JP2019137665A - プロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素を酸化剤として用いて、プロピレンからプロピレンオキサイドを効率良く製造することが可能な、プロピレンオキサイドの製造方法を提供すること。【解決手段】分子状酸素及びプロピレンを含有する混合ガスを固体触媒に接触させて、プロピレンを酸化する酸化工程を備え、固体触媒が、担体と、当該担体に担持された担持金属と、を含み、担体が、Al及びSiからなる群より選択される少なくとも一種の無機元素を有する無機酸化物を含有し、担持金属が、第11属金属元素を含有する、プロピレンオキサイドの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、プロピレンオキサイドの製造方法に関する。
プロピレンオキサイドは、ポリウレタンをはじめとする各種化成品の原料として工業的に重要である。プロピレンオキサイドの工業的な製法として、いくつかのプロセスが知られている。
例えば、プロピレンオキサイドの製法として、イソブタン又はエチルベンゼンを酸素と反応させて得られたハイドロパーオキサイドでプロピレンを酸化する方法がある。しかし、この方法では、イソブタン又はエチルベンゼンを用いるため、イソブテン又はスチレンが多量に併産される。そのため、プロピレンオキサイドの市況が良くても、併産物の市況が悪い場合はプロセス全体として得られる製品価値が低くなってしまうという課題がある。また、多段階の反応を行っているため、設備コストが高くなるという課題も有している。
また、プロピレンに塩素及び水を反応させた後、生成したクロルヒドリンをアルカリで処理する方法もあるが、この方法もプロピレンと同じ量論量のアルカリ塩が副生する上に、多段階の反応を行っている。
1段階でプロピレンオキサイドを製造できる方法としては、過酸化水素でプロピレンを酸化する方法がある。この方法は、副産物がなく最終製品であるプロピレンオキサイドと水しか発生しないという利点はあるが、過酸化水素という比較的高価な酸化剤を使用しなければならないという課題を有している。
このような背景から、酸素のみを酸化剤として用い、1段階の反応でプロピレンオキサイドを製造できる方法が望まれている。例えば、特許文献1には、ホウ素とリンとを含有する触媒を用いて、脂肪族飽和炭化水素を酸素存在下で部分酸化する方法が開示されているが、この方法ではプロピオンアルデヒド等が生成し、プロピレンオキサイドは得られていない。
本発明は、酸素を酸化剤として用いて、プロピレンからプロピレンオキサイドを効率良く製造することが可能な、プロピレンオキサイドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、分子状酸素及びプロピレンを含有する混合ガスを特定の触媒に接触させて、プロピレンを酸化させることで、プロピレンオキサイドを効率良く得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の一側面は、分子状酸素及びプロピレンを含有する混合ガスを固体触媒に接触させて、上記プロピレンを酸化する酸化工程を備える、プロピレンオキサイドの製造方法に関する。この製造方法において、上記固体触媒は、担体と、当該担体に担持された担持金属と、を含む。また、上記担体は、Al及びSiからなる群より選択される少なくとも一種の無機元素を有する無機酸化物を含有し、上記担持金属は、第11属金属元素を含有する。
一態様において、上記担体はMFI型ゼオライトを含有していてよく、このとき、上記MFI型ゼオライトのシリカアルミナ比(SiO2/Al2O3)は100未満であってよい。
一態様において、上記第11属金属元素はAgを含んでいてよい。
一態様に係る製造方法は、還元剤を含有する還元ガスを固体触媒に接触させて、上記固体触媒を還元処理する還元工程を更に備えていてよく、このとき、上記酸化工程は、上記混合ガスを、上記還元工程で還元処理された上記固体触媒に接触させる工程であってよい。
一態様において、上記還元剤は、プロピレンを含んでいてよい。
本発明によれば、酸素を酸化剤として用いて、プロピレンからプロピレンオキサイドを効率良く製造することが可能な、プロピレンオキサイドの製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロピレンオキサイドの製造方法は、分子状酸素及びプロピレンを含有する混合ガスを固体触媒に接触させて、プロピレンを酸化する工程(以下、酸化工程ともいう。)を備える。
本実施形態において、固体触媒は、担体と当該担体に担持された担持金属とを含む触媒である。また、担体は、Al及びSiからなる群より選択される少なくとも一種の無機元素を有する無機酸化物を含有する担体である。また、固体触媒は、担持金属として、第11属金属元素を含有している。ここで、第11属金属元素とは、IUPAC(国際純正応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表における周期表第11族に属する金属元素を意味する。
本実施形態に係る製造方法は、高価な酸化剤を使用することなく、プロピレンからプロピレンオキサイドを効率良く製造することができる。
本実施形態に係る製造方法で用いる固体触媒について、以下に詳述する。
固体触媒は、Al及びSiからなる群より選択される少なくとも一種の無機元素を有する無機酸化物を含有する担体と、第11属金属元素を含有する担持金属と、を含む触媒である。
担体は、Al及び/又はSiを無機酸化物として含む担体ということもできる。担体が含有する無機酸化物は、シリカ、アルミナ、又はこれらの複合酸化物(シリカ−アルミナ、ゼオライト等)であってよく、これらのうち、ゼオライトが特に好ましい。
ゼオライトと総称される結晶性アルミノケイ酸塩は、一つの結晶内に分子サイズの微空間(ナノスペース)を有している。また、ゼオライトは、その結晶構造により分類され、LTA(A型)、MFI(ZSM−5型)、MOR、BEA、FER、FAU(X型、Y型)、SAPO、ALPOといった数多くの種類のゼオライトが存在する。固体触媒は、これらのうちいずれか一種のゼオライトを含むものであってよく、二種以上のゼオライトを含むものであってよい。
担体が含有する無機酸化物のシリカアルミナ比は特に限定されない。ここで、シリカアルミナ比とは、バインダーなどの結合剤を除いた、担体を構成する無機酸化物における、SiO2のモル数([SiO2])とAl2O3のモル数([Al2O3])との比([SiO2]/[Al2O3])である。
無機酸化物のシリカアルミナ比は、例えば500未満であってよく、300以下であることが好ましく、100未満であることがより好ましい。また、無機酸化物のシリカアルミナ比は例えば5以上であってよく、10以上であることが好ましい。このようなシリカアルミナ比であると、プロピレンの酸化反応に適切な酸量が得られやすくなり、副反応を抑制しつつより高い反応性が得られる傾向がある。
担体の比表面積は、例えば30m2/g以上であってよく、50m2/g以上であることが好ましい。これにより、プロピレンの転化率がより向上する傾向がある。また、担体の比表面積は、例えば1000m2/g以下であってよく、500m2/g以下であることが好ましい。このような比表面積を有することで、工業的に好適に利用可能な十分な強度が得られやすくなる。なお、担体の比表面積は、窒素吸着法を用いたBET比表面積計で測定される。
担体の調製方法は特に制限されず、例えば、ゾルゲル法、共沈法、水熱合成法、含浸法、固相合成法等であってよい。
固体触媒は、担持金属として、第11属金属元素を含有している。第11族金属元素としては、例えば、銀(Ag)及び銅(Cu)が挙げられ、これらのうち、特にAgが好ましい。
第11族金属元素の担持方法は特に限定されず、例えば、含浸法、沈着法、共沈法、混練法、イオン交換法、ポアフィリング法等であってよい。
第11族金属元素の含有量は、特に限定されない。イオン交換法で担持する場合、担体のイオン交換サイトを可能な限り第11族金属元素で置換することが望ましい。
第11族金属元素の供給源としては、例えば、第11族金属元素を含む塩又は錯体が用いられる。第11族金属元素を含む塩は、例えば、無機塩、有機酸塩、又はこれらの水和物であってよい。無機塩は、例えば、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、リン酸塩、炭酸塩等であってよい。有機塩は、例えば、酢酸塩、しゅう酸塩等であってよい。第11族金属元素を含む錯体は、例えば、アルコキシド錯体、アンミン錯体等であってよい。
固体触媒は、成形性を向上させる観点から、成形助剤を更に含有していてもよい。成形助剤は、例えば、増粘剤、界面活性剤、保水材、可塑剤、バインダー原料等であってよい。
固体触媒の形状は特に限定されず、例えば、ペレット状、顆粒状、ハニカム状、スポンジ状等の形状であってよい。
固体触媒は、酸化工程に供する前に、還元処理を行うことが好ましい。すなわち、本実施形態に係る製造方法は、還元剤を含有する還元ガスを固体触媒に接触させて、固体触媒を還元処理する還元工程を更に備えていてよい。還元工程を実施した場合、酸化工程では、還元工程で還元処理された固体触媒が用いられる。
還元処理の条件は特に限定されないが、例えば、処理温度は、200〜500℃であってよく、好ましくは200〜450℃である。また、処理時間は、例えば0.05〜24時間であってよい。
還元ガスに含有される還元剤としては、例えば、水素、一酸化炭素、オレフィン類(例えばプロピレン)等を用いることができる。還元剤としては、還元後にそのまま酸化反応に移行できる観点からは、プロピレンがましい。
次いで、本実施形態に係る製造方法における酸化工程について詳述する。
酸化工程は、固体触媒に、酸素(分子状酸素)及びプロピレンを含有する混合ガスを接触させて、プロピレンの酸化反応を行い、プロピレンオキサイドを得る工程である。
混合ガスは、分子状酸素及びプロピレンの他に、必要に応じて、窒素、アルゴン、炭酸ガス、アルカン類等の不活性ガスを更に含有していてもよい。
混合ガスにおけるプロピレンの分圧は、1kPa以上であってよく、好ましくは3kPa以上である。また、混合ガスにおけるプロピレンの分圧は、500kPa以下であってよく、好ましくは300kPa以下である。
混合ガス中の酸素は、酸素ガスから供給されたものであってよく、空気等の酸素を含む混合気体から供給されたものであってもよい。
混合ガスにおいて、プロピレンに対する酸素のモル比は、0.1以上であってよく、0.5以上であってもよい。これにより、プロピレンの酸化反応がより顕著に進行する傾向がある。また、プロピレンに対する酸素のモル比は、10以下であってよく、3以下であってもよい。これにより、燃焼反応によるCO2生成量が抑制され、プロピレンオキサイドの選択率が向上する傾向がある。なお、プロピレンに対する酸素のモル比は、プロピレンの濃度C2(mol/L)に対する酸素濃度C1(mol/L)の比C1/C2ということもできる。
混合ガスにおける酸素の分圧は、1kPa以上であってよく、好ましくは3kPa以上である。また、酸素の分圧は、500kPa以下であってよく、好ましくは300kPa以下である。
混合ガスを触媒に接触させる方法は特に限定されないが、例えば、触媒を備えた反応器に混合ガスを供給し、反応器内で混合ガスと触媒とを接触させる方法が挙げられる。このとき、混合ガスの各成分は予め混合されて反応器に供給されてよく、別々に供給されて反応器内で混合されてもよい。
反応器としては、固体触媒による気相反応に用いられる種々の反応器を用いることができる。反応器としては、例えば、固定床断熱型反応器、ラジアルフロー型反応器、管型反応器等が挙げられる。
酸化反応の反応形式は、例えば、固定床式、移動床式、流動床式が挙げられる。反応形式としては、上記の中でも、設備コストの観点から固定床式が好ましい。
酸化反応は、回分式、連続式のいずれで行ってもよいが、工業的な観点から、連続式で行うことが好ましい。
酸化反応の反応温度は、通常100℃〜700℃であり、好ましくは200〜550℃である。反応温度が100℃以上であれば十分に反応が進行しやすく、反応温度が700℃以下であれば燃焼反応が進行しにくく、コーキングも生じにくい。
酸化反応の反応圧力は、絶対圧力で、0.01〜50MPaの範囲であってよく、好ましくは0.01〜5MPaの範囲である。反応圧力が上記範囲にあれば酸化反応が進行し易くなり、一層優れた反応効率が得られる傾向がある。
反応器における質量空間速度(以下、「WHSV」という。)は、0.01〜100h−1であってもよく、0.1〜30h−1であってよい。ここで、WHSVとは、連続式の反応装置における、触媒量(触媒質量)に対するプロピレンの供給速度(供給量/時間)の比(供給速度/触媒質量)である。WHSVが0.01h−1以上である場合、燃焼反応によるCO2の生成が過度に進行しにくくなり、選択的に目的とする酸化反応を進行させやすくなる。WHSVが100h−1以下である場合、プロピレンと固体触媒との接触時間が十分に確保できるため、酸化反応が進行し易い。プロピレン及び固体触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、WHSVは上記範囲に限定されるものではない。
本実施形態に係る製造方法では、プロピレンの酸化反応後、生成液又は生成ガスを捕集し、蒸留等の通常の分離手段により、目的とするプロピレンオキサイドを取り出すことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る製造方法によれば、プロピレンから効率良くプロピレンオキサイドを製造することができる。すなわち、本実施形態に係る製造方法は、プロピレンオキサイドを工業的に製造する方法として非常に有用である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[触媒合成例1]
<Na型ZSM−5(SiO2/Al2O3=23.8)の調製>
H型ゼオライトからNa型ゼオライトへのイオン交換は、特表平10−510468号公報及び特表2000−507265号公報を参考にして、次のように実施した。東ソー(株)製のH型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)10.0gに対し、1Mの硝酸ナトリウム水溶液を180ml加え、80℃で2時間加熱撹拌した。この操作を3回繰り返したのち、蒸留水で濾過洗浄し、60℃で24時間乾燥させ、550℃で6時間焼成を行い、Na型ZSM−5を得た。
<Na型ZSM−5(SiO2/Al2O3=23.8)の調製>
H型ゼオライトからNa型ゼオライトへのイオン交換は、特表平10−510468号公報及び特表2000−507265号公報を参考にして、次のように実施した。東ソー(株)製のH型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)10.0gに対し、1Mの硝酸ナトリウム水溶液を180ml加え、80℃で2時間加熱撹拌した。この操作を3回繰り返したのち、蒸留水で濾過洗浄し、60℃で24時間乾燥させ、550℃で6時間焼成を行い、Na型ZSM−5を得た。
[触媒合成例2]
<Ag型ZSM−5(SiO2/Al2O3=23.8)の調製>
0.001molのAgNO3を20mlの蒸留水に溶解させた後、触媒合成例1で得られたNa型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)2.0gを加え、室温で12時間撹拌した。蒸留水で濾過洗浄し、60℃で24時間乾燥させ、550℃で6時間焼成を行い、Ag型ZSM−5を得た。
<Ag型ZSM−5(SiO2/Al2O3=23.8)の調製>
0.001molのAgNO3を20mlの蒸留水に溶解させた後、触媒合成例1で得られたNa型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)2.0gを加え、室温で12時間撹拌した。蒸留水で濾過洗浄し、60℃で24時間乾燥させ、550℃で6時間焼成を行い、Ag型ZSM−5を得た。
[触媒合成例3]
<Ti型ZSM−5(SiO2/Al2O3=23.8)の調製>
AgNO3に代えて、0.001molのTi(SO4)2を用いたこと以外は、触媒合成例2と同様の操作を行い、Ti型ZSM−5を得た。
<Ti型ZSM−5(SiO2/Al2O3=23.8)の調製>
AgNO3に代えて、0.001molのTi(SO4)2を用いたこと以外は、触媒合成例2と同様の操作を行い、Ti型ZSM−5を得た。
(実施例1)
触媒合成例2で調製したAg型ZSM−5(SiO2/Al2O3=23.8)0.25gを触媒として管型反応器(石英ガラス)に充填した。反応管は石英製で、中央部が直径9mm、長さが35mmであり、その両端は直径4mmの管からなる全長250mmのものである。触媒(0.25g、10〜20メッシュ)は反応管の中央部に充填し、両端を石英ウールで固定した。この反応器を流通反応装置に接続した後、ヘリウムを通気させながら電気炉を用いて反応器内の温度を300℃まで昇温させた。300℃に到達後、温度を保ったまま酸素を12.5ml/minの流量で通気しながら前処理を1時間行った。前処理終了後、ヘリウムを流して酸素を置換した後、プロピレン(原料ガス)、酸素及びヘリウムを昇温後の反応器へ供給し、プロピレンの酸化反応を実施した。また、プロピレン、酸素及びヘリウムの反応器への流入速度は、それぞれ下記のとおりとした。このとき、酸素分圧は16.7kPa、プロピレン分圧は33.4kPaであった。
プロピレンの流入速度:3.3cc/min
酸素ガスの流入速度:1.7cc/min
ヘリウムの流入速度:5.1cc/min
触媒合成例2で調製したAg型ZSM−5(SiO2/Al2O3=23.8)0.25gを触媒として管型反応器(石英ガラス)に充填した。反応管は石英製で、中央部が直径9mm、長さが35mmであり、その両端は直径4mmの管からなる全長250mmのものである。触媒(0.25g、10〜20メッシュ)は反応管の中央部に充填し、両端を石英ウールで固定した。この反応器を流通反応装置に接続した後、ヘリウムを通気させながら電気炉を用いて反応器内の温度を300℃まで昇温させた。300℃に到達後、温度を保ったまま酸素を12.5ml/minの流量で通気しながら前処理を1時間行った。前処理終了後、ヘリウムを流して酸素を置換した後、プロピレン(原料ガス)、酸素及びヘリウムを昇温後の反応器へ供給し、プロピレンの酸化反応を実施した。また、プロピレン、酸素及びヘリウムの反応器への流入速度は、それぞれ下記のとおりとした。このとき、酸素分圧は16.7kPa、プロピレン分圧は33.4kPaであった。
プロピレンの流入速度:3.3cc/min
酸素ガスの流入速度:1.7cc/min
ヘリウムの流入速度:5.1cc/min
反応開始時間からそれぞれ30分、105分が経過した時点で、反応生成物(生成ガス)をサンプリングした。なお、プロピレンの供給が開始された時間を反応開始時間(0分)とした。サンプリングした生成ガスを、水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフ及び熱伝導度検出器を備えたガスクロマトグラフを用いて分析した。生成ガス中の各成分の濃度は絶対検量線法により定量した。プロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
なお、本明細書においてプロピレンの転化率、プロピレンオキサイドの選択率は、下記式(1)、式(2)で定義される。
Rc=(1−3×C3H6/(3×C3H6+ΣC1+2×ΣC2+3×ΣC3))×100 …(1)
Rs=(1−3×PO/(ΣC1+2×ΣC2+3×ΣC3))×100 …(2)
Rc=(1−3×C3H6/(3×C3H6+ΣC1+2×ΣC2+3×ΣC3))×100 …(1)
Rs=(1−3×PO/(ΣC1+2×ΣC2+3×ΣC3))×100 …(2)
ここで、式(1)におけるRcはプロピレンの転化率(%)であり、式(2)におけるRsはプロピレンオキサイドの選択率(%)である。C3H6は生成物中のプロピレンのモル数、C1は生成物中で炭素原子1個を含む物質のモル数、C2は生成物中で炭素原子2個を含む物質のモル数、C3は生成物中で炭素原子3個を含む物質のモル数、POは生成物中のプロピレンオキサイドのモル数である。
(実施例2)
反応器内の温度を250℃とし、酸化反応開始前に、プロピレンを12.5ml/minの流量で通気しながら前処理(還元処理)を1時間行ったこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。実施例1と同様の方法でプロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
反応器内の温度を250℃とし、酸化反応開始前に、プロピレンを12.5ml/minの流量で通気しながら前処理(還元処理)を1時間行ったこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。実施例1と同様の方法でプロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
(比較例1)
触媒として、東ソー(株)製のH型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。実施例1と同様の方法でプロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
触媒として、東ソー(株)製のH型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。実施例1と同様の方法でプロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
(比較例2)
触媒として、触媒調製例1で調製したNa型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。実施例1と同様の方法でプロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
触媒として、触媒調製例1で調製したNa型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。実施例1と同様の方法でプロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
(比較例3)
触媒として、触媒調製例3で調製したTi型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。実施例1と同様の方法でプロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
触媒として、触媒調製例3で調製したTi型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。実施例1と同様の方法でプロピレン転化率、プロピレンオキサイド選択率を算出し、結果を表1に示した。
(比較例4)
触媒として、触媒調製例3で調製したTi型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。結果を表1に示した。
触媒として、触媒調製例3で調製したTi型ZSM−5ゼオライト(SiO2/Al2O3=23.8)を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。結果を表1に示した。
(比較例5)
触媒として、東ソー(株)製のH型モルデナイト(H−MOR、SiO2/Al2O3=240)を用い、反応器内の温度を250℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。結果を表1に示した。
触媒として、東ソー(株)製のH型モルデナイト(H−MOR、SiO2/Al2O3=240)を用い、反応器内の温度を250℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。結果を表1に示した。
(比較例6)
触媒として、東ソー(株)製のH型ベータゼオライト(H−β、SiO2/Al2O3=1700)を用い、反応器内の温度を250℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。結果を表1に示した。
触媒として、東ソー(株)製のH型ベータゼオライト(H−β、SiO2/Al2O3=1700)を用い、反応器内の温度を250℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を実施した。結果を表1に示した。
Claims (5)
- 分子状酸素及びプロピレンを含有する混合ガスを固体触媒に接触させて、前記プロピレンを酸化する酸化工程を備え、
前記固体触媒が、担体と、当該担体に担持された担持金属と、を含み、
前記担体が、Al及びSiからなる群より選択される少なくとも一種の無機元素を有する無機酸化物を含有し、
前記担持金属が、第11属金属元素を含有する、プロピレンオキサイドの製造方法。 - 前記担体がMFI型ゼオライトを含有し、
前記MFI型ゼオライトのシリカアルミナ比(SiO2/Al2O3)が、100未満である、請求項1に記載の製造方法。 - 前記第11属金属元素がAgを含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 還元剤を含有する還元ガスを固体触媒に接触させて、前記固体触媒を還元処理する還元工程を更に備え、
前記酸化工程が、前記混合ガスを、前記還元工程で還元処理された前記固体触媒に接触させる工程である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記還元剤が、プロピレンを含む、請求項4に記載の製造方法。
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