JP2019124316A - 油圧作動式変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩擦締結要素の締結を短時間で行うとともに、締結時の緻密な油圧制御を実現する。【解決手段】油圧作動式変速機10の第2ブレーキBR2は、複数の摩擦板102a、102bと、該複数の摩擦板102a、102bを押圧するピストンPと、締結時にピストンPをゼロクリアランス状態まで付勢する小スプリングS1と、第2ブレーキBR2を締結するための油圧が供給される締結油圧室BR21とを備え、締結油圧室BR21に対する締結圧を給排制御する第1リニアバルブ41と、締結室BR21のドレン回路712への接続状態を切り換える締結圧ドレンバルブ71とを備えている。【選択図】図4
Description
本発明は、自動車等の車両に搭載される油圧作動式変速機に関し、特に、変速機の摩擦締結要素における構造の技術分野に属する。
車両に搭載される自動変速機等の油圧作動式変速機は、プラネタリギヤセットと、多板クラッチや多板ブレーキ等の複数の摩擦締結要素とを備え、これらの摩擦締結要素をエンジンの運転状態に応じて選択的に締結させることにより、所定の変速段を実現されるように構成されている。
摩擦締結要素には、クリアランスを置いて配置された複数の摩擦板と、この摩擦板を押圧するピストンと、該ピストンを作動させるための油圧室とが設けられている。ピストンは、摩擦板を押圧して、摩擦板同士を締結状態とする締結位置と、押圧を解除して摩擦板同士を解放状態とする解放位置との間を移動する。
油圧作動式変速機は、この摩擦締結要素の油圧室に対する作動油の給排を制御する複数のソレノイドバルブを有し、コントロールユニットからの信号でソレノイドバルブの作動が制御されている。
ところで、油圧作動式変速機の良好な変速動作のためには、摩擦締結要素においては、応答性良く締結することで、適正なタイミングで締結することが必要となる。
これに対して、特許文献1に記載の摩擦締結要素は、摩擦板を押圧するピストンと、該ピストンを摩擦板に当接させ、かつ、クリアランスを詰めるように付勢するスプリングが設けられている。そして、このスプリングは、ピストンの締結側に設けられている。
これによれば、摩擦締結要素を締結する可能性が生じた段階で、ピストンを摩擦板に近接する側にストロークさせて、複数の摩擦板間のクリアランスを狭めておくことができる。そして、摩擦締結要素を締結する必要が生じた段階でピストンをさらに摩擦板に近接する側にストロークさせると、摩擦板間のクリアランスが予め狭められているので、ピストンによる摩擦板の押圧が短時間のうちに完了する。その結果、摩擦締結要素を応答性良く締結することができ、摩擦締結要素を適正なタイミングで締結することができる。
上述のようにスプリングによる付勢力によってピストンを急激に移動させることにより、締結油圧室内に負圧が発生する。そして、この負圧は、ピストンがストローク方向(摩擦板側)へ移動することの妨げとなる場合がある。
これに対して、オイルポンプから圧送された作動油は、例えば、ソレノイドバルブを介して締結油圧室に供給されるため、上述の課題に対しては、ソレノイドバルブの抵抗を低減することが考えられる。
具体的には、通常、ソレノイドバルブには、オイルポンプから圧送された作動油を入力する入力ポート、締結油圧室側に作動油を吐出する出力ポート、および、作動油を排出するドレンポートの3つのポートが設けられている。そして、締結油圧室内の負圧を抑制するために、出力ポートの径およびドレンポートの径を大きくすることで、流路を確保する方法がある。
しかしながら、出力ポートの径を大きくした場合、摩擦締結要素の締結時における緻密なピストンの移動を制御することができなくなり、制御性が犠牲になる問題が発生する。
そこで、本発明は、摩擦締結要素の締結を短時間で行うとともに、締結時の緻密な油圧制御を実現することを課題とする。
まず、請求項1に記載の発明は、
摩擦締結要素を備えた油圧作動式変速機であって、
前記摩擦締結要素は、複数の摩擦板と、該摩擦板を押圧するピストンと、該ピストンをゼロクリアランス状態となるように締結方向に付勢する付勢手段と、摩擦締結要素を締結するための油圧が供給される締結油圧室とを備え、
前記締結油圧室に対する締結圧を給排制御するソレノイドバルブと、前記締結油圧室のドレン回路への接続状態を切り換える切換バルブとを設けたことを特徴とする。
摩擦締結要素を備えた油圧作動式変速機であって、
前記摩擦締結要素は、複数の摩擦板と、該摩擦板を押圧するピストンと、該ピストンをゼロクリアランス状態となるように締結方向に付勢する付勢手段と、摩擦締結要素を締結するための油圧が供給される締結油圧室とを備え、
前記締結油圧室に対する締結圧を給排制御するソレノイドバルブと、前記締結油圧室のドレン回路への接続状態を切り換える切換バルブとを設けたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
ピストンをゼロクリアランス状態と解放状態との間の所定位置まで付勢する第2の付勢手段が備えられていることを特徴とする。
ピストンをゼロクリアランス状態と解放状態との間の所定位置まで付勢する第2の付勢手段が備えられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、
前記切換バルブは、オンオフソレノイドバルブによって切り換えるように構成されていることを特徴とする。
前記切換バルブは、オンオフソレノイドバルブによって切り換えるように構成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の発明において、
前記ドレン回路は、作動油貯留部の油面下まで延びていることを特徴とする。
前記ドレン回路は、作動油貯留部の油面下まで延びていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、摩擦締結要素について、ピストンが付勢手段の付勢力によって、摩擦板がゼロクリアランス状態まで移動されるので、摩擦締結要素を応答性良く締結することができ、摩擦締結要素を適正なタイミングで締結することができる。
さらに、本発明によれば、摩擦締結要素の締結油圧室に制御圧を供給するリニアソレノイドバルブと、これに並列に設けられて締結油圧室のドレン回路への接続状態を切り換える切換バルブとが設けられている。
そして、摩擦締結要素の締結時において、切換バルブをドレン回路へ接続することで、例えば、ドレン回路がオイルパンの油面下に接続されている場合は、ピストンが付勢手段によって、締結側(摩擦板側)に移動するときに発生する負圧によってオイルパンに貯留されている作動油を吸い上げることで負圧を解消ことができるので、負圧によるピストンの作動抵抗を抑制することができる。
また、例えば、リニアソレノイドバルブにおいて、出力ポートおよびドレンポートのポート径を大きくした場合、締結時の緻密な制御ができず、制御性が悪化することが考えられるが、リニアソレノイドバルブに並列に接続状態の切換が可能な切換バルブを設けたことにより、リニアソレノイドバルブのポート径等の変更を必要としないので、制御性の悪化を回避することができる。
切換バルブは、接続状態の切換が可能なので、必要に応じて(例えば、締結油圧室内に必要以上に負圧が発生した場合等に)ドレン回路と接続することができる。
請求項2の発明によれば、付勢手段が第1付勢手段および第2付勢手段で構成されているとともに、両者の付勢手段が摩擦板の解放位置から摩擦板に当接しない所定値までピストンに作用することで、ピストンがより素早く所定位置までの移動を実現することができる。
そして、第1付勢手段の付勢力によってのみピストンが所定位置からゼロクリアランス位置に移動するので、例えば、第2付勢手段よりも第1付勢手段の付勢力を小さく設定した場合、ピストンを緻密に変化させることができる。
請求項3の発明によれば、前記切換バルブは、オンオフソレノイドバルブによって切り換えるように構成されているので、適切なタイミングで接続の切換が可能となる。
請求項4の発明によれば、ドレン回路は、作動油貯留部の油面下まで延びているので、締結油圧室への空気の吸い込みを回避して、ピストンの適切な作動を維持することができる。
以下、本発明の実施形態に係る油圧作動式変速機10の詳細を説明する。
図1は、本実施形態に係る油圧作動式変速機10の構成を示す骨子図であって、この油圧作動式変速機10は、変速機ケース11内の駆動源側(図の左側)に配設された入力軸12と、反駆動源側(図の右側)に配設された出力軸13とを有する縦置き式の自動変速機である。なお、入力軸12と出力軸13とは同一軸心上に配置されている。該入力軸12および出力軸13の軸心上には、駆動源側から、第1、第2、第3、第4プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3、第4ギヤセット」という)PG1、PG2、PG3、PG4が配設されている。
また、この油圧作動式変速機10は、図1に示すように、変速機ケース11内における第1ギヤセットPG1の駆動源側には、第1クラッチCL1が配設され、第1クラッチCL1の駆動源側には、第2クラッチCL2が配設され、第2クラッチCL2の駆動源側には、第3クラッチCL3が配設されている。また、第3クラッチCL3の駆動源側には、第1ブレーキBR1が配設され、第3ギヤセットPG3の駆動源側には第2ブレーキBR2が配設されている。すなわち、油圧作動式変速機10の構成要素(第1〜第4ギヤセットPG1〜PG4、第1〜第3クラッチCL1〜CL3および第1、第2ブレーキBR1、BR2)は、駆動源側から、第1ブレーキBR1、第3クラッチCL3、第2クラッチCL2、第1クラッチCL1、第2ブレーキBR2の順で軸方向に配置されている。
第1〜第4ギヤセットPG1〜PG4は、いずれも、キャリヤに支持されたピニオンがサンギヤとリングギヤに直接噛合するシングルピニオン型であって、回転要素として、第1ギヤセットPG1は、第1サンギヤS1、第1リングギヤR1、第1キャリヤC1を有し、第2ギヤセットPG2は、第2サンギヤS2、第2リングギヤR2、第2キャリヤC2を有し、第3ギヤセットPG3は、第3サンギヤS3、第3リングギヤR3、第3キャリヤC3を有し、第4ギヤセットPG4は、第4サンギヤS4、第4リングギヤR4、第4キャリヤC4を有している。
第1ギヤセットPG1は、第1サンギヤS1が軸方向に2分割されたダブルサンギヤ型である。すなわち、第1サンギヤS1は、軸方向の駆動源側に配置されたフロント側第1サンギヤS1aと、反駆動源側に配置されたリヤ側第1サンギヤS1bとに分割されて構成されている。これら一対の第1サンギヤS1a、S1bは、同じ歯数を有し、第1キャリヤC1に支持された同じピニオンに噛合している。これにより、これらの第1サンギヤS1a、S1bの回転数は常に等しい。すなわち、一対の第1サンギヤS1a、S1bは、常に同じ速度で回転し、一方の回転が停止しているときは他方の回転も停止する。
この油圧作動式変速機10においては、第1サンギヤS1(具体的にはリヤ側第1サンギヤS1b)と第4サンギヤS4、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2、第2キャリヤC2と第4キャリヤC4、第3キャリヤC3と第4リングギヤR4が、それぞれ常時連結されている。そして、入力軸12は第1キャリヤC1に、出力軸13は第4キャリヤC4に、それぞれ常時連結されている。具体的には、入力軸12は一対の第1サンギヤS1a、S1b間を通る動力伝達部材14を介して第1キャリヤC1に結合され、第4キャリヤC4と第2キャリヤC2は動力伝達部材15を介して結合されている。
また、第1クラッチCL1は、入力軸12および第1キャリヤC1と、第3サンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっており、第2クラッチCL2は、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2と、第3サンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっており、第3クラッチCL3は、第2リングギヤR2と第3サンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
第1ブレーキBR1は、変速機ケース11と第1サンギヤS1(より詳しくは前側第1サンギヤS1a)との間に配設されて、これらを断接するようになっている。第2ブレーキBR2は、変速機ケース11と第3リングギヤR3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
なお、第1、第2、第3クラッチCL1、CL2、CL3は、交互に隣接して配置された第1回転摩擦板と第2回転摩擦板とを有し、これらの第1および第2回転摩擦板は、それぞれ外側回転部材と内側回転部材とに係合され、第1および第2回転摩擦板を締結するピストンと、該ピストンを作動させるための油圧室とが設けられている。そして、第1ブレーキBR1は、外側回転部材が変速機ケース11に一体化されており、内側回転部材が第1サンギヤS1に結合されている。第1ブレーキBR1の内側回転部材は、動力伝達部材16を介して、一対の第1サンギヤS1a、S1bのうち、直接的にはリヤ側第1サンギヤS1aに結合されている。
また、第1、第2ブレーキBR1、BR2は、交互に隣接して配置された固定側摩擦板と回転側摩擦板とを有し、固定側摩擦板が係合された固定部材が回転側摩擦板が係合された回転部材の内側に配置され、固定側摩擦板および回転側摩擦板を締結するピストンと、該ピストンを作動させるための油圧室とが設けられている。そして、第2ブレーキBR2は、摩擦板の内周側に配置される固定部材が変速機ケース11に一体化されており、摩擦板の外周側に配置される回転部材が第3リングギヤR3に結合されている。
以上の構成により、この油圧作動式変速機10によれば、図2の締結表に示すように、5つの摩擦締結要素から3つの摩擦締結要素を選択的に締結することにより、前進の1〜8速および後退速が形成される。
具体的には、第1クラッチCL1、第1ブレーキBR1、および第2ブレーキBR2が締結されたときに1速が形成され、第2クラッチCL2、第1ブレーキBR1、および第2ブレーキBR2が締結されたときに2速が形成され、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、および第2ブレーキBR2が締結されたときに3速が形成され、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第2ブレーキBR2が締結されたときに4速が形成され、第1クラッチCL1、第3クラッチCL3、および第2ブレーキBR2が締結されたときに5速が形成され、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、および第3クラッチCL3が締結されたときに6速が形成され、第1クラッチCL1、第3クラッチCL3、および第1ブレーキBR1が締結されたときに7速が形成され、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、および第1ブレーキBR1が締結されたときに8速が形成され、第3クラッチCL3、第1ブレーキBR1、および第2ブレーキBR2が締結されたときに後退速が形成される。
ここで、この実施形態における第3ギヤセットPG3に接続された第2ブレーキBR2が本発明に係るブレーキ装置に相当するので、以下、図3を用いて、第2ブレーキBR2についてその構造を説明する。なお、図3および図8において、入力軸12の軸方向をX方向、自動変速機の径方向をY方向で示す。また、X方向については、便宜上、図面の左方を−X、右方を+Xとする。
第2ブレーキBR2は、ハウジング100、ピストンPおよび締結油圧室BR21、解放油圧室BR22、リング部材101、摩擦板ユニット102、付勢手段としての小スプリングS1および大スプリングS2を備えている。このような第2ブレーキBR2に対し、後述する油圧制御装置2が付設されている。
ハウジング100は、図1に示した変速機ケース11の一部であり、外筒部103、フランジ部104および内筒部105を備える。外筒部103は、入力軸12(図1)の軸方向に延びる筒状部であり、変速機ケース11の外周壁に相当する部分である。フランジ部104および内筒部105は、変速機ケース11の中間壁に相当する部分である。フランジ部104は、外筒部103から径方向内側に延びる部分である。内筒部105は、外筒部103の径方向内側に、外筒部103に対して所定間隔を置いて配置されている。これら外筒部103、フランジ部104および内筒部105が作る空間は、第2ブレーキBR2における前述のシリンダの空間を構成している。
外筒部103の内面の、フランジ部104に隣接する領域には、溝部106が形成されている。これにより、フランジ部104の内面107と軸方向に所定距離をおいて対向する受け面108が、外筒部103の内面側に形成されている。溝部106には、大スプリングS2が収容される。内筒部105には、締結油圧室BR21(以下、「締結室BR21」ともいう)に油圧を供給するための第1供給口110と、解放油圧室BR22(以下、「解放室BR22」ともいう)に油圧を供給するための第2供給口111とが設けられている。
ピストンPは、外筒部103と内筒部105との間において軸方向に移動可能な部材であり、外筒部103の内周面と摺動する押圧片P1と、フランジ部104と対向する受圧片P2とを備える。押圧片P1は、移動方向の先端側(+X側)に、摩擦板ユニット102に押圧力を与える先端面P11を備える。また、受圧片P2は、油圧の押圧力、並びに小および大スプリングS1、S2の付勢力を受ける後端面P21を後端側(−X側)に備える。ピストンPは、摩擦板ユニット102を解放状態とする解放位置(図8(a)に示す位置)と、摩擦板ユニット102に押圧力を与えて締結状態とする締結位置との間を移動する。
締結油圧室BR21は、ピストンPを前記締結位置に向かう方向に移動させる油圧が供給される空間である。締結油圧室BR21は、ハウジング100の外筒部103、フランジ部104および内筒部105と、ピストンPの押圧片P1とによって区画される空間である。本実施形態では、この締結油圧室BR21内に、付勢手段および第2の付勢手段としての小および大スプリングS1、S2が配置されている。
解放油圧室BR22は、ピストンPを前記解放位置に向かう方向に移動させる油圧が供給される空間である。解放油圧室BR22は、ハウジング100の内筒部105と、ピストンPの押圧片P1および受圧片P2と、内筒部105に組み付けられるリング部材101とによって区画される空間である。本実施形態では、この解放油圧室BR22にはリターンスプリング等は配置されない。
摩擦板ユニット102は、クリアランスを置いて配置された複数の摩擦板を備える。具体的には、摩擦板ユニット102は、複数枚の回転側摩擦板102aと、複数枚の固定側摩擦板102bとが、所定のクリアランスを空けて交互に配列されている。回転側摩擦板102aの両面には、フェーシングが貼着されている。回転側摩擦板102aは回転部材112にスプライン結合され、固定側摩擦板102bは固定部材113にスプライン結合されている。回転部材112は、図1に示した第3プラネタリギヤセットPG3のリングギヤR3の外周部分に相当する部材である。また、固定部材113は、変速機ケース11の外周壁の内周部分に相当する部材である。
ピストンPの先端面P11は、最も−X側に位置する回転側摩擦板102aに当接し、摩擦板ユニット102に押圧力を加える。最も+X側に位置する固定側摩擦板102bに隣接して、リテーニングプレート102cが配置されている。リテーニングプレート102cは、回転側摩擦板102aおよび固定側摩擦板102bの+X方向への移動を規制する。
小スプリングS1および大スプリングS2は、ピストンPを前記解放位置から前記締結位置に向かう締結方向(+X方向)に付勢するバネである。小および大スプリングS1、S2は、ピストンPの摩擦板ユニット102と対向する面とは反対側の面に配置されている。小および大スプリングS1、S2の−X側端部は、不動のフランジ部104の内面107で支持され、+X側端部は、X方向に移動するピストンPの後端面P21に当接している。但し、大スプリングS2は、溝部106に収容されるように配置されている。従って、溝部106の受け面108が、大スプリングS2の+X側端部が当接する規制面Wとなり、これにより大スプリングS2の+X方向への伸長が規制されている。
一方、小スプリングS1に対してはこのような規制面は設けられておらず、小スプリングS1は自由高さまで伸長することが可能である。小スプリングS1の自由高さは、内面107と規制面Wとの間の距離よりも長い。すなわち、小スプリングS1がピストンPに対して+X方向の付勢力を与える作用長さは、大スプリングS2の作用長さよりも長い。これにより、ピストンPが前記解放位置に存在している状態から規制面Wの位置(図8(b))までは、小および大スプリングS1、S2の双方の付勢力がピストンPに作用し、規制面Wから小スプリングS1が自由高さまで伸長する位置までは小スプリングS1の付勢力がピストンPに作用することになる。
また、小スプリングS1に比べて、大スプリングS2は大型のバネである。つまり、大スプリングS2の付勢力の方が、小スプリングS1の付勢力よりも大きいものとされている。従って、前記解放位置から規制面Wの位置までは、小スプリングS1の付勢力に加えて大スプリングS2の比較的大きな付勢力が作用するので、ピストンPの移動速度は早いものとなる。
また、油圧作動式変速機10は、上述の摩擦締結要素を締結および解放させることで、変速段を実現するための油圧制御装置2を有しており、この油圧制御装置2について詳しく説明する。
油圧制御装置2は、図4および図5に示すように、油圧源として、エンジン(図示せず)によって駆動される機械式ポンプ21(以下「メカポンプ」という)と、主としてエンジンの停止中に電気により駆動される電気式ポンプ22(以下「電動ポンプ」という)と、これらのポンプ21、22から吐出される作動油を調整し、変速制御のために各摩擦締結要素BR1、BR2、CL1、CL2、CL3に供給される締結圧や解放圧等の変速段形成用の作動圧を生成するとともに、前記摩擦締結要素BR1、BR2、CL1、CL2、CL3を含む変速機内の各潤滑部位への潤滑油の供給を制御する油圧制御回路20とを備えている。
油圧制御回路20は、油圧とスプリング力とによって作動して油路の切り換えや油圧の調整等を行う複数のスプールバルブ31〜37、51、52、71、92と、電気信号によって作動して油路を連通、遮断する複数のオンオフソレノイドバルブ61〜64(以下「オンオフバルブ」という)と、同じく電気信号によって作動して作動圧の給排や調等を行う複数のリニアソレノイドバルブ41〜46(以下「リニアバルブ」という)とを有し、前記油圧源21、22と、これらのバルブと、前記摩擦締結要素BR1、BR2、CL1、CL2、CL3とが油路を介して連結され、前記変速制御や潤滑油の供給制御等を行なうように回路が構成されている。
この油圧制御回路20を構成するバルブとして、まず、メカポンプ21の吐出圧を所定のライン圧に調整するレギュレータバルブ31と、このライン圧と電動ポンプ22の吐出圧とを切り換え、変速制御用作動圧の元圧として摩擦締結要素側に選択的に供給するポンプシフトバルブ32とが備えられ、前記ライン圧を供給するライン圧油路aと電動ポンプ22の吐出油路bとがポンプシフトバルブ32の両端の制御ポート321、322にそれぞれ接続されている。
そして、ライン圧とスプリング(図示せず)による力が電動ポンプ22の吐出圧による力より大きいときは、スプール323が図面上(以下、同様)右側に位置し、前記ライン圧油路aを変速用元圧油路cに連通させ、逆の場合は、スプール323が左側に位置して電動ポンプ22の吐出油路bを前記変速用元圧油路cに連通させるようになっている。
前記変速用元圧油路cからは、第1〜第5元圧分岐油路c1、c2、c3、c4、c5が分岐され、それぞれ第1〜第5リニアバルブ41、42、43、44、45に変速用制御元圧を供給する。そして、各リニアバルブ41、42、43、44、45により、第1、第2ブレーキBR1、BR2、および第1〜第3クラッチCL1、CL2、CL3用の締結圧がそれぞれ生成され、第1〜第5締結圧油路d、e、f、g、hにより、変速段に応じて、第2ブレーキBR2締結室BR21、および第1ブレーキBR1および第1〜第3クラッチCL1、CL2、CL3の油圧室BR11、CL11、CL21、CL31に供給され、対応する摩擦締結要素が締結されるようになっている。
前記変速用元圧油路cからは、さらに第6元圧分岐油路c6が分岐されて第2ブレーキ解放圧供給バルブ33に導かれ、該バルブのスプール331が右側に位置するときに、第6元圧分岐油路c6が第2ブレーキ解放圧油路iに連通し、第2ブレーキBR2の解放室BR22に解放圧が供給されて第2ブレーキBR2が解放される。
第2ブレーキ解放圧油路iには、オリフィス332を介して解放室BR22に制御圧が供給される時のショックを吸収するための油圧供給手段を構成するアキュムレータ333が設けられるとともに、オリフィス332に並列に逆止弁334が設けられている。逆止弁334は、解放室BR22からに第2ブレーキ解放圧油路iに向かう方向に開弁されるように構成されている。
また、前記ライン圧油路aはリデューシングバルブ51に導かれ、該バルブ51によりライン圧が所定圧に減圧されて制御圧が生成される。この制御圧は、制御圧油路jから分岐した第1〜第4分岐制御圧油路j1、j2、j3、j4により、それぞれ第1〜第4オンオフバルブ61、62、63、64に供給される。そして、第1オンオフバルブ61がオン(上、下流側の油路を連通させる状態)のときに、制御圧が第1分岐制御圧油路j1により第2ブレーキBR2の締結圧ドレンバルブ71に供給されて、該バルブ71のスプール711が右側に位置し、これにより、前記第2ブレーキBR2締結室内BR21が第1締結圧油路dおよびドレン回路712を介してオイルパンOIL内に連通しドレン状態となる。
また、第2オンオフバルブ62がオンのとは、第2分岐制御圧油路j2により第2ブレーキBR2解放圧供給バルブ33に制御圧が供給されて該バルブ33のスプール331が右側に位置し、これにより、前述のように、第2ブレーキBR2の解放室BR22に解放圧が供給され、第2ブレーキBR2が解放される。
また、第3オンオフバルブ63がオンのときは、第3分岐制御圧油路j3により、第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3および主軸D用の潤滑油増量バルブ34に制御圧が供給され、さらに、第4オンオフソレノイドバルブ64がオンのときは、第4分岐制御圧油路j4により、第2ブレーキBR2用の潤滑油増量バルブ35に制御圧が供給されるようになっているが、これらのバルブ34、35の潤滑油増量作用については後述する。
なお、前記リデューシングバルブ51で生成される制御圧は、ライン圧制御用リニアバルブ46にも導かれ、前記レギュレータバルブ31に供給されてライン圧の設定圧を調整するライン圧調整圧が生成されるようになっている。
一方、前記ライン圧油路aはオリフィス80を介して主潤滑油路kとされ、該油路k内の潤滑油圧を調整する潤滑用リデューシングバルブ52が備えられている。ここで、潤滑用リデューシングバルブ52には、潤滑油圧が所定値まで調整できないときには、油路lにより、前記レギュレータバルブ31で発生した余剰の作動油が供給されるようになっている。
そして、この主潤滑油路kは、オイルクーラ91を経由した後、第1〜第3潤滑分岐油路k1、k2、k3に分岐され、それぞれ固定オリフィス81、82、83を介して、第1および第2ブレーキBR1、BR2、第1〜第3クラッチCL1、CL2、CL3および変速機内の主軸Dに潤滑油を供給するようなっている。ここで、主潤滑油路kにはオイルクーラ91をバイパスするバイパス油路k’が設けられ、該バイパス油路k’にクーラ91保護のための潤滑油リリーフバルブ92が設けられている。
また、前記主潤滑油路kは、オイルクーラ91の上流側から分岐され、第4潤滑分岐油路k4が前述の第2ブレーキBR2用の潤滑油増量バルブ35に接続されているとともに、オイルクーラ91の下流側からも第5、第6潤滑分岐油路k5、k6が分岐され、第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3および主軸D用の潤滑油増量バルブ34と、第2ブレーキBR2用の潤滑油追加バルブ36にそれぞれ接続されている。
そして、前記第3オンオフバルブ63がオンのときに、第3分岐制御圧油路j3から供給される制御圧により第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3および主軸D用の潤滑油増量バルブ34のスプール341が右側に位置し、第5潤滑分岐油路k5が第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3および主軸D用の潤滑油増量油路mに連通され、この油路がさらに分岐されて第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3および主軸D用の潤滑油増量油路m1、m2および増量オリフィス84、85を介して第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3および主軸Dに潤滑油が供給されるようになっている。
また、前記第4オンオフバルブ64がオンのときは、第4分岐制御圧油路j4から供給される制御圧により第2ブレーキBR2用の潤滑油増量バルブ35のスプール351が右側に位置し、第4潤滑分岐油路k4が第2ブレーキBR2用の潤滑油増量油路nに連通され、第2ブレーキBR2用の潤滑油増量バルブ35および増量オリフィス86を介して第2ブレーキBR2に潤滑油を供給するようになっている。
また、第2ブレーキBR2用の潤滑油追加バルブ36には、第2ブレーキBR2の解放圧供給バルブ33から導かれた第2ブレーキBR2の潤滑油の制御圧油路pが接続されており、第2ブレーキBR2の解放圧供給バルブ33のスプール331の位置に応じて、変速用元圧油路cの第6元圧分岐通路c6と第2ブレーキBR2の潤滑油の制御圧油路pとの連通、遮断状態が切り換えられるようになっている。
具体的には、第2ブレーキBR2の解放圧供給バルブ33のスプール331が右側に位置するとき(第2オンオフバルブ62がオンのとき)は、前述のように、変速用元圧油路cの第6元圧分岐通路c6が第2ブレーキBR2の解放圧油路iに連通して第2ブレーキBR2に解放圧が供給されるが、このとき、第6元圧分岐油路c6と潤滑油の制御圧油路pとは遮断され、第2ブレーキBR2用の潤滑油追加バルブ36は、制御圧が供給されないことでスプール361が左側に位置し、該バルブ36に導かれている第6分岐制御圧油路k6が第2ブレーキBR2用の潤滑油追加油路oに連通し、潤滑油が追加オリフィス87を介して第2ブレーキBR2に供給される。
さらに、第2ブレーキBR2に対しては、電動ポンプ22の吐出油を潤滑油として供給するための電動ポンプ22潤滑切換バルブ37が備えられている。この電動ポンプ潤滑切換バルブ37には、ライン圧油路aからライン圧が制御圧として供給され、この制御圧によりスプール371が左側に位置すると電動ポンプ22の吐出油路bが第2の増量油路qに連通し、この状態で電動ポンプ22が作動すると、その吐出油が第2の増量油路qを介して第2ブレーキBR2に潤滑油として供給されるようになっている。
なお、ドレン回路712は、作動油貯留部としてのオイルパンOILの油面下まで延びるように構成されている。
図6に示すように、上述の第1〜第5リニアバルブ41〜45およびライン圧制御用リニアバルブ46、第1〜第4オンオフバルブ61〜64、電動ポンプ22を制御するためのコントローラ200が備えられ、該コントローラ200に、運転者のアクセルペダル操作量を検出するアクセルセンサ201からの信号と、車両の車速を検出する車速センサ202からの信号と、エンジンの回転数を検出するためのエンジン回転センサ203からの信号と、運転者の操作により選択されたレンジを検出するレンジセンサ204からの信号と、変速機の油温を検出するための油温センサ205からの信号とが入力され、これらの信号に基づいてこれらのバルブに制御信号が出力される。
これにより、選択されたレンジや車両の運転状態に応じて各バルブの開閉ないし開度が制御され、前述の第1〜第3クラッチCL1、CL2、CL3、第1および第2ブレーキBR1、BR2に選択的にライン圧が供給され、変速制御や潤滑油の供給制御等を行うようになっている。
次に、油圧制御回路20の動作を中心として、本実施形態の作用を説明する。
まず、当該車両の走行時における変速段の切換動作を発進時から順次シフトアップする場合を例にとって説明すると、発進時には、第1リニアバルブ41、第2リニアバルブ42および第3リニアバルブ43が、変速用元圧油路cを第1ブレーキBR1、第2ブレーキBR2、第1クラッチCL1の締結室BR11、BR21、CL11に通じる第1、第2および第3締結用油路e、d、fにそれぞれ連通させ、メカポンプ21を油圧源として生成されたライン圧を元圧としてそれぞれの締結圧に調整して前記各締結室BR11、BR21、CL11に供給する。これにより、図2の締結表に示す通り、第1ブレーキBR1、第2ブレーキBR2、第1クラッチCL1が締結され、1速が形成される。
ここで、第2ブレーキBR2の締結時において、第2オンオフバルブ62は、制御圧を第2ブレーキBR2の解放圧供給バルブ33に供給していないので、スプール331が左側に位置されて、変速用元圧油路cの第6元圧分岐油路c6が第2ブレーキBR2の潤滑油の制御圧油路pに連通し、制御圧として第2ブレーキBR2の潤滑油追加バルブ36に供給されており、該バルブ36は、主潤滑油路kの第4潤滑分岐油路k4と第2ブレーキBR2用の潤滑油増量油路nとを遮断した状態にある。
1速から2速に移行するときは、第3リニアバルブ43が、第1クラッチCL1の締結室CL11に供給されていた油圧をドレンするとともに、第4リニアバルブ44が、変速用元圧油路cの第4元圧分岐油路c4を第2クラッチCL2の締結室CL21に通じる第4締結用油路gに連通させ、ライン圧を元圧とする締結圧を生成して第2クラッチCL2の締結室CL21に供給する。これにより、第1ブレーキBR1、第2ブレーキBR2および第2クラッチCL2が締結され、2速段が形成される。
2速から3速に移行するときは、第2リニアバルブ42が、第1ブレーキBR1の締結室BR11に供給されていた油圧をドレンするとともに、第3リニアバルブ43が、変速用元圧油路cの第3元圧分岐油路c3を第1クラッチCL1の締結室CL11に通じる第3締結用油路fに連通させ、ライン圧を元圧とする締結圧を生成して第1クラッチCL1の締結室CL11に供給する。これにより、第2ブレーキBR2、第1および第2クラッチCL1、CL2が締結され、3速段が形成される。
3速から4速に移行するときは、第3リニアバルブ43が、第1クラッチCL1の締結室CL11に供給されていた油圧をドレンするとともに、第5リニアバルブ45が、変速用元圧油路cの第5元圧分岐油路c5を第3クラッチCL3の締結室CL31に通じる第5締結用油路hに連通させ、ライン圧を元圧とする締結圧を生成して第3クラッチCL3の締結室CL31に供給する。これにより、第2ブレーキBR2、第2および第3クラッチCL2、CL3が締結され、4速段が形成される。
4速から5速に移行するときは、第4リニアバルブ44が、第2クラッチCL2の締結室CL21に供給されていた油圧をドレンするとともに、第2リニアバルブ42が、変速用元圧油路cの第2元圧分岐油路c2を第1クラッチCL1の締結室CL11に通じる第2締結用油路fに連通させ、ライン圧を元圧とする締結圧を生成して第1クラッチCL1の締結室CL11に供給する。これにより、第2ブレーキBR2、第1および第3クラッチCL1、CL3が締結され、5速段が形成される。
5速から6速に移行するときは、第4リニアバルブ44が、変速用元圧油路A2の第4元圧分岐油路A24を第2クラッチCL2の締結室CL21に通じる第4締結用油路A34に連通させ、ライン圧を元圧とする締結圧を生成して締結室CL21に供給するとともに、第1リニアバルブ41が第2ブレーキBR2の締結室BR21に供給されていた油圧をドレンする。このとき、第1オンオフバルブ61は、ライン圧を元圧としてリデューシングバルブ51によって調整された制御圧を第2ブレーキBR2の締結圧ドレンバルブ71に供給することで、第2ブレーキBR2の締結室BR21のドレンが促進される。
また、第2オンオフバルブ62は、制御圧を第2ブレーキ解放圧供給バルブ33に供給する。第6元圧分岐油路c6が第2ブレーキ解放圧油路iに連通し、第2ブレーキBR2の解放室BR22に解放圧が供給される。これにより、第2ブレーキBR2が解放され、第1〜第3クラッチCL1〜CL3が締結され、6速が形成される。
このとき、解放圧はオリフィス332を通過するとともに、アキュムレータ333に導入される。アキュムレータ333に解放圧が導入されることで、第2ブレーキBR2の解放室BR22への解放圧の供給が緩やかに行われる。その結果、第2ブレーキBR2の解放動作が円滑に行われ第2ブレーキBR2の急激な解放により5速から6速への変速時において乗員に違和感を与えることが防止される。なお、6速から5速等の変速時において解放室BR22の油圧をドレンするときは、逆止弁334が開くことにより油圧は速やかにドレンされる。
6速から7速に移行するときは、第4リニアバルブ44が、第2クラッチCL2の締結室CL21に供給されていた油圧をドレンするとともに、第3リニアバルブ43が、変速用元圧油路cの第3元圧分岐油路c3を第1クラッチCL1の締結室CL11に通じる第3締結油路fに連通させ、ライン圧を元圧とする締結圧を生成して第1クラッチCL1の締結室CL11に供給する。これにより第1ブレーキBR1、第1および第3クラッチCL1、CL3が締結され、7速段が形成される。
7速から8速に移行するときは、第3リニアバルブ43が、第1クラッチCL1の締結室CL11に供給されていた油圧をドレンするとともに、第4リニアバルブ44が、変速用元圧油路cの第4元圧分岐油路c4を第2クラッチCL2の締結室CL21に通じる第3締結油路gに連通させ、ライン圧を元圧とする締結圧を生成して第2クラッチCL2の締結室CL21に供給する。これにより第1ブレーキBR1、第2および第3クラッチCL2、CL3が締結され、8速段が形成される。
さらに、後退速では、第1リニアバルブ41、第2リニアバルブ42および第5リニアバルブ45が、変速用元圧油路cの第1、第2、第5元圧分岐油路c1、c2、c5を第1ブレーキB1、第2ブレーキBR2、第3クラッチCL3の締結室BR11、BR21、CL31に通じる第1、第2および第5締結用油路d、e、hにそれぞれ連通させ、メカポンプ21を油圧源として生成されたライン圧を元圧としてそれぞれの締結圧に調整して前記各締結室BR11、BR21、CL31に供給する。これにより、図2の締結表に示す通り、第1ブレーキBR1、第2ブレーキBR2、第3クラッチCL3が締結され、後退速が形成される。
なお、停車中または走行中のエンジンが停止するアイドルストップ時には、メカポンプ21を油圧源とするライン圧が低下する一方、電動ポンプ22が作動し、ポンプシフトバルブ32が電動ポンプ22の吐出圧を変速用油路cに導入するように切り換わる。そして、所定のリニアバルブが、電動ポンプ22を油圧源とする油圧を調整して対応する摩擦締結要素の締結室に供給する。これにより、必要に応じて、車両の運転状態に応じた変速段が形成される。
次に、油圧制御回路20の潤滑油供給動作について説明する。
通常の走行時(エンジン作動時)において、ライン圧がライン圧油路aからオリフィス80を介して主潤滑油路kに導入され、潤滑用リデューシングバルブ52で油圧が所定圧に調整され、作動油が潤滑油としクーラ91を経て各潤滑部位に供給される。具体的には、第1潤滑分岐油路k1により第2ブレーキBR2に、第2潤滑分岐油路k2により第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3に、第3潤滑分岐油路k3により軸受部Dに、それぞれ潤滑油が供給される。この第1〜第3潤滑分岐油路k1、k2、k3による潤滑油の供給は、エンジンが作動している間、常時行われる。
また、第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3と軸受部Dに対しては、例えば摩擦締結要素の解放時等の潤滑油量を比較的多量に必要とするときは、第3オンオフバルブ63が第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3および主軸D用の潤滑油増量バルブ34に制御圧を供給し、主潤滑油路kのクーラ91下流側の第5潤滑分岐油路k5を第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3および主軸D用の潤滑油増量油路mに連通させる。これにより、第2ブレーキBR2を除く摩擦締結要素BR1、CL1、CL2、CL3と主軸Dに、第2および第3潤滑分岐油路k2、k3によって供給される潤滑油に加えて、潤滑油増量油路m1、m2によって潤滑油が供給されることになる。
一方、第2ブレーキBR2に対しては、半クラッチ状態とされる1速での発進時に、第4オンオフバルブ64が制御圧を第2ブレーキBR2第1潤滑油増量バルブ35に供給する。主潤滑油路kの第4潤滑分岐油路k4が第2ブレーキBR2用の潤滑油増量油路nに連通し、第2ブレーキBR2に第1潤滑分岐油路k1によって供給される潤滑油に加えて、増量オリフィス86を介して増量潤滑油が供給される。これにより、発熱量の多い半クラッチ時における摩擦板の過度な温度上昇が抑制される。
また、登坂路での発進時や牽引中の発進時等の特に発熱量が多くなる特殊発進時には、電動ポンプ22が作動し、その吐出油が第2ブレーキBR2の電動ポンプ潤滑切換バルブ37に供給される。発進時にはすでにライン圧が生成されて該電動ポンプ潤滑切換バルブ37に供給されているので、電動ポンプ22から吐出された作動油は、該電動ポンプ潤滑切換バルブ37を介して潤滑油として第2の増量油路qに導入され、第2ブレーキBR2に対して、常時供給される第1潤滑分岐油路k1の固定オリフィス81によって供給される潤滑油および第2ブレーキBR2用の潤滑油増量油路nの増量オリフィス86によって供給される潤滑油に加えて、さらに、第2の増量油路qによっても潤滑油が供給される。その結果、特に発熱量が多くなる特殊発進時においても、摩擦板が確実に冷却され、過度な温度上昇が防止される。
さらに、固定部材113が内側に配置されているため、摩擦板102a、102bの引き摺りが発生しやすい第2ブレーキBR2の解放時には、第1オンオフバルブ61がON、第2ブレーキBR2の解放圧供給バルブ33に供給することで、第2ブレーキBR2の潤滑油の制御圧油路pが第2変速用分岐油路c6から遮断される。
したがって、第2ブレーキBR2用の潤滑油追加バルブ36に制御圧が供給されないので、該バルブ36は、第6潤滑分岐油路k6と第2ブレーキBR2用の潤滑油追加油路oとを連通させる。すなわち、解放時には、第2ブレーキBR2には第1潤滑分岐油路k1によって常時供給される潤滑油に加えて、主潤滑油路kの第6潤滑分岐油路k6と連通する第2ブレーキBR2用の潤滑油追加油路oからも潤滑油が供給されるので、摩擦板の引き摺りが抑制される。
図7および図8を参照しながら、6速から5速へのダウンシフト時の動作を説明する。
図7(a)および図8(a)に示すように、車両の変速段が6速で走行中の時点t0において、第2ブレーキBR2は解放状態となっている。このとき、第1リニアバルブ41の指示圧は0とされてドレン側に接続されている。第1オンオフバルブ61はOFFとされて、第2ブレーキBR2の締結圧ドレンバルブ71は、ドレン回路712と遮断されている。したがって、第2ブレーキBR2の締結室BR21には、締結圧が供給されていない。
また、第2オンオフバルブ62はONとされて、第6変速分岐油路c6が、第2ブレーキBR2の解放圧供給バルブ33および解放圧油路iを介して、第2ブレーキBR2の解放室BR22に連通される。したがって、第2ブレーキBR2の解放室BR22には、解放圧が供給されている。
このとき、解放圧は、少なくとも小スプリングS1の付勢力よりも大きい油圧であり、本実施形態においては、小および大スプリングS1、S2の付勢力よりも大きな油圧である。
したがって、ピストンPの解放室BR22側の受圧面P22は、解放圧の供給を受け、ピストンPは小および大スプリングS1、S2の付勢力に抗して反摩擦板側に移動する。小および大スプリングS1、S2は最も圧縮された状態となる。
車両の変速段が6速から5速へシフトダウンの変速指令が出された時点t1において、第2オンオフバルブ62がOFFとされ、第6変速分岐油路c6が第2ブレーキBR2の解放室BR22と遮断されるとともに、解放室BR22の解放圧がドレンされる。これにより、図7のx1に示すように、第2ブレーキBR2の解放圧が減少する。
第1オンオフバルブ61がONとされて、第2ブレーキBR2の締結室BR21が、締結圧ドレンバルブ71を介して作動油貯留部としてのオイルパンOIL内に解放される(ドレン状態)となる。
解放室BR22の解放圧が、小および大スプリングS1、S2の荷重(付勢力)よりも低くなった時点t2において、図7のx2に示すように、小および大スプリングS1、S2が、解放油圧室BR22の内圧に抗してピストンPを締結方向(摩擦板側)にストロークさせ始める。このとき、解放室BR22はドレン状態なので、図8(b)に示すように、小および大スプリングS1、S2の付勢力により、ピストンPは大スプリングS2が規制面Wにいたるまで急激に移動される。この急激な移動によって、図7のx3に示すように、締結油圧室内に負圧が生じる。
ここで発生した負圧は、ピストンPが摩擦板側(締結側)にストロークする場合における作動抵抗が働くが、t1時点で、第2ブレーキBR2の締結油圧室BR21がドレン回路712を介してオイルパンOIL内に連通しているので、図7のx4に示すように、締結室BR21内に作動油が流入する(吸い込まれる)。負圧によって作動油を吸い込むことで、負圧状態によるピストンの締結方向へのストロークは、作動抵抗を抑制した状態で実現することができる。
例えば、締結圧ドレンバルブ71を設けない場合においては、図7のy1に示すように、締結室BR21内の負圧が高くなる。その結果、ピストンPの作動抵抗が大きくなり、締結圧ドレンバルブ71を設けた場合に比べて、図7のy2に示すように大スプリングS2が規制面Wにいたるまでのストローク時間(t2〜t3)が延長されてしまう。
大スプリングS2が、規制面Wに到達した時点t3において、第1リニアバルブ41の指示圧がONとされ(図7のx5)、第1元圧分岐油路c1と第2ブレーキBR2の締結室BR21とが連通されて、締結室BR21内に締結圧が供給される(図7のx6)。なお、このとき第1オンオフバルブ61がOFFされて締結圧ドレンバルブ71はOFFとなる(図7のx7)ので、ドレンされない状態となる。
また、小スプリングS1は、ピストンPを付勢し続けた状態を維持している。これにより、図8(c)に示すように、ピストンは、小スプリングS1および締結圧によって締結方向(摩擦板側)へストロークされる。なお、図7のx8に示すように、締結室BR21への作動油の流入量は、小および大スプリングS1、S2が作用していたときよりも少なくなる。その結果、図7のx9に示すように、ピストンPは、小および大スプリングS1、S2によるストローク時の勾配(図7のx2)よりも緩やかにストロークされる。
図8(c)に示すように、ピストンPの先端面P11が、摩擦板ユニット102に当接する位置よりも反摩擦板側の所定位置Zに到達した時点t4において、第1リニアバルブ41の指示圧がOFFとされる(図7のx10)とともに、第1オンオフバルブ61がONされて締結圧ドレンバルブ71がON(図7のx11)となる。これにより、締結圧の供給はストップする。
ピストンPは、小スプリングS1の荷重によって複数の摩擦板102a、102bを押圧しながら締結側へストロークされる。このとき、締結室BR21内には小スプリングS1の移動により、図7のx12に示すように負圧が発生するが、締結圧ドレンバルブ71および第1リニアバルブ41を介して、作動油が締結室BR21内に供給される(図7のx13)ので、負圧によってピストンPに作動抵抗を与えることが抑制される。また、t4〜t5間では、小スプリングS1のみがピストンに作用しているので、ストロークの速度は、図7のx9に示す小スプリングS1および締結圧領域の勾配よりもさらに緩やかになる(図7のx14)。
例えば、締結圧ドレンバルブ71が設けられていない場合においては、図7のy3に示すように、締結圧室BR21内の負圧が高くなる。その結果、小および大スプリング領域同様に、ピストンPの作動抵抗が大きくなり、締結圧ドレンバルブ71を設けた場合に比べて、ぅ7のy4で示すように小スプリングS1が複数の摩擦板102a、102bを押圧してゼロタッチ状態になるまでのストローク時間(t4〜t5)が延長されることになる。
小スプリングS1が複数の摩擦板102a、102bを押して、図3に示すように、トルクを伝達しないゼロタッチ状態に至った時点t5において、小スプリングS1の荷重によってピストンPがストロークすることで、ピストンPの先端面P11が複数の摩擦板102a、102bの間のクリアランスを埋めるゼロクリアランス状態になる。このとき、締結油圧室BR21内には、小スプリングS1の移動によって、わずかな負圧が発生する(図7xの15)。これにより、締結圧ドレンバルブ71および第1リニアバルブ41を介して、作動油が締結油圧室BR21内に供給され続ける。その結果、ピストンPがストロークするので、摩擦板102bのフェーシングが圧縮される低剛性状態となる。このとき、第2ブレーキBR2は、微小トルクを伝達する弱締結状態となる(図7のx16)。
摩擦板102bのフェーシングの圧縮が完了し、ピストンPがストロークエンドに達した時点t6で、第1オンオフバルブ61がOFFされて締結圧ドレンバルブ71がOFF(図7のx17)とされる。これにより、第2ブレーキBR2の完全締結の準備段階が完了する。そして、所定時間後の時点t7において、第1リニアバルブ41の指示圧が上昇されて、締結油圧室BR21に締結圧が供給される。その結果、締結油圧室BR21の内圧が上昇し、第2ブレーキBR2が完全締結状態に至る。
以上により、6速から5速へのシフトダウン時における第2ブレーキBR2の解放動作が完了する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、次のような他の実施形態を取ることができる。
上述の実施形態では、付勢手段として、小スプリングS1および大スプリングS2を例示したが、本発明においては、図9に示すように、付勢手段として少なくとも小スプリングS1が備えられていればよく、大スプリングS2の適用を省くことができる。
図9を参照しながら第2実施形態について説明する。なお、図3に示す第1実施形態と同様の構成については図9において同一の符号を用いるとともに、その説明を省略する。
図に示すように、第2実施形態における第2ブレーキBR2は、締結室BR21に付勢手段として小スプリングS1のみが配置された構成が第1実施形態と異なる。なお、その他の部分は、第1実施形態と同様の構成であり同様の効果が得られる。
具体的には、第2実施形態においては、図7に示すタイムチャートのt2〜t3時点の小スプリングS1および大スプリングS2がピストンに作用する領域が省略される。
したがって、6速から5速への変速指令が出力された時点t1で、第1実施形態のt3時点同様に、第1リニアバルブ41の指示圧がONとされ(図7のx5)、第1元圧分岐油路c1と第2ブレーキBR2の締結室BR21とが連通されて、締結室BR21内に締結圧が供給される(図7のx6)。なお、このとき第1オンオフバルブ61がOFFされて締結圧ドレンバルブ71はOFFとなる(図7のx7)ので、ドレンされない状態となる。
また、小スプリングS1は、ピストンPを付勢し続けた状態を維持しているので、ピストンPは、小スプリングS1および締結圧によって締結方向(摩擦板側)へストロークされる。
そして、第1実施形態同様に、ピストンPの先端面P11が、摩擦板ユニット102に当接する位置よりも反摩擦板側の所定位置に到達した時点t4において、第1リニアバルブ41の指示圧がOFFとされる(図7のx10)とともに、第1オンオフバルブ61がONされて締結圧ドレンバルブ71がON(図7のx11)となる。これにより、締結圧の供給がストップする。
ピストンPは、小スプリングS1の荷重によって複数の摩擦板102a、102bを押圧しながら締結側へストロークされる。このとき、締結室BR21内には小スプリングS1の移動により、図7のx12に示すように負圧が発生するが、締結圧ドレンバルブ71および第1リニアバルブ41を介して、作動油が締結室BR21内に供給される(図7のx13)ので、負圧によってピストンPに作動抵抗を与えることが抑制される。また、t4〜t5間では、小スプリングS1のみがピストンに作用しているので、ストロークの速度は、図7のx9に示す小スプリングS1および締結圧領域の勾配よりも緩やかになる(図7のx14)。
小スプリングS1が複数の摩擦板102a、102bを押して、図3に示すように、トルクを伝達しないゼロタッチに至った時点t5において、第1実施形態同様に、小スプリングS1の荷重によってピストンPがストロークすることで、ピストンPの先端面P11が複数の摩擦板102a、102bの間のクリアランスを埋めるゼロクリアランス状態になる。このとき、締結油圧室BR21内には、小スプリングS1の移動によって、わずかな負圧が発生する(図7xの15)。これにより、締結圧ドレンバルブ71および第1リニアバルブ41を介して、作動油が締結油圧室BR21内に供給され続ける。その結果、ピストンPがストロークするので、摩擦板102bのフェーシングが圧縮される低剛性状態となる。このとき、第2ブレーキBR2は、微小トルクを伝達する弱締結状態となる(図7のx16)。
摩擦板102bのフェーシングの圧縮が完了し、ピストンPがストロークエンドに達した時点t6で、第1実施形態同様に、第1オンオフバルブ61がOFFされて締結圧ドレンバルブ71がOFF(図7のx17)とされる。これにより、第2ブレーキBR2の完全締結の準備段階が完了する。そして、所定時間後の時点t7において、第1リニアバルブ41の指示圧が上昇されて、締結油圧室BR21に締結圧が供給される。その結果、締結油圧室BR21の内圧が上昇し、第2ブレーキBR2が完全締結状態に至る。
以上のように、本発明によれば、複数の摩擦締結要素を有するとともに、ソレノイドバルブを介して締結油圧室に油圧が供給される油圧作動式変速機において、摩擦締結要素の締結を短時間で行うとともに、締結時の緻密な油圧制御を実現するので、変速機の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
10 油圧作動式変速機
62 第2オンオフソレノイドバルブ(ソレノイドバルブ)
71 締結圧ドレンバルブ(切換バルブ)
712 ドレン回路
102a、102b 複数の摩擦板
BR2 第2ブレーキ(摩擦締結要素)
BR22 締結油圧室
OIL オイルパン(作動油貯留部)
P ピストン
S1 小スプリング(付勢手段)
S2 大スプリング(第2の付勢手段)
62 第2オンオフソレノイドバルブ(ソレノイドバルブ)
71 締結圧ドレンバルブ(切換バルブ)
712 ドレン回路
102a、102b 複数の摩擦板
BR2 第2ブレーキ(摩擦締結要素)
BR22 締結油圧室
OIL オイルパン(作動油貯留部)
P ピストン
S1 小スプリング(付勢手段)
S2 大スプリング(第2の付勢手段)
Claims (4)
- 摩擦締結要素を備えた油圧作動式変速機であって、
前記摩擦締結要素は、複数の摩擦板と、該摩擦板を押圧するピストンと、締結時にピストンをゼロクリアランス状態になるまで付勢する付勢手段と、摩擦締結要素を締結するための油圧が供給される締結油圧室とを備え、
前記締結油圧室に対する締結圧を給排制御するソレノイドバルブと、前記締結油圧室のドレン回路への接続状態を切り換える切換バルブとを設けたことを特徴とする油圧作動式変速機。 - ピストンをゼロクリアランス状態と解放状態との間の所定位置まで付勢する第2の付勢手段が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧作動式変速機。
- 前記切換バルブは、オンオフソレノイドバルブによって切り換えるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の油圧作動式変速機。
- 前記ドレン回路は、作動油貯留部の油面下まで延びていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の油圧作動式変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018006423A JP2019124316A (ja) | 2018-01-18 | 2018-01-18 | 油圧作動式変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0719326A (ja) * | 1993-06-29 | 1995-01-20 | Nissan Motor Co Ltd | 自動変速機の油圧制御装置 |
JP2017150533A (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | マツダ株式会社 | 自動変速機 |
-
2018
- 2018-01-18 JP JP2018006423A patent/JP2019124316A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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