JP2019130592A - ローラレベラによる鋼板の矯正方法 - Google Patents

ローラレベラによる鋼板の矯正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロールのクラウニング機構が備えられていない旧型のローラレベラにおいても、レベリングロールの偏摩耗による鋼板の矯正不足を抑制でき、鋼板に対する矯正効果を向上できるローラレベラによる鋼板の矯正方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のローラレベラによる鋼板の矯正方法は、パスラインに沿って上下に千鳥状に配置される複数のレベリングロールを有するローラレベラによる鋼板の矯正方法であって、上記レベリングロールの軸方向端部の非摩耗部を基準にレベリングロール開度の零点を調整する工程と、通板される鋼板の鋼板幅における上記レベリングロール平均摩耗量に基づいて上記レベリングロールの圧下量を設定する工程とを備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼板等金属板又は金属帯の形状を矯正するために用いるローラレベラによる鋼板の矯正方法に関する。
近年、厚鋼板の自動切断や自動溶接の普及に伴い、厚鋼板の平坦度に対する要求は高まりつつある。一方、厚鋼板の製造プロセスには材質特性向上のための制御圧延や加速冷却等の技術が組み合わされており、平坦度の悪化や残留応力による切断加工後の形状不良が生じやすい。このような平坦度不良や残留応力に対し、熱間圧延機や加速冷却装置の下流側に配置されたローラレベラによる熱間矯正が一般的に施されている。
ローラレベラのロール、特に鋼板と直接接触するレベリングロールは、矯正処理量の増大に伴い磨耗するため、ローラレベラにおけるロール開度も経時変化する。具体的にはロールの摩耗が進むと実際のロール開度が大きく、すなわち鋼板のロール圧下量が小さくなり、矯正に必要な曲げを十分付与することが次第に出来なくなるため、矯正不足が生じやすくなる。
上記課題に対し、従来技術では設備的にレベリングロールを軸方向(レベリングロールの胴長方向)に撓ませるクラウニング機構を備えることで偏摩耗の影響を低減する方法が一般的である(特開2015−123460号公報参照)。
特開2015−123460号公報
しかしながら、厚板工場では古くから稼働している設備も多く存在し、旧型設備ではクラウニング機構が備えられていない型式もあるため、従来技術の適用は容易ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ロールのクラウニング機構が備えられていない旧型のローラレベラにおいても、レベリングロールの偏摩耗による鋼板の矯正不足を抑制でき、鋼板に対する矯正効果を向上できるローラレベラによる鋼板の矯正方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、パスラインに沿って上下に千鳥状に配置される複数のレベリングロールを有するローラレベラによる鋼板の矯正方法であって、上記レベリングロールの軸方向端部の非摩耗部を基準にレベリングロール開度の零点を調整する工程と、通板される鋼板の鋼板幅における上記レベリングロールの平均摩耗量に基づいて上記レベリングロールの圧下量を設定する工程とを備えるローラレベラによる鋼板の矯正方法である。
鋼板等金属板又は金属帯の形状を矯正するために用いるローラレベラによる鋼板の矯正方法において、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法は、これらの工程を備えることで、ロールのクラウニング機構が備えられていない旧型のローラレベラにおいても、レベリングロールの偏摩耗による鋼板の矯正不足を抑制でき、鋼板に対する矯正効果を向上できる。上記レベリングロール開度の零点を調整する工程によれば、レベリングロールの軸方向端部の非摩耗部を基準にレベリングロール開度の零点を調整するので、基準が常に一定し、ロール開度の零点を正確に調整できる。さらに、上記レベリングロールの圧下量を設定する工程によれば、ロールのクラウニング機構の備わらない旧型のローラレベラにおいてもロールの摩耗度合いと矯正対象である鋼板の幅とをそれぞれ考慮した適切な圧下量設定値とすることができ、レベリングロールの軸方向の偏摩耗により生じる特に幅の狭い鋼板の矯正不足に対し、磨耗前のレベリングロールと同等の矯正が可能となる。その結果、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法は、ロールのクラウニング機構の備わらない旧型のローラレベラにおいてもロールの摩耗度合いと矯正対象である鋼板の幅をそれぞれ考慮した適切な圧下量設定値とすることができる。
上記平均摩耗量としては、上記ローラレベラの積算通板量に基づいて上記鋼板幅毎に推測されることが好ましい。当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法の圧下量設定工程において用いられる上記レベリングロールの平均摩耗量が、上記ローラレベラの積算通板量に基づいて上記鋼板幅毎に推測されることで、圧下量設定を簡易かつ的確に実施できる。
上記零点調整工程として、上記パスラインに沿って下に配置される下レベリングロール上に載置した鋼板に、上記パスラインに沿って上に配置される上レベリングロールを圧下させた際のレベリングロール開度と上レベリングロールに加える荷重との関係を取得する工程と、上記取得工程で取得したレベリングロール開度と荷重との関係と、予め上記鋼板から取得されたレベリングロール開度と荷重との関係との比較により、レベリングロール開度の零点調整量を算出する工程とを備えるとよい。このようにレベリングロール開度の零点調整をレベリングロール開度と荷重との関係を用いて行うことで、零点調整工程の効率化を図ることができる。また、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法においては、同一の鋼板を繰り返し用いることができるので、廃材の発生を抑止でき、省資源化が可能となる。
ここで、「上レベリングロールに加える荷重」とは、上レベリングロールを一定のレベリングロール開度に保つために必要な圧下力をいう。上レベリングロールを鋼板に圧下させた際に上レベリングロールが鋼板から反力を受け、上レベリングロールはこの反力に逆らって圧下する必要があるが、上記荷重は、この反力に等しい。
本発明のローラレベラによる鋼板の矯正方法は、ロールのクラウニング機構が備えられていない旧型のローラレベラにおいても、レベリングロールの偏摩耗による鋼板の矯正不足を抑制でき、鋼板に対する矯正効果を向上できる。
本発明の一実施形態に係るローラレベラによる鋼板の矯正方法に用いるローラレベラを模式的に示した側面図である。 レベリングロールの非摩耗部を示す図である。 レベリングロール開度の零点を示す図である。 レベリングロールの軸方向端部からの位置ごとの摩耗の進行の例を示すグラフである。 過去の使用済みレベリングロールの摩耗の状態を表したグラフである。 図1のローラレベラによる鋼板の矯正方法とは異なるローラレベラによる鋼板の矯正方法の零点調整工程に用いるローラレベラを模式的に示した側面図である。 図6のローラレベラを模式的に示した平面図である。 レベリングロール開度と荷重との関係を示すグラフである。 算出工程を説明するためのレベリングロール開度と荷重との関係を示すグラフである。 実施例における通板される鋼板の鋼板幅におけるレベリングロールの平均摩耗量を示すグラフである。 実施例における零点調整工程でのレベリングロール開度と荷重との関係を示すグラフである。
〔第1実施形態〕
以下、本発明のローラレベラによる鋼板の矯正方法の第1実施形態について詳説する。
<ローラレベラによる鋼板の矯正方法>
本発明の一実施形態に係るローラレベラによる鋼板の矯正方法は、パスラインに沿って上下に千鳥状に配置される複数のレベリングロールを有するローラレベラによる鋼板の矯正方法である。当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法は、レベリングロール開度の零点を調整する工程と、上記レベリングロールの圧下量を設定する工程とを備える。当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法がこれらの工程を備えることにより、レベリングロールの軸方向の偏摩耗により生じる特に幅の狭い鋼板の矯正不足に対し、ロールのクラウニング機構の備わらない旧型のローラレベラにおいても鋼板に対する矯正効果を向上できる。
一般に、厚鋼板は、熱間圧延機の下流側に配設されたローラレベラ等で形状矯正を施すことが行われている。具体的には、上下段のレベリングロール群間に厚鋼板を通過させ、厚鋼板に降伏応力を超える荷重を加えて繰り返し曲げを付与することで、厚鋼板の歪を除去するとともに、残留応力を極力小さくしようとするものである。図1は、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法に用いる一般的なローラレベラを模式的に示した側面図である。ローラレベラは、パスラインに沿って上下に千鳥状に配置される複数の上レベリングロール2a及び下レベリングロール2bを有する。鋼板1は、複数の上レベリングロール2a及び下レベリングロール2bに挟み込まれながら通板される。上レベリングロール2aは、図示しない圧下装置から伝達された圧下力Pを鋼板1の幅方向に渡って与えることにより、鋼板1に変形を与え、鋼板1の平坦度を向上させる。
以下、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法の各工程について説明する。
[零点調整工程]
零点調整工程は、上記レベリングロール(以下、「ロール」とも称する。)の軸方向端部の非摩耗部を基準にレベリングロール開度の零点を調整する。本工程は、ローラレベラの上下レベリングロールの鋼板との接触がない非摩耗部を基準にロール開度の零点を調整するので、基準が常に一定し、ロール開度の零点を正確に調整できる。ここで、「ロール開度」とは、上ロール群の下端を結ぶ面と下ロール群の上端を結ぶ面との間の距離のことをいう。
(レベリングロール開度の零点)
ローラレベラは、基本的に上下一対のワークロールから成る圧延機とは異なり、上下それぞれに複数の一体化されたロール群が存在する。また、通板の際にはローラレベラの入側と出側とでロール位置が異なり、鋼板に対するロールの圧下量は、通常、入側>出側である。従って、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法においては、「ロール開度の零点」として、上下それぞれのロール群を水平とした状態で、各上ロールの下端と各下ロールの上端とが同じ高さとなる位置を「零点」と定義する。
(レベリングロール開度の零点の調整)
一般に、鋼板の矯正に使用するロールのうち、特に鋼板と直接接触するレベリングロールは鋼板通板部に相当する部分のみが摩耗する。したがって、レベリングロールの軸方向の両端部には、鋼板と接触せず全く摩耗しない部分が生じる。つまり、ロールの摩耗が進行すると、前述の「上ロール群の下端」と「下ロールの上端」はロールの軸方向において一定では無くなる。
図2は、上下レベリングロールの非摩耗部を示す図である。また、図3は、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法におけるレベリングロール開度の零点を示す図である。図2の一点鎖線は、上レベリングロール2a、下レベリングロール2b及び鋼板1の中心線4を示す。図2及び図3の矢印Wは、レベリングロールの軸方向(胴長方向)を表す。図3の破線は、レベリングロール開度の零点6を示す。図3の摩耗部5が示すように、レベリングロールの磨耗は矯正する鋼板の幅にも影響され、一般的な厚鋼板の生産ラインでは様々な幅の鋼板を製造するため、接触頻度の高いロールの軸方向中央部のロールの摩耗が進行しやすく、レベリングロールは軸方向に偏摩耗する。すなわち、レベリングロールの摩耗が進行するほど、幅の狭い鋼板で矯正不足が生じやすくなることを意味する。また、図3に示すように、レベリングロールの軸方向の両端部には、鋼板と接触せず摩耗が進行しない部分である非摩耗部3が生じる。換言すれば、非摩耗部3は、鋼板との非接触部分に該当する。
ローラレベラにおけるロール開度は、矯正処理量の増大に伴うロールの摩耗によって経時的に変化する。そのため、ロール開度を予め定めた所定の値に設定しても、時間の経過とともに徐々に変化するため、鋼板に対するロール圧下量(以下、「圧下量」ともいう。)も徐々に変化する。そのため、通板毎にロール開度の表示値と実際のロール開度とのずれをチェックし、零点を調整することが必要である。ここで、「ロール圧下量」とは、上記ロール開度を鋼板の板厚以下にしたときのロール開度と板厚との差をいい、上記「レベリングロール開度の零点の調整」とは、実際のロール開度と表示されたロール開度とを一致させることをいう。
当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法では、ロールの摩耗の進行に関わらずロール開度の零点はレベリングロールの軸方向両端部の非摩耗部を基準とし、上記非摩耗部を基準にロール開度の零点を調整する。
レベリングロール開度の零点の調整の具体的な手順は以下の通りである。
(1)上下ロール間を開き、下ロール群の上に金属板を設置する。この金属板には、必ずレベリングロールの軸方向両端部の非摩耗部まで十分接触可能な広幅のものを使用する。また、上ロール群を平行圧下した際に塑性変形せず、かつ弾性変形量も微小にとどまるよう、板厚の十分厚いものとする。
(2)レベリングロールの軸方向両端部の非摩耗部と金属板が接する位置、すなわち金属板の幅方向両端部付近において、金属板の上に上ロール群を平行圧下した際に塑性変形する金属材を設置する。具体的には、例えば圧延機やローラレベラ等のロール間隙測定用として一般的に用いられる純アルミ棒等を用意し、通板方向に沿って設置すればよい。
(3)金属板に接するまで、すなわち金属板の板厚分まで上ロール群を平行圧下した後、ロール開度を拡げ、上記金属材を取りだす。金属材には上ロール群との各接触部に圧痕が残るため、仮に上下レベリングロール群の圧下バランスが崩れていると圧痕の残厚も異なるので判別することができる。これら圧痕の残厚が揃うように上下レベリングロール群の前後(入側と出側)ならびに左右(駆動側と操作側)の位置を調整する。さらに、これら圧痕の残厚がレベリングロールの磨耗によらず同一となるよう調整の上、再度金属材の圧痕残厚を確認し、零点調整を完了する。
[圧下量設定工程]
圧下量設定工程は、通板される鋼板の鋼板幅における上記レベリングロールの平均摩耗量に基づいて上記レベリングロールの圧下量を設定する。具体的には、ローラレベラの上下レベリングロールの非摩耗部を基準にロール開度の零点を調整した上で、各鋼板を通板する際に、予め定められたレベリングロールの圧下量(初期値)に、鋼板幅に応じたレベリングロールの平均摩耗量を加算することで本通板時のレベリングロールの圧下量が設定される。そして、この設定された圧下量の下で、鋼板の通板が行われる。ここで、予め定められたレベリングロールの圧下量(初期値)とは、通常研削加工直後のロール、すなわちロールが摩耗する前の状態において適切な圧下量を指す。予め定められたレベリングロールの圧下量(初期値)は、例えば入側については、一般に鋼板に大きな歪量の曲げを付与し、出側に進むにつれて徐々に低減し、出側では歪量がほぼゼロとなるよう傾斜圧下とする。より具体的には、入側についてはローラレベラで経験上いわれている「平坦度矯正に必要な塑性率(鋼板の板厚方向における塑性曲げ変形率の割合)が80%以上」を確保できる値に設定する。この塑性率は、鋼板の降伏強度等の材質特性と、レベラ側のロール径やロールピッチ、圧下量等から求められる加工曲率とにより矯正理論式にて算出される。また、出側については、一般にロール開度と鋼板の板厚とが等しい値である圧下量をゼロとする。
この予め定められたレベリングロールの圧下量(初期値)のままではロールが摩耗するほど鋼板の矯正不足となるため、通板毎に予め定められたレベリングロールの圧下量(初期値)にロールの摩耗分を加算することにより圧下量を設定する。
レベリングロールの圧下量設定値とは、一般に研削加工直後のロールを指す「ロールの摩耗前」の状態において適切な圧下量設定値を指す。通板する鋼板の幅は様々であるため、基本的に接触頻度の高いレベリングロールの軸方向中央部、すなわち狭幅材から広幅材まで必ず接触する部分のロールの摩耗が進行しやすく、レベリングロールは軸方向に偏摩耗するのが一般的である。従って、この圧下量設定のままではロールが摩耗するほど矯正不足となるため、ロールの摩耗分を補う形で圧下量設定値を増やす。但し、接触頻度の高いロールの軸方向中央部のロールの摩耗が進行しやすく、レベリングロールは軸方向に偏摩耗する。従って、特に幅の狭い鋼板に対して矯正不足が生じやすくなる。このように、通板する鋼板の幅に応じてロールの摩耗の影響度合いは異なるため、通板される鋼板の鋼板幅におけるレベリングロールの平均摩耗量を加算することで、矯正対象である鋼板の幅とロールの摩耗度合いとをそれぞれ考慮した適切な圧下量設定値とすることができる。その結果、磨耗前のレベリングロールと同等の矯正を鋼板に対して行うことができる。
また、通板する鋼板の幅に関わらず、レベリングロールの最も磨耗するロールの軸方向中央部の摩耗量を圧下量設定値に一律追加してしまうと、鋼板幅が拡がるほどロールの摩耗の少ない部分との接触が増加し、全体として圧下過剰となってしまうおそれがある。鋼板幅が拡がるほど矯正荷重等の設備負荷も増加することから、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法によれば、過剰な圧下が抑制されて設備保護を図ることができる。
上記平均摩耗量としては、ローラレベラの積算通板量数に基づいて通板される鋼板の板幅毎に鋼板の通板1本あたりの平均摩耗量が推測されることが好ましい。具体的には、レベリングロールの摩耗量は、通常研削加工直後のロール、すなわちロールが摩耗する前の状態を起点に通板した鋼板の積算通板量で予測することができる。ローラレベラの積算通板量数に基づいて通板される鋼板の板幅毎に鋼板の通板1本あたりの平均摩耗量が推測されることにより、圧下量設定を簡易かつ的確に実施できる。
ここで、積算通板量については、鋼板の積算通板本数、積算通板距離、積算通販重量等に基づいて予測することができる。
例えば鋼板の積算通板本数に基づいて平均摩耗量を予測する場合、この予測方法としては、例えば最初に、該当する鋼板矯正装置において、ロール交換のために取出した全ての使用済みロールの摩耗量を測定する。本実施形態においては、ロールの摩耗量は、未使用のロール径と使用済みロールのロール径とを、レベリングロールの端部からの長手方向となる軸方向端部からの位置ごとに測定する。次に、未使用のロール径と使用済みロールのロール径との差を摩耗量とする。図4は、レベリングロールの端部からの軸方向端部からの位置ごとの摩耗の進行の例を示す図である。図4においては、横軸のレベリングロールの端部からの軸方向端部からの位置(mm)に対して、縦軸に上記未使用のロール径と使用済みロールのロール径との差が摩耗量として示されている。そして、そのロールの使用期間中に通板した本数をもとに、通板1本あたりの平均摩耗量(mm/本、又はμm/本)を求めることで、交換後のロールにおける積算通板本数からロールの摩耗量を推測できる。図5は、上記ローラレベラの過去の使用済みロールの摩耗量を測定し、各レベリングロールの摩耗の状態を表したグラフである。図5のグラフの横軸は、レベリングロールの軸方向の位置をレベリングロールの中央部を0として示したものである。すなわち、図5のグラフの横軸の「0」は、図2に示すレベリングロールの上レベリングロール2a及び下レベリングロール2bの中心線4上の位置に該当する。図5のグラフの縦軸は、そのロールの使用期間中の通板本数が2万本、4万本及び5万本における摩耗量の測定結果を推定摩耗量として示したものである。上述のように、接触頻度の高いロールの軸方向中央部のロールの摩耗が進行しやすく、レベリングロールが軸方向に偏摩耗することが図5に示されている。
当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法においては、積算通板量として最も簡易的な鋼板の積算通板本数(枚数)を用いた場合においても、平均摩耗量の予測精度が0.1mm単位となり、必要十分な精度を得ることができる。また、積算通板量として鋼板の積算通板本数を用いることで、ローラレベラの様々な幅の鋼板が通板する状況に精度よく対応できる。具体的には、例えば上述の使用済みロールの摩耗量の累積データにおいて、通板される鋼板の幅が3000mmであればロールの軸方向中央部から±1500mm以内の位置において矯正装置の全ロールが均一に磨耗したこととし、次に通板される鋼板の幅が4000mmである場合は、ロールの軸方向中央部から±2000mm以内の位置において矯正装置の全ロールが均一に磨耗したこととする。これら2本分の摩耗量のデータを合わせると、ロールの軸方向中央の±1500mm以内の位置では2本通板分の摩耗量のデータとなり、ロールの軸方向中央の±1500〜2000mmの位置では1本通板分の摩耗量のデータとなる。
摩耗量の測定において、ロール径の測定方法として、作業性と精度の両立の観点でノギスの使用が好ましい。ロールの周方向は均一に磨耗するとみなしても精度上問題無く、ロール周方向の測定位置は特に限定されない。また、ロール径の軸方向への測定箇所については、精度確保の上で少なくとも200mm間隔で測定する必要があり、100mm間隔で測定することが好ましい。
上記ローラレベラによる鋼板の矯正効果を得るためには、上ロール群の下端を結ぶ面と下ロール群の上端を結ぶ面との間の距離を、被処理材である鋼板の板厚以下となるようにロールの圧下を設定することが必要であるが、上記ロールの圧下は、入側では鋼板に大きな歪量の曲げを付与し、出側に進むにつれて徐々の低減し、出側では歪量がほぼゼロとなるよう傾斜圧下とするのが一般的である。つまり、レベリングロールが鋼板から受ける荷重である接触面圧も入側から出側にかけて均等ではなく、入側のロールの摩耗の方が進行しやすい。したがって、常に通板方向が一定のローラレベラにおいては、入側ロールと出側ロールとで異なる摩耗量を用いて通板1本あたりの平均摩耗量を推測する必要がある。ただし、厚鋼板を対象とするローラレベラの場合、通板方向が常に一定ではなく、逆転するものも多く存在し、各レベリングロールの磨耗差が小さいために同一とみなせる場合もあるため、設備の使用状況に応じて入側と出側のレベリングロール磨耗量の補正を調整することができる。
なお、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法により、レベリングロールの摩耗の進行に伴う矯正不足を抑制することが可能となるが、一方、レベリングロールは通常偏摩耗していくため、磨耗の進行に伴い通板される鋼板の幅方向への圧下量偏差も拡大していく。圧下量偏差が過大になると、ローラレベラを通板することで逆に鋼板内のひずみ分布を拡大し、平坦度や残留応力を悪化させてしまうおそれがある。従って、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法は、圧下量偏差が過大にならないレベリングロールの磨耗範囲内においてより優れた効果を発揮できる。
当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法によれば、レベリングロールの軸方向の偏摩耗により生じる鋼板に対する矯正不足に対し、ロールのクラウニング機構の備わらない旧型のローラレベラにおいても鋼板に対する矯正効果を向上できる。
<利点>
当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法は、レベリングロールの軸方向の偏摩耗により生じる矯正不足に対し、簡易かつ的確に矯正効果を得ることができるので、厚鋼板の製造プロセスに好適に用いることができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明のローラレベラによる鋼板の矯正方法の第2実施形態について詳説する。
<ローラレベラによる鋼板の矯正方法>
本発明の別の一実施形態に係るローラレベラによる鋼板の矯正方法は、パスラインに沿って上下に千鳥状に配置される複数のレベリングロールを有するローラレベラによる鋼板の矯正方法である。当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法は、上記レベリングロールの軸方向端部の非摩耗部を基準にレベリングロール開度の零点を調整する工程と、通板される鋼板の鋼板幅における上記レベリングロールの平均摩耗量に基づいて上記レベリングロールの圧下量を設定する工程とを備える。
[零点調整工程]
上記零点調整工程は、取得工程と、算出工程とを備える。
<取得工程>
上記取得工程では、図6及び図7に示すように、パスラインに沿って下に配置される下レベリングロール2b上に載置した鋼板7に、パスラインに沿って上に配置される上レベリングロール2aを圧下させた際のレベリングロール開度と上レベリングロール2aに加える荷重との関係を取得する。
(圧下装置)
上記荷重は、図6及び図7に示すように、上レベリングロール2aに圧下装置8から圧下力Pを伝達することで加えられる。通常、上レベリングロール2aは複数本あるが、圧下装置8からの圧下力Pが全ての上レベリングロール2aに伝わるように圧下装置8は構成されることが好ましい。
圧下装置8は上レベリングロール2aの軸方向両端の非摩耗部に配設することが好ましい。零点調整は非摩耗部を基準に行われるうえ、非摩耗部は摩耗部に比べ確実に上レベリングロール2aに接触するので、圧下装置8の配設位置を非摩耗部とすることで、精度良く零点調整を行うことができる。また、圧下装置8の配設位置は、上記非摩耗部とすることに加えて、上ロール群(複数の上レベリングロール2a)に比較的均等に圧下力Pが伝達できる位置とすることがより好ましく、例えば図7に示すように、4つの圧下装置8を用い、上ロール群の4コーナーに配設するとよい。
以下、圧下装置8の配設位置が、図7の位置である場合を例にとり説明するが、圧下装置8の配設位置としては、上レベリングロール2aに適切に圧下力Pが伝達される限り特に限定されるものではなく、他の配設位置であってもよい。
上レベリングロール2aに加える荷重の大きさは、4つの圧下装置8それぞれに配設される荷重計(不図示)により測定することができる。上レベリングロール2aに加える荷重の大きさは、これら4つの荷重計の測定値を合計することで得られる。
(鋼板)
鋼板7は、下レベリングロール2b上に載置される。鋼板7としては、剛性が高く、変形し難いものが好ましい。具体的には、鋼板7としては、厚さが厚いものとするとよい。鋼板7を厚いものとすることで、上記荷重により鋼板7が変形することを抑止できるので、レベリングロール開度と荷重との関係を精度良く取得することができる。
鋼板7の平均厚さの下限としては、50mmが好ましく、60mmがより好ましい。鋼板7の平均厚さが上記下限未満であると、レベリングロール開度と荷重との関係を精度良く取得することが困難となるおそれがある。一方、鋼板7の平均厚さの上限としては、上レベリングロール2aと下レベリングロール2bとの間に挿入できる限り特に限定されないが、鋼板7の準備の容易性等から例えば100mmとされる。なお、鋼板7の厚さは均一であることが好ましい。
鋼板7の平面視での大きさとしては、上レベリングロール2a及び下レベリングロール2bの軸方向両端の非摩耗部を覆える幅を有し、かつ複数の上レベリングロール2a及び下レベリングロール2bの全てを覆える長さを有する大きさとされる。
また、上記取得工程を行う際、鋼板7の温度、つまり上記取得工程を行う際の雰囲気温度としては常温が好ましい。換言すれば、鋼板7の温度の下限としては、10℃が好ましく、20℃がより好ましい。一方、鋼板7の温度の上限としては、50℃が好ましく、40℃がより好ましい。鋼板7の温度が上記下限未満であると、冷却装置等の設備を必要とするため、零点調整のためのコストが増大するおそれがある。逆に、鋼板7の温度が上記上限を超えると、鋼板7の剛性が低下し、レベリングロール開度と荷重との関係を精度良く取得することが困難となるおそれがある。
(荷重)
荷重は、下レベリングロール2b上に載置された鋼板7に対し、圧下装置8により上ロール群を押し当てることにより加えられる。
上ロール群の押し当て方(上ロール群の姿勢)としては、上ロール群を下ロール群に対して平行に圧下する平行圧下とするとよい。このように平行圧下とすることで、非摩耗部に対し上ロール群のロール位置によらず均等に圧下力Pを加え易い。あるいは、4つの荷重計の荷重が等しくなるように上ロール群を鋼板7に押し当ててもよい。上ロール群と下ロール群との零点のずれにロール位置依存があるような場合にあっては、その位置依存も考慮した零点調整が可能となる。なお、上ロール群の姿勢の制御は、例えば4つの圧下装置8の上ロール群との接点の相対高さを独立に調整することで行える。より具体的には、図6に示すように、圧下装置8がアーム状である場合、このアームの長さを個々の圧下装置8に対して独立に調整することで行える。このように個々に相対高さを調整した場合におけるレベリングロール開度は、上ロール群の平均レベリングロール開度を用いてもよいし、特定の一地点(例えば圧下装置8の1箇所)におけるレベリングロール開度を代表値として用いてもよい。
上述のように上ロール群を鋼板7に押し当てることで、上レベリングロール2bを圧下させた際のレベリングロール開度と上レベリングロール2bに加える荷重との関係を取得する。このとき、レベリングロール開度が鋼板7の厚さよりも十分に大きい場合、上ロール群は鋼板7に接触しないため、荷重は0となる。上ロール群を圧下し、上ロール群が鋼板7に接触するようになると、荷重は正の値を示す。ここで、鋼板7が厚く剛性が高い場合であっても、上ロール群を鋼板7に強く押し付けていくと、その荷重により例えばレベリングロール自体が弾性変形していくため、レベリングロール開度は鋼板7の厚さ以下の数値となり、荷重が増大していく。従って、上レベリングロール2bを圧下させた際、レベリングロール開度と荷重との関係を取得すると、図8に示すような関係が得られる。
なお、レベリングロール開度と荷重との関係を取得する際、レベリングロール開度が大きい方から始めて、上ロール群の押し当てを強くしていく(鋼板7に対して下方へ押し付ける)ことで、レベリングロール開度と荷重との関係を取得してもよいが、レベリングロール開度が所定量となるまで上ロール群を下方へ押し付けた後、上ロール群を上昇させながら(レベリングロール開度を広くしながら)レベリングロール開度と荷重との関係を取得してもよい。
<算出工程>
算出工程では、上記取得工程で取得したレベリングロール開度と荷重との関係と、予め鋼板7から取得されたレベリングロール開度と荷重との関係との比較により、レベリングロール開度の零点調整量を算出する。
上記取得工程で取得したレベリングロール開度と荷重との関係は、ローラレベラごとに固有の特性を示すが、圧下する対象(つまり鋼板7)が変わらない限り再現性を有する。一方、使用による経年変化等によりレベリングロール開度の零点にずれが生じていると、図9に示すように、零点がずれていない場合(図9のR)に対して、レベリングロール開度が正方向(図9のA)又は負方向(図9のB)にシフトした関係となる。
このシフト量がレベリングロール開度の零点調整量となるので、上記取得工程で取得したレベリングロール開度と荷重との関係と、予め上記鋼板から取得されたレベリングロール開度と荷重との関係との比較により零点調整量を算出することができる。
予め上記鋼板から取得されたレベリングロール開度と荷重との関係としては、ローラレベラの使用開始時点で取得したレベリングロール開度と荷重との関係を用いるとよい。ローラレベラの使用開始時点においては、レベリングロールが全幅に渡って摩耗していない状態であるので、容易に零点にずれが出ないように調整を行うことができる。従って、この状態でのレベリングロール開度と荷重との関係は、零点の絶対基準となり得る。なお、使用開示時点とは、ローラレベラ自体の使用開示時に加え、レベリングロールが交換された場合においてはその交換直後でレベリングロールが摩耗していない時点を指すものとする。
あるいは、予め鋼板7から取得されたレベリングロール開度と荷重との関係として、前回に行われたローラレベラによる鋼板の矯正時の上記零点調整工程におけるレベリングロール開度と荷重との関係を用いることもできる。前回と今回とのレベリングロール開度と荷重との関係を比較することで、前回の零点調整量に対する相対的な零点調整量(差分)が分かるので、この差分を前回の零点調整量に加えることで必要な零点調整量が算出できる。
なお、予め取得されたレベリングロール開度と荷重との関係に用いられた鋼板と、上記取得工程で用いられる鋼板とは、同一の鋼板である。なお、「同一の鋼板」には、物理的に同一である場合に加え、種類、形状、大きさが同一である別の鋼板も含む。ただし、零点調整の精度の観点から、鋼板は物理的に同一であることが好ましい。
レベリングロール開度の零点調整量となるシフト量の算出としては、種々の方法を用いることができる。図9のRとAとのシフト量を算出する場合を用いて、シフト量の算出方法を具体的に説明すると、例えばある荷重Qとなるレベリングロール開度を図9のRとAとについてそれぞれ求め、その差分(図9のX)をシフト量とすることができる。
あるいは、レベリングロール開度と荷重との関係は、レベリングロール開度が小さい領域において一般に線形性を示すため、この線形領域でのレベリングロール開度と荷重との関係を図9のRとAとについてそれぞれ一次近似式で近似し(図9のRL及びAL)、そのレベリングロール開度軸との交点(荷重=0となる位置)のレベリングロール開度の差分(図9のY)をシフト量としてもよい。この方法においては、図9のRとAとの線形領域の傾きが等しくなるように一次近似式を決定するとよい。図9のRとAとは通常、レベリングロール開度に対してシフトした関係となるため、線形領域での傾きは本来等しい。このため、図9のRとAとの線形領域の傾きが等しくなるように一次近似式を決定することで近似誤差を低減できる。なお、図9のRとAとの線形領域の傾きが等しい場合には、シフト量は、荷重=0となる位置で決定する必要はなく、任意の荷重位置(例えば図9の荷重Qとなる位置)で決定しても常に同じシフト量が得られる。
この算出工程で算出した零点調整量に従って調整を行うことで、零点調整を完了することができる。
[圧下量設定工程]
圧下量設定工程は、第1実施形態における圧下量設定工程と同様であるので、詳細説明を省略する。
<利点>
当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法においては、レベリングロール開度の零点調整をレベリングロール開度と荷重との関係を用いて行うことで、零点調整工程の効率化を図ることができる。また、第1実施形態で述べた零点調整方法では、圧痕が残る金属板は再利用が難しく廃材となるのに対し、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法においては、同一の鋼板7を繰り返し用いることができるので、廃材の発生を抑止でき、省資源化が可能となる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)被矯正材
被矯正材として下記表1に示す鋼板を用いた。
(2)設備概要
表1に示すように、厚板用熱間圧延機の冷却設備の下流かつ冷却床の前に配置されている熱間矯正用ローラレベラを用いて、被矯正材となる鋼板に当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法を実施した。ローラレベラの通板本数は、約2万本であった。ローラレベラとしては、レベリングロールの荷重をバックアップロールで受ける4重式を採用した。また、通板方向については逆方向へも行うことができ、主に平坦度の悪い薄物材や加速冷却材を対象に3パス〜5パス矯正を行った。
5本の上ロール群と6本の下ロール群は、それぞれが一体化されており、ローラレベラの入側と出側の操作側、駆動側に設けられた4本の電動圧下スクリュにより、上ロールを一体的に上下させてロール開度(圧下量)を制御し、通板される鋼板を曲げ矯正する構造となっている、また、上記ローラレベラは、レベリングロールを軸方向に撓ませるクラウニング機構は備えていない。
下記表1に、熱間矯正用ローラレベラの主な仕様を示す。
Figure 2019130592
(3)ローラレベラのロール開度の零点調整
まず、ローラレベラの入側と出側の操作側、駆動側に設けられた4本の電動圧下スクリュを操作して上ロールを水平状態、すなわち、全ての位置のロール開度を一定とした後、上記状態を維持したまま上下ロール間を開き、下ロール群の上に常温の厚鋼板(材質SS400、板厚70mm、板幅4800mm)を設置した。さらに、この厚鋼板の幅方向両端(操作側と駆動側)上面にそれぞれ純アルミ棒(直径10mm)を1本ずつ通板方向に設置し、上ロール群をロール開度70mmまで平行圧下した後、上ロール群を上昇させ、アルミ棒を取り出した。
各アルミ棒に残った上ロール5本分の圧痕について、入側と出側の操作側、駆動側の計4ヶ所の残厚を測定した。入側と出側、操作側と駆動側、並びに対角線上のペアで比較し、各残厚のずれが0.2mm以内であること、さらにロールの摩耗前の状態での残厚とのずれが±0.1mm以内であることを確認し、零点調整を完了した。
(4)レベリングロールの平均摩耗量の推測
図10は、使用済みロールの摩耗量の蓄積データを、通板された鋼板の鋼板幅におけるレベリングロールの平均摩耗量として表したグラフである。そして、図10のグラフのデータから、ローラレベラの通板本数(約2万本)及び実施例1の鋼板幅に基づいて、実施例1の通板時における各レベリングロールの平均摩耗量を推測した。平均摩耗量は、0.0064μm/本であった。本実施例に用いるローラレベラは逆方向への反転パス通板も行うことから、レベリングロールへの負荷は全11本の間で差は少なく、鋼板の通板1本あたりの平均摩耗量差も±5%以内であったことから、ローラレベラの各レベリングロールの平均摩耗量は同値と判断できる。
(5)圧下量の設定
レベリングロールの摩耗前の時点から累積で約2万本通板後の段階にて、上記レベリングロール平均摩耗量を予め定められた圧下量に加算し、被矯正材となる鋼板を通板した。
[比較例1]
予め定められた圧下量のままで鋼板を矯正したこと以外は同様の条件で矯正を行い、比較例1とした。
[評価]
(平坦度不良率)
ローラレベラにより矯正された鋼板の平坦度を空冷後に確認し、平坦度不良率(%)を求めた。平坦度不良率とは、平坦度が合格基準を超過した本数/熱間矯正した本数である。平坦度が合格基準を超過した本数とは、具体的には、熱間矯正および空冷後の鋼板において波(板幅中央部が波打つ「中波」や板幅端部が波打つ「端波」)や反り(板の幅方向の反りや長手方向の反り)が合格基準範囲を超過した鋼板の本数である。
実施例1及び比較例1の平坦度不良率を算出した結果、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法を実施せずに鋼板を矯正した比較例1の鋼板の平坦度不良率を100%とした場合における実施例1の平坦度不良率は49%となり、実施例1の平坦度不良率は大きく改善されていた。
以上の結果から、当該ローラレベラによる鋼板の矯正方法は、レベリングロールの軸方向の偏摩耗により生じる鋼板に対する矯正不足に対し、ロールのクラウニング機構の備わらない旧型のローラレベラにおいても鋼板に対する矯正効果を向上できることが示された。
[レベリングロール開度と荷重との関係を用いた零点調整]
第2実施形態で説明したレベリングロール開度と荷重との関係を用いた零点調整を以下の手順で実施した。
(1)鋼板
零点調整工程で用いる鋼板として、材質がSS400であり、幅4000mm、長さ2000mm、平均厚さ70mmの鋼板を準備した。
(2)設備概要
ローラレベラとして、実施例1と同様の設備を用いた。
<零点調整工程>
(取得工程)
下ロール群の上に上記鋼板を載置した。次に、上ロール群をレベリングロール開度が67.0mmとなるまで平行圧下した後、上ロール群を上昇させつつレベリングロール開度と荷重との関係を取得した(図11のA)。なお、荷重はレベリングロール開度が67.0mmから67.8mmまで0.1mm間隔で測定した。このうち図11には荷重が350ton以上700ton以下の範囲を示している。
(算出工程)
上記取得工程で取得したレベリングロール開度と荷重との関係(図11のA)を、予め上記鋼板から取得されたレベリングロール開度と荷重との関係(図11のR)と比較した。なお、図11のRは、ローラレベラの使用開始時点で取得したレベリングロール開度と荷重との関係であり、上記取得工程と同様にして取得したものとした。
図11のA及びRは、350ton以上700ton以下の範囲で線形性を示している。この線形領域において、図11のA及びRを傾きが等しくなるように一次近似式を決定した(図11の実線及び破線)。
この結果から、シフト量が0.2mmであることが分かった。従って、レベリングロール開度の零点を、レベリングロール開度が小さくなる方向に0.2mm修正し、零点調整を終了した。
上述のように、パスラインに沿って下に配置される下レベリングロール上に載置した鋼板に、パスラインに沿って上に配置される上レベリングロールを圧下させた際のレベリングロール開度と上レベリングロールに加える荷重との関係を取得する工程と、上記取得工程で取得したレベリングロール開度と荷重との関係と、予め上記鋼板から取得されたレベリングロール開度と荷重との関係との比較により、レベリングロール開度の零点調整量を算出する工程とを備える零点調整工程が機能することが確認された。
本発明のローラレベラによる鋼板の矯正方法は、レベリングロールの軸方向の偏摩耗により生じる矯正不足に対し、簡易かつ的確に矯正効果を得ることができるので、厚鋼板の製造プロセスに好適に用いることができる。
1 鋼板
2a 上レベリングロール
2b 下レベリングロール
3 非摩耗部
4 中心線
5 摩耗部
6 レベリングロール開度の零点
7 鋼板
8 圧下装置
P 圧下力

Claims (3)

  1. パスラインに沿って上下に千鳥状に配置される複数のレベリングロールを有するローラレベラによる鋼板の矯正方法であって、
    上記レベリングロールの軸方向端部の非摩耗部を基準にレベリングロール開度の零点を調整する工程と、
    通板される鋼板の鋼板幅における上記レベリングロールの平均摩耗量に基づいて上記レベリングロールの圧下量を設定する工程と
    を備えるローラレベラによる鋼板の矯正方法。
  2. 上記平均摩耗量が、上記ローラレベラの積算通板量に基づいて上記鋼板幅毎に推測される請求項1に記載のローラレベラによる鋼板の矯正方法。
  3. 上記零点調整工程として、
    上記パスラインに沿って下に配置される下レベリングロール上に載置した鋼板に、上記パスラインに沿って上に配置される上レベリングロールを圧下させた際のレベリングロール開度と上レベリングロールに加える荷重との関係を取得する工程と、
    上記取得工程で取得したレベリングロール開度と荷重との関係と、予め上記鋼板から取得されたレベリングロール開度と荷重との関係との比較により、レベリングロール開度の零点調整量を算出する工程と
    を備える請求項1又は請求項2に記載のローラレベラによる鋼板の矯正方法。
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