JP2019134013A - 圧着積層体の製造方法及び圧着積層体の製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、図8(a)に示すように、圧着積層体の製造装置内に、グリーンシートの積層体(即ち熱圧着前の積層体である圧着前積層体)P1を配置する。この圧着前積層体P1は、搬送枠P2に保持されたグリーンシート(即ち下側シート)P3の上に、接着剤付のグリーンシート(即ち接着剤層P4を備えた上側シート)P5を、接着剤層P4を下側にして載置したものである。なお、この接着剤とは、温度が上昇すると接着性が発揮されるものである。
なお、図8(a)では、説明上、下側シートP3と上側シートP5とをわずかに離して示しているが、実際には、下側シートP3と上側シートP5とは接触している。
また、本第1局面では、圧着前積層体を減圧容器内に配置した状態では、上側加熱部材や下側加熱部材は圧着前積層体に接触していないので、予め上側加熱部材や下側加熱部材を十分な温度に加熱できる。従って、減圧後には、速やかに上側加熱部材や下側加熱部材を圧着前積層体に接触させて圧着することができるので、作業能率が高いという効果がある。しかも、圧着後には、上側加熱部材や下側加熱部材を速やかに圧着積層体から離すことができるので、別の圧着前積層体を速やかに減圧容器内に供給できる。従って、生産性が高いという効果がある。
なお、グリーンシートに上述した接着剤を有しない場合には、グリーンシートの表面に溶剤を塗布して、グリーンシート同士を積層して圧着前積層体とすることが考えられるが、このような場合でも、本開示は、前記と同様な効果を奏する。つまり、例えばグリーンシートに対して、減圧前に上側加熱部材や下側加熱部材から直接に熱が加わる場合には、減圧前にグリーンシート同士が密着する恐れがあり、そのときには、前記と同様にグリーンシート間から空気が抜けにくくなるが、本開示では、好適に空気を除去できるため、気泡が発生しにくい。
このような枠体を用いることにより、圧着前積層体を容易に保持できる。
(4)本開示の第4局面では、前記積層体の上面から前記上側加熱部材までの上側距離と、前記積層体の下面から前記下側加熱部材までの下側距離と、を同じとしてもよい。
(5)本開示の第5局面では、前記上側加熱部材及び前記下側加熱部材の少なくとも一方を、前記積層方向に移動させて、前記積層体の熱圧着を行ってもよい。
(6)本開示の第6局面では、前記積層体の間に、加熱によって接着力が増加する接着剤層を設けてもよい。
(8)本開示の第8局面では、前記積層体の平面方向における周囲を囲んで該積層体を保持する枠体を備えていてもよい。
(9)本開示の第9局面では、前記減圧容器内に、前記枠体を支持する支持部を備えていてもよい。
(10)本開示の第10局面では、前記積層体の上面から前記上側加熱部材までの上側距離と、前記積層体の下面から前記下側加熱部材までの下側距離と、を同じとしてもよい。
(11)本開示の第11局面では、前記上側加熱部材及び前記下側加熱部材の少なくとも一方は、前記積層体に接触するまで、前記積層方向に移動可能であってもよい。
(12)本開示の第12局面では、前記積層体は、前記グリーンシートの間に、加熱によって接着力が増加する接着剤層を備えていてもよい。
<以下に、本開示の各構成について説明する>
・「グリーンシート」とは、固体成分としてセラミックを主成分とする未焼成のセラミックグリーンシートである。
[1.実施形態]
[1−1.圧着積層体の製造装置]
まず、実施形態の圧着積層体の製造方法に用いる圧着積層体の製造装置について説明する。
前記減圧容器5は、内部の空間3内に、上側加熱部材7、下側加熱部材9、圧着前積層体13、保持機構15、駆動機構19等を収容する装置である。この減圧容器5は、空間3に収容された各部材等を囲むように、下部基板21と、上部基板23と、下部基板21と上部基板23との間に配置された、平面視(即ち図1の上下方向から見た場合)で例えば四角枠状の側壁部25とを備えている。
前記上側加熱部材7は、例えば通電により発熱するヒータであり、その下側の表面には、ゴム製の表面部7aを有している。
前記保持機構15は、後述するように、複数のグリーンシート11が積層された圧着前積層体13を、上側加熱部材7及び下側加熱部材9のいずれとも接触しないように空間をあけて保持するための装置である。
[1−2.グリーンシート等を保持する構成]
次に、圧着前積層体13を保持するための構成について説明する。
まず、図2及び図3に基づいて、圧着前積層体13を保持する枠体41について説明する。
詳しくは、開口部45の内径(縦、横の寸法)は、グリーンシート11Aの外径(縦、横の寸法)より僅かに大きいので、開口部45の内周とグリーンシート11Aの外周との間には、全周にわたって四角枠状の僅かな隙間47が形成されている。
詳しくは、平面視で四角枠状の接着テープ49は、枠体41の上面(図3の上側の面)の内周側とグリーンシート11Aの上面の外周側との全周にわたって貼り付けられており、これによって、枠体41の内側にてグリーンシート11Aが吊り下げられて保持された状態となっている。
図3に示すように、上層のグリーンシート11Bは、ベースとなるグリーンシート11aの一方の表面(図3では下側の表面)に、接着剤を含むグリーンシート11である接着剤層11bが積層されたものである。
なお、グリーンシート11は、周知のように、固体成分として例えばアルミナ等のセラミックを主成分とする未焼成のシートである。また、接着剤としては、温度が上昇すると接着性が発現する様に、例えばビニル系のPVA(ポリビニルアルコール)や、アクリル系のPMMA(ポリメチルメタクリレート)をベースとした材料を採用できる。
さらに、図3では、説明を容易にするために、上層のグリーンシート11Aを1層としてあるが、通常は、図4に示すように、最下層のグリーンシート11Aの上に、複数(例えば2〜7層)の上層のグリーンシート11Bが順次載置されて、圧着前積層体13が構成されている。
次に、保持機構15について説明する。
前記図1及び図2に示すように、保持機構15は、圧着前積層体13を保持する構成、詳しくは、圧着前積層体13を保持する枠体41を支える構成として、上部基板23の下面の4箇所に支持部51を備えている。
前記4本の支柱53は、図2に示すように、平面視で、長方形の枠体41の各頂点に近接した位置に配置されている。
[1−3.セラミック基板の製造方法]
次に、本実施形態の圧着積層体の製造方法を含む、セラミック基板の製造方法全体について説明するが、圧着積層体の製造方法以外のセラミック基板の製造方法自体は公知であるので、簡単に説明する。
(1)まず、図5に示すように、「グリーンシート作製工程」では、周知の方法により、グリーンシート11を作製する。
例えば、ベースとなるグリーンシート11aを作製するために、前記と同様なスラリーを用いて、前記グリーンシートAと同様にグリーンシート11aを作製する。次に、その上に、接着剤層11bを作製するために、前記スラリーに接着剤を添加したスラリーを用いて、前記グリーンシート11bと同様に接着剤層11bを作製する。これによって、2層構造のグリーンシート11Bを作製する。
なお、グリーンシート11の形成後に乾燥させることにより、各グリーンシート11は、周囲を保持して搬送できる程度の硬さを有するようになる。
(3)次に、「ビア穴埋め工程」では、グリーンシート11の貫通孔に、周知の導電体ペーストを充填する。なお、導電体ペーストとしては、例えば銅などの導体の粉末にバインダ等を加えてペースト状にしたものである。
(5)次に、「ラミネート工程」では、各グリーンシート11を積層して圧着前積層体13とする。つまり、枠体41に保持されたグリーンシート11Aの上に、他のグリーンシート11Bを載置する。なお、他のグリーンシート11Bは、積層する前に他の枠体から外して、前記所定寸法に切断しておく。
なお、圧着前積層体13を作製した後に、各グリーンシート11がずれないように、圧着前積層体13の表面の一部を点状に複数箇所押圧することによって、仮圧着を行う。
(7)次に、「焼成工程」では、切断した圧着積層体61を焼成し、セラミック基板を得る。なお、焼成前には、周知のように脱脂を行う。
[1−4.圧着積層体の製造方法]
次に、本実施形態の圧着積層体の製造方法について、図6及び図7に基づいて説明する。
まず、図6(a)に示すように、大気中にて、減圧容器5内に、圧着前積層体13を保持した枠体41を配置する。
次に、図6(b)に示すように、図2に示す位置にて、支持部材63を下降させることによって、圧着前積層体13を保持した枠体41を下降させて、枠体41の四隅の角部59を、それぞれ各下端部材55の凹部57上に載置する。
これによって、圧着前積層体13の温度が上昇して接着剤層11bの接着性が発現し、両グリーンシート11A、11Bが熱圧着されて、圧着積層体61が形成される。
その後、圧着積層体61を目的とするサイズに切断し、周知のように焼成を行ってセラミック基板を得る。
[1−5.効果]
次に、本実施形態の効果を説明する。
(2)本実施形態では、圧着前積層体13の平面方向(圧着前積層体13が広がる方向)における周囲を囲む枠体41により、圧着前積層体13を保持する。このような枠体41を用いることにより、圧着前積層体13を容易に保持できる。また、枠体41ごと圧着前積層体13を移動できるので、圧着前積層体13の移動等の扱いが容易になるという利点がある。
このように、上側距離と下側距離とを同じとすることにより、圧着前積層体13の上面と下面に対する加熱状態を同様にすることができる。
[1−6.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
[2.他の実施形態]
本開示は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本開示を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(2)例えば、前記実施形態では、接着剤層に、加熱により接着性が向上する接着剤を添加したが、そのような接着剤を用いない場合でも、本開示を適用できる。
(5)本開示は、積層セラミック基板や積層セラミックコンデンサ等の製造に適用できる。具体的には、水晶用PKG(パッケージ)、SAWフィルタ用PKG、MPU用PKG、C−MOS用PKG、CCD用PKG、LED用PKG等の製造に適用できる。
3…空間
5…減圧容器
7…上側加熱部材
9…下側加熱部材
11、11A、11B、11a…グリーンシート
11b…接着剤層
13…圧着前積層体
15…保持機構
17…減圧機構
19…駆動機構
41…枠体
51…支持部
61…圧着積層体
Claims (12)
- 減圧容器内に、複数のグリーンシートを積層した積層体を配置し、
前記減圧容器内の上面側に配置された上側加熱部材と、前記減圧容器内の下面側に配置された下側加熱部材と、を用いて、前記複数のグリーンシートを熱圧着して、前記複数のグリーンシートの圧着積層体を製造する圧着積層体の製造方法において、
前記減圧容器内にて、前記積層体を、前記上側加熱部材及び前記下側加熱部材のいずれとも接触しないように空間をあけて保持して、前記減圧容器内を減圧状態とする第1工程と、
前記減圧状態とした後に、前記積層体を前記上側加熱部材と前記下側加熱部材とで挟んで圧着して前記圧着積層体を製造する第2工程と、
を有する圧着積層体の製造方法。 - 前記積層体の平面方向における周囲を囲む枠体により、前記積層体を保持する、
請求項1に記載の圧着積層体の製造方法。 - 前記減圧容器内に設けられた支持部により、前記積層体を保持した枠体を、前記上側加熱部材及び前記下側加熱部材から離れた状態で支持する、
請求項1又は2に記載の圧着積層体の製造方法。 - 前記積層体の上面から前記上側加熱部材までの上側距離と、前記積層体の下面から前記下側加熱部材までの下側距離と、を同じとした、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧着積層体の製造方法。 - 前記上側加熱部材及び前記下側加熱部材の少なくとも一方を、前記積層方向に移動させて、前記積層体の熱圧着を行う、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧着積層体の製造方法。 - 前記積層体の間に、加熱によって接着力が増加する接着剤層を設けた、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧着積層体の製造方法。 - 内部の空間の減圧が可能な減圧容器と、
前記減圧容器内の上面側に配置された上側加熱部材と、
前記減圧容器内の下面側に配置された下側加熱部材と、
を備えた圧着積層体の製造装置において、
前記減圧容器内に配置され、前記複数のグリーンシートが積層された積層体を、前記上側加熱部材及び前記下側加熱部材のいずれとも接触しないように空間をあけて保持する保持機構と、
前記保持機構で保持された前記積層体が配置された前記減圧容器内を減圧する減圧機構と、
前記保持機構に保持された前記積層体を前記上側加熱部材と前記下側加熱部材とで挟んで押圧するように、前記上側加熱部材及び前記下側加熱部材の少なくとも一方を駆動する駆動機構と、
を備えた圧着積層体の製造装置。 - 前記積層体の平面方向における周囲を囲んで該積層体を保持する枠体を備えた、
請求項7に記載の圧着積層体の製造装置。 - 前記減圧容器内に、前記枠体を支持する支持部を備えた、
請求項7又は8に記載の圧着積層体の製造装置。 - 前記積層体の上面から前記上側加熱部材までの上側距離と、前記積層体の下面から前記下側加熱部材までの下側距離と、を同じとした、
請求項7〜9のいずれか1項に記載の圧着積層体の製造装置。 - 前記上側加熱部材及び前記下側加熱部材の少なくとも一方は、前記積層体に接触するまで、前記積層方向に移動可能である、
請求項7〜10のいずれか1項に記載の圧着積層体の製造装置。 - 前記積層体は、前記グリーンシートの間に、加熱によって接着力が増加する接着剤層を備えた、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の圧着積層体の製造装置。
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