JP2019125658A - 光電変換素子、光電変換モジュールおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換効率が高く製造が容易な光電変換素子、ならびに、かかる光電変換素子を備える信頼性の高い光電変換モジュールおよび電子機器を提供する。【解決手段】曲線を含む基板外縁800aと、基板外縁の内側に位置し曲線を含む基板内縁800bと、を有する半導体基板800と、半導体基板の一方の面に設けられている複数の第1電極804pと、を備え、第1電極804は、基板外縁800aが含む曲線の垂線方向に延在していることを特徴とする。また、複数の第1電極804と接続されている第2電極805を備え、第2電極805の延在方向は、第1電極804の延在方向と交差している。【選択図】図8
Description
本発明は、光電変換素子、光電変換モジュールおよび電子機器に関するものである。
GPS(Global Positioning System)等の測位システムに用いられる位置情報衛星からの電波を受信し、測位信号に含まれる時刻を取得したり、現在位置を検出したりする装着型電子機器(腕時計)が提案されている。
例えば、特許文献1には、腕時計ケースと、文字板と、文字板の下側に配置され位置情報衛星からの電波を受信するアンテナを含む時計モジュールと、文字板と時計モジュールとの間に設けられたソーラーパネルと、を有する腕時計が開示されている。このような腕時計によれば、文字板が光透過性を有しているため、文字板を透過した外部光をソーラーパネルに照射することにより、時計モジュールの動作に必要な電力を発電することができる。
一方、位置情報衛星から送出される電波には極超短波が使用されているが、この極超短波を受信するためには高周波回路を作動させる必要がある。このため、腕時計の消費電力が大きくなるという問題がある。
特に、近年は、現在位置を検出する動作を高頻度に行うことで移動経路を記録する機能(データロガー)を搭載することが求められている。このような機能が搭載されると、高周波回路の作動時間も長くなるため、消費電力のさらなる増大が懸念される。そうなると、消費電力がソーラーパネルの発電電力を上回ってしまい、二次電池を外部電源から充電するための部品を別途用意せざるを得なくなったり、二次電池の容量を高める必要が生じたりする。その結果、腕時計の小型化および軽量化が妨げられることとなる。
他方、特許文献1に記載の腕時計では、外部光が文字板を透過する際、光量が減少してしまう。このため、ソーラーパネルにおいて十分な電力を発電することができないという問題がある。また、電力を確保するためにソーラーパネルを大型化した場合、それに伴って時計モジュールのような主要部位のサイズが制限されたり、腕時計の大型化を招いたりするという問題がある。
そこで、外形形状を円弧状にすることで、腕時計のような円形の搭載空間を有する電子機器にも適用可能な太陽電池セルが検討されている。
特許文献2には、円板状の単結晶ウエハーの形状を利用し、そこから分割された弓形セルを配列した太陽光発電用モジュールが開示されている。これにより、外形形状の一部が円弧状になった太陽電池セルを容易に製造することができる。
しかしながら、このような弓形セルでは、電極の配置を考慮する必要がある。
図15は、特許文献2に記載された太陽電池セルを示す図であって、中心角が90°である円弧901とこの円弧901に接続された弦902とで囲まれた弓形をなす半導体基板900と、弦902と平行に延在するフィンガー電極904(グリッド電極)と、フィンガー電極904と直交するバスバー電極905と、を備える従来例の太陽電池セル90aの受光面を示す平面図である。
図15は、特許文献2に記載された太陽電池セルを示す図であって、中心角が90°である円弧901とこの円弧901に接続された弦902とで囲まれた弓形をなす半導体基板900と、弦902と平行に延在するフィンガー電極904(グリッド電極)と、フィンガー電極904と直交するバスバー電極905と、を備える従来例の太陽電池セル90aの受光面を示す平面図である。
図15に示す太陽電池セル90aでは、フィンガー電極904とバスバー電極905とが交差しない領域が生じるため、バスバー電極905から延長された補助電極906がさらに設けられている。この補助電極906は、円弧901に沿って延在するように設けられている。
一方、図15に示す太陽電池セル90aは、半導体基板900の受光面と裏面(図示せず)の双方に電極が設けられた構造を有している。すなわち、図15に示すフィンガー電極904やバスバー電極905は、受光面に設けられている。このため、受光面側から太陽電池セル90aを見たとき、電極が見えてしまうことになり、電子機器の意匠性の低下を招くおそれがある。
また、図15に示すフィンガー電極904と補助電極906との接続部907では、円弧901上の位置に応じてフィンガー電極904と補助電極906との交差角が異なっている。このため、円弧901上の位置によっては、この交差角が極めて小さくなる場合がある。このような小さな交差角を有する接続部907は、例えばフォトリソグラフィー技術や印刷技術を用いて電極を形成する際の難易度を高めることになる。その結果、太陽電池セル90aの製造歩留まりの低下が懸念される。
そこで、受光面には電極を設けず、裏面に電極を設けた裏面電極型の太陽電池セルが実用化されている。
図16は、中心角が90°である円弧901とこの円弧901に接続された弦902とで囲まれた弓形をなす半導体基板900を備えた、裏面電極型の構造を有する従来例の太陽電池セル90bの裏面を示す平面図である。なお、図16では、説明の便宜上、フィンガー電極のみを図示し、バスバー電極の図示を省略している。
このような裏面電極型の太陽電池セル90bでは、受光面側に半導体基板900のみが見えることになるため、見た目の均一性が高く、意匠性の向上が図られる。
一方、裏面電極型の太陽電池セル90bでは、正極と負極の双方を裏面に形成する必要がある。すなわち、図16に示す裏面電極型の太陽電池セル90bは、それぞれ裏面に設けられた、正極となるp型フィンガー電極904pと、負極となるn型フィンガー電極904nと、を有するものとなる。
このような裏面電極型の太陽電池セル90bでは、双方の電極を分離するための絶縁膜を設けるとともに、適宜、絶縁膜にコンタクトホールを設けることによって、ドーパント領域と電極との電気的接続を図っている。
図17は、図16に示す太陽電池セル90bの断面図である。
図17に示す太陽電池セル90bは、半導体基板900と、半導体基板900に形成されたp+不純物領域903pおよびn+不純物領域903nと、p+不純物領域903pに接続されたp型フィンガー電極904pと、n+不純物領域903nに接続されたn型フィンガー電極904nと、を有する。
図17に示す太陽電池セル90bは、半導体基板900と、半導体基板900に形成されたp+不純物領域903pおよびn+不純物領域903nと、p+不純物領域903pに接続されたp型フィンガー電極904pと、n+不純物領域903nに接続されたn型フィンガー電極904nと、を有する。
このような裏面電極型の太陽電池セル90bでは、p+不純物領域903pがp+コンタクト908pを介してp型フィンガー電極904pと電気的に接続されており、n+不純物領域903nがn+コンタクト908nを介してn型フィンガー電極904nと電気的に接続されている。
また、p型フィンガー電極904pおよびn型フィンガー電極904nは、層間絶縁膜909で覆われているとともに、その上にはp型バスバー電極910pおよびn型バスバー電極(図示せず)が設けられている。そして、p型フィンガー電極904pとp型バスバー電極910pとの間がp型ビア配線911pを介して電気的に接続されており、n型フィンガー電極904nとn型バスバー電極(図示せず)との間がn型ビア配線911nを介して電気的に接続されている。
さらに、p型バスバー電極910pおよびn型バスバー電極は、パッシベーション膜912で覆われている。
以上のような積層構造をとることにより、p型バスバー電極910pおよびn型バスバー電極を、いずれも裏面側から外部に接続させることができる。
ここで、図18は、図17に示す太陽電池セル90bの円弧901近傍の部分拡大図である。
図18に示す太陽電池セル90bでは、前述したように、p型フィンガー電極904pおよびn型フィンガー電極904nがそれぞれ弦と平行に延在している。このため、p型フィンガー電極904pおよびn型フィンガー電極904nの各両端では、電極の形状が円弧901に沿って先細りする形状にならざるを得ない。その結果、この部分には前述したp+コンタクト908pやn+コンタクト908nを配置することができず、受光によって発生したキャリアを取り出すことができない領域(図18の網掛け部)が生じることになる。そうなると、その分、太陽電池セル90bの光電変換効率が低下することとなる。
加えて、このような先細りの形状を有する電極は、例えばフォトリソグラフィー技術や印刷技術を用いて電極を形成する際の難易度が高いという問題がある。
また、図19は、図18に示す太陽電池セル90bの変形例である。
図19に示す太陽電池セル90cは、p型バスバー電極910pおよびn型バスバー電極(図示せず)が、p型フィンガー電極904pおよびn型フィンガー電極904nと同一平面上に形成されている以外、図18に示す太陽電池セル90bと同様である。また、p型バスバー電極910pは、円弧901に沿って延在しており、p型フィンガー電極904pの端部で接続されている。
図19に示す太陽電池セル90cは、p型バスバー電極910pおよびn型バスバー電極(図示せず)が、p型フィンガー電極904pおよびn型フィンガー電極904nと同一平面上に形成されている以外、図18に示す太陽電池セル90bと同様である。また、p型バスバー電極910pは、円弧901に沿って延在しており、p型フィンガー電極904pの端部で接続されている。
このような太陽電池セル90cにおいても、前述したように、p型フィンガー電極904pとp型バスバー電極910pとの接続部907pにおいて、円弧901上の位置に応じてp型フィンガー電極904pとp型バスバー電極910pとの交差角が異なっている。このため、円弧901上の位置によっては、この交差角が極めて小さくなる場合がある。このような小さな交差角を有する接続部907pは、前述したように電極を形成する際の難易度を高めることになり、太陽電池セル90cの製造歩留まりの低下を招く。
本発明の目的は、光電変換効率が高く製造が容易な光電変換素子、ならびに、かかる光電変換素子を備える信頼性の高い光電変換モジュールおよび電子機器を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光電変換素子は、曲線を含む基板外縁と、前記基板外縁の内側に位置し曲線を含む基板内縁と、を有する半導体基板と、
前記半導体基板の一方の面に設けられている複数の第1電極と、
を備え、
前記第1電極は、前記基板外縁が含む曲線の垂線方向に延在していることを特徴とする。
本発明の光電変換素子は、曲線を含む基板外縁と、前記基板外縁の内側に位置し曲線を含む基板内縁と、を有する半導体基板と、
前記半導体基板の一方の面に設けられている複数の第1電極と、
を備え、
前記第1電極は、前記基板外縁が含む曲線の垂線方向に延在していることを特徴とする。
これにより、第1電極がその端部において先細りの形状になるおそれがなく、端部までドーパント領域を配置することができるので、受光によって発生したキャリアを無駄なく取り出すことができ、光電変換効率が高い光電変換素子が得られる。また、第1電極を例えばフォトリソグラフィー技術や印刷技術等で形成するとき、その難易度を下げることができるので、製造が容易な光電変換素子が得られる。
本発明の光電変換素子では、前記第1電極は、前記基板外縁に臨む第1電極外縁と、前記基板内縁に臨む第1電極内縁と、を有しており、
前記第1電極外縁の長さは、前記第1電極内縁の長さより長いことが好ましい。
前記第1電極外縁の長さは、前記第1電極内縁の長さより長いことが好ましい。
これにより、第1電極同士の隙間を一定にしながら、第1電極を半導体基板に対してできるだけ隙間なく敷き詰めることができる。このため、第1電極同士の絶縁性を確保しつつ、第1電極による反射膜としての機能をより高めることができる。
本発明の光電変換素子では、複数の前記第1電極は、前記基板外縁に沿って配列されていることが好ましい。
これにより、各第1電極の形状や面積を均一化することができ、光電変換素子の構造の均一化を図ることができるので、光電変換素子における反り等の変形が発生しにくくなる。
本発明の光電変換素子では、複数の前記第1電極と接続されている第2電極を備え、
前記第2電極の延在方向は、前記第1電極の延在方向と交差していることが好ましい。
前記第2電極の延在方向は、前記第1電極の延在方向と交差していることが好ましい。
これにより、複数の第1電極を跨ぐように第2電極が配置されることになるので、双方の交差部に電極間ビア配線が配置された場合、第2電極が効果的な集電体となる。
本発明の光電変換素子では、前記第2電極は、前記半導体基板の厚さ方向において前記第1電極と重なっていることが好ましい。
これにより、第2電極の配置に必要なスペースを確保する必要がないため、半導体基板において第1電極やドーパント領域を配置するスペースをより広く確保することができる。その結果、取り出せるキャリアの数が増えるとともに、第1電極の反射膜としての機能が向上するため、光電変換効率をより高めることができる。
本発明の光電変換素子では、前記第2電極は、前記基板外縁に臨む第2電極外縁と、前記基板内縁に臨む第2電極内縁と、を有しており、
前記第2電極外縁の長さは、前記第2電極内縁の長さより長いことが好ましい。
前記第2電極外縁の長さは、前記第2電極内縁の長さより長いことが好ましい。
これにより、第2電極は、半導体基板と同様の形状となり、複数の第1電極に対して交差させやすくなる。
本発明の光電変換素子では、前記第2電極の端子を複数備えており、
複数の前記端子は、前記基板外縁に沿って配列されていることが好ましい。
複数の前記端子は、前記基板外縁に沿って配列されていることが好ましい。
これにより、光電変換素子と配線基板との間を、電気的かつ機械的により確実に接続することができる。
本発明の光電変換素子では、前記基板外縁および前記基板内縁は、互いに同心の円弧を含むことが好ましい。
これにより、第1電極の設計が容易になるとともに、光電変換素子の構造のバランスが最適化される。その結果、光電変換素子における反り等の変形が発生しにくくなる。
本発明の光電変換素子では、前記半導体基板は、単結晶性を有することが好ましい。
これにより、光電変換効率が特に高い光電変換素子が得られる。また、光電変換素子の省スペース化が図られることにより、電子機器の意匠性をより高めることができる。さらに、室内光のような低照度光においても光電変換効率が低下しにくい光電変換素子が得られる。
これにより、光電変換効率が特に高い光電変換素子が得られる。また、光電変換素子の省スペース化が図られることにより、電子機器の意匠性をより高めることができる。さらに、室内光のような低照度光においても光電変換効率が低下しにくい光電変換素子が得られる。
本発明の光電変換モジュールは、本発明の光電変換素子と、
前記光電変換素子と重なるように設けられている配線基板と、
を有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い光電変換モジュールが得られる。
前記光電変換素子と重なるように設けられている配線基板と、
を有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い光電変換モジュールが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の光電変換素子を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の光電変換素子、光電変換モジュールおよび電子機器について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<電子機器>
まず、本発明の電子機器の実施形態を適用した電子時計について説明する。かかる電子時計は、受光面に光が照射されると、内蔵する太陽電池(光電変換モジュール)によって発電(光電変換)し、発電により得られた電力を駆動電力として利用するように構成されている。
まず、本発明の電子機器の実施形態を適用した電子時計について説明する。かかる電子時計は、受光面に光が照射されると、内蔵する太陽電池(光電変換モジュール)によって発電(光電変換)し、発電により得られた電力を駆動電力として利用するように構成されている。
図1、2は、それぞれ、本発明の電子機器の実施形態を適用した電子時計を示す斜視図である。このうち、図1は、電子時計の表側(受光面側)から見たときの外観を表す斜視図であり、図2は、電子時計の裏側から見たときの外観を表す斜視図である。また、図3は、図1、2に示す電子時計の平面図であり、図4は、図1、2に示す電子時計の縦断面図である。
電子時計200は、ケース31と太陽電池80(光電変換モジュール)と表示部50と光センサー部40を含む機器本体30と、ケース31に取り付けられた2つのバンド10と、を有している。
なお、以下の説明では、太陽電池80の受光面に直交する方向に延在する方向軸をZ軸とする。また、電子時計の裏側から表側への向きを「+Z方向」とし、その反対向きを「−Z方向」とする。
一方、Z軸に直交する2つの軸を「X軸」および「Y軸」とする。このうち、2つのバンド10同士を結ぶ方向軸をY軸とし、Y軸に直交する方向軸をX軸とする。また、表示部50の上向きを「+Y方向」とし、下向きを「−Y方向」とする。また、太陽電池80の受光面を平面視したとき、右向きを「+X方向」とし、左向きを「−X方向」とする。
以下、電子時計200の構成について順次説明する。
以下、電子時計200の構成について順次説明する。
(機器本体)
機器本体30は、表側および裏側に開口したケース31と、表側の開口部を塞ぐように設けられた風防板55と、ケース31の表面と風防板55の側面とを覆うように設けられたベゼル57と、裏側の開口部を塞ぐように設けられた透明カバー44と、を備える筐体を有している。この筐体内には、後述する種々の構成要素が収容される。
機器本体30は、表側および裏側に開口したケース31と、表側の開口部を塞ぐように設けられた風防板55と、ケース31の表面と風防板55の側面とを覆うように設けられたベゼル57と、裏側の開口部を塞ぐように設けられた透明カバー44と、を備える筐体を有している。この筐体内には、後述する種々の構成要素が収容される。
筐体のうち、ケース31は円環状をなしており、表側には風防板55を嵌め込み可能な開口部35を備え、裏側には透明カバー44を嵌め込み可能な開口部(測定窓部45)を備えている。
また、ケース31の裏側の一部は、突出するように成形された凸状部32になっている。この凸状部32の頂部が開口しており、この開口部に透明カバー44が嵌め込まれているとともに、透明カバー44の一部が開口部から突出している。
ケース31の構成材料としては、例えばステンレス鋼、チタン合金のような金属材料の他、樹脂材料、セラミック材料等が挙げられる。また、ケース31は、複数の部位の組み立て体であってもよく、その場合、部位同士で構成材料が異なっていてもよい。
また、ケース31の外側面には、複数の操作部58(操作ボタン)が設けられている。
また、ケース31の外側面には、複数の操作部58(操作ボタン)が設けられている。
また、ケース31の表側に設けられた開口部35の外縁には、+Z方向に突出する突起部34が形成されている。そして、この突起部34を覆うように、円環状をなすベゼル57が設けられている。
さらに、ベゼル57の内側には風防板55が設けられている。そして、風防板55の側面とベゼル57との間が、パッキンや接着剤のような接合部材56を介して接着されている。
風防板55および透明カバー44の構成材料としては、例えばガラス材料、セラミック材料、樹脂材料等が挙げられる。また、風防板55は透光性を有し、風防板55を介して表示部50の表示内容を視認することができるようになっている。さらに、透明カバー44も透光性を有し、光センサー部40を生体情報測定部として機能させることができる。
また、筐体の内部空間36は、後述する種々の構成要素を収容可能な閉空間になっている。
機器本体30は、それぞれ内部空間36に収容される要素として、回路基板20と、方位センサー22(地磁気センサー)と、加速度センサー23と、GPSアンテナ28と、光センサー部40と、表示部50を構成する電気光学パネル60および照明部61と、二次電池70と、太陽電池80と、を備えている。また、機器本体30は、これらの要素の他にも、標高や水深等を算出するための圧力センサー、温度を測定する温度センサー、角速度センサーのような各種センサー、バイブレーター等を備えていてもよい。
回路基板20は、前述した要素同士を電気的に接続する配線を含む基板である。また、回路基板20には、前述した要素の動作を制御する制御回路や駆動回路等を含むCPU21(Central Processing Unit)および他の回路素子24が搭載されている。
また、太陽電池80、電気光学パネル60、回路基板20および光センサー部40は、風防板55側からこの順で配置されている。これにより、太陽電池80は、風防板55に近接して配置されることになり、多くの外部光が太陽電池80に効率よく入射する。その結果、太陽電池80における発電効率を最大限に高めることができる。
以下、機器本体30に収容される要素についてさらに詳述する。
回路基板20は、その端部が回路ケース75を介してケース31に取り付けられている。
回路基板20は、その端部が回路ケース75を介してケース31に取り付けられている。
また、回路基板20には、接続配線部63および接続配線部81が電気的に接続されている。このうち、接続配線部63を介して回路基板20と電気光学パネル60とが電気的に接続されている。また、接続配線部81を介して回路基板20と太陽電池80とが電気的に接続されている。これらの接続配線部63、81は、例えばフレキシブル回路基板で構成され、内部空間36の隙間に効率よく引き回される。
方位センサー22および加速度センサー23は、電子時計200を装着したユーザーの体の動きに係る情報を検出することができる。方位センサー22および加速度センサー23は、ユーザーの体動に応じて変化する信号を出力し、CPU21に送信する。
CPU21は、GPSアンテナ28を含むGPS受信部(図示せず)を制御する回路、光センサー部40を駆動しユーザーの脈波等を測定する回路、表示部50を駆動する回路、太陽電池80の発電を制御する回路等を含む。
GPSアンテナ28は、複数の位置情報衛星から電波を受信する。また、機器本体30は、図示しない信号処理部を備えている。信号処理部は、GPSアンテナ28が受信した複数の測位信号に基づいて測位計算を行い、時刻および位置情報を取得する。信号処理部は、これらの情報をCPU21に送信する。
光センサー部40は、ユーザーの脈波等を検出する生体情報測定部である。図4に示す光センサー部40は、受光部41と、受光部41の外側に設けられた複数の発光部42と、受光部41および発光部42が搭載されたセンサー基板43と、を含む光電センサーである。また、受光部41および発光部42は、前述した透明カバー44を介して、ケース31の測定窓部45に臨んでいる。また、機器本体30が備える接続配線部46を介して回路基板20と光センサー部40とが電気的に接続されている。
このような光センサー部40は、発光部42から射出した光を被検体(例えばユーザーの皮膚)に対して照射し、その反射光を受光部41で受光することにより、脈波を検出する。光センサー部40は、検出した脈波の情報をCPU21に送信する。
なお、光電センサーに代えて、心電計、超音波センサーのような他のセンサーを用いるようにしてもよい。
また、機器本体30は、図示しない通信部を備えている。この通信部は、機器本体30が取得した各種の情報や記憶している情報、CPU21による演算結果等を外部に送信する。
表示部50は、風防板55を介して、電気光学パネル60の表示内容をユーザーに視認させる。これにより、例えば前述した要素から取得した情報を、文字や画像として表示部50に表示し、ユーザーに認識させることができる。
電気光学パネル60としては、例えば、液晶表示素子、有機EL(Organic Electro Luminescence)表示素子、電気泳動表示素子、LED(Light Emitting Diode)表示素子等が挙げられる。
図4では、一例として、電気光学パネル60が反射型の表示素子(例えば反射型液晶表示素子、電気泳動表示素子等)である場合を図示している。このため、表示部50は、電気光学パネル60が備える導光板(図示せず)の光入射面に設けられた照明部61を備えている。照明部61としては、例えばLED素子が挙げられる。このような照明部61および導光板は、反射型表示素子のフロントライトとして機能する。
なお、電気光学パネル60が透過型の表示素子(例えば透過型液晶表示素子等)である場合には、フロントライトに代えてバックライトを設けるようにすればよい。
また、電気光学パネル60が自発光型の表示素子(例えば有機EL表示素子、LED表示素子等)である場合や、自発光型ではないものの外光を利用する表示素子である場合には、フロントライトやバックライトを省略することができる。
二次電池70は、図示しない配線を介して回路基板20に接続されている。これにより、二次電池70から出力される電力を、前述した要素の駆動に用いることができる。また、太陽電池80で発電した電力によって、二次電池70を充電することができる。
以上、電子時計200について説明したが、本発明の電子機器の実施形態は電子時計に限定されず、例えば携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、カメラ等であってもよい。
(太陽電池)
≪第1実施形態≫
次に、本発明の光電変換モジュールの第1実施形態を適用した太陽電池80について詳述する。
≪第1実施形態≫
次に、本発明の光電変換モジュールの第1実施形態を適用した太陽電池80について詳述する。
太陽電池80は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換モジュールである。
図5は、図4に示す電子時計200のうち太陽電池80のみを図示した平面図である。また、図6は、図5に示す太陽電池80の分解斜視図である。
図5に示す太陽電池80(光電変換モジュール)は、風防板55と電気光学パネル60との間に設けられ、結晶性を有する半導体基板からなる4つのセル80a、80b、80c、80d(光電変換素子)と、4つのセル80a、80b、80c、80dと電気的に接続された配線基板82と、を備えている。
セル80a、80b、80c、80dは、それぞれ板状をなしており、その主面はZ軸方向に向いている。また、セル80a、80b、80c、80dの各主面のうち、風防板55に臨む主面は、外部光を受光する受光面84となる。一方、電気光学パネル60に臨む主面は、発電した電力を取り出す電極パッドが設けられた電極面85となる。
図5に示す太陽電池80の平面視形状は、円環になっている。換言すれば、4つのセル80a、80b、80c、80dがわずかな隙間を介して並ぶことにより、全体の平面視形状は、内縁形状(内形形状)および外縁形状(外形形状)がそれぞれ円形である円環になっている。
一方、前述したケース31の開口部35は、円形をなしていることから、その内縁は曲線を含んでいる。
このような電子時計200によれば、円形の開口部35を有するケース31に対して、表示部50のような主要部位のスペースを確保しつつ、太陽電池80を効率的に配置することができる。これにより、太陽電池80を風防板55に近接して配置することができるので、太陽電池80の発電効率を十分に高めることができる。一方、表示部50の配置スペースを、開口部35の中心部に確保することができるので、表示部50の視認性が良好になるとともに、表示部50と太陽電池80との配置のバランスも良好になる。その結果、太陽電池80の発電効率と全体的な意匠性とを両立した電子時計200が得られる。
なお、ケース31の開口部35(の内縁)は、少なくとも一部に曲線を含んでいればよく、例えば直線と曲線とを含んでいてもよい。
また、「太陽電池80の外縁」とは、太陽電池80の輪郭のうち、開口部35の外側に臨む部分のことをいい、「太陽電池80の内縁」とは、太陽電池80の輪郭のうち、開口部35の中心側に臨む部分のことをいう。
また、4つのセル80a、80b、80c、80dにおいて、それぞれの内縁および外縁は、互いに同じ中心を持つ円(同心円)の一部であることが好ましい。換言すれば、4つのセル80a、80b、80c、80dの集合体が円環をなすとき、その円環の内円と外円とが同心円であることが好ましい。これにより、とりわけ意匠性が高い電子時計200を実現することができる。
なお、図3に示すように、太陽電池80の内縁側には、表示部50(電気光学パネル60)が設けられるが、この表示部50の外形形状は、太陽電池80の内縁に沿っている。換言すれば、電子時計200は、太陽電池80の内縁に沿う外形形状を含む電気光学パネル60を有する。このように配置することで、例えば太陽電池80の内側に配される表示部50の外形形状を円形にすることができるので、意匠性が高い電子時計200を実現することができる。
また、太陽電池80の少なくとも一部は、電気光学パネル60の画素領域より外側と重なるように配置されている。これにより、例えば、太陽電池80の受光面84を正視するように電子時計200を見たとき、太陽電池80よりも遠い位置に表示部50(電気光学パネル60)が配置されれば、太陽電池80は、電気光学パネル60の画素領域の外側を覆う、いわゆる見切り板として機能することができる。
なお、本実施形態では、4つのセル80a、80b、80c、80dの集合体によって太陽電池80が構成されているが、セルの数は、1つであってもよく、2つ以上の任意の数であってもよい。
また、本実施形態では、太陽電池80の平面視形状が円環になっているが、多重の円環であってもよい。
また、4つのセル80a、80b、80c、80dのうち、1つ以上が省略されてもよく、セル同士の形状が互いに異なっていてもよい。
また、太陽電池80が含む半導体基板は、前述したように結晶性を有している。この結晶性とは、単結晶性または多結晶性のことをいう。このような結晶性を有する半導体基板を含むことにより、非晶質性を有する半導体基板を含む場合に比べて、より発電効率の高い太陽電池80が得られる。かかる太陽電池80は、仮に同じ電力を発電する場合、より面積を小さくすることを可能にする。このため、結晶性を有する半導体基板を含むことにより、発電効率と意匠性とをより高度に両立させた電子時計200が得られる。
特に、半導体基板は、単結晶性を有するものが好ましい。これにより、太陽電池80の発電効率が特に高められる。したがって、発電効率と意匠性との両立を最大限に図ることができる。また、特に、太陽電池80の省スペース化が図られることにより、電子時計200の意匠性をより高めることができる。さらに、室内光のような低照度光においても発電効率が低下しにくいという利点もある。
半導体基板としては、例えばシリコン基板の他、化合物半導体基板(例えばGaAs基板)等が挙げられる。
なお、単結晶性を有するとは、半導体基板全体が単結晶である場合の他、一部が多結晶または非晶質である場合も含む。後者の場合、単結晶の体積が相対的に大きい(例えば全体の90体積%以上である)ことが好ましい。
また、太陽電池80は、好ましくは裏面電極型とされる。具体的には、図6に示すように、4つのセル80a、80b、80c、80dの電極面85に、それぞれ電極パッド86、87が設けられている。このうち、電極パッド86は正極であり、一方、電極パッド87は負極である。したがって、電極パッド86および電極パッド87から配線を介して電力を取り出すことができる。
裏面電極型では、全ての電極パッドを電極面85(裏面)側に配置することができる。このため、受光面84を最大限に大きくすることができ、受光面積の最大化に伴う発電効率の向上を図ることができる。加えて、受光面84側に電極パッドを設けることによる意匠性の低下を防止することができる。このため、電子時計200の意匠性をさらに高めることができる。
また、太陽電池80は、図5に示すように、電極パッド86および電極パッド87をそれぞれ複数含んでいるのが好ましい。これにより、セル80a、80b、80c、80dと配線基板82との間を、電気的かつ機械的により確実に接続することができる。
また、複数の電極パッド86は、太陽電池80の外縁に沿って配置されている。一方、複数の電極パッド87は、太陽電池80の内縁に沿って配置されている。このような配置をとることにより、太陽電池80の延在方向(周方向)に沿って接続点を確保することができる。このため、太陽電池80をより確実に固定することができ、かつ、太陽電池80と配線基板82との間の接続抵抗を十分に低減させることができる。
なお、電極パッド86、87の配置は、図示のものに限定されず、例えば電極パッド86の列の位置と電極パッド87の列の位置とが入れ替わっていてもよい。
また、1つのセル当たりの電極パッド86、87の数も、特に限定されず、それぞれ1つであっても、任意の複数であってもよい。また、電極パッド86、87の形状も、特に限定されず、いかなる形状であってもよい。
図7は、図5に示す太陽電池80のA−A線断面図である。なお、図7では、半導体基板としてSi基板800を用いた例を図示している。
図7に示す太陽電池80は、セル80aと配線基板82とを備えている。
このうち、セル80aは、Si基板800と、Si基板800に形成されたp+不純物領域801およびn+不純物領域802と、p+不純物領域801およびn+不純物領域802に接続されているフィンガー電極804(第1電極)と、フィンガー電極804に接続されているバスバー電極805(第2電極)と、を備えている。なお、図7では、図示の便宜上、p+不純物領域801に接続されているバスバー電極805および電極パッド86(正極)のみを図示し、n+不純物領域802に接続されているバスバー電極および電極パッド(負極)の図示を省略している。また、図7では、n+不純物領域802に接続されているフィンガー電極804について破線で示しており、このフィンガー電極804がバスバー電極805と電気的に接続されていないことを表している。
このうち、セル80aは、Si基板800と、Si基板800に形成されたp+不純物領域801およびn+不純物領域802と、p+不純物領域801およびn+不純物領域802に接続されているフィンガー電極804(第1電極)と、フィンガー電極804に接続されているバスバー電極805(第2電極)と、を備えている。なお、図7では、図示の便宜上、p+不純物領域801に接続されているバスバー電極805および電極パッド86(正極)のみを図示し、n+不純物領域802に接続されているバスバー電極および電極パッド(負極)の図示を省略している。また、図7では、n+不純物領域802に接続されているフィンガー電極804について破線で示しており、このフィンガー電極804がバスバー電極805と電気的に接続されていないことを表している。
Si基板800としては、例えばSi(100)基板等が用いられる。なお、Si基板800の結晶面は、特に限定されず、Si(100)面以外の結晶面であってもよい。
Si基板800(半導体基板)の主要構成元素以外の不純物元素濃度は、できるだけ低いことが好ましいが、それぞれ1×1011[atoms/cm2]以下であるのがより好ましく、1×1010[atoms/cm2]以下であるのがさらに好ましい。不純物元素濃度が前記範囲内であることにより、Si基板800の不純物が光電変換に及ぼす影響を十分に小さく抑えることができる。これにより、小面積であっても十分な電力を発生させ得る太陽電池80を実現することができる。さらに、室内光のような低照度光においても発電効率が低下しにくくなるという利点もある。
なお、Si基板800の不純物元素濃度は、例えばICP−MS(Inductively Coupled Plasma - Mass Spectrometry)法により測定することができる。
また、p+不純物領域801に接続されているバスバー電極805の一部が露出し、前述した電極パッド86を構成している。一方、n+不純物領域802に接続されているバスバー電極(図示せず)の一部が露出し、前述した電極パッド87を構成している。
また、電極パッド86は、図7に示すように、導電接続部83を介して、配線基板82と接続されている。同様に、電極パッド87も、図示しない導電接続部を介して、配線基板82と接続されている。
導電接続部83としては、例えば導電ペースト、導電シート、金属材料、はんだ、ろう材等が挙げられる。
Si基板800の受光面84には、テクスチャーが形成されている。このテクスチャーは、例えば任意の形状をなす凹凸形状のことをいう。具体的には、例えば受光面84に形成された多数のピラミッド状突起で構成される。このようなテクスチャーを設けることにより、受光面84における外部光の反射を抑制し、Si基板800に入射する光量の増大を図ることができる。
なお、Si基板800が例えばSi(100)面を主面とする基板である場合、Si(111)面を傾斜面とするピラミッド状突起がテクスチャーとして好適に用いられる。
また、太陽電池80は、受光面84に設けられた、図示しないパッシベーション膜を備えている。なお、このパッシベーション膜は、反射防止膜の機能を有していてもよい。一方、太陽電池80は、電極面85に設けられたパッシベーション膜806を備えている。
また、フィンガー電極804とSi基板800との間、および、バスバー電極805とフィンガー電極804との間は、それぞれ層間絶縁膜807を介して絶縁されている。
パッシベーション膜806や層間絶縁膜807の構成材料としては、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム等が挙げられる。
フィンガー電極804やバスバー電極805の構成材料としては、例えば、アルミニウム、チタン、銅のような金属の単体または合金等が挙げられる。
配線基板82は、絶縁基板821と、その上に設けられた導電膜822と、を備えている。
絶縁基板821としては、例えばポリイミド基板、ポリエチレンテレフタレート基板のような各種樹脂基板が挙げられる。導電膜822の構成材料としては、例えば銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銀または銀合金等が挙げられる。
また、各セル80a、80b、80c、80d同士の隙間の長さd(図3参照)は、特に限定されないが、0.05mm以上3mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上1mm以下であるのがより好ましい。隙間の長さdを前記範囲内に設定することにより、受光面84側から太陽電池80を見たとき、図7に示す端面808がより見えにくくなる。また、隙間の長さdが短すぎることによる、太陽電池80の組み立てにくさやセル同士が接触しやすくなるという問題を回避するという観点からも有用である。
また、各セル80a、80b、80c、80dの厚さは、特に限定されないが、50μm以上500μm以下であるのが好ましく、100μm以上300μm以下であるのがより好ましい。これにより、太陽電池80の光電変換効率と機械的特性との両立を図ることができる。また、電子時計200の薄型化にも貢献することができる。
配線基板82は、4つのセル80a、80b、80c、80dと重なるように設けられている。このような配線基板82は、絶縁基板821と、その上に設けられた導電膜822と、導電膜822と重なる部分に開口部824を含む絶縁膜823と、を備えている。
なお、「配線基板82が4つのセル80a、80b、80c、80dと重なる」とは、配線基板82の平面視において、配線基板82が少なくとも1つのセルと重なって見える状態をいう。また、その場合、1つのセルの全体と重なっている必要はなく、その少なくとも一部と重なっていればよい。
なお、本実施形態では、配線基板82が4つのセル80a、80b、80c、80dと重なっている。
絶縁基板821としては、例えばポリイミド基板、ポリエチレンテレフタレート基板のような各種樹脂基板が挙げられる。
導電膜822の構成材料としては、例えば銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銀または銀合金等が挙げられる。
絶縁膜823の構成材料としては、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂のような各種樹脂材料が挙げられる。
また、絶縁基板821と絶縁膜823との間は、接着層825を介して接着されている。
接着層825の構成材料としては、例えばエポキシ系接着材、シリコーン系接着材、オレフィン系接着材、アクリル系接着材等が挙げられる。
ここで、図8は、図6に示すセル80aの電極面85を示す平面図である。なお、図8では、前述したパッシベーション膜806に覆われているフィンガー電極804やバスバー電極805を透視するように図示している。
また、図9は、図8に示す平面図のうちフィンガー電極804を選択的に示す図であり、図10は、図8に示す平面図のうちバスバー電極805および電極パッド86、87を選択的に示す図である。フィンガー電極804およびバスバー電極805は、互いに階層が異なるため、図9および図10において階層別に分けて図示している。
なお、以下の説明では、セル80aを代表として説明するが、その説明はセル80b、80c、80dについても同様である。
セル80aは、図8〜図10に示すように、Si基板800を備えている。このSi基板800は、輪郭に2つの円弧を含んでいる。このうち、図5に示す円環の外縁の一部に相当する円弧が基板外縁800aであり、円環の内縁の一部に相当する円弧が基板内縁800bである。
また、図8〜図10に示すセル80aは、Si基板800に形成されたp+不純物領域801(図7参照)を覆うように設けられたp型フィンガー電極804pと、p+不純物領域801とp型フィンガー電極804pとの間を電気的に接続するp+コンタクト811pと、を備えている。
また、図8〜図10に示すセル80aは、Si基板800に形成されたn+不純物領域802(図7参照)を覆うように設けられたn型フィンガー電極804nと、n+不純物領域802とn型フィンガー電極804nとの間を電気的に接続するn+コンタクト811nと、を備えている。
そして、p+コンタクト811pは、1つのp型フィンガー電極804pに対して複数設けられている。したがって、それに応じて、図7に示すp+不純物領域801も、1つのp型フィンガー電極804pに対して複数設けられている。これにより、受光によって発生した正孔(キャリア)を効率よく取り出すことができる。
同様に、n+コンタクト811nは、1つのn型フィンガー電極804nに対して複数設けられている。したがって、それに応じて、図7に示すn+不純物領域802も、1つのn型フィンガー電極804nに対して複数設けられている。これにより、受光によって発生した電子(キャリア)を効率よく取り出すことができる。
p+コンタクト811pおよびn+コンタクト811nの構成材料は、例えば、前述したフィンガー電極804の構成材料と同様のものから適宜選択される。
なお、前述したフィンガー電極804は、p型フィンガー電極804pおよびn型フィンガー電極804nの双方を指している。
また、図8および図9では、p+コンタクト811pおよびn+コンタクト811nに対して相対的に密なドットを付し、フィンガー電極804に対して相対的に疎なドットを付している。
ここで、フィンガー電極804は、図9に示すように、基板外縁800aが含む曲線の垂線PLの延伸方向に延在している。すなわち、セル80a(光電変換素子)は、曲線を含む基板外縁800aと、基板外縁800aの内側(曲線の内側)に位置し曲線を含む基板内縁800bと、を有するSi基板800(半導体基板)と、Si基板800の一方の面に設けられている複数のフィンガー電極804(第1電極)と、を備え、フィンガー電極804は、基板外縁800aが含む曲線の垂線方向に延在している。このため、基板外縁800aが円弧である場合、フィンガー電極804は、その円弧の中心から放射状に延伸する直線に沿って延在することとなる。
フィンガー電極804がこのように配置されることで、フィンガー電極804は、基板外縁800a側の端部において先細りの形状になるおそれがない。すなわち、フィンガー電極804の延在方向が基板外縁800aに対してほぼ垂直になるため、フィンガー電極804は、基板外縁800a側の端部に至るまでほぼ一定の幅を確保することができる。このため、例えばp型フィンガー電極804pに対しては、その端部にもp+コンタクト811pを配置することができる。同様に、n型フィンガー電極804nに対しては、その端部にもn+コンタクト811nを配置することができる。これにより、受光によって発生したキャリアを無駄なく取り出すことができ、光電変換に寄与しない面積を縮小することができる。その結果、基板外縁800aに曲線を含む場合であっても、従来のように光電変換に寄与しない領域が多く発生することが防止されることとなり、光電変換効率が高いセル80aを実現することができる。
また、先細りの形状にする必要がないことから、フィンガー電極804の導通抵抗の低下を避けることができる。このため、かかる観点からもセル80aの光電変換効率の向上に寄与することができる。
さらに、先細りの形状にする必要がないことから、フィンガー電極804を例えばフォトリソグラフィー技術や印刷技術等で形成するとき、その難易度を下げることができる。すなわち、製造技術の精細度によっては、先細りの形状の先端に向かうにつれて、形状の精度が低下しやすいが、上記のようなフィンガー電極804によれば、その懸念を低減することができる。このため、上記のような形状のフィンガー電極804は、太陽電池80の製造効率(製造歩留まり)や低コスト化の観点からも有用である。
なお、基板内縁800bは、その少なくとも一部が基板外縁800aの曲線の内側に位置していればよい。そして、曲線の内側とは、曲線の両端から、それぞれその曲線に直交する直線(垂線)を引き、その直線同士が交差する交差点を求めたとき、曲線と2本の直線とで囲まれた範囲のことをいう。
そして、太陽電池80(光電変換モジュール)は、このようなセル80a(光電変換素子)と、このセル80aと重なるように設けられている配線基板82と、を有する。したがって、太陽電池80は、電子時計200の各要素に必要な電力を十分に発生させることができ、信頼性の高いものとなる。
また、電子時計200(電子機器)は、このような太陽電池80を備えている。このため、外光によって安定的に駆動し得る信頼性の高い電子時計200が得られる。
一方、本実施形態に係るセル80aでは、前述した垂線PLが基板内縁800bにも直交している。このため、フィンガー電極804は、基板内縁800b側の端部においても先細りの形状になるおそれがない。このため、例えばp型フィンガー電極804pに対しては、基板内縁800b側の端部にもp+コンタクト811pを配置することができ、同様に、n型フィンガー電極804nに対しては、基板内縁800b側の端部にもn+コンタクト811nを配置することができる。これにより、セル80aの光電変換効率をより高めることができる。
なお、前述した垂線PLは、基板外縁800aの円弧の中心Oを通過していることが好ましい。これにより、フィンガー電極804の設計が容易になるとともに、セル80aの構造のバランスが最適化される。その結果、セル80aにおける反り等の変形が発生しにくくなる。
また、基板外縁800aおよび基板内縁800bは、互いに同心の円弧を含むことが好ましい。これにより、上記と同様、フィンガー電極804の設計が容易になるとともに、セル80aの構造のバランスが最適化される。その結果、セル80aにおける反り等の変形が発生しにくくなる。
なお、基板外縁800aおよび基板内縁800bは、それぞれ曲線を含んでいればよく、例えば、一部が直線であってもよいし、円弧以外の曲線を含んでいてもよい。
また、セル80aには、複数のフィンガー電極804が設けられている。このため、これらのフィンガー電極804は、基板外縁800aに沿って配列される(並ぶ)こととなる。換言すれば、配列軸が基板外縁800aとほぼ平行であるということができる。このように配列させることで、各フィンガー電極804の形状や面積を均一化することができ、セル80aの構造の均一化を図ることができる。その結果、セル80aにおける反り等の変形が発生しにくくなる。加えて、フィンガー電極804を、Si基板800に対してできるだけ隙間なく敷き詰めることができる。これにより、フィンガー電極804は、セル80aの電極面85側において、受光面84から入射した光を反射するための反射膜としても機能する。すなわち、フィンガー電極804が隙間なく敷き詰められることにより、受光面84から入射しSi基板800を透過してしまった光を、フィンガー電極804においてより高い確率で反射させることができる。これにより、光電変換に寄与する光量を増やすことでき、光電変換効率の向上を図ることができる。
さらに、少なくとも互いに隣り合うフィンガー電極804同士は、互いに同一形状であり、かつ、互いに同一面積であることが好ましい。これにより、セル80aの構造のさらなる均一化が図られることとなる。
なお、同一形状および同一面積とは、それぞれ、製造時に発生する誤差を許容する概念である。
また、配列軸が基板外縁800aとほぼ平行であるとは、これらのなす角度が10°以下の状態を指す。
また、フィンガー電極804が基板外縁800aに沿って配列される場合、p型フィンガー電極804pとn型フィンガー電極804nとが交互に並んでいるのが好ましいが、このような配列パターンに限定されるものではなく、一部または全部が異なる配列パターンであってもよい。例えば、図8では、p型フィンガー電極804p同士の間、または、n型フィンガー電極804n同士の間に、電極パッド86、87が配置されているが、光電変換効率の観点からは、p型フィンガー電極804pとn型フィンガー電極804nとの間に電極パッド86、87が配置されているのが好ましい。
また、フィンガー電極804の輪郭は、いかなる形状であってもよいが、図9では、基板外縁800aに臨む第1電極外縁812と、基板内縁800bに臨む第1電極内縁813と、を有している。そして、第1電極外縁812の長さは、第1電極内縁813の長さより長くなっている。つまり、図9に示すフィンガー電極804は、基板外縁800aの延在方向における長さを「幅」とするとき、第1電極内縁813から第1電極外縁812に向かうにつれて徐々に幅が広くなっている。
このような輪郭形状を有するフィンガー電極804によれば、フィンガー電極804同士の隙間を一定にしながら、フィンガー電極804をSi基板800に対してできるだけ隙間なく敷き詰めることが可能になる。このため、フィンガー電極804同士の絶縁性を確保しつつ、フィンガー電極804による反射膜としての機能をより高めることができる。
なお、第1電極外縁812が基板外縁800aに臨むとは、双方がほぼ一定の距離を保ちながら変位している状態を指す。そして、「一定の距離を保ちながら」とは、第1電極外縁812の全長にわたって、双方の離間距離の変化幅が、離間距離の最大値の100%以下(好ましくは離間距離の平均値の10%以下)である状態を指す。
同様に、第1電極内縁813が基板内縁800bに臨むとは、双方がほぼ一定の距離を保ちながら変位している状態を指す。そして、「一定の距離を保ちながら」とは、第1電極内縁813の全長にわたって、双方の離間距離の変化幅が、離間距離の最大値の100%以下(好ましくは離間距離の平均値の10%以下)である状態を指す。
なお、図9に示す2本の垂線PLは、互いに隣り合う2つのフィンガー電極804の幅の中心を通過している。また、前述したように各垂線PLは、基板外縁800aの円弧の中心Oを通過している。したがって、2本の垂線PL同士がなす角度θは、隣り合うフィンガー電極804同士のピッチに相当する。この角度θは、Si基板800におけるキャリア移動度等に応じて適宜設定されるが、一例として0.05°以上1°以下であるのが好ましく、0.1°以上0.5°以下であるのがより好ましい。これにより、各フィンガー電極804に対応して設けられるコンタクト同士のピッチやドーパント領域同士のピッチが最適化されるため、受光により発生したキャリアの取り出し効率が向上するとともに、キャリアの再結合確率を低下させることができる。その結果、光電変換効率が特に高いセル80aが得られる。
また、フィンガー電極804の幅は、上記と同様の観点から、3μm以上100μm以下であるのが好ましく、5μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
一方、フィンガー電極804同士の間隔は、1μm以上50μm以下であるのが好ましく、3μm以上30μm以下であるのがより好ましい。これにより、フィンガー電極804同士の絶縁を図りつつ、フィンガー電極804が占める面積を十分に大きくすることができる。
一方、セル80aは、図8および図10に示すように、複数のフィンガー電極804を跨ぐように、かつ、これらのフィンガー電極804を覆うように設けられたp型バスバー電極805pおよびn型バスバー電極805nを備えている。そして、p型バスバー電極805pは、p型ビア配線814pを介して複数のp型フィンガー電極804pと電気的に接続されており、n型バスバー電極805nは、n型ビア配線814nを介して複数のn型フィンガー電極804nと電気的に接続されている。
また、p型ビア配線814pは、1つのp型バスバー電極805pに対して複数設けられている。同様に、n型ビア配線814nも、1つのn型バスバー電極805nに対して複数設けられている。
p型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nの構成材料は、例えば、前述したバスバー電極805の構成材料と同様のものから適宜選択される。
なお、前述したバスバー電極805は、p型バスバー電極805pおよびn型バスバー電極805nの双方を指している。
また、図10では、p型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nに対して相対的に密なドットを付し、バスバー電極805に対して相対的に疎なドットを付している。
ここで、バスバー電極805の延在方向は、図8および図10に示すように、フィンガー電極804の延在方向と交差している。すなわち、前述したように、フィンガー電極804が基板外縁800aの垂線方向に延在しているのに対し、バスバー電極805は、基板外縁800aと平行な方向に延在している。したがって、図8に示すようにSi基板800を平面視したとき、フィンガー電極804とバスバー電極805とがほぼ直交することとなる。これにより、複数のフィンガー電極804を跨ぐようにバスバー電極805が配置されることになるので、双方の交差部にp型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nが配置された場合、バスバー電極805が効果的な集電体となる。
なお、「平行な方向」とは、バスバー電極805と基板外縁800aとがほぼ一定の距離を保ちながら変位している状態を指す。そして、「一定の距離を保ちながら」とは、バスバー電極805の全長にわたって、双方の離間距離の変化幅が、離間距離の最大値の100%以下(好ましくは離間距離の平均値の10%以下)である状態を指す。
また、フィンガー電極804とバスバー電極805との交差角度は、90°に限定されず、鋭角側の角度が30°以上90°未満程度であってもよい。また、バスバー電極805は、必ずしも基板外縁800aと平行でなくてもよく、直線状に延在するものであってもよい。
また、前述したように、本実施形態に係るバスバー電極805は、Si基板800の厚さ方向においてフィンガー電極804と重なっている。これにより、バスバー電極805の配置に必要なスペースを確保する必要がないため、Si基板800においてフィンガー電極804やp+不純物領域801およびn+不純物領域802を配置するスペースをより広く確保することができる。その結果、取り出せるキャリアの数が増えるとともに、フィンガー電極804の反射膜としての機能が向上するため、光電変換効率をより高めることができる。
なお、バスバー電極805は、図示しない層間絶縁膜を介してフィンガー電極804と絶縁されている一方、層間絶縁膜を貫通するp型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nを介してフィンガー電極804と電気的に接続されている。
このとき、Si基板800の平面視におけるp型ビア配線814pの位置は、p+コンタクト811pの位置と重なっていてもよいが、ずれていることが好ましい。同様に、Si基板800の平面視におけるn型ビア配線814nの位置は、n+コンタクト811nの位置と重なっていてもよいが、ずれていることが好ましい。これにより、p型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nの下地の平坦性が高くなるため、形成位置のずれ等が生じにくくなる。このため、セル80aの製造歩留まりの低下を抑制することができる。
なお、好ましくは、p型ビア配線814pの位置は、p+コンタクト811p同士の中間に設けられ、n型ビア配線814nの位置は、n+コンタクト811n同士の中間に設けられる。
また、バスバー電極805の輪郭は、いかなる形状であってもよいが、図10では、基板外縁800aに臨む第2電極外縁815と、基板内縁800bに臨む第2電極内縁816と、を有している。そして、第2電極外縁815の長さは、第2電極内縁816の長さより長くなっている。つまり、図10に示すバスバー電極805は、基板外縁800aの延在方向における長さを「幅」とするとき、第2電極内縁816から第2電極外縁815に向かうにつれて徐々に幅が広くなっている。
このような輪郭形状を有するバスバー電極805によれば、Si基板800と同様の形状、すなわち、円環の一部を切り出したような形状となる。このため、Si基板800の全体に敷き詰められている複数のフィンガー電極804に対して、バスバー電極805を交差させやすくなるとともに、p型バスバー電極805pとn型バスバー電極805nの複数本を配置しやすくなる。
また、かかるバスバー電極805は、前述したように、フィンガー電極804とバスバー電極805とがほぼ直交することになる。このため、双方の交差部にp型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nが配置されやすくなるといった効果を享受することができる。
なお、第2電極外縁815が基板外縁800aに臨むとは、双方がほぼ一定の距離を保ちながら変位している状態を指す。そして、「一定の距離を保ちながら」とは、第2電極外縁815の全長にわたって、双方の離間距離の変化幅が、離間距離の最大値の100%以下(好ましくは離間距離の平均値の10%以下)である状態を指す。
同様に、第2電極内縁816が基板内縁800bに臨むとは、双方がほぼ一定の距離を保ちながら変位している状態を指す。そして、「一定の距離を保ちながら」とは、第2電極内縁816の全長にわたって、双方の離間距離の変化幅が、離間距離の最大値の100%以下(好ましくは離間距離の平均値の10%以下)である状態を指す。
また、p型バスバー電極805pおよびn型バスバー電極805nは、それぞれ図7に示すパッシベーション膜806に覆われている。これにより、外部環境から電極が保護されている。
一方、パッシベーション膜806の一部にはビアホールが設けられ、p型バスバー電極805pおよびn型バスバー電極805nの一部が露出している。このうち、p型バスバー電極805pの露出面が前述した電極パッド86(正極端子)となり、n型バスバー電極805nの露出面が前述した電極パッド87(負極端子)となる。
また、本実施形態に係るセル80aは、図10に示すように、電極パッド86(正極端子)および電極パッド87(負極端子)をそれぞれ複数含んでいるのが好ましい。これにより、セル80aと配線基板82との間を、電気的かつ機械的により確実に接続することができる。
また、複数の電極パッド86は、基板外縁800aに沿って配列されている。一方、複数の電極パッド87は、基板内縁800bに沿って配列されている。このような配置をとることにより、セル80aの延在方向(基板外縁800aに含まれる円弧の周方向)に沿って配線基板82との接続点を確保することができる。このため、セル80aを配線基板82に対してより確実に固定することができ、かつ、セル80aと配線基板82との間の接続抵抗を十分に低減させることができる。
なお、電極パッド86、87の配置は、図示のものに限定されず、例えば電極パッド86の列の位置と電極パッド87の列の位置とが入れ替わっていてもよい。
また、1つのセル当たりの電極パッド86、87の数も、特に限定されず、それぞれ1つであっても、任意の複数であってもよい。また、電極パッド86、87の形状も、特に限定されず、いかなる形状であってもよい。
また、本実施形態では、電極パッド86、87が設けられている部分には、p+コンタクト811p、n+コンタクト811n、p型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nが平面視で重ならないように配置されている(図8参照)。すなわち、電極パッド86、87とp+コンタクト811p、n+コンタクト811n、p型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nとは、図8に示すように、平面視で互いにずれている。これにより、電極パッド86、87は、その平坦性等の形状においてこれらのコンタクトの影響を受けることがない。このため、平坦性が高く、接触不良を発生させにくい電極パッド86、87が得られる。
なお、本発明はこのような構造に限定されず、電極パッド86、87は、p+コンタクト811p、n+コンタクト811n、p型ビア配線814pおよびn型ビア配線814nのいずれかと平面視で重なっていてもよい。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光電変換モジュールの第2実施形態を適用した太陽電池80について詳述する。
次に、本発明の光電変換モジュールの第2実施形態を適用した太陽電池80について詳述する。
図11は、第2実施形態に係る光電変換モジュールを示す平面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第2実施形態に係る太陽電池80は、フィンガー電極804とバスバー電極805とを同一の階層に設けるようにした以外は、第1実施形態に係る太陽電池80と同様である。
具体的には、p型バスバー電極805pは、フィンガー電極804よりも基板外縁800a側に配置されている。
そして、p型フィンガー電極804pとp型バスバー電極805pとが接続されている一方、n型フィンガー電極804nとp型バスバー電極805pとの間は離間し絶縁されている。
一方、n型バスバー電極805nは、フィンガー電極804よりも基板内縁800b側に配置されている。
そして、n型フィンガー電極804nとn型バスバー電極805nとが接続されている一方、p型フィンガー電極804pとn型バスバー電極805nとの間は離間し絶縁されている。
したがって、図11に示すフィンガー電極804およびバスバー電極805は、いわゆる櫛歯電極の形状をなしている。
また、電極パッド86は、p型バスバー電極805pの延在方向における一端部に設けられ、電極パッド87は、n型バスバー電極805nの延在方向における一端部に設けられている。
このような第2実施形態によれば、フィンガー電極804とバスバー電極805とを同一の階層に設けることができるので、太陽電池80の構造の簡素化および低コスト化を図ることができる。
また、第2実施形態では、フィンガー電極804とバスバー電極805との接続部817において、フィンガー電極804とバスバー電極805との交差角がほぼ90°になっている。これにより、接続部817を例えばフォトリソグラフィー技術や印刷技術等で形成するとき、その難易度を下げることができる。すなわち、製造技術の精細度によっては、交差角が小さい場合、形状の精度が低下しやすいが、交差角が90°であれば、その懸念を低減することができる。このため、このような形状の接続部817は、太陽電池80の製造効率(製造歩留まり)や低コスト化の観点からも有用である。
なお、フィンガー電極804とバスバー電極805との交差角度は、90°に限定されず、鋭角側の角度が30°以上90°未満程度であってもよい。このような角度範囲であっても、上述した問題は顕在化しにくいため、製造効率を高めたり、低コスト化を図ったりすることができる。
以上のような第2実施形態においても前述した第1実施形態と同様の効果が奏される。
以上のような第2実施形態においても前述した第1実施形態と同様の効果が奏される。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の光電変換モジュールの第3実施形態を適用した太陽電池80について詳述する。
次に、本発明の光電変換モジュールの第3実施形態を適用した太陽電池80について詳述する。
図12は、第3実施形態に係る光電変換モジュールを示す展開平面図である。すなわち、図12に示す展開平面図は、第3実施形態に係る光電変換モジュールのセル80aと配線基板82との界面を剥離し、展開して両界面を平面視した図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第3実施形態に係る太陽電池80は、バスバー電極805を配線基板82に設けるようにした以外は、第1実施形態に係る太陽電池80と同様である。
すなわち、図12に示す太陽電池80は、フィンガー電極804がSi基板800の裏面に設けられている一方、バスバー電極805は配線基板82に設けられている。すなわち、第1実施形態に係る導電膜822が、バスバー電極805の機能を兼ねている。
また、第1実施形態に係る導電接続部83が、p型コンタクト814pおよびn型コンタクト814nの機能を兼ねている。
このような第3実施形態においても前述した第1、第2実施形態と同様の効果が奏される。
<光電変換モジュールの製造方法>
次に、太陽電池80(光電変換モジュール)を製造する方法の一例について説明する。
次に、太陽電池80(光電変換モジュール)を製造する方法の一例について説明する。
図13および図14は、それぞれ図7に示す太陽電池(光電変換モジュール)を製造する方法の一例を説明するための図である。
[1]まず、セル80aを準備する。このセル80aは、例えば、半導体ウエハーに不純物拡散領域等を形成した後、電極やコンタクト、絶縁膜を成膜することにより形成し、その後、個片化することにより製造される。電極やコンタクト、絶縁膜等の形成には、例えば各種蒸着技術、および、それにより形成された膜をパターニングするフォトリソグラフィー技術が用いられる。
[2]次に、セル80aおよび開口部824の少なくとも一方に、導電性の導電接続部83を配置する。具体的には、図13に示すように、セル80aの電極パッド86に導電接続部83を配置するようにしてもよく、図14に示すように、配線基板82の開口部824に導電接続部83を配置するようにしてもよい。
図13に示す導電接続部83は、セル80aの電極パッド86に接するように配置される。一方、図14に示す導電接続部83は、配線基板82の開口部824に接するように配置される。このようにして配置された導電接続部83は、後述する積層工程においてセル80aの電極パッド86と配線基板82の開口部824との間を電気的に接続する。
[3]次に、図13または図14に示すように、導電接続部83を介して、セル80aと配線基板82とを重ね合わせる(積層工程)。
具体的には、セル80aと配線基板82とを重ね合わせた後、セル80aと絶縁膜823とが接するまで互いに近づける。これにより、導電接続部83は、荷重を受けて変形し、開口部824の内部に広がる。その結果、導電接続部83は、セル80aの電極パッド86と配線基板82の導電膜822の双方に接触し、双方の間を電気的に接続することができる。
以上のようにして太陽電池80が得られる。
以上のようにして太陽電池80が得られる。
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の光電変換素子、光電変換モジュールおよび電子機器は、前記実施形態の要素の一部が、同等の機能を有する任意の要素に代替されたものであってもよく、また、前記実施形態に任意の要素が付加されたものであってもよい。
10…バンド、20…回路基板、21…CPU、22…方位センサー、23…加速度センサー、24…回路素子、28…GPSアンテナ、30…機器本体、31…ケース、32…凸状部、34…突起部、35…開口部、36…内部空間、40…光センサー部、41…受光部、42…発光部、43…センサー基板、44…透明カバー、45…測定窓部、46…接続配線部、50…表示部、55…風防板、56…接合部材、57…ベゼル、58…操作部、60…電気光学パネル、61…照明部、63…接続配線部、70…二次電池、75…回路ケース、80…太陽電池、80a…セル、80b…セル、80c…セル、80d…セル、81…接続配線部、82…配線基板、83…導電接続部、84…受光面、85…電極面、86…電極パッド、87…電極パッド、90a…太陽電池セル、90b…太陽電池セル、90c…太陽電池セル、200…電子時計、800…Si基板、800a…基板外縁、800b…基板内縁、801…p+不純物領域、802…n+不純物領域、804…フィンガー電極、804n…n型フィンガー電極、804p…p型フィンガー電極、805…バスバー電極、805n…n型バスバー電極、805p…p型バスバー電極、806…パッシベーション膜、807…層間絶縁膜、808…端面、811n…n+コンタクト、811p…p+コンタクト、812…第1電極外縁、813…第1電極内縁、814n…n型ビア配線、814p…p型ビア配線、815…第2電極外縁、816…第2電極内縁、817…接続部、821…絶縁基板、822…導電膜、823…絶縁膜、824…開口部、825…接着層、900…半導体基板、901…円弧、902…弦、903n…n+不純物領域、903p…p+不純物領域、904…フィンガー電極、904n…n型フィンガー電極、904p…p型フィンガー電極、905…バスバー電極、906…補助電極、907…接続部、907p…接続部、908n…n+コンタクト、908p…p+コンタクト、909…層間絶縁膜、910p…p型バスバー電極、911n…n型ビア配線、911p…p型ビア配線、912…パッシベーション膜、O…中心、PL…垂線、θ…角度
Claims (11)
- 曲線を含む基板外縁と、前記基板外縁の内側に位置し曲線を含む基板内縁と、を有する半導体基板と、
前記半導体基板の一方の面に設けられている複数の第1電極と、
を備え、
前記第1電極は、前記基板外縁が含む曲線の垂線方向に延在していることを特徴とする光電変換素子。 - 前記第1電極は、前記基板外縁に臨む第1電極外縁と、前記基板内縁に臨む第1電極内縁と、を有しており、
前記第1電極外縁の長さは、前記第1電極内縁の長さより長い請求項1に記載の光電変換素子。 - 複数の前記第1電極は、前記基板外縁に沿って配列されている請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 複数の前記第1電極と接続されている第2電極を備え、
前記第2電極の延在方向は、前記第1電極の延在方向と交差している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光電変換素子。 - 前記第2電極は、前記半導体基板の厚さ方向において前記第1電極と重なっている請求項4に記載の光電変換素子。
- 前記第2電極は、前記基板外縁に臨む第2電極外縁と、前記基板内縁に臨む第2電極内縁と、を有しており、
前記第2電極外縁の長さは、前記第2電極内縁の長さより長い請求項4または5に記載の光電変換素子。 - 前記第2電極の端子を複数備えており、
複数の前記端子は、前記基板外縁に沿って配列されている請求項4ないし6のいずれか1項に記載の光電変換素子。 - 前記基板外縁および前記基板内縁は、互いに同心の円弧を含む請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記半導体基板は、単結晶性を有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光電変換素子と、
前記光電変換素子と重なるように設けられている配線基板と、
を有することを特徴とする光電変換モジュール。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする電子機器。
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WO2021020465A1 (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-04 | 株式会社カネカ | 太陽電池セルの製造方法、太陽電池セル、太陽電池デバイスおよび太陽電池モジュール |
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2018
- 2018-01-15 JP JP2018004514A patent/JP2019125658A/ja active Pending
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