JP2019132396A - 終減速装置 - Google Patents

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Takayuki Shimizu
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Abstract

【課題】リングギヤの攪拌抵抗を抑制しながら十分な量の潤滑油をデフケースの内部に供給する。【解決手段】リングギヤ2と、ピニオンギヤおよびサイドギヤを組み込むための窓部が形成された胴体部と、胴体部の一端に形成されリングギヤ2とボルト11で締結されるフランジ部9とを有するデフケースと、デフケースを回転自在に支持するハウジング4と、を備えた終減速装置1であって、フランジ部9およびリングギヤ2の少なくとも一方の外周面に形成される凹部21と、ハウジング4に設けられ、凹部21に溜まった潤滑油が流入する油流入孔29と、ハウジング4に設けられ、油流入孔29と連通し、油流入孔29から圧送された潤滑油を間欠で吐出する油吐出孔30と、を備え、回転しているデフケースの窓部が油吐出孔30に臨んだとき、潤滑油が油吐出孔30から窓部を通して胴体部の内部に吐出される。【選択図】図2

Description

本発明は、終減速装置に関する。
自動車の終減速装置は、一般的に左右の後輪間の略中央に配置されている。車体前方の原動機で発生した動力は、変速機で減速されたうえで推進軸を介して終減速装置に伝達され、終減速装置で再度減速されて左右の後輪に分配される。終減速装置は、推進軸と一体に回転するドライブピニオンギヤと、ドライブピニオンギヤと直角に噛合するリングギヤと、リングギヤと一体に回転する差動装置と、これらの装置を収容するハウジング等から構成されている。差動装置は、リングギヤと一体に回転するデフケースと、駆動軸と一体に回転するサイドギヤと、サイドギヤに噛合するピニオンギヤと、ピニオンギヤの孔に遊嵌されデフケースに嵌合するピニオンシャフト等から構成されている。
終減速装置は高負荷かつ高回転で運転される。そのため、ドライブピニオンギヤとリングギヤの噛み合い部、ドライブピニオンギヤを支持する軸受、ピニオンギヤとサイドギヤの噛み合い部、ピニオンギヤとピニオンシャフトの摺接部、デフケースの両端を支持する軸受等に十分な潤滑油を供給する必要がある。
一般的に終減速装置はオイルポンプを備えておらず、例えば特許文献1に記載のように、ハウジングの底部に滞留する潤滑油をリングギヤが掻き上げて、その飛沫油を潤滑の必要な部位に供給している。また、特許文献2,3には、リングギヤの外周に近接するハウジングの底部に油孔を形成し、リングギヤの回転力により潤滑油を油孔に圧送して所定部に供給する技術が開示されている。
特開2012−202532号公報 特開2013−164131号公報 特許第5493622号公報
デフケースには、ピニオンギヤやサイドギヤを内部に組み込むための窓部が形成されたものがある。ピニオンギヤとサイドギヤの噛み合い部に潤滑油を供給する場合、デフケースの外部からこの窓部を通して供給することが考えられる。しかしながら、特許文献2、3の技術は、潤滑油を常に連続して供給する構造であるため、これらの技術を用いれば、潤滑油は窓部の形成されていないデフケースの外周部にも無駄に供給されることとなる。
これに伴い、底部に滞留する潤滑油が無駄に消費されることから、本来リングギヤにより掻き上げられる潤滑油が減少することになる。この対策として油量を増加しようとすると、リングギヤによる攪拌抵抗が増大し、油温の上昇、燃費の低下を招く。
本発明はこのような課題を解消するために創作されたものであり、その目的は、リングギヤの攪拌抵抗を抑制しながら十分な量の潤滑油をデフケースの内部に供給することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、リングギヤと、ピニオンギヤおよびサイドギヤを組み込むための窓部が形成された胴体部と、前記胴体部の一端に形成され前記リングギヤとボルトで締結されるフランジ部とを有するデフケースと、前記デフケースを回転自在に支持するハウジングと、を備えた終減速装置であって、前記フランジ部および前記リングギヤの少なくとも一方の外周面に形成される凹部と、前記ハウジングに設けられ、前記凹部に溜まった潤滑油が流入する油流入孔と、前記ハウジングに設けられ、前記油流入孔と連通し、前記油流入孔から圧送された潤滑油を間欠で吐出する油吐出孔と、を備え、回転している前記デフケースの前記窓部が前記油吐出孔に臨んだとき、潤滑油が前記油吐出孔から前記窓部を通して前記胴体部の内部に吐出されることを特徴とする。
本発明によれば、窓部が油吐出孔に臨んだときのみ、油吐出孔から潤滑油を吐出させ、窓部を通してピニオンギヤとサイドギヤとの噛み合い部に供給できる。窓部が臨まない位置では、油吐出孔から潤滑油は吐出されないため、潤滑油が胴体部の外周部に無駄に供給されることがない。したがって、リングギヤで掻き上げる潤滑油の量が減少するという問題が生じず、油量を増加した場合のリングギヤによる攪拌抵抗の増大や油温の上昇、燃費の低下という問題が生じない。
また、本発明は、前記凹部が前記フランジ部の外周面に形成され、当該凹部の側方開口部を塞ぐように、前記フランジ部のボルト座面に配置されたプレート部材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、凹部内の潤滑油が側方開口部から流出することを簡単な構造で阻止できる。
また、本発明は、前記凹部は円周方向に間隔を空けて複数形成され、前記プレート部材には、少なくとも一つの前記凹部の径外方開口部を塞ぐ折り曲げ部が形成されていることを特徴とする。
フランジ部やリングギヤの重量バランスの点から、凹部は円周方向に等間隔で複数形成することが望ましい。このような複数の凹部に対し、所定の凹部についてはその径外方開口部を折り曲げ部により塞ぐことで、潤滑油の吐出状態と非吐出状態とを交互に生じさせることができる。プレート部材を利用することで、簡単な構造で径外方開口部を塞ぐことができる。
また、本発明は、前記プレート部材において、前記凹部の側方開口部を塞ぐ部分には、前記凹部に潤滑油を流入させるための油流入開口部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、油流入開口部から潤滑油を効率良く凹部に流入させることができる。
また、本発明は、前記デフケースの軸心よりも後方の位置において、前記ハウジングには、前記フランジ部および前記リングギヤの外周面に近接して沿う円弧壁が形成され、油面下の前記円弧壁には、前記凹部に対向し、前記軸心の径外方向に膨出する油送り室が形成され、前記油流入孔は、前記油送り室の後壁面に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、凹部から油流入孔までの間に油送り室が介在することで、潤滑油を油送り室に効率的に集めたうえで油流入孔に送ることができる。
また、本発明は、前記油送り室よりも前方の位置で前記ハウジングの底部には、前記凹部に対向するとともに前記油送り室と連続し、前記軸心の径外方向に膨出する油滞留室が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、油滞留室に十分な潤滑油量を確保して、凹部内にエア噛みさせることなく潤滑油を流入させることができる。
本発明によれば、リングギヤの攪拌抵抗を抑制しながら十分な量の潤滑油をデフケースの内部に供給できる。
第1実施形態の終減速装置を右方向から見た側断面図である。 第1実施形態の終減速装置を左方向から見た側断面図である。 図2におけるIII-III断面図である。 図2におけるIV-IV断面図である。 図2におけるV-V断面図である。 図5におけるVI-VI断面図である。 第1実施形態のデフケースおよびリングギヤの概略的な外観斜視図である。 第1実施形態のプレート部材の外観斜視図である。 第2実施形態の終減速装置を左方向から見た側断面図である。 図9におけるX-X断面図である。 図9におけるXI-XI断面図である。 第2実施形態のプレート部材の外観斜視図である。
本発明について2つの実施形態を説明する。各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
「第1実施形態」
図1〜図8を参照して第1実施形態を説明する。なお、図3〜図5はそれぞれ図2におけるIII-III断面図、IV-IV断面図、V-V断面図を表しているが、ハウジング4の断面部については便宜上、油送り室27の断面部を図示している。
図1において、終減速装置1は、FF(Front-engine Front-drive)ベースの四輪駆動車に搭載されるものであり、ドライブピニオンシャフト14の第3軸心O3回りの回転運動を、減速かつ90°偏向しつつ、第1軸心O1回りの回転運動に変換し、左右の後輪に伝達する装置である。終減速装置1は、ドライブピニオンシャフト14と、リングギヤ2と、差動装置を構成するデフケース3と、デフケース3を回転自在に支持するハウジング4とを備えている。
ドライブピニオンシャフト14は、前後方向に延びる動力伝達軸であって、テーパローラベアリング13を介してハウジング4の前部ハウジング4Aに支持されている。ドライブピニオンシャフト14の前端は、図示しない粘性継手を介して推進軸の後端に連結されている。ドライブピニオンシャフト14の後端には、リングギヤ2と噛合するドライブピニオンギヤ15が形成されている。
ハウジング4は、第1軸心O1を通る鉛直面を分割面として、前寄りの前部ハウジング4Aと後寄りの後部ハウジング4Bとに分割構成されている。前部ハウジング4Aと後部ハウジング4Bとは、図示しないボルトにより互いに締結固定されている。ハウジング4の底部には、リングギヤ2の下部が浸漬する程度に潤滑油が滞留している(油面を符号Lにて示す)。車両の前進時、リングギヤ2は、図1に示すように、右側から見て第1軸心O1を中心にP方向(時計回り)に回転する。
図1または図7を参照して、デフケース3は、ピニオンギヤ5およびサイドギヤ6を組み込むための窓部7が形成された胴体部8と、胴体部8の一端に形成されリングギヤ2とボルト11(図2、図3)で締結されるフランジ部9と、胴体部8の両端に形成されるボス部10とを有して構成されている。リングギヤ2は、背面側にボルト11を締め付けるための雌ねじ孔が形成されている。リングギヤ2は、デフケース3の胴体部8側から組み込まれてフランジ部9にあてがわれ、フランジ部9のボルト座面9A(図3)側からボルト11によりフランジ部9に締結される。ボルト11は、第1軸心O1回りに等間隔で複数、本実施形態では6個配置されている。
胴体部8の内部には、図1に示すように、第1軸心O1と直交する第2軸心O2に沿ってピニオンシャフト12が固定されている。ピニオンシャフト12の両端にはピニオンギヤ5が回転自在に取り付けられている。ボス部10(図7)には図示しないドライブシャフトが挿入され、ドライブシャフトにスプライン結合したサイドギヤ6がピニオンギヤ5に噛合している。潤滑油の油面Lは、胴体部8の下部は浸漬するものの、ピニオンギヤ5とサイドギヤ6との噛み合い部は浸漬しない程度の高さである。
「凹部21」
図2において、フランジ部9とリングギヤ2の各外周面には、径内方向に凹む凹部21が形成されている。フランジ部9は、ボルト11の締結部の位置する外周部が最大外径D1の寸法となり、締結部同士の間で円周方向に延びる凹部21の底面部が小外径D2の寸法となる。小外径D2は例えばボルト11のピッチ径程度の寸法である。凹部21は、第1軸心O1回りに等間隔で複数、本実施形態では6カ所形成されている。リングギヤ2の背面側の凹部21も同一位相、同一形状で形成されている。したがって、図4、図5から判るように、フランジ部9とリングギヤ2との間で一続きの凹部21が形成されることとなる。場合により、凹部21は、フランジ部9およびリングギヤ2の一方の外周面のみに形成してもよい。
「プレート部材22」
図4において、フランジ部9の凹部21は、フランジ部9の肉厚方向に貫通するように形成されているため、凹部21のボルト座面9A側には、側方(第1軸心O1方向)に開口した側方開口部23が形成されることとなる。この側方開口部23を塞ぐ目的で、フランジ部9のボルト座面9Aには、図8に示すように、環状のリング板部22Aを有するプレート部材22が配置されている。図4に示すように、プレート部材22はボルト11による共締めでフランジ部9に締結固定され、図8において、符号22Bはボルト11の通し孔を示している。リング板部22Aの外径は、フランジ部9の最大外径D1と略同じである。
6つの凹部21は全て、プレート部材22のリング板部22Aにより側方開口部23が塞がれた状態となり、それぞれ径外方開口部24のみが径外方に向けて開口した状態となる。この6つの凹部21について、図2に示すように、P方向に向けて順に21A〜21Fの符号を付すと、第1軸心O1を挟んで互いに対向する2つの凹部21C,21Fについては、プレート部材22の折り曲げ部22Cによって径外方開口部21Bが塞がれている。折り曲げ部22Cは、リング板部22Aの外周縁からリングギヤ2側に向けて直交状に折り曲げられており、第1軸心O1回りに沿って形成されている。折り曲げ部22Cの先端は、図4に示すように、リングギヤ2に近接するまで延びている。
プレート部材22において、凹部21の側方開口部23を塞ぐ部分、すなわちリング板部22Aには、図5、図6に示すように、凹部21内に潤滑油を流入させるための油流入開口部25が形成されている。油流入開口部25は、リング板部22Aから凹部21とは反対側に向けて突出するようにプレス加工された突部26に形成されており、リングギヤ2の回転方向であるP方向に開口している。本実施形態では、図2に示すように、凹部21Aと凹部21Dの2つの凹部21に潤滑油を流入させるように油流入開口部25を2つ設けているが、凹部21Bと凹部21Eにも潤滑油が流入するように油流入開口部25を計4つ設けてもよい。
「油送り室27、油滞留室28、油流入孔29、油吐出孔30」
図2において、第1軸心C1よりも後方に位置する後部ハウジング4Bには、フランジ部9およびリングギヤ2の外周面に近接して沿う円弧壁31が形成されている。フランジ部9およびリングギヤ2の外周面と円弧壁31との間には隙間W1が設定されている。従来、この隙間W1は、後部ハウジング4Bに関しては、上端から下端までの180度の範囲にわたり設定されている。これに対し、本実施形態では、油面Lよりも上方の円弧壁31においては隙間W1に設定するとともに、油面Lよりも下方の円弧壁31には、凹部21に対向し、第1軸心O1の径外方向に膨出する油送り室27を形成している。図5に示すように、凹部21と油送り室27とは、左右方向に、つまり第1軸心O1方向に重なり代Sができるように配置されている。
図2において、油送り室27は、油面Lの高さ位置近傍から鉛直状に下方に延びる後壁面27Aと、後壁面27Aの下端から前下がりに直線状に延びる下傾斜面27Bとを備えている。油送り室27の開口部の縁周りは、前記隙間W1よりも小さな隙間でフランジ部9およびリングギヤ2の外周面に近接している。具体的には、油送り室27の上縁においては、隙間W1よりも小さい隙間W2ができるように、後部ハウジング4Bに凸部32が形成されている。油送り室27の下縁においては、フランジ部9およびリングギヤ2の外周面と下傾斜面27Bとの間で、隙間W2と同程度に狭い隙間W3が形成されている。図3に示すように、油送り室27の右縁においては、リングギヤ2との間で、隙間W1よりも小さい隙間W4ができるように、後部ハウジング4Bに凸部33が形成されている。油送り室27の左縁においては、フランジ部9との間で、隙間W1よりも小さい隙間W5ができるように、後部ハウジング4Bに凸部34が形成されている。
図2に示すように、後壁面27Aには、凹部21から油送り室27に流れた潤滑油を流入させるための油流入孔29が設けられている。油流入孔29は、例えば後壁面27Aに水平状に取り付けられた流入パイプ35から構成されている。油流入孔29は、図5から判るように、左右方向で、つまり第1軸心O1方向で、凹部21と重なり代ができる位置に設けられている。
図2に示すように、後部ハウジング4Bの上部には油吐出孔30が設けられている。油吐出孔30はデフケース3の窓部7に指向している。油吐出孔30は、例えば後部ハウジング4Bの上部に、前下がりの傾斜状に取り付けられた吐出パイプ36から構成されている。油吐出孔30は後部ハウジング4Bの外部で油流入孔29と連通しており、例えば流入パイプ35と吐出パイプ36とを繋ぐ配管(図示せず)等により連通している。油吐出孔30は、油流入孔29から圧送された潤滑油を窓部7を通してデフケース3の胴体部8の内部に吐出する。
なお、油流入孔29から油吐出孔30への連通は、配管を用いず、ハウジング4内に穿設された加工孔によるものとしても良い。
前部ハウジング4Aの底部は、従来では前記円弧壁31がそのまま延長された形状であり、隙間W1を空けてフランジ部9およびリングギヤ2の外周面に近接していた。これに対し、本実施形態では、油送り室27よりも前方の位置で前部ハウジング4Aの底部には、第1軸心O1の径外方向に膨出する油滞留室28が形成されている。油滞留室28は、凹部21に対向している。つまり、油滞留室28は、第1軸心O1方向で、凹部21と重なり代ができる位置に形成されている。油滞留室28は、前方に向かうにしたがいフランジ部9およびリングギヤ2の外周面から遠ざかる水平状の底面28Aと、底面28Aの前端から前方斜め上に向かうにしたがいフランジ部9およびリングギヤ2の外周面に近づく前傾斜面28Bとを備えて構成されている。
「作用」
リングギヤ2がP方向に回転して凹部21がハウジング4の底部に達すると、凹部21A,21B,21D,21Eにおいては、油滞留室28に滞留した潤滑油が径外方開口部24から案内され、凹部21A,21B,21D,21Eの内部に入り込む。凹部21A,21Dに関しては、潤滑油が油流入開口部25からも案内されて内部に効率良く入り込む。
油面L下における油送り室27の縁部は、小さな隙間W2〜W5でフランジ部9およびリングギヤ2に対向している。したがって、凹部21A,21B,21D,21E内の潤滑油は、油送り室27の縁部から逃げることができず、リングギヤ2の回転に伴う遠心力により油流入孔29に送り込まれる。油流入孔29に圧送された潤滑油は油吐出孔30から吐出される。
凹部21C,21F内の潤滑油は、径外方開口部24が折り曲げ部22Cで塞がれているため、油送り室27に流入しない。したがって、油送り室27内の潤滑油が、リングギヤ2の回転に伴う遠心力で油流入孔29に送り込まれることはない。これにより、デフケース3が一回転する間に、油吐出孔30から潤滑油が吐出される状態と吐出されない状態とが交互に発生する。つまり、油吐出孔30から潤滑油が間欠で吐出される。凹部21E,21Dと油送り室27とが連通することで油吐出孔30から吐出された潤滑油は、一方の窓部7を通してデフケース3の胴体部8の内部に供給され、凹部21B,21Aと油送り室27とが連通することで油吐出孔30から吐出された潤滑油は、他方の窓部7を通して胴体部8の内部に供給される。これにより、ピニオンギヤ5とサイドギヤ6との噛み合い部に十分な潤滑油が供給される。凹部21C,21Fが油送り室27に臨んだときには、潤滑油は油吐出孔30から吐出されないので、窓部7同士の間の胴体部8の外周面に潤滑油が無駄に供給されることがない。窓部7と各凹部21A〜21Fとの位置関係は固定されているので、窓部7に対する吐出タイミングがずれることはない。
以上のように、フランジ部9およびリングギヤ2の少なくとも一方の外周面に形成される凹部21と、ハウジング4に設けられ、凹部21に溜まった潤滑油が流入する油流入孔29と、ハウジング4に設けられ、油流入孔29と連通し、油流入孔29から圧送された潤滑油を間欠で吐出する油吐出孔30と、を備え、回転しているデフケース3の窓部7が油吐出孔30に臨んだとき、潤滑油が油吐出孔30から窓部7を通して胴体部8の内部に吐出される終減速装置1とすれば、次のような効果が奏される。
窓部7が油吐出孔30に臨んだときのみ、油吐出孔30から潤滑油を吐出させ、窓部7を通してピニオンギヤ5とサイドギヤ6との噛み合い部に供給できる。窓部7が臨まない位置では、油吐出孔30から潤滑油は吐出されないため、潤滑油が胴体部8の外周部に無駄に供給されることがない。したがって、リングギヤ2で掻き上げる潤滑油の量が減少するという問題が生じず、油量を増加した場合のリングギヤ2による攪拌抵抗の増大や油温の上昇、燃費の低下という問題が生じない。
凹部21がフランジ部9の外周面に形成され、凹部21の側方開口部23を塞ぐように、フランジ部9のボルト座面9Aに配置されたプレート部材22を備える構成とすれば、凹部21内の潤滑油が側方開口部23から流出することを簡単な構造で阻止できる。
凹部21は円周方向に間隔を空けて複数形成され、プレート部材22には、少なくとも一つの凹部21の径外方開口部24を塞ぐ折り曲げ部22Cが形成されている構成とすれば、次のような効果が奏される。フランジ部9やリングギヤ2の重量バランスの点から、凹部21は円周方向に等間隔で複数形成することが望ましい。このような複数の凹部21に対し、所定の凹部21についてはその径外方開口部24を折り曲げ部22Cにより塞ぐことで、潤滑油の吐出状態と非吐出状態とを交互に生じさせることができる。プレート部材22を利用することで、簡単な構造で径外方開口部24を塞ぐことができる。
プレート部材22において、凹部21の側方開口部23を塞ぐ部分(リング板部22A)には、凹部21に潤滑油を流入させるための油流入開口部25が形成されている構成とすれば、油流入開口部25から潤滑油を効率良く凹部21に流入させることができる。
デフケース3の第1軸心O1よりも後方の位置において、後部ハウジング4Bには、フランジ部9およびリングギヤ2の外周面に近接して沿う円弧壁31が形成され、油面L下の円弧壁31には、凹部21に対向し、第1軸心O1の径外方向に膨出する油送り室27が形成され、油流入孔29は、油送り室27の後壁面27Aに設けられている構成とすれば、凹部21から油流入孔29までの間に油送り室27が介在することで、潤滑油を油送り室27に効率的に集めて油流入孔29に送ることができる。
油送り室27よりも前方の位置で前部ハウジング4Aの底部には、凹部21に対向するとともに油送り室27と連続し、第1軸心O1の径外方向に膨出する油滞留室28が形成されている構成とすれば、油滞留室28に十分な潤滑油量を確保して、凹部21内にエア噛みさせることなく潤滑油を流入させることができる。油滞留室28と油送り室27とがが隙間W3を介して連続していることで、圧送される前の段階で潤滑油を油送り室27に確実に満たしておくことができる。
「第2実施形態」
図9〜図12を参照して第2実施形態を説明する。図10、図11はそれぞれ図9におけるX-X断面図、XI-XI断面図を表しているが、ハウジング4の断面部については便宜上、油送り室27の断面部を図示している。
第1実施形態は、凹部21を第1軸心O1回りに等間隔で複数(凹部21A〜21F)設け、そのうちの凹部21C,21Fをプレート部材22の折り曲げ部22Cで塞ぐ構成としていた。これに対し、第2実施形態は、凹部21を凹部21A,21B,21D,21Eの4カ所とし、凹部21C,21Fに相当する部分は何ら凹みを設けることなくフランジ部9およびリングギヤ2の外周面のままとしている。
図11に示すように、凹部21は、第1実施形態と同様に側方開口部23がプレート部材22により塞がれ、径外方開口部24が油送り室27に対向している。そして、第1実施形態の凹部21C,21Fに相当する部分は、図10に示すように、フランジ部9およびリングギヤ2の外周面が油送り室27に近接している。プレート部材22を利用して径外方開口部24を塞ぐ必要がないので、第2実施形態で用いるプレート部材22の形状は、図12に示すように、環状のリング板部22Aのみから構成されている。
第2実施形態によっても、凹部21A,21B,21D,21E内の潤滑油がリングギヤ2の回転に伴う遠心力により油送り室27に流れて油流入孔29に送り込まれ、潤滑油が油吐出孔30から窓部7に吐出される。凹部21Bと凹部21Dとの間および凹部21Eと凹部21Aとの間は、フランジ部9およびリングギヤ2の外周面として形成されているので、潤滑油が油送り室27に流れることがない。これにより、第1実施形態と同様に、デフケース3が一回転する間に、油吐出孔30から潤滑油が吐出される状態と吐出されない状態とが交互に発生することとなり、窓部7に吐出するにあたり潤滑油の無駄な供給を抑制できる。
1 終減速装置
2 リングギヤ
3 デフケース
4 ハウジング
5 ピニオンギヤ
6 サイドギヤ
7 窓部
8 胴体部
9 フランジ部
9A ボルト座面
21 凹部
22 プレート部材
22A リング板部
22B 折り曲げ部
23 側方開口部
24 径外方開口部
25 油流入開口部
27 油送り室
28 油滞留室
29 油流入孔
30 油吐出孔
31 円弧壁

Claims (6)

  1. リングギヤと、
    ピニオンギヤおよびサイドギヤを組み込むための窓部が形成された胴体部と、前記胴体部の一端に形成され前記リングギヤとボルトで締結されるフランジ部とを有するデフケースと、
    前記デフケースを回転自在に支持するハウジングと、
    を備えた終減速装置であって、
    前記フランジ部および前記リングギヤの少なくとも一方の外周面に形成される凹部と、
    前記ハウジングに設けられ、前記凹部に溜まった潤滑油が流入する油流入孔と、
    前記ハウジングに設けられ、前記油流入孔と連通し、前記油流入孔から圧送された潤滑油を間欠で吐出する油吐出孔と、
    を備え、
    回転している前記デフケースの前記窓部が前記油吐出孔に臨んだとき、潤滑油が前記油吐出孔から前記窓部を通して前記胴体部の内部に吐出されることを特徴とする終減速装置。
  2. 前記凹部が前記フランジ部の外周面に形成され、
    当該凹部の側方開口部を塞ぐように、前記フランジ部のボルト座面に配置されたプレート部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の終減速装置。
  3. 前記凹部は円周方向に間隔を空けて複数形成され、
    前記プレート部材には、少なくとも一つの前記凹部の径外方開口部を塞ぐ折り曲げ部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の終減速装置。
  4. 前記プレート部材において、前記凹部の側方開口部を塞ぐ部分には、前記凹部に潤滑油を流入させるための油流入開口部が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の終減速装置。
  5. 前記デフケースの軸心よりも後方の位置において、前記ハウジングには、前記フランジ部および前記リングギヤの外周面に近接して沿う円弧壁が形成され、
    油面下の前記円弧壁には、前記凹部に対向し、前記軸心の径外方向に膨出する油送り室が形成され、
    前記油流入孔は、前記油送り室の後壁面に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の終減速装置。
  6. 前記油送り室よりも前方の位置で前記ハウジングの底部には、前記凹部に対向するとともに前記油送り室と連続し、前記軸心の径外方向に膨出する油滞留室が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の終減速装置。
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