JP2019127923A - 故障検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】故障検出精度を向上させる。【解決手段】複数の燃料噴射モードを有するとともに空燃比がフィードバック制御されるエンジン10の故障検出装置1に、判定部1C,計測部1Dおよび検出部1Eを設ける。判定部1Cは、燃料噴射モードごとに異なる指標を用いてエンジン10の燃料噴射システムの故障可能性を判定する。計測部1Dは、故障可能性のある状態の継続期間を計測するとともに燃料噴射モードの切り替え時にその継続期間をリセットする。検出部1Eは、継続期間が第一判定期間Tjに達しているときに故障を検出したと判断する。計測部1Dは、継続期間が第二判定期間Ts以上であることを含む保持条件が成立したら、燃料噴射モードが切り替えられても継続期間をリセットせずに保持する。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの燃料噴射システムに関する故障を検出する故障検出装置に関する。
従来、エンジンの空燃比をフィードバック制御する燃料噴射システムにおいて、排気系に介装された空燃比センサや酸素濃度センサで実空燃比を検出し、その実空燃比に基づく故障判定を実施する手法が知られている。すなわち、フィードバック制御により実空燃比が目標空燃比に近づくように燃料補正量(補正値)を算出するとともに燃料噴射量を制御している場合に、この補正値が規定の正常範囲を超えたときに何らかの故障が燃料噴射システムに発生していると判断(検出)するものである。補正値としては、例えば、フィードバック制御による空燃比フィードバック補正値やこの補正値をもとにした学習制御による空燃比学習値が挙げられる。
複数の燃料噴射モードを備えたエンジンでは、上記の手法によって燃料噴射システムの一つに故障が発生していると判断(検出)されると、フェールセーフ制御として、故障を検出した燃料噴射システムを停止して、故障を検出していない燃料噴射システムが代用される(例えば特許文献1参照)。
特許第4375201号公報
しかしながら、燃料噴射モードごとに異なる指標を用いて故障判定を行う場合、故障判定中に燃料噴射モードが切り替えられると、それまでの判定経過がリセットされてしまう。そのため、燃料噴射モードが短いスパンで切り替えられると一向に故障を検出することができず、故障検出精度が低下する。また、故障の発見が遅れることで、エンジンの燃焼状態が不安定なまま空燃比が不適切に制御され続けることとなり、エンジン制御の安定性,信頼性が低下しうる。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、空燃比がフィードバック制御されるエンジンの燃料噴射システムに関する故障を検出する故障検出装置において、故障検出精度を向上させることを目的の一つとする。なお、これらの目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示する故障検出装置は、少なくとも二つの燃料噴射モードを有するとともに空燃比がフィードバック制御されるエンジンの燃料噴射システムに関する故障を検出する故障検出装置であって、前記燃料噴射モードごとに異なる指標を用いて、前記燃料噴射システムの故障可能性を判定する判定部と、前記故障可能性のある状態の継続期間を計測するとともに、前記燃料噴射モードの切り替え時に前記継続期間をリセットする計測部と、前記継続期間が所定の第一判定期間に達しているときに前記燃料噴射システムの故障を検出したと判断する検出部と、を備える。前記計測部は、前記継続期間が前記第一判定期間よりも短い第二判定期間以上であることを含む保持条件が成立したら、前記燃料噴射モードが切り替えられても前記継続期間をリセットせずに保持する。
(2)前記故障検出装置は、前記空燃比の目標値と計測値との差の積算値における定常成分に相当する学習値を算出する算出部と、前記学習値に基づいて前記第二判定期間を設定する設定部と、を備えていることが好ましい。
(3)前記設定部は、1回のドライブサイクル内における前記学習値の変化量が大きいほど前記第二判定期間を短縮することが好ましい。
(4)前記設定部は、前記学習値が補正限界値に到達している状態で、前記積算値が前記学習値と同じ方向に所定量以上偏っている場合に、前記第二判定期間を短縮することが好ましい。
(5)前記制御装置は、前記検出部によって初めて前記故障が検出された場合に仮故障コードを記録する記録部と、前記第二判定期間を設定する設定部と、を備え、前記設定部は、前記仮故障コードが記録されている場合には、前記仮故障コードが記録されていない場合よりも前記第二判定期間を短くすることが好ましい。
(6)前記保持条件には、切り替え後の前記燃料噴射モードの実施期間が第一所定期間未満であることが含まれることが好ましい。
(7)また、前記保持条件には、切り替え後の前記燃料噴射モードから切り替え前の前記燃料噴射モードに復帰した場合に、その復帰時点から再び前記故障可能性があると判定されるまでの期間が第二所定期間未満であることが含まれることが好ましい。
開示の故障検出装置によれば、噴射モードが切り替えられることによる故障判定の中断を回避することができ、早期に故障を検出することができることから、故障検出精度を向上させることができる。
エンジンの燃料噴射システム及び故障検出装置を示す模式図である。 燃料噴射モードを選択するためのマップ例である。 故障検出装置で実施される故障検出制御の手順を例示するフローチャートである。 図3のサブフローチャートである。 継続時間の保持による作用効果を説明するための図である。 第二判定時間の設定による作用効果を説明するための図である。
図面を参照して、実施形態としての故障検出装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.エンジン]
図1は、車両に搭載されるエンジン10の燃料噴射システムと、燃料噴射システムに関する故障を検出する制御(以下「故障検出制御」という)を実施するための故障検出装置1とを示す模式図である。ここでは、複数気筒のうちの一つを示す。燃料噴射システムとしては、筒内噴射(DI)とポート噴射(MPI)とを使用した燃料噴射を実施するものを例示する。
各気筒には、筒内で燃料を噴射する筒内噴射弁4と、吸気ポート内で燃料を噴射するポート噴射弁5とが設けられる。また、エンジン10の吸気通路2には、スロットル弁8が配置される。筒内に導入される混合気の空燃比(A/F)は、筒内噴射弁4及びポート噴射弁5から噴射される燃料量と、スロットル弁8の開度によって制御される吸気量とに応じて変動しうる。
排気通路3には、空燃比(あるいは空気過剰率や当量比)を計測するためのセンサが取り付けられる。図1に示す例では、排気浄化触媒の上流側に第一空燃比センサ6が設けられ、排気浄化触媒の下流側に第二空燃比センサ7が設けられている。これらの空燃比センサ6,7は、排気中の酸素濃度や炭化水素濃度に応じた信号を出力しうるセンサであり、例えばリニア空燃比センサ(LAFS)やジルコニア式酸素濃度センサなどである。空燃比センサ6,7から出力される信号は、排気中の酸素濃度や炭化水素濃度から推定される実際の空燃比(すなわち、空燃比の計測値)に相当する。
エンジン10の筒内で燃焼する混合気の空燃比は、空燃比の目標値と計測値との差に基づき、図示しないエンジン制御装置によってフィードバック制御(F/B制御)される。フィードバック制御では、空燃比の目標値と計測値との差が小さくなるように、燃料量が行程毎に補正される。一般に、フィードバック制御での補正値には、空燃比の目標値と計測値との差に応じて設定される比例補正値や、差の微分値に応じて設定される微分補正値や、差の積分値に応じて設定される積分補正値などが含まれる。本実施形態のフィードバック制御には、少なくとも積分補正値(差の積算値)であるF/B積分値と、その定常成分(定常的なずれ)に相当するA/F学習値とが含まれる。これらの算出手法については後述する。
故障検出装置1は、エンジン10の燃料噴射システムに関する故障を検出する機能を持った電子制御装置(コンピュータ,ECU)であり、エンジン10が搭載された車両の車載ネットワークに接続される。車載ネットワーク上には、上記の空燃比センサ6,7のほか、エンジン10や補機類,各種センサ類なども接続される。故障検出装置1の内部には、バスを介して互いに接続されたプロセッサ,メモリ,インタフェイス装置などが内蔵される。なお、上記のエンジン制御装置の内部に故障検出装置1の機能を内蔵させてもよい。
プロセッサは、例えば制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ)などを内蔵する処理装置である。また、メモリは、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、ROM,RAM,不揮発メモリなどを含む。故障検出装置1で実施される制御の内容は、ファームウェアやアプリケーションプログラムとしてメモリに記録,保存されており、プログラムの実行時にはプログラムの内容がメモリ空間内に展開されプロセッサで実行される。
エンジン10には、複数種類の燃料噴射モード(以下「噴射モード」という)が予め設けられており、エンジン10に要求される出力の大きさや作動状況(エンジン回転速度,負荷など)に応じて切り替えられる。本実施形態の噴射モードには、ポート噴射弁5を用いて燃料噴射を実施するポート噴射モード(以下「MPIモード」という)と、おもに筒内噴射弁4を用いて、場合によってはポート噴射弁5を併用しながら燃料噴射を実施するMPI+DI併用モード(以下「併用モード」という)とが含まれる。MPIモードが選択された場合には吸気ポートのみに燃料が噴射され、併用モードが選択された場合には、吸気ポートおよび筒内に燃料が噴射されうる。
上記のエンジン制御装置には、エンジン10の運転状態(エンジン回転速度,負荷)と各噴射モードに対応するモード領域との対応関係が予め設定されたマップが記憶されている。このマップを用いることで、運転状態に応じた噴射モードが選択される。本実施形態のエンジン制御装置に記憶されているマップの一例を図2に示す。このマップでは、低負荷領域にMPIモードに対応するモード領域(以下「MPIモード領域」という)が設定され、高負荷領域に併用モードに対応するモード領域(以下「併用モード領域」という)が設定されている。エンジン制御装置は、エンジン10の回転速度と負荷とをマップに適用することで噴射モードを選択し、その噴射モードに応じて燃料噴射システムを制御するとともに空燃比をフィードバック制御する。
[2.制御概要]
故障検出制御は、噴射モードごとに異なる指標を用いて燃料噴射システムの故障の可能性を判定するとともに、「故障可能性あり」と判定され続けている期間(以下「継続期間」という)に基づいて燃料噴射システムの故障を検出する制御である。継続期間は、例えば時間,行程数,点火回数など、期間をカウントできるパラメータであればよく、エンジン10の運転点(エンジン回転速度および負荷)の属するモード領域が変わり、噴射モードが切り替えられるとリセットされる。以下の説明では、継続期間として、「故障可能性あり」と判定され続けている時間(「継続時間」と呼ぶ)を用いる場合を例示する。
本実施形態の故障検出制御では、継続時間が第一判定時間Tj(第一判定期間)に達すると、その噴射モードで使用されている燃料噴射システムの故障が検出されたと判断される。第一判定時間Tjは、故障可能性のある状態がどの程度続いた場合に「燃料噴射システムが故障している」と判断可能であるかに基づいて、予め設定された時間である。つまり、上記の判断が可能な理由(故障を検出できる理由)は、継続時間が第一判定時間Tjに到達するのは燃料噴射システムが故障している場合だけであるからである。
本実施形態では、MPIモードにおいてポート噴射弁5の故障が検出され、併用モードにおいて筒内噴射弁4の故障が検出される。また、本実施形態の故障検出制御では、継続時間が第一判定時間Tjよりも短い第二判定時間Ts(第二判定期間)以上であることを含む保持条件が成立した場合には、噴射モードが切り替えられても継続時間がリセットされずに保持される。そして、噴射モードが復帰したときに再び故障の可能性が判定され、故障可能性があれば継続時間の計測が再始動され、故障可能性がなければ継続時間がリセットされる。
例えば、エンジン10の運転点が併用モード領域にあるとき(すなわち、併用モードが選択されているとき)に故障の可能性があると判定しており、かつ、保持条件が成立した場合には、運転点がMPIモード領域に移行したとしても継続時間がリセットされない。そして、運転点が再び併用モード領域に移行した場合には故障判定が再開される。これにより、併用モードへ復帰したときに継続時間が第一判定時間Tjに達しやすくなる。つまり、継続時間が第一判定時間Tjに達する前に噴射モードが切り替えられることで(継続時間がリセットされることで)、なかなか故障が検出されない事態が防止される。
保持条件には、上記の条件(以下の条件1)に加え、条件2および条件3の少なくとも一方が含まれることが好ましい。本実施形態の故障検出制御では、条件1〜3のすべてが成立した場合に保持条件が成立したと判定される。
==保持条件==
条件1.継続時間が第二判定時間Ts以上
条件2.切り替え後の噴射モードの実施時間が第一所定時間Tm未満
条件3.切り替え後の噴射モードから切り替え前の噴射モードに復帰した場合に、その復帰時点から再び故障可能性があると判定されるまでの時間が第二所定時間Tp未満
条件1は、故障の可能性が高いことを判断するための条件である。すなわち、継続時間が第一判定時間Tjには達していないが、第二判定時間Tsに達している場合には、燃料噴射システムが本当に故障している可能性が高いため、噴射モードが切り替えられる前に実施されていた故障判定の経過を維持する。また、条件2は、噴射モードが頻繁に切り替えられることにより継続時間がリセットされることを防ぐための条件である。条件3は、噴射モードの切り替えにより実空燃比が一時的に変動し、故障判定の指標として用いる補正量(後述する)も変動しうることから、誤検出を防止するための条件である。
例えば、噴射モードが併用モードであるときに故障可能性があると判定され続けている時間(すなわち継続時間)が第二判定時間Ts以上かつ第一判定時間Tj未満であるときに、併用モードからMPIモードに切り替えられたとする。このとき、MPIモードの実施時間(実施期間)が第一所定時間Tm(第一所定期間)に達する前に併用モードに復帰した場合には、その復帰時点から第二所定時間Tp(第二所定期間)が経過するまでは継続時間をリセットせずに保持することで、頻繁に噴射モードが切り替えられることで故障検出が遅れることを防ぎつつ、誤検出も防止される。なお、実施時間の代わりに、例えば行程数や点火回数など、実施期間をカウントできるパラメータを用いてもよい。この場合、第一所定時間Tm,第二所定時間Tpの代わりに、同じパラメータを用いた第一所定期間Tm,第二所定期間Tpとすればよい。
本実施形態の故障検出制御では、条件1の第二判定時間Tsが固定値ではなく、後述する設定部1Bによって設定される可変値として設けられる。第二判定時間Tsが短いほど、継続時間が保持されやすくなる。このため、継続時間をリセットすべきではない状況(すなわち故障の可能性が高い状況)では、そうでない場合と比較して第二判定時間Tsが短く設定される。
継続時間をリセットすべきではない状況(故障の可能性が高い状況)とは、例えば、1回のドライブサイクル内におけるA/F学習値の変化量が大きい場合や、「故障可能性あり」と判定された時のF/B積分値が正常範囲から大きく外れる場合や、後述する仮故障コードが記録されている場合が挙げられる。なお、ここでいう「1回のドライブサイクル」とは、車両の主電源をオンにしてからオフにするまでの期間を意味する。上記のように、A/F学習値はF/B積分値の定常成分に相当する値であるため、この値が大きく変化する場合には燃料噴射システムに何らかの故障が発生している可能性が高い。そこで、本実施形態の故障検出制御では、1回のドライブサイクル内におけるA/F学習値の変化量が大きいほど第二判定時間Tsが短縮される。これにより、燃料噴射システムの故障検出精度が向上する。
なお、1回のドライブサイクル内におけるA/F学習値の変化量が大きいか否かは、例えば、1回ドライブサイクル中のA/F学習値の最大値(リッチ側補正の最大値)または最小値(リーン側補正の最大値)と、学習許可中にA/F学習値が上昇または低下した量とに基づいて判定可能である。例えば、1回ドライブサイクル中に、A/F学習値の最小値が所定値以下の値として算出され、A/F学習値の最大値がリッチ側の補正限界値として算出される場合や、A/F学習値の上昇量が所定量以上である場合には、燃料噴射システムが「リーン故障」している可能性が高い。
ここでいう「リーン故障」とは、燃料量が少なくて空燃比がリーンな状態になっている故障を意味する。反対に、燃料量が多くて空燃比がリッチな状態になっている故障を「リッチ故障」という。つまり、燃料噴射システムに何らかの故障が発生していて、空燃比センサ6,7で検出された空燃比の計測値が目標値に対してリーンまたはリッチな状態になっている場合には、リッチ側またはリーン側に燃料量の急激な(あるいは大きな)フィードバック補正が実施されることになる。そのため、この補正量(特に定常成分であるA/F学習値)の変化量をチェックすることで、故障の可能性が高い状況か否かを判断することができる。また、A/F学習値が補正限界値(リッチ側またはリーン側)に到達しているときにF/B積分値の大きさをチェックすることで、故障の可能性が高い状況か否かを判断することができる。
なお、ここでいう「補正限界値」とは、A/F学習値による補正の限界値を意味し、リッチ側への補正の限界値を示す「リッチ側補正限界値」と、リーン側への補正の限界値を示す「リーン側補正限界値」の二つが存在する。A/F学習値がこれら二つの補正限界値の範囲(以下「正常範囲」という)内であれば、A/F学習値を用いた燃料噴射量の補正がなされる。一方、A/F学習値がいずれか一方の補正限界値に到達したのちは、F/B積分値がA/F学習値と同じ側(リーン側またはリッチ側)にずれていても、そのずれ分がA/F学習値には反映されず、A/F学習値はその補正限界値でクリップされる。
また、仮故障コードとは、燃料噴射システムの故障が初めて検出された場合にメモリに記録,保存されるダイアグコードである。この仮故障コードが記録されている場合(故障検出がすでに一回行われている場合)には、仮故障コードが記録されていない場合よりも第二判定時間Tsが短く設定される。これにより、噴射モードが切り替えられることで(継続時間がリセットされることで)、なかなか故障が検出されない事態が防止され、燃料噴射システムの故障検出精度が向上する。なお、次回以降のドライブサイクルにおいて、同じ噴射モードにおける燃料噴射システムの故障が検出された場合には本故障コードが記録,保存される。本故障コードが記録された場合には、車室内に設けられたメーターパネルに故障を検出した旨が表示される。
また、故障検出制御では、故障判定の指標として燃料噴射量の補正量を用いる。補正量は、空燃比の目標値と計測値との差に基づき算出される。本実施形態では、補正量として、上記のF/B積分値とA/F学習値とが算出される。F/B積分値は、エンジン10が作動しF/B制御の実施中は常に算出される。また、A/F学習値は、所定の学習条件が成立する状況下で(学習許可中に)算出される。なお、学習条件には、前回のA/F学習値の算出から所定行程数(あるいは所定時間)が経過していることや、エンジン10の作動状態が安定していることなどが含まれる。
F/B積分値は、空燃比の目標値から計測値を減じたものの積算値に基づいて算出され、例えばその積算値に所定のゲイン(但し、ゲイン<0)を乗じた値とされる。この場合、空燃比の計測値が目標値と比較してリーンであれば(計測値が目標値よりも大きければ)F/B積分値が正(リッチ側補正)の値となり、リーンの度合いが強いほどその絶対値が大きくなる。反対に、計測値が目標値と比較してリッチならばF/B積分値が負(リーン側補正)の値となり、リッチの度合いが強いほどその絶対値が大きくなる。
A/F学習値は、F/B積分値に遅延処理(例えば、一次ローパスフィルタや移動平均処理などのなまし処理)を施した値とされる。空燃比の計測値が目標値と比較してリーン傾向であれば、A/F学習値が正(リッチ側補正)の値となり、その傾向が強いほどその絶対値が大きくなる。反対に、計測値が目標値と比較してリッチ傾向であればA/F学習値が負(リーン側補正)の値となり、その傾向が強いほどその絶対値が大きくなる。F/B積分値に遅延処理を施すことで、F/B積分値に含まれるノイズや高周波振動成分が除去され、その定常成分に相当する値が抽出される。
本実施形態のA/F学習値は、噴射モードごとに異なる値が算出される。つまり、MPIモードにおける学習許可中にMPIモード用のA/F学習値が算出され、併用モードにおける学習許可中に併用モード用のA/F学習値が算出される。なお、F/B積分値,A/F学習値の具体的な算出手法については、このような算出手法に限らず、公知のフィードバック制御の手法を採用することができる。
本実施形態の故障検出制御では、以下の条件A〜Cのすべてが成立した場合に故障条件が成立し、故障の可能性があると判定される。なお、併用モード用のリッチ側補正限界値,リーン側補正限界値をそれぞれLdR,LdLと表記し、MPIモード用のリッチ側補正限界値,リーン側補正限界値をそれぞれLmR,LmLと表記する。
==故障条件==
条件A.A/F学習値が正常範囲のリッチ側補正限界値LdR,LmRまたはリーン側補正限界値LdL,LmLに達している
条件B.F/B積分値がA/F学習値と同じ方向に偏っている
条件C.F/B積分値が正常範囲外に存在する
[3.制御構成]
図1に示すように、故障検出装置1には、上述した故障検出制御を実施するための算出部1A,設定部1B,判定部1C,計測部1D,検出部1Eおよび記録部1Fが設けられる。本実施形態では、これらの要素の各機能がソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア(電子制御回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
算出部1Aは、上述したF/B積分値とA/F学習値とを算出するものである。算出部1Aは、上述したように、エンジン10の作動中にF/B積分値を常に算出するとともに、所定の学習条件が成立している場合にA/F学習値を算出する。なお、噴射モードが切り替えられた場合には、再びその噴射モードに復帰するときに備えて切替直前に算出したA/F学習値を記憶しておく。
設定部1Bは、上述した第二判定時間Tsを設定するものである。本実施形態の設定部1Bは、算出部1Aで算出されたF/B積分値及びA/F学習値と仮故障コードの有無とに基づいて第二判定時間Tsを設定する。具体的には、本実施形態の設定部1Bは、1回のドライブサイクル内におけるA/F学習値の変化量が大きい場合には、そうでない場合と比べて第二判定時間Tsを短縮する。
また、設定部1Bは、A/F学習値がリッチ側補正限界値LdR,LmRまたはリーン側補正限界値LdL,LmLに到達している状態で、F/B積分値がA/F学習値と同じ方向(リッチ側またはリーン側)に所定量X以上偏っている場合には、そうでない場合と比べて第二判定期間Tsを短縮する。この所定量Xは、F/B積分値の正常範囲を規定する上限値の絶対値および下限値の絶対値のいずれよりも大きな値とされる。すなわち、設定部1Bは、上記の故障条件(条件A〜C)が成立する場合には第二判定期間Tsを短縮する。また、本実施形態の設定部1Cは、仮故障コードを記憶している場合には、そうでない場合と比べて第二判定時間Tsを短縮する。
判定部1Cは、噴射モードごとに異なる指標を用いて、燃料噴射システムに関する故障可能性を判定するものである。本実施形態の判定部1Cは、F/B積分値と噴射モードごとに算出されるA/F学習値とを用いて、上述した条件A〜Cの成否を判定し、条件A〜Cのすべてが成立する場合に「故障可能性あり」と判定する。例えば、併用モードが選択されている場合には、併用モード用のA/F学習値が正常範囲のリッチ側補正限界値LdRまたはリーン側補正限界値LdLに達しており、かつ、F/B積分値がこのA/F学習値と同じ方向に偏っていて正常範囲外に存在する場合には、「筒内噴射弁4の故障可能性がある」と判定する。
計測部1Dは、判定部1Cにおいて「故障可能性がある」と判定されている状態の継続時間を計測するとともに、噴射モードの切り替え時にその継続時間をリセットするものである。ただし、計測部1Dは、上記の保持条件が成立した場合には、噴射モードが切り替えられても継続時間をリセットせずにその時点での値を保持する。そして、噴射モードが復帰したのちの故障判定結果に応じて、継続時間を更新またはリセットする。
検出部1Eは、計測部1Dにおいて計測されている継続時間が第一判定時間Tjに達しているときに燃料噴射システムの故障を検出したと判断するものである。
記録部1Fは、検出部1Eによって初めて故障が検出された場合に仮故障コードを記録するとともに、次回以降のドライブサイクルにおいて同様の噴射モードで故障が検出された場合には本故障コードを記録するものである。なお、記録部1Fは、本故障コードを記録した場合には、車室内のメーターパネルを制御して、故障している旨を表示する。
[4.フローチャート]
図3は、上述した故障検出制御の内容を説明するためのフローチャート例であり、図4は図3のサブフローチャートである。ここでは、併用モードでの燃料噴射システムの故障を判定するフローチャートを例示する。このフローチャートは、車両の主電源がオンの場合に故障検出装置1において所定の演算周期で実施される。なお、燃料噴射システムの制御や空燃比のフィードバック制御は、このフローチャートとは別に実施されているものとする。また、このフローチャートの開始時点では継続時間は0リセットされている。
図3に示すように、まずは第二判定時間Tsが設定される(ステップS1)。このサブフローチャートが図4である。図4のステップS20では、前回以前のドライブサイクル(D/C)中に仮故障コードを記録しているか否かが判定され、YesのときはステップS25において第二判定時間Tsが短い値(ここではTsSと表記する)に設定され、図3のフローチャートへリターンする。一方、仮故障コードが記録されていなければ、今回のドライブサイクル中における併用モード用のA/F学習値の変化量が所定量以上であるか否かが判定される(ステップS22)。
変化量が所定量以上である場合(すなわちA/F学習値が大きく変化している場合)には、第二判定時間Tsが短い値TsSに設定される(ステップS25)。一方、変化量が所定量未満であれば、ステップS23において、併用モード用のA/F学習値がリッチ側補正限界値LdRに到達している状態でF/B積分値が第一所定値R以上であるか否かが判定される。この第一所定値Rは上記の所定量Xに対応する値に設定される。この条件が不成立であれば、続くステップS24において、併用モード用のA/F学習値がリーン側補正限界値LdLに到達している状態でF/B積分値が第二所定値L以下であるか否かが判定される。この第二所定値Lも上記の所定量Xに対応する値に設定される。
この条件も不成立の場合には、ステップS26において第二判定時間Tsが長い値(ここではTsLと表記する)に設定され、図3のフローチャートへと戻る。一方、ステップS23またはステップS24において肯定的な判定がされた場合には、ステップS25に進み、第二判定時間Tsが短い値TsSに設定される。なお、図4のフローチャートでは、第二判定時間Tsが長い値TsLと短い値TsSのいずれか一方に設定される場合を例示しているが、第二判定時間Tsの設定方法はこれに限られず、例えばA/F学習値の変化量に応じて第二判定時間Tsの長さを細かく設定してもよいし、F/B積分値の大きさに応じて第二判定時間Tsの長さを細かく設定してもよい。
図3のステップS2では、継続時間が第二判定時間Ts未満であるか否かが判定される(条件1)。最初にステップS2へ進んだときには継続時間が0であるため、選択されている噴射モードが併用モードであるか否かが判定され(ステップS3)、併用モードであれば上記の故障条件が成立しているか否かが判定される(ステップS4)。故障条件が成立していれば「故障可能性あり」と判定され、継続時間が更新され(ステップS5)、ステップS7へ進む。なお、併用モードでない場合または故障条件が成立しない場合には、それまで計測していた継続時間をリセットして(ステップS6)、ステップS7へ進む。
ステップS7では、継続時間が第一判定時間Tjに達しているか否かが判定され、Noであればこのフローをリターンする。そして、ステップS3〜S5の処理が繰り返され、併用モード中に故障可能性があると判定され続けている時間(継続時間)が第二判定時間Ts以上になると、ステップS2からステップS8へ進む。そして、ステップS3〜S5と同様に、選択中の噴射モードが併用モードであって(ステップS8のYes)、上記の故障条件が成立している場合には(ステップS9のYes)、継続時間が更新される(ステップS5)。
これに対し、選択中の噴射モードが併用モードでない場合には(ステップS8のNo)、MPIモードが選択されていることになる。この場合、MPIモードの実施時間が第一所定時間Tm未満であるか否かが判定され(ステップS10,条件2)、Yesのときは継続時間が保持されて(ステップS11)、ステップS7へ進む。これにより、併用モードでの故障判定がある程度(第二判定時間Ts以上)進んでいる状態で噴射モードが切り替えられた場合には、切り替え後のMPIモードの実施時間が短い間は切り替え前の判定経過(継続時間)が保持される。ただし、MPIモードの実施時間が第一所定時間Tm以上になれば(ステップS10のNo)、継続時間がリセットされ(ステップS6)、併用モードでの故障判定が一からやり直される。
また、MPIモードの実施時間が第一所定時間Tmに達する前に併用モードに復帰した場合には、ステップS8からステップS9へ進み、故障条件の成否が判定される。噴射モードが切り替えられた場合には実空燃比が一時的に変動することから、F/B積分値も変動しうる。このため、切り替え直後は故障条件(条件2,条件3)が一時的に不成立となりうる。そこで、故障条件が成立しない場合には(ステップS9のNo)、故障条件の不成立時間が第二所定時間Tp未満であるか否かが判定される(ステップS12,条件3)。
故障条件の不成立時間(すなわち、噴射モードが切り替え前の併用モードに復帰した時点から再び故障可能性があると判定されるまでの時間)が第二所定時間Tp未満である間は(ステップS12のYes)、継続時間が保持される(ステップS11)。一方、不成立時間が第二所定時間Tp以上になれば(ステップS12のNo)、継続時間がリセットされ(ステップS13)、併用モードでの故障判定が一からやり直される。
ステップS7において、継続時間が第一判定時間Tjに達している(第一判定時間Tj以上である)と判定されると、選択中の噴射モード(すなわち併用モード)での燃料噴射システムの故障が検出される(ステップS14)。そして、仮故障コードが記録されていなければ(ステップS15)、仮故障コードが記録され(ステップS16)、記録されていれば本故障コードが記録される(ステップS15,S17)。そして、このフローをリターンする。
[5.作用,効果]
(1)上述した制御装置1では、図5中に太実線で示すように、例えば併用モード中に、併用モード用のA/F学習値がリッチ側補正限界値LdRに達しており(条件A)、かつ、F/B積分値が正常範囲からリッチ側に逸脱している場合に(条件BおよびC)、継続時間の計測が開始される(図中矢印A1)。この継続時間は、第二判定時間Tsに達する前に噴射モードが切り替えられたときにはリセットされる(図中矢印A2)。しかし、継続時間が第二判定時間Ts以上であるときに噴射モードが切り替えられたときは(図中矢印A3)、そのときの継続時間が保持される。そして、再び故障条件が成立したタイミング(図中矢印A4)で継続時間の計測が再開される。
一方で、第二判定時間Tsのない従来の装置では、図中破線で示すように、噴射モードが切り替えられる度に継続時間がリセットされてしまうため、なかなか故障が検出されない。つまり、上述した制御装置1では、噴射モードが切り替えられることにより継続時間がリセットされる(故障判定が中断される)事態を回避できるため、早期に故障を検出することができ、燃料噴射システムの故障検出精度を向上させることができる。これにより、エンジン制御の安定性および信頼性を高めることができる。
(2)上述した制御装置1では、算出部1Aによって算出されたA/F学習値に基づき、設定部1Cが第二判定時間Tsを設定するため、故障の可能性が高い状況か否かに応じて第二判定時間Tsを適切に設定することができる。これにより、故障検出精度を向上させることができる。
例えば、図6に示すように、1回のドライブサイクル内において、併用モード用のA/F学習値の最小値が所定値(例えば0)以下であり、かつ、そのA/F学習値がリッチ側補正限界値LdRに到達した場合には、第二判定時間Tsを長い値TsLから短い値TsSに変更する。これにより、継続時間が第二判定時間Ts以上になりやすくなり、継続時間が保持されやすくなる。これにより、少しでも「故障可能性がある」と判定されていた場合には、その判定過程がリセットされずに保持されやすくなるため、故障検出精度を向上させることができる。なお、図6は、筒内噴射弁4の故障によりリーン故障が発生した場合の制御内容を例示した図である。第二判定時間Tsを短縮するタイミングは、図6に示すものに限られず、例えばA/F学習値の上昇量(変化量)が所定量以上となった時点としてもよい。
(3)上述した制御装置1では、1回のドライブサイクル内におけるA/F学習値の変化量が大きいほど第二判定時間Tsが短縮されるため、故障の可能性が高いほど継続時間が保持されやすくなる。これにより、故障判定が中断される事態をより回避しやすくなり、故障検出精度を向上させることができる。
(4)上述した設定部1Bは、A/F学習値がリッチ側補正限界値LdR,LmRまたはリーン側補正限界値LdL,LmLに到達している状態で、F/B積分値がA/F学習値と同じ方向(リッチ補正側またはリーン補正側)に所定量X以上偏っている場合には、そうでない場合と比べて第二判定期間Tsを短縮する。すなわち、設定部1Bは、故障の可能性ありと判定されているときのF/B積分値の正常範囲からの逸脱の度合い(上記の条件Cの成否)に基づき、故障の可能性が高いと判断して第二判定時間Tsを短縮するため、故障判定が中断される事態をより回避できる。
(5)上述した制御装置1では、仮故障コードが記録されている場合には、仮故障コードが記録されていないときよりも第二判定時間Tsが短く設定される。すなわち、一度故障が検出されている場合には、より故障が検出されやすい状態にされるため、故障検出精度を向上させることができる。
(6)また、上述した故障検出制御では、保持条件に条件2が含まれることから、噴射モードが頻繁に切り替えられることにより継続時間がリセットされることを防ぐことができ、故障検出精度を向上させることができる。
(7)さらに、保持条件には条件3も含まれているため、噴射モードの切り替えによって実空燃比が一時的に変動し、故障判定の指標として用いる補正量(F/B積分値)が変動したとしても継続時間がリセットされないため、故障検出精度を向上させつつ、燃料噴射システムの誤検出をも防止することができる。
[6.その他]
上述した各実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した各実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、A/F学習値および仮故障コードの有無に基づいて第二判定時間Tsを設定する場合を例示したが、第二判定時間Tsはこれら以外のパラメータに基づいて設定されてもよい。あるいは、第二判定時間Tsが可変値ではなく、予め設定された固定値として設けられていてもよい。
また、上述した実施形態では、MPIモードと併用モードとを有するエンジン10を例示したが、噴射モードはこれら二種類に限られない。例えば、MPIモード,MPI+DI一括噴射モード,MPI+DI分割噴射モードの三種類が設定されていてもよい。なお、MPI+DI一括噴射モードは、筒内噴射弁4からの噴射が単噴射(噴射回数を複数回に分けずに燃料を噴射すること)とされるモードであり、MPI+DI分割噴射モードは分割噴射(複数回に分けて燃料を噴射すること)とされるモードである。
また、例えば、MPIモード,DI圧縮行程噴射モード,DI吸気行程噴射モード,MPI+DI吸気行程噴射モードの四種類が設定されていてもよい。DI圧縮行程噴射モードは、圧縮行程で筒内噴射を実施する噴射モードである。DI吸気行程噴射モードは、吸気行程で筒内噴射を実施する噴射モードであり、MPI+DI吸気行程噴射モードは、ポート噴射と吸気行程での筒内噴射とを併用する噴射モードである。なお、マップに設定されるモード領域は、設定される噴射モードに応じて変更すればよい。
上述した保持条件および故障条件はいずれも一例であって、上述した条件1〜3や条件A〜C以外の条件が含まれていてもよい。また、上述したエンジン10の構成や故障検出装置1の制御構成は一例であって、上述したものに限られない。
1 故障検出装置
1A 算出部
1B 設定部
1C 判定部
1D 計測部
1E 検出部
1F 記録部
2 吸気通路
3 排気通路
4 筒内噴射弁
5 ポート噴射弁
6 第一空燃比センサ
7 第二空燃比センサ
8 スロットル弁
10 エンジン
Tj 第一判定時間(第一判定期間)
Ts 第二判定時間(第二判定期間)
Tm 第一所定時間(第一所定期間)
Tp 第二所定時間(第二所定期間)
LdR,LmR リッチ側補正限界値(補正限界値)
LdL,LmL リーン側補正限界値(補正限界値)
X 所定量

Claims (7)

  1. 少なくとも二つの燃料噴射モードを有するとともに空燃比がフィードバック制御されるエンジンの燃料噴射システムに関する故障を検出する故障検出装置であって、
    前記燃料噴射モードごとに異なる指標を用いて、前記燃料噴射システムの故障可能性を判定する判定部と、
    前記故障可能性のある状態の継続期間を計測するとともに、前記燃料噴射モードの切り替え時に前記継続期間をリセットする計測部と、
    前記継続期間が所定の第一判定期間に達しているときに前記燃料噴射システムの故障を検出したと判断する検出部と、を備え、
    前記計測部は、前記継続期間が前記第一判定期間よりも短い第二判定期間以上であることを含む保持条件が成立したら、前記燃料噴射モードが切り替えられても前記継続期間をリセットせずに保持する
    ことを特徴とする、故障検出装置。
  2. 前記空燃比の目標値と計測値との差の積算値における定常成分に相当する学習値を算出する算出部と、
    前記学習値に基づいて前記第二判定期間を設定する設定部と、を備えた
    ことを特徴とする、請求項1記載の故障検出装置。
  3. 前記設定部は、1回のドライブサイクル内における前記学習値の変化量が大きいほど前記第二判定期間を短縮する
    ことを特徴とする、請求項2記載の故障検出装置。
  4. 前記設定部は、前記学習値が補正限界値に到達している状態で、前記積算値が前記学習値と同じ方向に所定量以上偏っている場合に、前記第二判定期間を短縮する
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の故障検出装置。
  5. 前記検出部によって初めて前記故障が検出された場合に仮故障コードを記録する記録部と、
    前記第二判定期間を設定する設定部と、を備え、
    前記設定部は、前記仮故障コードが記録されている場合には、前記仮故障コードが記録されていない場合よりも前記第二判定期間を短くする
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の故障検出装置。
  6. 前記保持条件には、切り替え後の前記燃料噴射モードの実施期間が第一所定期間未満であることが含まれる
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の故障検出装置。
  7. 前記保持条件には、切り替え後の前記燃料噴射モードから切り替え前の前記燃料噴射モードに復帰した場合に、その復帰時点から再び前記故障可能性があると判定されるまでの期間が第二所定期間未満であることが含まれる
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の故障検出装置。
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