JP2017210944A - 診断装置 - Google Patents

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Junya Kitada
淳也 北田
松永 英雄
Hideo Matsunaga
英雄 松永
聡 前田
Satoshi Maeda
聡 前田
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Abstract

【課題】エンジンの燃料噴射システムに関する故障を診断する診断装置に関し、診断精度を向上させる。【解決手段】空燃比がフィードバック制御されるエンジン10の燃料噴射システムに関する故障を診断する診断装置1において、空燃比の目標値と計測値との差の積算値とその定常成分に相当する学習値とを算出する算出部2を設ける。燃料噴射システムによる燃料噴射形態の切り換えに際し、積算値を補正する補正部3を設ける。積算値及び学習値に基づき、故障の発生を診断する診断部4を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの燃料噴射システムに関する故障を診断する診断装置に関する。
従来、エンジンの空燃比をフィードバック制御する燃料噴射システムにおいて、排気系に介装された空燃比センサや酸素濃度センサで実空燃比を検出し、その実空燃比に基づく故障判定を実施する手法が知られている。すなわち、フィードバック制御により実空燃比が目標空燃比に近づくように調節されているにも関わらず、実空燃比が目標空燃比から大きくかけ離れた値となる場合に、何らかの故障が燃料噴射システムに発生していると判断するものである。
一方、上記の故障判定手法では、燃料噴射形態の変更に起因する燃料噴射量,実空燃比,目標空燃比などの急変により、実空燃比が一時的に大きく変動し、誤判定が生じる可能性もある。そこで、燃料噴射形態が変更されてから一定の時間が経過するまでの間は、実空燃比による故障判定を禁止し、故障の誤判定を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4640012号公報
しかしながら、燃料噴射形態が変更されたときに一律に故障判定を禁止すると、その一定の時間内に発生した故障の発見が必然的に遅れることになるため、故障診断精度が低下する。また、故障の発見が遅れることで、エンジンの燃焼状態が不安定なまま空燃比が不適切に制御され続けることとなり、エンジン制御の安定性,信頼性が低下しうる。このような課題は、特にエンジン回転速度が大きい状態であるほど顕著となる。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、故障の誤判定を効率的に抑制して診断精度を改善できるようにした診断装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)開示の診断装置は、空燃比がフィードバック制御されるエンジンの燃料噴射システムに関する故障を診断する診断装置である。本診断装置は、前記空燃比の目標値と計測値との差の積算値と、前記積算値の定常成分に相当する学習値とを算出する算出部を備える。また、前記燃料噴射システムによる燃料噴射形態の切り換えに際し、前記積算値を補正する補正部を備える。さらに、前記積算値及び前記学習値に基づき、前記故障の発生を診断する診断部を備える。
(2)前記補正部が、前記積算値の正常範囲の上限値又は下限値に基づき、前記積算値を補正することが好ましい。例えば、前記補正部が、前記積算値が正常範囲の上限値を超えている場合に、前記積算値を前記上限値まで減少させ、前記積算値が前記正常範囲の下限値を下回る場合に、前記積算値を前記下限値まで増加させることが好ましい。
(3)前記補正部が、前記積算値の正常範囲の上限値を前記積算値が超えている場合に、前記積算値から所定量を減算補正し、前記積算値の正常範囲の下限値を前記積算値が下回る場合に、前記積算値に前記所定量を加算補正することが好ましい。
(4)前記所定量が、前記計測値のエラー率に基づいて設定されることが好ましい。
(5)前記切り換えが、異なる前記学習値を有する前記燃料噴射形態への切り換えであることが好ましい。なお、前記学習値が同一である前記燃料噴射形態への切り換えに際しては、前記補正部が前記積算値の補正を不実施とすることが好ましい。
(6)前記補正部が、前記目標値を基準とした前記学習値の偏り方向と前記目標値を基準とした前記積算値の偏り方向とが一致する場合に、前記積算値を補正することが好ましい。
燃料噴射形態の切り換えに際し、積算値を補正することで、切り換え直後の故障の誤判定を効率的に抑制して診断精度を改善することができる。
エンジンの燃料噴射システム及び診断装置を示す模式図である。 (A)〜(C)は、燃料の噴射モードを選択するためのマップ例である。 診断装置での制御手順を例示するフローチャートである。 (A)は、噴射モードが切り換えられたときのF/B積分値の変化を例示するグラフ、(B)はエラー率の変化を例示するグラフ、(C)は故障確認タイマーの作動状態を示すグラフである。
図面を参照して、実施形態としての診断装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.エンジン]
図1は、車両に搭載されるエンジン10の燃料噴射システムと、燃料噴射システムに関する故障を診断する診断装置1とを示す模式図である。ここでは、複数気筒のうちの一つを示す。燃料噴射システムとしては、筒内噴射(DI)とポート噴射(MPI)とを使用した燃料噴射を実施するものを例示する。各気筒には、筒内で燃料を噴射する筒内噴射弁5と、吸気ポート内で燃料を噴射するポート噴射弁6とが設けられる。また、エンジン10の吸気系には、スロットル弁9が配置される。筒内に導入される混合気の空燃比(A/F)は、筒内噴射弁5及びポート噴射弁6から噴射される燃料量と、スロットル弁9の開度によって制御される吸気量とに応じて変動しうる。
排気系には、空燃比(あるいは空気過剰率や当量比)を計測するためのセンサが取り付けられる。図1に示す例では、排気浄化触媒の上流側に第一空燃比センサ7が設けられ、排気浄化触媒の下流側に第二空燃比センサ8が設けられている。これらの空燃比センサ7,8は、排気ガス中の酸素濃度や炭化水素濃度に応じた信号を出力しうるセンサであり、例えばリニア空燃比センサ(LAFS)やジルコニア式酸素濃度センサなどである。空燃比センサ7,8から出力される信号は、排気ガス中の酸素濃度や炭化水素濃度から推定される実際の空燃比(すなわち、空燃比の計測値)に相当する。
エンジン10の筒内で燃焼する混合気の空燃比は、空燃比の目標値と計測値との差に基づき、図示しないエンジン制御装置によってフィードバック制御(F/B制御)される。フィードバック制御では、空燃比の目標値と計測値との差が小さくなるように、燃料量や吸気量が行程毎に補正される。一般に、フィードバック制御での補正値には、空燃比の目標値と計測値との差に応じて設定される比例補正値や、差の微分値に応じて設定される微分補正値や、差の積分値に応じて設定される積分補正値などが含まれる。本実施形態のフィードバック制御には、少なくとも積分補正値(差の積算値)であるF/B積分値と、その定常成分に相当するA/F学習値とが含まれる。これらの算出手法については後述する。
エンジン10には、複数種類の噴射モード(燃料噴射形態)があらかじめ設定されており、エンジン10に要求される出力の大きさや作動状況(エンジン回転速度,負荷など)に応じて、燃料噴射システムによって切り換えられる。噴射モードを設定するためのマップを図2(A)〜(C)に例示する。図2(A)は、MPI噴射モード,MPI+DI一括噴射モード,MPI+DI分割噴射モードの三種類が設定された燃料噴射システム用のマップである。図2(B)は、拡散燃焼噴射モード,予混合燃焼噴射モードの二種類が設定された燃料噴射システム用のマップである。図2(C)は、DI圧縮行程噴射モード,DI吸気行程噴射モード,MPI+DI吸気行程噴射モードの三種類が設定された燃料噴射システム用のマップである。各マップ上の実線及び破線は、各噴射モードの境界に付与されたヒステリシス特性(履歴特性)を表す。
MPI噴射モードは、ポート噴射弁6を用いて燃料噴射を実施する噴射モードである。これに対し、MPI+DI一括噴射モード,MPI+DI分割噴射モードは、おもに筒内噴射弁5を用いて、場合によってはポート噴射弁6を併用しながら燃料噴射を実施する噴射モードである。これらのモードのうち、前者では筒内噴射弁5からの噴射が単噴射(噴射回数を複数回に分けずに燃料を噴射すること)とされ、後者では分割噴射(複数回に分けて燃料を噴射すること)とされる。
拡散燃焼噴射モードは、エンジン10の筒内で拡散燃焼が実現されるように、圧縮行程から燃焼行程にかけての多段噴射を実施する噴射モードである。一方、予混合燃焼噴射モードは、予混合燃焼が実現されるように、圧縮行程内のみでの燃料噴射を実施する噴射モードである。
DI圧縮行程噴射モードは、圧縮行程で筒内噴射を実施する噴射モードである。DI吸気行程噴射モードは、吸気行程で筒内噴射を実施する噴射モードであり、MPI+DI吸気行程噴射モードは、筒内噴射とポート噴射とを併用する噴射モードである。
診断装置1は、エンジン10の燃料噴射システムに関する故障を診断する機能を持った電子制御装置(コンピュータ,ECU)であり、エンジン10が搭載された車両の車載ネットワークに接続される。車載ネットワーク上には、上記の空燃比センサ7,8のほか、エンジン10や補機類,各種センサ類なども接続される。診断装置1の内部には、バスを介して互いに接続されたプロセッサ,メモリ,インタフェイス装置などが内蔵される。なお、上述のエンジン制御装置の内部に診断装置1の機能を内蔵させてもよい。
プロセッサは、例えば制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ)などを内蔵する処理装置である。また、メモリは、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、ROM,RAM,不揮発メモリなどを含む。診断装置1で実施される制御の内容は、ファームウェアやアプリケーションプログラムとしてメモリに記録,保存されており、プログラムの実行時にはプログラムの内容がメモリ空間内に展開されプロセッサで実行される。
[2.制御構成]
図1中の診断装置1は、その機能をブロック図で模式的に表したものである。診断装置1には、算出部2,補正部3,診断部4が設けられる。本実施形態では、これらの要素の各機能がソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア(電子制御回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
算出部2は、空燃比の目標値と計測値との差に基づき、燃料噴射量の補正量を算出するものである。ここでは補正量として、上記の積分補正値であるF/B積分値と、その定常成分に相当するA/F学習値とが算出される。F/B積分値は、エンジン10の作動中は常に算出される。また、A/F学習値は、所定の学習条件が成立する状況下で算出される。学習条件には、前回のA/F学習値の算出から所定行程数(あるいは所定時間)が経過していることや、エンジン10の作動状態が安定していることなどが含まれる。本実施形態のA/F学習値は、噴射モード毎に異なる値が設定されるものとする。ただし、共通のA/F学習値を有する噴射モードが存在してもよい。
F/B積分値は、空燃比の目標値から計測値を減じたものの積算値に基づいて算出され、例えばその積算値に所定のゲインを乗じた値とされる。この場合、空燃比の計測値が目標値と比較してリーンであれば(計測値が目標値よりも大きければ)F/B積分値が負の値となり、リーンの度合いが強いほどその絶対値が大きくなる。反対に、計測値が目標値と比較してリッチならばF/B積分値が正の値となり、リッチの度合いが強いほどその絶対値が大きくなる。ただし、次に説明するA/F学習値がゼロ以外の数値に設定された場合には、その時点のF/B積分値からA/F学習値を減じた値が、最終的なF/B積分値として算出される。
A/F学習値は、F/B積分値に遅延処理(例えば、一次ローパスフィルタや移動平均処理などのなまし処理)を施した値とされる。空燃比の計測値が目標値と比較してリーン傾向であれば、A/F学習値が負の値となり、その傾向が強いほどその絶対値が大きくなる。反対に、計測値が目標値と比較してリッチ傾向であればA/F学習値が正の値となり、その傾向が強いほどその絶対値が大きくなる。F/B積分値に遅延処理を施すことで、F/B積分値に含まれるノイズや高周波振動成分が除去され、その定常成分に相当する値が抽出される。なお、F/B積分値,A/F学習値の具体的な算出手法については、このような算出手法に限らず、公知のフィードバック制御の手法を採用することができる。
補正部3は、燃料噴射システムによる噴射モード(燃料噴射形態)の切り換えに際し、F/B積分値を補正するものである。F/B積分値は、本来は空燃比の目標値と計測値との差を積算したものであるが、噴射モードの切り換えがなされた場合には、あらかじめ設定された補正条件が成立する限りにおいてその値が補正される。補正手法として、二種類の手法を例示する。本実施形態の補正部3は、少なくともいずれかの手法を用いてF/B積分値を補正する。なお、それぞれの手法で補正されたF/B積分値の平均値を最終的な補正後の値として、補正を実施してもよい。したがって、これらの二種類の補正手法は同時に実施可能である。
第一の補正手法は、F/B積分値を正常範囲の制限値(上限値,下限値)に補正するものである。すなわち、F/B積分値が正常範囲の上限値を超えている場合には、F/B積分値が上限値であるものとする。反対に、F/B積分値が正常範囲の下限値を下回っている場合には、F/B積分値を下限値であるものとする。つまりF/B積分値が、燃料噴射システムに故障が発生していないと判断される限界の値となるように補正される。また、F/B積分値が正常範囲内にある場合には、F/B積分値の補正は不実施とされる。
第二の補正手法は、F/B積分値に所定の補正量を加算補正(または減算補正)するものである。補正量(所定量)は、空燃比の目標値を基準とした計測値のエラー率(空燃比エラー率)に基づいて設定される。本実施形態では、空燃比の目標値を計測値で除したものを算出し、これを1から減じることによってエラー率が算出される。また、エラー率に所定のゲインを乗じたものが補正量して設定され、これがF/B積分値に加算(または減算)される。
空燃比の目標値と比較して計測値がリーン寄りであれば、補正量が正の値となる。この場合、F/B積分値に補正量を加算することで、F/B積分値が正常範囲に近づくように補正される。反対に、空燃比の目標値と比較して計測値がリッチ寄りであれば、補正量が負の値となる。この場合、F/B積分値に補正量を加算(F/B積分値から補正量の絶対値を減算)することで、F/B積分値が正常範囲に近づくように補正される。つまりいずれの場合においても、F/B積分値が正常範囲に近づくように補正されることになる。
補正条件を以下に例示する。F/B積分値は、噴射モードの切り換えに際し、少なくとも条件1〜4のいずれかが成立する場合に補正され、好ましくは条件1〜4のすべてが成立する場合に補正される。
条件1.異なるA/F学習値を有する噴射モードへの切り換えがなされた
条件2.A/F学習値が正常範囲の上限値または下限値に達していた
条件3.F/B積分値の符号とA/F学習値の符号とが一致していた
条件4.F/B積分値が正常範囲外にあった
上記の条件1〜4に含まれるF/B積分値は、噴射モードが切り換えられる直前のF/B積分値であることが好ましい。一方、A/F学習値は、噴射モードが切り換えられた直後のA/F学習値であることが好ましい。
診断部4は、F/B積分値及びA/F学習値に基づき、燃料噴射システムに関する故障の発生を診断するものである。ここでは、A/F学習値が正常範囲の上限値または下限値に達しており、かつ、F/B積分値が正常範囲外にある状態が所定時間継続した場合に、燃料噴射システムに故障が発生したと診断される。この診断で用いられるF/B積分値は、補正部3で補正されている場合には補正後の値である。正常範囲とは、空燃比の目標値(目標空燃比)を含む範囲である。正常範囲は、例えば目標空燃比が14.7(ストイキ)であるときに「13.7〜15.7」のように設定される。言い換えれば、正常範囲は、目標空燃比を挟む二つの値(上限値,下限値)によって挟まれた範囲として設定される。また、診断部4による診断の結果は、故障コード(ダイアグコード)としてメモリに記録,保存されるとともに、車室内に設けられたメーターパネルに表示される。
[3.フローチャート]
図4は、燃料噴射システムの故障診断の手順を例示するフローチャートである。エンジン10の作動状態に基づいて噴射モードが選択,設定され(A1)、空燃比の目標値と計測値との差に基づいてF/B積分値が算出される(A2)。所定の学習条件が成立すると(A3)、F/B積分値に基づいて噴射モード毎にA/F学習値が更新,学習される(A4)。なお、学習条件が成立しなければ、それまでのA/F学習値の値が変更されずに維持される。
ステップA1で噴射モードが切り換えられていた場合(A5,条件1に相当)には、他の補正条件が成立するか否かが判定される。まず、A/F学習値が制限値(例えば、正常範囲の上限値または下限値)に到達するほど偏っているか否かが判定される(A6,条件2に相当)。次に、F/B積分値がA/F学習値と同じ方向に偏っているか否かが判定される(A7,条件3に相当)。また、F/B積分値が正常範囲外に偏って存在しているか否かが判定される(A8,条件4に相当)。これらの判定では、噴射モードが切り換えられる直前のF/B積分値と、噴射モードが切り換えられた直後のA/F学習値とが参照される。これらの条件が成立すると、第一の補正手法や第二の補正手法のいずれかが用いられ、あるいは併用されて、F/B積分値が補正される(A9)。
その後、燃料噴射システムの故障判定条件が成立するか否かが判断される(A10)。例えば、A/F学習値が制限値に達した状態で、F/B積分値が正常範囲外にある状態が所定時間継続したか否かが判定される。この故障判定条件が成立すると、診断部4において、燃料噴射システムに故障が発生したものと診断され(A11)、診断結果がメモリに記録,保存されるとともに、メーターパネルに表示される。
[4.作用,効果]
(1)噴射モードの切り換え前後におけるF/B積分値の変化を図5(A)に示し、エラー率の変化を図5(B)に示す。図5(A)中のKLはF/B積分値及びA/F学習値の正常範囲の下限値であり、KRは正常範囲の上限値である。噴射モードの切り換え前において、F/B積分値がKLよりも小さい負の値であっても、A/F学習値が正常範囲内にあれば故障との診断はなされない。しかし、噴射モードの切り換えによってA/F学習値の値が変更されてその値がKLに達している場合、図5(C)に示すように、故障確認タイマーによる計測が開始される。つまり、図5(A)中に破線で示すF/B積分値がKLよりも小さい状態が長く続けば、F/B積分値が正常範囲外にある状態が所定時間継続してしまい、故障との誤診断が発生しうる。
一方、本診断装置1では噴射モードの切り換えに際し、F/B積分値が補正される。これにより、図5(A)中に実線で示すF/B積分値が正常範囲外にある状態となる時間が、より短縮される。したがって、噴射モードの切り換え直後における故障の誤判定を効率的に抑制することができ、診断精度を改善することができる。また、噴射モードが切り換えられたときに、故障判定を禁止,保留するような判定手法と比較して、故障判定回数や判定の実施時間を増大させることができるため、診断精度を高めることができる。
(2)F/B積分値の補正に際し、第一の補正手法を採用した場合には、F/B積分値が正常範囲の制限値〔図5(A)中のKR,KL〕に補正される。これにより、F/B積分値を直ちに正常範囲内へと移動させることができ、故障の誤判定をより確実に抑制することができる。なお、実際に故障が発生している場合には、たとえF/B積分値を正常範囲の制限値に補正したとしても、その後にF/B積分値が正常範囲外へと移動するものと予想される。したがって、故障の判定条件が過度に緩和されることはない。このように、F/B積算値の正常範囲の上限値,下限値に基づく補正を実施することで、故障の誤判定を効率的に抑制することができ、診断精度を改善することができる。
(3)F/B積分値の補正に際し、第二の補正手法を採用した場合には、F/B積分値に所定の補正量が加算補正(あるいは減算補正)される。これにより、噴射モードが切り換えられた時点におけるF/B積分値を考慮した補正を実施することができる。例えば、F/B積分値の正常範囲からのずれが小さい場合には、ずれが大きい場合と比較してF/B積分値が正常範囲外にある時間を短縮することができる。したがって、故障の誤判定を効率的に抑制することができる。
(4)また、計測値のエラー率に基づいて補正量を設定することで、実際の空燃比におけるずれの度合いが反映された補正量を与えることができ、故障の誤判定を効率的に抑制することができる。また、ずれの度合いが比較的小さい場合には補正量も比較的小さくなるため、故障の判定条件が過度に緩和されることがなく、診断精度を改善することができる。
(5)本診断装置1では、異なるA/F学習値を有する噴射モードへの切り換えがなされたことを条件の一つとして、F/B積分値の補正を実施している。つまり、たとえ噴射モードが切り換えられたとしても、A/F学習値が変更されていなければ補正が実施されず、故障診断が実施される。これにより、故障診断が過度に保留,禁止されるような事態を回避することができ、診断精度を向上させることができる。
(6)本診断装置1では、F/B積分値の符号とA/F学習値の符号とが一致する場合(すなわち、空燃比の目標値を基準としたA/F学習値の偏り方向と、空燃比の目標値を基準としたF/B積分値の偏り方向とが一致する場合)に、F/B積分値の補正を実施している。これにより、誤診が生じない状態では切り換え直後から診断を実施することができ、診断精度を向上させることができる。
(7)なお、本診断装置1では、A/F学習値が正常範囲の上限値,下限値に達している場合に、F/B積分値の補正を実施している。このように、A/F学習値の制限値への張り付きを前提とした補正により、誤診が生じない状態(生じにくい状態)での補正に制限を加えることができ、診断精度を向上させることができる。
[5.変形例]
上記のF/B積分値の補正は、図2(A)〜(C)に示すように、多様な噴射モードの切り換えに際して適用可能であり、具体的な燃料噴射形態の種類は何ら限定されない。また、エンジン10の種類は任意であり、ガソリンエンジン,リーンバーンエンジン,ディーゼルエンジンに適用可能である。燃料噴射方式についても同様であり、筒内噴射のみを実施する燃料噴射システムを前提としてもよいし、ポート噴射のみを実施する燃料噴射システムを前提としてもよい。なお、実空燃比を検出するためのセンサは、少なくとも排気系に一つ以上設けられていればよい。
1 診断装置
2 算出部
3 補正部
4 診断部
5 筒内噴射弁
6 ポート噴射弁
7,8 空燃比センサ
9 スロットル弁
10 エンジン

Claims (6)

  1. 空燃比がフィードバック制御されるエンジンの燃料噴射システムに関する故障を診断する診断装置において、
    前記空燃比の目標値と計測値との差の積算値と、前記積算値の定常成分に相当する学習値とを算出する算出部と、
    前記燃料噴射システムによる燃料噴射形態の切り換えに際し、前記積算値を補正する補正部と、
    前記積算値及び前記学習値に基づき、前記故障の発生を診断する診断部と
    を備えたことを特徴とする、診断装置。
  2. 前記補正部が、前記積算値の正常範囲の上限値又は下限値に基づき、前記積算値を補正する
    ことを特徴とする、請求項1記載の診断装置。
  3. 前記補正部が、前記積算値の正常範囲の上限値を前記積算値が超えている場合に、前記積算値から所定量を減算補正し、前記積算値の正常範囲の下限値を前記積算値が下回る場合に、前記積算値に前記所定量を加算補正する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の診断装置。
  4. 前記所定量が、前記計測値のエラー率に基づいて設定される
    ことを特徴とする、請求項3記載の診断装置。
  5. 前記切り換えが、異なる前記学習値を有する前記燃料噴射形態への切り換えである
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の診断装置。
  6. 前記補正部が、前記目標値を基準とした前記学習値の偏り方向と前記目標値を基準とした前記積算値の偏り方向とが一致する場合に、前記積算値を補正する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の診断装置。
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