JP2019128291A - 圧力センサーモジュール、電子機器および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】風(動圧)の影響を受け難く、搭載対象物への制約も小さい圧力センサーモジュール、電子機器および移動体を提供する。【解決手段】圧力センサーモジュールは、圧力センサーと、圧力センサーを収納するパッケージと、を有する。パッケージは、圧力センサーを収納する第1空間と、第1空間の少なくとも一部を囲む環状の第2空間と、第1空間と第2空間とを仕切る内壁と、第2空間とパッケージの外側とを仕切る外壁と、を有する。外壁には、第2空間に対して互いに反対側に位置し、第2空間とパッケージの外側とを連通する一対の第1貫通孔が設けられ、内壁には、第1空間に対して互いに反対側に位置し、第1空間と第2空間とを連通する一対の第2貫通孔が設けられている。そして、一対の第1貫通孔を結ぶ第1軸と、一対の第2貫通孔を結ぶ第2軸とが直交している。【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサーモジュール、電子機器および移動体に関するものである。
例えば、特許文献1には時計の筐体内に配置された圧力センサーが記載されている。また、特許文献1では、筐体に圧力センサーに繋がる複数の流路が形成されており、これら各流路の圧力損失を等しくすることにより、風(動圧)の影響を受け難くしている。
しかしながら、特許文献1に記載されている構成では、圧力損失の等しい複数の流路を形成するために、時計の筐体(圧力センサーの搭載対象物)に多大な制約を与えてしまうという問題がある。
本発明の目的は、風(動圧)の影響を受け難く、搭載対象物への制約も小さい圧力センサーモジュール、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の圧力センサーモジュールは、圧力センサーと、
前記圧力センサーを収納するパッケージと、を有し、
前記パッケージは、
前記圧力センサーを収納する第1空間と、
前記第1空間の少なくとも一部を囲む環状の第2空間と、
前記第1空間と前記第2空間とを仕切る内壁と、
前記第2空間と前記パッケージの外側とを仕切る外壁と、を有し、
前記外壁には、前記平面視で、前記第2空間に対して互いに反対側に位置し、前記第2空間と前記パッケージの外側とを連通する一対の第1貫通孔が設けられ、
前記内壁には、前記平面視で、前記第1空間に対して互いに反対側に位置し、前記第1空間と前記第2空間とを連通する一対の第2貫通孔が設けられ、
前記平面視で、前記一対の第1貫通孔を結ぶ第1軸と、前記一対の第2貫通孔を結ぶ第2軸とが直交していることを特徴とする。
これにより、第1空間内を風(動圧)の影響を受け難い静的な状態に保つことができる。したがって、圧力センサーによって、精度よく圧力を検出することができる。さらには、パッケージを工夫することにより風の影響を受け難くしているため、従来のように搭載対象物自体に風の影響を受け難くする工夫を施す必要がなく、搭載対象物への制約も小さくなる。
前記圧力センサーを収納するパッケージと、を有し、
前記パッケージは、
前記圧力センサーを収納する第1空間と、
前記第1空間の少なくとも一部を囲む環状の第2空間と、
前記第1空間と前記第2空間とを仕切る内壁と、
前記第2空間と前記パッケージの外側とを仕切る外壁と、を有し、
前記外壁には、前記平面視で、前記第2空間に対して互いに反対側に位置し、前記第2空間と前記パッケージの外側とを連通する一対の第1貫通孔が設けられ、
前記内壁には、前記平面視で、前記第1空間に対して互いに反対側に位置し、前記第1空間と前記第2空間とを連通する一対の第2貫通孔が設けられ、
前記平面視で、前記一対の第1貫通孔を結ぶ第1軸と、前記一対の第2貫通孔を結ぶ第2軸とが直交していることを特徴とする。
これにより、第1空間内を風(動圧)の影響を受け難い静的な状態に保つことができる。したがって、圧力センサーによって、精度よく圧力を検出することができる。さらには、パッケージを工夫することにより風の影響を受け難くしているため、従来のように搭載対象物自体に風の影響を受け難くする工夫を施す必要がなく、搭載対象物への制約も小さくなる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記内壁および前記外壁は、それぞれ、前記平面視で円筒状をなし、同心的に配置されていることが好ましい。
これにより、外壁の外周面に沿って風が流れ易くなると共に、第2空間内を風が通り抜け易くなる。したがって、乱流の発生が抑えられ、第1空間をより確実に静的な状態に保つことができる。
これにより、外壁の外周面に沿って風が流れ易くなると共に、第2空間内を風が通り抜け易くなる。したがって、乱流の発生が抑えられ、第1空間をより確実に静的な状態に保つことができる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記一対の第1貫通孔および前記一対の第2貫通孔は、同一面上に位置していることが好ましい。
これにより、第1空間をより確実に静的な状態に保つことができる。
これにより、第1空間をより確実に静的な状態に保つことができる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記圧力センサーは、前記パッケージから浮遊していることが好ましい。
これにより、パッケージから圧力センサーに応力が伝わり難くなり、圧力センサーの圧力検出精度が向上する。
これにより、パッケージから圧力センサーに応力が伝わり難くなり、圧力センサーの圧力検出精度が向上する。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記第1空間に配置され、前記圧力センサーを覆う充填材を有することが好ましい。
これにより、圧力センサーを保護(防塵および防水)すると共に、パッケージに作用した外部応力が圧力センサーに伝わり難くなる。
これにより、圧力センサーを保護(防塵および防水)すると共に、パッケージに作用した外部応力が圧力センサーに伝わり難くなる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記第1空間は、
前記圧力センサーが収納されている第1領域と、
前記第1領域に対して縮幅し、周囲に前記第2空間が配置されている第2領域と、を有することが好ましい。
これにより、圧力センサーを収納するスペースを十分に確保しつつ、第1空間を小さくすることができ、パッケージの小型化を図ることができる。
前記圧力センサーが収納されている第1領域と、
前記第1領域に対して縮幅し、周囲に前記第2空間が配置されている第2領域と、を有することが好ましい。
これにより、圧力センサーを収納するスペースを十分に確保しつつ、第1空間を小さくすることができ、パッケージの小型化を図ることができる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記第1空間に収容され、前記圧力センサーと電気的に接続されている回路素子を有することが好ましい。
これにより、回路素子を保護することができる。また、回路素子を圧力センサーのより近くに配置することができるため、圧力センサーからの検出信号にノイズが生じ難く、より精度よく圧力を検出することのできる圧力センサーモジュールとなる。
これにより、回路素子を保護することができる。また、回路素子を圧力センサーのより近くに配置することができるため、圧力センサーからの検出信号にノイズが生じ難く、より精度よく圧力を検出することのできる圧力センサーモジュールとなる。
本発明の電子機器は、本発明の圧力センサーモジュールを有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーモジュールの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
これにより、本発明の圧力センサーモジュールの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の電子機器では、前記電子機器の筐体が前記外壁を兼ねていることが好ましい。 これにより、電子機器の小型化を図ることができる。
本発明の移動体は、本発明の圧力センサーモジュールを有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーモジュールの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
これにより、本発明の圧力センサーモジュールの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の移動体では、前記移動体の筐体が前記外壁を兼ねていることが好ましい。
これにより、移動体の小型化を図ることができる。
これにより、移動体の小型化を図ることができる。
以下、本発明の圧力センサーモジュール、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーモジュールの縦断面図である。図2は、圧力センサーの縦断面図である。図3は、圧力センサーが有するセンサー部の平面図である。図4は、センサー部を含むブリッジ回路を示す図である。図5は、パッケージの上端部における横断面図である。図6および図7は、それぞれ、パッケージの作用を説明するための横断面図である。図8は、パッケージへの風の入射角度と圧力変化の関係とを示すグラフである。図9は、パッケージの下端部における平面図である。なお、以下の説明では、図1および図2中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。また、図1中の上下方向から見た平面視を単に「平面視」とも言う。
図1に示す圧力センサーモジュール1は、収納空間S1を有するパッケージ2と、収納空間S1に収納された回路素子9(ICチップ)および圧力センサー4と、回路素子9および圧力センサー4を覆うように収納空間S1に充填された充填材8と、を有している。
[圧力センサー]
図2に示すように、圧力センサー4は、受圧により撓み変形するダイアフラム55を有する基板5と、ダイアフラム55の上側に配置された圧力基準室S(空洞部)と、基板5と共に圧力基準室Sを形成する周囲構造体6と、ダイアフラム55に配置されたセンサー部7と、を有している。
図2に示すように、圧力センサー4は、受圧により撓み変形するダイアフラム55を有する基板5と、ダイアフラム55の上側に配置された圧力基準室S(空洞部)と、基板5と共に圧力基準室Sを形成する周囲構造体6と、ダイアフラム55に配置されたセンサー部7と、を有している。
図2に示すように、基板5は、シリコンで構成された第1層51と、第1層51の上側側に配置され、シリコンで構成された第3層53と、第1層51および第3層53の間に配置され、酸化シリコンで構成された第2層52と、を有するSOI基板で構成されている。なお、基板5としては、SOI基板に限定されず、例えば、単層のシリコン基板を用いることもできる。また、基板5は、シリコン以外の半導体材料、例えば、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム、炭化珪素等で構成された基板(半導体基板)であってもよい。
基板5には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム55が形成されている。基板5には下方に開放する有底の凹部54が形成され、この凹部54によって基板5が薄くなっている部分がダイアフラム55となっている。また、ダイアフラム55は、その下面が圧力を受ける受圧面551となっている。
ダイアフラム55には、ダイアフラム55に作用する圧力を検出し得るセンサー部7が設けられている。図3に示すように、センサー部7は、ダイアフラム55に設けられた4つのピエゾ抵抗素子71、72、73、74を有している。そして、ピエゾ抵抗素子71、72、73、74は、配線75を介して互いに電気的に接続され、図4に示すブリッジ回路70(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。ブリッジ回路70には駆動電圧AVDCを供給(印加)する駆動回路が接続されている。そして、ブリッジ回路70は、ダイアフラム55の撓みに基づくピエゾ抵抗素子71、72、73、74の抵抗値変化に応じた検出信号(電圧)を出力する。そのため、この出力された検出信号に基づいてダイアフラム55が受けた圧力を検出することができる。
ピエゾ抵抗素子71、72、73、74は、例えば、基板5の第3層53にリン、ボロン、砒素等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線75は、例えば、基板5の第3層53に、ピエゾ抵抗素子71、72、73、74よりも高濃度でリン、ボロン、砒素等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
また、図2に示すように、基板5の上面には、酸化シリコン膜(SiO2膜)からなる第1絶縁膜81が成膜されている。第1絶縁膜81によって、ピエゾ抵抗素子71、72、73、74の界面準位を低減してノイズの発生を抑制することができる。また、第1絶縁膜81の上面には、窒化シリコン膜(SiN膜)からなる第2絶縁膜82が成膜されている。第2絶縁膜82によって、センサー部7を水分、ガス等から保護することができる。また、第2絶縁膜82の上面には、ポリシリコン(p−Si)からなる第3絶縁膜83が成膜されている。第3絶縁膜83は、ダイアフラム55と重ならないように枠状に形成されている。
図2に示すように、ダイアフラム55の上側には、圧力基準室Sが設けられている。圧力基準室Sは、基板5と周囲構造体6とに囲まれることで形成されている。圧力基準室Sは、密閉された空間であり、圧力基準室S内の圧力が、圧力センサー4が検出する圧力の基準値となる。特に、圧力基準室Sは、減圧状態、特に真空状態または真空状態により近い状態(例えば、10Pa以下)であることが好ましい。なお、圧力基準室Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
周囲構造体6は、基板5との間に圧力基準室Sを形成している。このような周囲構造体6は、基板5上に配置された層間絶縁膜61と、層間絶縁膜61上に配置された配線層62と、配線層62および層間絶縁膜61上に配置された層間絶縁膜63と、層間絶縁膜63上に配置された配線層64と、配線層64および層間絶縁膜63上に配置された表面保護膜65と、配線層64および表面保護膜65上に配置された封止層66と、表面保護膜65上に配置された端子67と、を有している。
層間絶縁膜61、63は、それぞれ、枠状をなし、平面視でダイアフラム55を囲むように配置されている。層間絶縁膜61、63の構成材料としては、特に限定されず、例えば、酸化シリコン(SiO2)等を用いることができる。
配線層62は、圧力基準室Sを囲んで配置された枠状のガードリング621と、センサー部7の配線75と接続された配線部629とを有している。また、配線層64は、圧力基準室Sを囲んで配置された枠状のガードリング641と、配線75と接続された配線部649とを有している。配線層62、64の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ニッケル、金、白金、銀、銅、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、チタン等の各種金属、またはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。
表面保護膜65は、周囲構造体6を水分、ガス、ゴミ、傷等から保護する機能を有している。表面保護膜65の構成材料としては、特に限定されず、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン系材料、ポリイミド、エポキシ樹脂等の各種樹脂材料を用いることができる。また、表面保護膜65上には配線部629、649を介してセンサー部7と電気的に接続されている複数の端子67が設けられている。
封止層66は、圧力基準室Sを介してダイアフラム55と対向して配置され、圧力基準室Sを封止している。図2に示すように、封止層66は、下面が圧力基準室Sに臨む第1封止層661と、第1封止層661の上面に積層された第2封止層662と、第2封止層662の上面に積層された第3封止層663と、を有する3層構造をなしている。第1封止層661、第2封止層662および第3封止層663の構成材料としては、特に限定されないが、本実施形態では、第1封止層661および第3封止層663がそれぞれシリコン(Si)で構成されており、第2封止層662が酸化シリコン(SiO2)で構成されている。
図2に示すように、第1封止層661には複数の貫通孔661aが形成されている。複数の貫通孔661aは、製造途中まで圧力基準室Sを埋めている犠牲層を除去するためのリリースエッチング用の孔として利用される。そして、第1封止層661には第2封止層662が積層され、第2封止層662によって貫通孔661aが封止されている。
第2封止層662には第3封止層663が積層されている。第3封止層663は、主に、材料が同じ第1封止層661との間に、異なる材料で構成された第2封止層662を挟み込むことにより、封止層66の熱膨張時の面外方向への撓みを抑制するための層である。これにより、特に、封止層66の撓みを抑制することができ、封止層66とダイアフラム55との接触を抑制することができる。また、第2封止層662の成膜不良等により、第2封止層662によっては貫通孔661aを塞ぐことができなかった場合には、第3封止層663によって貫通孔661aを塞ぐこともできる。これにより、圧力基準室Sをより確実に封止することができる。
以上、圧力センサー4について説明したが、圧力センサー4の構成としては、特に限定されない。
[回路素子]
図1に示すように、回路素子9は、圧力センサー4と共に収納空間S1に収納されている。このような回路素子9は、後述する支持基板23を介して圧力センサー4と電気的に接続されており、例えば、ブリッジ回路70に電圧を供給するための駆動回路、ブリッジ回路70からの出力から圧力センサー4が受けた圧力を求める圧力検出回路、圧力検出回路からの出力を所定の出力形式に変換して出力する出力回路等を有している。
図1に示すように、回路素子9は、圧力センサー4と共に収納空間S1に収納されている。このような回路素子9は、後述する支持基板23を介して圧力センサー4と電気的に接続されており、例えば、ブリッジ回路70に電圧を供給するための駆動回路、ブリッジ回路70からの出力から圧力センサー4が受けた圧力を求める圧力検出回路、圧力検出回路からの出力を所定の出力形式に変換して出力する出力回路等を有している。
[パッケージ]
図1に示すように、パッケージ2は、ベース21と、ハウジング22と、支持基板23と、を有している。また、ベース21は、第1ベース211と、第2ベース212と、を有しおり、第1ベース211と第2ベース212とが支持基板23を挟み込むようにして互いに接着層を介して接合されている。このようにして形成されたベース21は、その内部に形成された収納空間S1と、その上端部に形成され、収納空間S1と連通する開口210と、を有している。そして、収納空間S1に回路素子9および圧力センサー4が収納されている。これにより、パッケージ2によって回路素子9および圧力センサー4を衝撃等から保護することができる。
図1に示すように、パッケージ2は、ベース21と、ハウジング22と、支持基板23と、を有している。また、ベース21は、第1ベース211と、第2ベース212と、を有しおり、第1ベース211と第2ベース212とが支持基板23を挟み込むようにして互いに接着層を介して接合されている。このようにして形成されたベース21は、その内部に形成された収納空間S1と、その上端部に形成され、収納空間S1と連通する開口210と、を有している。そして、収納空間S1に回路素子9および圧力センサー4が収納されている。これにより、パッケージ2によって回路素子9および圧力センサー4を衝撃等から保護することができる。
また、ベース21は、その下側の部分である下端部21Aと、その上側の部分である上端部21B(外壁)と、を有している。そして、ベース21の平面視(図1中の上下方向からの平面視)で、下端部21Aが略正方形となっており(図9参照)、上端部21Bが略円形となっている(図5参照)。
ただし、ベース21の形状としては、これに限定されず、例えば、下端部21Aは、正方形ではなく、円形(楕円、長円等を含む)、三角形、正方形以外の四角形、五角形以上の多角形、異形等いかなる形状であってもよい。同様に、上端部21Bは、円形ではなく、三角形、四角形、五角形以上の多角形、異形等いかなる形状であってもよい。また、下端部21Aと上端部21Bとを異なる形状とする必要はなく、例えば、共に円形となっている等、同じ形状であってもよい。
ハウジング22は、ベース21の開口210を塞ぐキャップとして機能する。ハウジング22は、内部に空間S2を有する円筒状の基部221(内壁)と、基部221の上端部に設けられた上部フランジ222と、基部221の下端部に設けられた下部フランジ223と、を有している。そして、上部フランジ222によってベース21の開口210が塞がれており、基部221と下部フランジ223とが収納空間S1に挿入されている。
また、図5に示すように、基部221は、ベース21の上端部21B内に位置し、円筒状をなし、その外径が上端部21Bの内径よりも小さい。また、基部221は、上端部21Bと同軸的に配置されている。そのため、基部221と上端部21Bとの間には空間S2を囲む環状の空間S3が形成されている。また、図1に示すように、下部フランジ223は、ベース21の上端部21B内に位置し、空間S3と、ベース21の下端部21A内の空間S4と、を仕切っている。すなわち、収納空間S1は、基部221内の空間S2(第2領域)と、空間S2の周囲に位置する環状の空間S3と、空間S2、S3の下方に位置する空間S4(第1領域)と、に仕切られている。そして、空間S4に回路素子9および圧力センサー4が配置されている。
なお、図1に示すように、本実施形態では、ベース21とハウジング22とを気密的に固定するために、上部フランジ222の下面とベース21の上面との間にシール部材241を配置し、下部フランジ223の外周面と上端部21Bの内周面との間にシール部材242を配置している。
下部フランジ223には空間S2と空間S4とを連通する貫通孔253が設けられている。言い換えると、下部フランジ223は、基部221の下側開口を塞がないように設けられている。そして、空間S2と空間S4とによって第1空間S’が形成され、空間S3によって第2空間S”が形成されている。
第1空間S’において、空間S2の幅W2は、空間S4の幅W4よりも狭くなっている。すなわち、空間S2は、空間S4に対して縮幅している。このように、第1空間S’が、空間S4と、空間S4に対して縮幅した空間S2と、を有することにより、回路素子9および圧力センサー4を収納するスペース(空間S4の広さ)を十分に確保しつつ、第1空間S’全体を小さくすることができる。そのため、パッケージ2の小型化を図ることができる。ただし、これに限定されず、例えば、第1空間S’は、空間S2のみから構成されており、空間S2に回路素子9および圧力センサー4が配置されていてもよい。
図1に示すように、ベース21の上端部21Bにはパッケージ2の外側と空間S3とを連通する一対の貫通孔251(第1貫通孔)が設けられている。また、ハウジング22の基部221には空間S2と空間S3とを連通する一対の貫通孔252(第2貫通孔)が設けられている。図5に示すように、パッケージ2の平面視で、パッケージ2の中心軸Oと交わり、互いに直交する軸を第1軸Xおよび第2軸Yとしたとき、一対の貫通孔251は、中心軸Oに対して互いに反対側に位置し、かつ、第1軸Xに沿って形成され、一対の貫通孔252は、中心軸Oに対して互いに反対側に位置し、かつ、第2軸Yに沿って形成されている。言い換えると、一対の貫通孔251を通る第1軸Xと一対の貫通孔252を通る第2軸Yとが直交し、さらには、その交点が中心軸Oと一致している。なお、「第1軸Xと第2軸Yとが直交する」とは、第1軸Xおよび第2軸Yが90°で交差する場合の他、90°から若干ずれた角度(例えば製造上生じ得る誤差であり、80°以上100°以下程度)で交差する場合を含む意味である。
このような構成とすると、第1空間S’を動圧(風)の影響を実質的に受けない(受け難い)静的な状態に保つことができる。具体的には、図6に示すように、パッケージ2が第2軸Yに沿う方向(0°)の風Wを受けたときは、一対の貫通孔251が静圧孔として機能し、第1空間S’および第2空間S”が共に静的な状態に保たれる。一方、図7に示すように、パッケージ2が第1軸Xに沿う方向(90°)の風Wを受けたときは、第2空間S”内を風Wが通過するため、第2空間S”については動的な状態となるが、一対の貫通孔252が静圧孔として機能し、第1空間S’については静的な状態に保たれる。また、第1軸Xおよび第2軸Yに対して傾斜する方向(0°超90°未満)の風を受けたときも同様に、一対の貫通孔252が静圧孔として機能し、第1空間S’については静的な状態に保たれる。
図8に、風速が3m/s程度の風を当てたときの、その入射角と第1空間S’内の圧力との関係を示す。同図に示すように、入射角に影響されることなく、第1空間S’の圧力にほとんど変化が無いこと、すなわち第1空間S’が静的な状態に保たれていることが分かる。
特に、本実施形態では、基部221および上端部21Bが、それぞれ、平面視で円筒状をなし、同軸的に配置されている。そのため、上端部21Bの外周面に沿って風が流れ易くなると共に、第2空間S”を風が通り抜け易くなる。したがって、乱流の発生が抑制され、上述した効果がより著顕となり、第1空間S’をより確実に静的な状態に保つことができる。
さらには、本実施形態では、一対の貫通孔251および一対の貫通孔252は、中心軸Oに直交する同一の面F上に位置している(図1参照)。すなわち、一対の貫通孔251および一対の貫通孔252は、その高さが互いに揃っている。そのため、上述した作用がより効果的に発揮され、第1空間S’をより確実に静的な状態に保つことができる。ただし、一対の貫通孔251および一対の貫通孔252の配置は、特に限定されず、例えば、一対の貫通孔251と一対の貫通孔252とが高さ方向にずれて配置されていてもよい。
また、一対の貫通孔251および一対の貫通孔252は、それぞれ、円形の開口形状となっており、互いにほぼ等しい径を有している。ただし、これに限定されず、一対の貫通孔251および一対の貫通孔252は、それぞれ、楕円形、長円形、三角形、四角形、異形等いかなる形状であってもよいし、少なくとも1つの貫通孔が他の貫通孔と異なる形状となっていてもよい。また、少なくとも1つの貫通孔の径が他の貫通孔の径と異なっていてもよい。
静的な状態に保たれる第1空間S’に圧力センサー4が収納されているため、圧力センサー4は、風(動圧)の影響を受け難く、検出対象である圧力(静圧)を精度よく検出することができる。特に、本実施形態では、第1空間S’が、一対の貫通孔252に面する空間S2(第2領域)と、空間S2の下方に位置する空間S4(第1領域)と、を有し、空間S4に圧力センサー4を収納していることから、圧力センサー4を一対の貫通孔252から離間させて配置することができる。そのため、圧力センサー4は、風の影響をより受け難くなる。
以上、ベース21およびハウジング22について説明した。これらベース21およびハウジング22の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物セラミックスのような各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、各種セラミックスを用いることが特に好ましい。
支持基板23は、前述したように、第1ベース211と第2ベース212との間に挟まれており、収納空間S1(空間S4)内からベース21の外側に引き出されている。また、支持基板23は、回路素子9および圧力センサー4を支持すると共に、回路素子9および圧力センサー4を電気的に接続している。このような支持基板23は、図9に示すように、可撓性を有する基材231と、基材231に配置された複数の配線239と、を有している。
基材231は、開口232aを有する枠状の基部232と、基部232から延出する帯状の帯体233と、を有している。そして、基部232の外縁部において第1ベース211と第2ベース212とに挟まれ、帯体233がベース21の外側に延出している。このような基材231としては、例えば、一般的に用いられているフレキシブルプリント基板を用いることができる。なお、本実施形態では基材231が可撓性を有しているが、基材231の全部または一部は、硬質であってもよい。
基材231の平面視で、回路素子9および圧力センサー4は、開口232aの内側に位置し、並んで配置されている。また、回路素子9および圧力センサー4は、それぞれ、ボンディングワイヤーBWを介して基材231に吊られ、パッケージ2から浮遊した状態で支持基板23に支持されている。また、回路素子9および圧力センサー4は、それぞれ、ボンディングワイヤーBWおよび配線239を介して電気的に接続されている。このように、回路素子9および圧力センサー4をパッケージ2から浮遊した状態で支持することにより、パッケージ2から回路素子9および圧力センサー4に応力が伝わり難くなり、圧力センサー4の圧力検出精度が向上する。
[充填材]
図1に示すように、充填材8は、回路素子9および圧力センサー4を覆うように収納空間S1(空間S4)に配置されている。そのため、外圧は、充填材8を介してダイアフラム55に作用する。このような充填材8により、回路素子9および圧力センサー4を保護(防塵および防水)すると共に、パッケージ2に作用した外部応力が回路素子9および圧力センサー4に伝わり難くなる。
図1に示すように、充填材8は、回路素子9および圧力センサー4を覆うように収納空間S1(空間S4)に配置されている。そのため、外圧は、充填材8を介してダイアフラム55に作用する。このような充填材8により、回路素子9および圧力センサー4を保護(防塵および防水)すると共に、パッケージ2に作用した外部応力が回路素子9および圧力センサー4に伝わり難くなる。
充填材8は、液状またはゲル状であること好ましく、回路素子9および圧力センサー4の過剰な変位を抑制することができる点で、特にゲル状であるのが好ましい。このような充填材8によれば、回路素子9および圧力センサー4を水分から効果的に保護することができると共に、圧力を効率的に圧力センサー4へ伝達することができる。このような充填材8としては、特に限定されず、例えば、シリコーンオイル、フッ素系オイル、シリコーンゲル等を用いることができる。
以上、圧力センサーモジュール1について説明した。このような圧力センサーモジュール1は、前述したように、圧力センサー4と、圧力センサー4を収納するパッケージ2と、を有している。また、パッケージ2は、圧力センサー4を収納する第1空間S’と、平面視で、第1空間S’の少なくとも一部を囲む環状の第2空間S”と、第1空間S’と第2空間S”とを仕切る基部221(内壁)と、第2空間S”とパッケージ2の外側とを仕切る上端部21B(外壁)と、を有している。そして、上端部21Bには、平面視で、第2空間S”に対して互いに反対側に位置し、第2空間S”とパッケージ2の外側とを連通する一対の貫通孔251(第1貫通孔)が設けられ、基部221には、平面視で、第1空間S’に対して互いに反対側に位置し、第1空間S’と第2空間S”とを連通する一対の貫通孔252(第2貫通孔)が設けられている。さらには、平面視で、一対の貫通孔251を結ぶ第1軸Xと、一対の貫通孔252を結ぶ第2軸Yとが直交している。これにより、前述したように、第1空間S’内を風(動圧)の影響を実質的に受けない静的な状態に維持することができる。したがって、圧力センサー4によって、精度よく圧力を検出することができる。さらには、パッケージ2を工夫することにより風(動圧)の影響を受け難くしているため、従来のように搭載対象物(例えば、後述する電子機器や移動体)自体に風の影響を受け難くする工夫を施す必要がなく、搭載対象物への制約も小さくなる。
また、前述したように、基部221(内壁)および上端部21B(外壁)は、それぞれ、平面視で円筒状をなし、同心的に配置されている。そのため、上端部21Bの外周面に沿って風が流れ易くなると共に、第2空間S”内を風が通り抜け易くなる。したがって、第1空間S’をより確実に静的な状態に保つことができる。
また、前述したように、一対の貫通孔251および一対の貫通孔252は、同一面上に位置している。これにより、第1空間S’をより確実に静的な状態に保つことができる。
また、前述したように、圧力センサー4は、パッケージ2から浮遊している。これにより、パッケージ2から圧力センサー4に応力が伝わり難くなり、圧力センサー4の圧力検出精度が向上する。
また、前述したように、圧力センサーモジュール1は、第1空間S’に配置され、圧力センサー4を覆う充填材8を有している。これにより、圧力センサー4を保護(防塵および防水)すると共に、パッケージ2に作用した外部応力が圧力センサー4に伝わり難くなる。
また、前述したように、第1空間S’は、圧力センサー4が収納されている空間S4(第1領域)と、空間S4に対して縮幅し、周囲に第2空間S”が配置されている空間S2(第2領域)と、を有している。これにより、圧力センサー4を収納するスペースを十分に確保しつつ、第1空間S’を小さくすることができ、パッケージ2の小型化を図ることができる。
また、前述したように、圧力センサーモジュール1は、第1空間S’に収容され、圧力センサー4と電気的に接続されている回路素子9を有している。これにより、回路素子9を保護することができる。また、回路素子9を圧力センサー4のより近くに配置することができるため、圧力センサー4からの検出信号にノイズが生じ難く、より精度よく圧力を検出することのできる圧力センサーモジュール1となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る電子機器について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る電子機器としての高度計を示す斜視図である。図11は、図10に示す高度計の変形例が有する筐体の横断面図である。図12は、図11に示す筐体の縦断面図である。図13は、図11に示す筐体に搭載された圧力センサーの縦断面図である。
図10に示すように、電子機器としての高度計1000は、腕時計のように手首に装着することができる。このような高度計1000は、筐体1200と、筐体1200に設けられた表示部1100と、を有している。また、筐体1200には、圧力センサーモジュール1が搭載されており、表示部1100に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、表示部1100には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
このような電子機器の一例である高度計1000は、圧力センサーモジュール1を有している。そのため、高度計1000は、前述した圧力センサーモジュール1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本実施形態の変形例として、次のような構成とすることもできる。図11および図12に示すように、高度計1000の筐体1200は、その内部に圧力センサーモジュール1を配置するための空間1210と、空間1210に対して互いに反対側に位置し、空間1210と筐体1200の外周面とを連通する一対の貫通孔1220と、を有している。一対の貫通孔1220は、第1軸Xに沿って形成されている。また、空間1210に配置された圧力センサーモジュール1は、図13に示すように、前述した第1実施形態の構成から、ハウジング22の基部221および下部フランジ223が省略されている。また、ベース21に形成された一対の貫通孔251は、第2軸Yに沿って形成されている。
このような構成では、筐体1200が本発明の「外壁」を構成し、パッケージ2が本発明の「内壁」を構成し、収納空間S1が本発明の「第1空間」を構成し、空間1210が本発明の「第2空間」を構成し、貫通孔1220が本発明の「第1貫通孔」を構成し、貫通孔251が本発明の「第2貫通孔」を構成している。このように、本構成では、筐体1200が外壁を兼ねている。これにより、パッケージ2の小型化を図ることができ、よって、高度計1000の小型化を図ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る電子機器について説明する。
図14は、本発明の第3実施形態に係る電子機器としてのナビゲーションシステムを示す正面図である。
図14に示すように、電子機器としてのナビゲーションシステム2000は、筐体2200と、筐体2200に設けられ、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部2100と、を備えている。また、筐体2200内には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサーモジュール1と、が搭載されている。
このナビゲーションシステム2000によれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、ナビゲーションシステム2000に圧力センサーモジュール1を搭載し、高度情報を圧力センサーモジュール1によって取得することにより、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出することができ、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
このような電子機器の一例としてのナビゲーションシステム2000は、圧力センサーモジュール1を有している。そのため、ナビゲーションシステム2000は、前述した圧力センサーモジュール1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本実施形態のナビゲーションシステム2000においても、前述した第2実施形態と同様に、ナビゲーションシステム2000の筐体2200が本発明の「外壁」を兼ねていてもよい。
本発明の電子機器は、前述の高度計1000およびナビゲーションシステム2000に限定されず、その他にも、例えば、パーソナルコンピューター、デジタルスチールカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る移動体について説明する。
次に、本発明の第4実施形態に係る移動体について説明する。
図15は、本発明の第4実施形態に係る移動体としてのドローン飛行体を示す斜視図である。図16は、図15に示すドローン飛行体の変形例が有する筐体の横断面図である。図17は、図16に示す筐体の縦断面図である。
図15に示すように、移動体としてのドローン飛行体4000(無人飛行体)は、ボディ4100およびボディ4100から4方向に延びる4つのアーム4200を備える筐体4300と、各アーム4200の先端部に設けられた垂直状のプロペラ4400と、を有している。また、ボディ4100には、ドローン飛行体4000の姿勢や移動速度等を検出するための図示しないジャイロセンサーおよび加速度センサーや、各プロペラ4400の駆動を独立して制御する図示しない制御装置等が搭載されている。また、ボディ4100には、圧力センサーモジュール1が搭載されており、ドローン飛行体4000の高度を検出できるようになっている。
このような移動体の一例としてのドローン飛行体4000は、圧力センサーモジュール1を有している。そのため、ドローン飛行体4000は、前述した圧力センサーモジュール1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。なお、ドローン飛行体4000の構成としては、特に限定されず、例えば、各アーム4200の先端部に圧力センサーモジュール1が設けられており、4つの圧力センサーモジュール1から得られる高度の差によってドローン飛行体4000の姿勢を検出できるようになっていてもよい。
なお、本実施形態の変形例として、次のような構成とすることもできる。図16および図17に示すように、ドローン飛行体4000の筐体4300は、その内部に圧力センサーモジュール1を配置するための空間4310と、空間4310に対して互いに反対側に位置し、空間4310と筐体4300の外周面とを連通する一対の貫通孔4320と、を有している。なお、一対の貫通孔4320は、第1軸Xに沿って形成されている。また、空間4310に配置された圧力センサーモジュール1は、前述した第2実施形態と同様に、図13に示すような構成となっている。
このような構成では、筐体4300が本発明の「外壁」を構成し、パッケージ2が本発明の「内壁」を構成し、収納空間S1が本発明の「第1空間」を構成し、空間4310が本発明の「第2空間」を構成し、貫通孔4320が本発明の「第1貫通孔」を構成し、貫通孔251が本発明の「第2貫通孔」を構成している。このように、本構成では、筐体4300が外壁を兼ねている。これにより、パッケージ2の小型化を図ることができ、よって、ドローン飛行体4000の小型化を図ることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る移動体について説明する。
次に、本発明の第5実施形態に係る移動体について説明する。
図18は、本発明の第5実施形態に係る移動体としての自動車を示す斜視図である。
図18に示すように、移動体としての自動車3000は、車体3100と、4つの車輪3200(タイヤ)と、を有しており、車体3100に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪3200を回転させるように構成されている。また、自動車3000は、車体3100に搭載されている電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)3300を有しており、この電子制御ユニット3300に圧力センサーモジュール1が内蔵されている。電子制御ユニット3300は、圧力センサーモジュール1が車体3100の加速度や傾斜等を検出することにより、移動状態や姿勢等を把握し、車輪3200等の制御を的確に行うことができる。これにより、自動車3000は、安全で安定した移動をすることができる。なお、圧力センサーモジュール1は、自動車3000に備えられているナビゲーションシステム等に搭載されていてもよい。
このような移動体の一例としての自動車3000は、圧力センサーモジュール1を有している。そのため、自動車3000は、前述した圧力センサーモジュール1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本実施形態の自動車3000においても、前述した第4実施形態と同様に、自動車3000の車体3100(筐体)が本発明の「外壁」を兼ねていてもよい。
以上、本発明の圧力センサーモジュール、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧力センサーモジュール、2…パッケージ、21…ベース、21A…下端部、21B…上端部、210…開口、211…第1ベース、212…第2ベース、22…ハウジング、221…基部、222…上部フランジ、223…下部フランジ、23…支持基板、231…基材、232…基部、232a…開口、233…帯体、239…配線、241、242…シール部材、251、252、253…貫通孔、4…圧力センサー、5…基板、51…第1層、52…第2層、53…第3層、54…凹部、55…ダイアフラム、551…受圧面、6…周囲構造体、61…層間絶縁膜、62…配線層、621…ガードリング、629…配線部、63…層間絶縁膜、64…配線層、641…ガードリング、649…配線部、65…表面保護膜、66…封止層、661…第1封止層、661a…貫通孔、662…第2封止層、663…第3封止層、67…端子、7…センサー部、70…ブリッジ回路、71、72、73、74…ピエゾ抵抗素子、75…配線、8…充填材、81…第1絶縁膜、82…第2絶縁膜、83…第3絶縁膜、9…回路素子、1000…高度計、1100…表示部、1200…筐体、1210…空間、1220…貫通孔、2000…ナビゲーションシステム、2100…表示部、2200…筐体、3000…自動車、3100…車体、3200…車輪、3300…電子制御ユニット、4000…ドローン飛行体、4100…ボディ、4200…アーム、4300…筐体、4310…空間、4320…貫通孔、4400…プロペラ、BW…ボンディングワイヤー、F…面、O…中心軸、S…圧力基準室、S’…第1空間、S”…第2空間、S1…収納空間、S2…空間、S3…空間、S4…空間、W…風、W2、W4…幅、X…第1軸、Y…第2軸
Claims (11)
- 圧力センサーと、
前記圧力センサーを収納するパッケージと、を有し、
前記パッケージは、
前記圧力センサーを収納する第1空間と、
前記第1空間の少なくとも一部を囲む環状の第2空間と、
前記第1空間と前記第2空間とを仕切る内壁と、
前記第2空間と前記パッケージの外側とを仕切る外壁と、を有し、
前記外壁には、前記平面視で、前記第2空間に対して互いに反対側に位置し、前記第2空間と前記パッケージの外側とを連通する一対の第1貫通孔が設けられ、
前記内壁には、前記平面視で、前記第1空間に対して互いに反対側に位置し、前記第1空間と前記第2空間とを連通する一対の第2貫通孔が設けられ、
前記平面視で、前記一対の第1貫通孔を結ぶ第1軸と、前記一対の第2貫通孔を結ぶ第2軸とが直交していることを特徴とする圧力センサーモジュール。 - 前記内壁および前記外壁は、それぞれ、前記平面視で円筒状をなし、同心的に配置されている請求項1に記載の圧力センサーモジュール。
- 前記一対の第1貫通孔および前記一対の第2貫通孔は、同一面上に位置している請求項1に記載の圧力センサーモジュール。
- 前記圧力センサーは、前記パッケージから浮遊している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧力センサーモジュール。
- 前記第1空間に配置され、前記圧力センサーを覆う充填材を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧力センサーモジュール。
- 前記第1空間は、
前記圧力センサーが収納されている第1領域と、
前記第1領域に対して縮幅し、周囲に前記第2空間が配置されている第2領域と、を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧力センサーモジュール。 - 前記第1空間に収容され、前記圧力センサーと電気的に接続されている回路素子を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーモジュール。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力センサーモジュールを有することを特徴とする電子機器。
- 前記電子機器の筐体が前記外壁を兼ねている請求項8に記載の電子機器。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力センサーモジュールを有することを特徴とする移動体。
- 前記移動体の筐体が前記外壁を兼ねている請求項10に記載の移動体。
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