以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。情報処理システム1は、ある企業(以下「対象企業」という)の社内ネットワーク2(LAN)上に構築されたシステムであり、1つ以上の端末3と情報処理装置4とを含んで構成されている。なお図1では、社内ネットワーク2を非常に単純化して示しているが、社内ネットワーク2は、ルータ、その他のLANを構築するために必要な通信機器を含んで構成されている。
対象企業は、通信販売を行う企業である。通信販売は、実店舗を介さずに行われる販売を広く意味し、インターネットのウェブサイトを媒体として行われる販売のほか、テレビチャンネルや、カタログ、紙媒体の広告等を媒体として行われる販売を含んでいる。また単発の販売のみならず、定期頒布のような定期的に商品の提供が行われるような販売も含む。そして情報処理装置4は、顧客管理や、商品管理、在庫管理、受注に関する処理、出荷に関する処理、各種帳票の出力等の通信販売に関する各種処理を実行する機能を備えるサーバである。
なお図1および後述する図2では情報処理装置4を1つのブロックで表しているが、これは情報処理装置4が単一の装置で構成されていることを意味するものではなく、複数の装置が連携するシステムを情報処理装置4として機能させる構成でもよい。また図1では図示を省略しているが、情報処理装置4は、DMZに設置され、セキュアにインターネットに接続されている。
端末3は、対象企業の社員が使用するコンピュータである。特に端末3は、社内ネットワーク2を介して情報処理装置4にアクセス可能であり、情報処理装置4が提供する各種サービスを利用することができる。端末3は、後述する処理を実行可能な装置であればその形態は何でもよく、例えばデスクトップ型、ラップトップ型、ノート型或いはタブレット型のコンピュータを端末3として機能させることができる。また端末3は社内ネットワーク2に対して有線接続されてもよく無線接続されてもよい。端末3には表示パネル5が接続されている。表示パネル5は、液晶ディスプレイ等のディスプレイである。
図2は、情報処理装置4および端末3の機能構成例を示すブロック図である。図2で示すように情報処理装置4は機能構成として、通信部10および制御部11を備えている。また端末3は機能構成として、端末側通信部12および端末側制御部13を備えている。上記各機能ブロック10~13は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック10~13は実際には、コンピュータのCPU、RAM、ROM等を備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。図2で示すように情報処理装置4は記憶手段として、記憶部14を備えている。記憶部14に記憶されるデータについては後述する。
情報処理装置4の通信部10は、所定の通信規格に従って社内ネットワーク2に接続された装置(端末3を含む)と通信する。端末3の端末側通信部12は、所定の通信規格従って社内ネットワーク2に接続された装置(情報処理装置4を含む)と通信する。端末側制御部13は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により、端末3の各部を統括的に制御する。
上述したように情報処理装置4は、通信販売に関する各種処理を実行する。通信販売に関する各種処理に際しては必要に応じて適宜、項目保有対象が情報処理装置4に使用される。項目保有対象とは、項目値がセットされる項目が1つ以上定義された対象である。項目保有対象は、例えば顧客マスタ20や、商品マスタ21等の各種マスタであり、また例えば受注伝票22や、配送伝票、返品伝票、入金伝票などの各種伝票であり、また例えば各種帳票である。そして情報処理装置4は、項目保有対象のフォーマットを設定するための手段を提供する機能を有している。
また情報処理装置4の制御部11は、受注に応じて(より具体的には受注伝票22の発行に応じて)、予め定められた条件のうち成立するものがあるか否かを判別し、成立する条件がある場合、その条件に対応するアクションを発動するサービス(以下「サポートサービス」という)を提供することができる。そして情報処理装置4は、サポートサービスに関する各種設定(サポートサービスの登録を含む)をするための手段を提供する機能を有する。
以下、項目保有対象のフォーマットの設定、および、サポートサービスに関する設定に着目して、情報処理装置4の動作を説明する。なお基本的には、項目保有対象のフォーマットを設定する作業を行い、また、サポートサービスに関する設定をする作業を行う主体は対象会社の社員であり、社員が端末3を使用してこれら作業を行う。以下、これら作業を行う対象会社の社員を特に「担当者」という。以下では情報処理装置4の動作と共に、担当者の作業も明らかにする。
まず項目保有対象のフォーマットの設定、および、サポートサービスに関する設定に関する説明に先立って、受注伝票22、商品マスタ21および顧客マスタ20について説明する。以下の説明では、項目値がセットされる項目を示す文言について、その文言に続けて「<項目>」と表記し、その文言が項目であることを明示する場合がある。また属性値がセットされる属性を示す文言について、その文言に続けて「<属性>」と表記し、その文言が属性であることを明示する場合がある。また、項目にセットされる項目値、或いは、属性にセットされる属性値を示す文言について、その文言に続けて「<値>」と表記し、その文言が項目値或いは属性値であることを明示する場合がある。なお、属性は項目の一種(項目に含まれる概念)であるが、属性と項目とを区別しているのは説明の便宜上のことである。
<受注伝票22>
図3は、受注伝票22の簡略化した一例を示す図である。受注伝票22とは、注文に応じて発行される伝票であり、対象会社が商品を提供する会社である場合には、基本的には顧客による商品の注文に応じて発行される。受注伝票22には注文の内容が登録される。ただし受注伝票22は何らかの受注に応じて発行されるものであればよく、その発行のトリガ、その内容が限定されるものではない。また本実施形態の受注伝票22は、ディスプレイに表示可能な電子伝票であり、受注伝票22への情報の入力は、情報処理装置4(他の装置であってもよい)の情報処理による自動的な手段で、或いは、オペレータによる人為的な手段で行われる。
なお以下において、受注伝票22は、受注伝票22の総称を示す場合もあれば、注文に応じて発行される個々の具体的な受注伝票22を示す場合もある。個々の具体的な受注伝票22は、実体としては、フォーマットに関する情報と、フォーマットに従った各種情報(典型的には各種項目にセットされる項目値)との組み合わせにより構成される情報である。以上のことは、商品マスタ21や顧客マスタ20を含む他の項目保有対象についても同様である。
図3で示すように受注伝票22は項目として、受注番号<項目>、顧客氏名<項目>、受付日<項目>および個口数<項目>を備えており、受注番号<値>、顧客氏名<値>、受付日<値>および個口数<値>がセットされる。また受注伝票22は、明細エリア25を備えている。明細エリア25は、明細対象ごとに明細行が記録されるエリアである。明細対象は典型的には、顧客が注文した商品であるが、明細対象は商品に限られず、取引に適用される値引きや、商品が配送される場合の送料等が含まれる(換言すれば明細行に記録される対象として予め定められたものが明細対象である)。
図3で示すように1つの明細行は、ID<属性>と、名称<属性>と、数量<属性>と、税込単価<属性>と、税抜単価<属性>と、税込金額<属性>と、税抜金額<属性>と、区分<属性>を含んでいる。ID<属性>は明細対象の識別情報を示し、名称<属性>は明細対象に付与された名称を示す。また「税込単価<属性>の値×数量<属性>の値=税込金額<属性>の値」との関係があり、「税抜単価<属性>の値×数量<属性>の値=税抜金額<属性>の値」との関係がある。区分<属性>は、明細対象の区分を示す。明細対象は、商品に対応する区分、値引きに対応する区分、送料に対応する区分等に予め区分されており、各区分に値が割り振られている。
図3の受注伝票22の明細エリア25の1行目の明細行は、IDが「A01」、名称が「Aバッグ」、税込単価が「2200円」、税抜単価が「2000円」の商品について、2個の注文があり、税込金額が「4400円」、税抜金額が「4000円」であることを示している。また2行目の明細行は、1000円分の値引きを示している。また3行目の明細行は、500円の送料を示している。
図3で示すように、受注伝票22は、金額関連エリア26を備えている。金額関連エリア26は、所定のポイントプログラムに係るポイントについて、項目として、累計ポイント<項目>(項目値は、今回の取引前のポイント数)、加算ポイント<項目>(項目値は、今回の取引で加算されるポイント数)、使用ポイント<項目>(項目値は、今回との取引で使用されたポイント数)および合計ポイント<項目>(項目値は、今回の取引後のポイント数)を備えている。また金額関連エリア26は項目として、商品<項目>、送料<項目>、値引き<項目>、小計<項目>、税<項目>、合計<項目>を備えている。
図3で示すように、受注伝票22は、メッセージ欄27を備えている。メッセージ欄27は、受注伝票22を処理するオペレータに対する情報(メッセージ)が入力される欄である。メッセージ欄27は、特許請求の範囲の「情報表示欄」に相当する。
図3で示すように、受注伝票22は、受注伝票フリー項目エリア28を備えている。受注伝票フリー項目エリア28は、受注伝票に追加されたフリー項目(以下「受注伝票フリー項目」という)が一覧表示されるエリアである。フリー項目については後に詳述する。
以上の通り、受注伝票22では、そのフォーマットについて項目(受注番号<項目>や、顧客氏名<項目>等。フリー項目も含まれる)が定義され、各項目(全ての項目でなくてもよい)に、項目値がセットされることにより構成される。ただし当然、受注伝票22には項目値以外の情報も含まれる。特に本実施形態では、受注伝票22に、フリー項目が定義されていることが特徴の1つである。受注伝票以外の伝票についても、基本的には同様の構造である。なお図3で例示した受注伝票22は、説明の便宜のため、主要な要素を抜粋した上で単純化したものである。例えば、顧客に関するより詳しい情報に係る項目(住所、電話番号、メールアドレス等)や、配送に関するより詳しい情報に係る項目(使用する配送会社等)が含まれてもよく、また明細行の属性に定価や、税区分等の属性が含まれていてもよい。
<商品マスタ21および顧客マスタ20>
図4は、商品マスタ21の簡略化した一例である。図4で示すように、商品マスタ21は項目として、商品ID<項目>と、商品名称<項目>と、税抜単価<項目>と、税込単価<項目>とを備えている。また商品マスタ21は、商品マスタフリー項目エリア29を備え、この商品マスタフリー項目エリア29には、フリー項目が定義される。以下、商品マスタ21のフリー項目を「商品マスタフリー項目」という。
図5は、顧客マスタ20の簡略化した一例である。図5で示すように顧客マスタ20は、項目として顧客ID<項目>と、顧客氏名<項目>と、顧客住所<項目>と、顧客連絡先<項目>とを備えている。また顧客マスタ20は、顧客マスタフリー項目エリア30を備え、この、顧客マスタフリー項目エリア30には、複数のフリー項目が定義される。以下、顧客マスタ20のフリー項目を「顧客マスタフリー項目」という。
以上の通り、商品マスタ21および顧客マスタ20は、そのフォーマットについて複数の項目が定義され、各項目(全ての項目でなくてもよい)に、項目値がセットされることにより構成される(当然、項目値以外の情報を含んでいてもよい)。特に本実施形態では、商品マスタ21および顧客マスタ20に、フリー項目が定義されていることが特徴の1つである。商品マスタ21および顧客マスタ20以外のマスタについても、基本的には同様の構造である。
<項目保有対象のフォーマットの設定>
次に項目保有対象のフォーマットの設定について説明する。項目保有対象のフォーマットの設定に際し、担当者は、端末3にインストールされた専用のソフトウェアを起動する。この専用のソフトウェアは、所定のプロトコルに従って情報処理装置4にリクエストを送信し、その応答として描画ファイルを受け取り、描画ファイルに基づいて画面(ユーザインタフェイス)を表示する機能を有する。本実施形態では、専用のソフトウェアとしているが、これに代えて汎用のブラウザが用いられてもよい。
以下、端末3および情報処理装置4との通信は、端末側通信部12および通信部10によりHTTPその他のプロトコルに従って適切に行われるものとし、詳しい説明は行わない。また情報処理装置4の制御部11による描画ファイル(例えばHTMLファイル。当然、他の形式のファイルであってもよい)の生成、描画ファイル基づいて表示された各種画面への入力の検出、各種画面へ入力された情報の取得、各種画面の動的な変更、その他の画面に関する各種処理は、CGI、JavaScript(登録商品)、Ajax、DHTML、その他の既存の技術を用いて適切に実行されるものとし、詳しい説明は行わない。また情報処理装置4の制御部11が、端末側制御部13からのリクエストに応じて描画ファイルを端末側制御部13に送信し、描画ファイルに基づく画面を端末3の表示パネル5に表示させることを「制御部11は、端末側制御部13を制御して表示パネル5に〇〇画面を表示させる」、或いは単に「制御部11は、○○画面を端末3の表示パネル5に表示する」、「制御部11は、○○画面を表示する」のように表現する場合がある。
専用ソフトウェアの起動後、担当者は、所定の画面に所定の入力を行ってフォーマット設定画面31の表示を指示する。情報処理装置4の制御部11は、当該指示に応じてフォーマット設定画面31を端末3の表示パネル5に表示する。
図6は、フォーマット設定画面31の一例を示す図である。図6で示すようにフォーマット設定画面31には、当画面において行うことができる設定の種類のそれぞれに対応するタブが設けられており、タブを選択することによって設定の種類を選択することができる。図6の例では、設定の種類として、動作設定およびフリー項目設定が存在する。フリー項目設定とは、フォーマットにフリー項目を設定(追加)する設定である。以下では主にフリー項目設定について説明する。図6は、設定の種類としてフリー項目設定が選択された様子を示している。
図6で示すようにフォーマット設定画面31には、当画面においてフォーマットの設定をすることができる項目保有対象(上述したように、各種伝票、各種帳票、各種マスタを含む)のそれぞれに対応するタブが設けられており、タブを選択することによって、フォーマットを設定する項目保有対象を選択することができる。図6では、フォーマットを設定する項目保有対象として商品マスタ21が選択されている様子を示している。以下では、適宜、商品マスタ21についてフリー項目設定をする場合を例にして、項目保有対象のフォーマットの設定について説明する。
なお、フォーマットの設定は、クライアントごとに行えるようにしてもよく、複数の環境が定義され、環境ごとに行えるようにしてもよい。
本実施形態では項目保有対象に定義される項目は、大きく分けて規定項目とフリー項目との2つに分類される。規定項目は、予め設定された固定的な項目であり、ある種類の項目保有対象のフォーマットについては、その種類の項目保有対象のフォーマットが一般的に備えるべき規定項目が十分に用意されている。例えば図4で例示した商品マスタ21については、そのフォーマットに関し、商品ID<項目>や、商品名称<項目>、税込単価<項目>、税抜単価<項目>等が規定項目に該当する。
フリー項目は、担当者が事後的に自由に追加できる項目である。本実施形態に係る情報処理システム1は、項目保有対象ごとにフリー項目を追加できることが特徴の1つである。情報処理装置4の制御部11は、通信販売に関する項目保有対象について、フリー項目を追加するためのユーザインタフェイス(フォーマット設定画面、或いは、フォーマット設定画面の一部)を提供する機能を備えている。
上述したように図6は、設定の種類としてフリー項目設定が選択され、かつ、フォーマットを設定する対象として商品マスタ21が選択されている様子を示している。この状態においてフォーマット設定画面31には、ワークテーブル33が表示される。
ワークテーブル33は、リレーショナルモデルのテーブルである。ワークテーブル33の1つのレコードは、複数の属性を含んで構成されている。ワークテーブル33において、1つのレコードは、1つのフリー項目に対応しており、1つのレコードの8つの属性は、1つのフリー項目の8つの属性に対応している。図6のワークテーブル33(商品マスタ21に対応するテーブル)に1つのレコードを登録することにより、商品マスタ21のフォーマットに1つのフリー項目を追加することができる。なお以下では、フリー項目の追加について重点的に説明するが、担当者は、フリー項目を追加した後に、フリー項目の削除、フリー項目の内容の事後的な編集を自由に行うことができる。
図6で示すようにフリー項目は、属性としてフリー項目ID<属性>と、フリー項目名<属性>と、タイプ<属性>と、表示順<属性>と、桁数<属性>と、背景色<属性>と、必須区分<属性>と、説明<属性>とを含んでいる。フリー項目ID<属性>は、フリー項目ごとに一意に付与される識別番号である。フリー項目名<属性>は、フリー項目の名称である。
タイプ<属性>は、フリー項目のタイプである。フリー項目のタイプとは、フリー項目の項目値として、どのような形式の情報をセットできるかを規定するものである。本実施形態ではフリー項目のタイプ<属性>の属性値として、数値<値>、文字列<値>、日付<値>、日時<値>およびURL<値>が用意されている。なおフリー項目以外の項目についても基本的には、属性としてタイプ<属性>を持っている。
数値<値>は、フリー項目の項目値としてセット可能な形式が数値であることを意味する。あるフリー項目のタイプ<属性>が数値<値>の場合、そのフリー項目の項目値としては、形式が数値である情報のみをセットできる。文字列<値>は、フリー項目の項目値としてセット可能な形式が文字列であることを意味する。本実施形態では文字列とは、1つ以上の文字(文字コードにより表される対象を意味し、例えば、文字コードが付与された記号も文字に含まれる)の組合せからなる文字列を意味する。
日付<値>は、フリー項目の項目値としてセット可能な形式が日付であることを意味する。本実施形態では、形式としての日付とは、「西暦/月/日」で表される日付を意味する。日時<値>は、フリー項目の項目値としてセット可能な形式が日時であることを意味する。本実施形態では、形式としての日時とは、西暦/月/日/時:分で表される日時を意味する。URL<値>は、フリー項目の項目値としてセット可能な形式がURLであることを意味する。
なお本実施形態で例示するフリー項目のタイプ<属性>の属性値の種類は、説明の便宜のため、限定したものであり、他の種類を含んでいてもよいことは勿論である。例えば範囲を示すタイプ、単位が限定された数値(例えば、グラム、個、円、メートル)を示すタイプ、何らかの対象の識別情報(例えば、マスタを識別するためのマスタID、顧客ID、商品ID)を示すタイプ、予め用意されたコード或いは分類を示すタイプ等が、フリー項目のタイプ<属性>の属性値の種類に含まれていてもよい。
以上の通り制御部11は、フリー項目のタイプを、項目値として数値をセット可能であることを示すタイプと、項目値として文字列をセット可能であることを示すタイプと、項目値として日付または日時をセット可能であることを示すタイプとの少なくとも何れか1つに設定可能なユーザインタフェイスを提供する。
表示順<属性>は、フリー項目を一覧表示するときの表示の順番の優先度である。上述したように各種項目保有対象において、フリー項目は基本的には、専用のエリアに一覧表示される(図3~5参照)。その際に、各フリー項目は上下方向に並んで配置される。これを踏まえ表示順<属性>は、フリー項目の一覧表示に際し、どれほど高い優先度で上方に表示するのかを指定するものである。本実施形態では、表示順<属性>の属性値として、正の整数をセットすることができ、属性値の値が小さいほど優先度が高い。桁数<属性>は、フリー項目の項目値の桁数を制限する場合の、その桁数を示す。桁数<属性>は、ヌル値でもよい。
必須区分<属性>は、フリー項目に必ず項目値をセットしなければならないかどうかを示しており、項目値として、必ずセットしなければならないことを示す必須<値>と、セットしてもしなくてもよいことを示す任意<値>との何れかをセットすることができる。説明<属性>は、フリー項目に関する説明である。
図6を参照し、フリー項目を追加する場合、担当者は、ワークテーブル33の1つの空きレコード(1つも属性値がセットされていないレコード)の属性のそれぞれに属性値をセットする(ただしヌル値が許容される属性については、ヌル値をセットしてもよい)。次いで担当者は、更新ボタンB6を操作して入力を反映させる。更新ボタンB6が操作されると、情報処理装置4の制御部11は、ワークテーブル33の更新情報を取得し、取得した更新情報に基づいて、記憶部14に記憶された商品マスタ21のフォーマットの定義情報(フォーマットの各種定義を保持する情報)を更新する。
本実施形態では、フォーマット設定画面31を利用して、区分判定用のフリー項目を追加することが可能である。以下、区分判定用のフリー項目について具体例を挙げて説明する。例えば対象企業において、商品をメーカごとに区分したい(或いは区分する必要が生じた)状況になったとする。この場合において商品マスタ21の規定項目には、適切な項目が存在しなかったとする。この場合に、担当者はフォーマット設定画面31の商品マスタ21に係るワークテーブル33に、例えば図6のワークテーブル33の1行目のレコードを追加することによって、メーカを区分するためのフリー項目(区分判定用のフリー項目に相当)を追加する。なお図6の例では、フリー項目のタイプ<属性>は、数値<値>である。以下、図6で示すレコードにより追加されるフリー項目を「商品フリー・メーカ<項目>」という。
更に担当者は、商品フリー・メーカ<項目>のフリー項目IDを指定して区分登録画面の表示を指示する。当該指示に応じて情報処理装置4の制御部11は、区分登録画面を端末3の表示パネル5に表示する。区分登録画面は、指定されたフリー項目IDにより特定されるフリー項目について、フリー項目の項目値がとり得る値(とり得る値の全てである必要はなく、とり得る値の一部であってもよい)を定義し、とり得る値のそれぞれに名称を付与するための画面である。区分登録画面には、このような登録(とり得る値の定義、および、各値への名称の付与)が可能なユーザインタフェイスが形成されている。
担当者が、区分登録画面を利用して、商品フリー・メーカ<項目>がとり得る値を「100」、「200」および「300」と定義し、値「100」に「A社」という名称を、値「200」に「B社」という名称を、値「300」に「C社」という名称を付与したとする。すると情報処理装置4の制御部11は、図8(A)で示すように、数値「100」と名称「A社」とが対応付けられ、数値「200」と名称「B社」とが対応付けられ、数値「300」と名称「C社」とが対応付けられたテーブルを、商品フリー・メーカ<項目>のフリー項目IDと対応付けて記憶部14に記憶する。以下、図8(A)で示すような、フリー項目の項目値がとり得る値と、各値に付与した名称とを対応付けるテーブルを「区分テーブル」という。
以上により、商品フリー・メーカ<項目>を用いて、メーカをA社、B社およびC社の3つに区分に区分することができる。すなわち、ある商品マスタ21について、商品フリー・メーカ<項目>の項目値が「100」であった場合には商品のメーカがA社であると判定でき、「200」であった場合には商品のメーカがB社であると判定でき、「300」であった場合には商品のメーカがC社であると判定できる。なお、商品フリー・メーカ<項目>への項目値のセットは、所定の手段により適切に実行される。
以上のように本実施形態では、制御部11は、フリー項目について、項目値がとり得る値を定義し、各値に名称を付与するためのユーザインタフェイスを提供する。また担当者は、制御部11に提供されたユーザインタフェイスを通して、フリー項目について、項目値がとり得る値を定義し、各値に名称を付与することができる。つまり担当者は、項目保有対象に、所定の対象(顧客マスタ20であれば顧客、商品マスタ21であれば商品)を独自の観点で区分するための項目(=区分判定用のフリー項目)を事後的に自由に追加することができる。
更に本実施形態では、フォーマット設定画面31を利用して、フラグとして機能するフリー項目を追加することができる。具体的には、担当者は、制御部11が提供するフォーマット設定画面31を利用してタイプ<属性>が数値<値>であるフリー項目を追加する。更に担当者は、制御部11が提供する区分登録画面を利用して、項目値がとり得る値として「1」と「0」とを定義すると共に、各値に適切な名称を付与する。以上により担当者は、フラグとして機能するフリー項目を追加することができる(換言すれば、フリー項目をフラグとして機能させることができる)。
以上、区分判定用のフリー項目、および、フラグとして機能するフリー項目について、フリー項目のタイプ<属性>が数値<値>であるとして説明したが、これらのフリー項目は、タイプ<属性>が文字列<値>であってもよい。この場合、区分テーブルは、図8(B)で例示するように、項目値がとり得る値として定義された文字列のそれぞれと、各文字列に付与された名称とを対応付けて管理するテーブルとなる。
次にフォーマット設定画面31を利用して追加可能なフリー項目の具体例を列挙する。
例えば商品マスタ21に、商品のエコロジーに関する情報(文字列)をセットする項目が存在しなかったとする。この場合に、フォーマット設定画面31(制御部11が提供するユーザインタフェイス)を利用して、商品マスタ21のフリー項目として、商品のエコロジーに関する情報を示すフリー項目(以下、「商品フリー・商品エコ関連備考<項目>」という)を追加することができる。この場合、ワークテーブル33の対応するレコードの内容は、例えば図6のワークテーブル33の2行目のレコードで示す内容となる。図6で示す商品フリー・商品エコ関連備考<項目>のタイプ<属性>は文字列<値>である。
図4の商品マスタ21では、商品マスタフリー項目エリア29に、上述した商品フリー・メーカ<項目>および商品フリー・商品エコ関連備考<項目>が定義されている。以下の説明では、これらのフリー項目を商品マスタフリー項目の例として適宜、使用する。図4で示すように、商品マスタ21の商品マスタフリー項目エリア29は、フリー項目ごとにレコードが表示される。商品マスタフリー項目エリア29の各レコードは、フィールドとして、フリー項目IDと、フリー項目名と、必須区分と、項目値と、名称と、説明とを備えている。フィールドのフリー項目IDには、フリー項目名ID<項目>の項目値が入り、フィールドの必須区分には、必須区分<項目>の項目値が入り、フィールドの項目値には、フリー項目の具体的な項目値が入り、フィールドの名称には、項目値に名称が付与されている場合に、その名称が入り、フィールドの説明には、説明<項目>の項目値が入る。商品マスタ21以外の項目保有対象においてフリー項目が一覧表示されるエリアについても、商品マスタフリー項目エリア29と同様の構造である。
また例えば対象会社において、顧客ごとに、何らかの方法で計算される特別日というものを設けたとする。このような場合に、フォーマット設定画面31(制御部11が提供するユーザインタフェイス)を利用して、顧客マスタ20のフリー項目として、特別日をセットする項目(以下、「顧客フリー・特別日<項目>」という)を追加することができる。この場合、特別日は日付によって表されることを踏まえ、ワークテーブル33の対応するレコードは、例えば図7で示す内容となる。図7で示す顧客フリー・特別日<項目>のタイプ<属性>は日付<値>である。
また例えば対象会社において、顧客ごとに、ステージを設けたとする。このような場合に、フォーマット設定画面31(制御部11が提供するユーザインタフェイス)を利用して、顧客マスタ20のフリー項目として、ステージを示す値(文字列)がセットされる区分判定用のフリー項目(以下、「顧客フリー・ステージ<項目>」という)を追加することができる。顧客フリー・ステージ<項目>のタイプ<属性>は文字列<値>であるものとする。
また例えば、対象会社において、顧客を所定の観点で区分するとする。このような場合に、フォーマット設定画面31(制御部11が提供するユーザインタフェイス)を利用して、顧客マスタ20のフリー項目として、区分を示す値(数値)がセットされる区分判定用のフリー項目(以下、「顧客フリー・顧客区分<項目>」という)を追加することができる。顧客フリー・顧客区分<項目>のタイプ<属性>は数値<値>であるものとする。
また例えば、顧客マスタ20に、顧客の健康に関する情報(文字列)をセットする項目が存在しなかったとする。このような場合に、フォーマット設定画面31(制御部11が提供するユーザインタフェイス)を利用して、顧客マスタ20のフリー項目として、顧客の健康に関する情報がセットされるフリー項目(以下、「顧客フリー・顧客健康関連備考<項目>」という)を追加することができる。顧客フリー・顧客健康関連備考<項目>のタイプ<属性>は文字列<値>であるものとする。
図5の顧客マスタ20では、顧客マスタフリー項目エリア30に、顧客フリー・特別日<項目>、顧客フリー・ステージ<項目>、顧客フリー・顧客区分<項目>および顧客フリー・顧客健康関連備考<項目>が定義された様子を示している。以下の説明では、これらフリー項目を顧客マスタフリー項目の例として適宜、使用する。
また例えば、フォーマット設定画面31(制御部11が提供するユーザインタフェイス)を利用して、受注伝票22のフリー項目として、顧客(基本的には注文した顧客)のステージを示す値をセットする項目(以下、「受注フリー・ステージ<項目>」という)を追加することができる。受注フリー・ステージ<項目>のタイプ<属性>は文字列<値>であるものとする。
また例えば、フォーマット設定画面31(制御部11が提供するユーザインタフェイス)を利用して、受注伝票22のフリー項目として、販売促進のための物品(いわゆる販促品)を自動で提供(付帯)することを許容するかしないかを判定するためのフラグとして機能する項目(以下、「受注フリー・販促品自動付帯無効化<項目>」という)を追加することができる。受注フリー・販促品自動付帯無効化<項目>のタイプ<属性>は数値<値>であるものとする。また受注フリー・販促品自動付帯無効化<項目>は、項目値が「1」のときは販促品の提供を許容しないことを意味し、項目値が「0」のときは許容することを意味するものとする。デフォルト値は適切に設定される。
また例えば、フォーマット設定画面31(制御部11が提供するユーザインタフェイス)を利用して、受注伝票22のフリー項目として、カタログを送付するか否かを判定するためのフラグとして機能する項目(以下、「受注フリー・カタログ送付判定<項目>」という)を追加することができる。受注フリー・カタログ送付判定<項目>のタイプ<属性>は数値<値>であるものとする。また受注フリー・カタログ送付判定<項目>は、項目値が「1」のときはカタログを送付すべきことを意味し、項目値が「0」のときは送付すべきでないことを意味するものとする。デフォルト値は適切に設定される。
図3の受注伝票22では、受注伝票フリー項目エリア28に、受注フリー・ステージ<項目>、受注フリー・販促品自動付帯無効化<項目>および受注フリー・カタログ送付判定<項目>が定義されている。以下の説明では、これらフリー項目を受注伝票フリー項目の例として適宜、使用する。
以上の通り本実施形態では、情報処理装置4の制御部11は、通信販売に関する対象であって項目値がセットされる項目が定義された項目保有対象について、新規な項目であるフリー項目を追加可能なユーザインタフェイスを提供する機能を備えている。そして担当者は、情報処理装置4の制御部11により提供されるユーザインタフェイスを利用して、ワークテーブル33にレコードを追加するという非常に簡易な作業により、多種多様なフリー項目を自由に追加することができる。
<サポートサービスに関する設定について>
次にサポートサービス(特許請求の範囲の「サービス」に相当)に関する設定について説明する。上述したようにサポートサービスとは、情報処理装置4が、受注伝票22の発行(所定の事情の発生)をトリガとして、予め定められた条件のうち成立するものがあるか否かを判別し、成立する条件がある場合、その条件に対応するアクションを実行するサービスである。本実施形態では、担当者は、制御部11が提供するユーザインタフェイスを利用して、サポートサービスを登録することが可能である。
以下では、サポートサービスが行われるトリガとなった受注伝票22を「トリガ受注伝票」といい、トリガ受注伝票の発行の原因となった注文を行った顧客を「トリガ顧客」という。またトリガ受注伝票に記録された明細行のそれぞれに対応する商品のそれぞれを「トリガ商品」という。なお受注伝票22の明細行に対応する商品とは、購入可能な物として商品に限られず、明細対象を広く示している。従って、明細対象の1つである「値引き」や「送料」も受注伝票22の明細行に対応する商品と考える。
サポートサービスの登録に際し、担当者は、端末3に対して所定の操作を行ってサポート設定画面35(図9)の表示を指示する。この指示に応じて情報処理装置4の制御部11は、端末3の表示パネル5にサポート設定画面35(図9)を表示する。サポート設定画面35は、ある1つのサポートサービスを登録する画面である。ただし、あるタイミングでサポート設定画面35により一のサポートサービスを登録し、別のタイミングでサポート設定画面35により別のサポートサービスを登録するということを繰り返し行うことによって、複数の異なるサポートサービスを登録することが可能である。また以下では、サポート設定画面35によりサポートサービスを新たに登録する場合について主に説明するが、担当者は、事後的にサポートサービスの内容を変更することができる。
図9はサポート設定画面35の一例を示す図である。図9で示すようにサポート設定画面35は、識別情報入力エリアA91と、有効期間入力エリアA92と、アクション設定エリアA93と、受注関連設定エリアA94と、詳細条件設定エリアA95とを含んで構成されている。
識別情報入力エリアA91には、新たに登録しようとしているサポートサービスの識別情報(サポートサービスID)および名称を入力するエリアである。有効期間入力エリアA92は、サポートサービスを有効とする期間(以下「サポートサービス有効期間」という)について、開始日時(日付+時刻)と終了日時(日付+時刻)とを入力する欄である。有効期間入力エリアA92に入力されたサポートサービス有効期間内に発行された受注伝票が、サポートサービスの適用の対象となる。
アクション設定エリアA93、受注関連設定エリアA94および詳細条件設定エリアA95に関し、まず受注関連設定エリアA94について説明する。受注関連設定エリアA94では、計算タイミングと、通信販売に係る受注伝票22に記録された情報を使用した受注関連条件と、アクション発動条件(後述)が成立したときに発動すべきアクションに関する設定とを行うことができる。
図9で示すように、受注関連設定エリアA94には、計算タイミング<項目>の項目値を入力する計算タイミング入力欄N90が形成されている。計算タイミングとは、複数のサービスサポートが登録されている場合において、受注伝票22が発行されたときに複数のサービスサポートを適用する優先順位(順番)のことである。本実施形態では、計算タイミング<項目>の項目値として「4つ前」、「3つ前」、「2つ前」、「1つ前」、「中央」、「1つ後」、「2つ後」、「3つ後」および「4つ後」が準備されている。「4つ前」が最も優先順位が高く、「4つ後」に向かって徐々に優先順位が下がる。計算タイミング入力欄N90は、プルダウンメニューとなっており、メニューには項目値の候補のそれぞれが選択可能に記述されている。
例えば、サポートサービスSAと、サポートサービスSBと、サポートサービスSCとの3つのサポートサービスが登録されていたとする。そしてサポートサービスSAの計算タイミング<項目>が中央<値>であり、サポートサービスSBの計算タイミングが2つ前<値>であり、サポートサービスSCの計算タイミングが1つ後<値>であったとする。この場合、優先順位は2つ前<値>→中央<値>→1つ後<値>である。従って実際に新たに受注伝票が発行されたときには、まず2つ前<値>に係るサポートサービスSBが適用され、このサポートサービスSBについてアクション発動条件(後述)が成立するか否かの判定、および、成立する場合のアクションの発動が実行され、その後、サポートサービスSA、サポートサービスSCの順番に同様の処理が実行される。
また図9で示すように受注関連設定エリアA94には、条件参照<項目>に項目値(以下、条件参照<項目>の項目値を特に「条件参照値」という)を入力するための条件参照入力欄N91が形成されている。条件参照入力欄N91はプルダウンメニューとなっており、プルダウンメニューには、条件参照値の候補(以下「条件参照値候補」という)が選択可能に一覧表示される。条件参照値候補は、受注伝票22に記録された情報(基本的には項目値)を用いて導出可能な値とされる。
例えば条件参照値候補は、「該当商品合計」である。該当商品合計とは、トリガ受注伝票の明細エリア25の明細行のうち、区分<属性>の項目値にかかわらず、明細行の税込金額のそれぞれを合計して導出される値を意味する。例えば図3の例では、明細エリア25に3つの明細行が存在し、各明細行の税込金額は「4400円」、「-1000円」および「500円」である。従って図3の例では、該当商品合計は「3900円」である。
また例えば条件参照値候補は、「商品合計」である。商品合計とは、トリガ受注伝票の明細エリア25の明細行のうち、商品区分<属性>が商品に対応する区分である明細行の税込金額のそれぞれを合計して導出される値を意味する。例えば図3の例では、商品区分<属性>について属性値が「1」が商品に対応する区分を表しているものとし、商品合計は「4400円」となる。
また例えば条件参照値候補は、トリガ受注伝票の使用ポイント<項目>の項目値(つまり、取引で使用されたポイント数)である。
以上、条件参照値候補の例を3つ挙げたが、条件参照値候補は、例示したものに限られない。条件参照値候補は、例えば個口数<項目>の項目値でもよく、明細行の数量<属性>を利用して導出されるものでもよく、金額関連エリア26の1つ以上の項目を利用して導出されるものでもよい。
図9で示すように受注関連設定エリアA94には、提供参照<項目>に項目値(以下、提供参照<項目>の項目値を特に「提供参照値」という)を入力するための提供参照入力欄N92が形成されている。提供参照入力欄N92はプルダウンメニューとなっており、プルダウンメニューには、提供参照値の候補(以下「提供参照値候補」という)が選択可能に一覧表示される。提供参照値候補は、補正の方法として掛率方法が選択されている場合に、掛率を乗じる対象となる値である(掛率方法および掛率については後述する)。提供参照値候補は、例えば、トリガ受注伝票についての該当商品合計や、商品合計、使用ポイント<項目>の項目値(つまり取引で使用されたポイント数)、金額関連エリア26の合計<項目>の項目値等である。
ここで本実施形態では、アクションとして、所定の態様で補正を施すというアクションを設定できる(所定の態様の補正については後に具体例を用いて説明する)。そして所定の態様で補正を施すというアクションに関して、補正の方法として提供参照値の具体的な値に一定の掛率を乗じて導出した値を利用する掛率方法と、一定値を利用する単価方法とが定義されている。図9で示すように受注関連設定エリアA94において、条件参照入力欄N91と、提供参照入力欄N92との間には、ラジオボタンを利用して掛率方法と単価方法とを選択するエリアが形成されている。担当者は、ラジオボタンを利用して、掛率方法と単価方法との何れかを選択できる。
図9で示すように受注関連設定エリアA94には、受注関連条件テーブルT91が形成されている。受注関連条件テーブルT91には、受注関連条件およびアクションに関する設定(以下「受注関連設定」という)を1つ以上、登録することができる。受注関連条件テーブルT91において、1つのレコードが1つの受注関連設定に対応する。図9で示すように受注関連設定(=受注関連条件テーブルT91の1つのレコード)は、属性として下限値<属性>、上限値<属性>、補正値<属性>、数量<属性>とを備えている。
ここで上述したように受注関連設定エリアA94では、受注伝票に記録された情報を使用した受注関連条件を設定することができる。この受注関連条件は、条件参照値の具体的な値が一定範囲内に収まっているときに成立する条件とされている。以下、受注関連条件で使用される一定範囲を「受注関連条件範囲」という。そして下限値<属性>は、受注関連条件範囲の下限値を示しており、上限値<属性>は、受注関連条件範囲の上限値を示している。例えば条件参照値が該当商品合計であり、受注関連条件範囲の下限値<属性>の属性値が「1000」であり、上限値<属性>の属性値が「10000」であったとする。これは、受注関連条件が、該当商品合計の具体的な値が1000(円)以上、10000(円)以下であるときに成立する条件であることを意味する。
受注関連設定の補正値<属性>は、補正の方法が掛率方法の場合には、補正に際して提供参照値の具体的な値に乗じる掛率の値を示し、補正の方法が単価方法の場合には、補正に使用する一定値を示す。受注関連設定の数量<属性>は、アクション発動条件(後述)が成立したときに提供区分<項目>(後述)で指定された対象をトリガ受注伝票に対して付与する数量を示す。以下、受注関連設定の数量<属性>の項目値を特に「アクション数量情報」という。アクション数量情報の意義は後に明らかとなる。
詳細条件設定エリアA95は、1つ以上の詳細条件を設定するエリアである。詳細条件は、サポートサービスにおいてアクションを発動させるための条件を構成する。本実施形態では、上述した受注関連条件が設定されている場合において、1つの詳細条件が設定されている場合には、受注関連条件が成立し、かつ、1つの詳細条件が成立する場合に、アクションを発動するための条件が成立したものとされて、アクションが発動する。また上述した受注関連条件が設定されている場合において、複数の詳細条件が設定されている場合には、受注関連条件が成立し、かつ、全ての詳細条件が成立する場合に、アクションを発動するための条件が成立したものとされて、アクションが発動する。以下、アクションを発動するための条件を概念的に「アクション発動条件」という。上述の通りアクション発動条件は、受注関連条件および詳細条件とのAND条件である。
図9で示すように詳細条件設定エリアA95に左部には、項目検索エリアA951が形成されている。項目検索エリアA951では、タブを選択することによってツリーエリアと、キーワード検索エリアとの何れかが選択的に表示される。図9ではツリーエリアが選択され、ツリーエリアが表示された様子を示している。ツリーエリアには、項目保有対象が備える項目のうち、詳細条件の要素となり得る項目(以下、詳細条件の要素となる項目を「詳細条件要素項目」といい、その候補を「詳細条件要素項目候補」という)が所定の規則に従ってツリー状に表示された詳細条件ツリーA951-1が表示されている。詳細条件ツリーA951-1では、所定の分類に従って階層化されたツリーが表示されており、ツリーの葉の部分に詳細条件要素項目候補が選択可能に表示されている。
特に本実施形態では、詳細条件ツリーA951-1には、フリー項目のそれぞれが詳細条件要素項目候補として選択可能に表示されており、担当者は、詳細条件要素項目として任意のフリー項目を選択することができる。つまり情報処理装置4の制御部11は、詳細条件ツリーA951-1として、葉の部分にフリー項目のそれぞれが表示されたツリーを表示する。このように、フリー項目を、アクションを発動するための条件の要素として選択できる(制御部11がこのようなことを可能とするユーザインタフェイスを提供する)点は本実施形態の特徴の1つである。
図示は省略するが、キーワード検索エリアでは、キーワードを入力する欄が設けられ、キーワード検索によって詳細条件要素項目を検索することが可能である。キーワード検索エリアを利用したキーワード検索においても、担当者は、任意のフリー項目を検索し、選択することができる。
図9で示すように詳細条件設定エリアA95において項目検索エリアA951の右方には、詳細条件テーブルT92が形成されている。詳細条件テーブルT92には、詳細条件に関する設定(以下「詳細条件設定」という)を1つ以上、登録することができる。詳細条件テーブルT92において、1つのレコードが1つの詳細条件設定に対応する。図9で示すように詳細条件テーブルT92の1つのレコードは、属性として要素項目<属性>と、条件適用方法<属性>と、開始/キーワード<属性>と、終了<属性>とを備えている。なお図9の詳細条件テーブルT92において、「名称」と表示されたタプル(列)は、後述するように属性を表すものではない。詳細条件テーブルT92の1つのレコードには、各属性の属性値を入力する入力欄Z1、Z2、Z3、Z4が形成されている。また図9で示すように開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3の右側には第1表示欄H1が形成され、終了<属性>に係る入力欄Z4の右側には第2表示欄H2が形成されている。
要素項目<属性>は、詳細条件要素項目を示す。上述したように担当者は、詳細条件ツリーA951-1或いはキーワード検索を利用して、詳細条件要素項目を選択する。詳細条件ツリーA951-1或いはキーワード検索を利用して担当者が詳細条件要素項目を選択すると、詳細条件テーブルT92の空きレコードの1つの要素項目<属性>の入力欄Z1に、詳細条件要素項目(の名称)が自動で入力される。要素項目<属性>の入力欄Z1に詳細条件要素項目が入力されたレコードが、担当者が新たに登録する詳細条件に対応するレコードとなる。
条件適用方法<属性>、開始/キーワード<属性>および終了<属性>はそれぞれ、詳細条件の内容を定義するための属性である。条件適用方法<属性>は、属性値として単一<値>、単一外<値>、範囲内<値>、範囲外<値>、複数選択<値>、複数以外<値>、含有<値>のいずれかをとる。開始/キーワード<属性>および終了<属性>の属性値は、詳細条件の内容に応じて適宜、セットされる。以下、具体例を示しつつ、条件適用方法<属性>、開始/キーワード<属性>および終了<属性>について説明する。
条件適用方法<属性>の属性値が単一<値>の場合、詳細条件は以下となる。すなわち詳細条件は、詳細条件要素項目の項目値が、開始/キーワード<属性>の属性値と完全に一致した場合に成立する条件となる。図10(A1)は、条件適用方法<属性>の属性値として単一<値>がセットされたときの詳細条件テーブルT92の対応するレコードの一例を示す図である。図10(A1)において、詳細条件要素項目である顧客フリー・顧客区分<項目>は、タイプ<属性>が数値<値>である顧客マスタのフリー項目である。制御部11は、条件適用方法<属性>の属性値が単一<値>の場合、開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3への値の入力を可とする一方、終了<属性>に係る入力欄Z4への値の入力を不可とする。また制御部11は、詳細条件要素項目のタイプ<属性>が数値<値>であることを踏まえ、開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3にデータ形式が数値である値のみを入力可能とする。なお、詳細条件要素項目のタイプ<属性>に応じて、制御部11が入力欄に入力可能なデータ形式を制御する点は、単一<値>以外の条件適用方法についても同じである。
図10(A2)は、図10(A1)の状態から更に開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3に数値「3」が入力された様子を示す。図10(A2)において、顧客フリー・ステージ<項目>については、区分テーブルが登録されており、区分テーブルにおいて数値「3」については名称として「第3区分」が付与されている。制御部11は、開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3に数値「3」が入力された場合、そのことを検出し、対応する区分テーブル(顧客フリー・顧客区分<項目>のフリー項目IDと対応付けられた区分テーブル)を参照し、第1表示欄H1に数値「3」に対応する名称「第3区分」を表示する。なお項目値に名称が付与されている場合に、制御部11が第1表示欄H1或いは第2表示欄H2に名称を表示する点は、単一<値>以外の条件適用方法についても同じである。
図10(A2)のレコードに対応する詳細条件は以下である。すなわち詳細条件は、トリガ顧客の顧客フリー・顧客区分<項目>の項目値が数値「3」と完全に一致する場合に成立する条件である。
図10(B)は、条件適用方法<属性>の属性値として単一<値>がセットされたときの詳細条件テーブルT92の対応するレコードの別の一例を示す図である。図10(B)において、詳細条件要素項目である顧客フリー・特別日<項目>は、タイプ<属性>が日付<値>である顧客マスタフリー項目である。制御部11は、開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3への値の入力を可とし、終了<属性>に係る入力欄Z4への値の入力を不可とする。図10(B)のレコードに対応する詳細条件は以下である。すなわち詳細条件は、トリガ顧客の顧客フリー・特別日<項目>の項目値が日付「2021/6/1」と完全に一致する場合に成立する条件である。
条件適用方法<属性>の属性値が単一外<値>の場合、詳細条件は以下となる。すなわち詳細条件は、詳細条件要素項目の項目値が、キーワード<属性>の属性値と異なる場合に成立する条件となる。制御部11は、条件適用方法<属性>として単一外<値>がセットされた場合、開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3のみに値を入力可能とする。図10(C)は、単一外<値>に対応するレコードの一例を示している。図10(C)は、顧客フリー・ステージ<項目>の項目値が値「g」ではない場合に成立する詳細条件を示している。
条件適用方法<属性>の属性値が範囲内<値>の場合、詳細条件は以下となる。すなわち詳細条件は、詳細条件要素項目の項目値が、開始/キーワード<属性の属性値を下限とし終了<属性>の属性値を上限とする範囲内に属している場合(収まっている場合)に成立する条件となる。制御部11は、条件適用方法<属性>として範囲内<値>がセットされた場合、開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3および終了<属性>に係る入力欄Z4に値を入力可能とする。
図10(D1)は、範囲内<値>に対応するレコードの一例を示している。図10(D1)において詳細条件要素項目である「商品フリー・メーカ」は、タイプ<属性>が数値<値>である商品マスタフリー項目である。図10(D1)は、トリガ商品の商品フリー・メーカ<項目>の項目値が100以上200以下である場合に成立する詳細条件を示している。なお、1つの受注伝票についてトリガ商品は複数、存在する場合がある。このような場合、制御部11は、複数のトリガ商品のそれぞれについて詳細条件が成立しているかどうかを判定し、1つでも詳細条件を成立させるトリガ商品が存在する場合には、詳細条件が成立すると判定する。図10(D2)は、範囲内<値>に対応するレコードの別の一例を示している。図10(D2)は、顧客フリー・特別日<項目>の項目値が2021/4/1~2021/4/30に属する場合に成立する詳細条件を示している。
条件適用方法<属性>の属性値が範囲外<値>の場合、詳細条件は以下となる。すなわち詳細条件は、詳細条件要素項目の項目値が、開始<値>の属性値を下限とし終了<値>の属性値を上限とする範囲内に属していない場合(範囲から外れている場合)に成立する条件となる。図10(E)は、範囲外<値>に対応するレコードの別の一例を示している。図10(E)は、商品フリー・メーカ<項目>の項目値が100以上200以下ではない場合に成立する詳細条件を示している。
条件適用方法<属性>の属性値が複数選択<値>の場合、詳細条件は以下となる。すなわち条件適用方法<属性>の属性値が複数選択<値>の場合、担当者は、開始/キーワード<属性>に複数の属性値をセットできる。そして詳細条件は、詳細条件要素項目の項目値が、開始/キーワード<属性>の複数の属性値の何れか1つと一致した場合に成立する条件となる。
制御部11は、条件適用方法<属性>の属性値として複数選択<値>がセットされた場合、開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3に、担当者の指示に従って随時、入力用の欄を増やす。担当者は、入力欄Z3に形成された複数の入力用の欄のそれぞれに値を入力できる。図11(A)は、複数選択<値>に対応するレコードの一例を示している。図11(A)は、顧客フリー・ステージ<項目>の項目値が文字列「g」と文字列「s」との何れか一方に合致する場合に成立する詳細条件を示している。
条件適用方法<属性>の属性値が複数以外<値>の場合、詳細条件は以下となる。すなわち条件適用方法<属性>の属性値が複数以外<値>の場合、担当者は、開始/キーワード<属性>に複数の属性値をセットできる。そして詳細条件は、詳細条件要素項目の項目値が、開始/キーワード<属性>の複数の属性値の何にも一致しない場合に成立する条件となる。図11(B)は、複数以外<値>に対応するレコードの一例を示している。図11(B)は、顧客フリー・顧客区分<項目>の項目値が数値「3」と数値「4」と数値「5」との何れにも合致しない場合に成立する詳細条件を示している。
条件適用方法<属性>の属性値が含有<値>の場合、詳細条件は以下となる。すなわち詳細条件は、詳細条件要素項目の項目値に、開始/キーワード<属性>の属性値が含まれる場合に成立する条件となる。制御部11は、条件適用方法<属性>の属性値が含有<値>の場合、開始/キーワード<属性>に係る入力欄Z3への値の入力を可とする一方、終了<属性>に係る入力欄Z4への値の入力を不可とする。図11(C)は、含有<値>に対応するレコードの一例を示している。図11(C)は、顧客フリー・顧客健康関連備考<項目>の項目値に文字列「大豆」が含まれている場合に成立する詳細条件を示している。
以上の通り本実施形態では担当者は、制御部11が提供するユーザインタフェイスを利用して、様々な観点で詳細条件を設定することができる。特に本実施形態では担当者は、フリー項目を詳細条件要素項目とすることができる。このため、規定項目を利用するだけでは設定できない多種多様な詳細条件を高い自由度で柔軟に作成することができる。
また本実施形態では、制御部11が提供するユーザインタフェイスの詳細条件テーブルT92を利用して複数の詳細条件を設定可能である。この場合、詳細条件テーブルT92に複数のレコードが登録される。また複数の詳細条件は、基本的にはAND条件として組み合わせて用いられる。これにより、担当者は、一の種類の項目保有対象に追加したフリー項目を使用した詳細条件と、当該一の種類とは異なる他の種類の項目保有対象に追加したフリー項目を使用した詳細条件とを設定可能である。例えば、担当者は、制御部11が提供するユーザインタフェイスを利用して、ある1つのサポートサービスについて顧客マスタ20のフリー項目を利用した詳細条件と、商品マスタ21のフリー項目を利用した詳細条件とを同時に設定できる(当然、3種類以上の項目保有対象のそれぞれに対応する3つ以上の詳細条件を同時に設定してもよい)。これにより、異なる項目保有対象のフリー項目を横断的に使用して、より高い自由度で多種多様なサポート発動条件を設定できる。
次にアクション設定エリアA93について説明する。アクション設定エリアA93は、アクション発動条件の成立に応じて発動するアクションを設定するためのエリアである。図9で示すようにアクション設定エリアA93には、提供区分<項目>(後述)に項目値を入力するための提供区分入力欄N93が設けられている。以下、提供区分<項目>の項目値を特に「提供区分値」といい、その候補(提供区分値となり得る値)のことを「提供区分値候補」という。提供区分入力欄N93は、プルダウンメニューとなっており、メニューには提供区分値候補が選択可能な状態で一覧表示される。後に明らかとなる通り制御部11は、提供区分<項目>にセットされた提供区分値に応じて(つまりプルダウンメニューから選択された提供区分値候補に応じて)、動的にアクション設定エリアA93の態様を変化させる。以下、代表的な提供区分値候補およびフリー項目が関連する提供区分値候補を例にして、アクション設定エリアA93について説明する。
本実施形態では提供区分値候補として、商品<値>が存在する。商品<値>は、アクション発動条件の成立時に、アクション設定エリアA93および受注関連設定エリアA94の内容に応じた明細行をトリガ受注伝票の明細エリア25に追加する、というアクションを実行することを示す。以下、提供区分値が商品<値>のときの具体例を2つ説明する。
図12(A)は、提供区分入力欄N93に商品<値>が入力されたとき(つまり提供区分値が商品<値>であるとき)のアクション設定エリアA93および受注関連設定エリアA94の内容の一例を示す図である。図12(A)で示すように、提供区分値が商品<値>の場合、制御部11は、アクション設定エリアA93に提供区分入力欄N93に加えて、ID入力欄N94および名称入力欄N95を表示する。ID入力欄N94は、明細行のID<属性>に記述すべきID(商品の場合は商品ID)が入力される欄である。名称入力欄N95は、明細行の名称<属性>に記述すべき名称(商品の場合は商品名称)が入力される欄である。
図12(A)で示す例の場合(ただし、説明の便宜のため詳細条件は設定されていないものとする)、受注関連設定エリアA94の内容が示すように、アクション発動条件(この場合は受注関連条件と同値)は、該当商品合計が「10,000.00~9,999,999,999.00」(現実的には「10,000.00~」と同等)のときに成立する条件である。また受注関連設定エリアA94が示すように、提供参照値の指定がない一方、受注関連設定の数量<属性>(アクション数量情報)は「2.00」である。以上を踏まえ図12(A)で示す例は、アクション発動条件が成立したときに、図12(B)で示すようなID<属性>=X001、名称<属性>=XXドリンク、数量<属性>=2.00の明細行(他の属性は適切な値とされるものとする)をトリガ受注伝票に追加するアクションを発動すべきことを示している。
図13(A)は、提供区分入力欄N93に商品<値>が入力されたときのアクション設定エリアA93および受注関連設定エリアA94の内容の別の一例を示す図である。図13(A)で示す例の場合(ただし、説明の便宜のため詳細条件は設定されていないものとする)、受注関連設定エリアA94の内容が示すように、アクション発動条件(この場合は受注関連条件と同値)は、該当商品合計が「10,000.00~9,999,999,999.00」のときに成立する条件である。また受注関連設定エリアA94が示すように、提供参照値は該当商品合計<値>であり、補正の方法として掛率方法が指定されており、掛率は「-5.00%」である。受注関連設定の数量<属性>(アクション数量情報)は「1.00」である。以上を踏まえ図13(A)で示す例は、アクション発動条件が成立したときに、図13(B)で示すようなID<属性>=Y001、名称<属性>=特別値引き、数量<属性>=1.00、税込単価=「該当商品合計*(-5.00%)により導出される値」(図13(B)では「-1000円」としている)の明細行(他の属性は適切な値とされるものとする)をトリガ受注伝票に追加するアクションを発動すべきことを示している。
また本実施形態では提供区分値候補として、メッセージ<値>が存在する。メッセージ<値>は、アクション発動条件の成立時に、トリガ受注伝票のメッセージ欄27に情報を入力する、というアクションを実行することを示す。図14(A)は、提供区分入力欄N93にメッセージ<値>が入力されたとき(つまり提供区分値としてメッセージ<値>が選択されたとき)のアクション設定エリアA93の内容の一例を示す図である。図14(A)で示すように提供区分値がメッセージ<値>の場合、制御部11は、アクション設定エリアA93に、提供区分入力欄N93に加えて、選択欄N96と項目入力欄N97とメッセージ入力欄N98とを表示する。選択欄N96は、入力方法として入力値指定方法か、項目選択方法かをラジオボタンにより選択する欄である。入力方法として入力値指定方法が選択された場合には、メッセージ入力欄N98に入力された文字列が、アクション発動時にメッセージ欄27に入力される対象となる。従って担当者は、入力方法として入力値指定方法を選択する場合には、メッセージ入力欄N98に文字列を入力する必要がある。
入力方法として項目選択方法が選択された場合、指定された項目(フリー項目を含む)の項目値が、アクション発動時にメッセージ欄27に入力される対象となる。入力方法として項目選択方法が選択された場合、担当者は、項目入力欄N97に何れかの項目の種類を入力する。以下、項目入力欄N97に入力された項目の種類が示す項目を「メッセージ発生源項目」という。項目入力欄N97は、プルダウンメニューとなっており、メニューに、項目入力欄N97に入力可能なメッセージ発生源項目(の名称)が選択可能に一覧表示される。基本的には項目保有対象のそれぞれの項目がメッセージ発生源項目の候補となる。ただしメッセージ発生源項目となり得ない項目を、メッセージ発生源項目の候補から排除してもよい。なお項目入力欄N97の右方のボタンBBを選択すると、項目検索エリアA951に準じた画面がポップアップ表示される。担当者は、当該画面を利用してメッセージ発生源項目を選択することもできる。
特に本実施形態では、メッセージ発生源項目として任意のフリー項目を選択することができる。図14(B)は、入力方法として項目選択方法が選択され、メッセージ発生源項目として、顧客マスタフリー項目である顧客フリー・健康関連備考<項目>が選択された様子を示している。顧客フリー・健康関連備考<項目>は、タイプ<項目>が文字列<値>のフリー項目であり、顧客の健康に関する情報が文字列としてセットされることが想定されている項目である。図14(B)の場合、アクション発動条件が成立すると、顧客フリー・健康関連備考<項目>の項目値(文字列)が、トリガ受注伝票のメッセージ欄27にそのまま入力される。この例によれば、受注伝票22を処理するオペレータは、メッセージ欄27を通して、顧客の健康に関する情報を得ることができる。
このように本実施形態では、アクション発動条件の成立時に発動するアクションとして、トリガ受注伝票のメッセージ欄27にフリー項目の項目値を入力するというアクションを設定できる。このことには以下の意義がある。すなわち受注伝票22のメッセージ欄27は、オペレータが確認することが想定されている。そして、ある条件が成立したときに、その条件の内容を鑑みてオペレーションに留意して欲しい留意事項が存在するとする。このような場合に、適切な項目保有対象に適切なフリー項目を追加し、そのフリー項目の項目値として留意事項をセットし、更にその条件をアクション発動条件として設定し、更にアクション発動条件に対応するアクションとして、そのフリー項目の項目値をメッセージ欄27に入力するというアクションを設定する。これにより、アクション発動条件の成立時に自動で、トリガ受注伝票のメッセージ欄27に留意事項を入力することができ、オペレータに確実に留意事項を認識させることができる。特に、フリー項目は、事後的に自由に追加できる項目であるため、規定項目に限定されることなく、多様な種類の項目保有対象における多様な種類の項目の項目値をメッセージ欄27に入力する候補とすることができる。
なお上記例では、アクション発動条件の成立時に情報が入力される対象はメッセージ欄27であったが、情報が入力される対象はメッセージ欄27に限られず、受注伝票22に設けられた他の欄(例えば、明細エリア25内に設けられた欄)であってもよい。この場合、当該他の欄が、特許請求の範囲の「情報表示欄」に相当する。
また本実施形態では提供区分値候補として、項目値設定<値>が存在する。項目値設定<値>は、アクション発動条件の成立時に、指定されたフリー項目の項目値を変化させるアクションを実行することを示す。指定されたフリー項目の項目値を変化させるアクションには、指定された項目の項目値を、指定された他の項目の項目値によって上書き更新するアクション、および、指定された項目の項目値を、指定された特定の値によって上書き更新するアクションが含まれる。特に後述するように、本実施形態では、項目値を変化させる項目としてフリー項目を指定できる。これを踏まえ、指定されたフリー項目の項目値を変化させるアクションには、指定されたフリー項目の項目値を変化させるアクションが含まれる。そして指定されたフリー項目の項目値を変化させるアクションには、指定されたフリー項目の項目値を、指定された他のフリー項目或いは他のフリー項目以外の項目の項目値により上書き更新するアクション、および、指定されたフリー項目の項目値を、指定された特定の値により上書き更新するアクションが含まれる。
図15(A)は、提供区分入力欄N93に項目値設定<値>が入力されたとき(つまり提供区分値として項目値設定<値>が選択されたとき)のアクション設定エリアA93の内容の一例を示す図である。図15(A)で示すように提供区分値が項目値設定<値>の場合、制御部11は、アクション設定エリアA93に、提供区分入力欄N93に加えて、方法選択欄N99と、特定値入力欄N910と、出力先入力欄N911と、出力元入力欄N912とを表示する。
出力先入力欄N911には、アクションに応じて値を変化させる(値が変わる)項目の種類を入力する。以下、出力先入力欄N911に入力された項目の種類が示す項目を「出力先項目」という。出力先入力欄N911は、プルダウンメニューとなっており、メニューに、出力先入力欄N911に入力可能な出力先項目(の名称)が選択可能に一覧表示される。基本的には項目保有対象のそれぞれの項目が出力先項目の候補となる。なお出力先入力欄N911の下方のボタンBBが操作されると、制御部11により項目検索エリアA951に準じた画面がポップアップ表示され、担当者は当該画面を利用して出力先項目を選択することができる。特に本実施形態では、出力先項目として任意のフリー項目を選択することができる。
方法選択欄N99は、入力方法として特定値入力方法か項目間遷移方法かをラジオボタンにより選択する欄である。入力方法として特定値入力方法が選択された場合に、アクション発動条件が成立すると、特定値入力欄N910に入力された値(指定された特定の値)によって、出力先項目の項目値が上書き更新されるというアクションが発動される。従って担当者は、入力方法として特定値入力方法を選択する場合には、特定値入力欄N910に値を入力する必要がある。
入力方法として項目間遷移方法が選択された場合に、アクション発動条件が成立すると、出力先項目の項目値が出力元項目(後述)の項目値によって上書き更新されるというアクションが発動される。そして出力元入力欄N912には、出力元項目の種類、つまり、アクションに応じて値を変化させる元となる(値が変わらない)項目の種類が入力される。出力元入力欄N912は、プルダウンメニューとなっており、メニューに、出力元入力欄N912に入力可能な出力元項目(の名称)が選択可能に一覧表示される。基本的には項目保有対象のそれぞれの項目が出力元項目の候補となる。なお出力元入力欄N912の下方のボタンBBが操作されると、項目検索エリアA951に準じた画面がポップアップ表示され、担当者は当該画面を利用して出力元項目を選択することができる。特に本実施形態では、出力先項目として任意のフリー項目を選択することができる。
図15(B)は、出力先項目として受注伝票フリー項目である受注フリー・ステージ<項目>が選択され、出力元項目として顧客フリー・ステージ<項目>が選択された様子を示している。図15(B)の場合、アクション発動条件が成立すると、受注フリー・ステージ<項目>の項目値が、顧客フリー・ステージ<項目>の項目値により上書き更新される、というアクションが発動する。
このように本実施形態では、制御部11が提供するユーザインタフェイスを利用して、アクション発動条件の成立時に発動するアクションとして、選択した任意の項目の項目値を、指定した特定の値によって上書き更新するというアクションを設定できる。このため、アクション発動条件が成立したときに自動で、特定の種類の項目の項目値を、特定の値によって上書き更新することが可能である。特にフリー項目の項目値を変化させる対象とすることができ、高い自由度で多様なアクションを設定できる。
更に本実施形態では、制御部11が提供するユーザインタフェイスを利用して、アクション発動条件の成立時に発動するアクションとして、出力先項目として指定した任意の項目の項目値を、出力元項目として指定した任意の項目の項目値によって上書き更新する、というアクションを設定できる。このため、アクション発動条件が成立したときに自動で、特定の種類の項目の項目値を、別の特定の種類の項目の項目値によって上書き更新することが可能である。特に本実施形態では、出力先項目および出力元項目として、自由に追加できる多種多様なフリー項目を選択することができ、実行できるアクションの多様性が大きい。
以上、複数の提供区分値候補を例として使用して、アクション設定エリアA93で設定可能なアクションについて説明した。しかしながらアクション設定エリアA93で設定可能なアクション、および、提供区分値候補は例示したものに限られるわけではない。例えば、ポイントを変化させるというアクション(変化させるポイントはトリガ顧客のポイントに限られず、紹介者のポイントであってもよい)、何らかの警告を発するというアクションを設定することが可能である。
担当者は、サポート設定画面35に登録しようとしているサポートサービスに対応する情報を不足なく入力し、所定の操作を行って入力を確定する。これに応じて制御部11は、サポートサービスに関する各種情報を含むサポートサービスデータを、記憶部14に記憶されたデータベースに登録する。これにより、1つのサポートサービスの登録が完了する。
次に受注伝票22が新たに発行されたときの制御部11の動作について説明する。制御部11は、受注伝票22が新たに発行されると、記憶部14に記憶されているサポートサービスデータベースを参照し、登録されているサポートサービスを認識する。次いで制御部11は、登録されているサポートサービスについて、計算タイミング<項目>で示される優先順位が高い順に、アクション発動条件が成立しているか否かの判別、および、アクション発動条件が成立している場合のアクションの発動を順次、実行する。
以上の通り、制御部11は、サポート設定画面35を通して以下のユーザインタフェイスを提供する。すなわち制御部11は、項目保有対象に追加されたフリー項目を使用した条件を設定可能なユーザインタフェイスを提供する機能と、設定された条件が成立したときに実行されるべきアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。
また制御部11は、アクションを発動させる条件として、フリー項目の項目値が指定した数値と一致するときに成立する条件、フリー項目の項目値が指定した数値と異なるときに成立する条件、フリー項目の項目値が指定した範囲内に属するときに成立する条件、フリー項目の項目値が指定した範囲を外れるときに成立する条件、フリー項目の項目値が指定した複数の数値の何れかと一致するときに成立する条件、フリー項目の項目値が指定した複数の数値の何れとも一致しないときに成立する条件、および、フリー項目の項目値に特定の値が含まれるときに成立する条件を設定可能なユーザインタフェイスを提供する。
また制御部11は、指定された項目の項目値を変化させるアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。また制御部11は、アクションとして、指定された項目の項目値を、指定された他の項目の項目値によって上書き更新するアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。また制御部11は、アクションとして、指定された項目の項目値を、指定された特定の値によって上書き更新するアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。また制御部11は、アクションとして、指定されたフリー項目の項目値を変化させるアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。
また制御部11は、アクションとして、指定されたフリー項目の項目値を、指定された他のフリー項目或いは他のフリー項目以外の項目の項目値により上書き更新するアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。また制御部11は、アクションとして、指定されたフリー項目の項目値を、指定された特定の値により上書き更新するアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。また制御部11は、アクションとして、通信販売に係る受注伝票に形成された情報表示欄に指定されたフリー項目の項目値を入力するアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。
また制御部11は、通信販売に係る受注伝票に記録された情報を使用した受注関連条件を設定可能なユーザインタフェイスを提供し、受注関連条件と併せて用いることが可能な条件であって、フリー項目を使用可能な詳細条件を設定可能なユーザインタフェイスを提供する。また制御部11は、組み合わせて用いられる複数の詳細条件を設定可能なユーザインタフェイスを提供する。また制御部11は、一の種類の項目保有対象に追加したフリー項目を使用した詳細条件と、当該一の種類とは異なる他の種類の項目保有対象に追加したフリー項目を使用した詳細条件とを設定可能なユーザインタフェイスを提供する。
次に、サポート設定画面35全体に対する入力内容の具体例を複数、説明する。
<第1例>
図16は、サポート設定画面35の入力内容の第1例を示す図である。図16のアクション設定エリアA93で示すように第1例では、提供区分値は、商品<値>である。また受注関連設定エリアA94で示すように条件参照値は該当商品合計であり、提供参照値は該当商品合計である。また受注関連設定エリアA94で示すように受注関連条件範囲は、「1.00」~「9,999,999,999.00」である。以上より、受注関連条件は、該当商品合計が「1.00」~「9,999,999,999.00」のときに成立する条件である。
また受注関連設定エリアA94で示すように、提供参照値は該当商品合計である。また補正の方法は掛率方法であり、掛率として「-5.00%」が設定されている。またアクション数量情報の値は「1.00」である。これは、アクション発動条件が成立したときに、該当商品合計に掛率「-5.00%」を乗じた値(例えば、該当商品合計が100円の場合、「-5円」)の値引きに対応する明細行をトリガ受注伝票に追加することを意味する。
また詳細条件設定エリアA95には3つの詳細条件が設定されている。詳細条件設定エリアA95で設定された1つ目の詳細条件の内容は、以下である。まず詳細条件要素項目は、顧客フリー・顧客区分<項目>(タイプ<属性>は数値<値>)である。また条件適用方法<属性>は、複数選択<値>であり、開始/キーワード<属性>に値として「2」、「3」、「4」(各値の名称が、対応する区分テーブルに基づいて制御部11により表示されている)がセットされている。以上より、1つ目の詳細条件は、「顧客フリー・顧客区分」の項目値が「2」、「3」または「4」の場合に、成立する条件である。
また詳細条件設定エリアA95で設定された2つ目の詳細条件の内容は、以下である。まず詳細条件要素項目は、顧客フリー・ステージ<項目>(タイプ<属性>は文字列<値>)である。また条件適用方法<属性>は、単一<値>であり、開始/キーワード<属性>に値として「g」がセットされている。以上より、2つ目の詳細条件は、「顧客フリー・ステージ」の項目値が「g」と完全一致する場合に成立する条件である。
また詳細条件設定エリアA95で設定された3つ目の詳細条件の内容は、以下である。まず詳細条件要素項目は、商品フリー・メーカ<項目>(タイプ<属性>は数値<値>)である。また条件適用方法<属性>は、単一<値>であり、開始/キーワード<属性>に値として「200」がセットされている。以上より、3つ目の詳細条件は、「商品フリー・メーカ」の項目値が「200」の場合に、成立する条件である。このように本実施形態では、異なる種類の項目保有対象(第1例では顧客マスタ20および商品マスタ21)の項目を詳細条件要素項目として利用した複数の詳細条件を設定することができる。
第1例ではアクション発動条件は、上述した受注関連条件が成立し、かつ、1つ目の詳細条件が成立し、かつ、2つ目の詳細条件が成立し、かつ、3つ目の詳細条件が成立したときに成立する条件である。そして、このアクション発動条件が成立すると、該当商品合計に掛率「-5.00%」を乗じた値だけ値引きするというアクション(値引きに対応する明細行を追加するというアクション)が発動することになる。
<第2例>
図17は、サポート設定画面35の入力内容の第2例を示す図である。図17のアクション設定エリアA93で示すように第2例では、提供区分値は、商品<値>である。また受注関連設定エリアA94で示すように条件参照値は該当商品数<条件参照値>であり、提供参照値は指定されていない。該当商品数とは、トリガ受注伝票の明細行の個数(行数)である。
また受注関連設定エリアA94で示すように第2例では、受注関連設定が3つ登録されている。1つ目の受注関連設定は、受注関連条件範囲が「10.00」~「19.00」であり、アクション数量情報が「1.00」である。2つ目の受注関連設定は、受注関連条件範囲が「20.00」~「29.00」であり、アクション数量情報が「2.00」である。また3つ目の受注関連設定は、受注関連条件範囲が「30.00」~「9,999,999,999.00」であり、アクション数量情報が「3.00」である。以上より、受注関連条件は、該当商品数が「10.00」~「19.00」か、または「20.00」~「29.00」か、または「30.00」~「9,999,999,999.00」のときに成立する条件である。
図17で示すように、詳細条件設定エリアA95では、2つの詳細条件が設定されている。1つ目の詳細条件の内容は、以下である。まず詳細条件要素項目は、受注フリー・販促品自動付帯無効化<項目>(タイプ<属性>は数値<値>)である。また条件適用方法<属性>は、単一外<値>であり、開始/キーワード<属性>に値として「1」がセットされている。以上より1つ目の詳細条件の内容は、受注フリー・販促品自動付帯無効化<項目>の項目値が「1」ではない場合に成立する条件である。上述の通り、受注フリー・販促品自動付帯無効化<項目>は、販促品の自動付帯(自動的な付与)の有効/無効を制御するためのフラグとして機能するフリー項目であり、値が「1」は、販促品の自動付帯が無効化されていることを示す。従って、1つ目の詳細条件は、販促品の自動付帯が無効化されていないこと、という条件を意味している。図17で示すように2つ目の詳細条件は、「顧客フリー・顧客区分」の項目値が「2」、「3」または「4」の場合に、成立する条件である。
第2例ではアクション発動条件は、以下の排他的な3つの条件のOR条件として構成される。1つ目の条件は、受注関連条件の1つである「該当商品数が「10.00」~「19.00」という条件」が成立し、かつ、2つの詳細条件の双方が成立する場合に成立する条件である。この条件が成立する場合には、アクション設定エリアA93で指定された商品を「1個」提供する(対応するアクション数量情報が「1.00」のため)というアクション(対応する明細行を追加するアクション)が発動する。2つ目の条件は、受注関連条件の1つである「該当商品数が「20.00」~「29.00」という条件」が成立し、かつ、2つの詳細条件の双方が成立する場合に成立する条件である。この条件が成立する場合には、アクション設定エリアA93で指定された商品を「2個」提供する(対応するアクション数量情報が「2.00」のため)というアクション(対応する明細行を追加するアクション)が発動する。3つ目の条件は、受注関連条件の1つである「該当商品数が「30.00」~「9,999,999,999.00」という条件」が成立し、かつ、2つの詳細条件の双方が成立する場合に成立する条件である。この条件が成立する場合には、アクション設定エリアA93で指定された商品を「3個」提供する(対応するアクション数量情報が「3.00」のため)というアクション(対応する明細行を追加するアクション)が発動する。
<第3例>
図18は、サポート設定画面35の入力内容の第3例を示す図である。図18のアクション設定エリアA93で示すように第3例では、提供区分値はメッセージ<値>であり、入力方法は入力値指定方法である。メッセージ入力欄N98には、アクション発動時にメッセージ欄27に入力されるべき文字列が入力されている。また受注関連設定エリアA94で示すように条件参照値は該当商品数であり、提供参照値は指定されていない。受注関連条件範囲が「1.00」~「9,999,999,999.00」である。従って受注関連条件は、該当商品数が「1個」以上、「9,999,999,999個」以下のときに成立する条件である。
図18で示すように、詳細条件設定エリアA95では、2つの詳細条件が設定されている。1つ目の詳細条件は、「顧客フリー・顧客区分」の項目値が「2」、「3」または「4」の場合に、成立する条件である。2つ目の詳細条件は、商品ID<項目>(商品マスタ21の規定項目)が「10000」~「20000」である場合に、成立する条件である。
第3例ではアクション発動条件は、上述した受注関連条件が成立し、かつ、上述した2つの詳細条件が成立した場合に成立する条件である。この条件が成立する場合には、トリガ受注伝票のメッセージ欄27に担当者が指定したメッセージが入力される、というアクションが発動する。
<第4例>
図19および図20は、サポート設定画面35の入力内容の第4例を示す図である。第4例では図19で示すサポートサービス(以下「第1サポートサービス」とする)と、図20で示すサポートサービス(以下「第2サポートサービス」とする)との双方が登録されている。上述したように、このような場合、1つのトリガ受注伝票に対して複数のサポートサービスが適用の対象となる。図19に係る第1サポートサービスの計算タイミング<項目>は「4つ前(最初)」であり、図20に係る第2サポートサービスの計算タイミング<項目>は「1つ後」である。従って第1サポートサービスの方が優先順位が高く、制御部11は、まず第1サポートサービスのアクション発動条件の成立の可否を判定し、成立する場合にはアクションを実行し、次に第2サポートサービスのアクション発動条件の成立の可否を判定し、成立する場合にはアクションを実行する。
図19の第1サポートサービスに係るアクション設定エリアA93で示すように第4例では、提供区分値は項目値設定<値>であり、入力方法は特定値入力方法である。出力先項目は、受注伝票フリー項目である受注フリー・カタログ送付判定<項目>であり、設定値は「1」である。上述したように受注フリー・カタログ送付判定<項目>は、カタログを送付するか否かを判定するためのフラグとして機能するフリー項目である。受注関連設定エリアA94で示すように条件参照値および提供参照値は設定されていない。
図19で示すように、詳細条件設定エリアA95では、1つの詳細条件が設定されている。1つ目の詳細条件は、商品ID<項目>の項目値が「CATALOG」のときに成立する条件である。つまり1つ目の詳細条件は、トリガ商品の何れかの商品IDが「CATALOG」と一致すれば成り立つ条件である。
第4例ではアクション発動条件は、上述した詳細条件が成立した場合に成立する条件である。この条件が成立する場合には、フラグとして機能する受注フリー・カタログ送付判定<項目>の項目値が「1」とされる。これは、受注フリー・カタログ送付判定<項目>について、カタログを送付すべきことを示すようにフラグがセットされることを意味する。
図20で示すように、第2サポートサービスでは、提供区分値は商品<値>であり、受注関連条件は個口数を用いた条件が設定されている。そして図20の詳細条件設定エリアA95で示すように、詳細条件の詳細条件要素項目として、第1サポートサービスにおいて値がセットされ得る受注フリー・カタログ送付判定<項目>が用いられている。具体的には詳細条件として、受注フリー・カタログ送付判定<項目>の項目値が「1」でないときに成立する条件が定義されている。従って、第4例では、まず第1サポートサービスが適用され、その後、第2サポートサービスの適用に際して、第1サポートサービスにより値が変動する可能性のある受注フリー・カタログ送付判定<項目>の値が「1」ではないか否かが判定され、「1」ではない場合にアクションが実行される。
以上、第4例で示したように本実施形態によれば、1つのトリガ受注伝票に対して複数のサポートサービスを適用対象とすることができる。そして、優先順位の高いサポートサービスにおいてフリー項目に値をセットし、更に優先順位の低いサポートサービスにおいて、優先順位の高いサポートサービスで値がセットされたフリー項目を、アクション発動条件の要素として使用するということが可能である。このため、アクション或いは条件にフリー項目を使用した複数のサポートサービスを段階的に適用するということが可能となり、サポートサービスの多様性、自由度が非常に高い。
なお第4例で示すように制御部11は、優先順位の高い第1のサービスについて、一のフリー項目の項目値をセットするというアクションを設定可能であり、かつ、第1のサービスよりも優先順位の低い第2のサービスについて、当該一のフリー項目を使用した条件を設定可能なユーザインタフェイスを提供する。
次に、情報処理装置4が実行する、フリー項目に関する別の処理について説明する。本実施形態に係る情報処理装置4は、紙媒体帳票のレイアウトおよび内容を設定するユーザインタフェイスを提供する機能を有している。紙媒体帳票とは、紙媒体の納品書や、紙媒体の請求書、紙媒体の受領書等の、紙媒体として出力される帳票であって、所定の情報が印刷されるものを意味する。図21は、紙媒体帳票の1つである「紙媒体の納品書」(以下、単に「納品書」という)のレイアウトの単純化した一例を示す図である。
担当者は、情報処理装置4の制御部11が提供する不図示のユーザインタフェイスを利用して、納品書のレイアウトおよび内容(どのような位置にどのような態様でどのような情報を配置するかや、枠、罫線等をどのように形成するか等)を自由に設定することができる。図21は、担当者によりレイアウトおよび内容が設定された後の納品書を示している。図21で例示する納品書には、明細エリア50が形成されている。明細エリア50の各明細行は、図3で示す受注伝票22の明細エリア25の明細行に含まれる各属性を有すると共に、メーカ<属性>を属性として有している。また図21で例示する納品書には、備考欄51が形成されている。
更に本実施形態では、情報処理装置4の制御部11は、紙媒体帳票の任意の記入領域に、任意の項目保有対象の任意の項目の項目値が入力されるように設定するためのユーザインタフェイスを提供する機能を有している。紙媒体帳票の記入領域とは、紙媒体帳票において情報が入力されて印刷される一定の領域であり、例えば、明細エリア50の明細行の1つ1つの属性が1つの記入領域に該当し、また例えば備考欄51が1つの記入領域に該当する。また紙媒体帳票のその記入領域に、ある項目の項目値が入力されるようにするとは、紙媒体帳票が紙媒体として出力されたときに、その記入領域にその項目の項目値が印刷されるようにすることを意味する。特に本実施形態では担当者は、紙媒体帳票の任意の記入領域に、任意のフリー項目の項目値が入力されるように設定することが可能である。
例えば担当者が、図21で例示する納品書の明細エリア50の明細行のメーカ<属性>の内容について、商品マスタ21の商品フリー・メーカ<項目>の項目値が入力されるようにしたいと考えたとする。この場合、担当者からの指示に応じて、制御部11は、図22(A)で例示するユーザインタフェイスを提供する。図22(A)で例示するユーザインタフェイスでは、項目入力欄N97(図14)に準じた方法で、任意の1つの項目(フリー項目を含む)を選択することができる。本例において担当者は、制御部11により提供されたユーザインタフェイスを通して、商品フリー・メーカを選択することになる。
更に本実施形態では、情報処理装置4の制御部11は、フリー項目を含む特定の項目を利用した条件と、条件が成立したときに実行されるべき「紙媒体帳票の内容に影響を与えるアクション」(以下、「紙媒体帳票関連アクション」という)とを設定するためのユーザインタフェイスを提供する機能を有している。特に紙媒体帳票関連アクションには、紙媒体帳票の特定の記入領域に、特定の項目保有対象の特定の項目(フリー項目を含む)の項目値を入力する(特定の記入領域に特定の項目保有対象の特定の項目の項目値が印刷されるようにする)というアクションが含まれる。
例えば担当者が、図21で例示する納品書について、顧客フリー・ステージ<項目>の項目値が「g」であったときに、紙媒体帳票関連アクションとして、備考欄51(記入領域)に、フリー項目である顧客健康関連備考(項目)の項目値を入力したいと考えたとする。この場合、担当者からの指示に応じて、制御部11は、図22(B)で例示するユーザインタフェイスを提供する。図22(B)で例示するユーザインタフェイスでは、詳細条件設定エリアA95(図9)と同じ機能のエリア52と、提供区分入力欄N93にメッセージ<値>が入力されたときのアクション設定エリアA93と同じ機能のエリア53とが形成されている。エリア52は条件を入力するエリアであり、詳細条件設定エリアA95の説明で示したようにフリー項目を利用した条件を設定することが可能である。エリア53は紙媒体帳票関連アクションの内容を登録するエリアであり、アクション設定エリアA93の説明で示したように、任意の1つの項目(フリー項目を含む)を選択するか、或いは、任意の文字列を入力することができる。本例では担当者は、図22(B)のユーザインタフェイスのエリア52において、要素項目<属性>に顧客フリー・ステージを入力し、条件適用方法<属性>に単一<値>を入力し、開始/キーワード<属性>に「g」を入力することになる。更に担当者は、図22(B)のユーザインタフェイスのエリア53において、項目選択方法を選択し、項目として顧客健康関連備考を選択することになる。
次に情報処理装置4による情報処理方法についてフローチャートを用いて説明する。図23は、情報処理装置4の主要な動作の動作例を示すフローチャートである。図23で示すように情報処理装置4の制御部11は、1つ以上の項目が定義された、通信販売に関する項目保有対象について、新規な項目であるフリー項目を追加可能なユーザインタフェイスを提供する(ステップSA1)。情報処理装置4の制御部11は、項目保有対象に追加されたフリー項目を使用した条件を設定可能なユーザインタフェイスを提供し、また、設定された条件が成立したときに実行されるべきアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する(ステップSA2)。
以上詳しく説明したように、本実施形態に係る情報処理装置4は、1つ以上の項目が定義された、通信販売に関する項目保有対象について、新規な項目であるフリー項目を追加可能なユーザインタフェイスを提供する機能と、前記項目保有対象に追加されたフリー項目を使用した条件を設定可能なユーザインタフェイスを提供する機能と、設定された条件が成立したときに実行されるべきアクションを設定可能なユーザインタフェイスを提供する機能とを備えている。これによれば、ユーザは、通信販売に関する項目保有対象にフリー項目を自由に追加でき、しかもこのフリー項目を使用した条件を設定できるため、既存の項目を利用した条件に限られることなく、より高い自由度で多様な態様の条件を設定することができ、多様な態様の条件を高い自由度で設定することを通して多様な態様のサービスを高い自由度で設定できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば上記実施形態では情報処理システム1は以下の構成であった。すなわち情報処理装置4が社内ネットワーク2に接続され、情報処理装置4が、同じく社内ネットワーク2に接続された端末3を介して各種サービス(ユーザインタフェイスの提供を含む)を提供する構成であった。この点に関し情報処理システム1を以下の構成としてもよい。すなわち図24で示すように、情報処理装置4を、インターネット、電話網、その他の通信網を含んで構成されたネットワークNに接続されたクラウドサーバとして構成し、情報処理装置4がネットワークNに接続された端末3を介して各種サービスを提供する構成でもよい。
また上記実施形態では、情報処理装置4は、受注伝票22の発行に応じて、サポートサービスを適用した。この点に関し、サポートサービスの適用は受注伝票22の発行に限られるものではない。すなわち、サポートサービスの適用のトリガとなる所定の事象は、受注伝票22の発行以外の事象でもよい。
また上記実施形態では、アクション発動条件は受注関連条件と詳細条件とを含んで構成されていたが(ただしアクション発動条件は、受注関連条件のみ、或いは、詳細条件のみにより構成されていてもよい)、アクション発動条件の構造は例示した構造に限られない。