JP2019127647A - 鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法 - Google Patents

鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製鉄工程で発生した鉄鋼スラグから製鉄原料等として利用することができる鉄原料を効率的に製造する。【解決手段】製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して破砕する破砕工程(A)と、この破砕工程(A)で破砕された鉄鋼スラグを粗粒と細粒に篩分けする分級工程(B)と、この分級工程(B)で篩分けされた細粒スラグを磁力選別して磁着物(x)と非磁着物(y)に分別する磁力選別工程(C)と、この磁力選別工程(C)で分別された磁着物(x)を造粒処理する造粒工程(D)を有し、この造粒工程(D)では、造粒対象物に液体を噴霧しながら造粒処理を行い、且つ噴霧する液滴粒子径を10〜300μmとする。このようにして得られた造粒物は、金属鉄濃度が高く、所定の強度を有し、搬送性も良好であるため、製鉄原料等としての利用が可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、製鉄工程で発生した鉄鋼スラグから分離・回収されて、製鉄原料(例えば、高炉原料、製鋼原料)などとして利用される鉄原料の製造方法に関する。
製鉄所において、転炉や溶銑予備処理炉などの精錬炉から発生する製鋼スラグは、精錬プロセスによって脱炭スラグ、脱珪スラグ、脱硫スラグ、脱燐スラグなど様々な種類がある。通常、これらの製鋼スラグには20〜50質量%程度の金属鉄が含まれており、スラグをそのまま処分すると製鉄プロセスでの鉄歩留りが低下するため、スラグ分(Ca、Si、Alなど)と金属鉄に分離し、金属鉄を製銑や製鋼工程でリサイクルすることが行われており、従来、そのリサイクル方法に関して数多くの提案がなされている。
鉄鋼スラグから金属鉄を分離し、製鉄原料として利材化する方法として、例えば、特許文献1には、製鋼工程で発生するスラグから磁力選別により回収された細粒状の磁着物に、セメントなどの結合材と水を加えて混練し、この混練物を水和硬化させた後、破砕処理及び分級処理して塊状の高炉用原料とする方法が提案されている。
特開2012−72424号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、混練物を水和固化させるために3〜6日程度の日数を要するとともに、硬化体の破砕後さらに2〜5日程度の養生が必要であり、高炉用原料の製造に相当の日数が必要である。また、製造する際にはセメント添加、水添加、打設、混練など非常に多くの工程が必要となる。このため高炉用原料の製造方法として効率的なものとは言い難い。また、セメントを添加するため、高炉においてスラグ量が増加し、通気性等に悪影響を与えるおそれもある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、製鉄工程で発生した鉄鋼スラグから製鉄原料(例えば、高炉原料、製鋼原料)などとして利用することができる鉄原料を効率的に製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、鉄鋼スラグから鉄原料を分離・回収して製鉄原料(例えば、高炉原料、製鋼原料)などとして利用するのに適した状態に効率的に処理することができる新たな製造方法を見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して破砕する破砕工程(A)と、
該破砕工程(A)で破砕された鉄鋼スラグを粗粒と細粒に篩分けする分級工程(B)と、
該分級工程(B)で篩分けされた細粒スラグを磁力選別して磁着物(x)と非磁着物(y)に分別する磁力選別工程(C)と、
該磁力選別工程(C)で分別された磁着物(x)を造粒処理する造粒工程(D)を有し、
該造粒工程(D)では、造粒対象物に液体を噴霧しながら造粒処理を行い、且つ噴霧する液滴粒子径を10〜300μmとすることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[2]製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して粗粒と細粒に篩分けする分級工程(B)と、
該分級工程(B)で篩分けされた細粒スラグを磁力選別して磁着物(x)と非磁着物(y)に分別する磁力選別工程(C)と、
該磁力選別工程(C)で分別された磁着物(x)を造粒処理する造粒工程(D)を有し、
該造粒工程(D)では、造粒対象物に液体を噴霧しながら造粒処理を行い、且つ噴霧する液滴粒子径を10〜300μmとすることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[3]上記[1]又は[2]の製造方法において、造粒工程(D)では、造粒機に磁着物(x)とともに、該磁着物(x)よりも金属鉄濃度が高く且つ粒度が大きい粗粒材(z)を供給して造粒処理を行い、磁着物(x)と粗粒材(z)を含む造粒物を得ることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[4]上記[3]の製造方法において、造粒工程(D)に供給される磁着物(x)の粒径が1mm未満であり、粗粒材(z)の粒径が1〜5mmであることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[5]上記[3]又は[4]の製造方法において、造粒工程(D)では、造粒機に磁着物(x)と粗粒材(z)を別々の供給経路から供給することを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[6]上記[3]〜[5]のいずれかの製造方法において、造粒工程(D)に供給される磁着物(x)と粗粒材(z)の合計量に対する粗粒材(z)の割合が50質量%以下であることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[7]上記[3]〜[6]のいずれかの製造方法において、所定量の鉄鋼スラグをバッチ式で処理する際に、分級工程(B)で篩分けされた粗粒スラグを破砕工程(A)で再破砕した後、分級工程(B)で再分級し、該再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を粗粒材(z)として回収し、該粗粒材(z)を造粒工程(D)に供給することを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの製造方法において、磁力選別工程(C)で磁力選別される鉄鋼スラグは、水分含有量が30質量%以下であることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの製造方法において、磁力選別工程(C)では、ベルトコンベアを構成する1つのプーリ(6)が磁場印加手段を内蔵するプーリ式磁力選別機であって、前記磁場印加手段がプーリ本体に対して独立して回転駆動する磁石ロール(7)からなり、該磁石ロール(7)は、その外周に沿って所定の間隔をおいて配置される複数の磁極(8)を備えるとともに、ロール周方向で隣接する磁極(8)が異なる極性を有する磁力選別機を用いて鉄鋼スラグを磁力選別することを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[10]上記[9]の製造方法において、下記(1)式で定義される磁石ロール(7)の磁場変化周波数F(Hz)が10〜500Hzであることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
F=(x・P)/60 …(1)
ここで x:磁石ロール(7)の回転数(rpm)
P:磁石ロール(7)が周方向で備える磁極数(但し、N極・S極のペアで1磁極とする)
[11]上記[1]〜[10]のいずれかの製造方法において、鉄鋼スラグが製鋼スラグであることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
[12]上記[1]〜[11]のいずれかの製造方法により得られた造粒物を製鉄原料として用いることを特徴とする鉄鋼スラグの利材化方法。
本発明によれば、製鉄工程で発生した鉄鋼スラグから製鉄原料(例えば、高炉原料、製鋼原料)などとして利用することができる鉄原料、すなわち、金属鉄濃度が高く且つ搬送性が良好な鉄原料(造粒物)を効率的に製造することができる。
本発明の一実施形態の処理フローを示す説明図 本発明の磁力選別工程で用いるプーリ式磁力選別機の一実施形態とその使用状況を示す説明図 本発明の磁力選別工程で用いるプーリ式磁力選別機の他の実施形態とその使用状況を示す説明図 本発明の磁力選別工程で磁力選別される鉄鋼スラグの水分含有量と磁力選別工程で選別された非磁着物の金属鉄含有量(M.Fe濃度)との関係を示すグラフ 本発明の造粒工程で使用される造粒装置(パンペレタイザー)の一実施形態と、この造粒装置による造粒処理の実施状況を示す説明図 本発明の造粒工程において、造粒対象物に噴霧される液体の液滴粒子径と造粒物粒径との関係を示すグラフ 本発明の造粒工程において、造粒対象物に噴霧される液体の液滴粒子径と造粒物強度との関係を示すグラフ 本発明の造粒工程において、造粒対象物に噴霧される液体の液滴粒子径と造粒物歩留まりとの関係を示すグラフ 本発明の一実施形態の処理フローと各工程での産物重量を示す説明図
本発明の一実施形態では、製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して破砕する破砕工程(A)と、この破砕工程(A)で破砕された鉄鋼スラグを粗粒と細粒に篩分けする分級工程(B)と、この分級工程(B)で篩分けされた細粒スラグを磁力選別して磁着物xと非磁着物yに分別する磁力選別工程(C)と、この磁力選別工程(C)で分別された磁着物xを造粒処理する造粒工程(D)を有する。また、本発明の他の実施形態では、製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して粗粒と細粒に篩分けする分級工程(B)と、この分級工程(B)で篩分けされた細粒スラグを磁力選別して磁着物xと非磁着物yに分別する磁力選別工程(C)と、この磁力選別工程(C)で分別された磁着物xを造粒処理する造粒工程(D)を有する。
図1は、本発明の一実施形態の処理フローを示しており、以下、この実施形態を例に本発明の詳細を説明する。この実施形態は、製鋼スラグを処理対象としたものである。
破砕工程(A)では、精錬工程(製鋼工程)で発生した製鋼スラグ(スラグ塊)を所定の粒径に破砕処理する。破砕粒径は製鋼スラグの種類によっても異なるが、含まれている金属(主に金属鉄であるので、以下「金属鉄」という)の単体分離が十分に促進される粒径が好ましい。破砕粒径は、通常1〜100mm程度であるが、破砕後の処理工程でより高精度な分離を行うためには1〜5mm程度とすることが好ましい。破砕機は、ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、ハンマークラッシャー、インパクトクラッシャー、ロールクラッシャーなどを用いることができ、また、ボールミル、ロッドミル等の粉砕機を用いてもよい。
なお、上述した本発明の他の実施形態では、製鉄工程で発生して回収された鉄鋼スラグは、破砕工程を経ることなく、分級工程(B)で下記のように篩分けされる。
分級工程(B)では、破砕工程(A)で破砕された製鋼スラグを粗粒と細粒に篩分けし、次工程で磁力選別を行う細粒スラグの選別を行う。使用される篩目はスラグの種類にもよるが、本発明者らの調査によれば1〜10mm程度が好ましく、1〜5mm程度がより好ましく、1〜2mm程度が特に好ましいことが分かった。篩目が1mm未満では、篩目が小さいため材料の目詰まりの発生が顕著となり、操業安定性が阻害されやすい。一方、10mmを超えると、後工程である磁力選別工程(C)において供給側の層厚を大きく設定する必要が生じるが、磁力選別において供給側の層厚を大きくすると、磁石との距離が離れてしまうため、非磁着物への金属鉄の混入量が増加しやすくなる。
この分級工程(B)の篩上の製鋼スラグについては、再度破砕工程(A)で処理を施し、分級処理を実施することが望ましい。破砕、分級工程を複数回実施する(繰り返し実施する)ことにより、スラグ中に含有されている金属鉄の単体分離をより精度良く行うことができる。また、この場合、特に1mm未満の細粒と1〜5mmの粗粒(粒鉄を主体とする粗粒)をそれぞれ回収するために分級点近傍の篩目を用いて破砕、分級工程を複数回実施することが望ましい。
分級装置としては、振動篩、回転式円筒篩、篩面が波状に振動する波動式スクリーン、ジャンピングスクリーンなどを用いることができる。
磁力選別工程(C)では、分級工程(B)の篩下の細粒スラグを磁力選別し、金属鉄を主体とする磁着物xとスラグ分を主体とする非磁着物yに分別する。磁力選別手段の磁力強度は、スラグの種類にもよるが、本発明者らの調査によれば、1000〜3000ガウス程度が好ましく、1500〜2500ガウス程度がより好ましいことが分かった。磁力強度が1000ガウス未満では、非磁着物への金属鉄の混入量が増加し、磁着物側の回収歩留りが低下するとともに、非磁着物側の金属鉄濃度が増加してしまうため、非磁着物をリサイクル原料として利用する上で不利な条件となる。一方、磁力強度が3000ガウスを超えると、磁着物側への非磁着物の混入が顕著となり、磁着物側の金属鉄濃度が低下し、磁着物をリサイクル原料として利用する上で不利な条件となる。
磁力選別機としては、プーリ式(ドラム式)、ベルト吊り下げ式などを用いることができるが、ベルト吊り下げ式は、金属鉄間にスラグを巻き込みやすく、金属鉄の取りこぼしが多くなり、歩留りの低下を生じやすいので、金属鉄の取りこぼしを防ぐためにはプーリ式(ドラム式)の方が好ましい。
また、磁力選別機のなかでも、以下のような構造を有するプーリ式磁力選別機が特に好ましい。このプーリ式磁力選別機は、ベルトコンベアを構成するプーリの1つが磁場印加手段を内蔵した磁力選別機(当該プーリは「回転ドラム」と呼ばれることもある)であって、前記磁場印加手段がプーリ本体に対して独立して回転駆動する磁石ロールからなり、この磁石ロールは、その外周に沿って所定の間隔をおいて配置される複数の磁極を備えるとともに、ロール周方向で隣接する磁極が異なる極性を有するようにした磁力選別機である。
図2は、そのようなプーリ式磁力選別機の一実施形態とその使用状況を示す説明図である。図において、16はプーリ式の磁力選別機、21は磁力選別される鉄鋼スラグ(以下、単に「スラグa」という)を磁力選別機16に搬送するための搬送コンベア(ベルトコンベア)であり、磁力選別機16は、搬送コンベア21の上方に位置し、搬送コンベア21で搬送されてきたスラグaから磁力により磁着物粒子を上方に吸引して分離する。
磁力選別機16において、6は磁場印加手段を内蔵したコンベア始端部17側のプーリ(ベルトガイドロール)、9はコンベア終端部18側のプーリ(ベルトガイドロール)、11はコンベアベルトであり、このコンベアベルト11がプーリ6、9間に張設されることで、ベルトコンベアが構成される。なお、本実施形態では、プーリ6はプーリ9よりも大径に構成され、プーリ9の回転軸がプーリ6の回転軸よりも上方に位置することにより、コンベアベルト11の上面(プーリ6、9間の上部ベルト部分)はほぼ水平状となっている。
搬送コンベア21において、22はコンベアベルト、23はコンベア始端部19側のプーリ(ベルトガイドロール)、24はコンベア終端部20側のプーリ(ベルトガイドロール)であり、コンベアベルト22がプーリ23、24間に張設されることで、ベルトコンベアが構成される。また、搬送コンベア21の上方であって、コンベア始端部19寄りの位置には、コンベアベルト22上にスラグaを供給する供給装置25が配置されている。
搬送コンベア21と磁力選別機16は、コンベアベルト22、11の移動方向が逆向きであり、搬送コンベア21のコンベア終端部20の上方(真上)に磁力選別機16のコンベア始端部17が近接して位置している。
磁力選別機16は、プーリ6、プーリ9のいずれが駆動ロールであってもよいが、通常、プーリ9が駆動ロール、プーリ6(プーリ本体12)が非駆動ロールとなる。プーリ6のプーリ本体12は、内部が中空のスリーブ体で構成され、回転可能に支持されている。
プーリ6のプーリ本体12の内側には、磁場印加手段である磁石ロール7が配置されている。この磁石ロール7は、その外周に沿って所定の間隔をおいて配置される複数の磁極8(永久磁石)を備えるとともに、ロール周方向で隣接する磁極8は異なる極性(N極,S極)を有している。すなわち、ロール周方向で極性(N極,S極)が異なる磁極8が所定の間隔をおいて交互に配置されている。
磁石ロール7は、プーリ本体12に対して独立して回転駆動し、且つプーリ本体12よりも高速で回転する。磁石ロール7の回転方向は、(i)コンベアベルト11の進行方向(プーリ本体12の回転方向)と逆方向、(ii)コンベアベルト11の進行方向(プーリ本体12の回転方向)と同一方向、のいずれでもよい。磁着物粒子には、回転する磁石ロール7の磁場の作用で磁石ロール7の回転方向と逆方向へ動かそうとする運搬力が働くので、上記(i)の場合には、磁場による磁着物粒子の運搬力とコンベヤベルト11の摩擦力(送り力)が同一方向となる。一方、上記(ii)の場合には、磁場による磁着物粒子の運搬力とコンベヤベルト11の摩擦力(送り力)が逆方向となる。ただし、この場合には、コンベアベルト11の摩擦力の方が勝つので、合力としては磁着物粒子はコンベヤベルト11の進行方向へ運搬されていく。以上の(i)と(ii)を較べると、(ii)の場合は、磁場による磁着物粒子の運搬力とコンベヤベルト11の摩擦力(送り力)が逆方向となるので、磁着物粒子がコンベアベルト11上に滞留することがあるが、スラグa中での磁着物粒子の撹拌性は良好である。一方(i)の場合は、スラグa中での磁着物粒子の撹拌性は(ii)の場合よりも小さいが、磁着物粒子がコンベアベルト11上に滞留することはなく、粒子をスムーズに運搬できる利点がある。
この磁力選別機16は、所定の間隔で配置される複数の磁極8と、隣接する磁極8間の間隙部により、磁石ロール7の回転時に磁場がN→ゼロ→S→ゼロ→N→・・・と瞬時に切り替わり、スラグ層中の磁着物粒子に対して吸引→解放→吸引→解放→・・・の作用が繰り返される点に特徴がある。したがって、ロール周方向で隣接する磁極8間の間隙部の広さに特別な制限はないが、スラグ層中の磁着物粒子が磁場から解放されるような磁場:ゼロの状態が適切に生じ、一方において、磁場がゼロの状態があまり長く続きすぎないようにするため、通常、1〜50mm程度が適当である。
なお、回転する磁石ロール周辺の部材は、変化する磁場による渦電流効果の影響を受け、金属部材は非磁性物であっても渦電流によって過熱していく。このため、通常、磁力選別機16のコンベアベルト11とプーリ6のプーリ本体12は、樹脂、セラミックなどの非金属で構成される。
この磁力選別機16は、搬送コンベア21で搬送されてきたスラグa(スラグ層ax)に、コンベア始端部17側のプーリ6に内蔵された磁石ロール7の磁場を作用させ、スラグa中の磁着物粒子を吸引して磁力選別機16の下面側に移行させ、磁着物粒子を分離するものである。したがって、搬送コンベア21のコンベア終端部20と磁力選別機16のコンベア始端部17との間隔は、磁石ロール7の磁力がスラグa中の磁着物粒子に十分作用する大きさであればよいが、一般には、搬送コンベア21のコンベアベルト22で搬送されるスラグ層axの上面が磁力選別機16のコンベア始端部17と接触する(すなわち、スラグ層axが搬送コンベア21のコンベア終端部20と磁力選別機16のコンベア始端部17の間に噛み込まれる)ような大きさとすることが好ましい。
また、磁力選別機16側に吸引保持された磁着物粒子は、コンベアベルト11で搬送された後、コンベア終端部18から払い出されるので、そのコンベア終端部18の下方には、磁着物回収部26が設けられている。また、非磁着物粒子は、磁力選別機16のコンベア始端部17の下方に落下するので、その位置に非磁着物回収部27が設けられている。
以上のような磁力選別機16によるスラグaの磁力選別では、供給装置25からスラグaが搬送コンベア21のコンベアベルト22上に適度な層厚(粒子が多層状に積層した層厚)で供給され、このスラグa(スラグ層a)はコンベア終端部20まで搬送され、払い出される。コンベアベルト22で搬送されるスラグ層axは、コンベア終端部20付近でその上面が磁力選別機16のコンベア始端部17の下面に接触し(すなわち、スラグ層axが搬送コンベア21のコンベア終端部20と磁力選別機16のコンベア始端部17の間に噛み込まれる)、コンベアベルト22上のスラグ層aがコンベア終端部20から払い出される際に、磁力選別機16の磁石ロール7の磁場が及ぼされる。
これにより、磁石ロール7の磁力によってスラグ層ax内の磁着物粒子が吸引され、この磁着物粒子が非磁着物粒子を抱き込むような形でスラグ層ax(又はその一部)が磁力選別機16の下面側に付着して(保持されて)コンベアベルト11で運ばれる。スラグ層ax中の磁着物粒子は、磁石ロール7が備える磁極8の磁力の作用を受けるが、磁石ロール7の回転により、磁場がN→ゼロ→S→ゼロ→N→・・・と瞬時に切り替わって行くため(磁場の強度及び極性が高速で変化する)、スラグ層ax中の磁着物粒子に対しても吸引→解放→吸引→解放→・・・の作用が繰り返される。
マクロな視野で観察すると、スラグ層axが磁場によって強力に撹拌されているように見え、各粒子の動きをミクロに観察すると、磁極8の切替りとともに磁着物粒子が転動しながら非磁着物粒子(スラグ層ax)の中に潜り込んでいく。何度も吸引・解放が繰り返されていくうちに、スラグ層axの遠い側(上層側)に存在していた磁着物粒子が次第に磁石ロール7側へ移動していき、磁着物粒子に抱き込まれやすい非磁着物粒子は磁石ロール7から遠い側へと排除されていく。
つまり、スラグ層axに作用する磁場の強度及び極を高速に変化させることで、磁着物粒子の吸引と解放が極めて短時間繰り返される現象を発生させ、磁着物粒子による非磁着物粒子の挟み込み・抱き込み現象を解消しつつ、磁着物粒子を磁力選別することができる。
磁力選別機16のコンベア始端部17において、スラグ層axはコンベアベルト11の移動に伴ってプーリ6の円弧に沿って送られるが、プーリ6の円弧の下端からみて1/4回転の領域までに、非磁着物粒子は重力に引かれて自由落下する。一方、磁着物粒子は上記のように吸引・解放が繰り返されるが、この動作が極めて高速に行われるため、少々コンベアベルト11から落下方向に外れてもすぐに吸引される。こうして磁着物粒子はコンベアベルト11の進行方向に送られ、1/2回転以上して磁場エリアから外れ、最終的にコンベア終端部18から払い出される。そして、コンベア始端部17で下方に落下した非磁着物粒子が非磁着物回収部27に回収され、コンベア終端部18から払い出された磁着物粒子は磁着物回収部26に回収される。このように磁着物粒子の払い出しエリアと非磁着物粒子の落下エリアが全く異なっているため、回収物が混ざり合うことはない。
図3は、プーリ式磁力選別機の他の実施形態とその使用状況を示す説明図である。この実施形態の磁力選別機16は、コンベア終端部18側のプーリ6が磁場印加手段である磁石ロール7を内蔵し、コンベアベルト14上に供給されたスラグaがコンベア終端部18から払い出される際に、磁石ロール7の磁力により磁着物粒子を吸引して非磁着物粒子から分離するようにしたものである。
すなわち、磁力選別機16において、6は磁場印加手段を内蔵したコンベア終端部18側のプーリ(ベルトガイドロール)、13はコンベア始端部17側のプーリ(ベルトガイドロール)、14はコンベアベルトであり、このコンベアベルト14がプーリ6、13間に張設されることで、ベルトコンベアが構成される。
また、コンベアベルト14の上方であって、コンベア始端部17寄りの位置には、コンベアベルト14上にスラグaを供給する供給装置25が配置されている。
磁力選別機16は、プーリ6、プーリ13のいずれが駆動ロールであってもよいが、通常、プーリ13が駆動ロール、プーリ6(プーリ本体12)が非駆動ロールとなる。プーリ6のプーリ本体12は、内部が中空のスリーブ体で構成され、回転可能に支持されている。
磁石ロール7を備えたプーリ6の構造・機能、プーリ6のプーリ本体12やコンベアベルト14の材質などは、図2の実施形態と同様である。なお、本実施形態の磁力選別機16では、プーリ6に内蔵された磁石ロール7は、コンベアベルト14の進行方向(プーリ本体12の回転方向)とは逆方向に回転する。
プーリ6の下方(直下)には、コンベアベルト幅方向に沿った仕切板15が配置されるとともに、この仕切板15の上端部とコンベアベルト14(プーリ6で移動方向が反転したコンベアベルト部分)との間に、被選別物の一部(磁着物粒子)を通過させるための隙間Sを設けている。このような形態で仕切板15を設けるのは、非磁着物粒子の落下エリアと磁着物粒子の落下エリアが隣接するため、両粒子が落下中に混じり合わないようにするためである。
また、コンベアベルト移動方向において仕切板15を挟んだ位置に磁着物回収部26と非磁着物回収部27が設けられる。すなわち、仕切板15を挟んでコンベア始端部17側の位置(磁着物粒子の落下エリア)に磁着物回収部26が、コンベア終端部18側の位置(非磁着物粒子の落下エリア)に非磁着物回収部27が、それぞれ設けられている。
以上のような磁力選別機16によるスラグaの磁力選別では、供給装置25からスラグaがコンベアベルト14上に適度な層厚(粒子が多層状に積層した層厚)で供給され、このスラグa(スラグ層a)はコンベア終端部18(プーリ6の位置)まで搬送される。そして、コンベアベルト14上のスラグ層aがコンベア終端部18から払い出される際に、スラグ層ax内の磁着物粒子は、磁石ロール7が備える磁極8の磁力の作用を受けるが、図2の実施形態と同様、磁石ロール8の回転により磁場の強度及び極が高速に変化することで、磁着物粒子の吸引と解放が極めて短時間繰り返され、これにより磁着物粒子による磁着物粒子の挟み込み・抱き込み現象が解消される。
ここで、磁着物粒子には、回転する磁石ロール7の磁場の作用で磁石ロール7の回転方向と逆方向へ動かそうとする運搬力が働き、この運搬力により磁着物粒子は一方向に転動するが、磁石ロール7の回転方向がコンベアベルト14の進行方向(プーリ本体12の回転方向)と逆方向であるため、磁着物粒子はコンベアベルト14の進行方向に転動する。そして、このように磁着物粒子の転動する方向がコンベアベルト14の進行方向と同じであることにより、スラグ層ax中で磁着物粒子をスムーズに磁石ロール7側へと移行させ、取りこぼしすることなく回収することができる。これに対して、磁石ロール7の回転方向がコンベアベルト14の進行方向(プーリ本体12の回転方向)と同一方向である場合には、磁着物粒子はコンベアベルト14の反進行方向に転動するため、磁着物粒子がスラグ層ax中をスムーズに磁石ロール7側へと移行できず、滞留してしまい、適切な回収ができなくなる。
コンベア終端部18において、スラグ層axはコンベアベルト14の移動に伴ってプーリ6の円弧に沿って送られるが、1/4回転〜1/2回転の領域で非磁着物粒子は重力に引かれて自由落下する。一方、磁着物粒子は上記のように吸引・解放が繰り返されるが、この動作が極めて高速に行われるため、少々コンベアベルト14から落下方向に外れてもすぐに吸引される。こうして磁着物粒子はコンベアベルト14の進行方向に送られ、1/2回転以上して磁場エリアから外れると自由落下する。そして、さきに落下した非磁着物粒子が非磁着物回収部27に回収され、その後に落下した磁着物粒子が磁着物回収部26に回収される。この際、仕切板15により非磁着物粒子と磁着物粒子とが混じり合うことが防止される。なお、コンベアベルト14の送り速度やスラグaの落下挙動に応じて、仕切板15の位置を調整するとよい。
図2や図3に示されるような、プーリ6が磁石ロール7を内蔵したプーリ式磁力選別機16では、磁石ロール7によりできるだけ高速な磁場変化(磁場の強度及び極性の高速変化)が生じることが好ましい。具体的には、下記(1)式で定義される磁石ロール7の磁場変化周波数F(Hz)が10〜500Hzであることが好ましく、50〜500Hzであることがより好ましく、150〜500Hzであることが特に好ましい。
F=(x・P)/60 …(1)
ここで x:磁石ロール7の回転数(rpm)
P:磁石ロール7が周方向で備える磁極数(但し、N極・S極のペアで1磁極とする)
磁場変化周波数Fが10Hz未満では、スラグaに作用する磁場の強度及び極の高速変化を十分に生じさせることができない。一方、磁石ロール7の回転数には機械的な上限があり、また磁場変化周波数Fを大きくしても磁場変化の効果が飽和してしまうため500Hz程度が事実上の上限となる。
例えば、周方向で12極(N極・S極のペアで1磁極と数える)の磁石(例えば、ネオジウム磁石)を配設した場合には、磁石ロール7の回転速度を1000rpmとすると、磁場変化周波数Fは200Hzとなる。また、周方向で24極(N極・S極のペアで1磁極と数える)の磁石を配置して、同じように磁場変化周波数Fを200Hzとする場合、磁石ロール7の回転速度は500rpmでよい。
磁力選別工程(C)で磁力選別される鉄鋼スラグの水分含有量が高すぎると、スラグ粒子の磁力選別部への付着やスラグ粒子どうしの凝集などにより、適切な磁力選別ができなくなる。このため本発明では、磁力選別工程(C)で磁力選別される鉄鋼スラグは、水分含有量を30質量%以下とすることが好ましい。
図2に示すような磁力選別機を用い、水分含有量が異なる鉄鋼スラグ(製鋼スラグ)について磁力選別を行い、選別された非磁着物yの金属鉄含有量を調べた。この試験では、磁力強度を1500ガウスとし、磁場変化周波数Fが200Hzとなるように磁石ロール7の回転数を設定した。
図4に、磁力選別される鉄鋼スラグの水分含有量と選別された非磁着物yの金属鉄含有量(M.Fe濃度)との関係を示す。これによれば、鉄鋼スラグの水分含有量が30質量%以下であれば、非磁着物yの金属鉄含有量を3.5質量%以下にでき、磁着物xと非磁着物yの高い選別性が得られることが判った。鉄鋼スラグの水分含有量が30質量%超では、スラグ粒子の磁力選別部への付着やスラグ粒子どうしの凝集などが顕著となり、分離後の非磁着物中の金属鉄含有量が高くなるものと考えられる。
ここで、磁力選別工程(C)で磁力選別される鉄鋼スラグの水分含有量を調整する方法に特別な制限はないが、例えば、水冷処理したスラグを一定期間自然乾燥させる、水冷処理の際に冷却水の供給量を調整する、などの方法が挙げられる。
造粒工程(D)では、磁力選別工程(C)で分別された磁着物xを造粒処理し、造粒物とする。磁着物xは粒径1mm未満の微粉の割合が比較的多く、そのままでは粉の飛散など周囲環境への影響が大きく、搬送性が低い状態にある。一方で、粒径が1mm未満の磁着物xは金属鉄を55質量%程度含有しており、搬送性を確保することで製鉄原料としてのリサイクルが可能となる。そこで、本発明では、造粒工程(D)において磁着物xを造粒することで搬送性を向上させる。
造粒工程(D)では、造粒機において造粒対象物に液体を噴霧しながら造粒処理を行う。このように造粒対象物に液体を噴霧しながら造粒処理を行うことで、造粒対象物の粒子どうしが液架橋状態を形成し、所望の造粒物が形成できる。
使用する造粒機としては、造粒処理中に液体を噴霧できるものであれば特に制限はなく、例えば、パンペレタイザー、羽根撹拌型造粒機、ドラム回転型造粒機などを用いることができる。なお、圧縮成型による造粒は、液体を噴霧しながら造粒処理を行うものではないため、本発明で行なわれる造粒処理には含まれない。
図5は、この造粒工程(D)で使用されるパンペレタイザー(造粒装置)の一実施形態と、このパンペレタイザーによる造粒処理の実施状況を示す説明図である。図において、1がパンペレタイザー、2がスプレーノズル、3、4が搬送手段(搬送コンベア)であり、パンペレタイザー1には、搬送手段3により磁着物xが連続的に供給され、この磁着物xにスプレーノズル2から水などの液体を噴霧しながら造粒処理が行われる。また、図5の実施形態では、粒鉄を主体とする粗粒材z(磁着物xよりも金属鉄濃度が高く且つ粒度が大きい材料)も、搬送手段4によりパンペレタイザー1に連続的に供給されて、磁着物xと混合した状態で造粒処理され、磁着物xと粗粒材zを含む造粒物が得られる。なお、磁着物xに粗粒材zを混合して造粒処理する理由及び詳細については後に詳述する。
磁着物xと粗粒材z(以下、両者を合わせて「造粒対象物」という場合がある。)は、ペレタイザーの回転運動によりペレタイザー内部で転動することで造粒がなされるが、その際にスプレーノズル2から水などの液体が噴霧されることで、造粒対象物の粒子どうしが液架橋状態を形成し、上記転動により球状の造粒物が形成される。
ここで、造粒装置の種類に拘わりなく、造粒対象物に噴霧された液滴による架橋作用は、細粒同士ならびに細粒の粗粒表面への堆積成長に対して特に有効であるため、細粒である磁着物xの造粒機への供給速度に応じて液滴を噴霧することが有効である。そのため、磁着物xと粗粒材zは個別のタイミングで造粒機内に供給できるようにすることが好ましく、さらには、磁着物xの供給速度に応じて液滴の噴霧速度(噴霧量)が調整可能であることが好ましい。このため磁着物xと粗粒材zは、図5の実施形態のように別々の供給経路(搬送手段3、4)から造粒機内に供給されるようにすることが好ましく、また、スプレーノズル2は液滴の噴霧速度(噴霧量)が調整可能であるものが好ましい。また、特に図5の実施形態のようにパンペレタイザーを用いた造粒処理の場合、粒度の粗い粒子が造粒物の核となり、核の周辺に細粒が付着することにより造粒物が形成されるので、磁着物xと粗粒材zを別々の供給経路から供給することで、造粒物の生成がより効率的になるため好ましい。
パンペレタイザー1への造粒対象物の供給と、パンペレタイザー1での造粒処理は連続的に行われ、造粒物がある程度の粒径になるとパンペレタイザー1からあふれて外部へ排出される。
上記のようにパンペレタイザー1において造粒対象物に液体を噴霧しながら造粒処理を行う方法において、噴霧される液体の液滴粒子径の適正範囲について調査を行った。この試験では、図5に示すような装置構成において、粒径が1mm未満の磁着物xと粒径が1〜5mmの粗粒材z(磁着物xと粗粒材zの合計量に対する粗粒材zの割合は30質量%)をパンペレタイザー1に供給するとともに、スプレーノズル2から造粒対象物に水を噴霧して造粒処理を行った。
この試験では、スプレーノズル2から噴射される水の圧力と流量の調整および使用するノズルの直径を変更することによりスプレーノズル2から噴霧される水の液滴粒子径を変更し、液滴粒子径が造粒物の平均粒径、強度、歩留りに与える影響を調べた。スプレーノズル2から噴霧される水の液滴粒子径は予め噴霧試験を実施し、レーザードップラー法により粒子径を測定した。すなわち、レーザードップラー法により液滴粒子の粒度分布を測定し、この粒度分布に基づいて求められる算術平均径を液滴粒子径とした。
造粒物の平均粒径については、造粒処理で得られた造粒物から無作為に15個のサンプルを採取し、ノギスを用いてそれぞれのサンプルの長径側の粒径を測定し、全サンプルの平均値を造粒物の平均粒径とした。また、造粒物の強度については、造粒処理で得られた造粒物を1日自然乾燥させた後に、無作為に15個のサンプルを採取し、JIS Z8841に記載されている造粒物−強度試験方法に準拠して強度を測定し、それらの強度測定値の平均値を造粒物の強度とした。また、造粒物の歩留りについては、造粒処理で得られた造粒物について5mm目開きの篩で篩処理を施し、篩上の質量比率から算出した。
図6に、造粒対象物に噴霧した水の液滴粒子径と造粒物粒径(平均粒径)との関係を、図7に、造粒対象物に噴霧した水の液滴粒子径と造粒物強度との関係を、図8に、造粒対象物に噴霧した水の液滴粒子径と造粒物歩留まりとの関係を、それぞれ示す。
図6〜図8によれば、液滴粒子径が10〜300μmにおいて、造粒物の粒径が10〜20mm程度、強度が80N以上、歩留りが90%以上と安定した造粒物が得られている。液滴粒子径が10μm未満、300μm超のいずれの場合も歩留りは90%未満となり、造粒物の強度も低下している。ここで、液滴粒子径が10μm未満の場合に造粒物の歩留りと強度が低下する理由は、造粒対象物を構成する細粒同士の間隙や粗粒と粗粒表面に接する細粒との間の間隙に対して液滴粒子径が小さく、液滴がその間隙に十分に侵入しないために、表面張力で粒子間に引力を発生させる効果が十分に得られないためであると考えられる。一方、液滴粒子径が300μm超の場合に造粒物の歩留りと強度が低下する理由は、1滴の液量が上記のような粒子間の間隙に対して過剰であり、液が粒子間の間隙からはみ出して液の自由面の面積が広くなるために、表面張力で粒子間に引力を発生せさせる効果が十分に得られないためであると考えられる。
以上の結果から、造粒処理時に造粒対象物に噴霧する液体の液滴粒子径は10〜300μmとすることが適当である。
ここで、本発明において造粒対象物に噴霧する液体の液滴粒子径とは、レーザードップラー法により液滴粒子の粒度分布を測定し、この粒度分布に基づいて求められる算術平均粒子径とする。
液体の噴霧量は、造粒対象物の水分条件に応じて調整することが好ましいが、通常、造粒後の造粒物水分量(但し、噴霧する液体が水以外である場合の液体量を含む。以下同様。)が10〜35質量%になるように噴霧することが好ましい。造粒物水分量が35質量%を超えると、液状化してしまい造粒物形状を確保するのが困難になるおそれがある。一方、造粒物水分量が10質量%未満では、造粒性が低下して適正な造粒物が形成されない恐れがある。造粒物水分量は、例えば、代表サンプルを採取し、加熱乾燥による質量変化から水分量を測定する方法で確認することができる。
液体の噴霧に用いるスプレーノズルとしては、例えば、液体のみを供給する1流体方式、液体と気体を供給する気液混合方式などが挙げられるが、いずれを用いてもよく、特に限定しない。
噴霧する液滴粒子径は、スプレーノズルの出口直径、液体の噴射圧力、噴射流量、さらに気液混合方式の場合には気体の噴射圧力、噴射流量などにより調整することができる。
造粒対象物に噴霧する液体としては、一般に水を用いれば十分な効果が得られるが、水に限定されるものではない。例えば、造粒対象物に撥水性の物質が含まれる場合には、表面張力よりも浸透性を優先して界面活性剤を含有する液体(水溶液など)を用いてもよく、また、造粒物を水分の残留を嫌う用途に用いる場合には、蒸気圧の高い有機液体を用いてもよい。
また、造粒物の平均粒径は10〜20mmとすることが好ましい。平均粒径が5mm未満では、粒子径が細かいため造粒後の搬送中に割れや粒子どうしの衝突による摩耗等が発生した場合、造粒物から欠落した粒子が微粉化してしまい、搬送性が悪化する。一方、平均粒径が20mmを超えると、造粒物の強度を十分に確保できず、搬送中に割れが発生しやすくなって微粉化し、この場合も搬送性が悪化する。ここで、造粒物の平均粒径については、造粒処理で得られた造粒物から無作為に15個のサンプルを採取し、ノギスを用いてそれぞれのサンプルの長径側の粒径を測定し、全サンプルの平均値を造粒物の平均粒径とする。
なお、造粒処理時に粉体どうしの密着性を高めるために澱粉等のバインダーを添加することが一般に行われているが、本発明ではバインダーは添加しなくてもよく(すなわちバインダーの添加は任意である)、バインダーの使用については特に規定はしない。
上述したように磁力選別工程(C)で分別された粒径が1mm未満の磁着物xは金属鉄を55質量%程度含有しており、この磁着物xのみを造粒処理した場合には、その程度のFe濃度の造粒物になる。一方、図5の実施形態のように、粒鉄を主体とする粗粒材z(磁着物xよりも金属鉄濃度が高く且つ粒度が大きい材料)を磁着物xに混合して造粒処理すれば、造粒物のFe濃度が上昇し、純度が向上するため付加価値が向上する。ここで、磁着物xと粗粒材zの粒度は特に限定しないが、金属鉄濃度の観点からは、磁着物xの粒径は1mm未満、粗粒材zの粒径は1〜5mmが好ましい。
造粒工程(D)に供給される磁着物xと粗粒材zの合計量に対する粗粒材zの割合は50質量%以下であることが好ましい。粗粒材zの割合が50質量%を超えると、造粒物中の粗粒材zどうしの距離が短くなるため、粗粒材zを起点とした割れの発生が多くなり、造粒物の強度が低下する。
なお、図5の実施形態では、磁着物xと粗粒材zはそれぞれ搬送手段3、4により造粒機(パンペレタイザー1)に供給されているが、磁着物xと粗粒材zを予め混合したものを搬送手段で造粒機(パンペレタイザー1)に供給してもよい。
ここで、本発明の製造プロセスにおいて、高Fe濃度の粗粒材zは以下のようにして得ることができる。すなわち、所定量の製鋼スラグをバッチ式で処理する際に、分級工程(B)の篩上の粗粒スラグを破砕工程(A)で再破砕した後、分級工程(B)で再分級し、この再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を、粒鉄含有量が高い粗粒材zとして回収できることが判った。この粗粒材zは大部分(少なくとも過半)が粒鉄であり、化学分析した結果ではFe含有量は90%程度であった。
このため本発明では、所定量の製鋼スラグをバッチ式で処理する際に、分級工程(B)の篩上の粗粒スラグを破砕工程(A)で再破砕した後、分級工程(B)で再分級し、この再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を粒鉄含有量が高い粗粒材zとして回収し、この粗粒材zを造粒工程(D)において磁着物xに配合して、磁着物xとともに造粒処理することが好ましい。
以上述べた本発明の製造方法により得られた造粒物(鉄原料)は種々の用途に利用できるが、特に、高炉原料や製鋼原料などの製鉄原料に好適であり、したがって、本発明によれば、鉄鋼スラグを有価物である製鉄原料として適切に利材化することができる。
本発明で処理対象となる製鉄工程で発生する鉄鋼スラグとしては、脱燐スラグ、脱硫スラグ、転炉脱炭スラグ、脱珪スラグ、電気炉スラグなどの製鋼スラグ以外に、溶融還元スラグ、高炉スラグ(高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ)などが挙げられ、これらの1種以上を処理対象とすることができる。
図1に示す処理フローに従い、Fe含有量が24.5質量%の製鋼スラグ(脱硫スラグ)1000kgをバッチ式で処理するに当たり、製鋼スラグをロッドミルにより破砕した後(破砕工程)、所定の篩目の振動篩で篩分けし、次工程で磁力選別を行う細粒(篩下スラグ)を選別した(分級工程)。次いで、分級された細粒をプーリ式(ドラム式)磁力選別機を用いて磁力強度1000〜3000ガウスで磁力選別して磁着物xと非磁着物yに分別した(磁力選別工程)。また、分級工程の篩上の粗粒スラグを再破砕した後、再分級し、この再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を粒鉄含有量が高い材料として回収し、これを粒度調整して粗粒材zとした。
磁着物xに粗粒材zを表1及び表2に示す割合で配合した造粒対象物(但し、発明例24は磁着物xのみ)について、図5に示すようにパンペレタイザーを用いて造粒処理を実施した。この造粒処理では、比較例1を除き、スプレーノズルから表1及び表2に示すような液滴粒子径の水を噴霧した。この噴霧した水の液滴粒子径は、噴射流量と噴射圧力およびノズル出口径の変更により調整した。また、水の噴霧量は、造粒後の造粒物水分量が10〜35質量%となるように調整した。
以上のようにして得られた造粒物の金属鉄濃度を測定した。この測定では、造粒物から無作為に10個のサンプルを採取し、臭素メタノール溶解原子吸光分析法(AAS法)によりそれぞれの金属鉄濃度を測定し、全サンプルの平均値を金属鉄濃度とした。
造粒物の平均粒径については、造粒処理で得られた造粒物から無作為に15個のサンプルを採取し、ノギスを用いてそれぞれのサンプルの長径側の粒径を測定し、全サンプルの平均値を造粒物の平均粒径とした。
造粒物の強度については、造粒処理で得られた造粒物を1日自然乾燥させた後に、無作為に15個のサンプルを採取し、JIS Z8841に記載されている造粒物−強度試験方法に準拠して強度を測定し、それらの強度測定値の平均値を造粒物の強度とした。
粗粒材zの粒径範囲は、粗粒材zを無作為にサンプリングし、JIS Z8801に規定する試験用ふるいを用いて篩処理を実施した際のふるいに残存した粒径範囲とした。例えば、篩目2mmと5mm間に材料が残存している場合の粒径範囲は2〜5mmとした。
表1及び表2に、本発明例及び比較例の製造条件と、得られた造粒物の構成・性能・評価を示す。なお、表1及び表2に記載した「磁着物xの粒径範囲」において、「篩目」とは分級工程で用いた篩の目開き(mm)であり、「構成」はその篩下を磁力選別して得られた磁着物xの粒度構成を示している。例えば、「0.01-1.0比率>98%」とは、磁着物xの粒度構成が「粒径が1.0mm未満であり、粒径0.01mm以上1.0mm未満の比率が98質量%超である」という意味であり、また、「0.1-5.0比率>98%」とは、磁着物xの粒度構成が「粒径が5.0mm未満であり、粒径0.1mm以上5.0mm未満の比率が98質量%超である」という意味である。ただし、比較例5の磁着物xは、分級工程における篩目5.0mmの篩下をさらに篩目1.0mmで篩い、粒径1.0mm未満をカットしたものであり、したがって、この磁着物xは、分級工程の篩下をそのまま磁力選別して得られたものではなく、本発明条件を満足しない。
造粒物の製鉄原料化の可否については、下記基準で評価した。
○:造粒物の金属鉄濃度が70質量%以上で、且つ強度が80N以上の場合
△:造粒物が下記(i)〜(iii)のいずれかに該当する場合
(i)造粒物の金属鉄濃度が60質量%以上70質量%未満で、且つ強度が
80N以上の場合
(ii)造粒物の金属鉄濃度が70質量%以上で、且つ強度が70N以上80N未満の場合
(iii)造粒物の金属鉄濃度が60質量%以上70質量%未満で、且つ強度が
70N以上80N未満の場合
×:下記(i)〜(iii)のいずれかに該当する場合
(i)造粒物の金属鉄濃度が60質量%未満の場合
(ii)造粒物の強度が70N未満の場合
(iii)造粒処理がなされなかった場合
表1及び表2に示すように、本発明例では、製鉄原料として利用可能な材料(鉄原料である造粒物)、すなわち、金属鉄濃度が高く、所定の強度を有し、搬送性も良好な材料を得ることができる。これに対して、比較例では、製鉄原料として利用可能な材料を得ることができない。
Figure 2019127647
Figure 2019127647
代表的な本発明例の処理フローと各工程での産物重量を図9に示す。この例では、1tの製鋼スラグをロッドミルで粒径5mm以下となるように破砕した後、篩目1mmの振動篩を用いて分級処理し、その篩下スラグをプーリ式(ドラム式)磁力選別機を用いて磁力強度1500ガウスで磁力選別したところ、磁着物xが
350kg、非磁着物yが460kg得られた。また、分級工程の篩上スラグを粒度調整して粒鉄含有量が高い粗粒材zが180kg得られた。そして、磁着物xに粗粒材zを加えた材料を造粒処理することで、450kgの造粒物が得られた。一方、非磁着物yは焼結原料やセメント原料に適用可能である。
[実施例2]
実施例1と同様にして分級された細粒を、図2に示すプーリ式磁力選別機を用いて磁力選別して磁着物と非磁着物に分別し、それぞれについて金属鉄濃度を測定した。この測定では、対象物(磁着物、非磁着物)から無作為に10個のサンプルを採取し、臭素メタノール溶解原子吸光分析法(AAS法)によりそれぞれの金属鉄濃度を測定し、全サンプルの平均値を金属鉄濃度とした。その結果を表3に示すが、図2に示すような特別なプーリ式磁力選別機を用いることにより、磁着物と非磁着物の選別性が高められ、その結果、より高品質な製鉄原料が得られる。
Figure 2019127647
1 パンペレタイザー
2 スプレーノズル
3,4 搬送手段
6 プーリ
7 磁石ロール
8 磁極
9 プーリ
11 コンベアベルト
12 プーリ本体
13 プーリ
14 コンベアベルト
15 仕切板
16 磁力選別機
17 コンベア始端部
18 コンベア終端部
19 コンベア始端部
20 コンベア終端部
21 搬送コンベア
22 コンベアベルト
23,24 プーリ
25 供給装置
26 磁着物回収部
27 非磁着物回収部
x 磁着物
y 非磁着物
z 粗粒材

Claims (12)

  1. 製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して破砕する破砕工程(A)と、
    該破砕工程(A)で破砕された鉄鋼スラグを粗粒と細粒に篩分けする分級工程(B)と、
    該分級工程(B)で篩分けされた細粒スラグを磁力選別して磁着物(x)と非磁着物(y)に分別する磁力選別工程(C)と、
    該磁力選別工程(C)で分別された磁着物(x)を造粒処理する造粒工程(D)を有し、
    該造粒工程(D)では、造粒対象物に液体を噴霧しながら造粒処理を行い、且つ噴霧する液滴粒子径を10〜300μmとすることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  2. 製鉄工程で発生した鉄鋼スラグを回収して粗粒と細粒に篩分けする分級工程(B)と、
    該分級工程(B)で篩分けされた細粒スラグを磁力選別して磁着物(x)と非磁着物(y)に分別する磁力選別工程(C)と、
    該磁力選別工程(C)で分別された磁着物(x)を造粒処理する造粒工程(D)を有し、
    該造粒工程(D)では、造粒対象物に液体を噴霧しながら造粒処理を行い、且つ噴霧する液滴粒子径を10〜300μmとすることを特徴とする、鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  3. 造粒工程(D)では、造粒機に磁着物(x)とともに、該磁着物(x)よりも金属鉄濃度が高く且つ粒度が大きい粗粒材(z)を供給して造粒処理を行い、磁着物(x)と粗粒材(z)を含む造粒物を得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  4. 造粒工程(D)に供給される磁着物(x)の粒径が1mm未満であり、粗粒材(z)の粒径が1〜5mmであることを特徴とする、請求項3に記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  5. 造粒工程(D)では、造粒機に磁着物(x)と粗粒材(z)を別々の供給経路から供給することを特徴とする、請求項3又は4に記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  6. 造粒工程(D)に供給される磁着物(x)と粗粒材(z)の合計量に対する粗粒材(z)の割合が50質量%以下であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  7. 所定量の鉄鋼スラグをバッチ式で処理する際に、分級工程(B)で篩分けされた粗粒スラグを破砕工程(A)で再破砕した後、分級工程(B)で再分級し、該再破砕・再分級を1回以上行った後の篩上材を粗粒材(z)として回収し、該粗粒材(z)を造粒工程(D)に供給することを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  8. 磁力選別工程(C)で磁力選別される鉄鋼スラグは、水分含有量が30質量%以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  9. 磁力選別工程(C)では、ベルトコンベアを構成する1つのプーリ(6)が磁場印加手段を内蔵するプーリ式磁力選別機であって、前記磁場印加手段がプーリ本体に対して独立して回転駆動する磁石ロール(7)からなり、該磁石ロール(7)は、その外周に沿って所定の間隔をおいて配置される複数の磁極(8)を備えるとともに、ロール周方向で隣接する磁極(8)が異なる極性を有する磁力選別機を用いて鉄鋼スラグを磁力選別することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  10. 下記(1)式で定義される磁石ロール(7)の磁場変化周波数F(Hz)が10〜500Hzであることを特徴とする、請求項9に記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
    F=(x・P)/60 …(1)
    ここで x:磁石ロール(7)の回転数(rpm)
    P:磁石ロール(7)が周方向で備える磁極数(但し、N極・S極のペアで1磁極とする)
  11. 鉄鋼スラグが製鋼スラグであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の鉄鋼スラグから分離される鉄原料の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法により得られた造粒物を製鉄原料として用いることを特徴とする鉄鋼スラグの利材化方法。
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