JP2019131746A - 粘着テープ - Google Patents

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史広 白石
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Abstract

【課題】電子部品封止連結体から、電子部品を備える電子装置を複数製造する際に、電子部品封止連結体の下面から突出する半田バンプを埋入させて保護し得る粘着テープを提供すること。【解決手段】本発明の粘着テープ102は、電子部品封止連結体の下面から突出して設けられたバンプ21(半田バンプ)を埋入させるように仮固定して用いられ、要件Aと要件Bとを満足する。要件A:粘着テープは、JIS G 3469に準拠して、エポキシ樹脂を主材料として含有する被覆部上に粘着テープを貼付し、次いで、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後に、粘着テープを引き剥がしたときに測定されるピール強度が2.0N/mm以下となる。要件B:粘着テープは、23℃における弾性率が1MPa以上1000MPa以下であり、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後において、前記弾性率が1MPa以上1000MPa以下であること。【選択図】図3

Description

本発明は、複数の電子部品が封止材により封止された電子部品封止連結体の下面から突出して設けられた、電子部品に電気的に接続された半田バンプを埋入させて保護する際に用いられる粘着テープに関する。
従来、携帯電話、医療機器のように電磁波の影響を受けやすい電子部品や、半導体素子等の半導体電子部品、さらにはコンデンサー、コイル等の各種電子部品、またはこれらの電子部品を回路基板に実装された電子装置は、電磁波によるノイズの影響を軽減するため、これら電子部品または電子装置を、アルミやSUSのような金属カンシールドで封止するシールド方法が実施されてきた。
しかしながら、この金属カンシールドは、種類別に配置された部品集合体に対して施され、その影響で基板上の各部品の配置には制約があり、基板の設計自由度は、機能面からは必ずしも最良というわけではない。さらに、金属カンシールドにより部品集合体を封止することから、金属カンシールドと部品集合体との間に空間が生じるため、かかる部品集合体を備える電子機器の大型化を招くという問題があった。
そのため、かかる問題点を解消するために、基板上に配置された電子部品が封止材により封止された電子部品封止体の上面および側面を、金属薄膜層等で構成されるノイズ抑制層で被覆する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法では、ノイズ抑制層が設けられた電子部品封止体を形成した後、得られた電子部品封止体の下面側に、電子部品に電気的に接続された配線と、この配線の一部を被覆する被覆層と、配線に電気的に接続された半田バンプとを設けることにより、ノイズ抑制層が設けられた電子部品封止体を有する電子装置が製造される。
しかしながら、かかる電子装置の製造方法では、上述の通り、電子部品封止体毎に、配線、被覆層および半田バンプを形成する必要があり、電子装置を製造するための工程が煩雑となり、生産性が低いと言った問題があった。
特開2015−130484号公報
かかる問題点を解決することを目的に、複数の電子部品封止体が面方向に格子状に配列された状態で連結させた電子部品封止連結体を用意し、この電子部品封止連結体の下面側に、上述した、配線、被覆層および半田バンプを形成した後に、電子部品封止連結体が備える電子部品封止体にノイズ抑制層を形成し、その後、電子部品封止連結体を電子部品封止体毎に個片化することで、複数の電子装置を一括して製造する方法が考えられ、これにより、高い生産性をもって電子装置を製造することができる。
ところが、この場合、配線、被覆層および半田バンプの形成の後に、ノイズ抑制層の形成および電子部品封止連結体の個片化が実施されることから、これらの実施の際に、半田バンプを傷付けることなく保護することが求められる。
そこで、本発明の目的は、複数の電子部品が封止材により封止された電子部品封止連結体から、電子部品を備える電子装置を複数製造する際に、電子部品封止連結体の下面から突出して設けられた、電子部品に電気的に接続された半田バンプを埋入させて保護することができる粘着テープを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 複数の電子部品が封止材により封止された電子部品封止連結体の下面から突出して設けられた、前記電子部品に電気的に接続された半田バンプを埋入させるように仮固定して用いられる粘着テープであって、
下記要件Aと下記要件Bとの双方を満足することを特徴とする粘着テープ。
要件A:当該粘着テープは、JIS G 3469に準拠して、エポキシ樹脂を主材料として含有し、板状をなす被覆部上に幅25mmの前記粘着テープを貼付し、次いで、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後に、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が2.0N/mm以下となる。
要件B:当該粘着テープは、23℃における弾性率が1MPa以上1000MPa以下であり、かつ、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後において、23℃における弾性率が1MPa以上1000MPa以下であること。
(2) 当該粘着テープは、さらに、下記要件Cを満足する上記(1)に記載の粘着テープ。
要件C:当該粘着テープは、JIS G 3469に準拠して、エポキシ樹脂を主材料として含有し、板状をなす被覆部上に幅25mmの前記粘着テープを貼付し、次いで、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が2.0N/mm以下となる。
(3) 当該粘着テープは、150℃においてレオメーターにより測定される熱時溶融粘度が500Pa・s以上3500Pa・s以下である上記(1)または(2)に記載の粘着テープ。
(4) 当該粘着テープは、20℃における破断強度が10MPa以上100MPa以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の粘着テープ。
(5) 当該粘着テープは、20℃における破断伸びが10%以上2000%以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の粘着テープ。
(6) 当該粘着テープは、340℃における重量減少率が0.001%以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の粘着テープ。
(7) 当該粘着テープは、スチレン系ブロック共重合体を主材料として含有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の粘着テープ。
(8) 前記スチレン系ブロック共重合体は、スチレンを重合させた第1ブロックと、エチレン、プロピレンおよびブチレンのうちの少なくとも1種を重合させた第2ブロックとを備えるブロック共重合体である上記(7)に記載の粘着テープ。
(9) 前記スチレン系ブロック共重合体は、前記第2ブロックがエチレンとプロピレンとの重合体を含み、前記第1ブロックと、前記第2ブロックと、前記第1ブロックとをこの順で備えるトリブロック共重合体である上記(8)に記載の粘着テープ。
(10) 当該粘着テープは、その厚さが10μm以上300μm以下である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の粘着テープ。
本発明の粘着テープによれば、電子部品封止連結体の下面から突出して設けられた、電子部品に電気的に接続された半田バンプを埋入させて保護することができ、この半田バンプを保護した状態で、電子部品封止連結体を個片化することで電子部品封止体を得る工程や、個片化された電子部品封止体にノイズ抑制層を形成する工程を施すことができる。そして、これらの工程を施した後には、粘着テープを半田バンプから容易に剥離させることができる。
本発明の粘着テープを用いて製造し得る半導体装置の一例を示す縦断面図である。 本発明の粘着テープを用いて図1に示す半導体装置を複数一括して製造する半導体装置の製造方法を説明するための縦断面図である。 本発明の粘着テープを用いて図1に示す半導体装置を複数一括して製造する半導体装置の製造方法を説明するための縦断面図である。 本発明の粘着テープを用いて図1に示す半導体装置を複数一括して製造する半導体装置の製造方法を説明するための縦断面図である。
以下、本発明の粘着テープを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下では、本発明の粘着テープを説明するのに先立って、まず、本発明の粘着テープを用いて製造し得る半導体装置の一例について説明する。
<半導体装置>
図1は、本発明の粘着テープを用いて製造し得る半導体装置の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す半導体装置20は、厚さ方向に貫通して配置された導体ポスト(図示せず)を備えるインターポーザー(基板)25と、インターポーザー25上に配置された半導体素子26ならびにコンデンサー、コイルのような電子素子28と、半導体素子26および電子素子28を封止する封止部27(モールド部)と、インターポーザー25の下面側に形成され、導体ポストに電気的に接続された配線23と、配線23に電気的に接続されたバンプ21(半田バンプ)と、配線23を被覆し、かつバンプ21を露出させる開口部221を備える被覆部22とを有しており、この半導体装置20が備える封止部27の上面および側面、インターポーザー25の側面、ならびに、被覆部22の側面の一部を被覆するノイズ抑制層3が設けられている。
インターポーザー25は、半導体素子26および電子素子28を支持する基板であり、その平面視形状は、通常、正方形、長方形等の四角形とされる。このインターポーザー25には、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔(図示せず)が形成され、この貫通孔に対応して導体ポストが設けられている。
半導体素子26および電子素子28は、それぞれ、半導体素子26および電子素子28がその下面側に有する電極パッドが導体ポストに対応するように、インターポーザー25上に、本実施形態では、半導体素子26が1つ、電子素子28が2つそれぞれ配置されている。なお、本実施形態では、これら半導体素子26および電子素子28が、半導体装置20が備える電子部品を構成する。
かかる位置に半導体素子26および電子素子28が配置された状態で、封止部27は、半導体素子26、電子素子28およびインターポーザー25の上面側を覆うように形成される。
インターポーザー25の貫通孔に対応して形成された導体ポストは、その上側の端部で、半導体素子26または電子素子28が備える電極パッド(端子)と電気的に接続される。
また、インターポーザー25の下面には、所定形状に形成された配線23が設けられ、その一部が導体ポストの下側の端部と電気的に接続される。
さらに、配線23の下面には、球状体をなすバンプ21が電気的に接続されており、これにより、半導体素子26または電子素子28(電子部品)とバンプ21(半田バンプ)とが、電極パッド(端子)、導体ポストおよび配線23を介して電気的に接続される。また、バンプ21をその下側から露出させるための開口部221を備える被覆部22が配線23を被覆するように設けられている。
そして、ノイズ抑制層3は、封止部27の上面、封止部27の側面、インターポーザー25の側面および被覆部22の側面の一部を被覆して設けられている。このノイズ抑制層3により、インターポーザー25上に設けられた半導体素子26および電子素子28と、ノイズ抑制層3を介して、半導体素子26および電子素子28の外側すなわち半導体装置20の外側に位置する他の電子部品等とを、これらの少なくとも一方から生じる電磁波を遮断(シールド)して、電磁波によるノイズが抑制される。なお、このノイズ抑制層3は、被覆部の22の側面側において、配線23の一部(図示せず)が露出しており、この配線23がノイズ抑制層3に電気的に接続されることで、ノイズ抑制層3が配線23を介して電気的に接地される。
なお、本実施形態では、電子部品を構成する半導体素子26および電子素子28を、それぞれ、1つおよび2つずつ半導体装置20が備えるが、かかる構成に限定されず、半導体装置(電子装置)は、いずれか1つを備えるものであってもよく、上記以上の半導体素子26および電子素子28を備えるものであってもよいし、さらに、半導体素子26および電子素子28とは異なる電子部品を備えるものであってもよい。
(半導体装置20の製造方法)
以上のような構成をなす半導体装置20の製造の際に、本発明の粘着テープを用いることができる。
すなわち、本発明の粘着テープを用いた半導体装置20の製造方法は、平板状をなすシート材と、このシート材上に配置された複数の電子部品と、電子部品が配置されているシート材の上面側に、シート材と電子部品とを覆うように封止して形成された封止部とを有し、シート材の下面側に形成された配線と、シート材の下面側に形成され、シート材および配線を覆い、かつ、配線の一部を露出させる開口部を備える被覆部と、開口部で露出する配線に電気的に接続されたバンプとが設けられた電子部品封止連結体を準備する準備工程と、電子部品封止連結体に形成された被覆部の下面側に、第1粘着テープ(本発明の粘着テープ)を貼付する第1貼付工程と、形成すべき電子部品封止体毎に対応するように、電子部品封止連結体を厚さ方向に切断して、電子部品封止体の側面が露出する凹部を設けることで、電子部品封止体を形成する切断工程と、電子部品封止体の上面および側面を被覆するノイズ抑制層を形成するノイズ抑制層形成工程と、電子部品封止体の下面側に形成された被覆部から第1粘着テープを剥離する第1剥離工程と、電子部品封止体に形成されたノイズ抑制層に、第2粘着テープを貼付する第2貼付工程と、凹部を被覆部に貫通するまで到達させて個片化することで、複数の電子装置を一括して得る個片化工程と、半導体装置から第2粘着テープを剥離する第2剥離工程とを有する。
以下、これらの工程を有する本実施形態の電子装置の製造方法について詳述する。
図2〜図4は、本発明の粘着テープを用いて図1に示す半導体装置を複数一括して製造する半導体装置の製造方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、図2〜図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1]まず、配線23と被覆部22とバンプ21とが設けられた電子部品封止連結体270を用意する(準備工程)。
この配線23と被覆部22とバンプ21とが設けられた電子部品封止連結体270は、例えば、下記工程[1−1]〜下記工程[1−7]を経ることで、用意される。
[1−1]まず、図2(a)に示すような、平板状をなすシート材25’を用意する。
なお、このシート材25’は、予め形成された複数の貫通孔(図示せず)を備え、さらに、これら貫通孔に対応して埋設された導体ポスト(図示せず)を備えるものであり、この導体ポストは、後述する工程[1−5]において、半導体素子26および電子素子28をシート材25’上に配置させた際に、半導体素子26および電子素子28が備える電極パッド(端子)が対応する位置に形成されている。すなわち、シート材25’は、貫通孔に対応して設けられた導体ポストが、シート材25’上に配置される複数の半導体素子26および電子素子28が備える電極パッド(端子)の総数と同じ数で形成されている。
また、シート材25’は、その厚さ方向に切断して個片化することにより、半導体装置20が有するインターポーザー25(基板)となり、半導体素子26および電子素子28を支持する機能を発揮するものである。
このシート材25’は、半導体素子26および電子素子28を支持し得る程度の硬度を有するものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、コア材で構成されるコア基板、ビルドアップ材で構成されるビルドアップ基板のようなリジット基板(硬性基板)またはフレキシブル基板(可撓性基板)の何れであってもよいが、これらの中でも、特に、ビルドアップ基板であるのが好ましい。ビルドアップ基板は、特に、加工性に優れることから好ましく用いられる。
ビルドアップ材料としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂と、硬化剤と、無機充填材とを含有する樹脂組成物等の硬化物を主材料として構成されるものが挙げられる。
なお、コア基板としては、特に限定されないが、例えば、主として、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂のような熱硬化性樹脂等で構成されるものが挙げられる。
さらに、フレキシブル基板としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドベンゾオキサゾール(PIBO)、液晶ポリマーのような熱可塑性樹脂等で構成されるものが挙げられる。
[1−2]次に、図2(b)に示すように、インターポーザー25の半導体素子26および電子素子28を配置するのと反対の面側(下面側)に、導体ポストに電気的に接続するように、所定形状にパターニングされた配線23を形成する(配線形成工程)。
この配線23を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、I:電解メッキ法、無電解メッキ法のようなメッキ法を用いて配線23を形成する方法、II:導電性材料を含有する液状材料をインターポーザー25に供給し乾燥・固化することにより配線23を形成する方法等が挙げられるが、Iの方法、特に電解メッキ法を用いて配線23を形成するのが好ましい。電解メッキ法によれば、導体ポストに対して、優れた密着性を発揮する配線23を容易かつ確実に形成することができる。
[1−3]次に、図2(c)に示すように、インターポーザー25の半導体素子26および電子素子28を配置するのと反対の面側(下面側)に、インターポーザー25および配線23を被覆するように被覆部22を形成する(被覆部形成工程)。
このような、被覆部22は、通常、主として熱硬化性樹脂で構成される。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、エポキシ樹脂を用いるのがより好ましい。エポキシ樹脂は、入手が容易であり、かつ、耐熱性に優れることから好ましく用いられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂などの各種エポキシ樹脂が挙げられる。
また、このような被覆部22は、例えば、後述する封止部27を形成する方法と同様の方法を用いて形成することができる。
[1−4]次に、図2(d)に示すように、被覆部22に、配線23の一部が露出するように、開口部221を形成する。
これにより、インターポーザー25の半導体素子26および電子素子28を配置するのと反対の面側(下面側)に、配線23の一部が露出する開口部221を備える被覆部22が設けられる。
なお、この開口部221は、後工程[1−7]において、バンプ21を形成する位置に対応するように形成される。
この開口部221を被覆部22に形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、開口部221を形成すべき位置を露出させるレジスト層を、被覆部22に形成した後に、レジスト層をマスクとして用いて、被覆部22の開口部221を形成すべき位置をエッチングする方法が挙げられる。
[1−5]次に、配線23、および、開口部221を備える被覆部22が設けられたシート材25’上に複数の半導体素子26および電子素子28を配置(載置)する(図2(e)参照。)。
シート材25’上に、電子部品としての半導体素子26および電子素子28を配置する際、半導体素子26および電子素子28は、シート材25’が備える導体ポストの位置に、それぞれ、半導体素子26および電子素子28が有する電極パッドが対応する位置に配置される。そして、このような配置により、形成すべき半導体装置20が備える半導体素子26および電子素子28が配置されるべき位置に、半導体素子26および電子素子28がシート材25’上において配置されることとなる。
なお、半導体素子26および電子素子28(特に半導体素子26)は、シート材25’上に固定されていても固定されていなくてもよいが、エポキシ系接着剤等の接着剤(アンダーフィル材)により固定されているのが好ましい。これにより、次工程[1−6]において、半導体素子26および電子素子28を封止部27で封止する際に、半導体素子26および電子素子28の位置ずれが生じてしまうのを効果的に防止することができる。
[1−6]次に、シート材25’の上面側、すなわち半導体素子26および電子素子28が配置されている側の面を、シート材25’、半導体素子26および電子素子28を覆うように封止部27を形成する(図2(f)参照。)。
これにより、シート材25’、半導体素子26および電子素子28がシート材25’の上面側で封止部27により封止された電子部品封止連結体270(半導体素子封止連結体)を、その下面側に配線23と被覆部22とが設けられた状態で得ることができる。
封止部27を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、顆粒状のエポキシ樹脂組成物のような熱硬化性樹脂組成物を溶融させた状態で、シート材25’、半導体素子26および電子素子28を覆うようにシート材25’の上面に供給した後、この溶融状態の熱硬化性樹脂組成物を圧縮成形する方法が挙げられる。かかる方法によれば、半導体素子26をシート材25’上において容易かつ高密度に封止部27で封止することができる。
[1−7]次に、図2(g)に示すように、被覆部22の開口部221から露出する配線23に電気的に接続するようにバンプ21を形成する(バンプ接続工程)。
ここで、本実施形態のように、導体ポストとバンプ21との接続を、配線23を介して行う構成とすることにより、バンプ21を、インターポーザー25の面方向において、導体ポストとは異なる位置に配置することができる。換言すれば、バンプ21と導体ポストとの中心部が重ならないように、これらを配置することができる。したがって、得られる半導体装置20における下面の所望の位置にバンプ21を形成することができる。
このバンプ21を配線23に接合する方法としては、特に限定されないが、例えば、バンプ21と配線23との間に、粘性を有するフラックスを介在させることにより行われる。
また、バンプ21の構成材料としては、例えば、半田、銀ろう、銅ろう、燐銅ろうのようなろう材等が挙げられる。
以上のような、工程[1−1]〜[1−7]により、配線23と被覆部22とバンプ21とが設けられた電子部品封止連結体270が用意される。
以上のように、後述する電子部品封止体290にではなく、電子部品封止連結体270に対して、一括して、配線23および被覆部22、さらには開口部221およびバンプ21が形成されていることとなるため、配線23、被覆部22およびバンプ21を形成する際の工程の簡略化が図られ、時間と手間が省かれることから、結果として、製造される半導体装置20の生産性の向上が図られる。
なお、本実施形態では、電子部品封止連結体270の形成に先立って、シート材25’の下面側に、配線23、および、開口部221を備える被覆部22を形成する場合について説明したが、この場合に限定されず、例えば、電子部品封止連結体270を形成した後に、シート材25’の下面側に、配線23、および、開口部221を備える被覆部22を形成してもよい。
さらに、被覆部22が備える開口部221に対するバンプ21の形成を、電子部品封止連結体270を形成した後ではなく、電子部品封止連結体270の形成、すなわち、半導体素子26および電子素子28の配置、または、封止部27の形成に先立って、実施するようにしてもよい。
[2]次に、粘着テープ102(本発明の粘着テープ)を用意し、図2(h)に示すように、電子部品封止連結体270に形成された被覆部22のバンプ21側(下面側)で、被覆部22およびバンプ21を覆い、かつ、粘着テープ102(第1粘着テープ)にバンプ21が埋入するように積層(貼付)する(第1貼付工程)。
すなわち、本工程[2]により、次工程[3](切断工程)に先立って、電子部品封止連結体270に形成された被覆部22の下面側に、粘着テープ102を貼付する第1貼付工程が構成される。
この電子部品封止連結体270に形成された被覆部22およびバンプ21への粘着テープ102の貼付は、例えば、図示しないダイサーテーブルの上に、粘着テープ102を設置し、被覆部22のバンプ21側の面を、粘着テープ102の上に置き、軽く押圧してバンプ21を粘着テープ102に埋入させることにより行うことができる。なお、電子部品封止連結体270に設けられた被覆部22およびバンプ21に粘着テープ102を予め貼着した後に、ダイサーテーブルに設置しても良い。
粘着テープ102は、本工程[2]〜後工程[4]において、電子部品封止連結体270に設けられた被覆部22のバンプ21側の面に、バンプ21を埋入させた状態で貼付されることでバンプ21を保護し、かつ、後工程[5]において、被覆部22から剥離されるものである。
この粘着テープ102は、本発明の粘着テープで構成され、下記要件Aと下記要件Bとの双方を満足する。
要件A:当該粘着テープは、JIS G 3469に準拠して、エポキシ樹脂を主材料として含有し、板状をなす被覆部上に幅25mmの前記粘着テープを貼付し、次いで、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後に、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が2.0N/mm以下となる。
要件B:当該粘着テープは、23℃における弾性率が1MPa以上1000MPa以下であり、かつ、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後において、23℃における弾性率が1MPa以上1000MPa以下であること。
ここで、前記要件Aを満足すること、すなわち、230℃、3時間の条件で加熱し、冷却した後における被覆部22に対するピール強度が2.0N/mm以下となることにより、加熱処理が施された後であっても被覆部22への粘着テープ102の面方向に対して垂直なZ方向に対する粘着力が低くなっている。さらに、前記要件Bでは、230℃、3時間の条件で加熱し、冷却した後における23℃での粘着テープ102の弾性率が1MPa以上1000MPa以下であることにより、加熱処理が施された後であっても粘着テープ102の柔軟性が維持されており、粘着テープ102がバンプ21に対して引っ掛かりにくくなっている。そのため、後工程[5]における被覆部22からの粘着テープ102の剥離の際に、半導体素子26に粘着テープ102を残存させることなく、半導体素子26から粘着テープ102を確実に剥離させることができる。
また、前記要件Bでは、加熱前における23℃での粘着テープ102の弾性率が1MPa以上1000MPa以下であることにより、加熱前の粘着テープ102は、優れた柔軟性を有しているものであると言うことができる。そのため、本工程[2]において、被覆部22およびバンプ21に粘着テープ102を貼付する際に、バンプ21の形状に対して粘着テープ102を優れた追従性をもって追従させることができることから、バンプ21を粘着テープ102に確実に埋入させることができる。
なお、前記要件Aのピール強度は、例えば、引張試験機(エー・アンド・デイ社製、「TENSILON RTG−1310」)を用いて測定することができ、前記要件Bの弾性率は、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて、昇温3℃/分、周波数10Hzの条件で測定することができる。
上述したような機能を備える粘着テープ102、すなわち、前記要件Aおよび前記要件Bを満足する粘着テープ102は、ゴム系粘着剤であるスチレン系ブロック共重合体を主材料として構成される。
このスチレン系ブロック共重合体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン・ブタジエンゴム(SB)、スチレン・イソプレンゴム(SI)、プロピレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(PBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、スチレン系ブロック共重合体は、スチレンを重合させた第1ブロックと、エチレン、プロピレンおよびブチレンのうちの少なくとも1種を重合させた第2ブロックとを含むものであることが好ましい。なお、第2ブロックは、エチレン、プロピレンおよびブチレンのうちの少なくとも1種の水素添加物を重合させたものにより形成されたブロックであってもよい。また、第1ブロックは、スチレンを主の構成成分としたブロックであればよく、エチレン等の他の成分を含んでいてもよい。
さらに、第2ブロックは、エチレンとプロピレンとの重合体を含むブロックを有することが好ましい。これにより、粘着テープを確実に前記要件Aおよび前記要件Bを満足するものとすることができる。なお、このような第2ブロックは、エチレンのブロック(サブブロック)と、ブチレンのブロック(サブブロック)を含むブロックコポリマーで構成されていてもよいし、エチレンとブチレンとのランダムコポリマーで構成されていてもよい。
さらに、スチレン系ブロック共重合体は、第1ブロックと、第2ブロックと、第1ブロックとをこの順で備えるトリブロック共重合体であることが好ましい。これにより、粘着テープを確実に前記要件Aおよび前記要件Bを満足するものとすることができる。なお、第2ブロックは、エチレン、プロピレンおよびブチレンのうちの2種以上のランダムコポリマーで構成されていてもよいし、エチレン、プロピレンおよびブチレンのうちの2種以上のブロックコポリマーで構成されていてもよい。第2ブロックが、かかる構成をなす場合においても、本明細書中では、スチレン系ブロック共重合体が、上記トリブロック共重合体であるということとする。
具体的には、第1ブロックと第2ブロックとを有するスチレン系ブロック共重合体としては、例えば、下記一般式(A)で表されるスチレン−水添イソプレンのジブロック共重合体(SEP)、下記一般式(B)で表されるスチレン−水添イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEPS)、下記一般式(C)で表されるスチレン−(エチレン/ブチレン)−スチレンのトリブロック共重合体(SEBS)、下記一般式(D)で表されるスチレン−(水添イソプレン/エチレン)−スチレンのトリブロック共重合体(SEEPS−OH)等が挙げられ、上記の点を考慮して、下記一般式(C)で表されるSEBSを含有することが好ましい。
Figure 2019131746
[式中、m、pは、1以上の整数を表し、その大きさは、スチレン系ブロック共重合体の分子量およびスチレンの含有率により決定される。]
Figure 2019131746
[式中、m、p、qは、1以上の整数を表し、その大きさは、スチレン系ブロック共重合体の分子量およびスチレンの含有率により決定される。]
Figure 2019131746
[式中、m、n、p、qは、1以上の整数を表し、その大きさは、スチレン系ブロック共重合体の分子量およびスチレンの含有率により決定される。]
Figure 2019131746
[式中、m、n、p、qは、1以上の整数を表し、その大きさは、スチレン系ブロック共重合体の分子量およびスチレンの含有率により決定される。]
また、第1ブロックと第2ブロックとを有するスチレン系ブロック共重合体を、上記一般式(C)で表されるSEBSを含有するものとした場合、スチレン系ブロック共重合体としては、さらに、上記一般式(A)で表されるSEPを含有することが好ましい。このように、スチレン系ブロック共重合体を、SEPとSEBSとの双方を含有するものとすることで、粘着テープを前記要件Aおよび前記要件Bを、後述するより好ましい数値範囲において、確実に満足するものとすることができる。
また、スチレン系ブロック共重合体は、その重量平均分子量(Mw)が、5000以上1500000以下であることが好ましく、40000以上700000以下であることがより好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定法を用いて、ポリスチレン標準物質に関する検量線を作成し、この検量線を用いて算出することで得ることができる。
さらに、スチレン系ブロック共重合体中におけるスチレンの含有率は、スチレン系ブロック共重合体の全量に対して20質量%以上80質量%以下であることが好ましく、30質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
スチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)および前記スチレンの含有量を前記範囲内に設定することにより、粘着テープをより確実に前記要件Aおよび前記要件Bを満足するものとすることができる。
さらに、粘着テープ102は、スチレン系ブロック共重合体の他に、必要に応じて、任意の添加剤が含まれていてもよい。
この添加剤としては、例えば、架橋剤、ロジン系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤、炭化水素系粘着付与剤のような粘着付与剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤のような可塑剤、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、剥離調整剤、軟化剤、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、非イオン系(ノニオン系)界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン系(ノニオン系)界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーンのようなシリコーン類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸モノグリセライド類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類等が挙げられる。また、アニオン系界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類等が挙げられる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン等の各種ベタイン、各種アミノカルボン酸、各種リン酸エステル塩等が挙げられる。
これらの中でも、界面活性剤は、非イオン系(ノニオン系)界面活性剤、特に、ポリエーテル変性シリコーンであることが好ましい。このように、界面活性剤(特に、ポリエーテル変性シリコーン)を含有するものとすることで、粘着テープをより確実に前記要件Aを満足するもの、すなわち、ピール強度の大きさをより好ましい範囲内に設定することができる。
また、粘着テープ中における界面活性剤の含有率は、0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。これにより、界面活性剤を添加することにより得られる効果を、確実に発揮させることができる。
なお、粘着テープ102は、前記要件Aのピール強度が、2.0N/mm以下であれば良いが、0.01N/mm以上1.5N/mm以下であることが好ましく、0.02N/mm以上0.5N/mm以下であることがより好ましい。さらに、前記要件Bの加熱後における弾性率が、1MPa以上1000MPa以下であれば良いが、1.5MPa以上950MPa以下であることが好ましく、2MPa以上150MPa以下であることあることがより好ましい。これにより、後工程[5]における被覆部22からの粘着テープ102の剥離の際に、被覆部22に粘着テープ102を残存させることなく、被覆部22から粘着テープ102をより確実に剥離させることができる。
また、粘着テープ102は、前記要件Bの加熱前における弾性率が、1MPa以上1000MPa以下であれば良いが、2MPa以上900MPa以下であることが好ましく、10MPa以上400MPa以下であることあることがより好ましい。これにより、本工程[2]において、被覆部22およびバンプ21に粘着テープ102を貼付する際に、バンプ21を粘着テープ102により確実に埋入させることができる。
さらに、粘着テープ102は、JIS G 3469に準拠して、エポキシ樹脂を主材料として含有し、板状をなす被覆部上に幅25mmの前記粘着テープを貼付し、次いで、粘着テープ102の一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が2.0N/mm以下となる要件Cを満足することが好ましい。また、このピール強度が0.01N/mm以上1.5N/mm以下となることがより好ましい。これにより、加熱前の粘着テープ102は、優れた粘着性を有しているものであると言うことができる。そのため、本工程[2]において、被覆部22およびバンプ21に粘着テープ102を貼付させた際に、粘着テープ102が被覆部22およびバンプ21から脱離するのを確実に抑制または防止することができる。
また、粘着テープ102は、150℃においてレオメーターにより測定される熱時溶融粘度(ηPa・s)が500Pa・s以上3500Pa・s以下であることが好ましく、1000Pa・s以上2000Pa・s以下であることがより好ましい。なお、上記熱時溶融粘度は、例えば、回転式粘度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、「HAAKE MARSIII」)を用いて測定することができる。
さらに、粘着テープ102は、20℃における破断強度が10MPa以上100MPa以下であることが好ましく、30MPa以上50MPa以下であることがより好ましい。また、粘着テープは、20℃における破断伸びが10%以上2000%以下であることが好ましく、1000%以上1500%以下であることがより好ましい。なお、破断強度および破断伸びは、例えば、引張試験機(エー・アンド・デイ社製、「TENSILON RTG−1310」)を用いて測定することができる。
粘着テープ102の粘度、破断強度および破断伸びが前記範囲内であることにより、次工程[2]および後工程[4]において、電子部品封止連結体270(電子部品封止体290)を粘着テープ102により安定的に支持することができる。そのため、凹部62およびノイズ抑制層3の形成を、優れた精度で実施することができる。
さらに、粘着テープ102は、340℃における重量減少率が0.001%以下であることが好ましい。これにより、後工程[4]において、電子部品封止体290にノイズ抑制層3を形成する際に、粘着テープ102が加熱されたとしても、この加熱により変質・劣化するのを的確に抑制または防止することができる。そのため、後工程[4]において、粘着テープ102に厚みムラが生じることなく、ノイズ抑制層3を設けることができるため、設けられるノイズ抑制層3をも、均一な厚さで形成することができる。
なお、粘着テープの340℃における重量減少率は、TG/DTA測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、「TG/DTA220」)を用いて、窒素ガス200mL/minフロー下、昇温速度10℃/minの条件により340℃となるまで温度を上昇させ、この際の粘着テープの重量を測定することで、加熱前後における粘着テープの重量に基づいて算出した。
また、粘着テープ102の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下であるのが好ましく、30μm以上200μm以下であるのがより好ましく、40μm以上150μm以下であるのがさらに好ましい。粘着テープ102の厚さをかかる範囲内とすることで、粘着テープ102は、次工程[3]および後工程[4]において、バンプ21を埋入させた状態で、被覆部22およびバンプ21に対して良好な粘着力を発揮するとともに、後工程[5]において、粘着テープ102と被覆部22およびバンプ21との間において、良好な剥離性を発揮する。
以上のような粘着テープ102は、電子部品封止連結体270(電子部品封止体290)に貼付されるが、この貼付より以前の粘着テープ102の保管・輸送時には、その両面(表面)には、セパレーターが積層されていることが好ましい。これにより、粘着テープ102(本発明の粘着テープ)の保管・輸送時において、粘着テープ102の表面が汚染されるのを的確に防止することができる。
なお、セパレーターとしては、特に限定されないが、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム等が挙げられる。
また、セパレーターが積層されている場合、電子部品封止連結体270への粘着テープ102の貼付は、一方のセパレーターを除去した状態で、粘着テープ102を電子部品封止連結体270に貼付し、その後、他方のセパレーターを除去する工程を経ることで、粘着テープ102と電子部品封止連結体270との間に気泡を介在させることなく、粘着テープ102にバンプ21を埋入させた状態で、電子部品封止連結体270に粘着テープ102を均質に貼付することができる。
[3]次に、粘着テープ102が貼付された電子部品封止連結体270を、例えば、ウエハリング等を用いて固定し、その後、ダイシングソー(ブレード)を用いて、形成すべき半導体装置20(電子部品封止体290)毎に対応する位置、すなわち、半導体装置20が備えるべき1つの半導体素子26と2つの電子素子28とが封止部27で封止される領域毎に対応して、電子部品封止連結体270を厚さ方向に切断(ダイシング)して、電子部品封止体290の側面が露出するように、凹部62を形成する(切断工程(ダイシング工程);図3(a)参照)。
これにより、電子部品封止連結体270が、1つの半導体素子26と2つの電子素子28との組み合わせ毎に対応して、平面視で格子状をなすように個片化された電子部品封止体290が、配線23、被覆部22およびバンプ21を介して、粘着テープ102上に貼付された状態で得られる。
この際、粘着テープ102は、緩衝作用を有しており、電子部品封止連結体270を切断する際に、電子部品封止連結体270、さらには、配線23、被覆部22およびバンプ21に割れ、欠け等が生じるのを、抑制または防止する機能を発揮する。
また、ブレードを用いた電子部品封止連結体270の切断は、本実施形態では、図3(a)に示すように、被覆部22の厚さ方向に、配線23に対応する厚さを貫通する位置に到達するように、被覆部22の途中まで至るように実施される。これにより、電子部品封止連結体270の個片化を確実に実施することができる。また、電子部品封止体290を配線23、被覆部22およびバンプ21を介して粘着テープ102上に貼付させた状態で、個片化により形成される電子部品封止体290(封止部27およびインターポーザー25)の側面、さらには、被覆部22の側面の一部を凹部62において確実に露出させることができる。
[4]次に、電子部品封止体290の上面および側面、ならびに、被覆部22の側面の一部を被覆するノイズ抑制層3を形成する(ノイズ抑制層形成工程)。
このノイズ抑制層3は、例えば、下記工程[4−1]および下記工程[4−2]を経ることで形成される。
[4−1]まず、剥離層1(絶縁層)と、剥離層1に積層されたノイズ抑制層3とを有する電磁波シールド用フィルム300を用意し、個片化で得られた電子部品封止体290の封止部27が形成されている面側(上面側)で、電子部品封止体290に電磁波シールド用フィルム300を、ノイズ抑制層3を電子部品封止体290側にして、積層(貼付)する。
この電子部品封止体290に電磁波シールド用フィルム300を貼付する方法としては、特に限定されないが、例えば、真空圧空成形またはプレス成型法が挙げられる。
真空圧空成形とは、例えば、真空加圧式ラミネーターを用いて、電磁波シールド用フィルム300で、個片化で得られた電子部品封止体290の上面および側面を被覆する方法であり、まず、図3(b)に示すように、真空雰囲気下とし得る閉空間内に、電子部品封止体290の粘着テープ102と反対側の面と、電磁波シールド用フィルム300のノイズ抑制層3側の面とが対向するように、電子部品封止体290と電磁波シールド用フィルム300とを重ね合わせた状態でセットし、その後、これらを加熱下において、電磁波シールド用フィルム300側から均一に電磁波シールド用フィルム300と電子部品封止体290とが互いに接近するように、前記閉空間を真空雰囲気下にし、その後加圧することにより実施される。
このように、電磁波シールド用フィルム300側から均一に加圧しつつ、前記閉空間を真空雰囲気下とすることで、剥離層1が凹部62の形状に対応してノイズ抑制層3を押し込み、この押し込み併せて、剥離層1よりも電子部品封止体290側に位置する、ノイズ抑制層3が凹部62の形状に対応して変形する。これにより、図3(c)に示すように、凹部62の形状に対応してノイズ抑制層3が押し込まれた状態で、ノイズ抑制層3により電子部品封止体290の上面および側面、ならびに、被覆部22の側面の一部が被覆される。
このように、ノイズ抑制層3により、電子部品封止体290の上面および側面を被覆することで、得られる半導体装置20に電磁波シールド(遮断)性を付与することができる。また、ノイズ抑制層3により、被覆部22の側面の一部を被覆することで、被覆部の22の側面側において、配線23の一部(図示せず)が露出しているため、配線23とノイズ抑制層3とを電気的に接続することができ、その結果、ノイズ抑制層3が配線23を介して電気的に接地される。
なお、ノイズ抑制層3の電気的な接地が必要ない場合には、被覆部22の側面に対するノイズ抑制層3の形成は、省略することができる。この場合、凹部62の形成、すなわち、電子部品封止連結体270の切断は、被覆部22の途中まで至るように実施する必要はなく、インターポーザー25が貫通するまで実施すればよい。
このような電磁波シールド用フィルム300の貼付工程において、貼付する温度は、特に限定されないが、15℃以上、220℃以下であることが好ましく、より好ましくは20℃以上、210℃以下である。
また、貼付する圧力は、特に限定されないが、0.1MPa以上、20.0MPa以下であることが好ましく、より好ましくは0.5MPa以上、15.0MPa以下である。
さらに、貼付する時間は、特に限定されないが、5秒以上、90分以下であることが好ましく、より好ましくは30秒以上、10分以下である。
電磁波シールド用フィルム300の貼付工程における条件を上記範囲内に設定することにより、隣接する電子部品封止体290同士間の凹部62に対してノイズ抑制層3を押し込んだ状態で、このノイズ抑制層3により電子部品封止体290の上面および側面、ならびに、被覆部22の側面の一部を確実に被覆することができる。
電磁波シールド用フィルム300は、本工程において、隣接する電子部品封止体290同士間の凹部62に対してノイズ抑制層3を押し込んだ状態で、ノイズ抑制層3により電子部品封止体290および被覆部22を被覆するために用いられる。
また、プレス成型法とは、例えば、粘着テープ102上に貼付された電子部品封止体290上に電磁波シールド用フィルム300を配置し、さらに、この電磁波シールド用フィルム300上に、クッション材を配置した状態で、これらを、その上面側および下面側から、2つの平板で挾持し、その後、2つの平板を接近させて、加圧することにより実施される。
このように、電磁波シールド用フィルム300上に、クッション材を配置した状態で、電磁波シールド用フィルム300と電子部品封止体290とを接近させることによっても、剥離層1が凹部62の形状に対応してノイズ抑制層3を押し込み、この押し込み併せて、剥離層1よりも電子部品封止体290側に位置する、ノイズ抑制層3を凹部62の形状に対応して変形させることができる。そのため、図3(c)に示すように、凹部62の形状に対応してノイズ抑制層3が押し込まれた状態で、ノイズ抑制層3により電子部品封止体290の上面および側面、ならびに、被覆部22の側面を被覆することができる。
この電磁波シールド用フィルム300において、剥離層1は、凹部62の形状に追従してノイズ抑制層3を押し込むことで、電子部品封止体290の上面および側面、ならびに、被覆部22の側面を被覆する際に、押し込まれたノイズ抑制層3が破断するのを防止する保護(緩衝)材として機能するものである。また、次工程[4−2]において、ノイズ抑制層3から剥離されるものである。
この剥離層1の構成材料としては、特に限定されず、例えば、シンジオタクチックポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、無軸延伸ポリプロピレンおよび二軸延伸ポリプロピレン等のポリプロピレン、環状オレフィンポリマー、シリコーン、スチレンエラストマー樹脂、スチレンブタジエンゴム、アクリルゴム、エポキシ樹脂、ポリフェノール、ポリウレタンのような樹脂材料が挙げられる。これらの中でも、無軸延伸ポリプロピレンを用いることが好ましい。これにより、剥離層1のノイズ抑制層3に対する押込み性、さらには耐熱性を向上させることができる。
また、剥離層1の100℃における貯蔵弾性率は、1.0E+04Pa以上1.0E+11Pa以下であるのが好ましく、1.0E+05Pa以上1.0E+10Pa以下であるのがより好ましく、1.0E+06Pa以上5.0E+09以下であるのがさらに好ましい。このように、剥離層1の100℃における貯蔵弾性率を、前記範囲内に設定することにより、剥離層1は可撓性を有するものであると言うことができ、電磁波シールド用フィルム300を用いて、電子部品封止体290の上面および側面を被覆する際に、ノイズ抑制層3に破断を生じさせることなくノイズ抑制層3を凹部62の形状に対応した状態で押し込むことができる。これにより、凹部62の形状に対応してノイズ抑制層3が押し込まれた状態で、ノイズ抑制層3により電子部品封止体290の上面および側面が被覆される。その結果、電子部品封止体290の上面および側面が、破断の発生が防止されたノイズ抑制層3をもって、被覆されるようになるため、このノイズ抑制層3による電磁波シールド(遮断)性が向上することとなる。
剥離層1の厚さは、特に限定されないが、20μm以上、1000μm以下であることが好ましく、70μm以上、500μm以下であることがより好ましい。剥離層1の厚みが前記下限値未満である場合、剥離層1ひいてはノイズ抑制層3が破断し、その電磁波シールド性が低下するおそれがある。また、剥離層1の厚みが前記上限値を超える場合、剥離層1からノイズ抑制層3に対する押し込む力が十分に伝達されず、ノイズ抑制層3の凹部62に対する押し込み性が十分に得られないおそれがある。
ノイズ抑制層3は、電子部品封止体290が備える半導体素子26および電子素子28と、このノイズ抑制層3を介して、電子部品封止体290と反対側に位置する他の電子部品等とを、これらの少なくとも一方から生じる電磁波を遮断(シールド)する機能を有する。
このノイズ抑制層3(電磁波遮断層)は、特に限定されず、如何なる形態で電磁波を遮断するものであってもよく、例えば、ノイズ抑制層3に入射した電磁波を反射させることにより遮断(遮蔽)する反射層と、ノイズ抑制層3に入射した電磁波を吸収することにより遮断(遮蔽)する吸収層とが挙げられる。
以下、反射層および吸収層について、それぞれ、説明する。
反射層は、反射層に入射した電磁波を反射させることにより遮断するものである。
この反射層としては、例えば、導電性接着剤層、金属薄膜層、金属メッシュ、ITOなどの導電性材料の表面処理等が挙げられる。これらを単独あるいは併用してもよい。これらの中でも、導電性接着剤層を用いることが好ましい。導電性接着剤層は、その膜厚(厚み)を比較的薄く設定したとしても、優れた電磁波シールド性を発揮するため、反射層として好ましく用いられる。
前記導電性接着剤層としては、金属粉とバインダー樹脂とを含んで構成され、金属粉は例えば、金、銀、銅または銀コート銅、ニッケル等が挙げられる。これらの中でも、電磁波シールド性に優れているという理由から、銀を用いることが好ましい。
前記導電性接着剤層における金属粉とバインダー樹脂との含有比率は、特に制限されないが、重量比で40:60〜95:5であることが好ましく、50:50〜90:10であることがより好ましい。
前記導電性接着剤層は、前記金属粉とバインダー樹脂との他に、さらに難燃剤、レベリング剤、粘度調整剤等を含有しても良い。
反射層の厚みT(E1)は、特に限定されないが、100nm以上、100μm以下であることが好ましく、1μm以上、20μm以下であることがより好ましい。
吸収層は、吸収層に入射した電磁波を吸収し、熱エネルギーに変換することにより遮断するものである。
この吸収層としては、例えば、金属粉および導電性高分子材料等の導電吸収材料を主材料として構成される導電吸収層、炭素系材料および導電性高分子材料等の誘電吸収材料を主材料として構成される誘電吸収層、軟磁性金属等の磁性吸収材料を主材料として構成される磁性吸収層等が挙げられ、これらを単独あるいは併用してもよい。
なお、導電吸収層は、電界を印加した際に材料内部に流れる電流により、電磁エネルギーを熱エネルギーに変換することで、電磁波を吸収し、誘電吸収層は、電磁波を誘電損失により熱エネルギーに変換することで、電磁波を吸収し、磁性吸収層は、過電流損、ヒステレス損、磁気共鳴等の磁性損失により、電波のエネルギーを熱に変換して消費することで、電磁波を吸収する。
これらの中でも、誘電吸収層、導電吸収層を用いることが好ましい。誘電吸収層および導電吸収層は、その膜厚(厚み)を比較的薄く設定したとしても、特に優れた電磁波シールド性を発揮するため、吸収層として好ましく用いられる。また、その層中に含まれる材料の粒子径が小さいことやその添加量も少なくできることから、その膜厚を比較的容易に薄く設定することができ、また軽量化も可能である。
なお、導電吸収材料としては、例えば、導電性高分子、ATO等の金属酸化物、導電性セラミックスが挙げられる。
また、導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT(poly−ethylenedioxythiophene)、PEDOT/PSS、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
誘電吸収材料としては、炭素系材料、導電性高分子、セラミック材料等が挙げられる。
また、炭素系材料としては、例えば、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブのようなカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、CNナノチューブ、CNナノファイバー、BCNナノチューブ、BCNナノファイバー、グラフェンや、カーボンマイクロコイル、カーボンナノコイル、カーボンナノホーン、カーボンナノウォールのような炭素等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
セラミック材料としては、チタン酸バリウム、ペロブスカイト型チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム結晶粒子、チタニア、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素および窒化アルミニウム等が挙げられこれらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、磁性吸収材料としては、例えば、鉄、ケイ素鋼、磁性ステンレス(Fe−Cr−Al−Si合金)、センダスト(Fe−Si−Al合金)、パーマロイ(Fe−Ni合金)、ケイ素銅(Fe−Cu−Si合金)、Fe−Si合金、Fe−Si−B(−Cu−Nb)合金のような軟磁性金属、フェライト等が挙げられる。
吸収層の厚みT(E2)は、特に限定されないが、1μm以上、300μm以下であることが好ましく、2μm以上、100μm以下であることがより好ましい。
[4−2]次に、図3(d)に示すように、電子部品封止体290に貼付された電磁波シールド用フィルム300から、剥離層1(絶縁層)を剥離する。
すなわち、電磁波シールド用フィルム300を用いたノイズ抑制層3の形成の後、剥離層1をノイズ抑制層3から剥離させる。
この剥離層1の剥離では、電磁波シールド用フィルム300における剥離層1とノイズ抑制層3との界面において、剥離が生じ、その結果、ノイズ抑制層3から剥離層1が剥離される。これにより、ノイズ抑制層3から剥離層1を剥離した状態で、ノイズ抑制層3により電子部品封止体290の上面および側面、ならびに、被覆部22の側面の一部が被覆される。
したがって、被覆部22、配線23およびバンプ21を介して粘着テープ102上に貼付された状態で、ノイズ抑制層3が上面および側面に設けられた電子部品封止体290が一括して複数形成される。
また、剥離層1を剥離する方法としては、特に限定されないが、例えば、手作業による剥離が好ましい。
この手作業による剥離では、例えば、まず、剥離層1の一方の端部を把持し、この把持した端部から剥離層1をノイズ抑制層3から引き剥がし、次いで、この端部から中央部へさらには他方の端部へと順次剥離層1を引き剥がすことにより、ノイズ抑制層3から剥離層1が剥離される。
剥離する温度は、180℃以下であることが好ましく、より好ましくは165℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。
以上のような工程[4−1]および工程[4−2]を経ることにより、ノイズ抑制層3から剥離層1を剥離した状態で、ノイズ抑制層3により電子部品封止体290の上面および側面、ならびに、被覆部22の側面の一部を被覆することができる。
このノイズ抑制層3の形成は、上述したような電磁波シールド用フィルム300を用いる方法の他、ノイズ抑制層3および剥離層1がそれぞれ別体のフィルムとして形成されたフィルムセットを電磁波シールド用フィルム300に代えて用い、ノイズ抑制層3のフィルムを電子部品封止体290側にして、ノイズ抑制層3のフィルムと剥離層1のフィルムとを重ね合わせた状態で、前記と同様の工程[4−1]および工程[4−2]を経る方法によっても実施し得る。
[5]次に、図4(a)に示すように、電子部品封止体290の下面側に形成された被覆部22から粘着テープ102を剥離する(第1剥離工程)。
この際、本発明では、粘着テープ102が上述した要件Aを満足し、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後に、粘着テープの一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が2.0N/mm以下となっており、さらに、要件Bにおいて、230℃、3時間の条件で加熱し、冷却した後における23℃での粘着テープ102の弾性率が1MPa以上1000MPa以下となっている。そのため、前記工程[3]および前記工程[4]を経ることで、粘着テープ102が熱履歴を経ていたとしても、本工程[5]において、粘着テープ102のバンプ21が埋入している位置で、バンプ21が粘着テープ102に対して引っ掛かることなく、電子部品封止体290から粘着テープ102を容易に剥離させることができる。
この被覆部22からの粘着テープ102の剥離は、例えば、粘着テープ102の一端を手(または治具)で持ち、一端から他端に向かって、順次、引き剥がすことにより実施することができる。
なお、本工程[5]における、被覆部22から粘着テープ102の剥離(第1剥離工程)は、次工程[6]における粘着テープ100(第2粘着テープ)の形成に先立って行われていればよく、本工程[5]において実施する場合の他、前記工程[4−2]に先立って行うようにしてもよい。
[6]次に、基材4と、基材4に積層された粘着層2とを有する粘着テープ100を用意し、図4(b)に示すように、粘着テープ100(第2粘着テープ)を、電子部品封止体290に形成されたノイズ抑制層3側(上面側)で、粘着層2を電子部品封止体290側にして、ノイズ抑制層3に積層(貼付)する(第2貼付工程)。
すなわち、本工程[6]により、次工程[7](個片化工程)に先立って、電子部品封止体290に形成されたノイズ抑制層3の上面側に、基材4と粘着層2とを有する粘着テープ100を、粘着層2を電子部品封止体290側にして貼付する第2貼付工程が構成される。
この電子部品封止体290に形成されたノイズ抑制層3への粘着テープ100の貼付は、例えば、図示しないダイサーテーブルの上に、粘着テープ100を設置し、電子部品封止体290のノイズ抑制層3側の面を、粘着層2の上に置き、軽く押圧することにより行うことができる。なお、粘着テープ100に電子部品封止体290に設けられたノイズ抑制層3を予め貼着した後に、ダイサーテーブルに設置しても良い。
粘着テープ100(ダイシングテープ)は、粘着層2を介して基材4により、ノイズ抑制層3が設けられた電子部品封止体290を支持するとともに、粘着層2にエネルギーを付与することで、粘着層2のノイズ抑制層3に対する粘着性が低下する機能を有するものである。
かかる構成の粘着テープ100において、基材4は、主として樹脂材料から成り、粘着層2およびノイズ抑制層3を介して基材4上に貼付された電子部品封止体290を支持し得る程度の硬度を有するものが用いられ、この樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー、オレフィン系共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘着層2は、このものに対するエネルギーの付与により電子部品封止体290に設けられたノイズ抑制層3への粘着性が低下し、これにより、粘着層2とノイズ抑制層3との間で容易に剥離を生じさせ得る状態となるものである。
かかる機能を備える粘着層2は、例えば、(1)粘着性を有するベース樹脂と、(2)粘着層2を硬化させる硬化性樹脂とを主材料として含有する樹脂組成物で構成される。
このようなベース樹脂(1)としては、例えば、アクリル系樹脂(粘着剤)、シリコーン系樹脂(粘着剤)、ポリエステル系樹脂(粘着剤)、ポリ酢酸ビニル系樹脂(粘着剤)、ポリビニルエーテル系樹脂(粘着剤)またはウレタン系樹脂(粘着剤)のような粘着層成分として用いられる公知のものが挙げられる。
また、硬化性樹脂(2)は、例えば、エネルギーの付与により硬化する硬化性を備えるものである。この硬化によってベース樹脂が硬化性樹脂の架橋構造に取り込まれた結果、粘着層2の粘着力が低下する。
このような硬化性樹脂としては、例えば、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射によって三次元架橋可能な重合性炭素−炭素二重結合を、官能基として少なくとも2個以上分子内に有する低分子量化合物が用いられる。
また、粘着層2を構成する樹脂組成物には、上述した各成分(1)、(2)の他に他の成分として、光重合開始剤、架橋剤、帯電防止剤、粘着付与剤、老化防止剤、粘着調整剤、充填材、着色剤、難燃剤、軟化剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等のうちの少なくとも1種が含まれていてもよい。
なお、本工程[6]では、粘着テープ100の貼付を、電子部品封止体290に形成されたノイズ抑制層3に対して実施する場合について説明したが、この場合に限定されず、電子部品封止体290に形成された被覆部22およびバンプ21に対して実施するようにしても良い。
[7]次に、粘着テープ100がノイズ抑制層3を介して貼付された電子部品封止体290を、例えば、ウエハリング等を用いて固定し、その後、ダイシングソー(ブレード)を用いて、形成すべき半導体装置20毎に対応する位置、すなわち、半導体装置20が備えるべき1つの半導体素子26と2つの電子素子28とが封止部27で封止される領域毎に対応して形成された凹部62を、厚さ方向に切断(ダイシング)して、被覆部22を貫通させる(個片化工程;図4(c)参照)。
これにより、電子部品封止連結体270が、1つの半導体素子26と2つの電子素子28との組み合わせ毎に対応して個片化された電子部品封止体290を備える半導体装置20が粘着テープ100上に貼付された状態で得られる。すなわち、被覆部22を切断することにより、個片化された半導体装置20を、粘着テープ100上に貼付された状態で得ることができる。
[8]次に、図4(d)に示すように、ノイズ抑制層3が設けられた半導体装置20から粘着テープ100(第2粘着テープ)を剥離する(第2剥離工程)。
この第2剥離工程では、粘着テープ100(第2粘着テープ)が備える粘着層2にエネルギーを付与することで、粘着層2の半導体装置20に対する粘着性を低下させて、粘着層2と半導体装置20との間で剥離が生じる状態とした後、半導体装置20から粘着テープ100を剥離する。
粘着層2にエネルギーを付与する方法としては、特に限定されないが、例えば、粘着層2にエネルギー線を照射する方法、粘着層2を加熱する方法等が挙げられるが、中でも、粘着層2にエネルギー線を粘着テープ102の基材4側から照射する方法を用いるのが好ましい。
かかる方法は、電子部品封止体290が不要な熱履歴を経る必要がなく、また、粘着層2に対して比較的簡単に効率よくエネルギーを付与することができるので、エネルギーを付与する方法として好適に用いられる。
また、エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、イオンビームのような粒子線等や、またはこれらのエネルギー線を2種以上組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、特に、紫外線を用いるのが好ましい。紫外線によれば、粘着層2のノイズ抑制層3に対する粘着性を効率よく低下させることができる。
これにより、半導体装置20を一括して複数形成することができることから、半導体装置20の生産性の向上が図られる。
以上のような工程を経て、半導体装置20が製造される。
なお、本発明の電子装置の製造方法を適用して製造される半導体装置20は、例えば、携帯電話、医療機器、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プリンタ等に広く用いることができる。
以上、本発明の粘着テープについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、上述した構成の半導体装置20の製造に、本発明の粘着テープを用いる場合について説明したが、かかる構成の装置の製造に用いられるばかりでなく、例えば、CSP(Chip Size Package)型の半導体装置、コンデンサー、コイルのような電子部品を単独で備える電子装置等の製造に適用することができる。
さらに、前記実施形態では、ノイズ抑制層3を備える構成の半導体装置20の製造に、本発明の粘着テープを用いたが、製造される半導体装置は、ノイズ抑制層3の形成が省略されたものであってもよく、この場合、前述した半導体装置20の製造方法におけるノイズ抑制層3の形成工程を省略することで、かかる構成の半導体装置を製造することができる。
また、本発明の粘着テープが用いられる半導体装置の製造方法には、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
なお、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
1.原材料の準備
まず、実施例および比較例の粘着テープの作製に使用した原料は以下の通りである。
<スチレン系ブロック共重合体>
上記一般式(A)で表されるSEP(クラレ社製、「セプトン2002」)
上記一般式(B)で表されるSEPS(クラレ社製、「セプトン2104」)
上記一般式(C)で表されるSEBS(クラレ社製、「セプトン8104」)
SIS(JSR社製、「JSR SIS5250」)
<その他の重合体>
ポリプロピレン(PP;住友化学社製、「FS2011DG3」)
2.粘着テープ形成用材料の調製
(サンプルNo.1)
上記一般式(A)で表されるSEPが40.0質量%、上記一般式(B)で表されるSEPSが60.0質量%となるようにそれぞれ秤量した後、これら構成材料の含有量が25質量%となるようにメシチレン中に溶解させることにより、サンプルNo.1の粘着テープ形成用材料を調製した。
(サンプルNo.2)
構成材料として、上記一般式(A)で表されるSEPが40.0質量%、上記一般式(C)で表されるSEBSが60.0質量%となるようにそれぞれ秤量したこと以外は、前記サンプルNo.1と同様にして、サンプルNo.2の粘着テープ形成用材料を調製した。
(サンプルNo.3)
構成材料として、上記SISが40.0質量%、上記PPが60.0質量%となるようにそれぞれ秤量したこと以外は、前記サンプルNo.1と同様にして、サンプルNo.3の粘着テープ形成用材料を調製した。
3.評価
<粘着テープの作製>
各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、ポリイミドフィルム(ユーピレックス社製、厚さ50μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、ポリイミドフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
以上のようにして得られた各サンプルNo.の粘着テープについて、それぞれ、JIS K 6783に準拠して、定圧厚さ測定器(テクノック社製)を用いて、その膜厚を測定した。なお、この膜厚の測定は、各サンプルNo.の粘着テープについて、それぞれ、15箇所について実施した。その測定結果を、表1に示す。
<ピール強度(加熱前)>
各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、ポリイミドフィルム(ユーピレックス社製、厚さ50μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、ポリイミドフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
そして、各サンプルNo.の幅を25mmとした粘着テープを、それぞれ、多官能型エポキシ樹脂(住友ベークライト社製、「EME−G730 ver GR」)を主材料として含有し、板状をなす被覆部上に貼付(転写)し、次いで、JIS G 3469に準拠して、粘着テープの一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度を、引張試験機(エー・アンド・デイ社製、「TENSILON RTG−1310」)を用いて測定した。その測定結果を、表1に示す。
<ピール強度(加熱後)>
各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、ポリイミドフィルム(ユーピレックス社製、厚さ50μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、ポリイミドフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
そして、各サンプルNo.の幅を25mmとした粘着テープを、それぞれ、多官能型エポキシ樹脂(住友ベークライト社製、「EME−G730 ver GR」)を主材料として含有し、板状をなす被覆部上に貼付(転写)し、次いで、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後に、JIS G 3469に準拠して、粘着テープの一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度を、引張試験機(エー・アンド・デイ社製、「TENSILON RTG−1310」)を用いて測定した。その測定結果を、表1に示す。
<弾性率(加熱前)>
各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、ポリイミドフィルム(ユーピレックス社製、厚さ50μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、ポリイミドフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
そして、各サンプルNo.の粘着テープについて、それぞれ、離型PETフィルムから剥離させた後に、粘着テープの23℃における弾性率を、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて、昇温3℃/分、周波数10Hzの条件で測定した。その測定結果を、表1に示す。
<弾性率(加熱後)>
各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、ポリイミドフィルム(ユーピレックス社製、厚さ50μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、ポリイミドフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
そして、各サンプルNo.の粘着テープについて、それぞれ、離型PETフィルムから剥離させた後に、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後において、粘着テープの23℃における弾性率を、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて、昇温3℃/分、周波数10Hzの条件で測定した。その測定結果を、表1に示す。
<粘度>
各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、離型PETフィルム(帝人デュポン社製、厚さ38μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、離型PETフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
そして、各サンプルNo.の粘着テープを離型PETフィルムから剥離させた後、150℃においてレオメーターにより測定される熱時溶融粘度を、回転式粘度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、「HAAKE MARSIII」)を用いて測定した。その測定結果を、表1に示す。
<破断強度、破断伸び>
各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、離型PETフィルム(帝人デュポン社製、厚さ38μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、離型PETフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
そして、各サンプルNo.の粘着テープの20℃における破断強度および破断伸びを、引張試験機(エー・アンド・デイ社製、「TENSILON RTG−1310」)を用いて測定した。その測定結果を、表1に示す。
<熱分解温度>
各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、離型PETフィルム(帝人デュポン社製、厚さ38μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、離型PETフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
そして、各サンプルNo.の粘着テープを離型PETフィルムから剥離させた後、TG/DTA測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、「TG/DTA220」)を用いて、粘着テープの340℃における重量減少率を、以下のようにして求めた。すなわち、窒素ガス200mL/minフロー下、昇温速度10℃/minの条件により340℃となるまで温度を上昇させ、この際の粘着テープの重量を測定し、その後、測定された加熱前後における粘着テープの重量に基づいて、粘着テープの340℃における重量減少率を算出した。その測定結果を、表1に示す。
<バンプが形成された被覆部からの粘着テープの剥離性>
被覆部からの粘着テープの剥離性は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、ポリイミドフィルム(ユーピレックス社製、厚さ50μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、ポリイミドフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
次に、縦100μm×横100μm×高さ74μmである大きさのバンプがピッチ200μmの間隔を空けて縦横に配列された状態で形成された、多官能型エポキシ樹脂(住友ベークライト社製、「EME−G730 ver GR」)で構成される被覆部を用意し、その後、各サンプルNo.の粘着テープを、被覆部のバンプが形成されている側の面上に配置し、その後、真空加圧式ラミネーターを用いて、真空雰囲気下において、粘着テープとバンプが形成されている被覆部とが互いに接近するように、圧力2MPa、温度170℃、時間240秒の条件で加圧することで、粘着テープをバンプが形成されている被覆部に貼付した後、粘着テープからポリイミドフィルムを剥離させた。
そして、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後において、被覆部から粘着テープを剥離し、この際の被覆部の粘着テープが接合されていた接合面の状態を確認して、下記に示す評価基準に基づいて、被覆部からの粘着テープの剥離性を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:被覆部の接合面から粘着テープが完全に剥離されている
○:被覆部の接合面に一部の粘着テープが残存した状態で剥離されている
△:被覆部の接合面に半分以上の粘着テープが残存した状態で剥離されている
×:被覆部から粘着テープを剥離させることができない
さらに、被覆部を構成する樹脂を、エポキシ樹脂に代えて、ポリイミド樹脂(住友ベークライト社製、「CRC−6061C」)を用いたこと以外は、上記の被覆部からの粘着テープの剥離性の評価を実施して、ポリイミド樹脂で構成される被覆部からの剥離性についても、同様に評価した。
<被覆部に形成されたバンプに対する粘着テープの埋入性>
被覆部に形成されたバンプに対する粘着テープの埋入性は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、各サンプルNo.の粘着テープ形成用材料について、スピンコート法(回転数250〜300rpm、時間10sec)を用いて、ポリイミドフィルム(ユーピレックス社製、厚さ50μm)上に供給した後、ポットプレートにより60℃/30minの条件で加熱・乾燥することにより、ポリイミドフィルム上に各サンプルNo.の粘着テープを作製した。
次に、縦100μm×横100μm×高さ74μmである大きさのバンプがピッチ200μmの間隔を空けて縦横に配列された状態で形成された、多官能型エポキシ樹脂(住友ベークライト社製、「EME−G730 ver GR」)で構成される被覆部を用意し、その後、各サンプルNo.の粘着テープを、被覆部のバンプが形成されている側の面上に配置し、その後、真空加圧式ラミネーターを用いて、真空雰囲気下において、粘着テープとバンプが形成されている被覆部とが互いに接近するように、圧力2MPa、温度170℃、時間240秒の条件で加圧することで、粘着テープをバンプが形成されている被覆部に貼付した後、粘着テープからポリイミドフィルムを剥離させた。
そして、被覆部から粘着テープを剥離させた後、粘着テープにおいて、バンプを被覆していた位置に対応して形成された凹部の深さDを、バンプの高さHで除することにより、粘着テープの埋入率(追従率)を算出し、この得られた埋入率を以下の評価基準に基づいて評価した。
[評価基準]
◎:粘着テープのバンプに対する埋入率が98%以上である。
〇:粘着テープのバンプに対する埋入率が90%以上98%未満である。
△:粘着テープのバンプに対する埋入率が80%以上90%未満である。
×:粘着テープのバンプに対する埋入率が80%未満である。
Figure 2019131746
表1に示すように、各実施例では、要件Aと要件Bとの双方を満足することにより、被覆部に形成されたバンプに対して、粘着テープを高い埋入率で埋入させることができるともに、加熱後において粘着テープを被覆部から優れた剥離性をもって剥離させることができる結果を示した。
これに対して、比較例では、要件Bを満足するものの、要件Aを満足しないことから、被覆部に形成されたバンプに対して、粘着テープを埋入させることができたが、加熱後において粘着テープを被覆部から剥離させることができなかった。
1 剥離層
2 粘着層
3 ノイズ抑制層
4 基材
20 半導体装置
21 バンプ
22 被覆部
23 配線
25 インターポーザー
25’ シート材
26 半導体素子
27 封止部
28 電子素子
62 凹部
100 粘着テープ
102 粘着テープ
221 開口部
270 電子部品封止連結体
290 電子部品封止体
300 電磁波シールド用フィルム

Claims (10)

  1. 複数の電子部品が封止材により封止された電子部品封止連結体の下面から突出して設けられた、前記電子部品に電気的に接続された半田バンプを埋入させるように仮固定して用いられる粘着テープであって、
    下記要件Aと下記要件Bとの双方を満足することを特徴とする粘着テープ。
    要件A:当該粘着テープは、JIS G 3469に準拠して、エポキシ樹脂を主材料として含有し、板状をなす被覆部上に幅25mmの前記粘着テープを貼付し、次いで、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後に、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が2.0N/mm以下となる。
    要件B:当該粘着テープは、23℃における弾性率が1MPa以上1000MPa以下であり、かつ、230℃×3時間の条件で加熱し、冷却した後において、23℃における弾性率が1MPa以上1000MPa以下であること。
  2. 当該粘着テープは、さらに、下記要件Cを満足する請求項1に記載の粘着テープ。
    要件C:当該粘着テープは、JIS G 3469に準拠して、エポキシ樹脂を主材料として含有し、板状をなす被覆部上に幅25mmの前記粘着テープを貼付し、次いで、前記粘着テープの一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が2.0N/mm以下となる。
  3. 当該粘着テープは、150℃においてレオメーターにより測定される熱時溶融粘度が500Pa・s以上3500Pa・s以下である請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 当該粘着テープは、20℃における破断強度が10MPa以上100MPa以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  5. 当該粘着テープは、20℃における破断伸びが10%以上2000%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  6. 当該粘着テープは、340℃における重量減少率が0.001%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  7. 当該粘着テープは、スチレン系ブロック共重合体を主材料として含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  8. 前記スチレン系ブロック共重合体は、スチレンを重合させた第1ブロックと、エチレン、プロピレンおよびブチレンのうちの少なくとも1種を重合させた第2ブロックとを備えるブロック共重合体である請求項7に記載の粘着テープ。
  9. 前記スチレン系ブロック共重合体は、前記第2ブロックがエチレンとプロピレンとの重合体を含み、前記第1ブロックと、前記第2ブロックと、前記第1ブロックとをこの順で備えるトリブロック共重合体である請求項8に記載の粘着テープ。
  10. 当該粘着テープは、その厚さが10μm以上300μm以下である請求項1ないし9のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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