JP2019124856A - 磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019124856A JP2019124856A JP2018006280A JP2018006280A JP2019124856A JP 2019124856 A JP2019124856 A JP 2019124856A JP 2018006280 A JP2018006280 A JP 2018006280A JP 2018006280 A JP2018006280 A JP 2018006280A JP 2019124856 A JP2019124856 A JP 2019124856A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- image
- particles
- magnetic
- image forming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制できる磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法を提供する。【解決手段】磁性トナーは、正帯電性であり、トナー母粒子を含むトナー粒子を有する。トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含む。磁性粉は、基体2と、基体2の表面を覆うコート層3とを備える磁性粒子1を含む。コート層3は、フッ素樹脂を含む。フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、正帯電性の磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法では、像担持体としての電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある。)の表面を帯電させた後、露光することにより感光体上に静電潜像を形成する。次いで、現像剤により静電潜像をトナー像として現像し、トナー像を記録媒体に転写する。次いで、定着装置により、転写されたトナー像を加熱及び加圧して記録媒体上に定着させる。
トナー像を記録媒体上に定着させる際、記録媒体上のトナーが定着装置の加熱部に静電的に転移する現象(静電オフセット)が発生する場合がある。特に、正帯電性のトナーを用いて画像形成する際に静電オフセットが発生し易い傾向がある。
静電オフセットの発生を抑制するために、特許文献1に開示される画像形成装置では、定着装置の周辺部材にバイアスを印加する構成を採用している。
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制できる磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
本発明に係る磁性トナーは、トナー母粒子を含むトナー粒子を有する、正帯電性の磁性トナーである。前記トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含む。前記磁性粉は、基体と、前記基体の表面を覆うコート層とを備える磁性粒子を含む。前記コート層は、フッ素樹脂を含む。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、現像装置と、転写装置と、定着装置とを備える。前記現像装置は、前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する。前記転写装置は、前記トナー像を記録媒体に転写する。前記定着装置は、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着させる。前記現像剤は、本発明の磁性トナーを含む。
本発明に係る画像形成方法は、現像剤による現像と、トナー像の転写と、トナー像の定着とを含む。前記現像剤による現像では、本発明の磁性トナーを含む現像剤により、像担持体の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する。前記トナー像の転写では、前記トナー像を記録媒体に転写する。前記トナー像の定着では、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着させる。
本発明の磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法によれば、連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制できる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(粉体)である。磁性粉は、磁性粒子の集合体(粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製の「コールターカウンターマルチサイザー4」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した一次粒子の円相当径(一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の個数平均一次粒子径は、例えば100個の一次粒子の円相当径の個数平均値である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。例えばトナーは、日本画像学会から提供される標準キャリア(アニオン性:N−01、カチオン性:P−01)と混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えばKFM(ケルビンプローブフォース顕微鏡)で測定対象の表面電位を測定し、摩擦帯電の前後での電位の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
<第1実施形態:磁性トナー>
第1実施形態に係る正帯電性の磁性トナー(以下、単にトナーと記載することがある。)は、例えば静電潜像の現像に好適に用いることができる。第1実施形態に係るトナーは、1成分現像剤として使用できる。1成分現像剤に含まれるトナーは、現像装置内における現像スリーブ、又はブレードとの摩擦により、正に帯電する。
第1実施形態に係る正帯電性の磁性トナー(以下、単にトナーと記載することがある。)は、例えば静電潜像の現像に好適に用いることができる。第1実施形態に係るトナーは、1成分現像剤として使用できる。1成分現像剤に含まれるトナーは、現像装置内における現像スリーブ、又はブレードとの摩擦により、正に帯電する。
第1実施形態に係るトナーは、トナー母粒子を含むトナー粒子を有する。トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含む。磁性粉は、基体と、基体の表面を覆うコート層とを備える磁性粒子を含む。磁性粉が備えるコート層は、フッ素樹脂を含む。
第1実施形態に係るトナーは、上述の構成を備えることにより、連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制できる。その理由は、以下のように推測される。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー母粒子には、フッ素樹脂を含むコート層で基体が覆われた磁性粒子が内在している。そのため、定着装置によりトナー像を加熱及び加圧する際に、磁性粒子のコート層が露出する。定着装置の加熱部の表層部は、通常、フッ素樹脂等の負帯電性材料を含むため、第1実施形態に係るトナーを定着させる際は、露出した磁性粒子のコート層(フッ素樹脂を含む層)の表面と、加熱部の表面とが静電的に反発する傾向がある。これにより、第1実施形態に係るトナーは、連続印刷時において、静電オフセットの発生を抑制できると考えられる。
また、第1実施形態に係るトナーでは、電気抵抗が比較的低い磁性粒子の表層部にフッ素樹脂を含むコート層が存在するため、トナーの正帯電性が低下しにくい。これにより、第1実施形態に係るトナーは、トナー母粒子中に負帯電性材料であるフッ素樹脂が含有されていても、連続印刷時において、かぶりの発生を抑制できると考えられる。
また、第1実施形態に係るトナーは、トナー母粒子中に負帯電性材料であるフッ素樹脂が含有されているため、トナーのチャージアップ(詳しくは、過剰に帯電したトナー粒子の割合が多くなる現象)が抑制される傾向がある。これにより、第1実施形態に係るトナーは、連続印刷時において、高画質の画像を安定して形成することができると考えられる。
以下、第1実施形態に係るトナーの詳細について、適宜図面を参照しながら説明する。
[トナー粒子の構成]
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子を含む。トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含む。図1に、磁性粉に含まれる磁性粒子の断面構造の一例を示す。図1に示すように、磁性粒子1は、基体2と、基体2の表面を覆うコート層3とを備える。コート層3は、フッ素樹脂を含む。コート層3は、基体2の表面全体を覆っていてもよいし、基体2の表面を部分的に覆っていてもよい。連続印刷時において静電オフセットの発生をより抑制するためには、コート層3は、基体2の表面全体を覆っていることが好ましい。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子を含む。トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含む。図1に、磁性粉に含まれる磁性粒子の断面構造の一例を示す。図1に示すように、磁性粒子1は、基体2と、基体2の表面を覆うコート層3とを備える。コート層3は、フッ素樹脂を含む。コート層3は、基体2の表面全体を覆っていてもよいし、基体2の表面を部分的に覆っていてもよい。連続印刷時において静電オフセットの発生をより抑制するためには、コート層3は、基体2の表面全体を覆っていることが好ましい。
連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生をより抑制するためには、コート層3の質量は、100質量部の基体2に対して、3質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
トナーの磁気特性を容易に調整するためには、基体2の平均径は、BET法による平均径として0.01μm以上1μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。
コート層3は、フッ素樹脂のみから構成されていてもよく、フッ素樹脂と、他の材料(より具体的には、フッ素樹脂以外の樹脂等)との混合材料から構成されていてもよい。コート層3の構成材料として、フッ素樹脂と、他の材料との混合材料を使用する場合、連続印刷時において静電オフセットの発生をより抑制するためには、混合材料中のフッ素樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
コート層3の厚さは、例えば1nm以上50nm以下である。コート層3の厚さは、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて磁性粒子1の断面のTEM(透過型電子顕微鏡)撮影像を解析することによって計測できる。なお、1つの磁性粒子1においてコート層3の厚さが均一でない場合には、均等に離間した4箇所(詳しくは、磁性粒子1の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線がコート層3と交差する4箇所)の各々でコート層3の厚さを測定し、得られた4つの測定値の算術平均を、その磁性粒子1の評価値(コート層3の厚さ)とする。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載することがある。)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、結着樹脂及び磁性粉を含有するトナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、樹脂を含む。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散されていてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。
第1実施形態に係るトナーにおいて、画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、外添剤を更に備えてもよい。トナー粒子が外添剤を更に備える場合には、外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
トナー母粒子は、必要に応じて、磁性粉以外の内添剤(より具体的には、着色剤、離型剤、電荷制御剤等)を含有してもよい。
[トナー粒子の要素]
以下、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
以下、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
(結着樹脂)
トナー母粒子は、例えば全成分の50質量%以上を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、酸価等)を調整することができる。
トナー母粒子は、例えば全成分の50質量%以上を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、酸価等)を調整することができる。
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
連続印刷時において静電オフセットの発生をより抑制するためには、結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、ジオール類、ビスフェノール類等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
ジオール類の好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ペンテン−1,5−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、1,4−ベンゼンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有する。磁性粉は、基体と、基体の表面を覆うコート層とを備える磁性粒子を含む。基体の構成材料(磁性材料)としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性材料を単独で使用してもよいし、複数種の磁性材料を併用してもよい。
トナー母粒子は、磁性粉を含有する。磁性粉は、基体と、基体の表面を覆うコート層とを備える磁性粒子を含む。基体の構成材料(磁性材料)としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性材料を単独で使用してもよいし、複数種の磁性材料を併用してもよい。
コート層は、フッ素樹脂を含む。フッ素樹脂としては、例えばポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記載することがある。)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと記載することがある。)、及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPと記載することがある。)が挙げられる。本実施形態では、一種のフッ素樹脂を単独で使用してもよいし、複数種のフッ素樹脂を併用してもよい。連続印刷時において静電オフセットの発生をより抑制するためには、フッ素樹脂としては、PTFE、PFA及びFEPが好ましく、PTFE及びFEPがより好ましい。
基体の表面にフッ素樹脂を含むコート層を形成する方法としては、例えば転動流動コーティング装置を用いて、基体の表面にフッ素樹脂を含むディスパージョンを噴霧した後、フッ素樹脂を含むディスパージョンで覆われた基体を乾燥させる方法が挙げられる。
連続印刷時において静電オフセットの発生及びかぶりの発生をより抑制しつつ、高画質の画像を形成するためには、磁性粉の含有量は、結着樹脂100質量部に対して50質量部以上90質量部以下であることが好ましい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、例えば黒色着色剤を使用できる。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、例えば黒色着色剤を使用できる。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
また、黒色着色剤として、上述した磁性粉を用いてもよい。つまり、磁性粉は、黒色着色剤としての機能を有していてもよい。この場合、磁性粉(黒色着色剤としての機能及び磁性体としての機能を有する成分)の含有量は、画像形成に適したトナーを得るためには、結着樹脂100質量部に対して50質量部以上90質量部以下であることが好ましい。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの耐ホットオフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの耐ホットオフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの耐ホットオフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの耐ホットオフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス;脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックス(例えば、脱酸カルナバワックス)を好適に使用できる。本実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。トナーの正帯電性を安定して維持するためには、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることが好ましい。
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。トナーの正帯電性を安定して維持するためには、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることが好ましい。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン染料;ナフテン酸の金属塩類;高級有機カルボン酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウム塩;4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂が挙げられる。これらの電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。帯電安定性に優れる正帯電性トナーを提供するためには、電荷制御剤としては、ニグロシン染料及び4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂からなる群より選択される一種以上の電荷制御剤が好ましい。
電荷制御剤の含有量は、帯電安定性を向上させるためには、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(材料の組合せ)
連続印刷時において静電オフセットの発生及びかぶりの発生をより抑制しつつ、帯電安定性に優れる正帯電性トナーを提供するためには、トナー母粒子が、電荷制御剤として4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂及びニグロシン染料から選ばれる少なくとも一種を含有し、かつ磁性粒子のコート層が、フッ素樹脂としてPTFE及びFEPから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。同様の理由から、トナー母粒子が、電荷制御剤として4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂及びニグロシン染料を含有し、かつ磁性粒子のコート層が、フッ素樹脂としてPTFE及びFEPから選ばれる少なくとも一種を含有することがより好ましい。
連続印刷時において静電オフセットの発生及びかぶりの発生をより抑制しつつ、帯電安定性に優れる正帯電性トナーを提供するためには、トナー母粒子が、電荷制御剤として4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂及びニグロシン染料から選ばれる少なくとも一種を含有し、かつ磁性粒子のコート層が、フッ素樹脂としてPTFE及びFEPから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。同様の理由から、トナー母粒子が、電荷制御剤として4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂及びニグロシン染料を含有し、かつ磁性粒子のコート層が、フッ素樹脂としてPTFE及びFEPから選ばれる少なくとも一種を含有することがより好ましい。
(外添剤)
トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含有するトナー母粒子と、外添剤とを備える。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含有するトナー母粒子と、外添剤とを備える。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)の粒子がより好ましい。本実施形態では、一種の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数の水酸基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、水酸基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
[トナーの製造方法]
次に、第1実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。本製造方法は、トナー母粒子の調製工程を備える。また、本製造方法は、トナー母粒子の調製工程の後に、他の工程(例えば後述する外添工程)を更に備えてもよい。
次に、第1実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。本製造方法は、トナー母粒子の調製工程を備える。また、本製造方法は、トナー母粒子の調製工程の後に、他の工程(例えば後述する外添工程)を更に備えてもよい。
(トナー母粒子の調製工程)
トナー母粒子の調製工程では、例えば粉砕法又は凝集法によりトナー母粒子を調製する。
トナー母粒子の調製工程では、例えば粉砕法又は凝集法によりトナー母粒子を調製する。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、磁性粉、及び必要に応じて添加される他の内添剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。これにより、トナー母粒子が得られる。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、磁性粉、及び必要に応じて添加される他の内添剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂等を含有する凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含有される成分を合一化させる。これにより、トナー母粒子が得られる。
(外添工程)
本製造方法は、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる工程(外添工程)を更に備えてもよい。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法としては、例えば混合装置を用いて、トナー母粒子と、外添剤粒子とを攪拌しながら混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させる方法が挙げられる。
本製造方法は、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる工程(外添工程)を更に備えてもよい。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法としては、例えば混合装置を用いて、トナー母粒子と、外添剤粒子とを攪拌しながら混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させる方法が挙げられる。
以上説明した製造方法により、トナー粒子を含有するトナーが得られる。
<第2実施形態:画像形成装置>
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。図2は、第2実施形態に係る画像形成装置の一例である画像形成装置100の構成を示す図である。画像形成装置100は、記録媒体としてのシートPに画像を形成するモノクロ画像形成装置である。画像形成装置100は、シート載置部110と、搬送部120と、画像形成部200と、定着装置130と、排出部140とを備える。
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。図2は、第2実施形態に係る画像形成装置の一例である画像形成装置100の構成を示す図である。画像形成装置100は、記録媒体としてのシートPに画像を形成するモノクロ画像形成装置である。画像形成装置100は、シート載置部110と、搬送部120と、画像形成部200と、定着装置130と、排出部140とを備える。
シート載置部110にはシートPが載置される。シートPとしては、例えば、普通紙、再生紙、薄紙、厚紙、コート紙、及び、OHP(Overhead Projector)シートが挙げられる。シート載置部110はシートPを収容可能なカセットを含む。搬送部120は、シート載置部110に載置されたシートPを画像形成部200に搬送する。
画像形成部200は、搬送部120を介してシート載置部110から搬送されたシートPに画像を形成(印刷)する。画像形成部200は、感光体ドラム210(像担持体)と、帯電部220と、露光部230と、現像装置300と、転写装置240と、クリーニング部材250と、除電部260とを含む。
帯電部220は感光体ドラム210の表面を帯電する。露光部230は、画像形成装置100に入力された画像データに基づくパターンの光で感光体ドラム210の表面を照射する。その結果、感光体ドラム210の表面には画像データに対応した静電潜像が形成される。
現像装置300は、感光体ドラム210の静電潜像に第1実施形態に係るトナー(1成分現像剤)を付着させて、感光体ドラム210の表面にトナー像を形成する。転写装置240はシートPにトナー像を転写する。クリーニング部材250は、感光体ドラム210の表面に残留しているトナーを除去する。除電部260は、感光体ドラム210の表面の残留電荷を除去する。
トナー像が転写されたシートPは定着装置130に向けて搬送される。定着装置130は、シートPに転写されたトナー像を加熱する定着ローラー132(加熱部)と、シートPに転写されたトナー像を加圧する加圧ローラー134とを備える。定着ローラー132としては、例えばフッ素樹脂を含む表層部を備える定着ローラーが使用できる。定着ローラー132の表層部を構成するフッ素樹脂としては、例えばPTFE、FEP及びPFAが挙げられる。なお、定着ローラー132の代わりに定着ベルトを使用してもよい。定着装置130に搬送されたシートPは、定着ローラー132と加圧ローラー134との間で加熱及び加圧される。これにより、トナー像(画像)がシートPに定着する。トナー像が定着されたシートPは排出部140に向けて搬送される。排出部140は、画像形成装置100の外部にシートPを排出する。以上のようにして、シートPに画像が印刷される。
画像形成装置100では、第1実施形態に係るトナーを含む現像剤を用いて画像を形成する。第1実施形態に係るトナーは、上述したように、連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制できる。従って、画像形成装置100によれば、連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制できる。
以上、図2を参照して、第2実施形態に係る画像形成装置の一例について説明した。
<第3実施形態:画像形成方法>
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成方法について説明する。第3実施形態に係る画像形成方法は、例えば上述した第2実施形態に係る画像形成装置を用いて画像を形成する方法である。以下、第3実施形態に係る画像形成方法の好適な一例を説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成方法について説明する。第3実施形態に係る画像形成方法は、例えば上述した第2実施形態に係る画像形成装置を用いて画像を形成する方法である。以下、第3実施形態に係る画像形成方法の好適な一例を説明する。
第3実施形態に係る画像形成方法の好適な一例は、現像剤による現像と、トナー像の転写と、トナー像の定着とを含む。現像剤による現像では、上述した第1実施形態に係るトナーを含む現像剤(1成分現像剤)により、像担持体(例えば、図2に示される感光体ドラム210)の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する。トナー像の転写では、トナー像を記録媒体(例えば、図2に示されるシートP)に転写する。トナー像の定着では、転写されたトナー像を記録媒体(例えば、図2に示されるシートP)上に定着させる。
第3実施形態に係る画像形成方法の好適な一例は、上述した第1実施形態に係るトナーを含む現像剤を用いるため、画像形成装置100と同様の理由により、連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施例について説明する。
<磁性粉の作製>
[磁性粉MA−1の作製]
マグネタイト粒子(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」、BET法による平均径が0.17μmのマグネタイト粒子)の粉体と、PTFEのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「31−JR」)とを転動流動コーティング装置(株式会社パウレック製「マルチプレックスMP−01」)に投入し、マグネタイト粒子の表面にPTFEのディスパージョンを噴霧した。噴霧の際、マグネタイト粒子(基体)の表面に形成されるコート層中のPTFEの量がマグネタイト粒子100質量部に対して5質量部となるように、噴霧量を調整した。続けて、PTFEのディスパージョンで覆われたマグネタイト粒子を温度250℃で1時間乾燥させた。その結果、マグネタイト粒子と、マグネタイト粒子の表面を覆うコート層(PTFE層)とを含む磁性粉MA−1が得られた。
[磁性粉MA−1の作製]
マグネタイト粒子(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」、BET法による平均径が0.17μmのマグネタイト粒子)の粉体と、PTFEのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「31−JR」)とを転動流動コーティング装置(株式会社パウレック製「マルチプレックスMP−01」)に投入し、マグネタイト粒子の表面にPTFEのディスパージョンを噴霧した。噴霧の際、マグネタイト粒子(基体)の表面に形成されるコート層中のPTFEの量がマグネタイト粒子100質量部に対して5質量部となるように、噴霧量を調整した。続けて、PTFEのディスパージョンで覆われたマグネタイト粒子を温度250℃で1時間乾燥させた。その結果、マグネタイト粒子と、マグネタイト粒子の表面を覆うコート層(PTFE層)とを含む磁性粉MA−1が得られた。
[磁性粉MA−2の作製]
PTFEのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「31−JR」)の代わりに、FEPのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「FEP120−JR」)を用いたこと以外は、磁性粉MA−1の作製と同様の方法で、磁性粉MA−2を作製した。なお、噴霧の際、マグネタイト粒子(基体)の表面に形成されるコート層中のFEPの量がマグネタイト粒子100質量部に対して5質量部となるように、噴霧量を調整した。
PTFEのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「31−JR」)の代わりに、FEPのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「FEP120−JR」)を用いたこと以外は、磁性粉MA−1の作製と同様の方法で、磁性粉MA−2を作製した。なお、噴霧の際、マグネタイト粒子(基体)の表面に形成されるコート層中のFEPの量がマグネタイト粒子100質量部に対して5質量部となるように、噴霧量を調整した。
[磁性粉MB−1の作製]
PTFEのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「31−JR」)の代わりに、シリコーンコーティング剤(信越化学工業株式会社製「KR−251」)を用いたこと以外は、磁性粉MA−1の作製と同様の方法で、磁性粉MB−1を作製した。なお、噴霧の際、マグネタイト粒子(基体)の表面に形成されるコート層中のシリコーン樹脂の量がマグネタイト粒子100質量部に対して5質量部となるように、噴霧量を調整した。
PTFEのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「31−JR」)の代わりに、シリコーンコーティング剤(信越化学工業株式会社製「KR−251」)を用いたこと以外は、磁性粉MA−1の作製と同様の方法で、磁性粉MB−1を作製した。なお、噴霧の際、マグネタイト粒子(基体)の表面に形成されるコート層中のシリコーン樹脂の量がマグネタイト粒子100質量部に対して5質量部となるように、噴霧量を調整した。
<トナーの作製>
以下、トナーTA−1、トナーTA−2、及びトナーTB−1〜TB−3の作製方法を説明する。
以下、トナーTA−1、トナーTA−2、及びトナーTB−1〜TB−3の作製方法を説明する。
[トナーTA−1の作製]
(トナー母粒子の調製工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)に、結着樹脂としてのポリエステル樹脂(日本合成化学工業株式会社製「HP−313」)100質量部と、離型剤としてのカルナバワックス(東亜化成株式会社製)4質量部と、電荷制御剤としてのニグロシン染料(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)1質量部と、電荷制御剤としての4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂(藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−201−PS」)2質量部とを投入し、更に70質量部の磁性粉MA−1を投入した後、回転速度2400rpmで3分間混合した。続けて、得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、シリンダー温度130℃の条件で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を冷却した。続けて、冷却された溶融混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて、粒径2mm以下に粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7.0μmのトナー母粒子が得られた。
(トナー母粒子の調製工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)に、結着樹脂としてのポリエステル樹脂(日本合成化学工業株式会社製「HP−313」)100質量部と、離型剤としてのカルナバワックス(東亜化成株式会社製)4質量部と、電荷制御剤としてのニグロシン染料(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)1質量部と、電荷制御剤としての4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂(藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−201−PS」)2質量部とを投入し、更に70質量部の磁性粉MA−1を投入した後、回転速度2400rpmで3分間混合した。続けて、得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、シリンダー温度130℃の条件で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を冷却した。続けて、冷却された溶融混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて、粒径2mm以下に粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7.0μmのトナー母粒子が得られた。
(外添工程)
次いで、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3500rpmかつジャケット温度20℃の条件で、上述の方法で得られたトナー母粒子100質量部と、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」、トリメチルシリル基とアミノ基とで表面修飾した乾式シリカ粒子、個数平均一次粒子径:12nm)1質量部とを、5分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。続けて、得られた粉体を、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別し、正帯電性の磁性トナーであるトナーTA−1を得た。
次いで、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3500rpmかつジャケット温度20℃の条件で、上述の方法で得られたトナー母粒子100質量部と、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」、トリメチルシリル基とアミノ基とで表面修飾した乾式シリカ粒子、個数平均一次粒子径:12nm)1質量部とを、5分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。続けて、得られた粉体を、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別し、正帯電性の磁性トナーであるトナーTA−1を得た。
[トナーTA−2の作製]
トナー母粒子の調製工程において、70質量部の磁性粉MA−1の代わりに、70質量部の磁性粉MA−2を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法により、正帯電性の磁性トナーであるトナーTA−2を得た。
トナー母粒子の調製工程において、70質量部の磁性粉MA−1の代わりに、70質量部の磁性粉MA−2を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法により、正帯電性の磁性トナーであるトナーTA−2を得た。
[トナーTB−1の作製]
トナー母粒子の調製工程において、70質量部の磁性粉MA−1の代わりに、70質量部のマグネタイト粒子(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法により、正帯電性の磁性トナーであるトナーTB−1を得た。
トナー母粒子の調製工程において、70質量部の磁性粉MA−1の代わりに、70質量部のマグネタイト粒子(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法により、正帯電性の磁性トナーであるトナーTB−1を得た。
[トナーTB−2の作製]
トナー母粒子の調製工程において、70質量部の磁性粉MA−1の代わりに、70質量部の磁性粉MB−1を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法により、正帯電性の磁性トナーであるトナーTB−2を得た。
トナー母粒子の調製工程において、70質量部の磁性粉MA−1の代わりに、70質量部の磁性粉MB−1を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法により、正帯電性の磁性トナーであるトナーTB−2を得た。
[トナーTB−3の作製]
トナー母粒子の調製工程においてFMミキサーを用いて混合する成分として、フッ素樹脂粒子(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「TLP 10F−1」)3質量部を更に加えたことと、70質量部の磁性粉MA−1の代わりに、70質量部のマグネタイト粒子(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法により、正帯電性の磁性トナーであるトナーTB−3を得た。
トナー母粒子の調製工程においてFMミキサーを用いて混合する成分として、フッ素樹脂粒子(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製「TLP 10F−1」)3質量部を更に加えたことと、70質量部の磁性粉MA−1の代わりに、70質量部のマグネタイト粒子(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法により、正帯電性の磁性トナーであるトナーTB−3を得た。
<評価方法>
以下、評価方法について説明する。
以下、評価方法について説明する。
[静電オフセットの評価]
(低温低湿環境下における評価)
評価機としては、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)LS−4200DN」)を用いた。この評価機は、表層部がフッ素樹脂を含む定着ローラー(加熱部)を備えていた。上記評価機のトナーコンテナに、トナー(より具体的にはトナーTA−1、トナーTA−2、及びトナーTB−1〜TB−3の各々)を入れた。インストール動作を行って、トナーコンテナ内のトナーを評価機の現像装置に充填させた。次いで、温度10℃かつ湿度20%RHの環境下、上記評価機を用いて、大きさ30mm×30mmの黒色のソリッド画像(画像濃度100%)、及び大きさ30mm×30mmの黒色のハーフトーン画像(画像濃度37.5%)を含む画像(以下、画像Aと記載する。)を印刷用紙(A4サイズ)に1枚印刷した。次いで、画像Aが形成された印刷用紙を目視で観察し、静電オフセットが発生したか否かを判定した。詳しくは、定着ローラーにトナーが付着したことに起因する汚れ(定着ローラーの回転周期毎に現れる汚れ)が印刷用紙上にあれば、静電オフセットが発生したと判定した。静電オフセットが発生しなかった場合、A(静電オフセットの発生を抑制できている)と評価した。静電オフセットが発生した場合、B(静電オフセットの発生を抑制できていない)と評価した。結果を表1に示す。なお、ここでの評価結果は、表1の「低温低湿環境下」の「耐刷試験前」の欄に示す。また、表1の「低温低湿環境下」の「100%」は、ソリッド画像(画像濃度100%)に起因する静電オフセットの評価結果を示す。また、表1の「低温低湿環境下」の「37.5%」は、ハーフトーン画像(画像濃度37.5%)に起因する静電オフセットの評価結果を示す。以下で説明する「常温常湿環境下における評価」及び「高温高湿環境下における評価」においても同様である。
(低温低湿環境下における評価)
評価機としては、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)LS−4200DN」)を用いた。この評価機は、表層部がフッ素樹脂を含む定着ローラー(加熱部)を備えていた。上記評価機のトナーコンテナに、トナー(より具体的にはトナーTA−1、トナーTA−2、及びトナーTB−1〜TB−3の各々)を入れた。インストール動作を行って、トナーコンテナ内のトナーを評価機の現像装置に充填させた。次いで、温度10℃かつ湿度20%RHの環境下、上記評価機を用いて、大きさ30mm×30mmの黒色のソリッド画像(画像濃度100%)、及び大きさ30mm×30mmの黒色のハーフトーン画像(画像濃度37.5%)を含む画像(以下、画像Aと記載する。)を印刷用紙(A4サイズ)に1枚印刷した。次いで、画像Aが形成された印刷用紙を目視で観察し、静電オフセットが発生したか否かを判定した。詳しくは、定着ローラーにトナーが付着したことに起因する汚れ(定着ローラーの回転周期毎に現れる汚れ)が印刷用紙上にあれば、静電オフセットが発生したと判定した。静電オフセットが発生しなかった場合、A(静電オフセットの発生を抑制できている)と評価した。静電オフセットが発生した場合、B(静電オフセットの発生を抑制できていない)と評価した。結果を表1に示す。なお、ここでの評価結果は、表1の「低温低湿環境下」の「耐刷試験前」の欄に示す。また、表1の「低温低湿環境下」の「100%」は、ソリッド画像(画像濃度100%)に起因する静電オフセットの評価結果を示す。また、表1の「低温低湿環境下」の「37.5%」は、ハーフトーン画像(画像濃度37.5%)に起因する静電オフセットの評価結果を示す。以下で説明する「常温常湿環境下における評価」及び「高温高湿環境下における評価」においても同様である。
次いで、温度10℃かつ湿度20%RHの環境下、画像(印字率:2%)を印刷用紙(A4サイズ)に50000枚連続で印刷した後、画像Aを印刷用紙(A4サイズ)に1枚印刷した。次いで、画像Aが形成された印刷用紙を目視で観察し、上記と同様に静電オフセットが発生したか否かを判定した。結果を表1に示す。なお、ここでの評価結果は、表1の「低温低湿環境下」の「耐刷試験後」の欄に示す。
(常温常湿環境下における評価)
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下で印刷を行ったこと以外は、上述した「低温低湿環境下における評価」の方法と同様の方法で、静電オフセットが発生したか否かを判定した。結果を表1の「常温常湿環境下」の欄に示す。
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下で印刷を行ったこと以外は、上述した「低温低湿環境下における評価」の方法と同様の方法で、静電オフセットが発生したか否かを判定した。結果を表1の「常温常湿環境下」の欄に示す。
(高温高湿環境下における評価)
温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で印刷を行ったこと以外は、上述した「低温低湿環境下における評価」の方法と同様の方法で、静電オフセットが発生したか否かを判定した。結果を表1の「高温高湿環境下」の欄に示す。
温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で印刷を行ったこと以外は、上述した「低温低湿環境下における評価」の方法と同様の方法で、静電オフセットが発生したか否かを判定した。結果を表1の「高温高湿環境下」の欄に示す。
[画像評価]
(低温低湿環境下における評価)
評価機としては、上述した静電オフセットの評価で用いた評価機と同じものを用いた。上記評価機のトナーコンテナに、トナー(より具体的にはトナーTA−1、トナーTA−2、及びトナーTB−1〜TB−3の各々)を入れた。インストール動作を行って、トナーコンテナ内のトナーを評価機の現像装置に充填させた。次いで、温度10℃かつ湿度20%RHの環境下、上記評価機を用いて、画像Aを印刷用紙(A4サイズ)に1枚印刷した。次いで、画像Aが形成された印刷用紙のソリッド画像の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定した。画像濃度(ID)が1.3以上であれば「特に良い」と評価し、画像濃度(ID)が1.2以上1.3未満であれば「良い」と評価し、1.2未満であれば「良くない」と評価した。また、画像Aが形成された印刷用紙の空白部の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定した。そして、以下の式(1)に基づいて、かぶり濃度(FD)を求めた。かぶり濃度(FD)が0.003以下であれば「かぶりの発生を特に抑制できている」と評価し、かぶり濃度(FD)が0.003を超えて0.007以下であれば「かぶりの発生を抑制できている」と評価し、0.007を超える場合は「かぶりの発生を抑制できていない」と評価した。
かぶり濃度(FD)=空白部の画像濃度(ID)−未印刷用紙の画像濃度(ID)・・・(1)
(低温低湿環境下における評価)
評価機としては、上述した静電オフセットの評価で用いた評価機と同じものを用いた。上記評価機のトナーコンテナに、トナー(より具体的にはトナーTA−1、トナーTA−2、及びトナーTB−1〜TB−3の各々)を入れた。インストール動作を行って、トナーコンテナ内のトナーを評価機の現像装置に充填させた。次いで、温度10℃かつ湿度20%RHの環境下、上記評価機を用いて、画像Aを印刷用紙(A4サイズ)に1枚印刷した。次いで、画像Aが形成された印刷用紙のソリッド画像の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定した。画像濃度(ID)が1.3以上であれば「特に良い」と評価し、画像濃度(ID)が1.2以上1.3未満であれば「良い」と評価し、1.2未満であれば「良くない」と評価した。また、画像Aが形成された印刷用紙の空白部の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定した。そして、以下の式(1)に基づいて、かぶり濃度(FD)を求めた。かぶり濃度(FD)が0.003以下であれば「かぶりの発生を特に抑制できている」と評価し、かぶり濃度(FD)が0.003を超えて0.007以下であれば「かぶりの発生を抑制できている」と評価し、0.007を超える場合は「かぶりの発生を抑制できていない」と評価した。
かぶり濃度(FD)=空白部の画像濃度(ID)−未印刷用紙の画像濃度(ID)・・・(1)
得られたソリッド画像の画像濃度(ID)、及びかぶり濃度(FD)を表2に示す。なお、ここでの評価結果は、表2の「低温低湿環境下」の「耐刷試験前」の欄に示す。また、表2の「低温低湿環境下」の「ID」は、ソリッド画像の画像濃度(ID)を示す。また、表2の「低温低湿環境下」の「FD」は、かぶり濃度(FD)を示す。以下で説明する「常温常湿環境下における評価」及び「高温高湿環境下における評価」においても同様である。
次いで、温度10℃かつ湿度20%RHの環境下、画像(印字率:2%)を印刷用紙(A4サイズ)に50000枚連続で印刷した後、画像Aを印刷用紙(A4サイズ)に1枚印刷した。次いで、画像Aが形成された印刷用紙について、上記と同様にソリッド画像の画像濃度(ID)、及びかぶり濃度(FD)を測定した。結果を表2に示す。なお、ここでの評価結果は、表2の「低温低湿環境下」の「耐刷試験後」の欄に示す。
(常温常湿環境下における評価)
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下で印刷を行ったこと以外は、上述した「低温低湿環境下における評価」の方法と同様の方法で、ソリッド画像の画像濃度(ID)、及びかぶり濃度(FD)を測定した。結果を表2の「常温常湿環境下」の欄に示す。
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下で印刷を行ったこと以外は、上述した「低温低湿環境下における評価」の方法と同様の方法で、ソリッド画像の画像濃度(ID)、及びかぶり濃度(FD)を測定した。結果を表2の「常温常湿環境下」の欄に示す。
(高温高湿環境下における評価)
温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で印刷を行ったこと以外は、上述した「低温低湿環境下における評価」の方法と同様の方法で、ソリッド画像の画像濃度(ID)、及びかぶり濃度(FD)を測定した。結果を表2の「高温高湿環境下」の欄に示す。
温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で印刷を行ったこと以外は、上述した「低温低湿環境下における評価」の方法と同様の方法で、ソリッド画像の画像濃度(ID)、及びかぶり濃度(FD)を測定した。結果を表2の「高温高湿環境下」の欄に示す。
トナーTA−1及びTA−2は、トナー母粒子が結着樹脂及び磁性粉を含んでいた。トナーTA−1及びTA−2は、トナー母粒子に含まれる磁性粉が、基体と、基体の表面を覆うコート層とを備える磁性粒子を含んでいた。トナーTA−1及びTA−2は、トナー母粒子中の磁性粉に含まれる磁性粒子のコート層が、フッ素樹脂を含んでいた。
表1に示すように、トナーTA−1及びTA−2は、何れの条件においても静電オフセットの評価がA(静電オフセットの発生を抑制できている)であった。
表2に示すように、トナーTA−1及びTA−2は、何れの条件においても画像濃度(ID)が1.3以上(特に良い)であった。また、トナーTA−1及びTA−2は、何れの条件においてもかぶり濃度(FD)が0.003以下(かぶりの発生を特に抑制できている)であった。
トナーTB−1〜TB−3は、トナー母粒子中の磁性粉に含まれる磁性粒子が、フッ素樹脂を含むコート層を備えていなかった。
表1に示すように、トナーTB−1及びTB−2は、低温低湿環境下の耐刷試験前において、ソリッド画像(画像濃度100%)に起因する静電オフセットが発生した。これは、低温低湿環境下では、評価機の設計上、定着温度の設定値が高くなるため、トナー粒子間の凝集力が低下したこと、及びトナー母粒子中にフッ素樹脂を含むコート層を備えた磁性粒子が含有されていなかったことに起因して、静電オフセットが発生したものと考えられる。トナーTB−1及びTB−2は、高温高湿環境下の耐刷試験前において、ハーフトーン画像(画像濃度37.5%)に起因する静電オフセットが発生した。これは、高温高湿環境下では、トナーの帯電量が小さくなるため、転写バイアスがかかりにくくなったこと、及びトナー母粒子中にフッ素樹脂を含むコート層を備えた磁性粒子が含有されていなかったことに起因して、静電オフセットが発生したものと考えられる。なお、転写バイアスがかかりにくくなると、トナーと印刷用紙との間の付着力が低くなり、ハーフトーン画像に起因する静電オフセットが発生しやすくなる傾向がある。また、トナーTB−1及びTB−2は、何れの環境下においても、耐刷試験後に、ハーフトーン画像に起因する静電オフセットが発生した。よって、トナーTB−1及びTB−2は、何れの環境下においても、連続印刷時の静電オフセットの発生を抑制できていなかった。これは、耐刷試験によってトナーがチャージアップしたこと、及びトナー母粒子中にフッ素樹脂を含むコート層を備えた磁性粒子が含有されていなかったことに起因して、定着ローラーとトナーとの間の静電引力が大きくなり、静電オフセットが発生したものと考えられる。
表2に示すように、トナーTB−3は、何れの環境下においても、耐刷試験後のかぶり濃度(FD)が0.007を超えていた。よって、トナーTB−3は、何れの環境下においても、連続印刷時のかぶりの発生を抑制できていなかった。これは、トナーTB−3では、トナー母粒子中のフッ素樹脂が、磁性粒子の表層部の構成材料として含まれず、結着樹脂中に分散された状態で含まれていたため、トナーの正帯電性が低下し、かぶりが発生したものと考えられる。
以上の結果から、本発明に係るトナーによれば、連続印刷時において、静電オフセットの発生及びかぶりの発生を抑制できることが示された。
本発明に係るトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。
1 磁性粒子
2 基体
3 コート層
2 基体
3 コート層
Claims (5)
- トナー母粒子を含むトナー粒子を有する、正帯電性の磁性トナーであって、
前記トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含み、
前記磁性粉は、基体と、前記基体の表面を覆うコート層とを備える磁性粒子を含み、
前記コート層は、フッ素樹脂を含む、磁性トナー。 - 前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の磁性トナー。
- 前記トナー母粒子は、正帯電性の電荷制御剤を更に含む、請求項1又は2に記載の磁性トナー。
- 像担持体と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着させる定着装置と
を備える画像形成装置であって、
前記現像剤は、請求項1〜3の何れか一項に記載の磁性トナーを含む、画像形成装置。 - 像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像することと、
前記トナー像を記録媒体に転写することと、
転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着させることと
を含む画像形成方法であって、
前記現像剤は、請求項1〜3の何れか一項に記載の磁性トナーを含む、画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018006280A JP2019124856A (ja) | 2018-01-18 | 2018-01-18 | 磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018006280A JP2019124856A (ja) | 2018-01-18 | 2018-01-18 | 磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019124856A true JP2019124856A (ja) | 2019-07-25 |
Family
ID=67398585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018006280A Pending JP2019124856A (ja) | 2018-01-18 | 2018-01-18 | 磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019124856A (ja) |
-
2018
- 2018-01-18 JP JP2018006280A patent/JP2019124856A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6693462B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー、画像形成装置、及び静電潜像現像用トナーの製造方法 | |
US10768542B2 (en) | Positively chargeable toner | |
US10254673B2 (en) | Electrostatic latent image developing toner | |
JP6409763B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6237677B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP2019053155A (ja) | 正帯電性トナー、2成分現像剤、及びトナー用外添剤 | |
JP2018185426A (ja) | 静電潜像現像用トナー及びトナー用外添剤 | |
JP2017151255A (ja) | 正帯電性トナー | |
JP6525113B2 (ja) | 2成分現像剤 | |
JP2018054890A (ja) | 正帯電性トナー | |
JP6489086B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP2017003659A (ja) | 複数色のトナー、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP2019124856A (ja) | 磁性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 | |
US9857712B2 (en) | Electrostatic latent image developing toner | |
JP2019101078A (ja) | トナー、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP6330696B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP6064818B2 (ja) | 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ | |
US10564559B2 (en) | Positively chargeable toner, image forming apparatus and image forming method | |
JP6891822B2 (ja) | 正帯電性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP2018072534A (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP4634090B2 (ja) | 電子写真用トナー | |
JP6493321B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP2017227698A (ja) | 2成分現像剤及びその製造方法 | |
JP6528716B2 (ja) | 画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP2017116644A (ja) | 正帯電性トナー |