JP2019131657A - ゴム部材およびそれを用いたダンパー - Google Patents
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Abstract
Description
[1] ゴム成分として エチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)を主成分とするゴム組成物を過酸化物加硫したゴム部材であって、
下記式(1)を満たすエチレンの重量比率と、下記式(2)を満たすムーニー粘度(ML1+4、125℃)とを有するエチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)100重量部に対し、ヨウ素吸着量が70mg/g以上185mg/g以下であり、DBP吸油量が40ml/100g以上120ml/100g以下であるカーボンブラック100乃至180重量部を含むゴム組成物の過酸化物加硫成形物である、ゴム部材。
(式中、
Eiはi番目のEPDMにおけるエチレンとプロピレンの合計に対するエチレンの重量比率(重量%)であり、
miはi番目のEPDMの配合量(重量部)であり、
MtはEPDMの配合量(重量部)の合計であり、
nは配合するEPDMの数であり、1≦n≦4である。)
(式中、
Viはi番目のEPDMのムーニー粘度(ML1+4、125℃)であり、
miはi番目のEPDMの配合量(重量部)であり、
MtはEPDMの配合量(重量部)の合計であり、
nは配合するEPDMの数であり、1≦n≦4である。)
[2] 前記ゴム組成物がEPDM100重量部に対してプロセスオイル60重量部乃至100重量部を更に含み、前記EPDMのポリマー分率が前記ゴム組成物の20重量%以上40重量%以下である、[1]に記載のゴム部材。
[3] 前記ゴム部材の低温側使用温度における貯蔵弾性率(E’pl)の使用標準温度における貯蔵弾性率(E’pi)に対する比(E’pl/E’pi)が3.9以上6.5未満であり、前記ゴム部材の使用標準温度における損失係数(tanδi)が0.34以上であり、前記ゴム部材の高温側使用温度における損失係数(tanδh)の使用標準温度における損失係数(tanδi)に対する比(tanδh/tanδi)が0.86以上である、[1]又は[2]に記載のゴム部材。
[4] 前記ゴム部材のJIS K6261準拠のゲーマン捩じり試験によるT100が−49℃より小さく、前記ゴム部材の使用標準温度における損失係数(tanδi)が0.34以上であり、前記ゴム部材の高温側使用温度における損失係数(tanδh)の使用標準温度における損失係数(tanδi)に対する比(tanδh/tanδi)が0.86以上である、[1]又は[2]に記載のゴム部材
[5] 前記ダンパーゴム部材は、JIS K6251準拠の伸びが340%以上である、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のゴム部材。
[6] 前記ゴム部材のJIS K6251準拠の100%モジュラスが1.2以上2.3以下である、[1]乃至[5]のいずれか一項に記載のゴム部材。
[7] 前記ゴム部材のJIS K6251準拠の50%伸長時のモジュラスと300%伸長時のモジュラスの比が5.4以上8.2未満である、[1]乃至[6]のいずれか一項に記載のゴム部材。
[8] 回転軸に取り付けられ、前記回転軸と一体的に回転するダンパーハブと、前記ダンパーハブにダンパーゴム部材を介して装着された慣性リングとを有するトーショナルダンパーであって
ダンパーゴム部材の低温側表面使用温度における固有振動数の標準表面使用温度における固有振動数に対する比が1.57以上2.15未満である、[1]乃至[7]のいずれか一項に記載のゴム部材を有するトーショナルダンパー。
[9] 前記ダンパーゴム部材の標準表面使用温度における損失係数(tanδpi)が0.28以上であり、
前記ダンパーゴム部材の高温側表面使用温度120℃における損失係数(tanδph)の標準表面使用温度における損失係数(tanδpi)に対する比(tanδph/tanδpi)が0.63以上0.68以下である、[1]乃至[8]のいずれか一項に記載のゴム部材を有するトーショナルダンパー。
[10] 前記ダンパーゴム部材が前記ダンパーハブと前記慣性リングとの間に10%以上の圧縮率で圧入されている、[7]乃至[9]のいずれか一項に記載のトーショナルダンパー。
初めに、本発明に係る1つの実施例として、トーショナルダンパーについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるトーショナルダンパーを示す斜視図であり、図2は、図1に示すトーショナルダンパーの一部破断斜視図である。
本発明の実施においては、圧入法、加硫接着法のいずれも利用可能である。
本発明に係るダンパーゴム部材は、ゴム成分としてエチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)を主成分とするゴム組成物を過酸化物加硫したゴム部材であって、下記式(1)を満たすエチレンの重量比率と、下記式(2)を満たすムーニー粘度(ML1+4、125℃)とを有するエチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)100重量部に対し、ヨウ素吸着量が70mg/g以上185mg/g以下であり、DBP吸油量が40ml/100g以上120ml/100g以下であるカーボンブラック100乃至180重量部を含むゴム組成物の過酸化物加硫成形物である。ダンパーゴム組成物の過酸化物加硫成形方法に特に制限はなく、常法により、所望の形状(例えば、円筒形)で行うことができる。
(式中、
Eiはi番目のEPDMにおけるエチレンとプロピレンの合計に対するエチレンの重量比率(重量%)であり、
miはi番目のEPDMの配合量(重量部)であり、
MtはEPDMの配合量(重量部)の合計であり、
nは配合するEPDMの数であり、1≦n≦4である。)
(式中、
Viはi番目のEPDMのムーニー粘度(ML1+4、125℃)であり、
miはi番目のEPDMの配合量(重量部)であり、
MtはEPDMの配合量(重量部)の合計であり、
nは配合するEPDMの数であり、1≦n≦4である。)
(1) JIS K6253に準拠し、デュロメータAを使用して、1秒以内に読み取る方式で測定した「硬さ」:60以上80以下
(2) JIS K6251に準拠して測定した「引張強さ」:10MPa以上20MPa以下
(3) JIS K6251に準拠して測定した「伸び(%)」:340%以上500%以下
(4) JIS K6251に準拠して測定した「50%伸長時のモジュラス」:0.9以上1.3以下
(5) JIS K6251に準拠して測定した「100%伸長時のモジュラス」:1.4以上3.0以下
(6) JIS K6251に準拠して測定した「300%伸長時のモジュラス」:5.5以上9.8以下
(7) 「300%伸長時のモジュラス」/「50%伸長時のモジュラス」:5.4以上8.2未満
(8) JIS K6394に準拠して測定した標準使用温度における「損失係数(tanδi)」:0.34以上0.45以下
(9) JIS K6394に準拠して測定した高温側使用温度における「損失係数(tanδh)」:0.3以上0.4以下
(10) 「損失係数比(tanδh/tanδi)」:0.86以上0.9以下
(11) JIS K6394に準拠して測定した低温側使用温度℃における貯蔵弾性率(E’pl)の標準使用温度における貯蔵弾性率(E’pi)に対する比「(E’pl/E’pi)」:3.9以上6.5未満
(12) JIS K6261に準拠して測定した「ゲーマン捩じり試験によるT100」
:−49℃未満
「高温側使用温度」とは実使用時に想定される温度を意味し、代表的な例としては、120℃におけるダンパーゴム部材13の測定温度、ダンパーゴム部材13をトーショナルダンパー10に装着した場合には、120℃±5℃におけるダンパーゴム部材13の表面測定温度が挙げられる。
「低温側使用温度」とは寒冷地における実使用時の標準的な温度を意味し、代表的な例としては、−30℃におけるダンパーゴム部材13の測定温度、ダンパーゴム部材13をトーショナルダンパー10に装着した場合には、−30℃±5℃におけるダンパーゴム部材13の表面測定温度が挙げられる。
「損失係数比」は損失係数(tanδ)の温度依存性を表す指標である。高温側使用温度における損失係数(tanδh)に対する使用標準温度における損失係数(tanδi)の比(tanδh/tanδi)が大きい(1に近い)ことは、標準使用温度から高温側使用温度までの温度範囲における損失係数(tanδ)の温度依存性が小さい、言い換えると、温度変化に伴う損失係数(tanδ)の低下が少ないことを意味する。
「貯蔵弾性率比」は、低温領域から通常使用温度までの貯蔵弾性率の変化の度合いを表すものである。貯蔵弾性率比が小さい(例えば、6.9以下)ほど低温での共振周波数特性が良好にできることを意味する。
次に、本発明に係るダンパーゴム部材の製造に使用するダンパーゴム組成物について説明する。ダンパーゴム部材の製造に使用するダンパーゴム組成物は、弾性体としてエチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)、充填材としてカーボンブラック、加硫剤として架橋剤(過酸化物)及び任意選択的に共架橋剤を含み、更に各種添加剤(プロセスオイル(鉱物油)、可塑剤、亜鉛華、ステアリン酸亜鉛、老化防止剤など)を含有するのが一般である。本発明において所望の効果を挙げるためには、特定の成分を選択して配合する必要があるので、これらについて以下に説明する。
本発明に係るダンパーゴム組成物においては、上記式(1)を満たすエチレンの重量比率と、上記式(2)を満たすムーニー粘度(ML1+4、125℃)とを有するエチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)を用いる。
式(1)、式(2)に表現したように、EPDMは1種のみを単独で使用することもでき、2乃至4種を混合して使用することもできる。2乃至4種を混合して使用した場合に、EPDM混合物全体のエチレンの重量比率とムーニー粘度(ML1+4、125℃)を、各EPDMの重量基準の配合割合に比例させて算出し、定義するのが式(1)、式(2)の趣旨である。
式(1)、式(2)におけるnは、好ましくは1乃至3である。
例えば、2種類以上のEPDMを混合する場合、エチレン量が56重量%以下でムーニー粘度(ML1+4、125℃)が28よりも大きいグレードに、エチレン量が56重量%以下でムーニー粘度(ML1+4、125℃)が28以下のグレードやエチレン量が56重量%以上のグレードを混合する事ができる。
(1) ジエン量:2重量%若しくは3重量%以上、及び/又は10重量%若しくは9重量%以下
(2) 油展量:120重量部以下
本発明においては、ヨウ素吸着量が70mg/g以上185mg/g以下であり、DBP(可塑剤:フタル酸ジブチル(Dibutyl phthalate))吸油量が40ml/100g以上120ml/100g以下であるカーボンブラックを用いることが必要である。
また、DBP吸油量が多いほど、カーボンブラックのストラクチャーが大きくなり、導電性が向上するため、ダンパーゴム部材をトーショナルダンパーに装着したときに、トーショナルダンパーの帯電を防止し、耐久性を向上させることができる。
ダンパーゴム組成物には、加硫剤として、過酸化物、共架橋剤などを添加することができる。加硫剤を添加したダンパーゴム組成物を加熱して架橋反応を行うことにより、強靭なダンパーゴム部材が形成される。
1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、
1,3−ジ(2−tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、
ジtert−ブチルペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、
N−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、
tert−ブチルクミルペルオキシド、
などを用いることができ、これらはいずれも市販品として入手可能である。例えば、日油(株)製パーヘキサ25B、パーブチルP、パークミルDなどを挙げることができる。
トリアリルイソシアネート、
エチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、
トリアリルシアヌレート、
キノンジオキシム、
1,2−ポリブタジエン、
イオウ、
ビスマレイミド、
などを用いることができ、これらはいずれも市販品として入手可能である。例えば、日本化成(株)製TAIC、三新化学工業(株)製サンエステルTMP、大内新興化学工業(株)製バルノックPMなどを挙げることができる。
ダンパーゴム組成物には、上記成分以外に周知のゴム添加剤(プロセスオイル(鉱物油)、可塑剤、亜鉛華、ステアリン酸亜鉛、老化防止剤など)を配合することができる。プロセスオイルの配合量は50重量部以上が好ましい。これらはいずれも市販品として入手可能である。例えば、プロセスオイルとして出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−380、可塑剤として大八化学工業(株)製DOS、老化防止剤として大内新興化学工業(株)製ノクラック224やノクラックCDを挙げることができる。
<ダンパーゴム組成物の調製>
まず、3.5リットルのバンバリーミキサーにEPDM1(エチレンの重量比率:52重量%、ジエン含量:3.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):58、油展量:30重量部)100重量部(油展量30重量部を除くEPDM単独の重量部)を投入し、回転数40rpmで1分間素練りした後、カーボンブラック1(ヨウ素吸着量:111mg/g、DBP吸油量:75ml/100g)100重量部、プロセスオイル60重量部(EPDMの油展量30重量部に、プロセスオイル30重量部を加えた合計が60重量部となる様に調整)、亜鉛華5重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、老化防止剤2重量部を投入して2分間混練し、さらに1分間混練した後、混練物をバンバリーミキサーから排出した。続いて、排出した混練物をロール間隔5mmとした12インチロールに巻き付けてシート状に成形し、成形した生地を室温にて12時間以上放置した。
次に、上記ダンパーゴム組成物のシートを金型にセットし、180℃にて10分間のプレス加硫を行って2mm厚のゴムシートを作製し、さらに150℃の恒温槽にて6時間の加熱処理を行い、ダンパーゴム部材を得た。
ダンパーゴム部材と同一組成の環状のダンパーゴム部材(13)を作製し、ハブ(11)と慣性リング(12)との間隙部に圧縮率10〜50%で圧入してトーショナルダンパーを得た。
カーボンブラック1の量をそれぞれ120、140、160、180重量部に変え、プロセスオイルの量をそれぞれ70、80、90、100重量部に変えた以外は実施例1と同様にして、ダンパーゴム組成物、ダンパーゴム部材及びトーショナルダンパーを得た。
カーボンブラック1をそれぞれ下記カーボンブラック2乃至5に変えた以外は実施例3と同様にして、ダンパーゴム組成物、ダンパーゴム部材及びトーショナルダンパーを得た。
カーボンブラック2(ヨウ素吸着量:185mg/g、DBP吸油量:112ml/100g)
カーボンブラック3(ヨウ素吸着量:80mg/g、DBP吸油量:101ml/100g)
カーボンブラック4(ヨウ素吸着量:44mg/g、DBP吸油量:115ml/100g)
カーボンブラック5(ヨウ素吸着量:26mg/g、DBP吸油量:68ml/100g)
EPDM1を、EPDM1(エチレンの重量比率:52重量%、ジエン含量:3.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):58、油展量:30重量部)50重量部(油展量30重量部を除くEPDM単独の重量部)とEPDM2(エチレンの重量比率:52重量%、ジエン含量:8.1重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):28、油展量:0重量部)50重量部との混合物に変えた以外は実施例3と同様にして、ダンパーゴム組成物、ダンパーゴム部材及びトーショナルダンパーを得た。なお、この混合物の式(1)の左辺の計算値は52重量%、式(2)の左辺の計算値は43である。
EPDM1を、EPDM1(エチレンの重量比率:52重量%、ジエン含量:3.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):58、油展量:30重量部)75重量部(油展量30重量部を除くEPDM単独の重量部)とEPDM3(エチレンの重量比率:66重量%、ジエン含量:4.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):69、油展量:75重量部)25重量部(油展量75重量部を除くEPDM単独の重量部)との混合物に変えた以外は実施例3と同様にして、ダンパーゴム組成物、ダンパーゴム部材及びトーショナルダンパーを得た。なお、この混合物の式(1)の左辺の計算値は56重量%、式(2)の左辺の計算値は61である。
EPDM1を、EPDM1(エチレンの重量比率:52重量%、ジエン含量:3.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):58、油展量:30重量部)50重量部(油展量30重量部を除くEPDM単独の重量部)と、EPDM2(エチレンの重量比率:52重量%、ジエン含量:8.1重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):28、油展量:0重量部)25重量部と、EPDM3(エチレンの重量比率:66重量%、ジエン含量:4.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):69、油展量:75重量部)25重量部(油展量75重量部を除くEPDM単独の重量部)との混合物に変えた以外は実施例3と同様にして、ダンパーゴム組成物、ダンパーゴム部材及びトーショナルダンパーを得た。なお、この混合物の式(1)の左辺の計算値は56重量%、式(2)の左辺の計算値は53である。
EPDM1をEPDM2(エチレンの重量比率:52重量%、ジエン含量:8.1重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):28、油展量:0重量部)に変えた以外は実施例3と同様にして、ダンパーゴム組成物、ダンパーゴム部材及びトーショナルダンパーを得た。
EPDM1を、EPDM1(エチレンの重量比率:52重量%、ジエン含量:3.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):58、油展量:30重量部)50重量部(油展量30重量部を除くEPDM単独の重量部)とEPDM3(エチレンの重量比率:66重量%、ジエン含量:4.5重量%、ムーニー粘度(ML1+4、125℃):69、油展量:75重量部)50重量部(油展量75重量部を除くEPDM単独の重量部)との混合物に変えた以外は実施例3と同様にして、ダンパーゴム組成物、ダンパーゴム部材及びトーショナルダンパーを得た。なお、この混合物の式(1)の左辺の計算値は61重量%、式(2)の左辺の計算値は64である。
ダンパーゴム部材の硬さは、JIS K6253に準拠して、デュロメータAを使用し、1秒以内に読み取る方式で測定した。結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
測定器:上島製作所製 粘弾性アナライザYR−7130
変形方法:引張
周波数:100Hz
振幅:±1%
プレロード:480mN
試験片形状:加硫成形後のシート状ゴム部材から採取した
20mm(つかみ間隔)×4mm(幅)×2mm(厚さ)の短冊形状片
トーショナルダンパーに装着されたダンパーゴム部材の表面温度60℃における損失係数(tanδpi)、ダンパーゴム部材の表面温度120℃における損失係数(tanδph)及び損失係数比(tanδph/tanδpi)並びに低温性(−30℃/60℃Fn比)は、高周波振動試験機((株)サム電子機械製防振ゴムねじり動特性試験機)による共振スイープ法(固有振動数測定)で測定した。結果を表1に示す。低温性(−30℃/60℃Fn比)とは、−30℃における固有振動数と60℃における固有振動数との比であり、低温時の捩り振動特性に影響する。測定条件は下記のとおりである。
ゴム温度:60±5℃、120±5℃、−30±5℃
加振振幅:±1.7×10−3rad(±0.1°)
スイープ速度:100Hz/min
<測定方法>
・雰囲気温度100℃の恒温槽中でダンパーゴム部材の温度を安定させる。
・ハブを固定した状態でトーショナルダンパーを一定荷重で左右に捩り振幅を加える。
<測定条件>
・雰囲気温度:100±5℃
・加振振幅(一定ひずみ):ダンパーゴム部材の剪断歪みが45%相当
・加振周波数:20Hz
・耐久回数:1×107回
表1に示すように、比較例1と比較例3の伸びは330%以下となっており、実施例1乃至12の伸びよりも劣っていた。また、実施例1乃至12のトーショナルダンパーは、比較例1、3のトーショナルダンパーより耐久性が勝っていた。これらの結果から、優れた耐久性を示すトーショナルダンパーを製造するためには、340%以上の伸びを有するダンパーゴム部材を組み込むことが好ましいことが判明した。
実施例1乃至実施例7の結果から、EPDM100重量部に対し、カーボンブラック100乃至180重量部の範囲の配合では、ダンパーゴム部材の60℃における損失係数(tanδi)は0.34以上、ゴム部材の120℃における損失係数(tanδh)と60℃における損失係数(tanδi)との損失係数比(tanδh/tanδi)が0.86以上、かつ、ゴム部材の−30℃における貯蔵弾性率(E’pl)と60℃における貯蔵弾性率(E’pi)に対する比(E’pl/E’pi)が3.9以上と、低温領域から高温領域にわたって優れた特性を示すことが判明した。
実施例3、6、7、8、9及び比較例3、4の結果から、特定のカーボンブラックを選択しなければ、ダンパーゴム部材の60℃における損失係数(tanδi)を0.34以上、トーショナルダンパーに装着されたダンパーゴム部材の表面温度60℃における損失係数(tanδpi)を0.28以上が達成出来ず、良好なクランク捩じれ低減効果を実現できないことがわかる。
実施例3、10、11、12及び比較例1の結果から、EPDMが式(2)を満足する所定のムーニー粘度を満たさないと、トーショナルダンパーの耐久性に問題が生じることがわかる。
実施例3、10、11、12及び比較例2の結果から、EPDM中のエチレンの重量比率が高すぎると、ダンパーゴム部材の60℃における貯蔵弾性率(E’pi)に対する−30℃における貯蔵弾性率(E’pl)の比(E’pl/E’pi)とゲーマン捩じり試験によるT100に悪影響を及ぼし、トーショナルダンパーの低温性が劣ることがわかる。
実施例1乃至12のダンパーゴム部材は、ダンパーゴム部材の低温側使用温度における貯蔵弾性率(E’pl)の標準使用温度における貯蔵弾性率(E’pi)に対する比(E’pl/E’pi)が6.5未満と、低温領域においても優れた貯蔵弾性率を示し、優れた共振周波数特性を実現できる。このようなダンパーゴム部材をトーショナルダンパーに組み込むことにより、トーショナルダンパーの低温性(−30℃/60℃Fn比)が向上した。
同時に、実施例1乃至12のダンパーゴム部材は、60℃での損失係数が0.34以上で、120℃における損失係数と60℃における損失係数との損失係数比が0.86以上である優れた特性を示す。さらに、実施例1乃至9のダンパーゴム部材を組み込んだトーショナルダンパーでは、損失係数が圧入前のダンパーゴム部材よりもやや低下するのが通常であるが、このようなダンパーゴム部材をトーショナルダンパーに組み込むことにより、ダンパーゴム部材の表面温度60℃での損失係数は0.28以上を維持しており、トーショナルダンパーとして、使用標準温度領域から高温領域にわたり優れた捩じり振動低減特性と耐久性を達成した。
11 ダンパーハブ
11a ディスク部
11b ボス部
12 慣性リング
12a プーリ溝
13 ダンパーゴム部材
14 間隙部
Claims (10)
- ゴム成分としてエチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)を主成分とするゴム組成物を過酸化物加硫したゴム部材であって、
下記式(1)を満たすエチレンの重量比率と、下記式(2)を満たすムーニー粘度(ML1+4、125℃)とを有するエチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)100重量部に対し、ヨウ素吸着量が70mg/g以上185mg/g以下であり、DBP吸油量が40ml/100g以上120ml/100g以下であるカーボンブラック100乃至180重量部を含むゴム組成物の過酸化物加硫成形物である、ゴム部材。
(式中、
Eiはi番目のEPDMにおけるエチレンとプロピレンの合計に対するエチレンの重量比率(重量%)であり、
miはi番目のEPDMの配合量(重量部)であり、
MtはEPDMの配合量(重量部)の合計であり、
nは配合するEPDMの数であり、1≦n≦4である。)
(式中、
Viはi番目のEPDMのムーニー粘度(ML1+4、125℃)であり、
miはi番目のEPDMの配合量(重量部)であり、
MtはEPDMの配合量(重量部)の合計であり、
nは配合するEPDMの数であり、1≦n≦4である。) - 前記ゴム組成物がEPDM100重量部に対してプロセスオイル60重量部乃至100重量部を更に含み、前記EPDMのポリマー分率が前記ゴム組成物の20重量%以上40重量%以下である、請求項1に記載のゴム部材。
- 前記ゴム部材の低温側使用温度における貯蔵弾性率(E’pl)の使用標準温度における貯蔵弾性率(E’pi)に対する比(E’pl/E’pi)が3.9以上6.5未満であり、前記ゴム部材の使用標準温度における損失係数(tanδi)が0.34以上であり、前記ゴム部材の高温側使用温度における損失係数(tanδh)の使用標準温度における損失係数(tanδi)に対する比(tanδh/tanδi)が0.86以上である、請求項1又は2に記載のゴム部材。
- 前記ゴム部材のJIS K6261準拠のゲーマン捩じり試験によるT100が−49℃より小さく、前記ゴム部材の使用標準温度における損失係数(tanδi)が0.34以上であり、前記ゴム部材の高温側使用温度における損失係数(tanδh)の使用標準温度における損失係数(tanδi)に対する比(tanδh/tanδi)が0.86以上である、請求項1又は2に記載のゴム部材
- 前記ダンパーゴム部材は、JIS K6251準拠の伸びが340%以上である、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のゴム部材。
- 前記ゴム部材のJIS K6251準拠の100%モジュラスが1.2以上2.3以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のゴム部材。
- 前記ゴム部材のJIS K6251準拠の50%伸長時のモジュラスと300%伸長時のモジュラスの比が5.4以上8.2未満である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゴム部材。
- 回転軸に取り付けられ、前記回転軸と一体的に回転するダンパーハブと、前記ダンパーハブにダンパーゴム部材を介して装着された慣性リングとを有するトーショナルダンパーであって
ダンパーゴム部材の低温側表面使用温度における固有振動数の標準表面使用温度における固有振動数に対する比が1.57以上2.15未満である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のゴム部材を有するトーショナルダンパー。 - 前記ダンパーゴム部材の標準表面使用温度における損失係数(tanδpi)が0.28以上であり、
前記ダンパーゴム部材の高温側表面使用温度120℃における損失係数(tanδph)の標準表面使用温度における損失係数(tanδpi)に対する比(tanδph/tanδpi)が0.63以上0.68以下である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のゴム部材を有するトーショナルダンパー。 - 前記ダンパーゴム部材が前記ダンパーハブと前記慣性リングとの間に10%以上の圧縮率で圧入されている、請求項7乃至9のいずれか一項に記載のトーショナルダンパー。
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