JP2019127981A - 電動機用変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】差動機構としてディファレンシャルギヤを用いる場合において、軸線方向長さを短縮し、装置全体の小型化を図れる電動機用変速装置を提供する。【解決手段】本発明による電動機用変速装置1は、電動機2の動力を変速し、ディファレンシャルギヤ4に伝達する。ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構PG1は、電動機2の動力が入力されるサンギヤS1と、複数の第1及び第2ピニオンギヤP1、P2を支持するキャリアC1と、リングギヤR1を有し、キャリアC1及びリングギヤR1はそれぞれ第1及び第2ブレーキB2で制動される。各第2ピニオンギヤP2は、第1ピニオンギヤP1及びリングギヤR1に噛み合う基部P2Bと、基部P2Bから電動機2と反対側に延びる延出部P2Eを有し、ディファレンシャルギヤ4は、延出部P2Eに噛み合う第2サンギヤS2を有し、複数の延出部P2Eによって画成された内側の空間に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電動機の動力を変速するとともに、差動機構によって2つの出力軸に配分するための電動機用変速装置に関する。
従来のこの種の電動機用変速装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この電動機用変速装置(以下、単に「変速装置」という)は、電気自動車に適用されたものであり、図6に示された例では、電動モータ(以下「モータ」という)に連結された変速機構及び差動機構を備えており、これらの3つの機構は、この順に電気自動車の出力軸の軸線方向に並んだ状態で配置され、ハウジングに収容されている。
変速機構は、第1及び第2クラッチと遊星歯車機構を有しており、これらは、モータ側から順に軸線方向に並んだ状態で配置されている。遊星歯車機構は、互いに歯数が異なる第1及び第2ピニオンギヤを一体に有する2連ピニオンギヤと、2連ピニオンギヤを回転自在に支持するキャリアを有する。また、遊星歯車機構は、モータのロータに第1クラッチを介して連結され、上記第1ピニオンギヤに噛み合う第1サンギヤと、第1ピニオンギヤに噛み合うとともに、ハウジングに固定された第1リングギヤを有し、さらに、モータのロータに第2クラッチを介して連結され、上記第2ピニオンギヤに噛み合うとともに、第1サンギヤよりも歯数の大きい第2サンギヤと、第2ピニオンギヤに噛み合う、第1リングギヤよりも歯数の小さい第2リングギヤを有する。
差動機構は、ダブルピニオン式の遊星歯車機構で構成されており、変速機構の第2リングギヤに連結されたリングギヤと、リングギヤに順に噛み合う第1及び第2プラネタリギヤと、第1及び第2プラネタリギヤを回転自在に支持するキャリアと、第2プラネタリギヤに噛み合うサンギヤを有する。この差動機構のサンギヤは、電気自動車の一方の出力軸に連結され、キャリアは、電気自動車の他方の出力軸に連結されている。
この変速装置では、第1クラッチをオンし、第2クラッチをオフすると、モータの動力は、変速機構の第1サンギヤに入力され、所定の減速比で変速された後、第2リングギヤを介して、差動機構のリングギヤに出力される。一方、第1クラッチをオフし、第2クラッチをオンすると、モータの動力は、第2サンギヤに入力され、上記よりも小さい所定の減速比で変速された後、第2リングギヤを介して、差動機構のリングギヤに出力される。差動機構に入力されたモータの動力は、そのサンギヤとキャリアに配分され、2つの出力軸に伝達される。
特開2002−104001号公報
上述したように、従来の変速装置では、変速されたモータの動力を配分する差動機構として、通常のディファレンシャルギヤではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構が用いられている。これは、変速機構の第1及び第2クラッチ、遊星歯車機構の2つのギヤ列と差動機構が、出力軸の軸線方向に並んで配置される関係から、ディファレンシャルギヤよりも軸線方向長さが小さいダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いる方が、軸線方向長さを抑制する上で有利なためである。
しかし、ダブルピニオン式の遊星歯車機構は、ディファレンシャルギヤと比較して構成が複雑であるため、装置全体の構成の複雑化や高コスト化を招く。この観点から、差動機構として、ディファレンシャルギヤを用いることが好ましいものの、その場合には、軸線方向長さが大きいディファレンシャルギヤが変速機構と並設される結果、軸線方向長さが大きくなり、装置全体の大型化を招く。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、差動機構としてディファレンシャルギヤを用いる場合において、軸線方向長さを短縮し、装置全体の小型化を図ることができる電動機用変速装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、電動機2の動力を変速するとともに、差動機構によって2つの出力軸(実施形態における(以下、本項において同じ)駆動軸SL、SR)に配分する電動機用変速装置1であって、出力軸と同軸状に配置されたダブルピニオン式の遊星歯車機構(第1遊星歯車機構PG1)を備え、遊星歯車機構は、電動機2の動力が入力されるサンギヤS1と、サンギヤS1に噛み合う複数の第1ピニオンギヤP1、及び複数の第1ピニオンギヤP1にそれぞれ噛み合う複数の第2ピニオンギヤP2を回転自在に支持するキャリアC1と、複数の第2ピニオンギヤP2に噛み合うリングギヤR1と、を有し、キャリアC1を制動するための第1ブレーキ(第1ブレーキB1、ワンウェイクラッチOWC)と、リングギヤR1を制動するための第2ブレーキB2と、をさらに備え、複数の第2ピニオンギヤP2の各々は、第1ピニオンギヤP1及びリングギヤR1に噛み合う基部P2Bと、基部P2Bから電動機2と反対側に延びる延出部P2Eを有し、差動機構は、第2ピニオンギヤP2の延出部P2Eに噛み合う第2サンギヤS2を入力ギヤとして有するディファレンシャルギヤ4で構成され、複数の第2ピニオンギヤP2の延出部P2Eによって画成された内側の空間に配置されていることを特徴とする。
上記のように、本発明の電動機用変速装置(以下、適宜「変速装置」という)は、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を備えており、差動機構はディファレンシャルギヤで構成されている。遊星歯車機構の第2ピニオンギヤは、基部と、基部から電動機と反対側に延びる延出部を有し、基部は、第1ピニオンギヤ及びリングギヤに噛み合い、延出部は、ディファレンシャルギヤの入力ギヤである第2サンギヤに噛み合っている。また、遊星歯車機構のキャリア及びリングギヤをそれぞれ制動する第1及び第2ブレーキが設けられている。
この構成によれば、電動機の動力は、遊星歯車機構のサンギヤに入力され、第1ピニオンギヤと第2ピニオンギヤの基部を介して、キャリア及びリングギヤに入力される。後述するように、電動機の動力は、第1ブレーキでキャリアを制動した場合と、第2ブレーキでリングギヤを制動した場合において、遊星歯車機構の回転要素間の歯数比によって定まる、互いに異なる所定の減速比で減速される。したがって、第1及び第2ブレーキの作動/停止を切り替えることによって、電動機の動力を2段変速で変速することができる。変速された動力は、第2ピニオンギヤの延出部及び第2サンギヤを介してディファレンシャルギヤに入力され、ディファレンシャルギヤによって2つの出力軸に配分される。
また、本発明によれば、第2ピニオンギヤの基部から電動機と反対側に延びる延出部によって、その内側に空間が画成され、この内側空間にディファレンシャルギヤが配置・収容されている。これにより、ディファレンシャルギヤが変速機構に対して軸線方向に並設される場合と比較して、軸線方向長さを短縮でき、装置全体の小型化を図ることができる。また、差動機構として、ダブルピニオン式の遊星歯車機構よりも構成が単純なディファレンシャルギヤが用いられるので、装置全体の構成の単純化と低コスト化を図ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電動機用変速装置において、複数の第2ピニオンギヤP2の各々は、基部P2B及び延出部P2Eを有する大ギヤP21と、大ギヤP21よりも小さい歯数を有する小ギヤP22とを一体に有する2連ピニオンギヤで構成され、小ギヤP22に噛み合う第2リングギヤR2と、第2リングギヤR2を制動するための第3ブレーキB3と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、第3ブレーキで第2リングギヤを制動した場合、後述するように、電動機の動力は、上記の第1ブレーキでキャリアを制動した場合と第2ブレーキでリングギヤを制動した場合の中間の所定の減速比で減速される。したがって、第1〜第3ブレーキの作動/停止を切り替えることによって、電動機の動力を3段変速で変速することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の電動機用変速装置において、第2ピニオンギヤP2の小ギヤP22は、大ギヤP21に対して電動機2と反対側に配置されており、ディファレンシャルギヤ4は、大ギヤP21の延出部P2E及び小ギヤP22によって画成された内側の空間に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2ピニオンギヤの大ギヤの延出部と大ギヤに対して電動機と反対側に配置された小ギヤによって、請求項1の場合よりも軸線方向に長い、大きな内側空間が画成され、この内側空間にディファレンシャルギヤが配置されている。これにより、内側空間にディファレンシャルギヤのより多くの部分又は全部を収容することができる。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の電動機用変速装置において、電動機2、遊星歯車機構及びディファレンシャルギヤ4は、ケースCAに収容されており、第1〜第3ブレーキB1〜B3は、ケースCAの周壁部に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1〜第3ブレーキが、電動機、遊星歯車機構及びディファレンシャルギヤを収容するケースの周壁部に配置されているので、同じ目的のクラッチが遊星歯車機構などに対して軸線方向に並設される従来の場合と比較して、軸線方向長さを短縮でき、装置全体のさらなる小型化を図ることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の電動機用変速装置において、電動機2と遊星歯車機構との間に出力軸SL、SRと同軸状に配置されたシングルピニオン式の第2遊星歯車機構PG0をさらに備え、第2遊星歯車機構PG0は、電動機2に連結されたサンギヤS0と、回転不能のリングギヤR0と、サンギヤS0及びリングギヤR0に噛み合うピニオンギヤP0を回転自在に支持するとともに、遊星歯車機構のサンギヤS1に連結されたキャリアC0と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、電動機の動力は、第2遊星歯車機構のサンギヤに入力され、所定の減速比で減速された後、キャリアを介して、遊星歯車機構のサンギヤに入力されるので、この減速の分、変速装置全体として、より大きな減速比を得ることができる。
本発明の第1実施形態による電動機用変速装置を概略的に示す図である。 電動機用変速装置の第1遊星歯車機構などを示す図である。 図1の電動機用変速装置における主な回転要素の歯数の設定例を示す表である。 図1の電動機用変速装置の動作表である。 電動機用変速装置の前進高速(Hi)モードにおける回転要素間の回転数の関係を示す速度線図である。 電動機用変速装置の前進低速(Low)モードにおける回転要素間の回転数の関係を示す速度線図である。 図1の電動機用変速装置の動作をまとめて示す速度線図である。 本発明の第2実施形態による電動機用変速装置を概略的に示す図である。 図8の電動機用変速装置における主な回転要素の歯数の設定例を示す表である。 図8の電動機用変速装置の動作表である。 図8の電動機用変速装置の前進中速(Mid)モードにおける回転要素間の回転数の関係を示す速度線図である。 図8の電動機用変速装置の動作をまとめて示す速度線図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示す、本発明の第1実施形態による電動機用変速装置(以下、適宜「変速装置」という)1は、例えば四輪の車両(図示せず)に動力源として搭載された電動機(以下「モータ」という)2の動力を変速するものである。変速された動力は、ディファレンシャルギヤ4によって、互いに同軸状の左右の駆動軸SL、SRに配分され、さらに左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。これらのモータ2、変速装置1及びディファレンシャルギヤ4は、駆動軸SL、SRと同軸状に、その軸線方向に並んだ状態で配置されるとともに、ケースCAに収容されている。
モータ2は、環状のステータ2a及びロータ2bを有する。ステータ2aは、複数の鉄芯やコイルなどで構成され、ケースCAに固定されている。ロータ2bは、複数の磁石などで構成され、ステータ2aに対向するように配置されており、ステータ2aへの電力の供給によって、正転方向又は逆転方向に回転駆動される。
変速装置1は、第1遊星歯車機構PG1、第2遊星歯車機構PG0、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2などで構成されている。これらの構成要素は、駆動軸SL、SRと同軸状に配置されており、また、第2遊星歯車機構PG0と第1遊星歯車機構PG1は、モータ2側からこの順に並んだ状態で配置されている。
第2遊星歯車機構PG0は、モータ2の動力を一定の減速比で減速し、第1遊星歯車機構PG1に出力するものであり、サンギヤS0、複数のピニオンギヤP0、キャリアC0及びリングギヤR0を有するシングルピニオン式の遊星歯車機構で構成されている。
サンギヤS0は、モータ2のロータ2bに一体に設けられている。複数のピニオンギヤP0は、キャリアC0に回転自在に支持されるとともに、サンギヤS0及びリングギヤR0に噛み合っている。キャリアC0は、第1遊星歯車機構PG1の後述するサンギヤS1に連結されている。また、リングギヤR0は、ケースCAに固定されている。
一方、第1遊星歯車機構PG1は、ダブルピニオン式のものであり、サンギヤS1、複数の(本例では3つの)第1ピニオンギヤP1、複数の(本例では3つの)第2ピニオンギヤP2、キャリアC1及びリングギヤR1などで構成されている。
前述したように、サンギヤS1は、第2遊星歯車機構PG0のキャリアC0に連結されている。第1及び第2ピニオンギヤP1、P2は、キャリアC1の支軸11、12にそれぞれ回転自在に支持されており、第1ピニオンギヤP1はサンギヤS1に噛み合っている。第2ピニオンギヤP2は、基部P2Bと、基部P2Bからディファレンシャルギヤ4側に延びる延出部P2Eを有しており、基部P2Bにおいて第1ピニオンギヤP1及びリングギヤR1に噛み合い、延出部P2Eにおいて、ディファレンシャルギヤ4の入力ギヤである第2サンギヤS2に噛み合っている。
図3に示されるように、サンギヤS1及びリングギヤR1の歯数ZS1、ZR1は、第2遊星歯車機構PG0のサンギヤS0及びリングギヤR0の歯数ZS0、ZR0にそれぞれ等しい。また、第2サンギヤS2の歯数ZS2は、上記の2つのサンギヤS1、S0の歯数ZS1、ZS0よりも小さい。
キャリアC1の支軸12は、第2ピニオンギヤP2の延出部P2Eからディファレンシャルギヤ4側にさらに延びており、この部分に前記第1ブレーキB1が連結されている。また、リングギヤR1に前記第2ブレーキB2が連結されている。
第1及び第2ブレーキB1、B2は、ケースCAの周壁部に設けられており、例えば多板式の摩擦クラッチで構成されている。第1ブレーキB1は、多数のクラッチ板を有するリング状のインナー13aと、これらの多数のクラッチ板と交互に配置された多数のクラッチ板を有するリング状のアウター13bと、アウター13bを駆動するアクチュエータ(図示せず)などを有する。インナー13aは、キャリアC1の支軸12に連結され、アウター13bは、ケースCAに軸線方向に移動可能にかつ回転不能に設けられている。また、アクチュエータの動作は、制御装置(図示せず)によって制御され、それにより第1ブレーキB1の作動/停止が切り替えられる。
具体的には、アクチュエータが停止した状態では、インナー13aのクラッチ板とアウター13bのクラッチ板が非係合状態に保たれることによって、キャリアC1は制動されず、その回転が許容される。また、アクチュエータが作動すると、回転不能のアウター13bのクラッチ板が、軸線方向に移動し、インナー13aのクラッチ板に押し付けられた状態で係合することによって、キャリアC1が制動され、回転不能に固定される。
第2ブレーキB2は、第1ブレーキB1と同様に構成されたインナー14a、アウター14b及びアクチュエータ(図示せず)を有しており、インナー14aはリングギヤR1に連結され、アウター14bは、ケースCAに軸線方向に移動可能にかつ回転不能に設けられている。アクチュエータの停止状態では、リングギヤR1は制動されず、その回転が許容され、アクチュエータが作動すると、リングギヤR1が制動され、回転不能に固定される。
また、キャリアC1の支軸12とケースCAの間には、第1ブレーキB1と並列にワンウェイクラッチOWCが設けられている。ワンウェイクラッチOWCは、一般的な機械式のものであり、ケースCAに一体に設けられたリング状のアウターと、支軸12に一体に設けられたリング状のインナーを有する。また、ワンウェイクラッチOWCは、キャリアC1が駆動軸SL、SRを前進させる方向に回転するときに、ケースCAとキャリアC1の間を遮断し、キャリアC1の回転を許容する一方、キャリアC1が駆動軸SL、SRを後進させる方向に回転しようとするときに、ケースCAとキャリアC1の間を接続し、キャリアC1を回転不能に固定するように設定されている。
ディファレンシャルギヤ4は、一般的な構成のものであり、回転自在のデフケース4aと、デフケース4aに回転自在に支持された複数のピニオンギヤ4bと、ピニオンギヤ4bに噛み合う左右のサイドギヤ4c、4dを有する。左サイドギヤ4cは、左駆動軸SLを介して左駆動輪に連結され、右サイドギヤ4dは、右駆動軸SRを介して右駆動輪に連結されている。
デフケース4aには、入力ギヤとしての第2サンギヤS2が一体に設けられている。前述したように、第2サンギヤS2は、第1遊星歯車機構PG1の第2ピニオンギヤP2の延出部P2Eに噛み合っている。また、図1に示すように、ディファレンシャルギヤ4は、その大部分が、第2ピニオンギヤP2の延出部P2E、第1ブレーキB1及びワンウェイクラッチOWCによって画成される内側空間に配置されており、全体としてケースCAに収容されている。左右の駆動軸SL、SRは、ケースCAの開口を通って外部に延びている。
以上の構成によれば、モータ2の動力は、ロータ2bから第2遊星歯車機構PG0のサンギヤS0に入力され、第2遊星歯車機構PG0によって所定の減速比で減速された状態で、キャリアC0を介して第1遊星歯車機構PG1のサンギヤS1に入力される。入力された動力は、第1遊星歯車機構PG1によって変速された状態で、第2ピニオンギヤP2及び第2サンギヤS2を介してディファレンシャルギヤ4に伝達される。伝達された動力は、ディファレンシャルギヤ4によって左右の駆動軸SL、SRに配分され、左右の駆動輪に伝達される。以下、変速装置1による変速動作について、詳細に説明する。
まず、第2遊星歯車機構PG0がシングルピニオン式であることと、そのリングギヤR0がケースCAに固定され、サンギヤS0を入力とし、キャリアC0を出力とすることから、第2遊星歯車機構PG0による減速比(以下「S0−S1減速比」という)RS01は、リングギヤR0及びサンギヤS0の歯数ZR0、ZS0を用いて、次式(1)で表される。
RS01=(ZR0/ZS0)+1 ・・・(1)
右辺のZR0、ZS0に図3の数値を代入すると、S0−S1減速比RS01は、
RS01=(147/36)+1=5.083になる。
また、第1遊星歯車機構PG1がダブルピニオン式であることと、第1遊星歯車機構PG1の第2ピニオンギヤP2が、ディファレンシャルギヤ4の入力ギヤである第2サンギヤS2に噛み合っていることから、変速装置1における回転要素間の回転数の関係は、例えば図5の共線図のように表される。すなわち、サンギヤS1(キャリアC0)、リングギヤR1、キャリアC1及び第2サンギヤS2によって、4つの回転要素が構成されるとともに、それらの4つの回転数が一直線上に並ぶ共線関係が成立する。
また、同図のλ1及びλ2はそれぞれ、キャリアC1−リングギヤR1間を基準(=1)とする、キャリアC1−サンギヤS1間の速度比(以下「第1レバー比」という)と、キャリアC1−第2サンギヤS2間の速度比(以下「第2レバー比」という)であり、次式(2)(3)で表される。
λ1=(ZR1/ZS1) ・・・(2)
λ2=(ZR1/ZS2) ・・・(3)
以上の構成の変速装置1では、動作モードとして、前進高速(Hi)モード、前進低速(Low)モード及び後進(RVS)モードが設定され、さらに切離しモードが設定されている。以下、図4の動作表を参照しながら、変速装置1の動作を動作モードごとに説明する。
[Hiモード]
図4に示すように、このHiモードでは、モータ2を前進用の所定の方向に駆動した状態で、第1ブレーキB1を停止させるとともに、第2ブレーキB2を作動させ、リングギヤR1を制動・固定する。このときの回転要素間の回転数の関係は、図5のように表され、リングギヤR1の回転数が0になるとともに、サンギヤS1の動力は、反転し且つ減速された状態で、第2サンギヤS2に伝達される。
このHiモードにおけるサンギヤS1−第2サンギヤS2間の減速比(以下「Hiモード減速比」という)RS12(Hi)は、図5に示される第1及び第2レバー比λ1、λ2の関係から、次式(4)で表される。
RS12(Hi)=(λ1−1)/(λ2+1)
=[(ZR1/ZS1)−1]/[(ZR1/ZS2)+1]
・・・(4)
右辺のZR1、ZS1、ZS2に図3の数値を代入すると、Hiモード減速比RS12(Hi)は、
RS12(Hi)=[(147/36)−1]/[(147/93)+1]=1.195になる。
また、Hiモードにおけるモータ2−ディファレンシャルギヤ4の間の総減速比は、前記式(1)によるS0−S1減速比RS01(=5.083)とHiモード減速比RS12(Hi)(=1.195)との積で表され、5.083×1.195=6.074になる。
[Lowモード]
このLowモードでは、モータ2を前進用の所定の方向に駆動した状態で、第1及び第2ブレーキB1、B2を停止させる。この状態では、キャリアC1及びリングギヤR1が空回りすることによって、キャリアC1がサンギヤS1と同じ方向に、すなわち駆動軸SL、SRを後進させる方向に回転しようとするため、前述のように設定されたワンウェイクラッチOWCが作動する。その結果、ケースCAとキャリアC1の間が接続され、キャリアC1が回転不能に固定される。このときの回転要素間の回転数の関係は、図6のように表され、キャリアC1の回転数が0になるとともに、サンギヤS1の動力は、反転し且つHiモード時よりも大きく減速された状態で、第2サンギヤS2に伝達される。
このLowモードにおけるサンギヤS1−第2サンギヤS2間の減速比(以下「Lowモード減速比」という)RS12(Low)は、図6に示される第1及び第2レバー比λ1、λ2の関係から、次式(5)で表され、
RS12(Low)=λ1/λ2
=(ZR1/ZS1)/(ZR1/ZS2) ・・・(5)
右辺のZR1、ZS1、ZS2に図3の数値を代入すると、Lowモード減速比RS12(Low)は、
RS12(Low)=(147/36)/(147/93)=2.583
になり、Hiモード減速比RS12(Hi)(=1.195)よりも大きな減速比が得られる。
また、Lowモードにおけるモータ2−ディファレンシャルギヤ4の間の総減速比は、S0−S1減速比RS01(=5.083)とLowモード減速比RS12(Low)(=2.583)との積で表され、5.083×2.583=13.129になる。
[RVSモード]
このRVSモードでは、モータ2を上述した前進用の方向と逆方向に駆動した状態で、第1ブレーキB1を作動させ、キャリアC1を制動・固定するとともに、第2ブレーキB2を停止させ、リングギヤR1の回転を許容する。このときの回転要素間の回転数の関係は、図7に示すように、上述したLowモードの場合と正負逆になり、サンギヤS1はLowモード時と逆方向に回転し、キャリアC1の回転数は0になる。また、サンギヤS1の動力は、反転し且つLowモード時と同じ減速比で減速された状態で、第2サンギヤS2に伝達され、それにより後進走行が行われる。
[切離しモード]
切離しモードは、モータ2と駆動輪との間の動力の伝達を遮断する切離し運転を行うときに選択される。この切離しモードでは、モータ2を停止した状態で、第1及び第2ブレーキB1、B2を停止させる。図7に示すように、この状態では、駆動輪の動力がディファレンシャルギヤ4を介して伝達されることで、キャリアC1及びリングギヤR1が回転するものの、これらは空回りするだけなので、モータ2と駆動輪との間の動力の伝達は行われない。
以上の変速装置1の動作をまとめると、図7のように示され、モータ2の動作と第1及び第2ブレーキB1、B2の作動/停止を制御することによって、Lowモード及びHiモードによる前進2段変速と、RVSモード及び切離しモードによる動作が実行される。
なお、本実施形態では、前述したように、LowモードにおけるキャリアC1の固定をワンウェイクラッチOWCによって行うのに対し、RVSモードにおけるキャリアC1の固定を、第1ブレーキB1によって行う。これは以下の理由による。すなわち、Lowモードでは、キャリアC1を固定するために大きな制動トルクが必要であるのに対し、RVSモードでは、そのときのモータ2のトルクが車両の商品性上の必要量に抑制されることで、キャリアC1を小さな制動トルクで固定することが可能である。この関係から、第1ブレーキB1とワンウェイクラッチOWCを上記のように使い分けることで、第1ブレーキB1のクラッチ容量の低減を図るようにしたものである。
以上のように、本実施形態の電動機用減速装置1によれば、第1及び第2ブレーキB1、B2の作動/停止を切り替えることによって、モータ2の動力を2段変速で変速するとともに、ディファレンシャルギヤ4によって左右の駆動軸SL、SRに配分することができる。また、モータ2の動力が、第2遊星歯車機構PG0によって減速されるので、変速装置全体として、より大きな減速比を得ることができる。
また、ダブルピニオン式である第1遊星歯車機構PG1の第2ピニオンギヤP2の基部P2Bからモータ2と反対側に延びる延出部P2Eや第1ブレーキB1及びワンウェイクラッチOWCによって、その内側に空間が画成され、この内側空間にディファレンシャルギヤ4の大部分が収容されている。これにより、ディファレンシャルギヤが変速機構に対して軸線方向に並設される場合と比較して、軸線方向長さを短縮でき、変速装置1とディファレンシャルギヤ4とを併せた装置全体の小型化を図ることができる。また、差動機構として、ダブルピニオン式の遊星歯車機構よりも構成が単純なディファレンシャルギヤ4が用いられるので、装置全体の構成の単純化と低コスト化を図ることができる。さらに、第1及び第2ブレーキB1、B2とワンウェイクラッチOWCがケースCAの周壁部に配置されているので、遊星歯車機構などに対して軸線方向に並設される従来の場合と比較して、軸線方向長さを短縮でき、装置全体のさらなる小型化を図ることができる。
さらに、大きな制動トルクが要求される、LowモードにおけるキャリアC1の固定を、ワンウェイクラッチOWCによって行い、大きな制動トルクが要求されない、RVSモードにおけるキャリアC1の固定を、第1ブレーキB1によって行うので、第1ブレーキB1のクラッチ容量の低減を図ることができる。
次に、図8などを参照しながら、本発明の第2実施形態による電動機用変速装置(以下、適宜「変速装置」という)51について説明する。この変速装置51は、前述した第1実施形態による変速装置1と比較し、第1遊星歯車機構PG1の第2ピニオンギヤP2が2連ピニオンギヤで構成されていることや、この2連ピニオンギヤの一方に噛み合う第2リングギヤR2と、第2リングギヤR2を制動する第3ブレーキB3が追加されていることが、主に異なる。なお、以下の変速装置51の説明では、変速装置1と同じ又は同等の構成要素に対して同じ符号を付し、変速装置1と異なる部分を中心として説明を行うものとする。
図8に示すように、第1遊星歯車機構PG1の第2ピニオンギヤP2は、互いに一体の大ギヤP21及び小ギヤP22を有する2連ピニオンギヤで構成されている。大ギヤP21は、基部P21Bと、基部P21Bからディファレンシャルギヤ4側に延びる延出部P21Eを有し、基部P21Bにおいて第1ピニオンギヤP1及びリングギヤR1に噛み合い、延出部P21Eにおいてディファレンシャルギヤ4の第2サンギヤS2に噛み合っている。小ギヤP22は、延出部P21Eよりもディファレンシャルギヤ4側に配置され、第2リングギヤR2に噛み合っており、第2リングギヤR2には第3ブレーキB3が連結されている。
図9は、本実施形態における主な回転要素の歯数の設定例を示す。図3との比較から明らかなように、第1実施形態と同様に用いられているサンギヤS0などの回転要素の歯数Zは、第1実施形態と同じ値に設定されている。また、本実施形態で追加された第2ピニオンギヤP2の小ギヤP22の歯数ZP22は、大ギヤP21の歯数ZP21よりも小さく、これに対応して、第2リングギヤR2の歯数ZR2は、リングギヤR1の歯数ZR1よりも小さい。
また、図3と図8との比較から明らかなように、第1ブレーキB1及びワンウェイクラッチOWCは、第2ブレーキB2に対し、第1実施形態ではモータ2と反対側(ディファレンシャルギヤ4側)に配置されるのに対し、本実施形態ではモータ2側に配置されている。これにより、第2ピニオンギヤP2の大ギヤ21の延出部P21Eとその延長側に配置された小ギヤP22の内側に、第1実施形態の場合よりも軸線方向に長い、より大きな空間が画成され、この内側空間にディファレンシャルギヤ4の全体が収容されている。
また、第3ブレーキB3は、ケースCAの周壁部に設けられ、第1及び第2ブレーキB1、B2と同様に構成されたインナー15a、アウター15b及びアクチュエータ(図示せず)を有しており、インナー15aは第2リングギヤR2に連結され、アウター15bは、ケースCAに軸線方向に移動可能にかつ回転不能に設けられている。したがって、このアクチュエータが停止した状態では、第2リングギヤR2は制動されず、その回転が許容され、アクチュエータが作動すると、第2リングギヤR2が制動され、回転不能に固定される。
以上の構成の変速装置51では、前述した変速装置1の第2遊星歯車機構PG0による減速動作と第1遊星歯車機構PG1などによる変速動作(Hiモード、Lowモード、RVSモード及び切離しモード)が、同様に行われる。また、第1及び第2遊星歯車機構PG1、PG0などの回転要素の歯数Zが第1実施形態と同じであることから、これらの動作によって得られるS0−S1減速比RS01、Hiモード減速比RS12(Hi)及びLowモード減速比RS12(Low)もまた、第1実施形態と同じである。
以上の動作に加え、この変速装置51では、前進中速(Mid)モードによる変速動作が、以下のように行われる。まず、ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構PG1の第2ピニオンギヤP2が2連ピニオンギヤで構成され、その小ギヤP22に第2リングギヤR2が噛み合い、第2リングギヤR2が第3ブレーキB3に連結されていることから、変速装置51における回転要素間の回転数の関係は、例えば図11の共線図のように表される。すなわち、サンギヤS1(キャリアC0)、リングギヤR1、第2リングギヤR2、キャリアC1及び第2サンギヤS2によって、5つの回転要素が構成されるとともに、それらの5つの回転数が一直線上に並ぶ共線関係が成立する。
また、同図のλ3は、キャリアC1−リングギヤR1間を基準とする、キャリアC1−第2リングギヤR2間の速度比(以下「第3レバー比」という)であり、次式(6)で表される。
λ3=(ZR1/ZR2)・(ZP22/ZP21) ・・・(6)
図10に示すように、Midモードでは、モータ2を前進用の所定の方向に駆動した状態で、第1及び第2ブレーキB1、B2を停止させ、キャリアC1及びリングギヤR1の回転を許容するとともに、第3ブレーキB3を作動させ、第2リングギヤR2を制動・固定する。このときの回転要素間の回転数の関係は、図11のように表され、第2リングギヤR2の回転数が0になるとともに、サンギヤS1の動力は、反転し且つ減速された状態で、第2サンギヤS2に伝達される。
このMidモードにおけるサンギヤS1−第2サンギヤS2間の減速比(以下「Midモード減速比」という)RS12(Mid)は、図11に示される第1〜第3レバー比λ1〜λ3の関係から、次式(7)で表される。
RS12(Mid)
=(λ1−λ3)/(λ2+λ3)
=[(ZR1/ZS1)−(ZR1/ZR2)・(ZP22/ZP21)]
/[(ZR1/ZS2)+(ZR1/ZR2)・(ZP22/ZP21)]
・・・(7)
右辺のZR1、ZS1、ZS2、ZP21及びZP22に図9の数値を代入すると、Midモード減速比RS12(Mid)は、
RS12(Mid)
=[(147/36)−(147/141)・(20/26)]
/[(147/93)+(147/141)・(20/26)]=1.377
になり、Hiモード減速比RS12(Hi)(=1.195)とLowモード減速比RS12(Low)(=2.583)の間の減速比が得られる。
また、Midモードにおけるモータ2−ディファレンシャルギヤ4の間の総減速比は、式(1)によるS0−S1減速比RS01(=5.083)とMidモード減速比RS12(Mid)(=1.377)との積で表され、5.083×1.377=6.999になる。
以上の変速装置51の動作をまとめると、図12のように示され、モータ2の動作と第1〜第3ブレーキB1〜B3の作動/停止を制御することによって、Lowモード、Midモード及びHiモードによる前進3段変速と、RVSモード及び切離しモードによる動作が実行される。
以上のように、本実施形態の電動機用減速装置51によれば、第1〜第3ブレーキB1〜B3の作動/停止を切り替えることによって、モータ2の動力を3段変速で変速するとともに、ディファレンシャルギヤ4によって左右の駆動軸SL、SR及び駆動輪に配分することができる。
また、第1遊星歯車機構PG1の第2ピニオンギヤP2が、大ギヤP21と小ギヤP22を一体に有する2連ピニオンギヤで構成され、大ギヤP21の延出部P2Eとその延長側に延びる小ギヤP22によって、第1実施形態よりも軸線方向に長い、大きな内側空間が画成されている。これにより、この内側空間にディファレンシャルギヤ4の全体を収容することができる。さらに、第1及び第2ブレーキB1、B2と同様、第3ブレーキB3もまた、ケースCAの周壁部に配置されていることで、軸線方向長さを短縮でき、装置全体の小型化を図ることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、ディファレンシャルギヤ4は、実施形態で説明した一般的なものに限らず、他の任意のタイプのものを採用することが可能である。また、実施形態では、第1〜第3ブレーキB1〜B3として、多板式の摩擦クラッチを用いているが、対象となる回転要素を制動可能である限り、他の適当なタイプのブレーキを用いてもよい。
また、実施形態では、第1ブレーキB1のクラッチ容量を低減するために、ワンウェイクラッチOWCを別個に設け、LowモードにおけるキャリアC1の固定に用いているが、ワンウェイクラッチOWCを省略し、キャリアC1の固定を第1ブレーキB1によって行ってもよい。
さらに、実施形態は、変速装置1及び51を、車両の動力源としてのモータ2に適用した例であるが、本発明はこれに限らず、差動機構とともに用いられる他の用途の電動機に広く適用することができる。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 電動機用変速装置
2 モータ(電動機)
4 ディファレンシャルギヤ(差動機構)
SL 左駆動軸(出力軸)
SR 右駆動軸(出力軸)
PG1 第1遊星歯車機構(遊星歯車機構)
S1 第1遊星歯車機構のサンギヤ(遊星歯車機構のサンギヤ)
P1 第1遊星歯車機構の第1ピニオンギヤ(遊星歯車機構の第1ピニオンギヤ)
P2 第1遊星歯車機構の第2ピニオンギヤ(遊星歯車機構の第2ピニオンギヤ)
P2B 第2ピニオンギヤの基部
P2E 第2ピニオンギヤの延出部
C1 第1遊星歯車機構のキャリア(遊星歯車機構のキャリア)
R1 第1遊星歯車機構のリングギヤ(遊星歯車機構のリングギヤ)
B1 第1ブレーキ
OWC ワンウェイクラッチ(第1ブレーキ)
B2 第2ブレーキ
S2 第2サンギヤ
51 電動機用変速装置
P21 第2ピニオンギヤの大ギヤ
P22 第2ピニオンギヤの小ギヤ
B3 第3ブレーキ
CA ケース
PG0 第2遊星歯車機構
S0 第2遊星歯車機構のサンギヤ
P0 第2遊星歯車機構のピニオンギヤ
C0 第2遊星歯車機構のキャリア
R0 第2遊星歯車機構のリングギヤ

Claims (5)

  1. 電動機の動力を変速するとともに、差動機構によって2つの出力軸に配分する電動機用変速装置であって、
    前記出力軸と同軸状に配置されたダブルピニオン式の遊星歯車機構を備え、
    前記遊星歯車機構は、
    前記電動機の動力が入力されるサンギヤと、
    当該サンギヤに噛み合う複数の第1ピニオンギヤ、及び当該複数の第1ピニオンギヤにそれぞれ噛み合う複数の第2ピニオンギヤを回転自在に支持するキャリアと、
    前記複数の第2ピニオンギヤに噛み合うリングギヤと、を有し、
    前記キャリアを制動するための第1ブレーキと、
    前記リングギヤを制動するための第2ブレーキと、をさらに備え、
    前記複数の第2ピニオンギヤの各々は、前記第1ピニオンギヤ及び前記リングギヤに噛み合う基部と、当該基部から前記電動機と反対側に延びる延出部を有し、
    前記差動機構は、前記第2ピニオンギヤの前記延出部に噛み合う第2サンギヤを入力ギヤとして有するディファレンシャルギヤで構成されるとともに、前記複数の第2ピニオンギヤの前記延出部によって画成された内側の空間に配置されていることを特徴とする電動機用変速装置。
  2. 前記複数の第2ピニオンギヤの各々は、前記基部及び前記延出部を有する大ギヤと、当該大ギヤよりも小さい歯数を有する小ギヤとを一体に有する2連ピニオンギヤで構成され、
    前記小ギヤに噛み合う第2リングギヤと、
    当該第2リングギヤを制動するための第3ブレーキと、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電動機用変速装置。
  3. 前記第2ピニオンギヤの前記小ギヤは、前記大ギヤに対して前記電動機と反対側に配置されており、前記ディファレンシャルギヤは、前記大ギヤの前記延出部及び前記小ギヤによって画成された内側の空間に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の電動機用変速装置。
  4. 前記電動機、前記遊星歯車機構及び前記ディファレンシャルギヤは、ケースに収容されており、前記第1〜第3ブレーキは、前記ケースの周壁部に配置されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の電動機用変速装置。
  5. 前記電動機と前記遊星歯車機構との間に前記出力軸と同軸状に配置されたシングルピニオン式の第2遊星歯車機構をさらに備え、
    当該第2遊星歯車機構は、
    前記電動機に連結されたサンギヤと、
    回転不能のリングギヤと、
    前記サンギヤ及び前記リングギヤに噛み合うピニオンギヤを回転自在に支持するとともに、前記遊星歯車機構の前記サンギヤに連結されたキャリアと、を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の電動機用変速装置。
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