JP2019127970A - バランサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランクシャフトの回転速度領域全体のうちの広い領域に亘って、バランスシャフトの入力トルクを小さく抑える。【解決手段】バランサ装置4は、バランスシャフト7に対し周方向に相対回転することが可能であって内燃機関のクランクシャフトからの回転が伝達されるドリブンギヤ9と、バランスシャフト7に固定されたカバー10と、を備える。バランスシャフト7の回転方向におけるドリブンギヤ9の突出部9aとカバー10の支持部10aとの間には、それらの間での回転伝達を行うストッパゴム11が設けられる。ストッパゴム11はばね19によってバランスシャフト7の軸線に向けて付勢されている。ストッパゴム11は、その本体15の上記回転方向についての一方の側面がドリブンギヤ9の突出部9aに当接し、もう一方の側面がカバー10の支持部10aに当接する。上記本体15の側面間の距離は、バランスシャフト7に近づくほど小さくされる。【選択図】図4

Description

本発明は、バランサ装置に関する。
内燃機関においては、クランクシャフトを回転させるために往復移動するピストンの慣性力が同機関の円滑な運転の妨げとなるため、上記慣性力を打ち消すためのバランサ装置が設けられている。同装置は、クランクシャフトの回転が伝達されることによって回転するバランスシャフトを備えている。このバランスシャフトは、重心位置が同バランスシャフトの軸線上からずれた状態となるものである。そして、バランスシャフトをクランクシャフトからの回転伝達を通じて回転させることにより、ピストンが往復移動する際の慣性力が上記バランスシャフトの回転を通じて打ち消され、内燃機関が円滑に運転されるようになる。
ところで、バランスシャフトにはクランクシャフトからの回転が伝達されるギヤ等の回転体が設けられているが、そうした回転体はクランクシャフトからのトルクを受ける。また、クランクシャフトのトルクには燃焼による筒内圧変化やピストンの往復移動に伴う変動が生じ、そうした変動がクランクシャフトの回転変動(回転方向についての振動)として現れる。従って、クランクシャフトからの回転が伝達されるバランスシャフトの回転体にも回転変動(回転方向についての振動)が生じ、そうした回転体の回転変動が大きくなるに従ってバランスシャフトの入力トルク(回転体に作用するトルク)の変動も大きくなる。そして、このようにバランスシャフトの入力トルクの変動が大きくなると、同回転体に強度的な問題が生じるおそれがある。
また、特許文献1に示されるバランサ装置のように、バランスシャフトの入力トルクの変動を減衰させることが可能な構造を採用することも考えられる。同装置には、上記回転体として、バランスシャフトと同軸上に位置して同バランスシャフトに対し周方向に相対回転することが可能な第1回転体が設けられている。更に、同装置には、バランスシャフトに固定されて同バランスシャフトとその軸線周りに一体回転する第2回転体も設けられている。そして、バランスシャフトの回転方向における第1回転体と第2回転体との間には、それら第1回転体と第2回転体との間での回転伝達を行うゴム等からなる弾性部材が設けられている。
上記バランサ装置では、クランクシャフトのトルクが第1回転体、弾性部材、及び第2回転体を介してバランスシャフトに伝達される。そして、クランクシャフトにおけるトルクの変動に伴って第1回転体の回転が変動しようとするとき、第1回転体の回転変動(回転方向についての振動)は、その第1回転体と第2回転体との間における弾性部材のバランスシャフトの回転方向についての伸縮を通じて減衰される。その結果、バランスシャフトの入力トルクの変動も減衰させられ、その変動が大きくなることに伴う上記入力トルクの増大が抑制されるため、上記第1回転体に強度的な問題が生じることは抑制される。
特開2009−185873号公報
ところで、特許文献1のバランサ装置においては、クランクシャフトの回転速度に応じてバランスシャフトの入力トルクの大きさが変わる。また、クランクシャフトの回転速度の変化に伴うバランスシャフトの入力トルクの推移傾向については、バランスシャフトの回転方向における弾性部材と第1回転体及び第2回転体との隙間の距離(以下、空走距離という)を調整することによって変化させることが可能である。
このため、空走距離の大きさの調整を通じてバランスシャフトの入力トルクを小さく抑える点で更なる改善を行うことが考えられるが、空走距離の大きさの調整を通じてバランスシャフトの入力トルクを効果的に小さく抑えることができるクランクシャフトの回転速度領域は、クランクシャフトの回転速度領域全体のうちの一部の領域に限られる。従って、空走距離の大きさを調整したとしても、クランクシャフトの回転速度領域全体のうちの広い領域に亘って、バランスシャフトの入力トルクを効果的に小さく抑えることは困難であった。
本発明の目的は、クランクシャフトの回転速度領域全体のうちの広い領域に亘って、バランスシャフトの入力トルクを小さく抑えることができるバランサ装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するバランサ装置は、重心位置が軸線上からずれた状態となるバランスシャフトを備える。更に、同装置は、バランスシャフトと同軸上に位置して同バランスシャフトに対し周方向に相対回転することが可能とされており、且つ、内燃機関のクランクシャフトからの回転が伝達される第1回転体と、上記バランスシャフトに固定されて同バランスシャフトとその軸線周りに一体回転する第2回転体と、を備える。また、バランスシャフトの回転方向における上記第1回転体と上記第2回転体との間には、それら第1回転体と第2回転体との間での回転伝達を行う弾性部材が設けられる。上記バランサ装置には、上記弾性部材をバランスシャフトの軸線に向けて付勢する付勢部材が設けられる。そして、上記弾性部材は、バランスシャフトの回転方向についての両側面のうち、一方の側面が第1回転体に当接するものであって、もう一方の側面が第2回転体に当接するものとされる。更に、弾性部材における上記両側面間のバランスシャフトの回転方向についての距離は、同バランスシャフトの軸線に近づくほど小さくされる。
上記構成によれば、クランクシャフトの回転速度が低いときには、弾性部材に作用する遠心力が小さいため、同弾性部材が付勢部材の付勢力によってバランスシャフトの近くに位置するようになる。このときには、弾性部材におけるバランスシャフトの回転方向についての両側面が、同回転方向において第1回転体及び第2回転体に対し接近した状態となる。このため、バランスシャフトの回転方向における弾性部材と第1回転体及び第2回転体との間の空走距離も小さくなる。クランクシャフトの回転速度が低いときには、クランクシャフトのトルク変動に伴う共振現象によって第1回転体の回転方向についての振動(回転変動)における振幅のピークが生じるが、このときには上述したように空走距離が小さくなることにより、第1回転体の回転変動が弾性部材によって抑えられるようになる。その結果、バランスシャフトの入力トルクの変動が抑制され、それに伴いバランスシャフトの入力トルクが効果的に小さく抑えられる。
一方、クランクシャフトの回転速度が高くなって弾性部材に作用する遠心力が付勢部材の付勢力よりも大きくなると、同弾性部材が付勢部材の付勢力に抗してバランスシャフトの軸線から離れる方向に変位する。このときには、弾性部材におけるバランスシャフトの回転方向についての両側面が、同回転方向において第1回転体及び第2回転体に対し離間した状態となり、上記空走距離も大きくなる。なお、このときの空走距離については、弾性部材がバランスシャフトの軸線から離れるほど、大きくなる。クランクシャフトの回転速度が高いとき、その回転速度に対応したクランクシャフトのトルク変動が生じると、そのトルク変動に伴って第1回転体の回転変動が生じる。このときには上述したように空走距離が大きくなることにより、第1回転体の回転変動が正回転方向に生じるときのみ弾性部材に対し当たるようになる。詳しくは、回転変動する第1回転体が正回転方向に変動するときには弾性部材に対し当たる一方、逆回転方向に変動するときには弾性部材に対し当たらないようになる。このように、第1回転体の回転変動が正回転方向に生じるときのみ弾性部材に対し当たるようになることによって、バランスシャフトの入力トルクが効果的に小さく抑えられる。
従って、クランクシャフトの回転速度が低いときには上記空走距離が小さくされてバランスシャフトの入力トルクが効果的に小さくされる一方、クランクシャフトの回転速度が高いときには上記空走距離が大きくされてバランスシャフトの入力トルクが効果的に小さくされる。このように、クランクシャフトの回転速度に応じて上述したように空走距離を変化させることにより、クランクシャフトの回転速度領域全体のうちの広い領域に亘って、バランスシャフトの入力トルクを小さく抑えることができる。
バランサ装置及び同装置が適用される内燃機関のクランクシャフト周りを示す側面図。 図4バランサ装置を矢印B−B方向から見た状態を示す断面図。 バランサ装置を示す分解斜視図。 図2のバランサ装置を矢印A−A方向から見た状態を示す断面図。 バランサ装置におけるストッパ周りを示す拡大断面図。 クランクシャフトの回転速度の変化に対するバランスシャフトの入力トルクの推移を示すグラフ。 クランクシャフトの回転速度の変化に対するバランスシャフトの入力トルクの推移を示すグラフ。
以下、バランサ装置の一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1は、直列4気筒の内燃機関におけるクランクシャフト周りの構造を示している。この内燃機関は、シリンダブロック1とクランクキャップ又はクランクケース2とによって回転可能に支持されたクランクシャフト3と、そのクランクシャフト3を回転させるために往復移動するピストンの慣性力を打ち消すためのバランサ装置4と、を備えている。クランクシャフト3には、バランサ装置4に対する回転伝達を行うためのドライブギヤ5が固定されている。
バランサ装置4は、クランクキャップ又はクランクケース2の下部に位置するハウジング6によって回転可能に支持されたバランスシャフト7を備えている。このバランスシャフト7は、クランクシャフト3と平行に延びており、クランクシャフト3からの回転伝達を受けることによって回転する。また、バランスシャフト7は、重り8によって重心位置が同バランスシャフト7の軸線上からずれた状態となっている。そして、クランクシャフト3からの回転伝達を受けたバランスシャフト7が回転すると、上述したピストンの往復移動に伴って生じる慣性力が上記バランスシャフト7の回転を通じて打ち消され、内燃機関が円滑に運転されるようになる。
図2及び図3に示すように、バランサ装置4には、バランスシャフト7が貫通した状態で同バランスシャフト7の軸線方向に並ぶようにドリブンギヤ9とカバー10とが設けられている。また、ドリブンギヤ9とカバー10との間にはストッパゴム11が設けられている。ちなみに、ドリブンギヤ9は、クランクシャフト3のドライブギヤ5(図1)と噛み合っており、ドライブギヤ5との間での回転伝達時の歯打ち音を低減するために樹脂によって形成されている。そして、クランクシャフト3の回転は、ドライブギヤ5、ドリブンギヤ9、ストッパゴム11、及びカバー10を介してバランスシャフト7に伝達される。
図2に示すように、ドリブンギヤ9の内周面は、バランスシャフト7の外周面に対し、周方向に相対移動することが可能な状態で接している。ドリブンギヤ9のカバー10側には、そのカバー10に向かってバランスシャフト7の軸線方向に突出する複数の突出部9aが形成されている。この突出部9aは、図3に示すようにバランスシャフト7の軸線周りに等間隔をおいて位置している。
また、図2に示すドリブンギヤ9のカバー10と反対側には、同カバー10から離れる方向に突出してバランスシャフト7の外周面に対し平行となる保持部12が形成されている。この保持部12の内周面とバランスシャフト7の外周面との間には、円環状をなす一対のフリクションダンパ13が設けられている。フリクションダンパ13は、保持部12の内周面とバランスシャフト7の外周面との間において、縮径する方向に付勢されてバランスシャフト7の外周面に対し押しつけられており、その外周面との間に生じる摩擦力によってドリブンギヤ9に対するバランスシャフト7の回転変動を抑制するためのものである。
上記カバー10におけるドリブンギヤ9側の部分には、そのドリブンギヤ9の上記突出部9aを収容するとともに複数の上記ストッパゴム11を収容する凹所14が形成されている。図3に示すように、ストッパゴム11は、バランスシャフト7の軸線周りに等間隔をおいて位置している。このストッパゴム11は、直方体状に形成された一対の本体15と、それら本体15同士を繋ぐようバランスシャフト7の回転方向に延びる接続部16と、を備えている。
図2に示すように、ストッパゴム11の本体15は、同本体15をバランスシャフト7の周方向に囲む円環状のコイルスプリングからなるばね19によってバランスシャフト7の軸線に向けて付勢されている。ちなみに、ばね19は、円環状のゴムによって形成されるタイプのであったり、Cリングタイプのものであったりしてもよい。そして、ストッパゴム11は、バランスシャフト7の回転速度が低いときにはばね19の付勢力によってバランスシャフト7の近くに位置する一方、バランスシャフト7の回転速度が高いときには遠心力によりばね19の付勢力に抗してバランスシャフト7から離れる方向に変位する。
なお、上記ドリブンギヤ9は、バランスシャフト7と同軸上に位置して同バランスシャフト7に対し周方向に相対回転することが可能とされており、且つ、内燃機関のクランクシャフト3(図1)からの回転が伝達される第1回転体として機能する。また、上記カバー10は、バランスシャフト7に固定されて同バランスシャフト7とその軸線周りに一体回転する第2回転体として機能する。上記ストッパゴム11は、第1回転体(ドリブンギヤ9)と第2回転体(カバー10)との間での回転伝達を行う弾性部材として機能する。また、上記ばね19は、上記弾性部材(ストッパゴム11)をバランスシャフト7の軸線に向けて付勢する付勢部材として機能する。
図4は、図2のバランサ装置4を矢印A−A方向から見た状態を示している。図4から分かるように、ストッパゴム11は、ドリブンギヤ9における各突出部9aの間にそれぞれ位置している。また、カバー10にはバランスシャフト7の軸線周りに等間隔をおいて複数の支持部10aが形成されており、支持部10aは各ストッパゴム11における一対の本体15の間に位置している。なお、支持部10aは、図2における凹所14の底面(図2の左面)からドリブンギヤ9側に向かって突出するものである。そして、ドリブンギヤ9の回転はドリブンギヤ9の突出部9a、ストッパゴム11の本体15、及びカバー10の支持部10aを介して同カバー10に伝達され、それに伴いカバー10及びバランスシャフト7が回転するようになる。
次に、ストッパゴム11における本体15の形状について詳しく説明する。
図5は、ストッパゴム11の本体15、及び、同本体15の周辺を拡大して示している。図5から分かるように、ストッパゴム11の本体15は、ドリブンギヤ9の突出部9aとカバー10の支持部10aとの間に挟まれている。そして、本体15におけるバランスシャフト7の回転方向両側の側面15a,15aのうち、一方の側面15aはドリブンギヤ9の突出部9aに当接し、もう一方の側面15aはカバー10の支持部10aに当接している。
本体15における両方の側面15a,15aは、それら側面15a,15a間のバランスシャフト7の回転方向についての距離が同バランスシャフト7の軸線に近づくほど小さくなるよう斜状に形成されている。また、ドリブンギヤ9の突出部9aにおける上記本体15の側面15aとの当接面は、その側面15aと同様の斜状に形成されている。一方、カバー10の支持部10aにおける上記本体15の側面15aとの当接面は、その側面15aと同様の斜状に形成されている。そして、ストッパゴム11の本体15がばね19によってバランスシャフト7側に付勢されることにより、本体15の側面15a,15aがドリブンギヤ9の突出部9a及びカバー10の支持部10aに対し当接している。
バランスシャフト7の回転速度が高くなってストッパゴム11に作用する遠心力がばね19の付勢力よりも大きくなると、ストッパゴム11の本体15がばね19の付勢力に抗して図5の二点鎖線で示すようにバランスシャフト7の軸線から離れる方向に変位する。このときには、本体15におけるバランスシャフト7の回転方向両側の側面15a,15aが、同回転方向においてドリブンギヤ9の突出部9a及びカバー10の支持部10aから離間した状態となる。その結果、バランスシャフト7の回転方向におけるストッパゴム11の本体15と、ドリブンギヤ9の突出部9a及びカバー10の支持部10aとの間の空走距離も小さくなる。
なお、ここでの空走距離とは、本体15の一方の側面15aとドリブンギヤ9の突出部9aとの間の上記回転方向についての距離R1と、本体15のもう一方の側面15aとカバー10の支持部10aとの間の上記回転方向についての距離R2とを合計した値(R1+R2)のことである。上記空走距離については、バランスシャフト7の回転速度が高くなってストッパゴム11に作用する遠心力が大きくなり、それに伴ってストッパゴム11の本体15がバランスシャフト7の軸線から離れるほど、大きくなる。
ちなみに、バランスシャフト7の回転速度と上記空走距離との相関については、本体15に図5に破線で示すようにストッパゴム11の内部に重り20を設けたり、ばね19の付勢力を変更したりすることによって、調整することが可能である。更に、本体15の側面15a,15aの形状を変更したり、ドリブンギヤ9の突出部9a及びカバー10の支持部10aにおける本体15の側面15a,15aとの当接面の形状を変更したりすることによっても、上記相関を調整することが可能である。
一方、バランスシャフト7の回転速度が低くなってストッパゴム11に作用する遠心力がばね19の付勢力よりも小さくなると、その付勢力によってストッパゴム11の本体15が図5に実線で示すようにバランスシャフト7の軸線に近づく方向に変位する。その結果、本体15におけるバランスシャフト7の回転方向両側の両側面15a,15aが、同回転方向においてドリブンギヤ9の突出部9a及びカバー10の支持部10aに対し当接し、上記空走距離がゼロとなる。
次に、バランサ装置4の作用について説明する。
バランサ装置4におけるバランスシャフト7のドリブンギヤ9は、クランクシャフト3からの回転がドライブギヤ5を介して伝達される際、同クランクシャフト3からのトルクを受ける。また、クランクシャフト3のトルクには燃焼による筒内圧変化やピストンの往復移動に伴う変動が生じ、そうした変動がクランクシャフト3の回転変動(回転方向についての振動)として現れる。従って、クランクシャフト3からの回転が伝達されるバランスシャフト7のドリブンギヤ9にも回転変動(回転方向についての振動)が生じ、そうしたドリブンギヤ9の回転変動が大きくなるに従ってバランスシャフト7の入力トルク(ドリブンギヤ9に作用するトルク)の変動も大きくなる。そして、このようにバランスシャフト7の入力トルクの変動が大きくなると、ドリブンギヤ9として樹脂製等のギヤなどスチール製等のギヤと比べて強度的に弱いギヤを使用する場合には、強度的な問題が生じるおそれがある。
上記バランサ装置4は、バランスシャフト7の入力トルクの変動を減衰させる構造を有している。同装置4においては、クランクシャフト3のトルクがドリブンギヤ9の突出部9a、ストッパゴム11の本体15、及びカバー10の支持部10aを介してバランスシャフト7に伝達される。そして、クランクシャフト3におけるトルクの変動に伴ってドリブンギヤ9の回転が変動しようとするとき、ドリブンギヤ9の回転変動は、ドリブンギヤ9の突出部9aとカバー10の支持部10aとの間におけるストッパゴム11の本体15におけるバランスシャフト7の回転方向についての伸縮やフリクションダンパ13の効果を通じて減衰される。その結果、バランスシャフト7の入力トルクの変動も減衰させられ、その変動が大きくなることに伴う上記入力トルクの増大が抑制されるため、上記ドリブンギヤ9に強度的な問題が生じることは抑制される。
ところで、上記バランサ装置4においては、クランクシャフト3の回転速度に応じてバランスシャフト7の入力トルクの大きさが変わる。また、クランクシャフト3の回転速度の変化に伴うバランスシャフト7の入力トルクの推移傾向については、上述した空走距離(図5の「R1+R2」)を調整することによって変化させることが可能である。なお、図6の実線は上記空走距離が大きいときのクランクシャフト3の回転速度の変化に対するバランスシャフト7の入力トルクの推移を示しており、図7の実線は上記空走距離が小さいときのクランクシャフト3の回転速度の変化に対するバランスシャフト7の入力トルクの推移を示している。
一般的に、クランクシャフト3の回転変動は、同クランクシャフト3の回転速度が高くなるに従って大きくなる。そして、クランクシャフト3の回転速度の上昇に伴って同クランクシャフト3の回転変動が大きくなるほど、クランクシャフト3からバランスシャフト7のドリブンギヤ9に入力されるトルクも大きくなる。
ここで、空走距離を大きく確保すると、クランクシャフト3の高回転速度領域において、ドリブンギヤ9に対するクランクシャフト3からのトルク伝達がバランスシャフト7の正回転方向についてのみ行われる。一方、バランスシャフト7の逆回転方向についてのドリブンギヤ9に対するトルク伝達に関しては、フリクションダンパ13によるフリクション分のみとなる。その結果、ドリブンギヤ9に対するトルクの入力を小さく抑えることができるようになる。
しかし、空走距離が大きいと、クランクシャフト3の低回転速度領域において、ドリブンギヤ9及びバランスシャフト7の共振周波数と、内燃機関(クランクシャフト3)の回転に伴うドリブンギヤ9の入力トルク変動の周波数とが一致して共振し、その共振現象に伴ってドリブンギヤ9の回転変動による回転方向についての振幅のピークが生じる。このときには、上記共振に伴うドリブンギヤ9の回転変動により、ドリブンギヤ9がバランスシャフト7の正回転方向及び逆回転方向について大きな振幅で振動してストッパゴム11に当たるため、結果的にドリブンギヤ9に対する入力トルクが大きくなる。
一方、空走距離を小さく設定すると、例えば空走距離をゼロに設定すると、ドリブンギヤ9におけるバランスシャフト7の正回転方向及び逆回転方向についての振動がストッパゴム11によって抑えられる。このため、クランクシャフト3での低回転速度領域において、上記共振現象に伴うドリブンギヤ9の回転変動による回転方向についての振幅のピークを小さく抑えることができ、上記低回転速度領域でのドリブンギヤ9に対する入力トルクを小さく抑えることができる。
しかし、空走距離が小さいと、クランクシャフト3の高回転速度領域において、クランクシャフト3の回転変動が大きくなったとき、ドリブンギヤ9に対するクランクシャフト3からのトルク伝達がバランスシャフト7の正回転方向と逆回転方向との双方で行われ、結果的にドリブンギヤ9に対する入力トルクが大きくなる。
本実施形態のバランサ装置4においては、クランクシャフト3の回転速度が低いとき、すなわちバランスシャフト7の回転速度が低いときには、ストッパゴム11に作用する遠心力が小さいため、同ストッパゴム11の本体15がばね19の付勢力によって図5に実線で示すようにバランスシャフト7の近くに位置するようになる。このときには、本体15におけるバランスシャフト7の回転方向両側の側面15a,15aが、同回転方向においてドリブンギヤ9の突出部9a及びカバー10の支持部10aに対し接した状態となるため、空走距離が小さくなる(ゼロになる)。クランクシャフト3の回転速度が低いときには、クランクシャフト3のトルク変動に伴う上述した共振現象によってドリブンギヤ9の回転方向についての振幅のピークが生じるが、このときには上述したように空走距離が小さくなることにより、バランスシャフト7の入力トルクが効果的に小さく抑えられる。
一方、クランクシャフト3の回転速度が高くなってバランスシャフト7の回転速度も高くなり、ストッパゴム11に作用する遠心力がばね19の付勢力よりも大きくなると、同ストッパゴム11の本体15がばね19の付勢力に抗して図5に二点鎖線で示すようにバランスシャフト7の軸線から離れる方向に変位する。このときには、本体15におけるバランスシャフト7の回転方向両側の側面15a,15aが、同回転方向においてドリブンギヤ9の突出部9a及びカバー10の支持部10aに対し離間した状態となり、上記空走距離も大きくなる。なお、このときの空走距離については、本体15がバランスシャフト7の軸線から離れるほど、大きくなる。クランクシャフト3の回転速度が高いときには、クランクシャフト3のトルク変動に伴ってドリブンギヤ9に対する入力トルクも大きくなるが、このときには上述したように空走距離が大きくなることにより、バランスシャフト7の入力トルクが効果的に小さく抑えられる。
従って、クランクシャフト3の回転速度が低いときには上記空走距離が小さくされてバランスシャフト7の入力トルクが効果的に小さくされる一方、クランクシャフト3の回転速度が高いときには上記空走距離が大きくされてバランスシャフト7の入力トルクが効果的に小さくされる。なお、図6の破線及び図7の破線は、空走距離を上述したようにクランクシャフト3の回転速度に応じて変化させた場合におけるクランクシャフト3の回転速度の変化に対するバランスシャフト7の入力トルクの推移を示している。図6の実線及び図7の実線から分かるように、上記バランサ装置4においては、クランクシャフト3の回転速度領域全体のうちの広い領域に亘って、バランスシャフト7の入力トルクが小さく抑えられる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)クランクシャフト3の回転速度に応じて上述したように空走距離を変化させることにより、クランクシャフト3の回転速度領域全体のうちの広い領域に亘って、バランスシャフト7の入力トルクを小さく抑えることができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・ストッパゴム11がばね19の付勢力によってバランスシャフト7に対し最も近づいたとき必ずしも空走距離がゼロである必要はなく、そのときの空走距離がゼロよりも大きい値となるようにしてもよい。こうしたことは、ストッパゴム11の本体がばね19の付勢力によってバランスシャフト7に最も近づいたとき、同バランスシャフト7の外周面に本体15が当接し、且つ、本体15の側面15a,15aとドリブンギヤ9の突出部9a及びカバー10の支持部10aとの間に隙間ができるよう、本体15の形状を定めることによって実現可能である。また、ストッパゴム11がバランスシャフト7に対し最も近づいたとき、上述したように空走距離をゼロよりも大きい値になるよう設定した場合でも、ドリブンギヤ9とカバー10との間での回転伝達時には、一方の側面15aと突出部9aとの当接、及び、もう一方の側面15aと支持部10aとの当接のうち、すくなくとも一方の当接が生じる。
・本発明のバランサ装置を直列3気筒の内燃機関など、直列4気筒以外の形式の内燃機関に適用してもよい。
1…シリンダブロック、2…クランクキャップ又はクランクケース、3…クランクシャフト、4…バランサ装置、5…ドライブギヤ、6…ハウジング、7…バランスシャフト、8…重り、9…ドリブンギヤ、9a…突出部、10…カバー、10a…支持部、11…ストッパゴム、12…保持部、13…フリクションダンパ、14…凹所、15…本体、15a…側面、15b…側面、16…接続部、19…ばね、20…重り。

Claims (1)

  1. 重心位置が軸線上からずれた状態となるバランスシャフトと、
    前記バランスシャフトと同軸上に位置して同バランスシャフトに対し周方向に相対回転することが可能とされており、且つ、内燃機関のクランクシャフトからの回転が伝達される第1回転体と、
    前記バランスシャフトに固定されて同バランスシャフトとその軸線周りに一体回転する第2回転体と、
    前記バランスシャフトの回転方向における前記第1回転体と前記第2回転体との間に設けられており、前記第1回転体と前記第2回転体との間での回転伝達を行う弾性部材と、
    を備えるバランサ装置において、
    前記弾性部材を前記バランスシャフトの軸線に向けて付勢する付勢部材が設けられており、
    前記弾性部材は、前記バランスシャフトの回転方向についての両側面のうち、一方の側面が前記第1回転体に当接するものであって、もう一方の側面が前記第2回転体に当接するものであり、それら両側面間の前記バランスシャフトの回転方向についての距離が同バランスシャフトの軸線に近づくほど小さくされている
    ことを特徴とするバランサ装置。
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