以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、以下においては、理解を容易にするべく、適宜の情報処理を行うことが可能な端末及びサーバを利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
<経営管理補助システムの構成例>
図1は、本発明による経営管理補助システムに係るネットワーク構成の好適な一実施形態を示す概略構成図(システム構成図)である。同図に示すとおり、経営管理補助システム1は、ネットワークNWを介して相互に通信可能に接続された複数のユーザ端末10(第1端末)、中継サーバ20(第1サーバ)、解析サーバ30(第2サーバ)、及び管理者端末40(第2端末)を備えるように構成される。
(ネットワークNW)
ネットワークNWは、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、ユーザ端末10、中継サーバ20、解析サーバ30、及び管理者端末40との間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、有線であるか無線であるかも問わない。また、ネットワークNWは、複数種の通信回線や通信網及び種々のネットワーク機器を含んで構成され得る。例えば、ネットワークNWは、無線接続される基地局、無線LANのアクセスポイント、ゲートウェイ装置、移動体通信網、ルータ、モデム、専用又は汎用の回線、インターネット等を含む。
(ユーザ端末10)
ユーザ端末10は、飲食店等の小売店舗に設置されており、各店舗の店員(ユーザ)が利用する端末であり、例えばPOSレジスタ機能及び/又はOES機能を有するデバイスである。具体的には、ユーザ端末10としては、POSレジスタ及び/又はOESの専用デバイスのみならず、POSレジスタ機能及び/又はOES機能を実現するためのアプリケーションがインストールされたデバイス、クラウドに保存されたPOSレジスタ機能及び/又はOES機能を実現するためのアプリケーションやウェブ上で提供されるPOSレジスタ機能及び/又はOES機能を有するアプリケーション(ウェブアプリケーション)を実行するデバイス等が挙げられる。
さらに、本実施形態においては、ユーザ端末10として、タッチパネル等のユーザインタフェース(I/F)及び視認性が高いディスプレイを採用し、且つ、ネットワークNWとの通信機能を有するタブレット型端末(スマートフォンを含む)に、ウェブブラウザ及びPOSレジスタアプリケーション(アプリケーションX)がインストールされ、また、後述する各店舗におけるコスト管理に関する情報を取得し且つ経営管理情報Cを表示するための経営管理補助ウェブアプリケーション(アプリケーションY)が実行される可搬型の情報端末を想定する。
かかるユーザ端末10は、それらのPOSレジスタアプリケーションや経営管理補助ウェブアプリケーションを実行することによって取得される各店舗における営業実績に関する情報a1及び各店舗におけるコスト管理に関する情報a2を含むユーザ情報Aを、ネットワークNWを介して中継サーバ20へ送信し、且つ、後述する解析サーバ30から送信される各店舗に関する経営管理情報Cを受信して適宜表示する機能を有する。
また、ユーザ端末10は、一般的なコンピュータとしてのハード構成を有する。具体的には、ユーザ端末10は、図2(A)に示すとおり、CPU11、メモリ12、ユーザインタフェース13、通信インタフェース14、及びストレージ15を備え、これらが、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスを介して互いに接続されて構成される。
CPU11は、算術論理演算ユニット及び各種レジスタ(プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等)から構成され、ユーザ端末10全体の動作を制御し、他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、経営管理補助システムにおいて必要な各種の演算処理を行う。また、CPU11は、ストレージ15に格納されているPOSレジスタアプリケーション、及び、中継サーバ20から送信される経営管理補助ウェブアプリケーションを解釈及び実行し、ユーザインタフェース13に入力されたユーザ端末10のユーザの操作情報に従って処理を行うとともに、取得された種々の情報をネットワークNW経由で中継サーバ20へ送信する。さらに、CPU11は、解析サーバ30からユーザ端末10へ送信された種々のデータ(テキスト、画像、音声等)をユーザインタフェース13に表示又は再生する。
メモリ12は、ストレージ15から読み出した各種プログラム、中継サーバ20から提供されるウェブアプリケーションプログラム、解析サーバ30から提供される各種のデータを、一時的に記憶し、所定のアルゴリズム及びプログラム指令に従って各種処理を実行する。
ユーザインタフェース13は、ユーザとの間で情報のやり取りを行うためのものであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッド等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置、ディスプレイ等の画像出力装置、及びスピーカ等の音声出力装置を含む。
通信インタフェース14は、有線又は無線のネットワークNWを介した通信を制御するためのものであり、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
ストレージ15は、物理デバイス(例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体)の記憶領域が提供する論理デバイスであり、具体的には、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等から構成され、ユーザ端末10の処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ユーザインタフェース13用のドライバプログラム(入力デバイスドライバプログラムや出力デバイスドライバプログラム等)、各種データ、通信ログ(記録)、上述したウェブブラウザやPOSレジスタアプリケーション等を書き換え可能に記憶する。
(中継サーバ20)
中継サーバ20は、例えばサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。本実施形態において、中継サーバ20は、特に制限されないが、例えば、経営管理補助システム1により各店舗の経営管理を補助又は支援する事業者等によって提供され得る。かかる中継サーバ20は、主として、複数のユーザ端末10から受信した各店舗における営業実績に関する情報a1及び各店舗におけるコスト管理に関する情報a2を含むユーザ情報Aを記憶し、且つ、その記憶したユーザ情報Aのうち、解析サーバ30におけるデータ分析に必要な特定のユーザ情報Bを、ネットワークNWを介して解析サーバ30へ送信する機能を有する。
また、中継サーバ20は、ユーザ端末10と同様に、一般的なコンピュータとしてのハード構成を有する。具体的には、中継サーバ20は、図1に示すとおり、CPU21、メモリ22、ユーザインタフェース23、通信インタフェース24、及びストレージ25を備え、これらが、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスを介して互いに接続されて構成される。なお、これらの個々のハード構成の具体例は、それぞれ、先に述べたユーザ端末10における各構成要素と実質的に同等であるので、ここでの重複する説明は省略する。
(解析サーバ30)
解析サーバ30も、中継サーバ20と同様に例えばサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。本実施形態において、解析サーバ30は、特に制限されないが、例えば、上述した経営管理補助システム1の事業者のほか、所定の分析ルールに基づいたデータ分析を行うための汎用サーバによる解析サービスを行う事業者等によって提供され得る。かかる解析サーバ30は、主として、中継サーバ20から受信した特定のユーザ情報Bを用いて所定の分析ルールに基づいたデータ分析を行い、これによって得られた各店舗に関する経営管理情報Cを、ネットワークNWを介してユーザ端末10及び管理者端末40へ送信する機能を有する。
また、解析サーバ30も、ユーザ端末10と同様に、一般的なコンピュータとしてのハード構成を有する。具体的には、解析サーバ30は、図1に示すとおり、CPU31、メモリ32、ユーザインタフェース33、通信インタフェース34、及びストレージ35を備え、これらが、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスを介して互いに接続されて構成される。なお、これらの個々のハード構成の具体例は、それぞれ、先に述べたユーザ端末10における各構成要素と実質的に同等であるので、ここでの重複する説明は省略する。
(管理者端末40)
管理者端末40は、上述した経営管理補助システム1の事業者の担当者やサポートセンターのオペレータ、又は、各店舗の統括管理を行う管理者(スーパバイザ)が利用する端末である。この管理者端末40としては、ユーザ端末10と同様のタブレット型端末等が挙げられ、ユーザ端末10で実行されるアプリケーションと同じアプリケーション(特に経営管理補助ウェブアプリケーション;アプリケーションZ)が実行される。かかる管理者端末40は、ユーザ端末10と同様に、ネットワークNWを介して解析サーバ30から送信される各店舗に関する経営管理情報Cを受信して適宜表示する機能を有する。
また、管理者端末40も、ユーザ端末10と同様に、一般的なコンピュータとしてのハード構成を有する。具体的には、管理者端末40は、図1に示すとおり、CPU41、メモリ42、ユーザインタフェース43、通信インタフェース44、及びストレージ45を備え、これらが、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスを介して互いに接続されて構成される。なお、これらの個々のハード構成の具体例は、それぞれ、先に述べたユーザ端末10における各構成要素と実質的に同等であるので、ここでの重複する説明は省略する。
<経営管理補助システムにおける処理例>
このように構成された経営管理補助システム1において、ユーザ端末10でPOSレジスタアプリケーション及び経営管理補助ウェブアプリケーションを実行し、また、管理者端末40で経営管理補助ウェブアプリケーションを実行することによって提供される経営管理補助の好適な一実施形態について、以下に説明する。
本実施形態においては、各店舗のユーザがユーザ端末10のユーザインタフェース13を介して、ユーザ端末10にPOSレジスタアプリケーションの実行及び各種操作を指示すると、ユーザ端末10は、当該アプリケーションのプログラムに基づいて処理を行い、CPU11が、表示画面の取得を要求する信号を通信インタフェース14経由で中継サーバ20へ送信する。また、各店舗のユーザがユーザ端末10のユーザインタフェース13を介して、ユーザ端末10に経営管理補助ウェブアプリケーションの実行及び各種操作を指示すると、ユーザ端末10は、当該アプリケーションのプログラムに基づいて処理を行い、CPU11が、データ分析を要求する信号と所定の表示画面の取得を要求する信号を通信インタフェース14経由で中継サーバ20及び解析サーバ30へ送信する。
それらの要求信号を受信した中継サーバ20のCPU21は、そのための表示データを適宜作成し、作成した表示データを通信インタフェース24経由でユーザ端末10へ送信する。また、それらの要求信号を受信した解析サーバ30のCPU31は、中継サーバ20から必要な情報データである特定のユーザ情報Bを抽出し、且つ、それを用いて、ユーザからの要求信号の内容に沿ったデータ分析を行い、その分析結果の表示データを適宜作成し、作成された表示データを通信インタフェース34経由でユーザ端末10へ送信する。その表示データを受信したユーザ端末10は、CPU11により、その表示データに基づいて描画データを作成し、作成された描画データをユーザ端末10のユーザインタフェース13に出力し、所定の画面を表示する。
同様に、店舗の管理者が管理者端末40のユーザインタフェース43を介して、管理者端末40に経営管理補助ウェブアプリケーションの実行及び各種操作を指示すると、管理者端末40は、当該アプリケーションのプログラムに基づいて処理を行い、CPU41が、データ分析を要求する信号と所定の表示画面の取得を要求する信号を通信インタフェース44経由で中継サーバ20及び解析サーバ30へ送信する。
それらの要求信号を受信した解析サーバ30のCPU31は、中継サーバ20から必要な情報データである特定のユーザ情報Bを抽出し、且つ、それを用いて、管理者からの要求信号の内容に沿ったデータ分析を行い、その分析結果の表示データを適宜作成し、作成された表示データを通信インタフェース44経由で管理者端末40へ送信する。その表示データを受信した管理者端末40は、CPU41により、その表示データに基づいて描画データを作成し、作成された描画データを管理者端末40のユーザインタフェース43に出力し、所定の画面を表示する。
[POSレジスタアプリケーションによる処理]
まず、各店舗のユーザ(レジスタ担当者)が、ユーザ端末10を作動させ、ユーザインタフェース13(ディスプレイ)に表示されるPOSレジスタアプリケーションを示すアイコンをタップし、CPU11において当該アプリケーションを起動する。ユーザ端末10のユーザインタフェース13には、POSシステムへのログイン(サインイン)画面が表示され、ユーザは、ログインに必要な情報を入力する(次回以降は自動ログインを可能にしてももちろんよい。)。
また、ログインに先立って、或いは、ログイン完了後、各種の設定メニュー(例えば、POS設定、機器設定、画面設定、アカウント設定、セキュリティ設定、商品リスト設定、会計処理設定、商品原価設定、各種目標設定等)を選択するためのアイコンやボタン等が、ユーザインタフェース13に通常表示又はポップアップ表示される。ユーザは、必要に応じて、それらの設定メニューの中から目的のものを選択し、各種の設定を行うことができる。それらの必要な設定が完了してから、或いは、それらの設定が既に完了している場合、ユーザは、ユーザインタフェース13の画面を商品等の会計処理メニューに切り替え、ユーザ端末10のユーザインタフェース13による入力操作を行って商品等の注文処理及び会計処理を行うことができる。
ユーザ端末10のCPU11は、そのユーザの店舗における営業実績に関する情報a1として、上述の各種の設定メニューにおいて設定した情報、及び、店舗営業における例えば時間又は日毎の注文処理及び会計処理の情報を、通信インタフェース14を用いて中継サーバ20へ適時に送信する。中継サーバ20のCPU21は、通信インタフェース24を用いてそれらの情報を受信することにより、ユーザ端末10が設置されている店舗における営業実績に関する情報a1を収集し、それをストレージ15に記憶する。
[経営管理補助ウェブアプリケーションによる処理]
一方、各店舗のユーザ(レジスタ担当者)は、適宜のタイミングでユーザ端末10を作動させ、ユーザインタフェース13(ディスプレイ)に表示される経営管理補助ウェブアプリケーションを示すアイコンをタップし、CPU11において当該アプリケーションを起動する。ユーザ端末10のユーザインタフェース13には、経営管理システムへのログイン(サインイン)画面が表示され、ユーザは、ログインに必要な情報を入力する(次回以降は自動ログインを可能にしてももちろんよい。)。
また、ログインに先立って、或いは、ログイン完了後、各種の設定メニュー(例えば、機器設定、画面設定、アカウント設定、セキュリティ設定等)を選択するためのアイコンやボタン等が、ユーザインタフェース13に通常表示又はポップアップ表示される。ユーザは、必要に応じて、それらの設定メニューの中から目的のものを選択し、各種の設定を行うことができる。それらの必要な設定が完了してから、或いは、それらの設定が既に完了している場合、ユーザは、ユーザインタフェース13の画面を経営管理情報表示メニューに切り替え、ユーザ端末10のユーザインタフェース13による入力操作を行って、種々の表示メニューにおいて所望の経営管理情報Cを閲覧することができる。
他方、各店舗の統括管理を行う管理者(スーパバイザ)も、適宜のタイミングで管理者端末40を作動させ、管理者端末40において、ユーザ端末10で実行されるものと同じ経営管理補助ウェブアプリケーションを起動することができる。これにより、管理者も、各店舗のユーザが閲覧可能なものと同じ経営管理情報Cを閲覧することができる。
ここで、図2乃至図8は、それぞれ、経営管理補助の一環として提供される経営管理情報Cの画面表示の一例(ユーザ端末10及び管理者端末40に表示される画面遷移の一例)を示す概略平面図である。以下、飲食サービスを提供する店舗(飲食店)に設置されたユーザ端末10において経営管理補助ウェブアプリケーションを実行する場合の例について説明する。
(全店舗及び各店舗の経営管理情報表示:機能1)
(初期画面)
ユーザ端末10において経営管理補助ウェブアプリケーションが開始されると、ユーザインタフェース13に初期画面が表示される(図2)。同図に示すとおり、この初期画面における上部領域には、テキストT20及びボタンB20,B21が表示される。
テキストT20は、現在実行中の経営管理補助ウェブアプリケーションのタイトルを示す。また、ボタンB20は、当該アプリケーションに現在ログインしているユーザIDを示し、且つ、タップすることによりログイン画面(図示省略)をポップアップ表示するためのものである。さらに、ボタンB21は、当該アプリケーションによって得られた種々の経営管理情報Cに基づいて各店舗の経営状態の分析を所定の担当者(分析メンバー)に依頼するためのものであり、タップすることにより任意の依頼内容を入力するためのカラム画面(図示省略)がポップアップ表示される。
また、この初期画面における左側領域(テキストT20の下方)には、ボタンB22,B23,B24が表示される。
ボタンB22は、経営管理補助システム1に接続されたユーザ端末10が設置された全店舗における所定の経営管理情報C(全店舗サマリ)を、店舗毎に且つ店舗間で対比可能に表示するためのものである。また、ボタンB23は、全店舗のなかからユーザによって選択された特定の店舗における所定の経営管理情報C(店舗別サマリ)の表示を指示するためのものである。さらに、ボタンB24は、ユーザによって選択された特定の店舗グループチェーン(店舗ブランド)、特定の店舗、特定の飲食カテゴリ、特定の期間等についての所定の経営管理情報C(メニュー分析)の表示を指示するためのものである。
なお、各ボタンB22,B23,B24をタップして表示される画面、及び、その下位階層の画面に表示される種々の経営管理情報Cは、中継サーバ20のストレージ25に記憶されたユーザ情報Aのなかから抽出された特定のユーザ情報Bを、更に所定のルールに基づいて解析サーバ30のCPU31によって解析、要約、分類等してまとめられたものである。また、図2におけるテキストT20、ボタンB20〜B24、及び後述するテキストT22、又は、それらと同種のテキスト及びボタンは、後記の図3乃至図8に示す画面にも表示される。
(全店舗サマリ)
ここで、図2の初期画面は、他の表示画面においてユーザがボタンB22(全店舗サマリ)をタップした場合に表示される画面の一例でもある。この画面の主領域には、その上部側から下部側にかけて、テキストT21,T22、及びリストL20が表示される。
テキストT21は、この画面に表示される経営管理情報Cが主要指標の一覧であることを示す。また、テキストT22は、この画面表示が行われている日付を示す。さらに、リストL20は、売上状況及び経営管理状況に関する「全店舗サマリ」として、全店舗について、各店舗名、店舗毎の当月売上累計(円)、当月の売上達成状況(当月の売上目標に対する売上実績の比率:%)、原価率(当月の売上実績又は営業利益に占める材料原価の割合:%)、及び、人件費率(当月の売上実績又は営業利益に占める材料原価の割合:%)を示す。このとおり、図2には、選択された対象店舗の全ての経営情報が店舗毎に且つ店舗間で対比可能に表示される。
なお、リストL20は、上下にスクロールすることが可能(但し、項目ラベルの行(見出し行)は固定表示される)であり、全店舗のデータが一画面内に表示されない場合であっても、それらの全店舗のデータを閲覧することができる。また、各店舗が所属するグループチェーン(店舗ブランド)が複数存在する場合、例えばプルダウンメニュー等によって特定のグループチェーンの選択を可能にして、選択されたグループチェーンに所属する全店舗についての「全店舗サマリ」を表示するようにしてもよい。
さらに、リストL20における店舗名を除く各項目ラベルは、それ自体、タップ可能なボタンとして機能するように設定されており、ユーザが所望の項目ラベル(列)をタップすると、その項目ラベルの数値の昇順又は降順にリストをソートすることができる。例えば、図2の画面は、売上達成状況の数値の昇順に各店舗のデータがソートされた状態を示す。またさらに、各店舗のデータ行自体も、タップ可能なボタンとして機能するように設定されており、ユーザが所望の店舗のデータ行をタップすると、以下に説明する「店舗別サマリ」が表示される。
(店舗別サマリ)
すなわち、図2の初期画面において、ユーザが所望の店舗名(例えば「居酒屋リクルート渋谷店」)のデータ行をタップすると、例えば図3に示す画面が表示される。この画面の主領域には、「店舗別サマリ」として、テキストT30、グラフG30、リストL30、ボタンB30、R30、及びタイルD30〜D33が表示される。
テキストT30は、選択された店舗(店舗別サマリが表示される対象店舗)名を示す。また、グラフG30は、当該対象店舗が所属するグループチェーン(店舗ブランド)の全店舗の売上状況を店舗毎にプロットしたものである。さらに、リストL30は、グラフG30に表示されている店舗名を一覧表示したものである。またさらに、ボタンB30は、リストL30に表示される店舗を所定の群毎に選択/切替するためのものである。さらにまた、ラベルR30は、現在の画面表示から選択可能なデータ種別と、現在表示されているデータ種別を示す。例えば、図3においては、「店舗サマリ」のテキスト色が他と異なり且つアンダーバーが付されており、これにより、「店舗サマリ」が選択されている状態を示す。加えて、タイルD30〜D33は、解析サーバ30によって得られた分析結果のうち選択されたデータ種別に含まれるデータを示す。このとおり、図3には、選択された対象店舗の全ての経営情報が店舗毎に且つ店舗間で対比可能に表示される。
ここで、グラフG30において、横軸は、当該対象店舗の存在地から所定距離の周辺エリア内にある複数の店舗における売上状況の平均と当該対象店舗の売上状況との差(比率でもよい)を示し、縦軸は、当該対象店舗の前年同時期における売上の達成率と本年現在の売上の達成率との差(比率でもよい)を示す。換言すれば、グラフG30の横軸は、当該対象店舗が存在するエリアにおける人気度や賑わい度を表す指標の一つであり、同縦軸は、当該対象店舗の成長率を図る指標の一つである。この点において、グラフG30の各象限にプロットされた店舗は、第1象限(右上)、第2象限(左上)、第4象限(右下)、及び第3象限(左下)の順に業績が好調であるといえる。
また、グラフG30においては、それらの各象限に分類される店舗が色分けされてプロットされており、各店舗の業績の好調度合いが視覚的且つ直感的に把握し易くされている。さらに、グラフG30の各プロット点には、業績の好調度合いの順位を示す番号が付与されており、リストL30においては、その番号順(つまり業績の好調順)に店舗名が列記されている。なお、このリストL30は上下にスクロールすることが可能に設定されている。
またさらに、グラフG30とリストL30の間に設けられたボタンB30は、グラフG30における全象限及び各象限を模式的に且つ色分けしてアイコン表示したものであり、各アイコンを選択してタップすることにより、リストL30に表示される店舗群を選択することができる。例えば、図3においては、全象限のプロット店舗(つまりチェーングループに所属する全店舗)を示すアイコンにアンダーバーが付されており、これにより、全店舗が選択されている状態を示し、これに対応して、リストL30には全店舗名が表示されている。
また、タイルD30〜D33に示されるデータは、選択された対象店舗の売上状況のサマリを表すものである。タイルD30には、主要指標として、図2の「全店舗サマリ」に表示されている当該対象店舗の当月売上累計(月次累計)、売上達成状況(売上対目標)、原価率(原価)、及び人件費率(人件費)の数値データに加え、昨年同日時点と比べた売上金額の差異(上向きの三角印は“増加”を示す)、及び、当月の売上目標(売上計画)の日推移に対する当日までの売上実績の日推移を示す折れ線面グラフが表示される。
ここで、原価率(原価)及び人件費率(人件費)は、売上に対する原価(材料費)と人件費の状況を日々把握するための指標であり、ユーザが、日毎の人件費及び材料費(仕入額)をユーザ端末10から入力すると算出される数値データである。すなわち、これらの日毎の人件費及び材料費は、ユーザの店舗におけるコスト管理に関する情報a2であり、ユーザ端末10においてPOSレジスタアプリケーションを実行することによって取得されるユーザの店舗における売上等の営業実績に関する情報a1とともに、ユーザ情報Aを構成する。
また、これらの日毎の人件費及び材料費は、ユーザ端末10において経営管理補助ウェブアプリケーションを実行する際に、適宜のタイミングで入力することができる。具体的には、例えば、図3におけるテキストT22の下方で且つラベルR30に隣接して設けられている「F/L入力」(Fとは“Food”(食材費)を表し、Lとは“Labor”(人件費)を表す)と表示されているボタンB31をタップすると、例えば図4に示す入力画面が表示される。同図において、図3に表示されていた画面の内容は明度を落とした状態で表示され、その前面にF/L入力画面が明るくポップアップ表示される。このF/L入力画面は、テキストT40、カラムC40、ボタンB40、リストL40、及び、ボタンB41から構成される。
テキストT40は、F/L入力であることを示す。また、カラムC40は、ユーザが日付、人件費及び仕入額を数値入力するためのものである。さらに、ボタンB40は、ユーザによる入力値を保存するためのものである。またさらに、リストL40は、これまでの日毎の入力データを一覧表示したものである(図4においては省略)。さらにまた、ボタンB41は、F/L入力画面を閉じて直前に表示されていた画面(ここでは図3の表示画面)に戻るためのものである。
なお、図3のタイルD30、及び、図2の対象店舗(リクルートカフェ渋谷店)の欄においては、原価率(原価)及び人件費率(人件費)がともに“0”と表示されているが、実際にF/L入力が行われた場合には、それらの入力値と売上額とから、その時点での原価率(原価)及び人件費率(人件費)が算出されて、画面表示される。
図3に戻り、タイルD31には、選択された対象店舗の客数に関するデータとして、当月の来客者数累計、昨年同月と比べた場合の来客者数累計の差及び割合、直近30日間における来客者数累計と直近30日から直近60日までの30日間における来客者数累計との比較(絶対値、全体増減、来店形態(予約又は直接来店)別の増減)が表示される(上向きの三角印は“増加”を示し、下向きの三角印は“減少”を示す)。また、タイルD32には、当該対象店舗における客単価に関するデータとして、当月平均の客単価、及び、昨年同月と比べた場合の客単価の差及び割合が表示される(上向きの三角印は“増加”を示す)。さらに、タイルD33には、いわゆるQSC(Q:クオリティー(品質)、S:サービス(サービス)、C:クリンリネス(清潔さ))に関する指標等が表示される。なお、図3においては、現状準備中であることを示すテキストのみ表示されている。
ここで、タイルD30〜D32は、それ自体、タップ可能なボタンとして機能するように設定されており、それらをタップすると、各タイルに関連するより詳細な経営管理情報Cを表示する画面が表示される。また、図3に表示されているラベルR30に列記されている「店舗サマリ」、「インデックス」、「集客情報」、及び「注文」と記載されたテキスト表示も、それ自体、タップ可能なボタンとして機能するように設定されている。例えば、ラベルR30における「店舗サマリ」をタップすると図3の画面が表示され(ボタンB23をタップしても同様)、「インデックス」をタップするとタイルD30をタップしたときと同じ詳細画面が表示され、「集客情報」をタップするとタイルD31をタップしたときと同じ詳細画面が表示され、「注文」をタップするとタイルD32をタップしたときと同じ詳細画面が表示されるように設定されている。
(当月のF/L管理に係る経営管理情報表示:機能2)
次に、選択された対象店舗における売上状況の主要指標が表示されたタイルD30又はラベルR30における「インデックス」をタップすると、例えば図5に示す画面が表示される。なお、図5に表示される数値データは、図3に表示される数値データとは異なる日付のデータに基づく例示である点に留意されたい。
図5に示すこの画面の主領域には、その上部側から下部側にかけて、タイルD50及びリストL50が表示される。
タイルD50は、解析サーバ30において所定のルールに沿って算出された当月末時点での売上累計、原価率、及び人件費率の予測値(着地予想)を示し、それらの下方に、図3におけるタイルD30に表示された当月の売上目標(売上計画)の日推移に対する当日までの売上実績の日推移を示す折れ線面グラフの拡大図も表示される。このとおり、図5には、選択された対象店舗における現時点での営業実績及び営業予測が営業目標と対比可能に表示される。また、リストL50は、当該対象店舗における営業記録として、日毎の売上(来客者数含む)、売上累計、売上目標達成率、原価率(F比率)、及び人件費率(L比率)を示す。
(集客状況に係る経営管理情報表示:機能3)
さらに、選択された対象店舗における客数に関するデータが表示されたタイルD31又はラベルR30における「集客分析」のテキストをタップすると、例えば図6に示す画面が表示される。なお、図6に表示される数値データは、図3に表示される数値データと同日付のデータに基づく例示である。
図6に示すこの画面の主領域には、その上部側から下部側にかけて、タイルD60,D61,D62が表示される。
タイルD60は、当該対象店舗における当月の来客者数、及び昨年同月と比べた場合の来客者数の差を示す。また、タイルD61は、図3におけるタイルD31にも表示されたデータであり、直近30日間における来客者数累計と直近30日から直近60日までの30日間における来客者数累計とを、来店経路の相違に着目して比較したデータ(絶対値、全体増減、来店形態(予約又は直接来店)別の増減)を示す。さらに、タイルD62は、直近30日間における来客者数累計と直近30日から直近60日までの30日間における来客者数累計とを、客層の相違に着目して比較したデータ(絶対値、客層別の増減)を示す。このとおり、図6には、選択された対象店舗における集客状況が顧客(来店客)の属性毎に対比可能に表示される。
なお、タイルD62における客層別の対比としては、例えば以下の分別が挙げられる。
・予約客/直接来店客
・平日/金曜土曜
・少人数/大人数
・一次会/二次会(所定時刻以降の来店を二次会として計数)
また、図6に示すこの画面の主領域の表示は、上下にスクロールすることが可能に設定されており、タイルD62の下方には、タイルD63が更に表示される。このタイルD62は、直近30日における予約客に関する例えば以下に示す統計情報、それらの統計情報と直近30日から直近60日までの30日間における同種の統計情報との比較、及び直近30日の気象情報を示す。この点においても、図6には、選択された対象店舗における集客状況が顧客(来店客)の属性毎に対比可能に表示される。
・店舗のホームページの閲覧(ページビュー:PV)数及び周辺エリア内の店舗の総PV数に対する当該店舗のPV数の割合(シェア)
・電話予約の不成立割合及び不成立件数
・お得意様(常連客)を含む来客者組数及びその割合
・キャンセル客数及びキャンセル率
・コース予約客数及びその割合
・晴天及び曇天の日数
なお、これらの統計情報は、当該店舗のホームページや電話又はメール等によるコミュニケーション手段によって店舗側に伝えられた予約/キャンセルに関する情報を、ユーザが例えばユーザ端末10やウェブサイト上のウェブ予約管理システムに入力し、ネットワークNWを介して中継サーバ20に送信することによって収集される。また、これらのタイル内の数値に付与表示されている上向きの三角印は“増加”を示し、下向きの三角印は“減少”を示す。
(顧客単位の注文状況及び/又は会計状況に係る経営管理情報表示:機能4)
また、選択された対象店舗における客単価に関するデータが表示されたタイルD32又はラベルR30における「注文」をタップすると、例えば図7に示す画面が表示される。なお、図7に表示される数値データは、図3及び図5の何れに表示される数値データとも異なる日付のデータに基づく例示である点に留意されたい。
図7に示すこの画面の主領域には、リストL70が表示される。このリストL70は、当該対象店舗における当月の営業記録である来店客(顧客)単位の伝票(レシート)データの一覧として、来店客の来店日時、当該店舗における滞在時間、人数、売上額、客単価、及び原価率を示す。このとおり、図7には、選択された対象店舗における顧客(来店客)単位の注文状況及び/又は会計状況が表示される。
なお、このリストL70は、上下にスクロールすることが可能(項目ラベルの行(見出し行)は固定表示される)であり、全伝票のデータが一画面内に表示されない場合であっても、それらの全伝票のデータを閲覧することができる。また、リストL70においては、客単価及び原価率に着目し、それらの良し悪しの目安として予め設定した所定の客単価(例えば2500円)及び原価率(例えば30%)をそれぞれ超えたものと超えないものが、例えばカラムの色分けにより区別して表示される。
さらに、リストL70における各項目ラベルは、それ自体、タップ可能なボタンとして機能するように設定されており、ユーザが所望の項目ラベル(列)をタップすると、その項目ラベルの数値の昇順又は降順にリストをソートすることができる。例えば、図7の画面は、来店日時の降順に各伝票のデータがソートされた状態を示す。またさらに、各伝票のデータ行自体も、タップ可能なボタンとして機能するように設定されており、ユーザが所望の伝票のデータ行をタップすると、その伝票の詳細内容として、注文されたメニュー名、そのメニューが属する料理カテゴリ、属性(例えば通常メニューであるかおすすめメニューであるか)、単価、注文点数、売上、原価等が記載されたリストがポップアップ表示される(図示省略)。
(商品毎の販売状況に係る経営管理情報表示:機能5)
加えて、各画面の左側領域に表示されているボタンB24(メニュー分析)をタップすると、例えば図8に示す画面が表示される。
図7に示すこの画面の主領域には、その上部側から下部側にかけて、テキストT80、カラムC80,C81、タイルD80、ボタンB80、及びリストL80が表示される。
テキストT80は、この画面に表示される経営管理情報Cがメニュー分析の結果であることを示す。また、カラムC80は、メニュー分析の対象カテゴリ及び条件を設定して分析結果のレポートの表示を指示するためのものである。より具体的には、カラムC80は、プルダウン表示された複数のグループチェーン(店舗ブランド)から特定のグループチェーンを選択するためのプルダウンカラム、プルダウン表示されたメニューカテゴリ(例えば、各種飲み放題、野菜、コース、甘味、お通し等)から特定のメニューカテゴリを選択するためのプルダウンカラム、プルダウン表示された複数の店舗(選択された特定のグループチェーンに所属する全店舗)から特定の店舗を選択するためのプルダウンカラム、及び、それらの条件で分析されたレポートを表示するためのボタンから構成される。
さらに、カラムC81は、メニュー分析における基準日及びその前後の対象期間(前後30日、前後2週間、前後1週間等)を設定するためのものである。またさらに、タイルD80は、メニュー分析の結果のサマリとして、カラムC81で設定された比較対象期間における売上、来客数、平均客単価、及び粗利の変化(1日あたり及び1月あたり)を示す。
さらにまた、リストL80は、メニュー分析の結果として、カラムC81で設定された比較対象期間及び選択されたメニューカテゴリについて、メニュー毎の注文率、1日あたりの出数(注文数)及びその構成比(当該メニューカテゴリの全メニューの注文数合計に対する割合)、1日当たりの売上及びその構成比(当該メニューカテゴリの全メニューの売上合計に対する割合)、及び、1日あたりの粗利及びその構成比(当該メニューカテゴリの全メニューの粗利合計に対する割合)を示す。加えて、ボタンB80は、リストL80に表示されるメニュー分析結果の表示態様を、「変化」(カラムC81で設定された基準日の前後の比較)と「実績値」(カラムC81で設定された基準日以降の実績値)で切り替えるためのものである。このとおり、図8には、選択された対象店舗における商品毎の販売状況が表示される。なお、図8に示すこの画面の主領域の表示は、上下にスクロールすることが可能に設定されており、リストL80において全メニューのデータが一画面内に表示されない場合であっても、それらの全メニューのデータを閲覧することができる。
以上のように構成された経営管理補助システム1、並びにその方法及びプログラムによれば、ユーザ端末10で実行されるPOSレジスタアプリケーション(アプリケーションX)による処理で取得されるユーザの店舗における営業実績に関する情報a1と、ユーザ端末10で実行される経営管理補助ウェブアプリケーション(アプリケーションY)による処理によって入力されるユーザの店舗におけるコスト管理に関する情報a2とを含むユーザ情報Aが、例えば日々のデータとして中継サーバ20へ送信されて蓄積される。また、ユーザ情報Aのうち特定のユーザ情報Bが適示に抽出されて解析サーバ30で分析され、その結果である種々の経営管理情報Cが、ユーザ端末10及び管理者端末40へ適時にフィードバック送信され、階層的に表示される。
したがって、ユーザ及び管理者は、日々収集された全ての営業実績データを従来の如く例えば月締めで且つ手動で分析する手間をかけることなく、経営改善や経営改善に役立つ有用な経営管理情報を簡易に且つタイムリーに取得することができる。このとおり、本発明によれば、ユーザの各店舗における営業実績及びコスト管理に関する有用な情報を適時に抽出且つ集計し、かかる情報を効率的に分析することにより、各店舗の経営状態に関する有用な情報を、リアルタイムで且つ他店舗と対比可能にユーザへ提示することができる。その結果、従来の経営分析におけるユーザや管理者の手間を軽減し且つ経営改善に十分に資することが可能となる。
また、経営管理補助システム1は、経営管理情報Cの表示機能として、特に、全店舗及び各店舗の経営管理情報(全店舗サマリ及び店舗別サマリ)表示(機能1)、当月のF/L管理に係る経営管理情報表示(機能2)、集客状況に係る経営管理情報表示(機能3)、顧客単位の注文状況及び/又は会計状況に係る経営管理情報表示(機能4)、商品毎の販売状況に係る経営管理情報表示(機能5)といった複数の有用な機能を提供することができ、しかも、各機能に係るデータ表示を、極めて簡易な操作(タップ数が少ない処理)によって行うことができ、さらに、ユーザ(店舗現場)と管理者が同じ情報を共有し易い環境が整備される。よって、従来の如く多くの手間と時間を費やしても得ることが困難であった経営改善のための有意な示唆(ヒント)や手掛かりを、ユーザ(店舗現場)と管理者の共通認識のもと、平易に且つ適時に得ることができる。したがって、各ユーザの店舗における経営改善効果を一層向上させることが可能となる。
さらに、換言すれば、経営管理補助システム1によれば、特に飲食経営におけるいわゆる主要指標である売上(すなわち来客数×客単価)、原価、及び人件費を、ユーザ及び管理者が直感的に理解し易い情報データとして可視化することができるので、これらの主要指標を改善するための有意な示唆(ヒント)や手掛かりを、コスト管理、集客プラン、メニュー開発、及び店舗現場でのオペレーション改善といった多角的な観点から提案することが可能となる。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施の形態、及び、既に述べた変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な変形が可能である。すなわち、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。また、上述の各処理フローは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
例えば、POSレジスタアプリケーションは、ユーザ端末10にインストールされず、ウェブアプリケーションとして提供及び実行されてもよく、また、経営管理補助ウェブアプリケーションは、ウェブアプリケーションではなく、ユーザ端末10にインストールされて実行されてもよい。
また、経営管理補助システムによる処理は、POSレジスタアプリケーション、及び、経営管理補助ウェブアプリケーションの実行範囲内に限られず、他のアプリケーションやウェブサービス(例えば、OESアプリケーション、ウェブ予約サービス、受発注アプリケーション、受発注プラットホームサービス等)と連携し、それらの各種アプリケーション等の実行によって取得される情報データを用いた処理に拡張されても好ましい。さらに、経営管理補助システムにおける経営管理情報Cの提供(フィードバック)は、例えば日々のリアルタイムの処理の他に、月次や年次の報告としてユーザ及び管理者に提供してももちろんよい。
またさらに、売上実績が売上目標を達成することが困難であると予想される場合に、ユーザ及び管理者にその旨のアラートを適宜の方法によって発報するように構成してもよく、さらにまた、伝票データに基づいて、会計処理における不正の有無を判定するアルゴリズムを組み込み、疑義がある会計処理についてもラートを適宜の方法によって発報するように構成してもよい。
また、ユーザ端末10又は管理者端末40を、中継サーバ20及び解析サーバ30のハード機能の一部又は全部として使用することも可能である。すなわち、ネットワークNWを介して接続されているコンピュータ機器の何れもサーバとして機能させることができる。またさらに、ユーザ端末10及び管理者端末40として、ネットワークNWに接続可能な任意のコンピュータ機器を用いてもよい。さらにまた、ユーザ端末10及び管理者端末40としては、タブレット端末の他、パソコン(PC)、家庭用ゲーム機器、携帯型ゲーム機、携帯電話機、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯情報端末(PDA)、携帯音楽プレイヤ、電子書籍リーダ、その他のコンピュータ機器が挙げられる。加えて、中継サーバ20及び解析サーバ30は、単一のコンピュータ機器から構成されるものであっても、ネットワークNW上に分散された複数のコンピュータ機器から構成される形態のものであってもよし、単一のコンピュータが複数のサーバ及びデータベース機能を備えるようなものであってもよい。
以上に加え、上述した「集客状況に係る経営管理情報表示:機能3」において説明した、図6に示す客層別の対比データを用い、以下のように集客戦略を立てることとしてもよい。図9乃至図11は、図6のタイルD62に表示されるデータの一例を示す図である。図9のタイルD62には、「金土」の来客者数が198人増加しているのに対し、「平日」の来客者数が93人減少していることを示すデータが表示されている。
図9において、「平日」のタイルをタップすると、その下方に、図10に示す詳細情報がさらに表示される。この詳細情報は、「平日」に来店した顧客が、曜日以外の対比属性に対してどのように属しているのかを示す統計データである。
図10に示す「平日」の詳細情報には、「直接」来店した顧客が56人増加しているのに対し、「予約」して来店した顧客が149人減少していることを示すデータが表示されている。
続いて、「金土」のタイルをタップすると、図11に示すように、「金土」に来店した顧客の統計データが詳細情報として表示される。
図11に示す「金土」の詳細情報には、「予約」して来店した顧客を含め、全ての客層で増加していることを示すデータが表示されている。
これらの対比データに基づいて分析すると、「平日」に「予約」して来店した顧客が減少していることがわかる。したがって、例えば、平日に割引特典をつけたクーポンを配布するという集客戦略を立てることが可能となる。