JP2019124131A - エンジン作業機 - Google Patents

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直人 一橋
Naoto Ichihashi
直人 一橋
上村 淳一
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淳一 上村
佐藤 慎一郎
Shinichiro Sato
慎一郎 佐藤
健文 川口
Takefumi Kawaguchi
健文 川口
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Abstract

【課題】ハンドル部を把持しながら作業を行うエンジン作業機において、エンジンからハンドル部に伝わる振動を低減させる。【解決手段】往復動するピストンを備えたエンジンと、エンジンを保持するハウジングと、ハウジングに設けられるハンドル部を有するエンジン作業機において、第1脚部40と第2脚部50は一端がハウジング2に接続され、他端が自由端となるものであって、ピストンの移動方向と略直行する方向に延びるように構成される。第1脚部40の自由端には第1の錘45が設けられ、第2脚部50の自由端には第2の錘55が設けられる。エンジンの運転中には第1脚部40と第2脚部50による振れ回りによる振動によって、エンジンの回転による一次振動を有効に打ち消すことができる。第1の錘45と第2の錘55の質量は、それぞれ異なり、第1脚部40と第2脚部50の固有振動数も異なる。【選択図】図4

Description

本発明はエンジンを駆動源として、ハンドル部を把持しながら作業を行うエンジン作業機における振動低減技術に関する。
エンジンブロワ等の携帯型のエンジン作業機において、動力源としてエンジンが広く用いられている。エンジンは、小型軽量で大きな出力を得ることができ、燃料を供給することにより長時間の作業が可能となる。しかしながら、エンジンにおいてはシリンダの内部でピストンが往復移動し、混合気の燃焼による爆発を伴うので、その燃焼爆発によるエネルギーによって駆動源や駆動部材が大きな振動が発する。作業者はエンジン作業機を把持して作業を行うため、エンジン作業機に生じる振動、特にハンドル部に伝わる振動を低減することが求められる。このようなエンジン作業機において、振動を低減する技術として特許文献1が知られている。特許文献1では、エンジン作業機のハウジングの内部に駆動源における移動体と同期して逆位相にて駆動されるウエイト(錘)を設けて、エンジン作業機に生じる振動を打ち消すように構成している。
特開2009−275836号公報
特許文献1の構成により効果的な振動抑制が可能となるが、ウエイトを駆動するために複雑な構造が必要とされ、それらをハウジングの内部に収容する必要がある。これに対して、ウエイトを能動的に駆動せずに、エンジン作業機に生じる振動により受動的に往復動させるようにしてエンジンにて発生する振動を吸収させる構成も考えられるが、これでは特定の周波数の振動しか吸収できないという課題が残ってしまう。また、駆動源たるエンジンの回転数は可変であって様々な周波数の振動が発生するので、単一の能動的に移動するウエイトを設けることはエンジン作業機においては不向きである。さらに、エンジン内部にウエイトと駆動機構を設けることは、エンジン作業機の筐体が大型化してしまうというデメリットが生ずる。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は幅広い周波数帯の振動を低減可能なエンジン作業機を実現することにある。
本発明の他の目的は、簡単でコンパクトな構成でエンジン作業機の振動抑制機構を実現することにある。
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、往復動するピストンを備え、作業部材を駆動するエンジンと、エンジンを保持するハウジングと、ハウジングに設けられるハンドル部と、一端がハウジングに接続され他端が自由端となる第1梁部及び第2梁部と、を有し、第1梁部及び第2梁部は、ピストンの移動方向と略直行する方向に延び、第1梁部の自由端には第1の錘が設けられ、第2梁部の自由端には第2の錘が設けられ、第1の錘を有する第1梁部の固有振動数を、第2の錘を有する第2梁部の固有振動数と異なるように構成した。ここで、第1梁部と第2梁部は、エンジン作業機の片持ち式の脚部を兼ねるように構成すると良い。第1の錘を有する第1梁部の固有振動数と、第2の錘を有する第2梁部の固有振動数は、それぞれピストンによる往復動の動作周波数の範囲内に設定した。
本発明の他の特徴によれば、第1の錘を有する第1梁部の固有振動数と、第2の錘を有する第2梁部のメインハウジング固有振動数として、作業時に多用するエンジンの回転数の範囲から2つを選択した。このように 複数の梁部同士の振動が干渉することでお互いの振動が相殺されて振動エネルギーの吸収効果が低下するなどの不具合を防止し、複数の梁部による振動吸振器の効果を安定して発揮できる。第1梁部及び第2梁部は略平行に配置され、それぞれの長手方向がエンジンのクランク軸と略平行となる方向に配置される。また、第1梁部及び第2梁部はエンジンよりも下側に設けられ、ハンドル部はエンジンよりも上側に設けられ、ハンドル部の長手方向は、第1梁部及び第2梁部の長手方向と交差する向きに配置される。
本発明のさらに他の特徴によれば、第1梁部の先端面にネジボスが形成され、第1の錘は第1梁部の先端面にネジにて固定され、第2梁部の先端面にネジボスが形成され、第2の錘は第2梁部の先端面にネジにて固定される。また、第1梁部及び第2梁部は合成樹脂製であって、合成樹脂製のハウジングと一体に製造され、第1の錘と第2の錘は金属製とした。第1の錘と第2の錘の軸方向と垂直な断面形状は同形であって、それぞれの軸方向長さを変えることにより、第1の錘と第2の錘の質量が異なるようにした。第1梁部及び第2梁部を、エンジン作業機を載置する際の脚部とすれば良い。
本発明によれば、ピストンの往復動方向と垂直な方向に延びる第1の梁部及び第2の梁部と、これら梁部の先端に設けられる第1の錘及び第2の錘を設けた構成のため、ピストンの往復動により生じる振動を梁部の揺動によって効果的に吸収できる。また、梁部の揺動特性は、梁部の先端部に設けられる錘の質量や錘の取付け位置によって調整できるので、簡単な構成によって十分な効果を得ることができる。また、エンジンの大型化を抑制できる。
本発明の実施例に係るブロワ装置1の外観図である。 本発明の実施例に係るブロワ装置1の右側面図であって、一部を断面図にて示す。 本発明の実施例に係るブロワ装置1の鉛直断面図である。 図1の脚部付近の部分拡大図であって、第1の錘45と第2の錘55を装着前の展開図にて示している。 本発明の実施例に係るブロワ装置1の第1の脚部40と第2の脚部50の振動特性を示す波形図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後左右、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
図1はエンジン作業機の一例であるブロワ装置1を示す斜視図である。ブロワ装置1は上部にハンドル部6が形成され下部に脚部40、50が形成されたメインハウジング2と、送風用のファンを収納するためのファン室を形成するファンハウジング4と、メインハウジング2の右側に固定され、エンジン20(後述)を収容すると共にエンジン20の周囲を覆うエンジンカバー3を含んで構成される。メインハウジング2とエンジンカバー3とファンハウジング4は、鉛直方向に分割面を有し、図示しない複数のネジにより接合される。メインハウジング2の上部のハンドル部6は、作業者が片手で把持する部分であり、ハンドル部6の下側にはエンジン20の回転速度を増減させるためのトリガレバー7が設けられる。エンジン20の後方側には、後述する気化器36(図2参照)やエアフィルタ37(図2参照)が収容され、それらはエンジンカバー3に取り付けられるエアクリーナーカバー9によって覆われる。エンジン20はクランク軸(後述)が左右方向に向くように配置され、ピストン(後述)が上下方向に向くように配置される。エンジン20のシリンダ(後述)の後方側に図示しない気化器が設けられ、シリンダ(後述)の前方側に図示しないマフラが設けられる。エンジンカバー3には多数のスリット状の風窓を形成することによって、エンジン20から発生する熱を、エンジンカバー3の外部に効果的に逃がすと共に、作業者がエンジン20の発熱部を直接触ることができないようにガードする機能を奏する。エンジンカバー3の前方側には、図示しないマフラから排出される排気ガスをエンジンカバー3の外部に排出させるための排気出口3cが形成される。このように、本実施例のブロワ装置1では、エンジン20はほぼ全面が合成樹脂製のカバー又はハウジングにて覆われる。
エンジン20(図3で後述)の下側には燃料タンク31が設けられる。燃料タンク31は後方の上部に開口部を有し、タンクキャップ32にて閉鎖される。タンクキャップ32を開けることで、燃料タンク31内に、ガソリンと潤滑油を混合した混合油を入れることができる。燃料タンク31の上側であって、クランク軸(図3で後述)の右側端部には、手動式のエンジン始動手段たるリコイルスタータ34が設けられる。リコイルスタータ34には、スタータハンドル35が設けられ、作業者がスタータハンドル35を引くことによってクランク軸を回転させてエンジン20を始動することができる。燃料タンク31のさらに下方側には、第1の脚部40と第2の脚部50が設けられる。第1の脚部40と第2の脚部50は、左側から右側に向けて水平方向に延びるような片持ち式の梁状に形成されるもので、左端側はメインハウジング2というエンジン20に対して剛となる部材に固定された固定端となり、右端側がどこにも固定されない自由端となる。第1の脚部40の先端には金属製の第1の錘45がネジ47によって取りつけられ、第2の脚部50の先端には金属製の第2の錘55がネジ57によって取りつけられる。
ブロワ装置1のハウジング部分(2、4)の前側には、円管状の排出管15が接線方向に延びるように形成される。排出管15の排出方向は、前方向きであるが、やや下向きになる。排出管15は、中心軸線F1方向の片面側がメインハウジング2により形成され、他面側がファンハウジング4によって形成される。排出管15の外周面には、着脱可能な延長管たるパイプ61を取り付けるための取付溝18が180度隔てた2カ所に設けられる(図では1つしか見えない)。パイプ61は合成樹脂製の円筒部材であって、先端に断面形状が円形の開口61aを有し、中心軸線F1に沿ったストレート状の通路を形成する。パイプ61の前端側には、更なるパイプ61又はノズル(図示せず)を接続するためにテーパー形状とされる接続部62が形成され、接続部62の外周面の2箇所には径方向外側に突出する凸部63a、63bが形成される。
図2はブロワ装置1の右側面図であって、エンジン部を縦断面図にて示す図である。エンジン20は、2サイクル式の空冷エンジンであって、クランク軸25が左右方向に、詰まり紙面と直交する方向に延びるように配置される。ピストン22を収容するシリンダ21の中心線B1は、ほぼ鉛直方向に向くように配置され、頭部の燃焼室21aには点火プラグ38が設けられる。クランク軸25と一体に形成されるクランク24からコンロッド23を介してピストン22が連結され、ピストン22がシリンダ21の内部で上下動する。エンジン20の吸入−圧縮−爆発−排気の行程は、公知の2サイクルエンジンと同じであるので、ここでの詳細な説明は省略する。エンジンの運転中にはピストン22の往復動およびアンバランスによる振れ回りによる振動が生じ、主たる振動の周波数成分はクランク24の回転に伴う1次振動である。また、エンジン20から生じる振動は、主に上下左右方向に生じることになる。
ハンドル部6はその長手方向中心線E1がシリンダ21の中心線B1とほぼ直交するような向きとなる。ハンドル部6はエンジン20の上方に位置し、その前後方向長さL1が、前後方向に見てシリンダ21とクランクケース26の前後方向位置L2と重なる領域に配置される。第1脚部40は、エンジン20の下方において、前後方向における位置、特に中心軸線C1の位置がエンジン20のシリンダ21とクランクケース26部分に対して前方側に配置される。また、第2脚部50は、エンジン20の下方において、前後方向における位置、特に中心軸線D1の位置がエンジン20のシリンダ21とクランクケース26部分に対し後方側に配置される。2つの脚部40、50は、その中心軸C1、D1が紙面とほぼ直交する方向に向く。脚部40の内側は中空であって、地面に安定して接地させるための2つの平行なリブ44a、44bが形成される。同様に、脚部50の内側は中空であって、地面に設地させるための2つの平行なリブ54a、54bが形成される。
脚部40、50の中心軸C1、D1との前後方向の距離はL3であり、クランクケース26及びシリンダ21が占める前後方向長さL2よりも大きくなるような位置関係とする。このように、第1脚部40と第2脚部50は、前後方向において、ハンドル部6及びエンジン20を挟むように、前後に離間して配置される。尚、脚部40、50をいずれもエンジン20の長さL2(シリンダ21とクランクケース26部分)に対して後方側に偏って配置した場合、エンジン20及び脚部の共振により後方側の振動は低減するが、前方側の振動は低減できず、むしろ支点となるハンドル部6を中心として回動する方向に振動が発生する恐れがある。上記構成によれば、第1脚部40と第2脚部50とを、ハンドル部6及びエンジン20を挟むように前後に離間して配置したため、共振部材の偏りにより他の位置に振動を発生させることなく、効果的に振動を低減できる。
図3は本発明の実施例に係るブロワ装置1の鉛直断面図である。メインハウジング2には2サイクル式のエンジン20が固定され、エンジン20の動力を用いてファン13を回転させる。メインハウジング2は、合成樹脂の一体成形品であってクランク軸25と直交する鉛直壁2aから右側部分にエンジン20が固定され、左側部分にファン室14が形成される。メインハウジング2の上下方向中央付近に鉛直壁2aが形成され、鉛直壁2aの径方向外側部分に、ファン室14の外周側流路を形成するものであって、ボリュート形状の壁面の片面側となる周方向に連続する環状の湾曲壁2cを有する。湾曲壁2cよりも上側にはハンドル部6の左側部分となる左半部6bが形成され、湾曲壁2cの下側付近には脚部40、50(図3では見えない)が連結される。
メインハウジング2の鉛直壁2aの中央には、貫通穴2bが形成され、クランク軸25に設けられる取付部材12を貫通させている。メインハウジング2の右側には、エンジンカバー3が設けられる。エンジンカバー3はメインハウジング2と共にエンジン20を収容するための覆いとなるもので、複数の図示しないネジによってメインハウジング2にネジ止めされる。また、エンジンカバー3の上側には作業者が把持するハンドル部6の右半部6aが形成される。エンジンカバー3の下側部分には、燃料タンク31が位置する。エンジンカバー3の右側の鉛直壁3aには、図1に示したように多数のスリット状の風窓が形成されており、鉛直壁3aにはリコイルスタータ34のカバーを貫通させるための貫通穴3bが形成される。
エンジン20のクランクケース26は、クランク軸25の回転軸線A1方向に、右側クランクケース26aと左側クランクケース26bに分割できるように構成される。シリンダ21の構成要素のうち、シリンダ本体円筒部、ヘッド部分、放熱フィンが、例えばアルミニウム合金の一体鋳造で形成される。左側クランクケース26bの下端付近には、下方及び左側に向けて延在する延在部27が形成され、延在部27にはメインハウジング2のネジ穴2dとネジ19aによって螺合させるためのネジ溝27aが形成される。クランク軸25の左側端部には、マグネトロータ28が設けられる。マグネトロータ28はシリンダ21を冷却するための冷却風を発生させる冷却ファンとしての機能をも果たす。マグネトロータ28の外周面の一部に図示しないマグネットが設けられ、マグネトロータ28に近接する上側部分には点火プラグで火花を飛ばすための高圧電流を生成するイグニッションコイル29が設けられる。マグネトロータ28と同軸上には取付部材12を介してファン13が取り付けられる。取付部材12の先端側には、ファン13の取付穴を貫通してナットによってファン13を固定するためのねじ部が形成され、後方側にはクランク軸25の一端側のネジ部に螺合する雌ネジ部が形成される。
ファン13が回転する空間となるファン室14は、メインハウジング2とファンハウジング4によって形成される。ファンハウジング4は合成樹脂の一体成形により製造されるもので、遠心式のファン13の周囲に沿って、ファン室14の外周側の壁までの距離が周方向に回転するにつれて徐々に大きくなるようにして、ファン13により排出された空気流を円周方向に案内する流路を形成する。ファン13により吸入された空気は、加圧加速された後に、外周部に形成された排出管15から前方側に排出される。このファン室14の形状はいわゆるボリュート形状と呼ばれるものである。排出管15の内側には、メインハウジング2から水平方向に延びる3つのリブ16a〜16cが形成される。また、ファンハウジング4からは、リブ17a〜17cが形成される。リブ16a〜16cとリブ17a〜17cは、排出管15から異物を中に入れることができないようにするための阻害部材であって、流路抵抗を極力増やさないように平板状に形成される。ここではリブ16a〜16cはメインハウジング2と一体成形により製造され、リブ17a〜17cはファンハウジング4と一体成形により製造される。
防塵カバー5はファンハウジング4の空気流入口となる開口4aを覆うもので、空気の通過を可能とし、大きなゴミの進入を防ぐ多数の風窓5aが形成される。防塵カバー5は合成樹脂の一体成形により製造され、複数のネジ19b(図では1本しか見えない)によってファンハウジング4に固定される。開口4aは、ファンハウジング4からファン13の回転軸方向に延びる円形の開口である。
メインハウジング2には脚部40が接続される。脚部40の材質は樹脂であって、ここではメインハウジング2と脚部40、50は一体成形によって製造される。脚部40は、下側が載置面となるように水平方向に延びるように片持ち式の梁部として形成される。つまり、脚部40は長手中心軸C1が水平方向に延び、長手中心軸C1に見て脚部40の一方側(左側)がメインハウジング2に接続され、他方側(右側)が固定されない自由端となる。脚部40の先端には所定の質量の錘45が取りつけられる。通常、作業者は脚部40や50に触ることがないが、本実施例では作業者の接触を容易に防止できる位置に設けられた梁部(脚部40、50)を、ハンドル部6の代わりに共振する部材として振動させる構成とした。これら脚部40、50が振動しても、作業者はそれを把持も接触もしていないため、脚部40、50の振動が作業者へ伝わることを防止できる。錘45は脚部40の先端よりも長手中心軸C1よりも径がわずかに小さいように構成される。錘45を設けることによって、エンジン20の運転時に振動する脚部40の共振振動数を任意の周波数に設定することができる。また、錘45を設けることによって脚部40の先端をぶつけたりした際の脚部40の破損からの保護を図ることができる。
図4は脚部40、50付近の部分拡大図であって、錘45、55を取りつける前の展開図にて示している。尚、後方側の脚部50については、エンジンカバー3の記載を一部省略し脚部50が見えるようにしている。脚部50の構成も図3にて説明した脚部40と同様であって、メインハウジング2と一体成形で形成された片持ち式の梁部である。梁部の延びる方向、即ち、長手中心軸C1、D1が延びる方向は、クランクの中心軸A1(図3参照)と平行方向に、且つ、シリンダ21の中心軸A1(図3参照)と直交する方向に延びている。本実施例では、長手中心軸C1、D1は上面視でほぼ平行であるが、固定端たる右側の間隔(図2のL3に相当)が、自由端たる左側の間隔よりもわずかに狭くなるように配置した。尚、長手中心軸C1、D1を上面視で平行としても良いし、自由端たる左側の間隔L3が大きく開くように形成しても良い。
第1及び第2の梁部は樹脂の成形によって中空状に形成され、その自由端側が閉鎖されて先端面41、51が形成され、固定端側が開口する(開口部分は図4では見えない)。脚部40、50の開口する側は、ファンハウジング4と一体に形成される脚部カバー44によって閉鎖される。脚部40の自由端側の先端には、錘45がネジ47によって取り付けられる。同様にして脚部50の自由端側の先端には、錘55がネジ57によって取り付けられる。脚部40に取りつけられる錘45と、脚部50に取りつけられる錘55の材質は焼結材等の鋼材であってそれぞれの質量が異なるように選択される。鋼材による錘45、55はメッキ処理又は塗装処理を施しても良い。図4からわかるように、錘45と錘55は、長手中心軸C1、D1方向からそれぞれ見た際の形状が、脚部40、50の断面形状と相似であって、ここでは略三角形の鋼材である。しかしながら、錘45と錘55の軸線方向の厚さT1、T2が明らかに異なるようにした。ここでは、T1>T2とすることにより錘45の重さを重くしている。錘45、55の質量を変えることによって、錘をつけた状態の脚部40と脚部50の固有振動数が異なるように設定できる。
脚部40にはネジ溝42と、それに隣接して長手中心軸C1回りに自転防止をするための回り止め用の凹部43が形成される。凹部43は長手中心軸C1の中心に形成されるネジ溝42の上側に設けられるもので、錘45には中央にネジ穴46が形成され、脚部40と接する面には、凹部43に嵌合する凸部(図では見えない)が形成される。同様に、脚部50にはネジ溝52と、それに隣接して長手中心軸D1回りに自転防止をするための回り止め用の凹部53が形成される。凹部53は長手中心軸D1の中心に形成されるネジ溝52の上側に設けられるもので、錘55には中央にネジ穴56が形成され、脚部50と接する面には凹部53に嵌合する凸部(図では見えない)が形成される。尚、錘45と錘55をネジ止めでなくて、接着剤や両面テープ等の他の方法により固定するようにしても良い。また、錘45、55に錘45、55を成形時に鋳込むようにしても良い。さらに、錘45の脚部40に対する回り止めと、錘55の脚部50に対する回り止めは、凹部43、53を利用するのではなく、別の係合手段にて回り止めするように構成しても良い。
ブロワ装置1において作業者がハンドル部6を把持してブロワ装置1を持った状態にてトリガレバー7を引いてブロワ装置1を稼働させると、稼働時の排出管15からの風量は一定となる。ここで排出管15に、1本又は2本のパイプ61を接続したり、パイプ61の先端側に、先端形状を変更するノズルを取りつけると流路抵抗によってエンジン20に加わる負荷が変化することになる。この負荷の変化によって、エンジン20の作業時の回転数が、パイプ61の非接続時と、パイプ61やノズルとを取りつけた時では異なることになる。従って、脚部40、50および錘45、55からなる片持ち梁状の振動系の固有振動数をパイプ非接続時と、接続時の双方の運転周波数に合致するよう設定することで、脚部40、50を複数周波数に対する振動吸振器として機能させることが可能となる。
以上説明したように、第1の梁部となる脚部40の先端と、第2梁部となる脚部50の先端に、これらの梁部よりも高密度の材質の錘(ウエイト)を設け、脚部40、50および錘45、55の固有振動数を往復動部の動作周波数に設定したので、ハンドル部6と離間した梁部(脚部40、50)が往復動部の動作周波数で共振して振動吸振器として振動エネルギーを吸収するため、エンジン20からハンドル部6への振動エネルギー伝達を抑制できる。また、脚部40と脚部50の双方に錘を設けたので、吸収できる振動エネルギー量を増大させることができ、錘が一つだけの場合に比べてハンドル部6への振動エネルギー伝達を更に抑制できる。
図5は第1の脚部40と第2の脚部50の振動特性を示す波形図である。横軸は周波数(単位ヘルツ)であり、縦軸は振動の大きさを示す伝達関数(単位(m/s)/N)である。ここでは、ブロワ装置1のハンドル部6にて保持させて、脚部40、50が何にも接触していない状態にて振動特性を測定したものである。図4にて説明したように本実施例のブロワ装置1では、第1の錘45と第2の錘55の質量が異なっている。例えば第1の錘45は20数グラム、第2の錘55がその倍程度である。その結果、第1の脚部の振動特性48と、第2の脚部の振動特性58は図5に示すようになる。この振動特性48、58は特定の周波数に対して尖塔状となるのではなくて、ある程度の幅を有するものである。ここでは第1の脚部40の共振点のピークが117Hz、第2の脚部50の共振点のピークが133Hzとなる。117Hzはエンジンの回転速度が7000rpmの一次振動に対応し、133Hzはエンジンの回転速度が8000rpmの一次振動に対応する。ブロワ装置1のエンジン20の稼働時の運転範囲が7000〜8000rpmの場合、例えば、パイプ61の先端に図示しないノズルを取りつけない場合の最高回転速度が7000rpmで、ノズルを取りつけた場合の最高回転速度が8000rpmのような関係となる。このような場合には、使用される回転速度の範囲に対応するような共振周波数となる第1の脚部40と第2の脚部50とすれば、第1の脚部40と第2の脚部50の振動がエンジン20の爆発による振動を打ち消すように働くので、ハンドル部6に伝わる振動の大きさを大幅に抑制できる。このように 複数の梁部同士の振動が干渉することで、お互いの振動が相殺されてエンジン20から生じた振動を効果的に低減できる。また、振動を抑制したので、振動エネルギーの吸収効果が低下するなどの不具合を防止し、複数の梁部の振動吸振器の効果を安定して発揮できる。
第1の脚部40と第2の脚部50の共振する周波数のピークをどの点に設定するかは,エンジン20の用いられる回転領域や、エンジン20が用いられる作業機器の種類とその運転状況、ハウジングとハンドル部と脚部の形状や位置関係等に応じて最適に設定すれば良い。この設定は、例えば、製品の設計開発時に計算によって又は実験をおこなって最適値を求めて事前設定すると良い。以上説明したように、運転周波数が複数存在する場合、複数の梁部および錘の固有振動数をそれぞれの運転周波数に対応するように異なる固有振動数に設定することで幅広い運転周波数で振動吸振器の効果を発揮することができる。また、作業機を地面等に置いて保管する際に必要な脚部を、作業機運転中の振動吸収部材として兼ねるようにしたので、防振機能を実現しながらエンジン作業機の大型化を防ぐことが可能となる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、エンジン作業機の例として上述の実施例ではブロワ装置を用いたが、ハンドル部と脚部を有するエンジン作業機であれば、他の任意のエンジン作業機においても同様に本発明を実施できる。また、本実施例では片持ち式の脚部の数を2つとしたが、3つ以上の脚部としても良いし、脚部以外の別の用途で用いられる梁部に錘をつけることにより振動吸収部材として利用しても良い。
1 ブロワ装置 2 メインハウジング 2a 鉛直壁
2b 貫通穴 2c 湾曲壁 2d ネジ穴 3 エンジンカバー
3a 鉛直壁 3b 貫通穴 3c 排気出口 4 ファンハウジング
4a 開口 5 防塵カバー 5a 風窓 6 ハンドル部
6a 右半部 6b 左半部 7 トリガレバー
9 エアクリーナーカバー 12 取付部材 13 ファン
14 ファン室 15 排出管 16a〜16c リブ
17a〜17c リブ 18 取付溝 19a、19b ネジ
20 エンジン 21 シリンダ 21a 燃焼室
22 ピストン 23 コンロッド 24 クランク
25 クランク軸 26 クランクケース 26a 右側クランクケース
26b 左側クランクケース 27 延在部 27a ネジ溝
28 マグネトロータ 29 イグニッションコイル 30 マフラ
31 燃料タンク 32 タンクキャップ 34 リコイルスタータ
35 スタータハンドル 36 気化器 37 エアフィルタ
38 点火プラグ 40 脚部(第1脚部) 41 先端面
42 ネジ溝 43 凹部 44 脚部カバー 44a、44b リブ
45 錘(第1の錘) 46 ネジ穴 47 ネジ
48 (第1脚部の)振動特性 50 脚部(第2脚部) 51 先端面
52 ネジ溝 53 凹部 54a、54b リブ
55 錘(第2の錘) 56 ネジ穴 57 ネジ
58 (第2脚部の)振動特性 61 パイプ 61a 開口
62 接続部 63a、63b 凸部 A1 (クランク軸の)回転軸線
B1 (シリンダの)中心軸線 C1、D1 (脚部の)長手中心軸

Claims (9)

  1. 往復動するピストンを備え、作業部材を駆動するエンジンと、
    前記エンジンを保持するハウジングと、
    前記ハウジングに設けられるハンドル部と、
    一端が前記ハウジングに接続され他端が自由端となる第1梁部及び第2梁部と、を有し、
    前記第1梁部及び第2梁部は、前記ピストンの移動方向と略直行する方向に延び、
    前記第1梁部の自由端には第1の錘が設けられ、前記第2梁部の自由端には第2の錘が設けられ、
    前記第1の錘を有する前記第1梁部の固有振動数を、前記第2の錘を有する前記第2梁部の固有振動数と異なるようにしたことを特徴とするエンジン作業機。
  2. 前記第1梁部の固有振動数と前記第2梁部の固有振動数は、それぞれ前記ピストンによる往復動の動作周波数の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン作業機。
  3. 前記第1梁部の固有振動数と、前記第2梁部の固有振動数として、作業時に多用する前記エンジンの回転数の範囲から2つを選択したことを特徴とする請求項2に記載のエンジン作業機。
  4. 前記第1梁部及び前記第2梁部は略平行に配置され、それぞれの長手方向が前記エンジンのクランク軸と略平行となる方向に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載のエンジン作業機。
  5. 前記第1梁部及び前記第2梁部は前記エンジンよりも下側に設けられ、前記ハンドル部は前記エンジンよりも上側に設けられ、
    前記ハンドル部の長手方向は、前記第1梁部及び前記第2梁部の長手方向と交差する向きに配置されることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のエンジン作業機。
  6. 前記第1梁部の先端面にネジボスが形成され、前記第1の錘は前記第1梁部の先端面にネジにて固定され、
    前記第2梁部の先端面にネジボスが形成され、前記第2の錘は前記第2梁部の先端面にネジにて固定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエンジン作業機。
  7. 前記第1梁部及び前記第2梁部は合成樹脂製であって、合成樹脂製の前記ハウジングと一体に製造され、
    前記第1の錘と前記第2の錘は金属製であることを特徴とする請求項6に記載のエンジン作業機。
  8. 前記第1の錘と前記第2の錘の軸方向と垂直な断面形状は同形であって、それぞれの軸方向長さを変えることにより、前記第1の錘と前記第2の錘の質量が異なることを特徴とする請求項7に記載のエンジン作業機。
  9. 前記第1梁部及び前記第2梁部を、前記エンジン作業機を載置する際の脚部としたことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のエンジン作業機。

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