JP2019126834A - 設備監視装置、設備監視方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、サブマージドアーク炉100の構成の一例を示す図である。図1(a)は、サブマージドアーク炉100の全体構成を示す図である。図1(b)は、サブマージドアーク炉100の炉底を透視した図であり、サブマージドアーク炉100の炉底を構成する耐火物に埋設されている温度計の位置を説明する図である。図1(c)は、サブマージドアーク炉100の炉底を構成する耐火物をその側方から透視した図であり、耐火物に埋設されている温度計の位置を説明する図である。
炉本体111の上面の開口部に炉蓋112が設置されると、内部に、原料を充填する空間(充填部)が形成される。以下の説明では、この空間を必要に応じて炉内と称し、サブマージドアーク炉100の外側を必要に応じて炉外と称する。
また、炉本体111の炉底を構成する部分の耐火物の内部に温度計191〜193が配置(埋設)される。温度計191〜193は、例えば、熱電対である。以下の説明では、炉本体111の炉底を構成する部分の耐火物を必要に応じて炉底耐火物と称する。
図2は、設備監視装置200の機能的な構成の一例を示す図である。設備監視装置200のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを有する情報処理装置、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。
<温度取得部201>
温度取得部201は、上流側温度計181、下流側温度計182、溶銑温度計183、炉芯温度計191、炉芯周辺炉外側温度計192、および炉芯周辺炉内側温度計193で測定された温度を取得する。本実施形態では、温度取得部201は、上流側温度計181、下流側温度計182、溶銑温度計183、炉芯温度計191、炉芯周辺炉外側温度計192、および炉芯周辺炉内側温度計193で測定された温度を入力し、上流側温度計181、下流側温度計182、溶銑温度計183、炉芯温度計191、炉芯周辺炉外側温度計192、および炉芯周辺炉内側温度計193で同じ時刻に測定された温度を取得する。温度取得部201は、このような温度の出力を所定のサンプリング時間ごとに行う。例えば、温度取得部201は、これらの温度を周期的に繰り返し取得することができる。これにより、上流側温度計181、下流側温度計182、溶銑温度計183、炉芯温度計191、炉芯周辺炉外側温度計192、および炉芯周辺炉内側温度計193で測定された各時刻の温度が得られる。
本実施形態では、炉底耐火物の抜熱方向(x軸方向)の温度を示す内外挿温度関数T^(x,t)を、炉底耐火物の抜熱方向(x軸方向)の1次元の領域の温度分布の時間変化を予測する数式とする。内外挿温度関数T^(x,t)を用いれば、x軸の座標xおよび時刻tを定めることにより、温度の内挿および外挿を行うことができる。第1の逆問題解析部202では、内外挿温度関数T^(x,t)を、温度計192、193とy軸方向およびz軸方向の位置が同じ位置における炉底耐火物の抜熱方向(x軸方向)の1次元の領域の温度分布の時間変化を予測する数式として用いる。
図3において、タイミングtNは、温度計192、193で最新の温度が測定されたタイミングである。図3では、温度計192、193で測定された温度が取得されるたびに、新しいものから順に8個の温度測定タイミング(タイミングtO〜tNの8つのタイミング)を、情報量の定義点を定める時刻tとして採用する場合を例に挙げて説明する。すなわち、第1の逆問題解析部202は、新たに温度計192、193で測定された温度が取得されると、8個の温度測定タイミングのうち、最も古い温度測定タイミングを含む2この情報量の定義点を16(8×2)個の情報量の定義点から除外する。そして、第1の逆問題解析部202は、最新の温度測定タイミングを含む2個の情報量の定義点を16個の情報量の定義点に加える。尚、情報量の定義点を定める時刻tの数は、8つに限定されない。
ここで、内外挿温度関数T^(x,t)の一例について説明する。
まず、1次元非定常熱伝導方程式は、以下の(1)式で表される。
まず、内外挿温度関数T^(x,t)を以下の(3)式で表す。
np1は、炉芯周辺炉外側温度計192の位置である。炉芯周辺外周側温度計192の位置は、内外挿温度関数T^(x,t)が(2)式を満足するように設定される、np2は、炉芯周辺炉内側温度計193の位置である。炉芯周辺炉内側温度計193の位置は、内外挿温度関数T^(x,t)が(3)式を満足するように設定される。ntは、時刻の数である。この時刻は、内外挿温度関数T^(x,t)が(2)式および(3)式を満足するように設定される。以上のように、mは、炉芯周辺炉外側温度計192の位置と時刻とにより定まる中心点jの数である。また、lは、炉芯周辺炉内側温度計193の位置と時刻とにより定まる中心点jの数である。
重みベクトルαおよびその要素αjは、以下の(7)式〜(10)式で表される。
行列Aは、(m+l)×(m+l)行列である。bおよびαは、(m+l)次元列ベクトルである。前述したように、(m+l)は、中心点jの数である。
第1の逆問題解析部202は、温度取得部201から、温度計192、193で測定された温度を取得する度に、以上の処理を行う。これにより、各時刻tにおいて重みベクトルα(の要素αj)が導出される。
熱伝達係数導出部203は、第1の逆問題解析部202により導出された時刻tにおける重みベクトルα(の要素αj)と、炉底耐火物(耐火キャスタブル111a)の熱伝導率λ、密度ρ、および比熱Cpと、基準時刻tjと、中心点jの数m+lと、炉底外壁面におけるx軸の座標x(=0)を(4)式に代入することにより、時刻tにおける炉底外壁面の温度の温度Tvであって、温度計192、193とy軸方向およびz軸方向の位置が同じ位置の温度Tvを導出する。以下の説明では、この温度を必要に応じて炉底外壁面の温度Tvと称する。
(1)式の1次元非定常熱伝導方程式を解くためには、2つの境界条件が必要である。炉芯101に配置される温度計は炉芯温度計191だけである。従って、炉底内壁面の位置であって、炉芯温度計191とy軸方向およびz軸方向の位置が同じ位置における熱流束ベクトルのx軸方向(抜熱方向)成分の値を(1)式により解くために、(2)式および(3)式のような温度関数(温度についての境界条件)だけでは、境界条件が足りない。
第2の逆問題解析部204は、(1)式の1次元非定常熱伝導方程式を解くための境界条件として(2)式および(3)式に代えて、以下の(14)式および(15)式を用いる。
np3は、炉底外壁面における中心点jの数である。炉底外壁面(炉底外壁面の位置であって、y軸方向およびz軸方向の位置が炉芯温度計191と同じ位置)における中心点jの数は、内外挿温度関数T^(x,t)が(14)式を満足するように設定される。np4は、炉芯温度計191の位置である。炉芯温度計191の位置は、内外挿温度関数T^(x,t)が(15)式を満足するように設定される。ntは、時刻の数である。この時刻は、内外挿温度関数T^(x,t)が(14)式および(15)式を満たすように設定される。以上のようにmは、炉底外壁面における位置と時刻とにより定まる中心点jの数である。また、lは、炉芯温度計191の位置と時刻とにより定まる中心点jの数である。
図4において、白丸で示すプロットは、それぞれ、情報量の定義点である。この白丸で示す情報量の定義点は、炉底外壁面の位置であって、炉芯温度計191とy軸方向およびz軸方向の位置が同じ位置と、当該位置における熱流束を推定する時刻とを示す。本実施形態では、炉芯101に配置される温度計は炉芯温度計191だけである。そこで、この白丸で示す定義点の情報量を、炉底熱伝達係数haとする。
白丸で示す定義点における情報量には、炉底熱伝達係数ha、炉底熱伝達係数haの推定時刻、炉底耐火物(耐火キャスタブル111a)の熱伝導率λ、密度ρ、および比熱Cpが含まれる。黒丸で示す定義点における情報量には、炉芯温度計191の温度、炉芯温度計191の測温時刻、炉底耐火物(耐火キャスタブル111a)の熱伝導率λ、密度ρ、および比熱Cpが含まれる。炉底耐火物(耐火キャスタブル111a)の熱伝導率λ、密度ρ、および比熱Cpについては、情報量の定義点により異ならせてもよいし、同じにしてもよい。
第2の逆問題解析部204は、温度取得部201から、炉芯温度計191で測定された温度を取得する度に、以上の処理を行う。これにより、各時刻tにおいて重みベクトルα(の要素αj)が導出される。
サブマージドアーク炉100を使用すると、炉底耐火物の溶損等により、炉底内壁面のx軸の座標が変化する。そこで、本実施形態では、内外挿温度関数T^(x,t)が溶銑142の温度と等しくなるときの炉底耐火物のx軸の座標を炉底内壁面のx軸の座標とする。このことから、熱流束・壁面位置導出部205は、第1の逆問題解析部202により導出された時刻tにおける重みベクトルα(の要素αj)と、炉底耐火物(耐火キャスタブル111a)の熱伝導率λ、密度ρ、および比熱Cpと、基準時刻tjと、中心点jの数m+lと、温度取得部201により取得された溶銑温度計183における時刻tでの測定温度(溶銑142の温度)を(4)式に代入し、(4)式の内外挿温度関数T^(x,t)が溶銑142の温度と等しくなるときの炉底耐火物のx軸の座標を、炉底内壁面のx軸の座標として導出する。尚、本実施形態のように、溶銑142の温度を溶銑温度計183で測定される温度とすれば、溶銑142の温度の精度を高めることができるので好ましいが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、溶銑142の温度として想定される予め設定された温度を溶銑142の温度として用いてもよい。
そこで、本実施形態では、熱流束・壁面位置導出部205は、以下のようにして、炉底耐火物を構成する耐火キャスタブル111a、パーマ煉瓦111b、ウェア煉瓦A111c、およびウェア煉瓦B111dの境界の位置(x軸の座標)と、抜熱方向(x軸方向)の長さ(厚み)と、炉底内壁面の位置(x軸の座標)とを導出する。尚、これらのx軸の座標は、炉芯101の位置でのx軸の座標であるものとし、抜熱方向(x軸方向)の長さは、炉芯101の位置での抜熱方向(x軸方向)の長さであるものとする。また、(1)式に示すようにx軸の座標は、[0,1]で正規化されるが、正規化されたx軸の座標に前述した相当長を乗算することにより、実際の座標に変換されているものとする。
(27)式は、炉底内壁面のx軸の座標の最低値xminが、ウェア煉瓦A111cの炉底外壁面側の端の位置のx軸の座標x3_1以上、ウェア煉瓦B111dの炉底外壁面側の端の位置のx軸の座標x4_1未満であり、且つ、(4)式の内外挿温度関数T^(x,t)が溶銑142の温度と等しくなるときの炉底耐火物のx軸の座標x4_2がウェア煉瓦B111dの炉底外壁面側の端の位置のx軸の座標x4_1を上回る場合の付着物の抜熱方向(x軸方向)の長さdである。
出力部206は、熱流束・壁面位置導出部205により導出された各時刻tにおける炉芯炉底内壁面側熱流束qvおよび炉底内壁面のx軸の座標を出力する。出力の形態としては、例えば、コンピュータディスプレイへの表示、設備監視装置200の内部または外部の記憶媒体への記憶、および外部装置への送信の少なくとも何れか1つを採用することができる。また、出力部206は、これらの情報に代えてまたは加えて、ウェア煉瓦B111d、ウェア煉瓦A111c、パーマ煉瓦111bの抜熱方向(x軸方向)の長さ(厚み)l4、l3、l2と、ウェア煉瓦B111d、ウェア煉瓦A111c、パーマ煉瓦111bの抜熱方向(x軸方向)の長さ(厚み)残存量Δl4、Δl3、Δl2と、付着物の抜熱方向(x軸方向)の長さ(付着物の厚み)dとの少なくとも何れか1つを出力してもよい。
図5は、設備監視装置200による計算の結果の一例を示す図である。図5(a)は、炉底内壁面位置と時間との関係を示し、図5(b)は、熱流束と時間との関係を示し、図5(c)は、熱伝達係数と時間との関係を示し、図5(d)は、熱電対で計測された温度(熱電対温度)と時間との関係を示す。
図5(c)において、熱伝達係数は、熱伝達係数導出部203により導出される炉底熱伝達係数ha(t)である。
図5(d)において、炉芯温度は、炉芯温度計191で測定される温度であり、炉芯周辺温度(内壁面側)は、炉芯周辺炉内側温度計193で測定される温度であり、炉芯周辺温度(外壁面側)は、炉芯周辺炉外側温度計192で測定される温度であり、空冷温度は、空冷温度Ta(t)である。
次に、図6のフローチャートを参照しながら、設備監視装置200を用いた設備監視方法の一例を説明する。
ステップS601において、設備監視装置200は、時刻tを初期値tiniに設定する。ステップS602〜S609は、時刻tについての処理として実行される。
次に、ステップS602において、温度取得部201は、上流側温度計181、下流側温度計182、溶銑温度計183、炉芯温度計191、炉芯周辺炉外側温度計192、および炉芯周辺炉内側温度計193で測定された温度を取得する。
次に、ステップS604において、熱伝達係数導出部203は、炉底外壁面の温度Tv(t)と、炉芯周辺炉底外壁面側熱流束qv(t)とを導出する((4)式および(11)式を参照)。
次に、ステップS606において、第2の逆問題解析部204は、重みベクトルα(の要素αj)を導出する((7)式、(9)式、(16)式、および(17)式を参照)。
次に、ステップS608において、熱流束・壁面位置導出部205は、実際の炉底内壁面のx軸の座標を導出する((22)式〜(31)式を参照)。
次に、ステップS609において、出力部206は、炉芯炉底内壁面側熱流束qvと炉底内壁面のx軸の座標とを出力する。
尚、ステップS609の処理を、ステップS610において、サブマージドアーク炉100の監視を終了すると判定された後に行ってもよい。
以上のように本実施形態では、設備監視装置200は、炉芯周辺炉外側温度計192および炉芯周辺炉内側温度計193で測定された温度に基づいて1次元非定常伝熱逆問題を解くことにより、炉芯周辺炉底外壁面側熱流束qv(t)と炉底外壁面の温度Tv(t)とを導出し、これらと空冷温度Ta(t)とを用いて炉底熱伝達係数ha(t)を導出する。そして、設備監視装置200は、炉芯温度計191で測定された温度と、炉底熱伝達係数ha(t)とに基づいて1次元非定常伝熱逆問題を解くことにより、1次元非定常伝熱逆問題を解くことにより、炉芯炉底内壁面側熱流束qvと、内外挿温度関数T^(x,t)が溶銑142の温度と等しくなるときの炉底耐火物のx軸の座標とを導出する。従って、炉芯101に温度計が1つしかなくても、1次元非定常伝熱逆問題を精度よく解くことができ、炉底内壁面の炉芯101の位置における熱流束や当該位置の座標をリアルタイムで導出することができる。よって、溶融金属が内部に存在する設備の内周面を構成する耐火物の状態をリアルタイムで正確に監視することができる。
また、本実施形態では、設備監視装置200は、耐火キャスタブル111a、パーマ煉瓦111b、ウェア煉瓦A111c、およびウェア煉瓦B111dの熱伝導率λ1〜λ4と、炉底内壁面のx軸の座標の最低値xminと、(4)式の内外挿温度関数T^(x,t)が溶銑142の温度と等しくなるときの炉底耐火物のx軸の座標x4_n、x4_2と、用いて、ウェア煉瓦B111d、ウェア煉瓦A111c、パーマ煉瓦111bの抜熱方向(x軸方向)の長さ(厚み)l4、l3、l2と、ウェア煉瓦B111d、ウェア煉瓦A111c、パーマ煉瓦111bの抜熱方向(x軸方向)の長さ(厚み)残存量Δl4、Δl3、Δl2と、付着物の抜熱方向(x軸方向)の長さ(付着物の厚み)dとを導出する。従って、炉底耐火物のより詳細な状態を監視することができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
以下に、請求項の記載と実施形態の記載との関係の一例を説明する。尚、請求項の記載が実施形態の記載に限定されないことは、前述した通りである。
<請求項1>
第1の温度測定手段は、例えば、炉芯周辺炉外側温度計192を用いることにより実現される。
第2の温度測定手段は、例えば、炉芯周辺炉内側温度計193を用いることにより実現される。
第3の温度測定手段は、例えば、炉芯温度計191を用いることにより実現される。
第4の温度測定手段は、例えば、上流側温度計181および下流側温度計182を用いることにより実現される。
温度取得手段は、例えば、温度取得部201(ステップS602の処理)を用いることにより実現される。
第1の導出手段は、例えば、第1の逆問題解析部202および熱伝達係数導出部203(ステップS603、S604の処理)を用いることにより実現される。
前記設備の外側の表面における温度は、例えば、炉底外壁面の温度Tv(t)を用いることにより実現される。
前記設備の外側の表面における熱流束ベクトルの、前記耐火物の抜熱方向の成分の値は、例えば、炉芯周辺炉底外壁面側熱流束qv(t)を用いることにより実現される(炉芯周辺炉底外壁面側熱流束は、熱流束ベクトルのx軸方向(抜熱方向)成分の値である)。
第2の導出手段は、例えば、熱伝達係数導出部203(ステップS605の処理)を用いることにより実現される。
前記耐火物を構成する材料と前記冷却媒体との間の熱伝達係数は、例えば、炉底熱伝達係数ha(t)を用いることにより実現される。
第3の導出手段は、例えば、第2の逆問題解析部204および熱流束・壁面位置導出部205(ステップS606、S607の処理)を用いることにより実現される。
前記設備の内側の表面における熱流束ベクトルの、前記耐火物の抜熱方向の成分の値は、例えば、炉芯炉底内壁面側熱流束qvを用いることにより実現される。
温度一致位置は、例えば、内外挿温度関数T^(x,t)が溶銑142の温度と等しくなるときの炉底耐火物のx軸の座標を用いることにより実現される。
前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置は、例えば、y−z平面上の位置に対応する。
<請求項2>
第5の温度測定手段は、例えば、溶銑温度計183を用いることにより実現される。
<請求項3>
複数種類の耐火物は、例えば、耐火キャスタブル111a、パーマ煉瓦111b、ウェア煉瓦A111c、およびウェア煉瓦B111dを用いることにより実現される。
同一の種類の耐火物は、例えば、耐火キャスタブル111aを用いることにより実現される。
前記1次元非定常伝熱逆問題解析では、前記複数種類の耐火物の物性値のうち、前記第1の温度測定手段、前記第2の温度測定手段、および前記第3の温度測定手段が配置された耐火物の物性値のみが用いられることは、例えば、(1)式におけるλ、ρ、Cpとして、耐火キャスタブル111aのみの熱伝導率、比重、比熱が用いられることにより実現される。
<請求項5>
第4の導出手段は、例えば、熱流束・壁面位置導出部205(ステップS608の処理)を用いることにより実現される。
前記設備の内側の表面の、前記耐火物の抜熱方向における現在の位置は、例えば、時刻tでの炉底内壁面のx軸の座標(ウェア煉瓦B111d、ウェア煉瓦A111c、パーマ煉瓦111bの抜熱方向(x軸方向)の長さ(厚み)l4、l3、l2と、耐火キャスタブル111aの抜熱方向(x軸方向)の長さ(厚み)と、時刻tでの付着物の抜熱方向(x軸方向)の長さ(付着物の厚み)dとを、炉底外壁面のx軸の座標に加算した値)を用いることにより実現される。
複数種類の耐火物は、例えば、耐火キャスタブル111a、パーマ煉瓦111b、ウェア煉瓦A111c、およびウェア煉瓦B111dを用いることにより実現される。
同一の種類の耐火物は、例えば、耐火キャスタブル111aを用いることにより実現される。
<請求項8>
第1の情報量の定義点は、例えば、図3に示す白丸および黒丸のプロットに対応する。
<請求項10>
第2の情報量の定義点は、例えば、図4に示す白丸および黒丸のプロットに対応する。
Claims (14)
- 溶融金属が内部に存在する設備であって、当該設備の内周面を構成する耐火物を有し、当該耐火物の内側が当該溶融金属と接する状態または他の物質が間に存在する状態で配置され、当該耐火物の外側が冷却媒体と接する状態または他の物質が間に存在する状態で配置される構成を有する設備を監視する設備監視装置であって、
それぞれ前記耐火物の内部の異なる位置に配置された第1の温度測定手段、第2の温度測定手段、および第3の温度測定手段により測定された温度と、前記冷却媒体の温度を測定する第4の温度測定手段により測定された温度と、を取得する温度取得手段と、
前記第1の温度測定手段により測定された温度と、前記第2の温度測定手段により測定された温度とを用いて、前記設備の外側の表面における温度と、前記設備の外側の表面における熱流束ベクトルの、前記耐火物の抜熱方向の成分の値とを、1次元非定常伝熱逆問題解析を行った結果に基づいて導出する第1の導出手段と、
前記設備の外側の表面における温度と、前記設備の外側の表面における熱流束ベクトルの、前記耐火物の抜熱方向の成分の値と、前記冷却媒体の温度を測定する第4の温度測定手段により測定された温度とを用いて、前記耐火物を構成する材料と前記冷却媒体との間の熱伝達係数を導出する第2の導出手段と、
前記第3の温度測定手段により測定された温度と、前記第2の導出手段により導出された熱伝達係数とを用いて、前記溶融金属の温度と温度が等しくなる前記耐火物の抜熱方向における位置である温度一致位置と、前記設備の内側の表面における熱流束ベクトルの、前記耐火物の抜熱方向の成分の値とを、1次元非定常伝熱逆問題解析を行った結果に基づいて導出する第3の導出手段と、を有し、
前記第1の温度測定手段の前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置と前記第2の温度測定手段の前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置は略同じであり、前記第3の温度測定手段の前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置と、前記第1の温度測定手段および前記第2の温度測定手段の前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置は異なることを特徴とする設備監視装置。 - 前記温度取得手段は、前記溶融金属の温度を測定する第5の温度測定手段により測定された温度を更に取得し、
前記第3の導出手段は、前記第5の温度測定手段により測定された温度を前記溶融金属の温度として前記温度一致位置を導出することを特徴とする請求項1に記載の設備監視装置。 - 前記耐火物は、前記耐火物の抜熱方向に並べられた複数種類の耐火物であって、熱伝導率が異なる複数種類の耐火物を有し、
前記第1の温度測定手段、前記第2の温度測定手段、および前記第3の温度測定手段は、前記複数種類の耐火物のうち、同一の種類の耐火物の内部に配置され、
前記1次元非定常伝熱逆問題解析では、前記複数種類の耐火物の物性値のうち、前記第1の温度測定手段、前記第2の温度測定手段、および前記第3の温度測定手段が配置された耐火物の物性値のみが用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の設備監視装置。 - 前記第3の温度測定手段が測定する温度の位置であって、前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置と同じ位置の温度を測定する温度測定手段が前記第3の温度測定手段以外にないことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の設備監視装置。
- 前記設備の内側の表面の、前記耐火物の抜熱方向における現在の位置を導出する第4の導出手段を更に有し、
前記耐火物は、前記耐火物の抜熱方向に並べられた複数種類の耐火物であって、熱伝導率が異なる複数種類の耐火物を有し、
前記第1の温度測定手段、前記第2の温度測定手段、および前記第3の温度測定手段は、前記複数種類の耐火物のうち、同一の種類の耐火物の内部に配置され、
前記1次元非定常伝熱逆問題解析では、前記複数種類の耐火物の物性値のうち、前記第1の温度測定手段、前記第2の温度測定手段、および前記第3の温度測定手段が配置された耐火物の物性値のみが用いられ、
前記第4の導出手段は、前記複数種類の耐火物の熱伝導率と、前記第3の導出手段により導出された前記温度一致位置と、前記設備の内側の表面の、前記耐火物の抜熱方向における位置の測定値のうち最も炉外側に近い位置を示す測定値とを用いて、前記設備の内側の表面の、前記耐火物の抜熱方向における現在の位置を導出することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の設備監視装置。 - 前記1次元非定常伝熱逆問題解析は、1次元非定常熱伝導方程式を満たす内外挿温度関数を用いた非定常伝熱逆問題解析であり、
前記内外挿温度関数は、前記耐火物の抜熱方向であるx軸方向の位置xおよび時刻tにおける、前記耐火物の内部の温度を示す関数T^(x,t)であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の設備監視装置。 - 前記内外挿温度関数T^(x,t)は、中心点jごとに定まる基底関数φjと、中心点jごとに定まる重みベクトルαjとの積の、前記中心点jのそれぞれにおける値の総和で表され、
前記中心点jは、前記耐火物のx軸方向の基準位置xjと、基準時刻tjとから定まる点であって、前記耐火物のx軸方向の位置と時刻とにより定まる2次元座標上の点であり、
前記基底関数φjは、前記中心点jを基準とした場合の、前記1次元非定常熱伝導方程式を満たす基本解の形で表現された関数であることを特徴とする請求項6に記載の設備監視装置。 - 前記第1の導出手段は、前記1次元非定常熱伝導方程式と、第1の温度関数T1(x1 *,t)と、第2の温度関数T1(x2 *,t)と、前記内外挿温度関数T^(x,t)とを満足するように、前記第1の温度測定手段による測定結果が与えられる前記内外挿温度関数T^(x,t)と、前記第2の温度測定手段による測定結果が与えられる前記内外挿温度関数T^(x,t)との連立方程式に第1の情報量の定義点の情報を代入して当該連立方程式を解くことにより、前記重みベクトルαjを導出し、
前記第1の情報量の定義点は、前記第1の温度測定手段により測定される温度の位置と時刻により定まる点であって、前記耐火物のx軸方向の位置と時刻とにより定まる2次元座標上の点と、前記第2の温度測定手段により測定される温度の位置と時刻により定まる点であって、前記耐火物のx軸方向の位置と時刻とにより定まる2次元座標上の点とを含み、
前記第1の温度関数T1(x1 *,t)は、前記耐火物のx軸方向における前記第1の温度測定手段で測定される温度の位置x1 *および時刻tにおいて前記第1の温度測定手段により測定される温度を表す関数であり、
前記第2の温度関数T2(x2 *,t)は、前記耐火物のx軸方向における前記第2の温度測定手段で測定される温度の位置x1 *および時刻tにおいて前記第2の温度測定手段により測定される温度を表す関数であることを特徴とする請求項7に記載の設備監視装置。 - 前記重みベクトルαjは、以下の(A)式〜(D)式で計算され、
以下のmは、前記第1の温度計測手段により測定される温度の位置と時刻とにより定まる前記中心点jの数であり、
以下のlは、前記第2の温度測定手段により測定される温度の位置と時刻とにより定まる前記中心点jの数であり、
以下のkは、前記第1の情報量の定義点を識別するための1からmまでの整数であり、
以下のsは、前記第1の情報量の定義点を識別するためのm+1からm+lまでの整数であり、
以下のjは、前記中心点jを識別するための1からm+lまでの整数であり、
以下のAは、(m+l)×(m+l)行列であり、
以下のAの[]内のφ(xk−xj,tk−tj)は、行列Aのk行j列成分の値であり、
以下のAの[]内のφ(xs−xj,ts−tj)は、行列Aのs行j列成分の値であり、
以下のxは、x軸の座標であり、
以下のtは、時刻であり、
以下のbは、(m+l)次元列ベクトルであり、
以下のbの[]内のobs1kは、行列bのk行成分の値であって、前記第1の温度測定手段により測定される温度であり、
以下のbの[]内のobs2s−mは、行列bのs行成分の値であって、前記第2の温度測定手段により測定される温度であり、
以下のαは、(m+l)次元列ベクトルであることを特徴とする請求項8に記載の設備監視装置。
- 前記第3の導出手段は、前記1次元非定常熱伝導方程式と、前記1次元非定常熱伝導方程式における境界条件と、第3の温度関数T3(x3 *,t)と、前記内外挿温度関数T^(x,t)とを満足するように、前記1次元非定常熱伝導方程式における境界条件と、前記第3の温度測定手段による測定結果が与えられる前記内外挿温度関数T^(x,t)との連立方程式に第2の情報量の定義点の情報を代入して当該連立方程式を解くことにより、前記重みベクトルαjを導出し、
前記第2の情報量の定義点は、前記設備の外側の表面の位置であって、前記第3の温度測定手段の前記抜熱方向に垂直な方向における位置と時刻とにより定まる点であって、前記耐火物のx軸方向の位置と時刻とにより定まる2次元座標上の点と、前記第3の温度測定手段により測定される温度の位置と時刻により定まる点であって、前記耐火物のx軸方向の位置と時刻とにより定まる2次元座標上の点とを含み、
前記1次元非定常熱伝導方程式における境界条件は、前記設備の外側の表面における前記x軸方向の温度勾配と、前記耐火物を構成する材料の熱伝導率とに基づく熱流束と、前記設備の外側の表面における温度と前記冷却媒体との温度の差と、前記第2の導出手段により導出される前記耐火物を構成する材料と前記冷却媒体との間の熱伝達係数とに基づく熱流束と、が等しいことを示す式であり、
前記第3の温度関数T1(x3 *,t)は、前記耐火物のx軸方向における前記第3の温度測定手段で測定される温度の位置x3 *および時刻tにおいて前記第3の温度測定手段により測定される温度を表す関数であることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の設備監視装置。 - 前記重みベクトルαjは、以下の(E)式〜(H)式で計算され、
以下のmは、前記設備の外側の表面の位置と時刻とにより定まる前記中心点jの数であり、
以下のlは、前記第3の温度測定手段により測定される温度の位置と時刻とにより定まる前記中心点jの数であり、
以下のkは、前記第2の情報量の定義点を識別するための1からmまでの整数であり、
以下のsは、前記第2の情報量の定義点を識別するためのm+1からm+lまでの整数であり、
以下のjは、前記中心点jを識別するための1からm+lまでの整数であり、
以下のAは、(m+l)×(m+l)行列であり、
以下のAの[]内のλ∂φ/∂x(xk−xj,tk−tj)+ha(xk−xj,tk−tj)φ(xk−xj,tk−tj)は、行列Aのk行j列成分の値であり、
以下のAの[]内のφ(xs−xj,ys−yj,ts−tj)は、行列Aのs行j列成分の値であり、
以下のλは、前記耐火物を構成する材料の熱伝導率であり、
以下のhaは、前記第2の導出手段により導出される前記耐火物を構成する材料と前記冷却媒体との間の熱伝達係数であり、
以下のxは、x軸の座標であり、
以下のtは、時刻であり、
以下のbは、(m+l)次元列ベクトルであり、
以下のgkは、行列bのk行成分の値であって、前記冷却媒体の温度と、前記第2の導出手段により導出される前記耐火物を構成する材料と前記冷却媒体との間の熱伝達係数haとの積であり、
以下のobs3s-mは、行列bのs行成分の値であって、前記第3の温度測定手段により測定される温度であり、
以下のαは、(m+l)次元列ベクトルであることを特徴とする請求項10に記載の設備監視装置。
- 前記設備は、所定の形状に成型された原料を電極により通電加熱するサブマージドアーク炉であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の設備監視装置。
- 溶融金属が内部に存在する設備であって、当該設備の内周面を構成する耐火物を有し、当該耐火物の内側が当該溶融金属と接する状態または他の物質が間に存在する状態で配置され、当該耐火物の外側が冷却媒体と接する状態または他の物質が間に存在する状態で配置される構成を有する設備を監視する設備監視方法であって、
それぞれ前記耐火物の内部の異なる位置に配置された第1の温度測定手段、第2の温度測定手段、および第3の温度測定手段により測定された温度と、前記冷却媒体の温度を測定する第4の温度測定手段により測定された温度と、を取得する温度取得工程と、
前記第1の温度測定手段により測定された温度と、前記第2の温度測定手段により測定された温度とを用いて、前記設備の外側の表面における温度と、前記設備の外側の表面における熱流束ベクトルの、前記耐火物の抜熱方向の成分の値とを、1次元非定常伝熱逆問題解析を行った結果に基づいて導出する第1の導出工程と、
前記設備の外側の表面における温度と、前記設備の外側の表面における熱流束ベクトルの、前記耐火物の抜熱方向の成分の値と、前記冷却媒体の温度を測定する第4の温度測定手段により測定された温度とを用いて、前記耐火物を構成する材料と前記冷却媒体との間の熱伝達係数を導出する第2の導出工程と、
前記第3の温度測定手段により測定された温度と、前記第2の導出工程により導出された熱伝達係数とを用いて、前記溶融金属の温度と温度が等しくなる前記耐火物の抜熱方向における位置である温度一致位置と、前記設備の内側の表面における熱流束ベクトルの、前記耐火物の抜熱方向の成分の値とを、1次元非定常伝熱逆問題解析を行った結果に基づいて導出する第3の導出工程と、を有し、
前記第1の温度測定手段の前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置と前記第2の温度測定手段の前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置は略同じであり、前記第3の温度測定手段の前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置と、前記第1の温度測定手段および前記第2の温度測定手段の前記耐火物の抜熱方向に垂直な方向における位置は異なることを特徴とする設備監視方法。 - 請求項1〜12の何れか1項に記載の設備監視装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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