に対する200mm/sec時のトラクション係数の比が2.50以下
(3)下記の方法で測定した2000mm/sec時のトラクション係数に対する1000mm/sec時のトラクション係数の比が1.15以下
(トラクション係数測定)
米国石油協会(API)分類におけるグループIII基油(粘度指数122、40℃動粘度19.6mm2/s)99.90質量%と、前記共重合体0.10質量%からなる溶液を、ミニトラクションマシン(PCS Instruments社製:MTM2)にて、荷重30N、滑り率50%、速度10〜3000mm/sec、温度150℃の条件下で測定。
Figure 2019137780
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)またはアリール基である。)
該重合体が、(a)成分に加え、(b)炭素数が6〜40の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート(以下、「(b)成分」と称する)、及び(c)炭素数が1〜5の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート(以下、「(c)成分」と称する)を必須成分として重合してなる重合体であることが好ましい。
上記重合体100質量部に対し、(a)成分由来の単位が5質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
上記重合体100質量部に対し、(b)成分由来の単位が50質量部以上95質量部未満であることが好ましい。
また、本発明は上記無灰系清浄分散剤を含有する潤滑油組成物である。
また、 単量体成分として、(a)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体(以下、「(a)成分」と称する)を必須成分として重合してなる重合体を含有する以下の(1)〜(3)を満たす無灰系清浄分散剤の製造方法でもある。
(1)重量平均分子量(Mw)が20万以下
(2)下記の方法で測定した2000mm/sec時のトラクション係数に対する200mm/sec時のトラクション係数の比が2.50以下
(3)下記の方法で測定した2000mm/sec時のトラクション係数に対する1000mm/sec時のトラクション係数の比が1.15以下
(トラクション係数測定)
米国石油協会(API)分類におけるグループIII基油(粘度指数122、40℃動粘度19.6mm2/s)99.90質量%と、前記共重合体0.10質量%からなる溶液を、ミニトラクションマシン(PCS Instruments社製:MTM2)にて、荷重30N、滑り率50%、速度10〜3000mm/sec、温度150℃の条件下で測定。
Figure 2019137780
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)またはアリール基である。)
さらに、 単量体成分として、(a)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体(以下、「(a)成分」と称する)を必須成分として重合してなり重量平均分子量(Mw)が20万以下である重合体の無灰系清浄分散剤としての使用方法でもある。
Figure 2019137780
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)またはアリール基である。)
本発明の無灰系清浄分散剤を用いることで、従来の潤滑油組成物と比べ耐熱性と高温環境下での分散性が改良でき、省燃費性も向上できる。また、本発明の無灰系清浄分散剤は、より少量の添加量でも効果を発現するため、潤滑油基油に対する十分な溶解性と容易な取り扱い性を維持したまま、各種潤滑油、特にエンジン油(ガソリン用、ディーゼル用など)や駆動系油(ギヤ油)に好適に用いることができる。
トラクション係数測定結果を示す図である。
以下に本発明を詳述する。これ以降の説明において特に記載がない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。また、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。
本発明の無灰系清浄分散剤に含まれる重合体の合成に用いられる単量体成分のうち、(a)成分は、下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体である。
Figure 2019137780
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)またはアリール基である。)
単量体(a)成分の具体例としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−ターシャリブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−ヒドロキシルエチルマレイミド、N−ヒドロキシルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレイミドなどが挙げられる。これらの中でも入手性や経済性の観点および基油への溶解性が高いことから、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミドが好ましいが、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが更に好ましい。なお、上記単量体(a)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
単量体(a)成分の含量は、全単量体成分の合計100質量部に対して、好ましくは2質量部以上50質量部以下、より好ましくは5質量部以上40質量部以下である。上記数値範囲の単量体(a)成分を用いた重合体を含有する無灰系清浄分散剤は、高温環境下でも安定な分散性能を維持することができる。
本発明において使用する単量体(b)成分としては、下記一般式(2)で表される構造を有し、かつ、式中のRが水素原子又はメチル基であり、Rが炭素数6〜40のアルキル基、好ましくは6〜24のアルキル基、特に好ましくは12〜24のアルキル基である(メタ)アクリレート類が挙げられる。また、R は直鎖状、環状、分岐状のいずれであっても良く、置換基を有していても良い。
Figure 2019137780
単量体(b)成分は、R及びRがそれぞれ単一の単量体であってもよく、R及び/又はRが異なる2種以上の単量体の混合物であってもよい。反応性の点から、Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。
単量体(b)成分の具体例としては、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、入手性や経済性の観点および基油への溶解性が高いことから、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、上記単量体(b)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
単量体(b)成分の含量は、全単量体成分の合計100質量部に対して、好ましくは50質量部以上95質量部未満、より好ましくは50質量部以上93質量部以下、特に好ましくは50質量部以上90質量部以下である。上記数値範囲の単量体(b)成分を用いた重合体を含む無灰系清浄分散剤は、種々の組成の基油への溶解性が良好なものとなる。
単量体(c)成分としては、具体的には、下記一般式(3)で表される構造を有し、かつ、式中のRが水素原子又はメチル基であり、Rが炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基である(メタ)アクリレート類が挙げられる。なお、Rは直鎖状、環状、分岐状のいずれであっても良く、置換基を有していても良い。
Figure 2019137780
単量体(c)成分は、R及びRがそれぞれ単一の単量体であってもよく、R及び/又はRが異なる2種以上の単量体の混合物であってもよい。反応性の点から、Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。また、粘度指数向上の点から、Rは直鎖状または分岐状であることが好ましい。
単量体(c)成分の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、iso−アミル(メタ)アクリレート、t−アミル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、単量体(c)成分として、少なくともメチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。なお、上記単量体(c)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
単量体(c)成分の含量は、全単量体成分の合計100質量部に対して、好ましくは2質量部以上40質量部以下、より好ましくは5質量部以上35質量部以下、特に好ましくは5質量部以上30質量部以下である。単量体(c)成分の含量が上記範囲において、他の成分との相溶性と共重合性が良く、重合速度も良好で重合率も高く生産性が良い。
また、本発明の重合体を合成する単量体成分として、(a)、(b)、(c)成分以外のラジカル重合性単量体(d)を含有することができる。上記単量体(d)は、ラジカル重合性基を同一分子内に1個有する単官能単量体と、ラジカル重合性基を同一分子内に2個以上有する多官能単量体とに分類できる。
単官能単量体の例としては、(b)成分や(c)成分以外のその他の(メタ)アクリレート、不飽和モノまたはジカルボン酸エステル、不飽和カルボン酸類、ビニル芳香族、ビニルエステル、ビニルエーテル、オレフィン類、シアン化ビニル、N−ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの単官能単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(b)成分や(c)成分以外のその他の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルフォリノアルキレン(メタ)アクリレート、α―ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和モノまたはジカルボン酸エステルとしては、例えば、ブチルクロトネート、オクチルクロトネート、ジブチルマレエート、ジラウリルマレエート、ジオクチルフマレート、ジステアリルフマレート、等が挙げられる。
不飽和カルボン酸類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン等のスチレン系単量体、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、オクチル酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、等が挙げられる。
オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−テトラデセン、1−オクタデセン、ジイソブテン等が挙げられる。
シアン化ビニルとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
N−ビニル化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
これらの単官能単量体のうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、α―ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリンが好ましい。
必須成分である(a)、(b)、(c)成分以外のラジカル重合性単量体(d)に含まれる単官能単量体由来の単位は、重合体100質量部に対し0質量部以上30質量部以下であり、好ましくは0質量部以上25質量部以下であり、さらに好ましくは0質量部以上20質量部以下である。
多官能単量体の例としては、多官能(メタ)アクリレート、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート、アリル基含有(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリル系化合物、多官能マレイミド系化合物、多官能ビニルエーテル、多官能アリル系化合物、多官能芳香族ビニルなどが挙げられる。なお、上記多官能単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2,2’−〔オキシビス(メチレン)〕ビスアクリル酸、ジアルキル−2,2’−〔オキシビス(メチレン)〕ビス−2−プロペノエートなどが挙げられる。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルなどが挙げられる。
アリル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アリル、α―アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−デシルテトラデシルなどが挙げられる。
多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレートとしては、例えば、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの多官能イソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとの反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能マレイミド系化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンなどが挙げられる。
多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどが挙げられる。
多官能アリル系化合物としては、例えば、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテルなどの多官能アリルエーテル;トリアリルイソシアヌレートなどの多官能アリル基含有イソシアヌレート;フタル酸ジアリル、ジフェン酸ジアリルなどの多官能アリルエステル;ビスアリルナジイミド化合物など;ビスアリルナジイミド化合物などが挙げられる。
多官能芳香族ビニルとしては、例えば、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
必須成分である(a)、(b)、(c)成分以外のラジカル重合性単量体(d)に含まれる多官能単量体由来の単位は、重合体100質量部に対し0質量部以上5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0質量部以上3質量部以下であり、さらに好ましくは0質量部以上2質量部以下である。
多官能単量体由来の単位が上記範囲を超えると、重合時にゲル化が進行したり、該重合体を含有する無灰系清浄分散剤の基油への溶解度が低下したりする場合がある。
上記単量体成分の重合方法は、たとえば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などいずれでもよいが、特に限定はされない。分散媒、乳化剤、分散剤等を使用する場合は、特に制限がなく公知のものが使用できる。
本発明の無灰系清浄分散剤に含まれる重合体の重量平均分子量(Mw)は20万以下が好ましい。より好ましくは0.5万以上15万以下である。さらに好ましくは1万以上10万以下である。特に好ましくは1万5千以上10万以下である。最も好ましくは1万8千以上10万以下である。顕著な効果を奏するのは1万8千以上5万以下である。重合体の重量平均分子量が上記下限値に満たない場合は、所望の耐熱性と分散性能が得られない場合がある。重合体の重量平均分子量が過度に大きい場合は、無灰系清浄分散剤の基油への溶解性が不足する場合や、増粘により取扱い性が悪化する場合がある。
分子量の制御方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、重合開始剤・重合触媒の量や種類、重合温度、連鎖移動剤の種類や量の調整などにより制御できる。
分子量分布を制御する方法としてはLiving Radical Polymerizationも使用できる。具体的な方法としては、RAFT法やNMP法、ATRP法などが有名である。詳細については、Aldrich Material Matters Volume5,Number1,2010に概説されている。使用例としては、例えばRAFT法の場合、特開2012−197399号において、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル、重合触媒として、ジチオ安息香酸クミルが用いられている。
上記単量体成分を重合する際の重合温度としては、重合機構、使用する単量体の種類や量、重合開始剤・重合触媒の種類や量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、0℃以上200℃以下が好ましく、25℃〜150℃が特に好ましい。重合温度が0℃未満であると、重合反応が非常に遅くなり、200℃を超えると反応が激しく制御が困難となるため、いずれも好ましくない。
本発明の無灰系清浄分散剤は、米国石油協会(API)分類におけるグループIII基油(粘度指数122、40℃動粘度19.6mm2/s)99.90質量%と、特定のマレイミド系単量体を必須成分として重合してなる共重合体0.10質量%からなる溶液を、ミニトラクションマシン(PCS Instruments社製:MTM2)にて、荷重30N、滑り率50%、速度10〜3000mm/sec、温度150℃の条件下で測定した2000mm/sec時のトラクション係数に対する200mm/sec時のトラクション係数の比が2.50以下、2000mm/sec時のトラクション係数に対する1000mm/sec時のトラクション係数の比が1.15以下となるものである。共重合体の基油溶液がこのようなトラクション係数を有していれば、無灰系清浄分散剤を添加した際の省燃費性が向上する。
前記2000mm/sec時のトラクション係数に対する200mm/sec時のトラクション係数の比は、好ましくは2.45以下であり、より好ましくは2.40以下である。
前記2000mm/sec時のトラクション係数に対する1000mm/sec時のトラクション係数の比は、好ましくは1.12以下であり、より好ましくは1.10以下である。それぞれのトラクション係数の比の下限は特に限定されず、例えば1.01以上であれば良い。
本発明の無灰系清浄分散剤に含まれる重合体の無灰系清浄分散剤中の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で特に限定されないが、無灰系清浄分散剤100質量部に対して上記重合体50質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましく、90質量部以上が特に好ましく、95質量部以上が最も好ましい。
重合に使用する溶媒としては、重合反応に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、重合機構、使用する単量体の種類や量、重合開始剤・重合触媒の種類や量等の重合条件に応じて適宜設定すればよいが、重合体の溶解度を確保する観点、および重合後に基油への溶媒置換が容易である観点から、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランが好ましい。また、潤滑油基油も溶媒として好適に用いることができる。この場合、重合後の溶媒置換が不要となり、プロセスが簡略化されるため、より好ましい。これら溶媒は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。溶媒の使用量は特に制限はないが、単量体成分、重合開始剤、その他の成分の合計量の濃度が、全体の20質量%以上100質量%以下となる程度が好ましい。
前記潤滑油基油としては、鉱油系基油又は合成系基油を好適に挙げることができる。鉱油系基油の好ましい具体例としては、以下に示す油(1)〜(7)を原料とし、この原料油および/またはこの原料油から回収された潤滑油留分を、所定の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる基油を挙げることができる。得られる潤滑油添加剤の品質を高めることが容易な点を考慮すると、潤滑油基油としては、(1)〜(7)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分について所定の処理を行うことにより得られる下記基油(8)または(9)が好ましく用いられる。
(1)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留による留出油(WVGO)
(2)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス(スラックワックス等)および/またはガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等)
(3)基油(1)〜(2)から選ばれる1種または2種以上の混合油および/または当該混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油
(4)基油(1)〜(3)から選ばれる2種以上の混合油
(5)基油(1)〜(4)のいずれかの脱れき油(DAO)
(6)基油(5)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(7)基油(1)〜(6)から選ばれる2種以上の混合油
(8)上記基油(1)〜(7)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留
分を水素化分解し、その生成物またはその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分
について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または当該脱ろう処理をした
後に蒸留することによって得られる水素化分解鉱油。
(9)上記基油(1)〜(7)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留
分を水素化異性化し、その生成物またはその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留
分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または、当該脱ろう処理を
したあとに蒸留することによって得られる水素化異性化鉱油。
また、合成系基油としては、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられ、中でも、ポリα−オレフィンが好ましい。ポリα−オレフィンとしては、典型的には、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー(1−オクテンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)及びそれらの水素化物が挙げられる。合成系基油の100℃における動粘度は、1〜20mm/sであることが好ましい。
無灰系清浄分散剤の分解開始温度は、220℃以上500℃以下であることが好ましく、より好ましくは240℃以上450℃以下であり、さらに好ましくは260℃以上400℃以下であり、特に好ましくは280℃以上380℃以下である。耐熱性の向上により高温環境下での分散性能が良好なものとなる。一方で過度に耐熱性を向上させた場合は、基油への溶解性が不足する傾向がある。
本発明は、上記本発明の無灰系清浄分散剤を含む、潤滑油組成物でもある。本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油と、上述した本発明の無灰系清浄分散剤を必須成分として含有する。さらに好ましくは流動点降下剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、泡消剤及び摩擦調整剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有することが好ましい。
本実施形態に係る潤滑油基油としては、上述した重合体の反応溶媒として述べた基油(1)〜(7)から選ばれる基油又は当該基油から回収された潤滑油留分について上述の処理を行うことにより得られる基油(8)または(9)が特に好ましい。
また、本実施形態に係る潤滑油基油として上述の合成系基油を用いても良い。
本実施形態に係る潤滑油基油の粘度指数は、100以上であることが好ましく、より好ましくは120〜160である。粘度指数が上記の下限値未満であると、粘度−温度特性及び熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化するだけでなく、摩擦係数が上昇する傾向にあり、また、摩耗防止性が低下する傾向にある。また、粘度指数が上記の上限値を超えると、低温粘度特性が低下する傾向にある。
なお、本発明でいう粘度指数とは、JIS K 2283に準拠して測定された粘度指数を意味する。
本実施形態に係る潤滑油組成物においては、上記本実施形態に係る潤滑油基油を単独で用いてもよく、また、本実施形態に係る潤滑油基油を他の基油の1種又は2種以上と併用してもよい。なお、本実施形態に係る潤滑油基油と他の基油とを併用する場合、それらの混合基油中に占める上記潤滑油基油(8)の割合は、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
本実施形態に係る潤滑油組成物において、上述した本発明の無灰系清浄分散剤の含有量は、潤滑油組成物の全量を基準として、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上2質量%以下である。
流動点降下剤としては、潤滑油に用いられる任意の流動点降下剤が使用できる。例えば、ポリメタクリレート類、ナフタレン−塩素化パラフィン縮合生成物、フェノール−塩素化パラフィン縮合生成物などが挙げられる。これらの中ではポリメタクリレート類の添加が好ましい。
摩耗防止剤(又は極圧剤)としては、潤滑油に用いられる任意の摩耗防止剤・極圧剤が使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の極圧剤等が使用でき、具体的には、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、MoDTC、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等が挙げられる。これらの中では硫黄系極圧剤の添加が好ましく、特に硫化油脂が好ましい。
粘度指数向上剤としては、潤滑油に用いられる任意の粘度指数向上剤が使用できる。具体的には非分散型又は分散型エステル基含有粘度指数向上剤であり、例として非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤、非分散型又は分散型オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体系粘度指数向上剤、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系粘度指数向上剤及びこれらの混合物等が挙げられ、これらの中でも非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤であることが好ましい。特に非分散型又は分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤であることが好ましい。その他に、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体及びポリアルキルスチレン等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。具体的には、例えば、フェノール系無灰酸化防止剤としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等が、アミン系無灰酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、又はイミダゾール系化合物等が挙げられる。
泡消剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000〜10万mm/sのシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられる。
摩擦調整剤としては、モリブデンジチオカーバメートやモリブデンジチオフォスフェートなどのコハク酸イミドモリブデン錯体や有機モリブデン酸のアミン塩等の有機モリブデン化合物のほか、基本構造として炭素数8以上30以下の直鎖アルキルと金属に吸着できる極性基を同じ分子内にもつ構造のものが挙げられる。極性基としては、アミンやポリアミン、アミドや、これらを同時に分子内に持つ、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、ウレア系化合物、ヒドラジド系化合物等尿素やアルケニルコハク酸イミドタイプ、エステル、アルコールやジオール、あるいはエステルと水酸基を同時にもつ、例えばモノアルキルグリセリンエステルなどが挙げられる。そのほかアミンと水酸基とを同じ分子内に持つ、たとえばアルキルアミンアフコシキアルコール等など様々である。
本実施形態に係る潤滑油組成物が流動点降下剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、泡消剤及び摩擦調整剤の1種又は2種以上を含有する場合、それぞれの含有量は、潤滑油組成物の全量を基準として、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。また、本実施形態に係る潤滑油組成物が消泡剤を含有する場合、その含有量は、好ましくは0.0001質量%以上0.01質量%以下である。
また、本実施形態に係る潤滑油組成物は、上記の成分に加えて、本発明の重合体以外の無灰系清浄分散剤、金属系清浄分散剤、抗乳化剤、金属不活性化剤等をさらに含有することができる。
金属系清浄分散剤としては、アルカリ金属/アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属/アルカリ土類金属フェネート、及びアルカリ金属/アルカリ土類金属サリシレート等の正塩又は塩基性塩を挙げることができる。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられるが、マグネシウム又はカルシウムが好ましく、特にカルシウムがより好ましい。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、又はβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の%および部は質量%および質量部を表す。
(重量平均分子量)
−装置:東ソー社製GPCシステム HLC−8320GPC ECOSEC
−カラム:東ソー社製、TSKgel GMHXL 2本
−展開溶媒:テトラヒドロフラン
−展開溶媒の流量:1.0ml/分
−標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー社製、PS−オリゴマーキット)
−カラム温度:40℃
−サンプル濃度:0.5%
−注入量:200μl

(分解開始温度)
−装置:差動型示差熱天秤(ThermoPlus2 TG−8120、ダイナミックTG、リガク社製)
−測定条件:試料量10mg
−昇温速度:10℃/分
−雰囲気:窒素フロー200ml/分
−制御法:階段状等温制御法(150℃から500℃までの範囲内における質量減少速度値0.005%/秒以下に制御)

(基油溶解性)
重合体濃度が30質量%の基油溶液について、以下の基準に従い、○または×の判定を行った。
○:25℃において、目視で完全に溶解し溶液が透明となる。
×:25℃において、目視で溶け残りが確認される、または溶液が白濁する。

(分散性評価)
潤滑油が高温に曝され酸化して生成した酸化劣化物のカーボンかすや、有機物の不完全燃焼下で生成される化合物のモデル物質として、カーボンブラックを代用し、分散性評価を実施した。50mlのガラス瓶にカーボンブラック(アセチレンカーボンブラック、STREM CHEMICALS製)0.1g、実施例及び比較例の重合体0.02g、基油20.0gを加え分散試験試料とした。分散試料はスターラーチップを用いて、750rpmにて4時間撹拌し、常温で7日間静置後、カーボンブラックの沈降の有無について、以下の評価基準に基づき目視評価を行った。
◎:沈降物なし(溶液が均一であり、分散性が大変良好である)
○:沈降物ごく微量にあり(分散性が良好である)
△:沈降物あり(分散性がやや不良である)
×:沈降物が多い(溶液が不均一又は分離しており、分散性が不良である)

(トラクション係数測定)
米国石油協会(API)分類におけるグループIII基油(粘度指数122、40℃動粘度19.6mm2/s)99.90質量%と、前記共重合体0.10質量%からなる溶液を、ミニトラクションマシン(PCS Instruments社製:MTM2)にて、荷重30N、滑り率50%、速度10〜3000mm/sec、温度150℃の条件下で測定した。
測定後、2000mm/sec時、1000mm/sec時、200mm/sec時のトラクション係数を上記測定結果から読み取り、2000mm/sec時のトラクション係数に対する200mm/sec時のトラクション係数の比、及び2000mm/sec時のトラクション係数に対する1000mm/sec時のトラクション係数の比をそれぞれ算出した。

(比較例1)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管、および滴下ロートを備えた反応容器に、メチルメタクリレート(MMA)20部、ステアリルメタクリレート(SMA)30部、トルエン46.7部、酸化防止剤(アデカスタブ2112、ADEKA製)0.05部、n−ドデシルメルカプタン(DM)0.75部を仕込み、これに窒素ガスを導入しつつ内容物を85℃まで昇温させた。重合開始剤として0.25部の2、2−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)( V−65、和光純薬製)とトルエン2.25部を混合した溶液を添加するとともに、前記重合開始剤0.25部、DM0.75部、MMA20部、SMA30部、及びトルエン50部の混合溶液を4時間かけて滴下しながら溶液重合を進行させ、さらに2時間の熟成を行った。
熟成後、トルエン2.3部に溶解させた前記重合開始剤0.3部を反応容器に加え、更に3時間反応させた。
得られた重合液を真空下で150℃1時間加熱し、トルエンを除去することで重合体1を得た。
(実施例1)
初期仕込みのMMA20部を、MMA17.5部及びベンジルマレイミド(BzMI)2.5部に、滴下のMMA20部を、MMA17.5部及びBzMI2.5部に変更した以外は比較例1と同様の操作を行い、重合体2を得た。
それぞれの評価結果を表1、トラクション係数測定結果を図1に示す。
マレイミド系単量体を必須成分として重合して得られる重合体を用いることで、耐熱性と基油溶解性を兼ね備え、省燃費性の向上に効果のあるトラクション係数も低い分散性良好な無灰系清浄分散剤が得られた。
Figure 2019137780
本発明の重合体を含有する無灰系清浄分散剤を使用した潤滑油組成物は、従来の潤滑油組成物に比べて、耐熱性と高温環境下での分散性能が改良でき、省燃費性も向上できる。また、より少量の添加量で効果を発現するため、潤滑油基油に対する十分な溶解性と容易な取り扱い性を維持したまま、エンジン油、駆動系潤滑油、作動油に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 単量体成分として、(a)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体(以下、「(a)成分」と称する)を必須成分として重合してなる重合体を含有し、以下の(1)〜(3)を満たす無灰系清浄分散剤。
    (1)重量平均分子量(Mw)が20万以下
    (2)下記の方法で測定した2000mm/sec時のトラクション係数に対する200mm/sec時のトラクション係数の比が2.50以下
    (3)下記の方法で測定した2000mm/sec時のトラクション係数に対する1000mm/sec時のトラクション係数の比が1.15以下
    (トラクション係数測定)
    米国石油協会(API)分類におけるグループIII基油(粘度指数122、40℃動粘度19.6mm2/s)99.90質量%と、前記共重合体0.10質量%からなる溶液を、ミニトラクションマシン(PCS Instruments社製:MTM2)にて、荷重30N、滑り率50%、速度10〜3000mm/sec、温度150℃の条件下で測定。

    Figure 2019137780
    (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)またはアリール基である。)
  2. 前記重合体が、(a)成分に加え、(b)炭素数が6〜40の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート(以下、「(b)成分」と称する)、及び(c)炭素数が1〜5の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート(以下、「(c)成分」と称する)を必須成分として重合してなる重合体である請求項1に記載の無灰系清浄分散剤。
  3. 前記重合体100質量部に対し、(a)成分由来の単位が5質量部以上50質量部以下である請求項1または2に記載の無灰系清浄分散剤。
  4. 前記重合体100質量部に対し、(b)成分由来の単位が50質量部以上95質量部未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の無灰系清浄分散剤。
  5. 潤滑油基油と、請求項1〜4のいずれかに記載の無灰系清浄分散剤を含有する潤滑油組成物。
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