JP2019135456A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
Description
この種のガスセンサとして、排気管に固定される筒状の主体金具(ハウジング)内に板状のセンサ素子を保持し、その一端を被測定ガスに晒す構成が知られている。そして、検出素子(センサ素子)を主体金具に安定して保持すると共に、排気ガスのガスセンサ内部への漏洩を防止するため、センサ素子と主体金具との間を滑石粉末でシールするセンサが広く用いられている。
又、センサ素子の後端側と主体金具との隙間にセラミック接着剤を充填する技術も開発されている(特許文献1参照)。
又、特許文献1記載の技術を用いて、センサ素子と主体金具との間をセラミック接着剤でシールしようとすると、金属製の主体金具よりもセラミック接着剤の熱膨張率が小さいため、高温下でこの部分のセラミック接着剤にクラックが生じ、シール性がやはり低下する。
そこで、本発明は、センサ素子と主体金具との間の高温でのシール性を向上させたガスセンサを提供することを目的とする。
一方、第1の領域に介在する第1接着部の熱膨張率を、金属を含む第2接着部の熱膨張率よりも小さくすることで、金属を含まない第1の領域の部材(センサ素子とセラミックホルダ)の熱膨張率に第1接着部の熱膨張率を近づけることができ、高温下での第1の領域のシール性も向上させることができる。
このガスセンサによれば、第1接着部の熱膨張率を、金属を含まない第1の領域の部材(センサ素子とセラミックホルダ)の熱膨張率により近づけることができる。
第1の領域及び第2の領域を形成するセラミックホルダの後端側は先端側よりも温度が低いため、各部材の熱膨張差が小さい。従って、第1接着部及び第2接着部がセラミックホルダの後端側に設けられていると、各部材の熱膨張差によるシール性の低下をより抑制してシール性をさらに向上させることができる。
このガスセンサによれば、凹部が接着部の溜まり(受け)となり、第1接着部及び第2接着部となる流動性の接着剤が他の部位に流れることを抑制し、所望の位置に確実に第1接着部及び第2接着部を設けてシール性を向上させることができる。
センサ素子21のうち、検知部22が形成された先端寄り部位が、先端ホルダ30より先端に突出している。このように貫通孔32を通されたセンサ素子21は、先端ホルダ30の後端面側(図示上側)に配置されたシール材(本例では滑石)41を、筒状のセラミックホルダ43及びリングワッシャ45を介して先後方向に圧縮することによって、主体金具11の内側において先後方向に気密を保持して固定されている。なお、センサ素子21の後端29を含む後端29寄り部位はセラミックホルダ43及び主体金具11より後方に突出しており、その後端29寄り部位に形成された各電極端子24に、シール材85を通して外部に引き出された各リード線71の先端に設けられた端子金具75が圧接され、電気的に接続されている。また、この電極端子24を含むセンサ素子21の後端29寄り部位は、保護筒81でカバーされている。
さらに、センサ素子21とセラミックホルダ43との間、及びセラミックホルダ43と主体金具11との間に、それぞれ後述する第1接着部202及び第2接着部204を有している。
また、本例では、センサ素子21のうち、固体電解質(部材)に積層状に形成されたセラミック材の先端寄り部位内部にヒータ(図示せず)が設けられており、後端寄り部位には、このヒータへの電圧印加用のリード線71接続用の電極端子24が露出形成されている。なお、図示はしないが、これら電極端子24は縦長矩形に形成され、例えばセンサ素子21の後端29寄り部位において、帯板の幅広面(両面)に3つ又は2つの電極端子が横に並んでいる。
なお、センサ素子21の検知部22に、アルミナ又はスピネル等からなる多孔質の保護層が被覆されていてもよい。
また、この多角形部14の後方には、ガスセンサ1Aの後方をカバーする保護筒(外筒)81を外嵌して溶接する円筒部15が連設され、その後方には外径がそれより小さく薄肉のカシメ用円筒部16を備えている。なお、このカシメ用円筒部16は、図1では、カシメ後のために内側に曲げられている。なお、多角形部14の下面には、ねじ込み時におけるシール用のガスケット19が取着されている。
一方、主体金具11は、軸線O方向に貫通する内孔18を有している。内孔18の内周面は後端側から先端側に向かって径方向内側に先細るテーパ状の段部を有し、この段部が後端向き面17を形成している。
一方、貫通孔32は、先端ホルダ30の中心に設けられると共に、センサ素子21が略隙間なく通るように、センサ素子21の横断面とほぼ同一の寸法の矩形の開口とされている。
又、貫通孔32の先端側には、後方に凹む凹部35が形成されている。
一方、センサ素子21の先端部位には、本形態では、2層構造からなり、共にそれぞれ通気孔(穴)56、67を有する有底円筒状のプロテクタ(保護カバー)51,61が被せられている。このうち内側のプロテクタ51の後端が、主体金具11の円筒部12に外嵌され、溶接されている。なお、通気孔56はプロテクタ51の後端側で周方向において例えば8箇所設けられている。
一方プロテクタ51の先端側にも、周方向において例えば4箇所、排出穴53が設けられている。また、外側のプロテクタ61は、内側のプロテクタ51に外嵌して、同時に円筒部12に溶接されている。外側のプロテクタ61の通気孔67は、先端寄り部位に、周方向において例えば8箇所設けられており、また、プロテクタ61先端の底部中央にも排出孔69が設けられている。
なお、端子金具保持部材91は、保護筒(金属筒)81内に固定された環状支持部材80を介して径方向及び先端側への動きが規制されている。そして、この保護筒81の先端部(大径筒部)82を、主体金具11の後端寄り部位の円筒部15に外嵌して溶接することで、ガスセンサ1Aの後方が気密状にカバーされている。なお、リード線71は保護筒81の後端部の小径筒部83の内側に配置されたシール材(例えばゴム)85を通されて外部に引き出されており、この小径筒部83を縮径カシメしてこのシール材85を圧縮することにより、この部位の気密が保持されている。
図2に示すように、センサ素子21の外面と、セラミックホルダ43の貫通孔42の内面との間の第1の領域R1に、第1接着部202が設けられている。又、セラミックホルダ43の外面と、主体金具11の内面との間の第2の領域R2に、第2接着部204が設けられている。第1接着部202及び第2接着部204は、それぞれ第1の領域R1及び第2の領域R2を気密に封止している。
このように、気密に封止することができる限り、第1接着部202及び第2接着部204は、それぞれ第1の領域R1及び第2の領域R2の全部を完全に封止する必要はなく、第1の領域R1及びび第2の領域R2の軸線O方向の一部の部位を封止すればよい。
又、第1の領域R1及び第2の領域R2は、第1接着部202及び第2接着部204で封止されるか否かに関わらず、2部材の間が空いている部分(隙間)である。
一方、第1の領域R1に介在する第1接着部202の熱膨張率を、金属を含む第2接着部204の熱膨張率よりも小さくすることで、金属を含まない第1の領域R1の部材(センサ素子21とセラミックホルダ43)の熱膨張率に第1接着部202の熱膨張率を近づけることができ、高温下での第1の領域R1のシール性も向上させることができる。
なお、「金属を含む」とは、金属の特性(常温で固体で、金属光沢、延性及び電気伝導性を有する)を有する材料を含むことをいう。
又、第1の領域R1及び第2の領域R2を形成するセラミックホルダ43の後端側は先端側よりも温度が低いため、各部材の熱膨張差が小さい。従って、第1接着部202及び第2接着部204がセラミックホルダ43の後端側に設けられていると、各部材の熱膨張差によるシール性の低下をより抑制してシール性をさらに向上させることができる。
第2接着部204としては、例えばセラミック(アルミナ等)粉、金属粉(ステンレス等)と有機バインダを含む含金属接着材を焼結したものが挙げられる。焼結により、セラミック粉及び金属粉同士が結合し多孔質体となるが、独立気泡となるので気密性を有する。又、第2接着部204としては、ロウ付けであってもよい。
なお、第2接着部204に含まれる金属は、主体金具11と同一種であると好ましい。
セラミックホルダ143は、第1の実施形態の先端ホルダ30に類似した形状をなし、さらに先端ホルダ30の後端側にリング状の突出部143pを設けた構成になっている。具体的には、セラミックホルダ143は、概略短円筒状に形成されると共に、先端に向かって先細りのテーパ状に形成された先端向き面143aを有している。
そして、先端向き面143aの外周寄りの部位が後端向き面117に係止されつつ、主体金具110内にセラミックホルダ143が隙間嵌めされている。又、セラミックホルダ143は、軸線O方向に貫通してセンサ素子21を挿通させる貫通孔142を中心に有する(図4)。又、貫通孔1422の先端側には、後方に凹む凹部145が形成されている。
一方、セラミックホルダ143の後端に向く底面143bから、後端側に向かってリング状の突出部143pが突出し、突出部143pの後端向き面143eから底面143bに向かって凹む2つのリング状の凹部143r1、143r2が形成されている(図4)。具体的には、突出部143pの内側に凹部143r1が形成され、突出部143pの外側に凹部143r2が形成されている。
さらに、第1の領域R1の後端側を閉塞するように、凹部143r1の全体に第1接着部212が充填されている。同様に、第2の領域R2の後端側を閉塞するように、凹部143r2の全体に第2接着部214が充填されている。これら第1接着部212及び第2接着部214は、それぞれ第1の領域R1及び第2の領域R2を気密に封止している。
又、第2の実施形態の場合、シール材(本例では滑石)41を省略したので、高温下での滑石粉末の水和物からの水分脱離によるシール性低下が無く、高温下でのシール性が第1の実施形態よりもさらに向上する。
例えば、上記実施形態では、セラミックホルダの後端側に第1接着部及び第2接着部を設けたが、セラミックホルダの先端側に第1接着部及び第2接着部を設けてもよい。又、第1接着部及び第2接着部の一方をセラミックホルダの後端側に設け、他方をセラミックホルダの先端側に設けてもよい。さらに、第1の領域及び第2の領域であれば、セラミックホルダの先端側と後端側に限らず、別の位置に第1接着部及び第2接着部を設けてもよい。
さらに、センサ素子は酸素センサの他、全領域空燃比センサ、及びNOxセンサ等を用いることができる。又、センサ素子は板状に限らず、筒状であってもよい。
11、110 主体金具
21 センサ素子
22 検知部
43、143 セラミックホルダ
143e セラミックホルダの後端向き面
143r1、143r2 凹部
202、212 第1接着部
204、214 第2接着部
O 軸線
R1 第1の領域
R2 第2の領域
Claims (4)
- 軸線方向に延び、先端側にガスを検知する検知部が形成されたセンサ素子と、
当該センサ素子の前記検知部を露出させた状態で、前記センサ素子が挿通される筒状のセラミックホルダと、
前記セラミックホルダの径方向周囲を取り囲みつつ、自身の内側に前記セラミックホルダを保持する筒状の主体金具と、
を備えたガスセンサであって、
前記センサ素子と前記セラミックホルダとの間の第1の領域に設けられ、前記第1の領域を気密に封止する第1接着部と、
前記セラミックホルダと前記主体金具との間の第2の領域に設けられ、前記第2の領域を気密に封止すると共に前記第1接着部よりも熱膨張率が高く、金属を含む第2接着部とを有することを特徴とするガスセンサ。 - 前記第1接着部は金属を含有しない、請求項1に記載のガスセンサ。
- 前記第1接着部及び前記第2接着部は、前記セラミックホルダの後端側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
- 前記セラミックホルダの先端向き面及び後端向き面の少なくとも一方に、該先端向き面又は該後端向き面より凹む凹部が形成され、該凹部に前記第1接着部及び前記第2接着部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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