JP2019132020A - 壁構造 - Google Patents

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【課題】耐震性・耐火性(防火性)・防音性(遮音性)・断熱性に優れた外壁材を提供すること。【解決手段】メッシュ状部材が組み込まれた軽量セメントモルタルの間に配置される炭素繊維製又は金属製のプレートを備える外壁材を複数有する壁構造であって、前記プレートは、略矩形の外枠を構成する4本と、前記略矩形の対角線をなす2本と、前記略矩形の高さ方向の略中央に幅方向の全幅にわたる1本とが、それぞれ面一になるように接合され、前記プレートには切り離し部と基端部とで画される所定の領域について前記基端部が前記プレートに接続した状態のまま折り曲げられて形成されるストッパ部が複数設けられ、前記外壁材の表面には防水用および耐火用の塗料が塗布され、隣接する前記外壁材の間にコーキング材が設けられ、前記コーキング材を覆うように隣接する前記外壁材の間にわたって目地カバー材が設けられる壁構造。【選択図】図1

Description

本発明は、耐震性・耐火性・防音性・断熱性に優れた外壁材を有する壁構造に関する。
従来の建物の外壁材を有する壁構造は耐震性を考慮することがあまりなかった。
外壁材を有する壁構造として、耐震性・耐火性(防火性)・防音性(遮音性)・断熱性に優れているものが実現されることが望ましい。
ここで、関連技術として、鉄・木造建築物外壁において、外壁構造材を現場で耐震性を強化することにより、木造・鉄骨建築物の使用期間を延ばす高気密・高断熱の壁構造および壁の施工方法に関する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2014−9537号公報
しかしながら、上記の関連技術では、耐震性を高めるのみであり、耐火性(防火性)・防音性(遮音性)・断熱性に関しては考慮されていないという問題点があった。
本発明の目的は、耐震性・耐火性・防音性・断熱性に優れた外壁材を有する壁構造を提供することにある。
本発明の壁構造は、メッシュ状部材が組み込まれた軽量セメントモルタルの間に配置される炭素繊維製又は金属製のプレートを備える外壁材を複数有する壁構造であって、
前記プレートは、略矩形の外枠を構成する4本と、前記略矩形の対角線をなす2本と、前記略矩形の高さ方向の略中央に幅方向の全幅にわたる1本とが、それぞれ面一になるように接合され、
前記プレートには切り離し部と基端部とで画される所定の領域について前記基端部が前記プレートに接続した状態のまま折り曲げられて形成されるストッパ部が複数設けられ、
前記外壁材の表面には防水用および耐火用の塗料が塗布され、
隣接する前記外壁材の間にコーキング材が設けられ、前記コーキング材を覆うように隣接する前記外壁材の間にわたって目地カバー材が設けられる。
このように構成することにより、主に、プレートの配置形態により耐震性が高められ、軽量セメントモルタルにより耐火性(防火性)・防音性(遮音性)・断熱性が高められている。
また、ストッパ部により、プレートの表面に凸部を設けて軽量セメントモルタルとの摩擦力を増大させること及びプレートに孔部を設けて当該孔部をセメントが通過して軽量セメントモルタルが一体化するようにしてプレートの軽量セメントモルタルとの摩擦力を増大させることを同時に達成することができ、より耐震性が高められている。
また、コーキング材や目地カバー材により高い防水性が確保されている。
本発明によれば、耐震性・耐火性(防火性)・防音性(遮音性)・断熱性に優れた外壁材を有する壁構造を提供することができる。
本発明の実施の形態における外壁材の断面図である。 本発明の実施の形態における軽量セメントモルタルの正面視からの内部構造(メッシュ状部材)を示す模式図である。 本発明の実施の形態における外壁材の正面視(a)及び側面視(b)からの内部構造(プレート)を示す模式図である。 本発明の実施の形態における壁構造の正面図である。 本発明の実施の形態における目地カバー材を説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
[外壁材10]
本実施の形態における外壁材10の詳細な構成は、図1(断面図・水平面、特に後述するストッパ部151が存在する箇所を示した。)に示すように、室外側の軽量セメントモルタル11と、室内側の軽量セメントモルタル12と、軽量セメントモルタル11と軽量セメントモルタル12の間にプレート15を配置した構成である。
軽量セメントモルタル11、12は、図2の正面視からの内部構造を示す模式図に示すように、強度確保や形態保持等のために、内部にメッシュ状部材13が組み込まれている。メッシュ状部材13は、例えば10mm〜20mm程度の隙間を格子状に形成したシート状のものであるが、金属製でなく、耐火性を備える他の素材であってもよい。ここでは、メッシュ状部材13は、後述するプレート15の室外側の面に接合する位置に配置されているが、室内側の面やその両面に配置されることであってもよい。
軽量セメントモルタル11、12の厚み寸法は例えば、9mm〜15mm程度である。軽量セメントモルタル素材により、耐火性(防火性)・防音性(遮音性)・断熱性を高めることに貢献している。
なお、軽量セメントモルタル11、12は、成型時に、メッシュ状部材13の隙間部分をセメントが通過して一体的に成型されるため、軽量セメントモルタル11、12を合わせたいわば1つの軽量セメントモルタルの内部にメッシュ状部材13が組み込まれることとなる。
炭素繊維製又は金属製のプレート15の厚み寸法は例えば、1.5mm〜3mm程度であり、幅寸法は例えば、50mm〜100mm程度である。炭素繊維製であれば軽量化のメリットがあり、また鉄製であれば安価で丈夫であり、重量が重くても機械による運搬であるので問題とならない。アルミ製等であってもよい。
また、外壁材10は、図3(a)の正面視からの内部構造を示す模式図に示すように、プレート15が、略矩形の外枠を構成する4本と、略矩形の対角線をなす2本と、略矩形の高さ方向の略中央に幅方向の全幅にわたる1本とが、それぞれ面一になるように溶接等で接合されて、壁材止めビス16によるビス止め等により、軽量セメントモルタル11と軽量セメントモルタル12の間に配置されている。これにより、上下左右斜めのあらゆる方向からの揺れに対応する強度が確保されることとなり耐震性が高められ、外枠の4本でさらに強度がアップされている。また、幅方向の全幅にわたる1本により地震の横揺れへの対策が強化されている。従来は、プレート15がなく、壁が崩壊したり、ひび割れが発生してしまうリスクが高かった。
なお、略矩形の対角線をなす2本と、略矩形の高さ方向の略中央に幅方向の全幅にわたる1本の合計3本のプレート15が交差する中央部に、強度強化のために円形や方形の補強プレート17が溶接で固められて配置されていてもよい。
さらに、外壁材10の対角線をなす2本のプレート15には、2辺の切り離し部(スリット等)と残りの1辺の基端部とで画される略三角形の領域について基端部がプレート15に接続した状態のまま、メッシュ状部材13が存在しない方向へ起こすように所定の角度(軽量セメントモルタル11、12の厚み寸法内に収まる角度)で折り曲げられて形成されたストッパ部151が複数設けられてもよい(図3(b)の側面視からの内部構造を示す模式図も参考)。その結果、プレート15に略三角形の領域の空隙152が複数形成されることとなる。このような構成としたので、プレート15の表裏に凸部を設けて軽量セメントモルタル11、12との摩擦力を増大させること及びプレート15に孔部を設けて当該孔部をセメントが通過して軽量セメントモルタル11、12が一体化するように(すなわちプレート15の存在により軽量セメントモルタル11、12が連通して一体化していない部分を最小化)してプレート15の軽量セメントモルタル11、12との摩擦力を増大させることを同時に達成することができる。このようなプレート15の軽量セメントモルタル11、12との摩擦力の増大により、上下左右斜めのあらゆる方向からの揺れに対応する強度がより大きく増強され耐震性が一層高められる。また、ストッパ部151の形状は、略三角形に限らず、略円形や略矩形などの任意の形状であってよく、ストッパ部151の位置や数も上記の摩擦力を増大する効果を奏する限り特段限定されなく、他のプレート15を含めて任意である。なお、ストッパ部151の大きさは、切り離された結果として形成されるプレート15の孔部によりプレート15の本来の強度が著しく損なわれない程度であれば特に限定されない。
外壁材10は、幅寸法は例えば、1800mm〜2000mm程度であり、高さ寸法は例えば、2400mm程度であるが、オーダーメイドで任意の高さ寸法とすることであってもよい。
外壁材10の表面の全体又は少なくとも一部には、防水用および耐火用の塗料等が塗布されることであってもよい。これにより、さらに防水性および耐火性が向上すると共に、軽量セメントモルタル11、12の肌を着色美化することができる。
[壁構造50]
図4(正面図)を参照すると、本実施の形態における壁構造50は、例えば、複数の壁材20(少なくとも室外側の外壁材10と室内側の内壁材を含む。)を数列にわたり横に並べるように連接してなる、建物の壁構造であり、木造の建物にも、鉄骨造等の建物にも適用可能である。壁構造50は、適宜の間隔で上下方向と左右方向に延びる鉄骨T(木柱等であってもよい。)が設置され、その鉄骨Tによる骨組み部分で隣接する壁材20同士が連接するように配置され、鉄骨Tに複数箇所、例えば12か所(図3も参照)をビス留等により固定される。
従来は鉄骨T間にわたされた筋交いが必要であり、作業の邪魔となっていたが、そのような筋交いは不要となっている。
図5に模式的に示すように、壁構造50は、上下方向および左右方向に隣接する壁材20同士には、所定の適切な間隔を設け、その隙間である目地に、気密性や防水性を確保するために伸縮性・耐火性・防水性を有するコーキング材60(例えばゴム素材)を充填する。特に、寒冷地等の寒暖の差が大きい地域では、壁材20の寸法が気温に応じて伸縮(膨張・収縮)し易くそれに対応するためである。
さらに、図5に示すように、上記のコーキング材60などによる目地上を覆うように外壁材10側に、隣接する壁材20同士にわたって、薄い鉄板製等の断面形状が略半楕円形(トンネル状)の耐火性・防水性を有する目地カバー材61を目地カバー止めビス62によるビス止等で取り付ける。目地カバー材61と外壁材10の隙間には防水用の塗料やコーキング剤などが塗布・充填される。目地カバー材61により、雨水の浸入を防止して防水性をより高めることができると共に、コーキング材60は永久的なもので無く経年的に温度や光線等により変化するためそれを防ぎ美化を保ち、さらに、目地カバー材61の色彩・模様により装飾を兼ねることができ、外観の見た目やデザイン性を向上させることができる(図4も参照)。なお、目地カバー材61は、断面形状が略半楕円形の板状体であるので扁平等に変形することで、壁材20の寸法が伸縮することにも対応可能となっている。
また、上下方向の目地カバー材61は、上下方向に接する壁材20同士では、雨水が侵入しないように1本に継がれて、一体化されていることであってもよい。
また、上下方向と左右方向の目地カバー材61同士が交差する地点では、上下方向の目地カバー材61が左右方向の目地カバー材61に若干被さるようにし、一部を切り欠いた上下方向の目地カバー材61を貫通するようにその内部で左右方向の目地カバー材61がジョイントして継がれるようになっている。なお、その交差点にも防水用の塗料やコーキング剤などが塗布・充填される。
一方、目地カバー材61を取り付けてから、外壁材10の表面の全体又は少なくとも一部に、防水用および耐火用の塗料等が初めて、又は再度、塗布されることであってもよい。これにより、さらに防水性および耐火性が向上すると共に、目地カバー材61の両端裾部の出っ張り及び目地カバー止めビス62を隠蔽しつつ軽量セメントモルタル11、12の肌を着色美化することができる。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されてよい。例えば、図4における8枚の壁材20を1枚の大判としてオーダーメイドで作製されてもよい。
窓や出入口の空間部についても必要寸法に合わせて同様工法で作製してもよい。
10 外壁材
11、12 軽量セメントモルタル
13 メッシュ状部材
15 プレート
151 ストッパ部
152 空隙
16 壁材止めビス
17 補強プレート
20 壁材
50 壁構造
60 コーキング材
61 目地カバー材
62 目地カバー止めビス
T 鉄骨、木柱

Claims (1)

  1. メッシュ状部材が組み込まれた軽量セメントモルタルの間に配置される炭素繊維製又は金属製のプレートを備える外壁材を複数有する壁構造であって、
    前記プレートは、略矩形の外枠を構成する4本と、前記略矩形の対角線をなす2本と、前記略矩形の高さ方向の略中央に幅方向の全幅にわたる1本とが、それぞれ面一になるように接合され、
    前記プレートには切り離し部と基端部とで画される所定の領域について前記基端部が前記プレートに接続した状態のまま折り曲げられて形成されるストッパ部が複数設けられ、
    前記外壁材の表面には防水用および耐火用の塗料が塗布され、
    隣接する前記外壁材の間にコーキング材が設けられ、前記コーキング材を覆うように隣接する前記外壁材の間にわたって目地カバー材が設けられる
    壁構造。
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