JP2019137053A - 化粧板及び床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】反りが生じにくく、寸法安定性に優れる化粧板を得る。【解決手段】下から順にコア層4a、化粧層2a、表面層1aが積層、熱圧一体化されてなり、前記表面層は表面紙と縮合型熱硬化性樹脂を含み、前記化粧層は化粧紙と、ラジカル重合型樹脂を含み、前記コア層は繊維質基材と無機充填剤とバインダー樹脂を含むプリプレグ3aを含む化粧板7。バインダー樹脂にはアクリル樹脂エマルジョン、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧板及び床材に関する。
以前より、化粧層、コア層、及び必要に応じて表面層、裏面層とから構成されるメラミン化粧板は豊富な色柄と、表面強度、メンテナンス性など優れた特徴を持つことから店舗、医療福祉施設など公共施設の家具・什器から住宅家具まで幅広い用途で使用されている。
近年では、表面層、化粧層、コア層の枚数を少なくして、塩化ビニル樹脂シート(PVC)を基材として積層し、熱圧一体化した化粧積層材(特許文献2)に示されるように床材用途としての需要もある。
実登第2510557号公報 特開平9−300553号公報 特開2013−99939号公報
しかしながら、従来の表面層、化粧層、コア層の枚数を少なくしたメラミン化粧板では反りが生じやすく、寸法安定性に劣るといった欠点があった。更にPVCを基材として一体化した積層床材は表層、化粧層のメラミン樹脂の収縮により寸法精度が余り良くなく、反りが大きく施工しづらいといった問題があった。
本発明は、かかる従来のメラミン化粧板の持つ欠点を解消するために考えられたものであり、コア層、化粧層、表面層を含む化粧板であって、前記表面層は表面紙と縮合型熱硬化性樹脂を含み、前記化粧層は化粧紙とラジカル重合型樹脂を含み、前記コア層は繊維質基材と無機充填剤とバインダー樹脂を含むことを特徴とする化粧板である。
本発明によれば、ラジカル重合型熱硬化性樹脂を化粧紙に適用することで柔軟性が付与でき、反りや寸法変化を抑制でき、更にコア層の基材に繊維質基材を用いることで寸法安定性に優れた化粧板を得ることができ、床材の表面材として利用できる。
実施例1の化粧板の構成断面図。 実施例15の化粧板の構成断面図。 実施例23の床材の構成断面図。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に関わる表面層には化粧板用の表面紙(オーバーレイ紙ともいう)は、化粧板用として供されるものであればよく、例えば、α−セルロース紙、布、不織布などが挙げられるが、より望ましくは、縮合型熱硬化性樹脂の硬化後に透明ないしは半透明になるα−セルロース紙を用いるのが好ましい。また、耐摩耗性粉末の混抄された耐摩耗性表面紙を用いることで化粧板の耐摩耗性が向上する。耐摩耗性粉末には酸化アルミニウム、炭化珪素、酸化珪素などの無機粉末が挙げられる。これらの耐摩耗材はα−セルロース紙に対して重量部で1〜40%、より好ましくは5〜30%混抄される。坪量は10〜60g/mであれば良い。
この範囲であれば含浸時に切断することがなく、後述の化粧層の鮮明性が劣ることがない。
前記表面紙或いは耐摩耗性表面紙には縮合型熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂液が含浸され、乾燥処理される。縮合型熱硬化性樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどのアミノ化合物と、ホルムアルデヒドを反応させた初期縮合物のほか、メチルアルコール、エチルアルコールなどの低級アルコールによるエーテル化、パラトルエンスルホンアミドなどの可塑化を促す反応性変性剤で変性されたものが適用できる。特にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が耐熱性、耐摩耗性に優れることから好適に用いることができる。更に、縮合型熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂液に前記の耐摩耗材を配合しても良い。 含浸率は数1で示される算出方法で150〜350%であれば良い。この範囲であれば、樹脂含浸表面紙のべた付きが抑制され、かつ熱圧成型時の染み出しが抑制される。
Figure 2019137053
樹脂含浸化粧紙は、坪量が60〜200g/mで、着色、あるいは印刷により各種の模様を施した化粧板用の化粧紙に、ラジカル重合型熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂液を含浸したものが用いられ、ラジカル重合型熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂或いはこれらの混合物が挙げられ、特に不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂は化粧板に柔軟性を付与し、異種環境による硬化収縮が抑えられ、とりわけ数1で示される含浸率が10〜150%となるように含浸すると、反りや寸法変化を抑制することができる。
不飽和ポリエステル樹脂については、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の二価アルコールを1種以上と、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、アジピン酸等の二塩基酸を1種以上とを適宜選択し、エステル化により反応させた不飽和ポリエステルにスチレン、オルトクロルスチレン、ジアリルフタレート、メチルメタクリレート等の重合性モノマーを加えたものが適用できる。硬化させる場合、硬化剤として、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、アセト酢酸パーオキサイド等の有機過酸化物、必要に応じてコバルト錯塩等の硬化促進剤を加える。
ビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒を用いて反応させることによって得られる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールAとエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、ソルビン酸あるいはモノ(2−エチルヘキシル)マレートなどが挙げられ、不飽和一塩基酸と併用される多塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,12−ドデカン二酸の他ダイマー酸などが挙げられる。二塩基酸無水物として無水マレイン酸、無水フタル酸などが挙げられる。三塩基酸無水物として無水トリメリット酸を使用した変性品も使用可能である。
エステル化触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;塩化リチウム、塩化クロム等の無機塩;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;テトラメチルホスフォニウムクロライド、ジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロライド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ベンジルトリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロライド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロライド、テトラフェニルホスフォニウムブロマイド等のホスフォニウム塩;第二級アミン類;テトラブチル尿素;トリフェニルホスフィン;トリトリールホスフィン;トリフェニルスチビン等が挙げられる。
その他メタクリル樹脂についても使用可能であり、メチルメタクリレートのプレポリマーや、ポリメチルメタクリレートをメチルメタクリレートのモノマーに溶解したものが適用できる。含浸率は数1で示される算出方法で10〜150%であれば良い。この範囲であれば、樹脂含浸化粧紙のべた付きが抑制され、かつ熱圧成型時の染み出しが抑制される。
コア層には、繊維質基材にバインダー樹脂と、無機充填剤を必須成分として含むスラリーを含浸、乾燥したプリプレグを1枚以上用いる。
繊維質基材としては、有機繊維基材や無機繊維基材等が挙げられ、有機繊維基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等、これらの変成物、エチレン−酢酸ビニル共重合体等に代表される各種共重合体からなる繊維、これらの混合物、及びこれらの重合体からなる複合繊維等が挙げられる。
無機繊維基材としては、例えば、ガラス繊維、ロックウール、炭素繊維等の無機繊維からなる不織布、織布等が挙げられ、無機繊維基材の坪量は、10〜200g/mの範囲が好ましい。無機繊維基材を用いた場合は、有機繊維基材を用いた場合よりも、化粧板の不燃性が一層向上する。無機繊維基材の中でも、特に、ガラス繊維不織布及び/又はガラス繊維織布を用いた場合は、耐熱性、耐炎性、スラリーの含浸性が一層向上する。
バインダー樹脂にはアクリル樹脂エマルジョン、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂が好適に用いられる。アクリル樹脂エマルジョンは特に、ガラス転移温度(Tg)が−20℃を超えるアクリル樹脂エマルジョンを用いると、密着性や成形性が向上するため、より好ましい。その中でも、平均粒子径が150〜300nmのアクリル樹脂エマルジョンを用いると、コア層の結着力、及び化粧板の曲げ加工性や平滑性を一層向上させることができるため、さらに好ましい。平滑性が向上する理由は、アクリル樹脂エマルジョンが微粒子であるためであると推測できる。尚、平均粒子径は、レーザー光回折・散乱式粒子径測定装置(大塚電子株式会社製ELS−8000)を使用し、レーザーの照射時に検出された散乱光に基づいて計算した値である。尚、平均粒子径が下限に満たないとゲル化しやすく平滑性に乏しくなり、上限を超えても平均粒子径が大きすぎ平滑性に乏しくなる。
アクリル樹脂エマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとして水中で乳化重合または懸濁重合して得られるものであって、使用するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヒドロキシエチルなどのエステルが挙げられる。これらのモノマーに加えて、他の共重合可能なモノマーや多官能モノマーを共重合させてもよい。
アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどのアミノ化合物と、ホルムアルデヒドを反応させた初期縮合物のほか、メチルアルコール、エチルアルコールなどの低級アルコ−ルによるエ−テル化、パラトルエンスルホンアミドなどの可塑化を促す反応性変性剤で変性されたものが適用できる。特にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が耐熱性、耐摩耗性に優れることから好適に用いることができる。
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂は、例えば、フェノール類とホルムアルデヒド類とを、フェノール性水酸基1モルに対してアルデヒド類を1〜3モルの割合で、塩基性触媒下或いは酸性触媒下にて反応させて得られるものである。フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等が挙げられ、アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザール、等が挙げられる。
また、必要に応じて尿素、尿素誘導体、パラトルエンスルホンアミド、桐油、燐酸エステル類、グリコール類等の可塑化を促す変性剤で変性されたフェノール−ホルムアルデヒド樹脂も適用できる。
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の合成に用いる塩基性触媒としては、例えば、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム等)やアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の酸化物や水酸化物、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、アンモニア等が挙げられ、酸性触媒としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、塩酸等が挙げられる。
バインダー樹脂の配合割合は、固形分で全成分中3〜25重量%とするのが好ましい。25重量%以下であることにより、不燃性が一層向上するとともに、熱圧成形時に合成樹脂が染み出したりすることが起こりにくくなる。また、3重量%以上であることにより、樹脂含浸化粧紙とプリプレグの密着性及びプリプレグ同士の密着性が一層向上するとともに、繊維質基材へのスラリーの含浸量のコントロールが一層容易になる。
コア層が含むバインダー樹脂の量(単位面積のコア層が含むバインダー樹脂の重量)は、15〜220g/mである。220g/m以下であることにより、化粧板の不燃性が一層向上する。また、220g/m以下であることにより、化粧板を熱圧成形により製造する場合、バインダー樹脂が染み出したりすることが起こりにくくなる。また、コア層が含むバインダー樹脂の量が15g/m以上であることにより、コア層をプリグレグから製造する場合、樹脂含浸化粧紙とプリプレグの密着性及びプリプレグ同士の密着性が一層向上する。また、15g/m以上であることにより、繊維質基材へスラリーを含浸させてコア層を製造する場合、スラリーの含浸量を一層容易にコントロールできる。
無機充填剤は例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの吸熱性金属水酸化物が挙げられる。特に、吸熱性金属水酸化物は、結晶水を含み、高温時に分解し、水を放出する。反応は吸熱反応であるため燃焼時に温度上昇を抑制する効果があり、本発明の化粧板の不燃性を向上させる。中でも特に水酸化アルミニウムが好適に用いられる。
吸熱性金属水酸化物の平均粒子径は、例えば、1〜50μmの範囲内とすることができる。この平均粒子径は、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)により検出された粒度分布(体積分布)から算出された算術平均径である。吸熱性金属水酸化物の平均粒子径が上記の範囲内であることにより、スラリー中での吸熱性金属水酸化物の分散性が向上し、スラリーの繊維質基材への含浸性が向上する。また、化粧板の表面が平滑な仕上がりとなる。
前記のスラリーには、他に、吸熱性金属水酸化物以外の無機充填材を含んでもよい。吸熱性金属水酸化物以外の無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、シリカ、タルク、フライアッシュ等が挙げられる。無機充填材の平均粒子径は、例えば、0.05〜20μmの範囲内とすることができる。平均粒子径がこの範囲内である場合、繊維質基材へのスラリーの含浸適性が一層向上する。なお、無機充填材の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)により検出された粒度分布(体積分布)から算出された算術平均径である。
吸熱性金属水酸化物以外の無機充填材の中では、特に、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)が好ましい。炭酸カルシウムを用いる場合、化粧板の製造工程における作業性、切削性が一層向上する。炭酸カルシウムとしては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)等を用いることができる。炭酸カルシウムの平均粒子径は、例えば、0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmとすることができる。炭酸カルシウムの平均粒子径を0.05μm以上とすることにより、スラリー中で炭酸カルシウムの凝集が生じにくくなり、繊維質基材へのスラリーの含浸適性が向上する。また、炭酸カルシウムの平均粒子径を10μm以下とすることにより、化粧板の表面が一層平滑となり、化粧板の外観が向上する。
なお、軽質炭酸カルシウムとは、石灰石を焼成し化学的に製造される炭酸カルシウムを意味し、重質炭酸カルシウムとは、白色結晶質石灰石を乾式又は湿式粉砕して造った微粉炭酸カルシウムを意味する。
スラリー中の無機充填剤の配合割合は、好ましくは20〜95重量%とする。この範囲であればプリプレグ同士の密着性も良く、吸熱性金属水酸化物を使用した場合、化粧板の不燃性能を向上させることができる。
コア層が含む無機充填剤の量(単位面積のコア層が含む無機充填剤の重量)は、180〜2000g/mの範囲内が好ましい。180g/m以上2000g/m以下であることにより、コア層をプリグレグから製造する場合、プリプレグ同士の密着性を高め、また、吸熱性金属水酸化物を使用した場合、化粧板の不燃性能を向上させることができる。
繊維質基材にスラリーを含浸する際は、数1で示される算出方法で、500〜1200%の範囲になるように含浸し、乾燥する。1200%以下であることにより、プリプレグからのスラリー固形分の脱落を防ぎ、プリプレグを取り扱い易くなる。500%以上であることにより、プリプレグの層間剥離が生じにくくなる。
本発明の化粧板は下から順にコア層、化粧層、表面層を積層し、プレス装置で、温度125〜160℃、圧力20〜100kgf/cmの条件で熱圧成形する。
このようにして得られた化粧板は、寸法変化率が小さく、反りも小さいことから、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、各種エラストマーなどの熱可塑性樹脂シートを基材する床材の表面材として使用できる。化粧板と熱可塑性樹脂シートは接着剤を用いて接着する。熱可塑性樹脂シートは無発泡、発泡いずれでも良く、発泡倍率は1.5〜40倍が好適で、連続気泡発泡体、独立気泡発泡体いずれでも良い。発泡倍率は上限を超えると床材としての強度が劣りやすくなる。
前記の熱可塑性樹脂シートの中でもポリ塩化ビニル樹脂シートや発泡ポリエチレンはクッション性が有り、下地の不陸や凹凸を吸収しやすく、コスト的にも安価で好適に用いることができる。厚みは1.5〜5.0mの範囲であればより効果的である。以下、実施例、比較例を挙げて詳細に説明するが、特にこれらに限定するものではない。
(1) 表面層の製造
坪量が23g/mのα−セルロ−ス紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を数1で示す算出方法で300%となるように含浸し、乾燥して樹脂含浸表面紙(A)を製造した。
(2)化粧層の製造
坪量80g/mで、熱硬化性樹脂化粧板用の化粧紙に木目柄が印刷された印刷紙に、ビニルエステル樹脂を主成分とする樹脂液を、数1で定義される算出方法で含浸率が40%となるように含浸し、乾燥して樹脂含浸化粧紙(A)を製造した。尚、ビニルエステル樹脂を主成分とする樹脂液の組成はビスフェノール系ビニルエステル61−65%、メタクリルモノマー13−17%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20%(希釈剤)、アクリル酸2%である。
(3)スラリー(A)の製造(重量部は固形分換算値である)
バインダーとして、ガラス転移温度(Tg)が60℃で、2−エチルヘキシルアクリレートとメチルメタアクリレートを主モノマーとする平均粒子径が200nmのアクリル樹脂エマルジョンを32重量部、
吸熱性金属水酸化物として、平均粒子径8μmの水酸化アルミニウムを300重量部混合した。この混合物に水を加えてスラリー(A)を得た。
(4)プリプレグの製造
繊維質基材として、40g/mのガラス繊維不織布を用いて、前記(3)で製造したスラリー(A)を、数1で定義される算出方法で含浸率が750%となるように含浸し、乾燥してプリプレグを製造した。
(5)化粧板の製造
下から順に、コア層としてのプリプレグを4枚、化粧層としての樹脂含浸化粧紙(A)を1枚、表面層としての樹脂含浸表面紙(A)を1枚積層し、フラット仕上げプレートを用いて、132℃、70kgf/cm、64分間の条件で熱圧成形して一体化し、化粧板を得た。
実施例1において、プリプレグを4枚から1枚に変更した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例1において、プリプレグを4枚から7枚に変更した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
(2)化粧層の製造
坪量80g/mで、熱硬化性樹脂化粧板用の化粧紙に木目柄が印刷された印刷紙に、不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂液を、数1で定義される算出方法で含浸率が40%となるように含浸し、乾燥して樹脂含浸化粧紙(B)を製造した。尚、不飽和ポリエステル樹脂はエチレングリコール、プロピレングリコール−フマル酸、イソフタル酸を原料としてエステル化反応させた後にジアリルフタレートモノマーを加えて、硬化剤として過酸化ベイゾイルを配合したものを用いた。
実施例1において、樹脂含浸化粧紙(A)に代えて樹脂含浸化粧紙(B)を用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
(1)表面層の製造
坪量が28g/mでアルミナの混抄率が5%のα−セルロース紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を数1で示す算出方法で300%となるように含浸し、乾燥して樹脂含浸表面紙(B)を製造した。
実施例1において、樹脂含浸表面紙(A)に代えて樹脂含浸表面紙(B)を用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例5において坪量が35g/mでアルミナの混抄率が25%のα−セルロース紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を数1で示す算出方法で150%となるように含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例5において坪量が40g/mでアルミナの混抄率が25%のα−セルロース紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を数1で示す算出方法で150%となるように含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例1においてビニルエステル樹脂を主成分とする樹脂液を、数1で定義される算出方法で含浸率が17%となるように含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例1においてビニルエステル樹脂を主成分とする樹脂液を、数1で定義される算出方法で含浸率が122%となるように含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例1においてアクリル樹脂エマルジョンを16重量部となるように含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例1においてアクリル樹脂エマルジョンを55重量部となるように含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例1においてガラス転移温度(Tg)が88℃で、エチルアクリレートとメチルメタアクリレートを主モノマーとする平均粒子径が180nmのアクリル樹脂エマルジョンを用い含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例1においてガラス転移温度(Tg)が−20℃で、ブチルアクリレートとメチルメタアクリレートを主モノマーとする平均粒子径が230nmのアクリル樹脂エマルジョンを用い含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例1において平均粒子径8μmの水酸化アルミニウムに代えて、平均粒子径5μmの炭酸カルシウムを用い含浸した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例14において76g/mのガラス繊維不織布を用い、プリプレグを製造し、コア層としてのプリプレグを1枚用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例14において96g/mのガラス繊維不織布を用い、プリプレグを製造し、コア層としてのプリプレグを1枚用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例14において30g/mのガラス繊維織布を用い、プリプレグを製造し、コア層としてのプリプレグを1枚用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例14において60g/mのガラス繊維織布を用い、プリプレグを製造し、コア層としてのプリプレグを1枚用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例14において76g/mのガラス繊維不織布と、60g/mのガラス繊維織布を用い、プリプレグを製造し、下から順に、コア層としての76g/mのガラス繊維不織布を用いたプリプレグを1枚、60g/mのガラス繊維織布を用いたプリプレグを1枚、化粧層としての樹脂含浸化粧紙(A)を1枚、表面層としての樹脂含浸表面紙(A)を1枚積層した以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例17において、30g/mのガラス繊維織布の代わりに、30g/mのポリエステル繊維織布を用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例19において、60g/mのガラス繊維織布の代わりに、30g/mのポリエステル繊維織布を用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
実施例15においてバインダーとして、アクリル樹脂エマルジョンに代えてメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を16重量部、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を16重量部、吸熱性金属水酸化物として、平均粒子径8μmの水酸化アルミニウムを240重量部、無機充填剤として平均粒子径5μmの炭酸カルシウムを用い、プリプレグを製造し、コア層としてのプリプレグを3枚用いた以外は同様に実施して、化粧板を得た。
床材の製造
実施例15の化粧板をウレタン系二液反応型接着剤を用いて2.5mmポリ塩化ビニル樹脂シートを貼り合わせて床材を得た。
床材の製造
実施例15の化粧板をウレタン系二液反応型接着剤を用いて2mm発泡ポリエチレン樹脂シート(発泡率:5倍)を貼り合わせて床材を得た。
比較例1
(2)化粧層の製造
坪量80g/mである木目柄が印刷された熱硬化性樹脂化粧板用の化粧紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を、数1で定義される算出方法で含浸率が40%となるように含浸し、乾燥して樹脂含浸化粧紙(C)を製造した。
実施例1において、樹脂含浸化粧紙(A)に代えて樹脂含浸化粧紙(C)を用いた以外は同様に実施して、化粧板を得たが反りが大きかった。
比較例2
比較例1において、化粧層の含浸率を100%となるように含浸し、200g/mであるクラフト紙にフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を数1で定義される算出方法で含浸率が50%となるように含浸し、プリプレグとした以外は同様に実施して、化粧板を得たが、寸法変化率が劣っていた。
比較例3
比較例1において、表面層の坪量が28g/mでアルミナの混抄率が5%のα−セルロース紙を用いた以外は同様に実施して、化粧板を得たが、寸法変化率が劣っていた。
比較例4
比較例3において、プリプレグのフェノール−ホルムアルデヒド樹脂に代えて、不飽和ポリエステル樹脂及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を用いた以外は同様に実施して、化粧板を得たが、化粧層とコア層の密着が劣っていた。また反りが大きかった。
化粧板としての評価結果を表1〜表5に示す。尚、表中の重量部は固形分値である。
Figure 2019137053
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床材としての使用例を表6に示す。
Figure 2019137053
化粧板の評価
試験方法は以下の通りとした。
(1)厚み:マイクロメーターにより測定した。
(2)耐摩耗性(摩耗値):JIS K 6902:2007「熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法」に基づき測定した。
(3)寸法変化率:JIS K 6902:2007「熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法」に基づき測定した。測定不可は反りが激しく測定できなかったことをいう。
(4)反り:
4−1.初期
化粧板から50mm×280mmの試験片を切り出し測定した。化粧板の繊維方向は、試験片の短手方向と平行である。
4−2.40℃−24時間
前記の試験片を、40℃、湿度30%の環境で24時間養生した。その後、試験片を水平面に置き反りを測定した。
尚、反りの測定はいずれも表面層が上に向くように置いて測定した。
100mm以上は反りが激しく測定できなかったことをいう。
1a 表面層
2a 化粧層
3a プリプレグ
3b プリプレグ
4a コア層
7a 化粧板
7b 化粧板
11a 熱可塑性樹脂シート
21 床材

Claims (10)

  1. コア層、化粧層、表面層を含む化粧板であって、前記表面層は表面紙と縮合型熱硬化性樹脂を含み、前記化粧層は化粧紙とラジカル重合型樹脂を含み、前記コア層は繊維質基材と無機充填剤とバインダー樹脂を含むことを特徴とする化粧板。
  2. 前記縮合型熱硬化性樹脂がアミノ−ホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  3. 前記アミノ−ホルムアルデヒド樹脂がメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする請求項2記載の化粧板。
  4. 前記ラジカル重合型熱硬化性樹脂がビニルエステル樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  5. 前記繊維質基材が無機質繊維基材及び/又は有機質繊維基材であることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  6. 前記無機質繊維基材がガラス繊維不織布及び/又はガラス繊維織布であることを特徴とする請求項5記載の化粧板。
  7. 前記無機充填剤が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  8. 前記バインダー樹脂がアクリル樹脂エマルジョン、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  9. 前記表面紙が耐摩耗材を含む混抄表面紙であることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載の化粧板と熱可塑性樹脂シートが積層一体化された床材。
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