JP2019135204A - 霧化過酸化水素水生成装置 - Google Patents

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貴法 常喜
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Abstract

【課題】過酸化水素(水)自体を予め準備することなく、霧化された過酸化水素水を容易に製造することのできる装置を実現する。【解決手段】霧化過酸化水素水生成装置は、水蒸気生成ユニットと、波長200nm以下の紫外線を放射する光源と、水蒸気生成ユニットで生成された水蒸気を、紫外線の照射領域である空間内に導く通流管とを備える。空間内に導かれた水蒸気は、紫外線が照射されることで、少なくとも一部が過酸化水素に変換される。【選択図】 図1

Description

本発明は、霧化された過酸化水素水を生成する装置に関する。
従来、霧化された過酸化水素水を殺菌などに供する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、貯留部に貯留された過酸化水素水が超音波振動により霧化された後、キャリアガスと共に噴霧される技術が開示されている。
特開2012−075578号公報
しかし、上記特許文献1の方法によれば、過酸化水素水そのものを予め準備する必要がある。原料となる過酸化水素は、安定性が低く、また人体に接触すると危険であるため、取扱いに十分気をつける必要がある。
本発明は、上記の課題に鑑み、過酸化水素(水)自体を予め準備することなく、霧化された過酸化水素水を容易に製造することのできる装置を実現することを目的とする。
本発明に係る霧化過酸化水素水生成装置は、
水蒸気生成ユニットと、
波長200nm以下の紫外線を放射する光源と、
前記水蒸気生成ユニットで生成された水蒸気を、前記紫外線の照射領域である空間内に導く通流管とを備え、
前記空間内に導かれた前記水蒸気は、前記紫外線が照射されることで、少なくとも一部が過酸化水素に変換されることを特徴とする。
なお、本明細書において、「霧化」状態とは、微小な液体の微粒子が気体内に浮遊する状態を指す。
上記構成によれば、紫外線の照射領域内に導かれた水蒸気が波長200nm以下の紫外線が照射されることで、過酸化水素が生成される。
すなわち、上記構成によれば、予め過酸化水素(水)を準備することなく、霧化された過酸化水素水が生成される。得られた霧化過酸化水素水を、例えば殺菌対象となる被処理物に噴霧することで、殺菌処理が可能となる。
ところで、上記特許文献1の方法では、予め準備された過酸化水素水に対して超音波を供給し、過酸化水素水を霧化している。過酸化水素水に対して超音波を供給すると、この超音波に由来するエネルギーによって、過酸化水素(水)の一部が分解される。このため、例えば、殺菌処理に必要な霧化過酸化水素水を生成するに際し、多量の過酸化水素(水)を予め準備する必要が生じることが想定される。
しかし、本発明に係る装置によれば、水蒸気に対して紫外線が照射されることで霧化された過酸化水素(水)が生成されるため、特許文献1の方法と比較して、過酸化水素(水)の生成効率が向上するという別の効果も有する。
前記水蒸気生成ユニットは、種々の構成が採用され得る。一例として、前記水蒸気生成ユニットは、水が貯えられた貯水槽と、前記貯水槽に貯えられている水の中に気体を供給するバブリング装置とを含む構成とすることができる。
上記構成において、前記気体は、前記紫外線に対して不活性であるものとするのが好ましい。例えば、前記気体としては、窒素、アルゴン、ネオンなどが利用可能である。
別の例として、前記水蒸気生成ユニットは、水が貯えられた貯水槽と、前記貯水槽に貯えられている水に対して超音波を供給する超音波発生装置とを含む構成とすることができる。
なお、この方法は、あくまで水を水蒸気(霧化された水)に変換するために、水に対して超音波を供給するものであり、特許文献1のように、過酸化水素(水)に対して超音波を供給して過酸化水素(水)を霧化する技術とは根本的に異なる。
前記光源は、筒状の第一管と、前記第一管を周方向に取り囲むように設けられた第二管とを含み、前記第一管と前記第二管との間に形成された発光空間内に所定の放電用ガスが封入されてなる、エキシマランプで構成されることができる。この場合において、前記通流管は、前記第一管に接続されているものとすることができる。更に、この場合において、前記第二管の内側面又は外側面に、前記発光空間で生成されて前記第二管側に進行する前記紫外線を前記第一管側に反射させる反射層を備えるものとしても構わない。
本発明に係る霧化過酸化水素水生成装置によれば、過酸化水素(水)自体を予め準備することなく、霧化された過酸化水素水を容易に製造することが可能となる。
霧化過酸化水素水生成装置の第一実施形態の構成を模式的に示す図面である。 光源の一実施形態であるエキシマランプの構成を模式的に示す断面図である。 図2Aに示すエキシマランプの構成を模式的に示す別の断面図である。 Xeエキシマ光のスペクトルを模式的に示す図面である。 霧化過酸化水素水生成装置の第一実施形態の別構成を模式的に示す図面である。 霧化過酸化水素水生成装置の第二実施形態の構成を模式的に示す図面である。 霧化過酸化水素水生成装置の第三実施形態の構成を模式的に示す図面である。 第三実施形態の霧化過酸化水素水生成装置が備える光源の構成を模式的に示す断面図である。 霧化過酸化水素水生成装置の第四実施形態の構成を模式的に示す図面である。
本発明に係る霧化過酸化水素水生成装置の各実施形態につき、以下において図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は模式的に示されたものであり、図面上の寸法比は、実際の寸法比と必ずしも一致していない。また、図面間においても、各寸法比は必ずしも一致していない。
[第一実施形態]
第一実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置について、各図面を参照して説明する。
<構造>
図1は、第一実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置の構成を模式的に示す図面である。霧化過酸化水素水生成装置1は、水蒸気生成ユニット3と、波長200nm以下の紫外線L1を放射する光源5と、水蒸気生成ユニット3で生成された水蒸気V1を、紫外線L1の照射領域である空間内に導く通流管7とを備えている。なお、図1において、光源5が有する電極などの図示は省略されている。
(光源5)
光源5は、紫外線を生成する光源で構成され、例えば図2A及び図2Bに示す構造が採用される。図2Bは、図2A内のA1−A1線で光源5を切断したときの断面を模式的に図示したものである。なお、以下では、図2A及び図2Bに図示されたXYZ座標系を適宜参照して説明される。光源5(を含む筐体)内に流入された水蒸気V1の流路方向をX方向とし、X方向に直交する平面をYZ平面とする。
図2A及び図2Bに図示されている光源5は、筒状の第一管51と、第一管51を周方向に取り囲むように設けられた第二管52とを含み、第一管51と第二管52との間に形成された発光空間50内に放電用ガスGdが封入されている。第一管51及び第二管52は、紫外線L1を透過する材料からなり、例えば石英ガラスで構成される。
図2A及び図2Bに図示される構成では、光源5は、第二管52を取り囲むように設けられた筐体10を備えている。このとき、第二管52の外側面と筐体10の内側面との間は、実質的に近接しているものとしても構わない。
なお、光源5が筐体10を備えるか否かは任意である。
放電用ガスGdは、キセノン(Xe)を含んで構成されている。放電用ガスGdのより詳細な一例としては、キセノン(Xe)とネオン(Ne)を所定の比率(例えば3:7)で混在させたガスで構成される。放電用ガスGdとして、キセノン(Xe)とネオン(Ne)以外に、酸素や水素を微量に含むものとしても構わない。
本実施形態において、光源5は、第一管51の内側面(内壁)に形成された第一電極61と、第二管52の外側面(外壁)に形成された第二電極62とを有する。本実施形態では、第一電極61は網目形状又は線形状を有している。これは、第一管51の内側面に形成されている第一電極61が、前記内側面のほぼ全面を覆うように形成されていると、発光空間50で生成された紫外線L1を第一管51の内側に導く際の妨げになるためである。
第一電極61と第二電極62との間に電圧が印加されると、発光空間50内に電圧が印加され、放電プラズマが発生する。このプラズマにより発光空間50内のXe原子が励起され、エキシマ励起分子Xe2 *が生成される。この励起分子Xe2 *が基底状態に戻るときにXeエキシマ光を発生する。図3に、Xeエキシマ光のスペクトルを模式的に示す。図3に示すように、Xeエキシマ光は、172nmにピークを有するスペクトルを示す。本実施形態では、Xeエキシマ光が「紫外線L1」に対応する。
本実施形態において、光源5は、第二管52の内側面に反射層63を設けている。この反射層63は、紫外線L1に対して反射率の高い材料で構成されており、例えば、アルミナ、SiO2、ステアタイトなどからなる。これにより、発光空間50内にて生成された紫外線L1が、外側(第二管52の側面側)に進行すると、反射層63で反射されて内側(第一管51側)に進行方向が変更される。
後述されるように、本実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置1では、第一管51の内側を水蒸気V1が通流する。この水蒸気V1に対して発光空間50内で生成された紫外線L1が照射される。上記のように、光源5が反射層63を設けることで、紫外線L1を第一管51の内側に効率よく導くことができる。
なお、第二電極62自体を、紫外線L1に対して高い反射率を有する材料で構成することも可能である。この場合、第二電極62は、例えば、高輝度アルミニウムで構成することができる。
(水蒸気生成ユニット3)
再び図1に戻り、水蒸気生成ユニット3は、貯水槽30、バブリング装置31、キャリアガス供給装置33、及びキャリアガス流入管35を備えている。貯水層30には、水W1が貯えられている。バブリング装置31は、キャリアガス供給装置33からキャリアガス流入管35を通じて流入されるキャリアガスGcを、貯水槽30内に貯えられている水W1に供給することで、水W1を水蒸気V1に変換する。なお、本明細書において、水蒸気V1とは、微小な水の微粒子が気体内に浮遊する状態も含む概念である。
キャリアガスGcは、紫外線L1に対して不活性である、言い換えれば、紫外線L1に対する吸光度の低い材料からなる。キャリがガスGcとしては、窒素、アルゴン、ネオンなどが利用可能であり、入手及び取扱の容易性の観点からは、窒素が好ましい。
バブリング装置31によって生成された水蒸気V1は、キャリアガスGcと共に通流管7を通じて光源5の第一管51内に流入する。すなわち、光源5が備える第一管51と、通流管7とが連絡されている。なお、流入管7を通じて通流する水蒸気V1とキャリアガスGcの混合流体の流量比は、キャリアガス供給装置33から供給されるキャリアガスGcの流量や、流入管7の温度を調製することで制御可能である。一例として、流入管7を通じて通流する水蒸気V1の流量は、水蒸気V1とキャリアガスGcの混合流体の流量に対して、8%以下である。
<作用>
上述した霧化過酸化水素水生成装置1において、発光空間50で生成された紫外線L1は、第一管51の内側に導かれ、同箇所を通流する水蒸気V1及びキャリアガスGcの混合流体に照射される。上述したように、キャリアガスGcは紫外線L1に対して不活性である。一方、水蒸気V1に含まれる水分子が紫外線L1によって励起され、下記(1)式に従って、過酸化水素が生成される。
Figure 2019135204
上記(1)式の反応が生じることで、第一管51の内側において、水蒸気V1の一部が過酸化水素に変換される。この結果、筐体10からは、過酸化水素を含む水蒸気、すなわち霧化過酸化水素水V2がキャリアガスGcと共に排出される。よってこの気体(又はミスト)V2を被処理物(殺菌対象物)に照射することで、殺菌処理を行うことができる。すなわち、この構成によれば、過酸化水素(水)自体を予め準備することなく、霧化された過酸化水素水が生成できる。
ところで、殺菌処理をする方法として、オゾン(O3)を用いる方法が従来知られている。しかし、被処理物によっては、オゾン(O3)による殺菌処理を行うことで、色が変化してしまう場合がある。このような事象は、被処理物がクロロフィルを含む場合に起こることが確認された。クロロフィルを含む被処理物としては、例えば緑茶や抹茶などが挙げられる。
しかし、本発明に係る霧化過酸化水素水生成装置1を用いてこのような被処理物に対して殺菌処理を行った場合、オゾン(O3)と同等の殺菌能力を示しながらも、被処理物の色の変化が抑制されることが確認された。この内容は、実施例を参照して後述される。
なお、光源5は、水に吸収されて、水を励起するエネルギーを有する波長帯の紫外光L1を発生できる構成であればよい。この波長は、200nm以下であり、好ましくは189nm以下である。
<別構成>
図4に示すように、水蒸気V1を第二管52の外側にも通流させるものとしても構わない。この場合には、光源5で発生された紫外線L1を第二管52の外側にも導く必要があるため、光源5は反射層63を設けないものとすることができる。なお、図4において、光源5が有する電極などの図示は省略されている。
また、図2Aでは、第一電極61が第一管51の内側面に配置されているものとしたが、第一管51の外側面に配置されるものとしても構わない。同様に、第二電極62が第二管52の外側面に配置されるものとしたが、第二管52の内側面に配置されるものとしても構わない。
[第二実施形態]
第二実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置について、第一実施形態と異なる箇所を説明する。
図5は、第二実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置の構成を模式的に示す図面である。本実施形態の霧化過酸化水素水生成装置1は、第一実施形態と比較して水蒸気生成ユニット3の構成が異なる。すなわち、本実施形態において、水蒸気生成ユニット3は、バブリング装置31に代えて超音波発生装置36を備えている。
超音波発生装置36は、貯水槽30に貯えられた水W1に対して超音波を供給する構成である。一例として、超音波発生装置36は、貯水槽30の底面及び側面に設置された圧電セラミックスの振動子と、同振動子に対して高周波の交流電圧を印加する電力供給部とを備えて構成される。圧電セラミックスの振動子に高周波の交流電圧が印加されることで、超音波の振動エネルギーが生じる。
この超音波の振動エネルギーが貯水槽30内に貯えられた水W1に伝達されることで、水W1が水蒸気化(霧化)されて、水蒸気V1が生成される。この水蒸気V1は、第一実施形態と同様に、キャリアガスGcと共に通流管7を通じて、光源5で生成された紫外線L1の照射空間内に導かれる。図5の例では、図1と同様に、紫外線L1の照射空間が第一管51の内側である場合が図示されている。他は第一実施形態と共通するため、説明を割愛する。
なお、超音波発生装置36は、貯水槽30の底面にのみ設けられていても構わないし、側面にのみ設けられていても構わない。また、本実施形態においても、図4に示す構造と同様に、水蒸気V1を第二管52の外側にも通流させるものとしても構わない。
[第三実施形態]
第三実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置について、第一実施形態と異なる箇所を説明する。図6は、第三実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置の構成を模式的に示す図面である。本実施形態は、第一実施形態と比較して、光源5の構成が異なっている。なお、図7は、光源5を、図6内のA2−A2線で切断したきの断面を模式的に図示したものである。光源5は、第一実施形態とは異なり、いわゆる「一重管構造」を示す。すなわち、光源5は、両端に封止部(65,65)が形成された円筒状の発光管66を備え、この発光管66内には放電用ガスGdが封入されている。
発光管66内には、コイル状の第一電極61が、発光管66の管軸に沿って延伸するように配設されている。この第一電極61は、封止部(65,65)に埋設された金属箔(65a,65a)と電気的に接続されると共に、各金属箔65aと外部リードとが電気的に接続されている。また、発光管66の外側面には、網状の第二電極62が設けられている。これは、発光管66の外側面に形成されている第二電極62が、前記外側面のほぼ全面を覆うように形成されていると、発光空間50で生成された紫外線L1を発光管66の外側に導く際の妨げになるためである。
上記構成の光源5は筐体10内に配置される。筐体10内に導かれた水蒸気V1は、発光管66の外側を通じて流れ、発光管66から外側に向かって進行する紫外線L1が照射されることで、水蒸気V1の一部が過酸化水素に変換される。これにより、筐体10からは、霧化過酸化水素水V2が排出される。他は第一実施形態と共通するため、説明を割愛する。
[第四実施形態]
第四実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置について、第一実施形態と異なる箇所を説明する。図8は、第四実施形態に係る霧化過酸化水素水生成装置1の構成を模式的に示す図面である。
本実施形態の霧化過酸化水素水生成装置1は、光源5が内蔵された筐体10とは別に、被処理物21が設置される処理空間20を含む。キャリアガスGcと共に水蒸気V1が通流する通流管7は、この処理空間20に連絡されている。
光源5から出射される紫外線L1は、処理空間20側へと進行する。このとき、光源5が収容されている筐体10のうち、処理空間20とは反対側の面は、紫外線L1を反射する反射層が設けられているものとすることができる。また、筐体10のうち、処理空間20側の面、及び処理空間20を構成する面のうち光源5に近い側の面は、いずれも紫外線L1を透過する材料で構成されることができる。なお、光源5が筐体10で覆われていないものとしても構わない。
このような構成によれば、処理空間20内に流入した水蒸気V1に対して、光源5から出射される紫外線L1が照射されて、水蒸気V1の一部が過酸化水素に変換されることで、霧化過酸化水素水V2が生成され、処理空間20内で被処理物21に対して噴霧される。これにより、処理空間20内における被処理物21に対する殺菌処理が行える。
本発明に係る霧化過酸化水素水生成装置1を用いて被処理物に対して殺菌処理を行った場合、オゾン(O3)と同等の殺菌能力を示しながらも、色の変化が抑制されることにつき、実施例を参照して説明する。
[検証1:色変化に関する検証]
滅菌されたプラスチックシャーレ(φ90mm)に1gの緑茶粉末(製造元:株式会社菱和園)を入れ、シャーレ全面に分布するよう均一に均した8つのサンプル(A1〜H1)を準備した。
(実施例1)
第三実施形態の霧化過酸化水素水生成装置1を用いてサンプルA1に対して処理(I)を施した後、サンプルA1を取り出し、カラーリーダ(コニカミノルタ社製、CR−10)によって色差を測定した。処理(I)の条件は、以下の通りである。
<処理(I)の条件>
光源5は、キセノン(Xe)ガスが封入されてなるエキシマランプ(主たる発光波長172nm)であり、発光管66の寸法は外径16mm、発光長80mmであった。光源5は、大気中において、発光管66の表面から距離1cm離した箇所における波長172nmの光の照度が5.4mW/cmとなる強度で発光された。光源5が備える筐体10は、円筒形状を示し、軸方向に係る全長は185mm、内径は27mmであった。
水蒸気生成ユニット3が備える貯水槽30には、水温20℃の水W1が貯水されていた。水蒸気生成ユニット3において利用されるキャリアガスGcは大気であり、流量は5L/分であった。水蒸気生成ユニット3から供給される水蒸気V1とキャリアガスGcとの混合気体における水蒸気V1の流量は、水蒸気V1とキャリアガスGcとの混合気体の流量に対して2%であった。
上記の条件の下、霧化過酸化水素水生成装置1から供給されるガス(ここでは、霧化過酸化水素水V2とキャリアガスGcとの混合流体)を、シャーレ全域に3時間照射させた。
(実施例2)
キャリアガスを窒素ガスに代えた以外は、処理(I)と同様の処理をサンプルB1に対して施した後、サンプルB1を取り出して色差を測定した。
(比較例1)
バブリング装置31を駆動せずに(言い換えれば、図6において貯水槽30には水W1を貯水していない状態で)、光源5に対してキャリアガスGcとしての大気を流しながら、発光管66を点灯させた点以外は、処理(I)と同様の処理をサンプルC1に対して施した後、サンプルC1を取り出して色差を測定した。
(参考例1)
発光管66を不点灯とした以外は、処理(I)と同様の処理をサンプルD1に対して施した後、サンプルD1を取り出して色差を測定した。この場合、筐体10内には、キャリアガスGcとしての大気と水蒸気V1とが流入され、これがそのまま排出される。
(参考例2)
キャリアガスを窒素ガスとした点以外は、参考例1と同様の処理をサンプルE1に対して施した後、サンプルE1を取り出して色差を測定した。この場合、筐体10内には、キャリアガスGcとしての窒素ガスと水蒸気V1とが流入され、これがそのまま排出される。
(参考例3)
バブリング装置31を駆動しない(言い換えれば、図6において貯水槽30には水W1を貯水していない)点以外は、参考例1と同様の処理をサンプルF1に対して施した後、サンプルF1を取り出して色差を測定した。この場合、筐体10内には、キャリアガスGcとしての大気が流入され、これがそのまま排出される。
(参考例4)
バブリング装置31を駆動しない(言い換えれば、図6において貯水槽30には水W1を貯水していない)点以外は、参考例2と同様の処理をサンプルG1に対して施した後、サンプルG1を取り出して色差を測定した。この場合、筐体10内には、キャリアガスGcとしての窒素ガスが流入され、これがそのまま排出される。
(参考例5)
何も処理をしていないサンプルH1の色差を測定した。
各サンプル(A1〜H1)の色差の結果を表1に示す。なお、表1において総合色差ΔEは、ΔE=√(ΔL2+Δa2+Δb2)によって算定された値である。
Figure 2019135204
表1によれば、実施例1及び2(サンプルA1及びB1)の色差の、参考例5(サンプルH1)の色差からの変化の程度(総合色差ΔE)が、バブリング装置31を駆動しなかった比較例1(サンプルC1)の色差の、参考例5(サンプルH1)の色差からの変化の程度(総合色差ΔE)よりも抑制されていることが分かる。
なお、表1において、参考例1及び2(サンプルD1及びE1)において、参考例5(サンプルH1)から色差が変化しているのは、霧化された水蒸気がサンプルの緑茶粉末に噴霧されたことで、色味が多少変化したことに起因するものと考えられる。この観点でいうと、実施例1及び2では、いずれも水蒸気を含むガスが緑茶粉末に噴霧されるため、大きく色味が変化しそうであるが、実際には、水蒸気が含まれない比較例1よりも色味の変化が抑制されていることが確認される。
[検証2:色変化に関する検証]
検証1で用いた緑茶粉末に代えて、「寒天培地に撒いた黄色ブドウ球菌」をプラスチックシャーレ(φ90mm)に入れた8つのサンプル(A2〜H2)を準備した。具体的には、シャーレ内の寒天培地上に、黄色ブドウ球菌を含有する水を滴下することで、8つのサンプル(A2〜H2)を準備した。
(実施例1)
処理前のサンプルA2内の菌数を食品衛生検査指針に準拠した方法で測定した。次に、検証1の実施例1と同様の方法でサンプルA2に対して処理(I)を施した後(処理時間3時間)、サンプルA2を取り出して、同様の方法で菌数を測定した。そして、処理前後における殺菌能力を、殺菌率により評価した。殺菌率は、以下の式で算定された。
殺菌率=log{(処理後生菌数)/(処理前生菌数)}
殺菌率の値が小さい、すなわち絶対値が大きいほど、殺菌能力が高いことを示す。
(実施例2、比較例1、参考例1〜5)
各サンプル(B2〜H2)に対して検証1と同様の方法で処理をし、処理前後における殺菌能力を、殺菌率により評価した。
各サンプル(A2〜H2)の殺菌率の結果を表2に示す。
Figure 2019135204
表2によれば、実施例1及び2(サンプルA2,B2)の処理において、比較例1(オゾン殺菌)と同等以上の殺菌能力が実現されていることが確認された。すなわち、検証1及び2によれば、本発明の構成によって、オゾン殺菌と同等又は同等以上の殺菌能力を示しながらも、被処理物の色の変化が抑制されることが確認された。
なお、表2によれば、参考例1及び2のように、発光管66を点灯させずにバブリング装置31を駆動しただけでは、すなわち単に水蒸気V1とキャリアガスGcの混合気体を照射しただけでは、殺菌能力が発現しないことも確認された。
1 : 霧化過酸化水素水生成装置
3 : 水蒸気生成ユニット
5 : 光源
7 : 通流管
10 : 筐体
20 : 処理空間
21 : 被処理物
30 : 貯水槽
31 : バブリング装置
33 : キャリアガス供給装置
35 : キャリアガス流入管
36 : 超音波発生装置
50 : 発光空間
51 : 第一管
52 : 第二管
61 : 第一電極
62 : 第二電極
63 : 反射層
65 : 封止部
65a : 金属箔
66 : 発光管
Gc : キャリアガス
Gd : 放電用ガス
L1 : 紫外線
V1 : 水蒸気
V2 : 霧化過酸化水素水

Claims (7)

  1. 水蒸気生成ユニットと、
    波長200nm以下の紫外線を放射する光源と、
    前記水蒸気生成ユニットで生成された水蒸気を、前記紫外線の照射領域である空間内に導く通流管とを備え、
    前記空間内に導かれた前記水蒸気は、前記紫外線が照射されることで、少なくとも一部が過酸化水素に変換されることを特徴とする、霧化過酸化水素水生成装置。
  2. 前記水蒸気生成ユニットは、
    水が貯えられた貯水槽と、
    前記貯水槽に貯えられている水の中に気体を供給するバブリング装置とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の霧化過酸化水素水生成装置。
  3. 前記気体は、前記紫外線に対して不活性であることを特徴とする、請求項2に記載の霧化過酸化水素水生成装置。
  4. 前記気体は窒素であることを特徴とする、請求項3に記載の霧化過酸化水素水生成装置。
  5. 前記水蒸気生成ユニットは、
    水が貯えられた貯水槽と、
    前記貯水槽に貯えられている水に対して超音波を供給する超音波発生装置とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の霧化過酸化水素水生成装置。
  6. 前記光源は、筒状の第一管と、前記第一管を周方向に取り囲むように設けられた第二管とを含み、前記第一管と前記第二管との間に形成された発光空間内に所定の放電用ガスが封入されてなる、エキシマランプで構成され、
    前記通流管は、前記第一管に接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の、霧化過酸化水素水生成装置。
  7. 前記第二管の内側面又は外側面に、前記発光空間で生成されて前記第二管側に進行する前記紫外線を前記第一管側に反射させる反射層を備えたことを特徴とする、請求項6に記載の霧化過酸化水素水生成装置。

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WO2022244607A1 (ja) * 2021-05-17 2022-11-24 国立大学法人京都大学 過酸化水素の製造方法

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