JP2019130748A - 流路構造体及び液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流路構造体において、液体貯留室の液体が乾燥によって固化や異物化することを抑制する。【解決手段】流路構造体は、液体を流通させるための液体流路と、気体透過膜と、側壁とを有し、液体流路と接続され、液体流路から流入する液体を貯留する液体貯留室と、を備える。気体透過膜は、気体を透過させ、かつ、液体貯留室内と外部とを連通させ、側壁の少なくとも一部は、液体が側壁に沿って広がる濡れ広がりを抑制する抑制構造を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、流路構造体及び液体吐出装置に関する。
従来、流通する液体を一時的に貯留する空間(貯留空間)を有する流路構造体が知られている(例えば、特許文献1)。この流路構造体において、貯留空間に、液体とともに気体が流入する場合がある。貯留空間に流入した気体は、貯留空間の上部に設けられた気体透過膜を介して外部へと移動する。
特開2017−136822号公報
従来の流路構造体において、液体が貯留空間の側壁に沿って広がる濡れ広がりが生じる場合がある。側壁に沿って広がった液体は、乾燥による増粘が発生しやすい。液体が乾燥によって増粘した場合、液体が固化や異物化する恐れがある。
本開示は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、流路構造体が提供される。この流路構造体は、液体を流通させるための液体流路と、気体透過膜と、側壁とを有し、前記液体流路と接続され、前記液体流路から流入する前記液体を貯留する液体貯留室と、を備え、前記気体透過膜は、気体を透過させ、かつ、前記液体貯留室内と外部とを連通させ、前記側壁の少なくとも一部は、前記液体が前記側壁に沿って広がる濡れ広がりを抑制する抑制構造を有する。この形態によれば、液体貯留室の側壁の少なくとも一部は、液体が側壁に沿って広がる濡れ広がりを抑制する抑制構造を有するので、濡れ広がりを抑制することができる。このため、液体貯留室の液体が乾燥によって固化や異物化することを抑制できる。
(2)上記形態の流路構造体において、前記抑制構造は、前記側壁の内表面に形成された撥液層を有してもよい。この形態によれば、流路構造体は、撥液層によって、液体の濡れ広がりを抑制することができる。
(3)上記形態の流路構造体において、前記抑制構造は、前記側壁の内表面に形成され、ロータス効果によって撥液を生じさせる微細な凹凸を有してもよい。この形態によれば、流路構造体は、側壁の内表面に形成された凹凸によって、液体の濡れ広がりを抑制することができる。
(4)上記形態の流路構造体において、前記抑制構造は、前記側壁の少なくとも一部を構成し、鉛直方向に対して傾斜する傾斜壁を有し前記液体貯留室は、前記傾斜壁によって鉛直方向上側に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー室を有してもよい。この形態によれば、流路構造体は、傾斜壁によって、液体の濡れ広がりを抑制することができる。
(5)上記形態の流路構造体において、前記抑制構造は、前記側壁のうちで少なくとも前記液体貯留室の高さ方向における中央よりも上側に形成されていてもよい。この形態によれば、側壁のうちで少なくとも中央より上側において液体の濡れ広がりを抑制することができる。
(6)上記形態の流路構造において、前記抑制構造は、前記側壁のうちで少なくとも前記中央から前記気体透過膜に至るまで連続的に形成されていてもよい。この形態によれば、側壁のうちで少なくとも中央から気体透過膜に至るまでの範囲において液体の濡れ広がりを抑制することができる。
(7)上記形態の流路構造体において、前記液体流路は、前記側壁に形成され前記液体流路の前記液体を前記液体貯留室に流入させる流入口部を有し、前記抑制構造は、前記側壁のうちで少なくとも前記流入口部よりも上側に形成されていてもよい。この形態によれば、側壁のうちで少なくとも流入口部よりも上側において液体の濡れ広がりを抑制することができる。
(8)上記形態の流路構造体において、前記抑制構造は、前記液体貯留室の高さ方向において、前記側壁のうちで少なくとも前記流入口部の上側周縁部から前記気体透過膜に至るまで連続的に形成されていてもよい。この形態によれば、この形態によれば、側壁のうちで少なくとも流入口部の上側周縁部から気体透過膜に至るまの範囲において液体の濡れ広がりを抑制することができる。
(9)上記形態の流路構造体は、さらに、前記液体貯留室内の液面の変動を低減する調節機構を備えてもよい。この形態によれば、液体貯留室内の液面の変動を低減できる。
(10)上記形態の流路構造体において、前記調節機構は、前記液体貯留室内の液体が消費される場合に、前記気体透過膜を挟んで前記液体貯留室とは反対側から前記液体貯留室の気体を吸引してもよい。この形態によれば、気体透過膜を挟んで液体貯留室とは反対側から液体貯留室の気体を吸引する調節機構によって、液体貯留室内の液面の変動が低減される。
(11)本開示の他の形態によれば、液体吐出装置が提供される。この液体吐出装置は、上記形態の流路構造体と、前記流路構造体から流通する液体を吐出するためのノズルと、を備える。この形態によれば、液体が貯留空間の側壁を這い上がった場合における、液体の一部が乾燥によって異物化することを抑制できるので、異物がノズル側に流入することによる吐出不良を抑制できる。
(12)上記形態の液体吐出装置において、前記液体流路は、前記液体中の異物を捕捉するフィルターを有してもよい。この形態の液体吐出装置は、液体流路において、液体中の異物が捕捉される。
本開示は、上述した流路構造体及び液体吐出装置以外の種々の形態で実現可能である。例えば、上述の流路構造体の製造方法や流路構造体とノズルとを備えるヘッドユニットの形態で実現することができる。
第1実施形態に係る液体吐出装置の内部構成を示す模式図。 第1実施形態における流路構造体の模式図。 第1実施形態における第3液体貯留室の抑制構造を説明する説明図。 比較例に係る第3液体貯留室を説明するための第1の図。 比較例に係る第3液体貯留室を説明するための第2の図。 比較例に係る第3液体貯留室を説明するための第3の図。 第2実施形態における流路構造体の模式図。 第3実施形態における流路構造体の模式図。
A.第1実施形態
A1.液体吐出装置の構成
図1は、液体吐出装置1の内部構成を示す模式図である。図1には、互いに直交する3つの空間軸であるX軸、Y軸、Z軸が描かれている。X軸に沿った方向をX軸方向(単に、「X方向」ともよぶ。)とし、Y軸に沿った方向をY軸方向(単に、「Y方向」ともよぶ。)とし、Z軸に沿った方向をZ軸方向(上下方向、単に、「Z方向」ともよぶ。)とする。液体吐出装置1は、X軸方向とY軸方向に平行な面(XY平面)に設置されている。+Z軸方向が鉛直上方向であり、−Z軸方向が鉛直下方向である。以降に説明する他の図においても、必要に応じてX軸、Y軸、Z軸を付している。
液体吐出装置1は、外殻10の内部に、制御部17と、ヘッドユニット12を備えたキャリッジ19と、キャリッジ19に着脱可能に搭載される液体供給源30とを備える。制御部17は、液体吐出装置1の各種動作(例えば、印刷動作)を制御する。本実施形態において、液体供給源30は、内部に液体を収容可能な液体タンクである。
液体吐出装置1は、いわゆるインクジェットプリンターであり、用紙や板材などの印刷媒体20上に液体としてのインクを吐出することで印刷媒体20に対して印刷を行う。本実施形態において、印刷媒体20は板材である。また、インクには、速乾性を有するインクが採用されている。このため、速乾性を有さないインクを採用する場合と比べて、インクとの親和性の低い印刷媒体に対しても好適に印刷が可能である。速乾性のインクには、例えば、樹脂を含む水性インクや溶剤インクを用いることができる。本実施形態において、インクは、水性インクが用いられている。インクに含まれる樹脂は、色材の印刷媒体20への定着性を向上させる結着剤として機能する。
キャリッジ19は、ヘッドユニット12と、ヘッドユニット12上に配置された装着部11を有する。装着部11は、例えば+Z軸方向が開口する凹形状であり、液体供給源30が装着される装着空間を形成する。装着部11は、装着空間を区画する下面から+Z軸方向側に突出する液体導入針部122を有する。液体導入針部122は、液体供給源30に接続される。液体導入針部122は中空状であり、先端側に内部と連通する連通孔が形成されている。液体導入針部122の内部には、液体導入針部122の連通孔を介して液体供給源30から供給される液体が流通する。ヘッドユニット12は、液体導入針部122と連通し、液体供給源30から供給された液体を印刷媒体20に対して吐出する。
A2.ヘッドユニットの構成
図2は、第1実施形態におけるヘッドユニット12の構成を示す模式図である。ヘッドユニット12は、流路構造体100と2つのヘッド150とを有する。本実施形態において、流路構造体100及びヘッド150は、一体化されている。通常の使用状態において、図2の紙面上側は鉛直上方向側(+Z方向側)であり、紙面下側は鉛直下方向側(−Z方向側)である。
ヘッド150は、ピエゾアクチュエーター(図示しない)及び液体を収容する内部空間(図示しない)、を含む本体部151と、液体供給源30から供給された液体を外部へと吐出するための開口であるノズル152と、を有する。ヘッド150は、ピエゾアクチュエーターを用いて本体部151内の容積を変動させることによって、ノズル152から液体を吐出する。
流路構造体100は、液体供給源30から供給される液体をヘッド150へ流通させるための流路を形成する。流路構造体100は、液体を流通させる液体流路130と、液体流路130に接続された第3液体貯留室135と、液体流路130及び第3液体貯留室135内の気体を除去する脱泡機構140と、を備える。なお、第3液体貯留室135は、「課題を解決するための手段」における「液体貯留室」に対応する。
液体流路130は、上流側(液体供給源)から下流側(第3液体貯留室135)に向かう順に、供給流路131と、第1液体貯留室132と、第2液体貯留室134と、接続流路1342と、を有する。第1液体貯留室132は、気体のみを選択的に透過する気体透過膜202を介して脱泡機構140に接続されている。
脱泡機構140は、気体流通部141と、圧力調節機構142と、を備える。圧力調節機構142は、気体流通部141に接続されている。圧力調節機構142は、気体透過膜204を挟んで第3液体貯留室135の反対側である気体流通部141内の気体を吸引することによって、気体流通部141内の圧力を液体流路130及び第3液体貯留室135内の圧力未満に調整する。圧力調節機構142によって吸引された気体は、外部へと排出される。液体流路130及び第3液体貯留室135内の圧力より気体流通部141内の圧力が小さい場合には、液体流路130及び第3液体貯留室135内の気体の気体流通部141側への移動を促進できる。これにより、液体流路130及び第3液体貯留室135内の気体の排出が効率的に行われ、液体流路130及び第3液体貯留室135内の気泡が除去される。このため、液体流路130からヘッド150への気泡の流入が抑制されるため、ヘッド150内に流入した気泡に起因する液体の吐出不良などの不具合の発生が抑制される。なお、気泡の発生は、例えば以下のような要因によって生じ得る。例えば、ヘッドユニット12の温度上昇や環境温度の変化によって液体に溶存していた気体が析出することで気泡が発生する。また例えば、液体供給源30の着脱による液体流路130内への気体の混入や、ピエゾアクチュエーターから生じる超音波によるキャビテーション気泡の発生によって気泡が発生する。なお、脱泡機構140は、圧力調節機構142による気体の吸引を常時行っていてもよく、また間欠的に行っていてもよい。本実施形態において、脱泡機構140は、液体吐出装置1の電源が入れられてから電源が切られる間、圧力調節機構142による気体の吸引を常時実行している。これにより、気体の吸引を間欠的に実行する場合と比べて、ヘッド150への気泡の流入をより抑制できる。
供給流路131は、流路構造体100における流路構造の最上流側に位置する。供給流路131は、液体導入針部122を介して液体供給源30に連通状態で接続されている。第3液体貯留室135は、流路構造体100における流路構造の最下流側に位置する。第3液体貯留室135には、ヘッド150が連通状態で接続されている。第3液体貯留室135とヘッド150とは、途中にフィルターが配置されることなく直接に接続されている。本実施形態において、流路構造体100の本体部は、ポリプロピレン(PP)等の撥液性を有さない樹脂によって形成されている。ここで、部材における撥液性の有無は、滴下法を用いて判断される。滴下法では、評価対象である固定表面に液体を1滴だけ落とし、固体表面と液体表面とのなす角である接触角に応じて撥液性(親水性)を評価する。接触角は、液体の自由表面と固体表面の表面とが接する場所における、液面と固体表面とがなす角度である。本実施形態では、部材と液体との接触角度が70度以上である場合には部材は撥液性を有し、接触角度が70度未満の場合には部材は撥液性を有さない。流路構造が撥液性を有さない樹脂によって構成されている場合には、流路構造が撥液性を有する樹脂によって構成されている場合と比べて、流路構造体100における液体の充填性が向上する。また、流路構造を構成する樹脂は、接触角度が40度以下の樹脂であることが好ましい。この場合には、流路構造体100における液体の充填性がより向上する。
第1液体貯留室132は、供給流路131を介して流入する液体を一時的に貯留する。第1液体貯留室132は、天壁から鉛直上方向側に延びる気体貯留室133を有している。気体貯留室133は、液体とともに流入した気体(例えば空気)を貯留する。気体貯留室133は、気体透過膜202を介して気体流通部141に連通状態で接続されている。第1液体貯留室132に流入した気体は、浮力により鉛直上方向側(+Z方向側)に移動する。第1液体貯留室132の鉛直上方向(+Z方向)に移動した気泡は、気体貯留室133内に移動した後に、気体透過膜202を介して気体流通部141へと移動することにより、液体流路130内から外部へと排出される。第1液体貯留室132は、フィルター210を介して第2液体貯留室134と接続されている。
フィルター210は、例えば、多孔質の金属部材である。フィルター210は、液体中の気泡や異物を捕捉することで、第1液体貯留室132から第2液体貯留室134への気泡や異物の移動を低減する。これにより、供給流路131を通って第1液体貯留室132に気泡や異物が流入した場合であっても、第1液体貯留室132よりも下流側に気泡や異物が流出することを抑制できる。
第2液体貯留室134は、液体を貯留する内部空間を有する。液体は、第2液体貯留室134内に貯留された後に、接続流路1342を介して第3液体貯留室135へと流入する。
第3液体貯留室135は、液体貯留部136と気体貯留部137とを有する。第3液体貯留室135は、略四角錐台形状の内部空間を区画する。液体貯留部136は、液体が収容されている領域であり、第3液体貯留室135のうち、液面より下側の領域である。気体貯留部137は、気体を収容している領域である。第3液体貯留室135は、水平方向における第3液体貯留室135の断面積が鉛直上方向側(+Z方向側)に向かうにつれて小さくなる略四角錐台形状の内部空間を形成する。なお、第3液体貯留室135の内部空間は、略四角錐台形状に限定されず、例えば、略円錐台形状であってもよい。
第3液体貯留室135は、天壁Tsと、側壁Ssと、底壁Bsと、天壁Tsに配置され気体のみを選択的に透過する気体透過膜204と、を有する。第3液体貯留室135は、気体透過膜204を介して気体流通部141に接続されている。第3液体貯留室135の側壁Ssには、接続流路1342の下流端である流入口部1344が形成されている。流入口部1344は、液体流路130内の液体を第3液体貯留室135に流入させる開口部である。本実施形態において、流入口部1344は、側壁Ssのうち高さ方向の中央よりも上側に形成されている。第3液体貯留室135の側壁Ssは、液体の濡れ広がりを抑制する抑制構造138を有している。底壁Bsは、天壁Tsと対向し、ヘッド150が接続されている。本実施形態において、抑制構造138は、第3液体貯留室135の側壁Ssが鉛直方向に対して傾斜する構造であり、側壁Ss全体が傾斜した構造である。具体的には、一方の側壁Ssは、鉛直上方向側(本実施形態においては、気体透過膜204側)に向かうにつれて対向する他方の側壁Ssとの距離が小さくなるように傾斜している。このため、第3液体貯留室135は、傾斜壁である側壁Ssによって鉛直方向上側(+Z方向側)に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー室を形成している。本実施形態において、気体透過膜204は、天壁Tsに配置されているため、第3液体貯留室135内における液面の高さが変動する場合であっても、気体透過膜204が液面の下側に位置することがない。なお、天壁とは、内部空間を区画する複数の壁のうち内部空間に対して鉛直方向上側に位置する壁であり、天面を規定する壁である。例えば、天壁Tsは、第3液体貯留室135の内部空間に対して上側に位置する壁であり、第3液体貯留室135の天面を規定する壁である。また、底壁とは、内部空間を区画する複数の壁のうち内部空間に対して鉛直方向下側に位置する壁であり、底面を規定する壁である。例えば、底壁Bsは、第3液体貯留室135の内部空間に対して下側に位置する壁であり、第3液体貯留室135の底面を規定する壁である。
第3液体貯留室135に流入した、もしくは、第3液体貯留室135において発生した気体は、浮力により鉛直上方向側に移動する。第3液体貯留室135の鉛直上方向(+Z方向)に移動した気泡は、気体貯留部137内に移動した後に、気体透過膜204を介して気体流通部141へと移動することにより、液体流路130内から外部へと排出される。フィルター210の下流側に気泡を除去する機構(気体透過膜204、脱泡機構140)を有することにより、ヘッド150への気泡の流入をより低減することができる。
図3は、第1実施形態における第3液体貯留室135に備えられた抑制構造138の機能を説明するための図である。図3は、図2に示された破線Aによって囲まれた領域の拡大図である。第3液体貯留室135は、液体貯留部136と気体貯留部137とを有することにより、気液界面が生じている。ここで、気液界面では、側壁Ssと液体の相互作用によって液体が側壁Ssを這い上がり、液体が側壁Ssに沿って広がる濡れ広がりが生じる場合がある。この場合には、液面が凹状に湾曲するメニスカスが生じる。
ここで、抑制構造138としての側壁Ss(詳細には、側壁Ssの内表面)と、Z軸方向とが成す角度のうち鋭角側の角度θの大きさは、10度以上45度以下の範囲の大きさであることが好ましい。この場合には、側壁Ssが概ね垂直(例えば角度θが0度以上10度未満の大きさ)である場合や、鉛直下方向側(−Z方向)に向かうにつれて第3液体貯留室135の断面積が小さくなる場合、と比べて、濡れ広がりを重力の作用によって抑制することが可能である。また、角度θの大きさは、10度以上20度未満の範囲の大きさであることがより好ましい。この場合には、濡れ広がりの抑制に加えて、角度θが20度以上である場合と比べて、第3液体貯留室135の容積を大きくできる。
A3.比較例との比較
図4は、比較例に係る第3液体貯留室435を説明するための第1の模式図である。図5は、比較例に係る第3液体貯留室435を説明するための第2の模式図である。図6は、比較例に係る第3液体貯留室435を説明するための第3の模式図である。比較例に係る流路構造体400は、第3液体貯留室435が抑制構造を有していない点で、第1実施形態における流路構造体100と異なる。具体的には、壁面の傾斜がない。
図4に示すように、側壁ssは、鉛直方向に沿って延びており抑制構造を有していない。このため、比較例では、第1実施形態と比べて、第3液体貯留室435において発生する濡れ広がりが生じる濡れ広がり領域が大きい。濡れ広がり領域では、液体の体積に比して表面積が大きい。ここで、第3液体貯留室135、435は気体透過膜204を介して外部と連通しているため、気体貯留部137内の水蒸気量は飽和水蒸気量に到達していない場合がある。この場合には、第3液体貯留室135、435内の液体の水分が蒸発する。比較例では、第1実施形態と比べて、液体の体積に比して表面積が大きい濡れ広がり領域が大きいため、濡れ広がり領域における水分の蒸発速度が大きい。したがって、比較例では、第1実施形態と比べて、液体の粘度の増加が発生しやすい。このため、図5に示すように、比較例では、液体の粘度の増加によって液体が異物化する場合がある。液体の粘度の増加によって生じる異物は、例えば、液体中の樹脂である。図6に示すように、液面が上昇した場合に、異物は側壁ssから剥がれて液体中に移動する場合がある。ここで、図6では、破線によって上昇前の液面(図4及び図5における液面)の位置を示している。なお、液面の変動が生じる場合には、例えば、初期充填時に液面が上昇する場合や、キャリッジ19(図1)の移動による波立ちが発生した場合や、液体供給源30内の液体残量の低下し液体供給量の低下することによって液面が降下する場合や、ノズル152側から液体を吸引するチョーク吸引によって液面が降下する場合がある。異物が側壁ssから剥がれて液体中に移動した場合には、異物がノズル152側へ移動することによって吐出不良が発生する恐れがある。
以上説明した第1実施形態によれば、第3液体貯留室135の側壁Ssは、液体が側壁Ssに沿って広がる濡れ広がりを抑制する抑制構造138を有するので、濡れ広がりを抑制することができる。このため、液面の他の領域と比べて乾燥しやすい側壁Ssに沿って広がった領域を小さくできる。したがって、液体が側壁Ssを這い上がった場合における、液体の一部が乾燥によって増粘し、固化や異物化することを抑制できる。
また第1実施形態によれば、水分の蒸発が速い速乾性のインクや水分が蒸発することによって異物化しやすい樹脂等の固形成分を含むインクを使用した場合であっても、抑制構造138によって液体の異物化を抑制できるので、吐出不良の発生を抑制できる。したがって、濡れ広がりを抑制する構造を有さない場合と比べて、利用可能なインクの自由度が向上する。さらに、インク中に含まれる顔料成分、樹脂等の固形分の重量比率が10%以上のインクにおいては、乾燥による固化物の発生が生じやすいため、更に流路構造体100による固化や異物化の抑制効果が顕著なものとなる。
また第1実施形態によれば、抑制構造138は、側壁Ssが傾斜することで構成されている。これにより、流路構造体100を製造する場合において、流路構造体100を成形した後に、表面処理等の別の工程を要せずに抑制構造138を形成することができる。このため、流路構造体100を製造する場合において、流路構造体100を成形した後に、別の工程を要する場合と比べて、安価に濡れ広がり抑制を行うことが可能である。
B.第2実施形態
図7は、第1実施形態における流路構造体500の模式図である。第2実施形態における流路構造体500は、側壁Ssの内表面の一部に撥液構造539が形成されている点と、側壁Ssが傾斜しておらず鉛直方向に沿って延びる点で第1実施形態の流路構造体100と異なる。この撥液構造539が形成された内表面が抑制構造538として機能する。以下では、第1実施形態の構成と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態において、撥液構造539は、側壁Ssの内表面に形成された微細な凹凸を有する。この微細な凹凸の大きさは、ロータス効果を生じさせる程度の大きさである、凹凸の大きさは、算術平均粗さ(JIS B06012001)に基づいて判断される。具体的には、実施形態において、微細な凹凸は、算術平均粗さが0.1μm以上0.9μm以下になるように形成されている。この場合には、抑制構造538は、ロータス効果による撥液性を有する。撥液性は、液体との接触角度が70度以上であることが好ましい。この場合には、抑制構造538による液体の濡れ広がりを抑制が可能である。また、撥液性は、液体との接触角度が80度以上であることがより好ましい。この場合には、液体の濡れ広がりをより抑制できる。なお、ロータス効果による撥水性を発揮することが可能な算術平均粗さは、液体と側壁Ssに用いられる物質によって変化する。微細な凹凸は、例えば、微細な凹凸を形成可能な金型を用いて第3液体貯留室535を形成することによって形成される。また、第3液体貯留室535の形成後に、側壁Ssに局所レーザー照射することによって微細な凹凸を形成してもよい。
本実施形態において、抑制構造538は、側壁Ssの一部に形成されている。具体的には、第3液体貯留室535の側壁Ssのうち高さ方向における中央から天壁Tsまでの範囲に連続的に設けられている。本実施形態において、側壁Ssの一部に撥液処理が施されているため、撥液処理が側壁Ssの全体に施されている場合と比べて、第3液体貯留室535における液体の充填性を向上できる。
以上説明した第2実施形態によれば、抑制構造538は、側壁Ssの内表面に凹凸を形成することで構成されている。これにより、抑制構造538として側壁Ssとは異なる部材を用いる必要が無いため、別部材を用いて撥液構造539を形成する場合と比べて、安価に抑制構造538を形成できる。
また、第1実施形態と同様に、抑制構造538を有するため、液体が側壁Ssを這い上がった場合における、液体の一部が乾燥によって増粘し、固化や異物化することを抑制できる。
C.第3実施形態
図8は、第3実施形態における流路構造体600の模式図である。第3実施形態における流路構造体600は、第3液体貯留室635の側壁Ssが第1実施形態と同様に傾斜し、かつ、側壁Ssの内表面の一部に撥液処理(微細な凹凸)が施された撥液構造639を有する点において、第1実施形態及び第2実施形態における流路構造体100、500と異なる。以下では、第1実施形態及び第2実施形態の構成と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。側壁Ssの全体が抑制構造638として機能する。また、側壁Ssのうち撥液構造639を有する領域は、より高い撥液性を有している。
以上説明した第3実施形態によれば、抑制構造638は重力による作用と撥液構造639の両方によって濡れ広がりを抑制するため、一方のみを用いる抑制構造と比べて、より濡れ広がりを抑制できる。
また、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、抑制構造638を有するため、液体が側壁Ssを這い上がった場合における、液体の一部が乾燥によって異物化することを抑制できる。
D.他の実施形態
D1.第1の他の実施形態
第1実施形態において、抑制構造138は側壁Ssの全体が傾斜することで形成されているが、これに限定されない。例えば、第3液体貯留室135は、側壁Ssの一部が傾斜、つまり、側壁Ssの一部が抑制構造138を有するテーパー室の構造を有していてもよい。この場合であっても、抑制構造を有していない場合と比べて、液体が側壁Ssを這い上がった場合における、液体の一部が乾燥によって異物化することを抑制できる。
D2.第2の他の実施形態
第2実施形態及び第3実施形態において、撥液構造539、639として側壁Ssに凹凸が形成されているが、撥液構造539、639に代えて、または、撥液構造539、639に加えて撥液層を側壁Ssの内表面に形成することで抑制構造538、638を形成してもよい。例えば、側壁Ssの内表面に撥液性を有する部材を用いてコーティングを行ってもよい。また、第3液体貯留室535、635の側壁Ssの一部に撥液性を有する部材によって形成された撥液層を有していてもよい。この場合には、撥液層は、例えば、撥液性を有するフィルムを第3液体貯留室535、635にインサートモールド成形することによって形成れる。撥液性を有する部材には、ポリエチレンテレフタラート(PET)やフッ化炭素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))やシリコーン系樹脂(例えば、FORM BAN MS−575(Ultra Additives Inc.製))を用いることが可能である。この場合には、液体に対して高い撥水性が期待できる部材を撥液層に用いることができる。また、側壁Ssの内表面に塗布して撥液層を形成するものとしては、例えば、以下に記載のものを用いることができる。
・フロロサーフFG5010(フロロテクノロジー社製)(フロロサーフは登録商標。以下同様)
・フロロサーフFG5020(フロロテクノロジー社製)
・フロロサーフFG5060(フロロテクノロジー社製)
・フロロサーフFG5070(フロロテクノロジー社製)
・オプツールDSX(ダイキン工業株式会社製)(オプツールは登録商標。)
・krytoxFSL(Dupont社製)(krytoxは登録商標。以下同様)
・krytoxFSH(Dupont社製)
・FomblinZ(ソルベイソレクシス社製)(Fomblinは登録商標)
・FLUOROLINKS10(ソルベイソレクシス社製)(FLUOROLINKは登録商標。以下同様)
・FLUOROLINKC10(ソルベイソレクシス社製)
・モレスコホスファロールA20H((株)松村石油研究所製)
・モレスコホスファロールADOH((株)松村石油研究所製)
・モレスコホスファロールDDOH((株)松村石油研究所製)
D3.第3の他の実施形態
流路構造体100は、ヘッド150に一体化されていなくてもよい。つまり、流路構造体100は、ヘッド150に着脱可能であってよい。また、流路構造体100は、3つ以上のヘッド150と接続されていてもよく、1つのヘッド150のみと接続されていてもよい。また、ヘッド150は、ピエゾ方式のヘッドに限定されず、例えば、サーマル方式のヘッドであってもよい。流路構造体100は、ヘッドユニット12に備えられていなくてもよい。例えば、液体吐出装置1がサブタンクを備えている場合には、サブタンクに備えられていてもよい。
D4.第4の他の実施形態
上記実施形態において、圧力調節機構142は、第3液体貯留室135、535、635内の液面の高さの変動を抑制可能であるように、吸引の程度を調整する調節機構としての機能を有していてもよい。例えば、チョーク吸引によって第3液体貯留室135、535、635内の液体量が急激に減少する場合には、吸引の程度をより強くして、気体流通部141内の圧力をより小さい圧力にする。これにより、液体流路130からより多くの液体が流入するため、第3液体貯留室135、535、635における液面の変動を低減できる。この場合には、液面の高さの変動を抑制できるため、第3液体貯留室135、535、635において異物が生じた場合であっても、側壁Ssに付着した異物の脱落を抑制できる。また、調節機構としての機能は、圧力調節機構142以外の構成によって実現されていてもよい。例えば、チョーク吸引によって第3液体貯留室135、535、635内における液体量が変動する場合には、液体供給源30からの液体の供給量を増加させることによって、調節手段として機能を実現してもよい。液体の供給量の増加は、例えば、供給流路131の途中に加圧ポンプを設け、この加圧ポンプによって実行されてもよい。
D5.第5の他の実施形態
抑制構造138、538、638は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、第1実施形態において、抑制構造138は、底壁Bsから気体透過膜204(第1実施形態において天壁Ts)までの範囲で連続的に設けられているが、これに限定されない。例えば、側壁Ssのうち高さ方向における中央より下側は鉛直方向に延び、少なくとも側壁Ssのうちで中央から気体透過膜204に至るまで連続的に傾斜する抑制構造138を有してもよい。この場合であっても、側壁Ssのうちで少なくとも中央から気体透過膜204に至るまでの範囲において液体の濡れ広がりを抑制することができる。また、側壁Ss全体が傾斜している場合と比べて、第3液体貯留室135内の容積を大きくすることができる。また例えば、抑制構造138は、高さ方向において、側壁Ssのうちで流入口部1344の上側周縁部1352(図2)から気体透過膜204に至るまで連続的に形成されていてもよい。この場合には、流入口部1344から流入する液体が流れる側である流入口部1344の下側に比べて乾燥しやすい流入口部1344の上側周縁部1352から気体透過膜204に至るまの範囲において、液体の濡れ広がりを抑制することができる。また、この場合であっても、側壁Ss全体が傾斜している場合と比べて、第3液体貯留室135内の容積を大きくすることができる。また、抑制構造138は、気体透過膜204に至るまで形成されていなくてもよい。例えば、側壁Ssのうち気体透過膜204に至る途中にのみ抑制構造138が形成されていてもよい。この場合であっても、側壁Ssのうち抑制構造138が設けられている範囲において、液体の濡れ広がりを抑制することができる。
また例えば、第2実施形態において、側壁Ssは、側壁Ssのうちで高さ方向における中央から気体透過膜204(第2実施形態において天壁Ts)に至るまで連続的に撥液構造539が設けられた抑制構造538を有するが、これに限定されない。例えば、側壁Ssのうちで高さ方向における中央より下側から気体透過膜204に至るまで連続的に撥液構造539が設けられた抑制構造538を有してもよい。この場合には、側壁Ssのうちより広い範囲において、液体の濡れ広がりを抑制することができる。また例えば、抑制構造538は、側壁Ssのうちで流入口部1344の上側周縁部1352(図7)から気体透過膜204に至るまで連続的に形成されていてもよい。また、抑制構造538は、気体透過膜204に至るまで形成されていなくてもよい。例えば、側壁Ssのうち気体透過膜204に至る途中にのみ抑制構造538が形成されていてもよい。抑制構造538を設ける範囲を小さくすることにより、表面処理に要する費用を低減できる。なお、第2の他の実施形態における撥液層の形成位置についても同様である。例えば、側壁Ssのうちで高さ方向における中央より下側から気体透過膜204に至るまで連続的に撥液層が設けられた抑制構造538を有してもよい。
また例えば、第3実施形態において、抑制構造638は、底壁Bsから気体透過膜204(第3実施形態において天壁Ts)までの範囲で連続的に設けられているが、これに限定されない。例えば、第1実施形態の場合と同様に、側壁Ssの一部に抑制構造638が設けられていてもよい。また、抑制構造638は、側壁Ssのうちで高さ方向における中央から気体透過膜204に至るまで連続的に撥液構造639が設けられているが、これに限定されない。例えば、第2実施形態の場合と同様に、側壁Ssのうちより広い範囲に撥液構造639が設けられていてもよく、また、側壁Ssのうちより狭い範囲に撥液構造639が設けられていてもよい。なお、第2の他の実施形態における撥液層の形成位置についても同様である。例えば、側壁Ssのうちで高さ方向における中央より下側から気体透過膜204に至るまで連続的に撥液層が設けられた抑制構造638を有してもよい。
D6.第6の他の実施形態
上記実施形態において、第3液体貯留室135、535、635と接続流路1342とを接続する流入口部1344は、側壁Ssの高さ方向における中央より上側に設けられているが、これに限定されない。例えば、側壁Ssの高さ方向における中央より下側に設けられていてもよい。また、流入口部1344は、天壁Tsに設けられていてもよい。
D7.第7の他の実施形態
上記実施形態において、流路構造体100、500、600は、圧力調節機構142を備えているが、これに限定されない。例えば、液体供給源30を高い位置に設けることによって液体に付与される圧力を利用して液体流路130内の圧力を正圧にすることによって、気体流通部141内の圧力より高い圧力にしてもよい。この場合であっても、液体流路130側から気体流通部141側への気体の移動が促進される。
D8.第8の他の実施形態
上記実施形態において、液体吐出装置1は、印刷媒体20を加熱し、印刷媒体20に吐出された液体の乾燥を促進する加熱機構を備えていてもよい。この場合には、印刷における液体の乾燥に要する時間を低減できる。また、液体吐出装置1は、抑制構造138、538、638を有するため、加熱機構によって生じる熱によりヘッドユニット12が昇温され、流路構造体100、500、600内における液体の蒸発量が増加した場合であっても、液体の固化や異物化を抑制できる。
D9.第9の他の実施形態
上記実施形態において、流路構造体100、500、600は、第3液体貯留室135、535、635の上流側に1つのフィルター210が配置されているが、これに限定されない。流路構造体100、500、600は、2以上にフィルター210を有していてもよい。また、流路構造体100、500、600は、フィルター210を有していなくてもよい。フィルター210が設けられる位置は、第3液体貯留室135、535、635の上流側に限定されず、下流側に設けられていてもよい。
D10.第10の他の実施形態
上記実施形態において、気体透過膜204は、第3液体貯留室135、535、635の天壁Tsに配置されているが、これに限定されない。例えば、気体透過膜204は、側壁Ssに配置されていてもよい。なお、気体透過膜204は、側壁Ssのうち天壁Ts側に配置されていることが好ましい。気体透過膜204が側壁Ssのうち天壁Ts側に配置されている場合には、第3液体貯留室135内における液面が上昇した場合においても、気体透過膜204が液面の下側に位置する可能性を低減できる。また、気体透過膜204は、天壁Tsに直接設けられているが、これに限定されない。例えば、第3液体貯留室135は、さらに、天壁Tsの一部から鉛直上方向側に延びる内部空間を形成する気体貯留室を備え、この気体貯留室の天壁もしくは側壁に気体透過膜204が配置されていてもよい。つまり、第3液体貯留室135の天壁Tsには、気体貯留室を介して気体透過膜204が配置されていてもよい。この場合には、第3液体貯留室135における液面と気体透過膜204との距離を大きくすることによって、気体透過膜204に液体が付着する可能性を低減できる。
D11.第11の他の実施形態
本開示は、インクを吐出する液体吐出装置に限らず、インク以外の他の液体を吐出する任意の液体吐出装置にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体吐出装置に本開示は適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置。
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材吐出装置。
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出する液体吐出装置。
(5)精密ピペットとしての試料吐出装置。
(6)潤滑油の吐出装置。
(7)樹脂液の吐出装置。
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置。
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置。
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を吐出する液体吐出装置。
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置。
なお、「液滴」とは、液体吐出装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体吐出装置が消費できるような材料であればよい。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。液体の代表的な例としてはインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…液体吐出装置、10…外殻、11…装着部、12…ヘッドユニット、17…制御部、19…キャリッジ、20…印刷媒体、30…液体供給源、100、400、500、600…流路構造体、122…液体導入針部、130…液体流路、131…供給流路、132…第1液体貯留室、133…気体貯留室、134…第2液体貯留室、135、435、535、635…第3液体貯留室、136…液体貯留部、137…気体貯留部、138、538、638…抑制構造、140…脱泡機構、141…気体流通部、142…圧力調節機構、150…ヘッド、151…本体部、152…ノズル、202、204…気体透過膜、210…フィルター、539、639…撥液構造、1342…接続流路、1344…流入口部、1352…上側周縁部、Bs…底壁、Ss、ss…側壁、Ts…天壁

Claims (12)

  1. 流路構造体であって、
    液体を流通させるための液体流路と、
    気体透過膜と、側壁とを有し、前記液体流路と接続され、前記液体流路から流入する前記液体を貯留する液体貯留室と、を備え、
    前記気体透過膜は、気体を透過させ、かつ、前記液体貯留室内と外部とを連通させ、
    前記側壁の少なくとも一部は、前記液体が前記側壁に沿って広がる濡れ広がりを抑制する抑制構造を有する、流路構造体。
  2. 請求項1に記載の流路構造体であって、
    前記抑制構造は、前記側壁の内表面に形成された撥液層を有する、流路構造体。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の流路構造体であって、
    前記抑制構造は、前記側壁の内表面に形成され、ロータス効果によって撥液を生じさせる微細な凹凸を有する、流路構造体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の流路構造体であって、
    前記抑制構造は、前記側壁の少なくとも一部を構成し、鉛直方向に対して傾斜する傾斜壁を有し、
    前記液体貯留室は、前記傾斜壁によって鉛直方向上側に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー室を有する、流路構造体。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の流路構造体であって、
    前記抑制構造は、前記側壁のうちで少なくとも前記液体貯留室の高さ方向における中央よりも上側に形成されている、流路構造体。
  6. 請求項5に記載の流路構造体であって、
    前記抑制構造は、前記側壁のうちで少なくとも前記中央から前記気体透過膜に至るまで連続的に形成されている、流路構造体。
  7. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の流路構造体であって、
    前記液体流路は、前記側壁に形成され前記液体流路の前記液体を前記液体貯留室に流入させる流入口部を有し、
    前記抑制構造は、前記側壁のうちで少なくとも前記流入口部よりも上側に形成されている、流路構造体。
  8. 請求項7に記載の流路構造体であって、
    前記抑制構造は、前記液体貯留室の高さ方向において、前記側壁のうちで少なくとも前記流入口部の上側周縁部から前記気体透過膜に至るまで連続的に形成されている、流路構造体。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の流路構造体であって、さらに、
    前記液体貯留室内の液面の変動を低減する調節機構を備える、流路構造体。
  10. 請求項9に記載の流路構造体であって
    前記調節機構は、前記液体貯留室内の液体が消費される場合に、前記気体透過膜を挟んで前記液体貯留室とは反対側から前記液体貯留室の気体を吸引する、流路構造体。
  11. 液体吐出装置であって、
    請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の流路構造体と、
    前記流路構造体から流通する前記液体を吐出するためのノズルと、を備える、液体吐出装置。
  12. 請求項11に記載の液体吐出装置であって、
    前記液体流路は、前記液体中の異物を捕捉するフィルターを有する、液体吐出装置。
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