JP2019129022A - 空気極、空気極の製造方法、及び金属空気電池 - Google Patents

空気極、空気極の製造方法、及び金属空気電池 Download PDF

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Abstract

【課題】空気極の触媒層が親水性を有する場合の集電体の腐食を抑制する。【解決手段】集電体42と導電剤と触媒とを有する空気極41において、電解液と接触する表面の少なくとも一部は、前記触媒及び前記導電剤を含有すると共に親水性を有する触媒層S1で覆われ、触媒層S1と集電体42との間には、前記触媒を含有せず前記導電剤を含有する導体層D1が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、空気極、空気極の製造方法、及び金属空気電池に関し、特に集電体の腐食を抑制した空気極、空気極の製造方法、及び金属空気電池に関するものである。
従来から金属空気電池などの空気極用酸素還元触媒として種々のものが検討されており、触媒物質として貴金属、金属、或いはその酸化物などを用いるものがある。特に金属空気一次電池は、空気極の再生使用が困難なことから、高価な材料の使用は求められない。そこで、比較的安価な触媒材料としてマンガン系触媒を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、導電性材料、触媒、結着剤及び溶媒を含有する空気極層形成用の組成物を作製し、次に、この組成物を空気極集電体上に塗布して、乾燥することで形成して成る空気極を、導電性材料、粒子状触媒及びファイバー状触媒を含有する空気極層と、前記空気極層の集電を行う空気極集電体とを有し、前記粒子状触媒及び前記ファイバー状触媒の合計重量に対する前記ファイバー状触媒の割合を、10重量%以下とすることによって、初期容量、及び容量保持率を高い値で両立させることが記載されている。
特許第5373966号公報
ところで、マンガン酸化物が添加されたシート状の触媒層を正極の集電体に直接接触させた場合、マンガン酸化物を含まないシート状の導体層を集電体に直接接触させた構成と比較して、定電流放電初期から電圧が維持できず著しく低下してしまう。
電圧低下の原因について検討したところ、触媒としてのマンガン酸化物により触媒層の親水性が高まり、これにより、電解液がシート状の触媒層へ浸透し易くなり、結果として集電体の腐食反応が進行することが原因であった。なお、親水性か否かは電解液を滴下したときの接触角で判断し、接触角が大きいほど撥水性であり、小さいほど親水性である。
そこで、本発明は、空気極の触媒層が親水性を有する場合の集電体の腐食を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、集電体と導電剤と触媒とを有する空気極において、電解液と接触する表面の少なくとも一部は、前記触媒及び前記導電剤を含有すると共に親水性を有する触媒層で覆われ、前記触媒層と前記集電体との間には、前記触媒を含有せず前記導電剤を含有する導体層が設けられていることを特徴とする。
上記構成において、前記導体層は、前記触媒層と前記集電体との間に渡って延在しても良い。また、上記構成において、前記触媒層は、前記導体層における前記電解液側の面の全体を覆い、前記導体層は、前記集電体と直接接触しても良い。
また、上記構成において、前記触媒は、電極触媒として機能する材料であり、この触媒の添加により前記触媒層が親水性を有しても良い。また、上記構成において、前記触媒は、二酸化マンガンであっても良い。また、上記構成において、前記集電体は、銅又は銅合金であっても良い。
また、集電体と導電剤と触媒とを有する空気極の製造方法において、前記触媒を含有せず前記導電剤を含有する導体シートと、前記触媒及び前記導電剤を含有すると共に親水性を有する触媒シートとを作製し、前記導体シート及び前記触媒シートとを、電解液と接触する表面の少なくとも一部を前記触媒シートにし、前記触媒シートよりも前記集電体側を前記導体シートにするように、前記集電体に重ねて圧着していることを特徴とする。
上記構成において、前記触媒シートは、前記導体シートと同じシートを作製する際の原料に前記触媒を添加することによって作製されても良いし、前記導体シートと同じシートを作製後に、前記触媒を噴霧又は含浸により付着させることによって作製されても良い。
また、金属空気電池において、上記空気極からなる正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に電解液を保持可能なセル容器とを備えることを特徴とする。
本発明では、電解液と接触する表面の少なくとも一部は、前記触媒及び前記導電剤を含有すると共に親水性を有する触媒層で覆われ、前記触媒層と前記集電体との間には、前記触媒を含有せず前記導電剤を含有する導体層が設けられているので、触媒層より親水性が低い導体層が集電体と触媒層との間に介在するため、電解液の浸透が抑制されることにより集電体の腐食を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る空気極を利用した空気電池の断面を模式的に示した図である。 空気極の断面構造を模式的に示した図である。 実施例1の空気極の断面構造を模式的に示した図である。 比較例1の空気極の断面構造を模式的に示した図である。 比較例2の空気極の断面構造を模式的に示した図である。 実施例1、及び比較例1、2の試験結果を示した図である。 空気極の製造方法の説明に供する図である。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る空気極を利用した空気電池の断面を模式的に示した図である。
この空気電池10は、金属空気電池であり、電解液15を保持可能なセル容器21(外装体とも称する)と、セル容器21に配置される金属極31及び空気極41とを備えている。この空気電池10は、セル容器21内に電解液15を満たすことによって、金属極31が負極として作用し、空気極41が正極として作用する一次電池である。図1中、符号15Uは電解液15の上面を示している。
(セル容器)
セル容器21は、対向する一対の側壁22、23を有する中空の箱形状であり、一方の側壁22に開口部22Kが形成され、この開口部22Kを覆うように、空気極41が側壁22に接合される。また、セル容器21内に、金属極固定部材24を介して金属極31が支持される。金属極31と空気極41とは間隔を空けて平行に配置され、金属極31と空気極41との間には電解液15が介在する。また金属極31は、セル容器21の底部25との間に空間部26を空けて配置される。また金属極31の上部は、セル容器21の蓋部27よりも上方に突出して外部に露出する。
セル容器21の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、紙、又は樹脂である。セル容器21を紙製にする場合には、セル容器21の内面には、耐水性を有する樹脂などがラミネート処理などによって施され、電解液15の漏出等が防止される。また、セル容器21と空気極41とは、耐水性を有する接着剤などで接合され、セル容器21と空気極41との間からの電解液15の漏出が防止される。
(金属極、及び電解液)
金属極31は、例えばマグネシウム合金製の板材であり、電解液15は例えば塩化ナトリウム水溶液である。金属極31を、マグネシウムを含有する金属にし、電解液15を塩化ナトリウム水溶液にすることで、この空気電池10はマグネシウム空気電池となる。マグネシウム空気電池は、電解液15に海水を用いたり、水道水に塩を混合した液体を用いたりすることができるので、電解液15の調達が容易といった利点がある。
電解液15中の塩化ナトリウムの質量は、溶媒の質量に対し4%〜18%が好ましい。4%未満では電解質不足により、液抵抗が大きく電池としての性能が見込めず、18%を超えると、放電に伴い電解液15が徐々に蒸発し食塩が析出してしまい抵抗となり、電池としての性能が見込めないためである。
金属極31は、マグネシウム合金に限定されず、マグネシウム、亜鉛、鉄、アルミニウムなどの金属、又はこれらを含有する合金を用いても良い。金属極31に亜鉛を用いた場合、電解液15に水酸化カリウム水溶液を用いれば良く、金属極31に鉄を用いた場合、電解液15にアルカリ系水溶液を用いれば良い。また、金属極31にアルミニウムを用いた場合、電解液15に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含む水溶液を用いれば良い。
(空気極)
図2は空気極41の断面構造を模式的に示した図である。
空気極41は、集電体(正極集電体とも称する)42と、集電体42の表面を覆う表面層43、44とを備えている。以下、表面層43、44を特に区別して表記する場合、電解液15側を電解液側表面層43と表記し、空気取込側を空気取込側表面層44と表記する。電解液側表面層43は、触媒層S1と導体層D1を少なくとも備えている。また、空気取込側表面層44は、導体層D2を備えている。
集電体42は、多孔質集電体であり、例えば矩形状の銅メッシュ(銅の網状体)である。銅メッシュにすることで、良好な通気性を有する。なお、銅に限定されず、鉄、ニッケル及び真鍮などの他の金属でも良い。また、メッシュ(網状体)からなる多孔構造に限定されず、メッシュ以外の通気性を有する多孔構造を広く適用可能である。特に銅メッシュが電池特性とコストの両面において好適である。
触媒層S1は、電極触媒として機能するマンガン酸化物と、導電剤とを含有する。この触媒層S1は、集電体42の表面に沿って延びる層に形成され、空気極41における電解液15と接触する表面を覆う。なお、触媒層S1は、空気極41における電解液15と接触する表面の少なくとも一部を覆えば良い。
導体層D1、D2は、触媒を含有せず導電剤を含有する層であり、集電体42の表面に沿って延びる層に形成されている。導体層D1は、触媒層S1と集電体42との間を集電体42の表面に沿って延びる。導体層D1、D2は、例えば、シート状に形成された導体シート51を用いて形成される。触媒層S1は、例えば、シート状に形成された触媒シート52を用いて形成される。
また、触媒層S1、及び導体層D1、D2の厚さは適宜に変更しても良い。
導体シート51、及び触媒シート52について説明する。
(導体シート)
導体シート51は、導電剤と有機物バインダとを水で混練したペーストを、ローラープレス機でプレスしてシート状にし、乾燥工程を経て作製される。
導電剤は、カーボンパウダー、銅又はアルミニウムなどの金属材料、又はポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などである。なお、カーボンパウダーは、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが好適である。特にカーボンナノチューブは凝集し易いため、分散液での使用が好ましい。
有機物バインダは、高分子ディスパージョンであり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン「登録商標」)などのフッ素系樹脂、又はポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂が好適である。
(触媒シート)
触媒シート52は、導体シート51作製時のペーストに触媒を混在させる、又は、導体シート51表面に触媒を含浸させることによって作製される。
より具体的には、触媒シート52は、導電剤と有機物バインダとを水及び触媒の水溶液中で混練したペーストをローラープレス機でプレスしてシート状にし、乾燥工程を経て作製される。また、触媒シート52は、この方法に限定されず、スプレー等を用いて触媒を導体シート51に噴霧した後、乾燥させる方法、又は、触媒を含有する雰囲気中に導体シート51を配置して導体シート51表面に触媒を含浸させた後、乾燥する方法で作製しても良い。いずれの方法の場合でも、導体シート51に触媒を添加するか否かに応じて、触媒シート52と導体シート51とを容易に作り分けることができる。
触媒は、マンガン酸化物を少なくとも含んでいる。マンガン酸化物は、比較的安価な触媒材料であり、電池性能の観点からも好ましく、特に二酸化マンガンα型(α−MnO)が好ましい。なお、二酸化マンガンは、硝酸マンガン六水和物の加熱により容易に得られる。この加熱工程により硝酸マンガン六水和物が二酸化マンガンに変化する。また、マンガン酸化物以外に、他の触媒材料を含有させても良い。
ところで、発明者等の検討によれば、触媒として添加した二酸化マンガンによって触媒シート52の親水性が高くなる。なお、導体シート51については、二酸化マンガンが含有されないので、触媒シート52と比べて親水性が低くなる。
ここで、親水性か否かは電解液等の水分を滴下したときの接触角で判断でき、例えば、触媒シート52の接触角は、99°〜129°の範囲であり、導体シート51の接触角は、130°〜145°である。
(実施例、及び比較例について)
次に、実施例1、及び比較例1、2に係る空気電池10について説明する。なお、実施例1、及び比較例1、2は、空気極41が異なる点を除いて同じ構成である。
図3は実施例1の空気極41の断面構造を模式的に示した図、図4は比較例1の空気極41の断面構造を模式的に示した図、図5は比較例2の空気極41の断面構造を模式的に示した図である。
実施例1、及び比較例1、2に使用した導体シート51(図2〜図5中の導体層D1、D2に相当)は、表1の比率(固形分での重量比率)にて各導電剤、及び有機物バインダなどを混合し、プレスしてシート状にした後、約270℃で30分間の焼成工程を行ったものである。
Figure 2019129022
また、実施例1、比較例1及び比較例2に使用した触媒シート52(図2〜図5中の触媒層S1に相当)は、上記導体シート51と同様に各種材料を混合しプレスしてシート状にした後に、シートに硝酸マンガン六水和物を含浸させ、約270℃で30分間焼成したものである。なお、焼成する工程で、硝酸マンガン六水和物は二酸化マンガンに変化する。
空気極41は、集電体42に矩形状の銅メッシュを用い、この集電体42に導体シート51及び触媒シート52を積層し、これら導体シート51及び触媒シート52からなる積層体を、実施例1、比較例1又は比較例2に記す構造(図2〜図5)のように、ローラープレス装置にて圧着(接着)して作製される。
金属極31は、マグネシウム合金AZ31からなる金属板である。マグネシウム合金AZ31は、マグネシウムにアルミニウム(Al)が3質量%、亜鉛(Zn)が1質量%添加された合金である。電解液15は、10重量%の塩化ナトリウム水溶液を500g用いている。
(実施例1)
実施例1の空気極41は、図3に示すように、集電体42における電解液側の面に、導体シート51(導体層D1に相当)を介して触媒シート52(触媒層S1に相当)が積層され、集電体42における空気取込側の面に、複数(2枚)の導体シート51(空気取込側表面層44に相当)が積層され、集電体42に圧着される。これによって、集電体42の電解液側の面が、導体層D1及び触媒層S1からなる電解液側表面層43で覆われ、集電体42の空気取込側の面が、2つの導体層D2からなる空気取込側表面層44で覆われる。
(比較例1)
比較例1の空気極41は、図4に示すように、集電体42における電解液側の面に、複数(2枚)の触媒シート52からなる積層体(電解液側表面層43に相当)が集電体42に圧着される点を除いて、実施例1と同様である。
(比較例2)
比較例2の空気極41は、図5に示すように、集電体42における電解液側の面に、触媒シート52(触媒層S1に相当)を介して導体シート51(導体層D1に相当)が積層され、これら触媒シート52及び導体シート51からなる積層体(電解液側表面層43に相当)が集電体42に圧着される点を除いて、実施例1と同様である。これによって、比較例2は、電解液側表面層43における導体層D1と触媒層S1との配置が実施例1と逆の配置とされる。
(試験・評価)
下記の条件にて、実施例1、及び比較例1、2の空気電池10の試験、及び評価をした。この試験は、常温(25℃とする)環境下で行った。
試験は、電解液15を、空気極41以上の高さになるまでセル容器21内に注液し、金属極31が電解液15に浸漬した状態で、電池状態を同一条件に揃えると共に反応を活性化させることを目的として、3分間放置した後、放電装置に接続して10分間−2A相当の電流(電流密度25mA/cm)を流し、その後、3分間の休止を行った。
次に、2A相当の電流を、電池電圧が0Vに達するまで(金属極31が消耗して電池の寿命を迎えるまで)流し続ける放電試験を行った。この放電試験を行った際の「電池容量(放電電流×放電時間)」の値を比較し、評価した。
(試験結果)
図6は試験結果を示した図である。実施例1の試験結果は特性曲線f1であり比較例1の試験結果は特性曲線f2であり、比較例2の試験結果は特性曲線f3である。また、図6中、横軸は電池容量Ah(放電電流×放電時間)であり、縦軸は電池電圧Vである。
(評価結果)
図6に示すように、実施例1は、放電初期から放電終了まで、比較例1、2よりも高い放電電位が得られ、グラフ面積からエネルギー量も最も多いことがわかった。実施例1は、比較例2と比較して、放電初期より約0.15V高い放電電位が得られた。
高い放電電位及び高いエネルギー量が得られる理由としては、次の2つの理由が挙げられる。
第1の理由は、実施例1(図3参照)の触媒層S1が電解液15と接触するので、触媒層S1が電解液と直接接触しない比較例2(図5参照)と比べて、二酸化マンガンの触媒作用(酸化還元反応の促進)の発揮に有利であったことに依る。
第2の理由は、実施例1では、触媒層S1と集電体42との間に導体層D1を有するので、二酸化マンガンにより触媒層S1の親水性が高まっても、触媒層S1より親水性が低い導体層D1への電解液の浸透が抑制され、集電体42の腐食が抑制され、電気抵抗の増大を抑え易いことに依る。
以上説明したように、本実施形態の空気極41は、電解液15と接触する表面の少なくとも一部が触媒層S1で覆われ、触媒層S1と集電体42との間には、触媒を含有せず導電剤を含有する導体層D1が設けられるので、触媒層S1が親水性を有しても、触媒層S1に浸透した電解液によって集電体42が腐食することを抑制することができる。空気電池10の電位の向上により、使用可能なエネルギー量が増大する。
また、導体層D1は触媒を含有しないので、触媒の影響による親水性の程度を抑え、電解液の浸透を抑制することができる。このようにして、本実施形態では、触媒に二酸化マンガンを使用しながら、触媒層S1よりも親水性が低い導体層D1を介することで、二酸化マンガンによる触媒層S1の親水化による悪影響を抑制可能である。
しかも、導体層D1は、触媒層S1と集電体42との間に渡って延在するので、触媒層S1が集電体42に直接接触せず、触媒層S1に浸透した電解液によって集電体42全体が腐食することを効果的に抑制できる。
また、比較的安価な材料である二酸化マンガンを触媒に使用するので、コスト低減と電池性能の向上とを両立し易くなる。
また、触媒は、二酸化マンガンに限定されず、電極触媒として機能する材料を広く適用可能である。触媒の添加により触媒層S1が親水性を有する場合、電解液の浸透により、触媒層S1表面だけでなく内部まで有効に触媒作用がはたらき、本実施形態の触媒層S1、及び導体層D1を含有する多層構造にすることによって、親水性を有する触媒層S1に浸透した電解液による集電体42の腐食を抑制可能である。
さらに、本実施形態では、導体層D1となる導体シート51と、親水性を有する触媒層S1となる触媒シート52とを作製し、これら導体シート51及び触媒シート52を、電解液と接触する表面の少なくとも一部を触媒シート52にし、この触媒シート52よりも集電体42側を導体シート51にするように、集電体42に重ねて圧着することによって、空気極41を製造している。これにより、触媒シート52からなる触媒層S1に電解液が浸透しても、集電体42が腐食することを抑制可能な空気極41を容易に製造し易くなる。
また、触媒シート52を、導体シート51と同じシートに触媒を添加することによって作製するため、導体シート51、及び触媒シート52の作製する工程の一部を共通化でき、作製し易くなる。
しかも、触媒シート52は、導体シート51を作製する際の原料であるペーストに触媒を混在させる方法、又は、触媒を噴霧又は含浸により付着させる方法のいずれかによって適宜に作製可能であり、また、この方法を用いることで、より容易に作製可能である。
また、空気極41の製造方法は上記方法に限定しなくてもよく、例えば、導体シート51と同じシートを作製後に、触媒を噴霧又は含浸により付着させることによって製造しても良い。より具体的には、図7に示すように、集電体42の両面に、一又は複数の導体シート51を積層して圧着した後に、電解液と接触する面に、触媒を噴霧又は含浸により付着させる方法でも良い。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形、及び変更が可能である。
例えば、上述した実施例1では、空気極41の電解液側表面層43を、一枚の導体シート51と一枚の触媒シート52で構成し、空気取込側表面層44を、2枚の導体シート51で構成する場合を説明したが、電気抵抗等の性能等に合わせて、導体シート51及び触媒シート52の枚数を適宜に変更しても良い。
また、上述した空気極41を、様々な空気電池に使用される空気極に適用してもよく、燃料電池に使用される空気極に適用しても良い。
10 空気電池
15 電解液
21 セル容器
31 金属極
41 空気極
42 集電体
51 導体シート
52 触媒シート
S1 触媒層
D1、D2 導体層

Claims (10)

  1. 集電体と導電剤と触媒とを有する空気極において、
    電解液と接触する表面の少なくとも一部は、前記触媒及び前記導電剤を含有すると共に親水性を有する触媒層で覆われ、
    前記触媒層と前記集電体との間には、前記触媒を含有せず前記導電剤を含有する導体層が設けられていることを特徴とする空気極。
  2. 前記導体層は、前記触媒層と前記集電体との間に渡って延在していることを特徴とする請求項1に記載の空気極。
  3. 前記触媒層は、前記導体層における前記電解液側の面の全体を覆い、
    前記導体層は、前記集電体と直接接触することを特徴とする請求項2に記載の空気極。
  4. 前記触媒は、電極触媒として機能する材料であり、この触媒の添加により前記触媒層が親水性を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空気極。
  5. 前記触媒は、二酸化マンガンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の空気極。
  6. 前記集電体は、銅又は銅合金であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の空気極。
  7. 集電体と導電剤と触媒とを有する空気極の製造方法において、
    前記触媒を含有せず前記導電剤を含有する導体シートと、前記触媒及び前記導電剤を含有すると共に親水性を有する触媒シートとを作製し、
    前記導体シート及び前記触媒シートを、電解液と接触する表面の少なくとも一部を前記触媒シートにし、前記触媒シートよりも前記集電体側を前記導体シートにするように、前記集電体に重ねて圧着していることを特徴とする空気極の製造方法。
  8. 前記触媒シートは、前記導体シートと同じシートを作製する際の原料に前記触媒を添加することによって作製されることを特徴とする請求項7に記載の空気極の製造方法。
  9. 前記触媒シートは、前記導体シートと同じシートを作製後に、前記触媒を噴霧又は含浸により付着させることによって作製されることを特徴とする請求項7に記載の空気極の製造方法。
  10. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の空気極からなる正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に電解液を保持可能なセル容器とを備えることを特徴とする金属空気電池。
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