JP2019135543A - 波長変換部材の製造方法及び波長変換部材 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで本発明は、励起光の照射により所望の発光ピーク波長を有する光を発する波長変換部材の製造方法及び波長変換部材を提供することを目的とする。
本発明の第一の実施形態に係る波長変換部材の製造方法は、Ca−α−サイアロン蛍光体と、必要に応じてイットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体と、アルミナ粒子とを含む混合粉体を成形した成形体を準備することと、前記成形体を1000℃以上1600℃以下の範囲の温度で一次焼成し、第一の焼結体を得ることを含む。
Ca−α−サイアロン蛍光体は、下記式(I)で表される組成を有するCa−α−サイアロン蛍光体を用いることが好ましい。
Cav(Si,Al)12(O,N)16:Eu (I)
(式(I)中、vは0<v≦2を満たす数である。)
本明細書において、組成式中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、これら複数の元素のうち少なくとも一種の元素を組成中に含有していることを意味する。組成式中のカンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、組成中にカンマで区切られた複数の元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含み、前記複数の元素から二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
MkSi12−(m+n)Alm+nOnN16−n:Eu (II)
(式(II)中、Mは、Li、Mg、Ca、Sr、Y及びランタノイド元素(但し、LaとCeを除く。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、k、m、nは、0<k≦2.0、2.0≦m≦6.0、0≦n≦1.0を満たす数である。)
YAG系蛍光体は、(Y,Gd,Tb,Lu)3Al5O12:Ceで表される希土類アルミン酸塩蛍光体を用いることができる。
(Y1−a−bGdaCeb)3Al5O12 (III)
(式(III)中、a及びbは、0≦a≦0.500、0<b≦0.030を満たす数である。)
本発明の第一の実施形態に係る製造方法において、アルミナ粒子は、第一の焼結体の原料として用いる。原料として用いるアルミナ粒子は、アルミナ純度が99.0質量%以上であることが好ましく、より好ましくはアルミナ純度が99.5質量%以上である。成形体を構成する粉体に、アルミナ純度が99.0質量%以上であるアルミナ粒子を含むと、得られる第一の焼結体又は第二の焼結体の透明性が高くなり、光変換効率を高くすることができ、良好な熱伝導率を有する波長変換部材を得ることができる。市販のアルミナ粒子を用いた場合には、アルミナ純度は、カタログに記載されたアルミナ純度の値を参照することができる。アルミナ純度が不明である場合には、アルミナ粒子の質量を測定した後、各アルミナ粒子を800℃で1時間、大気雰囲気で焼成し、アルミナ粒子に付着している有機分やアルミナ粒子が吸湿している水分を除去し、焼成後のアルミナ粒子の質量を測定し、焼成後のアルミナ粒子の質量を焼成前のアルミナ粒子の質量で除すことによって、アルミナ純度を測定することができる。アルミナ純度は、例えば、以下の式によって算出することができる。
アルミナ純度(質量%)=(焼成後のアルミナ粒子の質量÷焼成前のアルミナ粒子の質量)×100
成形体を構成する混合粉体がCa−α−サイアロン蛍光体と、YAG系蛍光体と、アルミナ粒子とからなる場合には、アルミナ粒子の含有量は、前記混合粉体からCa−α−サイアロン蛍光体及びYAG系蛍光体の合計量を除く残部であり、好ましくは30質量%以上99.9質量%以下である。
粉体混合工程では、成形体を構成する粉体として、Ca−α−サイアロン蛍光体の粉体と、アルミナ粒子とを混合する。粉体混合工程では、成形体を構成する粉体として、Ca−α−サイアロン蛍光体と、必要に応じてYAG系蛍光体と、アルミナ粒子とを混合することが好ましい。粉体の混合は、乳鉢及び乳棒を用いて混合することができる。粉体の混合には、ボールミルなどの混合媒体を用いて混合してもよい。また、粉体の混合を行いやすくし、さらに混合後の粉体を成形しやすくするために、成形助剤を用いてもよい。成形助剤は、水又はエタノールが挙げられる。成形助剤は、後の焼成工程において揮発しやすいものであるものが好ましい。成形助剤を用いなくてもよい。成形助剤を加える場合は、粉体100質量部に対して、成形助剤が10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
成形体準備工程では、Ca−α−サイアロン蛍光体と、必要に応じてYAG系蛍光体と、アルミナ粒子とを含む混合粉体を、所望の形状に成形し、成形体を得る。混合粉体の成形方法は、プレス成形法などの知られている方法を採用することができ、例えば金型プレス成形法、冷間等方圧加圧法(CIP:Cold Isostatic Pressing、以下、「CIP処理」ともいう。)などが挙げられる。成形方法は、成形体の形状を整えるために、2種の方法を採用してもよく、金型プレス成形をした後に、CIP処理を行ってもよい。CIP処理では、水を媒体として成形体をプレスすることが好ましい。
一次焼成工程は、Ca−α−サイアロン蛍光体とアルミナ粒子とを含む混合粉体を成形した成形体を1000℃以上1600℃以下の範囲の温度で一次焼成し、第一の焼結体を得る工程である。一次焼成工程は、成形体がCa−α−サイアロン蛍光体と、YAG系蛍光体と、アルミナ粒子とを含む場合には、1000℃以上1500℃以下の範囲の温度で一次焼成して、第一の焼結体を得る工程である。一次焼成工程において、成形体に含まれるCa−α−サイアロン蛍光体とアルミナ粒子との焼結密度を高め、励起光によって所望の発光ピーク波長を有する光を発する波長変換部材を得ることができる。
二次焼成工程は、Ca−α−サイアロン蛍光体とアルミナ粒子とを含む混合粉体を成形した成形体を一次焼成して得られた第一の焼結体をHIP処理により1000℃以上1600℃以下の範囲の温度で二次焼成し、第二の焼結体を得る工程である。二次焼成工程において、HIP処理により、第一の焼結体に含有される空隙をより少なくし、第二の焼結体の密度を高めることができる。HIP処理により得られる密度の高い第二の焼結体は、透明性がより高くなる。二次焼成工程によって得られる第二の焼結体は、より焼結体の密度を高めることができ、励起光の照射によって所望の発光ピーク波長を有する光を発し、波長変換部材として用いることができる。
波長変換部材の製造方法において、得られた第一の焼結体又は第二の焼結体からなる波長変換部材を加工する加工工程を含んでいてもよい。加工工程は、得られた波長変換部材を所望の大きさに切断加工する工程等が挙げられる。波長変換部材の切断方法は、公知の方法を利用することができ、例えば、ブレードダイシング、レーザーダイシング、ワイヤーソー等が挙げられる。これらのうち、切断面が高精度に平らになる点からワイヤーソーが好ましい。加工工程によって、所望の厚さや大きさの波長変換部材を得ることができる。波長変換部材の厚さは特に制限されないが、機械的強度や波長変換効率を考慮して、好ましくは1μm以上1mm以下の範囲、より好ましくは10μm以上800μm以下、さらに好ましくは50μm以上500μm以下、よりさらに好ましくは100μm以上400μm以下の範囲である。
第一の実施形態の波長変換部材の製造方法において、一次焼成工程において得られる第一の焼結体は、相対密度が、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは91%以上、特に好ましくは92%以上である。第一の焼結体の相対密度は100%であってもよく、第一の焼結体の相対密度は、99%以下であるか、98%以下であってもよい。第一の焼結体の相対密度が80%以上であることによって、励起光の照射によって所望の発光ピーク波長を有する波長変換部材として用いることができる。また、一次焼成後に二次焼成を行う場合には、第一の焼結体の相対密度が80%以上であることによって、一次焼成後の二次焼成においてさらに第二の焼結体の密度を高めることができ、波長変換部材の空隙が少なくなり、空隙内での光の散乱が抑制されるため、光変換効率の高い波長変換部材を製造することができる。波長変換部材が、第一の焼結体からなるものである場合には、波長変換部材の相対密度は、第一の焼結体の相対密度と同じである。
相対密度(%)=(第一の焼結体の見掛け密度÷第一の焼結体の真密度)×100 (1)
第一の焼結体がCa−α−サイアロン蛍光体とアルミナ粒子からなる場合は、第一の焼結体の真密度は、第一の焼結体を構成する成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の質量割合にCa−α−サイアロン蛍光体の真密度を乗じて得られた値と、前記成形体用の混合粉体100質量%に対するアルミナ粒子の質量割合にアルミナ粒子の真密度を乗じて得られた値との和である。第一の焼結体の真密度は、下記式(2−1)より算出される。
第一の焼結体の真密度=(成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の質量割合×Ca−α−サイアロン蛍光体の真密度)+(成形体用の混合粉体100質量%に対するアルミナ粒子の質量割合×アルミナ粒子の真密度) (2−1)
第一の焼結体がCa−α−サイアロン蛍光体とYAG系蛍光体とアルミナ粒子からなる場合には、第一の焼結体の真密度は、第一の焼結体を構成する成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の質量割合にCa−α−サイアロン蛍光体の真密度を乗じて得られた値と、前記成形体用の混合粉体100質量%に対するYAG系蛍光体の質量割合にYAG系蛍光体の真密度を乗じて得られた値と、前記成形体用の混合粉体100質量%に対するアルミナ粒子の質量割合にアルミナ粒子の真密度を乗じて得られた値との和である。第一の焼結体の真密度は、下記式(2−2)より算出される。
第一の焼結体の真密度=(成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の質量割合×Ca−α−サイアロン蛍光体の真密度)+(成形体用の混合粉体100質量%に対するYAG系蛍光体の質量割合×YAG系蛍光体の真密度)+(成形体用の混合粉体100質量%に対するアルミナ粒子の質量割合×アルミナ粒子の真密度) (2−2)
第一の焼結体の見掛け密度は、第一の焼結体の質量をアルキメデス法によって求められる第一の焼結体の体積で除した値をいう。第一の焼結体の見掛け密度は、下記式(3)により算出される。
第一の焼結体の見掛け密度=第一の焼結体の質量÷第一の焼結体のアルキメデス法により求められた体積 (3)
二次焼成後に得られる第二の焼結体は、相対密度が、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上、さらに好ましくは92%以上、よりさらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。第二の焼結体からなる波長変換部材の相対密度が90%以上であることによって、波長変換部材の空隙が少なくなり、光変換効率を高くすることができる。また、第二の焼結体の相対密度が90%以上であることによって、例えば加工工程において、加工を行っても欠けたりすることなく、加工した第二の焼結体からなる波長変換部材を得ることができる。第二の焼結体の相対密度は100%であってもよく、第二の焼結体の相対密度は、99.9%以下であるか、99.8%以下であってもよい。
相対密度(%)=(第二の焼結体の見掛け密度÷第二の焼結体の真密度)×100 (4)
第二の焼結体の真密度の算出方法は、第一の焼結体の真密度と同様の方法によって算出される。第二の焼結体の真密度は、第一の焼結体の真密度と同じ値である。
第二の焼結体の見掛け密度は、第二の焼結体の質量をアルキメデス法によって求められる第二の焼結体の体積で除した値をいう。第二の焼結体の見掛け密度は、下記式(5)により算出される。
第二の焼結体の見掛け密度=第二の焼結体の質量÷第二の焼結体のアルキメデス法により求められた体積 (5)
波長変換部材は、Ca−α−サイアロン蛍光体とアルミナとを含み、Ca−α−サイアロン蛍光体の含有量が0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましい。波長変換部材中のCa−α−サイアロン蛍光体の含有量が0.1質量%以上であると、所望の変換効率が得られる。波長変換部材中のCa−α−サイアロン蛍光体の含有量が多いと、波長変換部材中の体積当たりのCa−α−サイアロン蛍光体の粉体の含有量が多すぎて、所望の色調及び変換効率を得るために波長変換部材の体積を小さくする必要があり、例えば得られた波長変換部材の体積を小さくするために厚さを薄くしなければならず、取り扱いが困難となる。また、波長変換部材中のCa−α−サイアロン蛍光体の含有量が多いと、相対的に波長変換部材中のアルミナの量が減少し、波長変換部材中でCa−α−サイアロン蛍光体とアルミナの密着性が低下して空隙が形成され、光変換効率が低下する場合がある。波長変換部材中のCa−α−サイアロン蛍光体の含有量は、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)を用いて、Ca−α−サイアロン蛍光体を構成する元素の元素分析を行い、得られた元素分析の結果から波長変換部材に含まれるCa−α−サイアロン蛍光体の含有量を測定することができる。波長変換部材に含まれるCa−α−サイアロン蛍光体は、前記式(I)又は(II)で表される組成を有するCa−α−サイアロン蛍光体であることが好ましい。
粉体混合工程
レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径13.0μmのCa−α−サイアロン蛍光体(品名:アロンブライト 品種YL―600、デンカ株式会社製)を1質量部(成形体用の混合粉体100質量%に対してCa−α−サイアロン蛍光体を1質量%)と、FSSS法により測定した平均粒径が0.5μmのα−アルミナ粒子(品名:AA03、住友化学工業株式会社製、アルミナ純度99.5質量%)99質量部とを秤量し、乳鉢及び乳棒を用いて混合し、成形体用の混合粉体を準備した。表1又は表2において、Ca−α−サイアロン蛍光体の含有量(質量%)は、成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の仕込みの質量割合を示す。表1又は表2において、各実施例におけるアルミナ粒子の含有量は、成形体用の混合粉体100質量%からCa−α−サイアロン蛍光体の含有量(質量%)を減じた残部である。
混合粉体を金型に充填し、圧力4.6MPa(46.9kgf/cm2)で直径17.0mm、厚さ10mmの円筒形状の成形体を形成した。得られた成形体を包装容器に入れて真空包装し、冷間等方圧加圧(CIP)装置(KOBELCO社製)により、圧力媒体に水を用いて、176MPaでCIP処理を行った。
得られた成形体を焼成炉(富士電波工業株式会社製)、窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)で、0.9MPa、1500℃の温度で6時間保持して、一次焼成を行い、第一の焼結体を得た。得られた第一の焼結体1を波長変換部材とした。実施例1の第一の焼結体1からなる波長変換部材中のCa−α−サイアロン蛍光体の含有量(質量%)は、成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の仕込みの質量割合とほぼ等しい。
Ca-α−サイアロン蛍光体を3質量部と、α−アルミナ粒子を97質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体2を得て、波長変換部材とした。実施例2から22において、第一の焼結体又は第二の焼結体からなる波長変換部材中のCa−α−サイアロン蛍光体の含有量は、成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の仕込みの質量割合とほぼ等しい。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、α−アルミナ粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体3を得て、波長変換部材とした。
Ca-α−サイアロン蛍光体を10質量部と、α−アルミナ粒子を90質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体4を得て、波長変換部材とした。
Ca-α−サイアロン蛍光体を20質量部と、α−アルミナ粒子を80質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体5を得て、波長変換部材とした。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、α−アルミナ粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備し、一次焼成温度を1400℃とした以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体6を得て、波長変換部材とした。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、α−アルミナ粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備し、一次焼成温度を1450℃とした以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体7を得て、波長変換部材とした。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、α−アルミナ粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備し、一次焼成温度を1550℃とした以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体8を得て、波長変換部材とした。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、α−アルミナ粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備し、二次焼成温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体9を得て、波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例1で得られた第一の焼結体1を用い、熱間等方圧加圧(HIP)装置(KOBELCO社製)を用いて、圧力媒体に窒素ガスを用いて窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)のもとで、1500℃、195MPa、2時間、HIP処理により二次焼成を行い、第二の焼結体10を得て、この第二の焼結体10を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例2で得られた第一の焼結体2を用い、実施例10と同様にしてHIP処理を行い、第二の焼結体11を得て、この第二の焼結体11を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例3で得られた第一の焼結体3を用い、実施例10と同様にしてHIP処理を行い、第二の焼結体12を得て、この第二の焼結体12を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例4で得られた第一の焼結体4を用い、実施例10と同様にしてHIP処理を行い、第二の焼結体13を得て、この第二の焼結体13を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例5で得られた第一の焼結体5を用い、実施例10と同様にしてHIP処理を行い、第二の焼結体14を得て、この第二の焼結体14を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例6で得られた第一の焼結体6を用い、実施例10と同様にしてHIP処理を行い、第二の焼結体15を得て、この第二の焼結体15を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例7で得られた第一の焼結体7を用い、実施例10と同様にしてHIP処理を行い、第二の焼結体16を得て、この第二の焼結体16を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例8で得られた第一の焼結体8を用い、実施例10と同様にしてHIP処理を行い、第二の焼結体17を得て、この第二の焼結体17を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例3で得られた第一の焼結体3を用い、温度を1400℃にしたこと以外は、実施例10と同様にしてHIP処理により二次焼成を行い、第二の焼結体18を得て、この第二の焼結体18を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例3で得られた第一の焼結体3を用い、温度を1450℃にしたこと以外は、実施例10と同様にしてHIP処理により二次焼成を行い、第二の焼結体19を得て、この第二の焼結体19を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例3で得られた第一の焼結体3を用い、温度を1550℃にしたこと以外は、実施例10と同様にしてHIP処理により二次焼成を行い、第二の焼結体20を得て、この第二の焼結体20を波長変換部材とした。
二次焼成工程
実施例9で得られた第一の焼結体9を用い、温度を1500℃にしたこと以外は、実施例10と同様にしてHIP処理により二次焼成を行い、第二の焼結体21を得て、この第二の焼結体21を波長変変換部材とした。
二次焼成工程
実施例3で得られた第一の焼結体3を用い、温度を1600℃にしたこと以外は、実施例10と同様にしてHIP処理により二次焼成を行い、第二の焼結体22を得て、この第二の焼結体22を波長変換部材とした。
粉体混合工程
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、酸化チタン粒子(東邦チタニウム株式会社製、酸化チタン純度99.5質量%、平均サイズ:2.10〜2.55μm(カタログ値))を95質量部とを混合した混合粉体を準備した。表3において、Ca−α−サイアロン蛍光体の含有量(質量%)は、成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の仕込みの質量割合を示す。表3において、各比較例における金属酸化物粒子の含有量は、成形体用の混合粉体100質量%からCa−α−サイアロン蛍光体の含有量(質量%)を減じた残部である。比較例1から5及び後述する式(2−1−1)において、金属酸化物粒子とは、α−アルミナ粒子、酸化チタン粒子、五酸化タンタル粒子、酸化イットリウム粒子、酸化ハフニウム粒子、又は酸化ジルコニウム粒子のいずれかの金属酸化物粒子をいう。
混合粉体を金型に充填し、圧力4.6MPa(46.9kgf/cm2)で直径17.0mm、厚さ10mmの円筒形状の成形体を形成した。得られた成形体を包装容器に入れて真空包装し、冷間等方圧加圧(CIP)装置(KOBELCO社製)により、圧力媒体に水を用いて、176MPaでCIP処理を行った。
得られた成形体を焼成炉(富士電波工業株式会社製)、窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)で、1500℃の温度で6時間保持して、一次焼成を行い、第一の焼結体を得たが相対密度は71.0%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も71.0%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。第一の焼結体の相対密度が80%未満の場合は、第一の焼結体に含まれる空隙が多く、HIP処理により二次焼成を行っても得られる第二の焼結体の相対密度を90%以上に高くすることはできないためである。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、五酸化タンタル粒子(H.C.Starck株式会社製、五酸化タンタル純度99.5質量%、FSSS法による平均粒径0.7μm)を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、比較例1と同様にして、第一の焼結体を得たが相対密度は64.3%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も64.3%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、酸化イットリウム粒子(日本イットリウム株式会社製、酸化イットリウム純度99.5質量%、FSSS法による平均粒径1.8μm)を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、比較例1と同様にして、第一の焼結体を得たが相対密度は49.6%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も49.6%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、酸化ハフニウム粒子(株式会社高純度化学製、酸化ハフニウム純度98質量%、FSSS法による平均粒径2.0μm)を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、比較例1と同様にして、第一の焼結体を得たが相対密度は51.2%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も51.2%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。
Ca-α−サイアロン蛍光体を5質量部と、酸化ジルコニウム粒子(和光純薬工業株式会社製、酸化ジルコニウム純度99質量%、FSSS法による平均粒径2.0μm)を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、比較例1と同様にして、第一の焼結体を得たが相対密度は67.0%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も67.0%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。
各実施例及び比較例に用いたCa−α−サイアロン蛍光体の粒子は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準の粒度分布における小径側からの体積累積頻度が50%に達する粒径(メジアン径)を平均粒径とし、レーザー回折式粒度分布測定装置(MASTER SIZER(マスターサイザー)3000、MALVERN社製)を用いて測定した。
実施例に用いたα−アルミナ粒子、並びに比較例に用いた五酸化タンタル粒子、酸化イットリウム粒子、酸化ハフニウム粒子及び酸化ジルコニウム粒子、は、FSSS法により、平均粒径(Fisher sub-sieve sizer’s number)を測定した。
実施例に用いたα−アルミナ粒子の質量を測定した後、α−アルミナ粒子を800℃で1時間、大気雰囲気で焼成し、α−アルミナ粒子に付着している有機分やα−アルミナ粒子が吸湿している水分を除去し、焼成後のα−アルミナ粒子の質量を測定し、下記式に示すとおり、焼成後のα−アルミナ粒子の質量を焼成前のα−アルミナ粒子の質量で除すことによって、α−アルミナ純度を測定した。
α−アルミナ純度(質量%)=(焼成後のα−アルミナ粒子の質量÷焼成前のα−アルミナ粒子の質量)×100
実施例1から9及び比較例1から5において、各第一の焼結体の相対密度を測定した。実施例1から9の第一の焼結体の見掛け密度及び相対密度を表1に示した。比較例1から5は、実施例1から9の第一の焼結体と同様にして、下記式(1)から(3)に基づき相対密度を算出した。比較例1から5の第一の焼結体の相対密度を表3に示した。
相対密度は下記式(1)により算出した。
相対密度(%)=(第一の焼結体の見掛け密度÷第一の焼結体の真密度)×100 (1)
第一の焼結体の真密度=(成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の質量割合×Ca−α−サイアロン蛍光体の真密度)+(成形用の混合粉体100質量%に対する金属酸化物粒子の質量割合×金属酸化物粒子の真密度) (2−1−1)
第一の焼結体の見掛け密度=第一の焼結体の質量÷第一の焼結体のアルキメデス法により求められた体積 (3)
実施例10から22の第二の焼結体10から22の相対密度を下記式(4)及び(5)に基づき測定した。結果を表1に示す。相対密度は下記式(4)により算出した。
相対密度(%)=(第二の焼結体の見掛け密度÷第二の焼結体の真密度)×100 (4)
第二の焼結体の見掛け密度=第二の焼結体の質量÷第二の焼結体のアルキメデス法により求められた体積 (5)
実施例1から9の第一の焼結体からなる波長変換部材、実施例10から22の第二の焼結体からなる波長変換部材、及び比較例1から5の第一の焼結体を、ワイヤーソーを用いて厚さ300μmに切断し、サンプルを形成した。発光ピーク波長が455nmである窒化物半導体からなるLEDチップを光源として用いて、この光源から波長変換部材のサンプルに光を照射し、光源からの光を受けて実施例1から9、実施例10から22、及び比較例1から5の各サンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度を、分光蛍光光度計を用いて測定した。実施例1の波長変換部材のサンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度を100%として、各サンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度を相対発光強度(%)として表した。実施例1から9の波長変換部材の結果を表1に示す。実施例10から22の波長変換部材の結果を表2に示す。比較例1から5の第一の焼結体からなるサンプルは、光源から光を照射しても発光しなかった。比較例1から5の第一の焼結体の結果を表3に示す。
実施例3の波長変換部材の外観写真を得た。図3は、実施例3の波長変換部材をワイヤーソーで切断したサンプルの外観写真である。
実施例12の波長変換部材の外観写真を得た。実施例12は、実施例3の第一の焼結体を二次焼成して得られた第二の焼結体からなるものである。図4は、実施例12の波長変換部材をワイヤーソーで切断したサンプルの外観写真である。
比較例5の波長変換部材の外観写真を得た。図5は、比較例5の第一の焼結体をワイヤーソーで切断したサンプルの外観写真である。
酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)を目的の組成となるように、それぞれを秤量し、混合して原料混合物とした。フラックスとしてフッ化バリウム(BaF2)を原料混合物に添加し、原料混合物とフラックスをボールミルでさらに混合した。この混合物をアルミナルツボに入れ、還元雰囲気下、1500℃で10時間、熱処理して焼成物を得た。焼成物を純水中に分散させ、ふるいを介して振動を加えながら、溶媒(純水)を流して、湿式ふるいを通過させ、次いで、脱水、乾燥して、乾式ふるいを通過させて、分級し、イットリウムアルミニウムガーネット(以下、「YAG」ともいう。)蛍光体を得た。実施例1において、α−アルミナ粒子の平均粒径を測定した方法と同様に、FSSS法により、YAG蛍光体の平均粒径(Fisher sub-sieve sizer’s number)を測定した。YAG蛍光体の平均粒径は、5μmであった。
得られたYAG蛍光体について、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分析装置)(Perkin Elmer(パーキンエルマー)社製)により、YAG蛍光体を構成する酸素を除く各元素(Y、Gd、Ce、Al)の質量百分率(質量%)を測定し、各元素の質量百分率の値からYAG蛍光体の組成における各元素のモル比を算出した。Y、Gd、Ceのモル比は、測定されたAlのモル比を5とし、Alのモル比5を基準として算出した。YAG蛍光体の組成比は、(Y0.575Gd0.400Ce0.025)3Al5O12であった。
粉体混合工程
得られたFSSS法により測定した平均粒径5μmの(Y0.575Gd0.400Ce0.025)3Al5O12で表されるYAG蛍光体を10質量部(成形用の混合粉体100質量%に対して10質量%)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径13.0μmのCa−α−サイアロン蛍光体(品名:アロンブライト 品種YL―600、デンカ株式会社製)を3質量部(成形用の混合粉体100質量%に対してCa−α−サイアロン蛍光体を3質量%)と、FSSS法により測定した平均粒径が0.5μmのα−アルミナ粒子(品名:AA03、住友化学工業株式会社製、アルミナ純度99.5質量%)87質量部と、を秤量し、乳鉢及び乳棒を用いて混合し、成形体用の混合粉体を準備した。表4から8において、Ca−α−サイアロン蛍光体の含有量(質量%)は、成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の仕込みの質量割合を示す。また、表4から8において、YAG蛍光体の含有量(質量%)は、成形体用の混合粉体100質量%に対するYAG蛍光体の仕込みの質量割合を示す。表4から表8において、各実施例及び各比較例におけるアルミナ粒子の含有量は、成形体用の混合粉体100質量%からCa−α−サイアロン蛍光体の含有量(質量%)及びYAG蛍光体の含有量(質量%)の合計量を減じた残部である。
成形体用の混合粉体を金型に充填し、圧力4.6MPa(46.9kgf/cm2)の圧力で直径17.0mm、厚さ10mmの円筒形状の成形体を形成した。得られた成形体を包装容器に入れて真空包装し、冷間等方圧加圧(CIP)装置(KOBELCO社製)により、圧力媒体に水を用いて、176MPaでCIP処理を行った。
得られた成形体を焼成炉(富士電波工業株式会社製)、窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)で、0.9MPa、1300℃の温度で6時間保持して、一次焼成を行い、第一の焼結体を得た。得られた第一の焼結体を実施例23に係る波長変換部材とした。実施例23から41において、第一の焼結体からなる波長変換部材中のCa−α−サイアロン蛍光体の含有量(質量%)は、成形体用の混合粉体100質量%に対するCa−α−サイアロン蛍光体の仕込みの質量割合とほぼ等しく、YAG蛍光体の含有量(質量%)は、成形体用の混合粉体100質量%に対するYAG蛍光体の仕込みの質量割合とほぼ等しい。また、比較例6から9において、第一の焼結体中のYAG蛍光体の含有量(質量%)は、成形体用の混合粉体100質量%に対するYAG蛍光体の仕込みの質量割合とほぼ等しい。
一次焼成工程における焼成温度を1400℃にしたこと以外は、実施例23と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例24に係る波長変換部材とした。
一次焼成工程における焼成温度を1450℃にしたこと以外は、実施例23と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例25に係る波長変換部材とした。
一次焼成工程における焼成温度を1500℃にしたこと以外は、実施例23と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例26に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を5質量部と、Ca−α−サイアロン蛍光体1質量部と、α−アルミナ粒子94質量部とを混合した成形用の混合粉体を準備したこと以外は、実施例25と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例27に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を5質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を3質量部とし、α−アルミナ粒子92質量部としたこと以外は、実施例27と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例28に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を5質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を10質量部とし、α−アルミナ粒子85質量部としたこと以外は、実施例27と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例29に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を5質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を20質量部とし、α−アルミナ粒子75質量部とを混合した成形用の混合粉体を準備したこと以外は、実施例27と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例30に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を5質量部とし、α−アルミナ粒子95質量部としたこと以外は、実施例27と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を比較例6に係る波長変換部材とした。比較例6に係る波長変換部材は、Ca−α−サイアロン蛍光体を含まない。
YAG蛍光体を10質量部と、Ca−α−サイアロン蛍光体を1質量部と、α−アルミナ粒子89質量部とを混合した成形用の混合粉体を準備したこと以外は、実施例25と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例31に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を10質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を10質量部とし、α−アルミナ粒子を80質量部としたこと以外は、実施例31と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例32に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を10質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を20質量部とし、α−アルミナ粒子70質量部としたこと以外は、実施例31と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例33に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を10質量部とし、α−アルミナ粒子90質量部としたこと以外は、実施例31と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を比較例7に係る波長変換部材とした。比較例7に係る波長変換部材は、Ca−α−サイアロン蛍光体を含まない。
YAG蛍光体を20質量部と、Ca−α−サイアロン蛍光体を1質量部と、α−アルミナ粒子79質量部とを混合した成形用の混合粉体を準備したこと以外は、実施例25と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例34に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を20質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を3質量部とし、α−アルミナ粒子77質量部とを混合した成形用の混合粉体を準備したこと以外は、実施例34と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例35に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を20質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を10質量部とし、α−アルミナ粒子を70質量部としたこと以外は、実施例34と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例36に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を20質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を20質量部とし、α−アルミナ粒子60質量部としたこと以外は、実施例34と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例37に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を20質量部とし、α−アルミナ粒子80質量部としたこと以外は、実施例34と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を比較例8に係る波長変換部材とした。比較例8に係る波長変換部材は、Ca−α−サイアロン蛍光体を含まない。
YAG蛍光体を30質量部と、Ca−α−サイアロン蛍光体を1質量部と、α−アルミナ粒子69質量部とを混合した成形用の混合粉体を準備したこと以外は、実施例25と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例38に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を30質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を3質量部とし、α−アルミナ粒子67質量部としたこと以外は、実施例38と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例39に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を30質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を10質量部とし、α−アルミナ粒子を60質量部としたこと以外は、実施例38と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例40に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を30質量部とし、Ca−α−サイアロン蛍光体を20質量部とし、α−アルミナ粒子50質量部としたこと以外は、実施例38と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を実施例41に係る波長変換部材とした。
YAG蛍光体を30質量部とし、α−アルミナ粒子70質量部としたこと以外は、実施例38と同様にして、第一の焼結体を得て、得られた第一の焼結体を比較例9に係る波長変換部材とした。比較例9に係る波長変換部材は、Ca−α−サイアロン蛍光体を含まない。
実施例23から41及び比較例6から9において、各第一の焼結体の相対密度を下記式(1)から(3)に基づき測定した。表4に、実施例23から26の第一の焼結体の相対密度を示した。表5に、実施例27から30及び比較例6の第一の焼結体の相対密度を示した。表6に、実施例31から33及び比較例7の第一の焼結体の相対密度を示した。表7に、実施例34から37及び比較例8の第一の焼結体の相対密度を示した。表8に、実施例38から41及び比較例9の第一の焼結体の相対密度を示した。
相対密度は、下記式(1)により測定した。
相対密度(%)=(第一の焼結体の見掛け密度÷第一の焼結体の真密度)×100 (1)
第一の焼結体の真密度=(成形体用の混合粉体100質量%に対するCa-α−サイアロン蛍光体の質量割合×Ca−α−サイアロン蛍光体の真密度)+(成形体用の混合粉体100質量%に対するYAG蛍光体の質量割合×YAG蛍光体の真密度)+(成形体用の混合粉体100質量%に対するアルミナ粒子の質量割合×アルミナ粒子の真密度) (2−2)
第一の焼結体の見掛け密度=第一の焼結体の質量÷第一の焼結体のアルキメデス法により求められた体積 (3)
各実施例及び比較例の第一の焼結体からなる波長変換部材を、ワイヤーソーを用いて厚さ300μmに切断し、サンプルを形成した。発光ピーク波長が455nmである窒化物半導体からなるLEDチップを光源として用いて、この光源から波長変換部材のサンプルに光を照射し、光源からの光を受けて各サンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度及び色度(CIE色度座標におけるx値、y値)を、分光蛍光光度計を用いて測定した。相対密度が90%を超える波長変換部材の中には、光源から発せられた青色光が透過しているものもあった。実施例23から41及び比較例6から9の色度は、各サンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光スペクトルのうち490nm以下の範囲の青色光の発光スペクトルを除いて測定した色度(x値、y値)である。
Claims (17)
- Ca−α−サイアロン蛍光体と、アルミナ粒子とを含む混合粉体を成形した成形体を準備することと、前記成形体を1000℃以上1600℃以下の範囲の温度で一次焼成し、第一の焼結体を得ることを含む、波長変換部材の製造方法。
- 前記混合粉体がイットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を含み、前記一次焼成の温度が1000℃以上1500℃以下の範囲である、請求項1に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記第一の焼結体を熱間等方圧加圧(HIP)処理により1000℃以上1600℃以下の範囲の温度で二次焼成し、第二の焼結体を得ることを含む、請求項1に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記第一の焼結体を熱間等方圧加圧(HIP)処理により1000℃以上1500℃以下の範囲の温度で二次焼成し、第二の焼結体を得ることを含む、請求項2に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記一次焼成の温度が1200℃以上1570℃以下の範囲である、請求項1又は3に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記一次焼成の温度が1200℃以上1450℃以下の範囲である、請求項2又は4に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記Ca−α−サイアロン蛍光体の平均粒径が2μm以上30μm以下の範囲である、請求項1から6のいずれか1項に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記アルミナ粒子の平均粒径が0.1μm以上1.3μm以下の範囲である、請求項1から7のいずれか1項に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記混合粉体が、前記混合粉体100質量%に対して、前記Ca−α−サイアロン蛍光体を0.1質量%以上40質量%以下の範囲で含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記混合粉体が、前記混合粉体100質量%に対して、前記Ca−α−サイアロン蛍光体及び前記イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体の合計量を0.1質量%以上70質量%以下の範囲で含む、請求項2、4、6から9のいずれか1項に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記アルミナ粒子のアルミナ純度が99.0質量%以上である、請求項1から10のいずれか1項に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記第一の焼結体の相対密度が80%以上である、請求項1から11のいずれか1項に記載の波長変換部材の製造方法。
- 前記第二の焼結体の相対密度が90%以上である、請求項3から12のいずれか1項に記載の波長変換部材の製造方法。
- Ca−α−サイアロン蛍光体とアルミナとを含む、波長変換部材。
- 前記Ca−α−サイアロン蛍光体の含有量が0.1質量%以上40質量%以下である、請求項14に記載の波長変換部材。
- イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体をさらに含み、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体及びCa−α−サイアロン蛍光体の合計の含有量が0.1質量%以上70質量%以下である、請求項14又は15に記載の波長変換部材。
- 相対密度が80%以上である、請求項14から16のいずれか1項に記載の波長変換部材。
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