JP2019124116A - ロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置 - Google Patents

ロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で、建造物の新設、既設および部屋の大小等を問わずに設置可能であり、地震発生時において即座に作動し、落下物や建造物の内壁などの倒壊から屋内の住人を確実に保護するばかりでなく建造物の倒壊を防いで周辺への被害の拡大を防ぐことも可能なロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置を提供する。【解決手段】複数枚のパネル1を有するロック機構付き防災用パネルユニット101の複数組を、対向する内壁を有する建造物屋内の天井C付近に、少なくとも1組が一方の内壁Wに向けて伸長し、少なくとも1組が他方の内壁Wに向けて伸長するよう設置するとともに、前記パネル1が地震の振動によりスライドを開始して伸長した際、最先パネル12の先端面13が前記内壁Wに当接しつつ内壁下端まで下降し、前記複数枚のパネル1が略半円アーチ状を形成してその内部を保護する。【選択図】図22

Description

本発明は、建造物、特に住宅において新設・既設を問わず設置可能であって、地震発生時における落下物や建造物の倒壊から屋内の住人を守ることが可能なロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置に関する。
建造物の地震対策は近年目覚しく進化しており、柱や壁の補強構造などの耐震技術は様々なものが知られているが、その反面、既存の住宅、中でも特に木造住宅に対する地震対策は建造物自体の老朽化、地盤や近隣環境の変化、設備荷重の変化など考慮すべき条件が多く、地震対策が必要であることがわかっていても上記条件や費用面の理由から耐震補強をすることができない場合がままある。
地震対策がなされていない住宅は頭上から落下する食器や書籍、または天井板などが住人に重大な危害を及ぼす恐れがあり、更に、耐震補強をすることができていない木造住宅は倒壊の危険性も高く、大地震発生時には多大な被害が発生してきた実情がある。
地震に襲われた場合に机などの頑丈な家具に隠れて避難することは良く知られているが、瞬時に冷静な判断をすることは難しく、また、就寝時などにおいては避難できるような家具が身近にないことが想定される。
これに対して、例えば特開平8−322956号公報(特許文献1)や特開2010−43516号公報(特許文献2)に提示されているようなベッドなどを覆うように取り付ける個人用の防護装置が知られており、また、特開2003−328584号公報(特許文献3)に提示されているような部屋全体を覆う大きさの耐震用シェルターも知られている。
しかしながら、これらの装置は建造物自体に耐震補強をするよりも簡易かつ安価で地震対策を採ることができるものではあるが、室内にこれらの装置を備え付けた状態では日常生活において不便さや圧迫感を我慢しながら生活しなければならず、部屋全体を覆うような大きさであれば建造物の耐荷重の問題や費用面の負担も重くなる。
そこで、例えば特開2010−121385号公報(特許文献4)に提示されているような地震を検知して作動するエアバッグ式の防災装置が知られている。
この特許文献4に提示された発明によれば、平時は収縮状態で収納されているとともに地震を検知してガスが噴出されることにより膨張するエアバッグによって住人を収容して、落下物から確実に保護することができるものとされている。
しかしながら、このような膨張型の防災装置にあっては、貯蔵しているガスや容器が劣化したり気温によって噴出量や噴出速度が変化したりすることで、十分な速度で膨張できないまたは作動不良を生じ、落下物から住人を保護するという目的を達することができないおそれがある。さらに、膨張後に再び収納して再使用することが難しいという問題もある。
そこで、本願の発明者が以前開示した複合稼動連結装置(特開平9−242444号公報(特許文献5))の機構を元に、改良発明としてなされたものが本発明である。
特開平8−322956号公報 特開2010−43516号公報 特開2003−328584号公報 特開2010−121385号公報 特開平9−242444号公報
本発明は、簡単な構造で、建造物の新設、既設および部屋の大小等を問わずに設置可能であり、且つ日常生活の邪魔になったり美観を妨げることが極めて少なく、地震発生時において即座に作動し、落下物や建造物の内壁などの倒壊から屋内の住人を確実に保護するばかりでなく建造物の倒壊を防いで周辺への被害の拡大を防ぐことも可能なロック機構付き防災用パネルユニットおよびそれを用いた防災装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた本発明に用いられるロック機構付き防災用パネルユニットは、平時においては重なった状態の複数枚のパネルと、互いに接する前記パネル同士をスライド可能に連結する連結構造とからなり、前記連結構造はスライドの戻りを規制するロック機構を有し、地震の振動によってスライドを開始して伸長した前記パネルの伸長状態を保持することが可能であることを特徴とし、地震の振動によってスライドを開始して伸長した前記パネルの伸長状態を保持する。
また、本ロック機構付き防災用パネルユニットの発明において、前記連結構造が、重なる一方のパネルに形成されたスライド方向に延びる長孔と、他方のパネルの対向位置に形成された固定孔と、軸部の両端に大径の頭部を有する連結具とからなり、前記長孔は内周面に形成された段部により幅狭長孔部と幅広長孔部とを有し、また前記固定孔は内周面に形成された段部により小径孔部と大径孔部とを有し、前記連結具の前記軸部は前記長孔の幅狭長孔部および前記固定孔の小径孔部に挿通されるとともに、前記頭部は前記幅広長孔部および前記大径孔部にそれぞれ収納され、前記幅広長孔部に収納された前記頭部が前記段部をスライド可能であることにより容易且つ確実に伸長するスライド機構を提供することができる。
更に、本ロック機構付き防災用パネルユニットの発明において、前記連結構造のロック機構は、前記連結具の軸部の対向位置にロック用突部が形成されるとともに、前記長孔の幅狭長孔部のスライド方向端に孔幅が拡張された回転部が形成され、前記回転部のスライド方向側内周面には前記軸部が当接することで当該軸部を回転させるガイド面が、また前記回転部のスライド方向反対側内周面には回転した前記軸部のロック用突部が係止してスライドの戻りを規制する係止段部が形成され、スライドを終結した前記パネルの伸長状態を確実に保持させることができる。
また、本ロック機構付き防災用パネルユニットの発明において、重なる前記パネルの対向面の一方にガイド溝が、他方に前記ガイド溝に嵌合してスライドするガイド突条がそれぞれ形成することにより、パネルのスライドのがたつきが防止されるとともに特に左右方向への伸長の方向性が安定し、パネルユニットの各パネルを確実に所望の方向に伸長させることを可能とした
更に、本ロック機構付き防災用パネルユニットの発明において、最先に位置するパネルに、ロックを解除した際に、伸長状態の複数のパネルを当初の重ねた状態まで引き戻す戻し紐の一端が取り付けられていることにより、前記戻し紐の他端を引くことで前記パネルを元の状態に復帰させる際に容易に操作することができる。
また、本ロック機構付き防災用パネルユニットの発明において、伸長状態の複数のパネルを覆う防水カバーが取り付けられていることにより、伸長状態の複数のパネルが前記防水カバーで覆われてパネルの下側の空間を風雨や洪水の勢いなどから守ることを可能とし、建造物内で使用する場合は、建造物が破損して雨漏りなどを生じた場合でも内部を濡らすことがなく、建造物外で使用する場合は、風雨や洪水の勢いなどを遮断することが可能となり、いずれもパネル下方の安全な空間を確保することができる。
本発明であるロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置は、前記ロック機構付き防災用パネルユニットの複数組を対向する内壁を有する建造物屋内の天井付近に、少なくとも1組が一方の内壁に向けて伸長し、少なくとも1組が他方の内壁に向けて伸長するよう設置するとともに、前記パネルが地震の振動によりスライドを開始して伸長した際、最先のパネルの先端面が前記内壁に当接しつつ内壁下端まで下降し、前記複数枚のパネルが略半円アーチ状を形成してその内部を保護する。
また、本発明である異なるロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置は、前記ロック機構付き防災用パネルユニットの少なくとも1組を、内壁を有する建造物屋内の天井付近に、前記内壁に向けて伸長するよう設置するとともに、前記パネルが地震の振動によりスライドを開始して伸長した際、最先のパネルの先端面が前記内壁に当接しつつ内壁下端まで下降し、前記複数枚のパネルが略1/4円アーチ状を形成してその内部を保護する。
また、本発明である異なるロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置は、前記ロック機構付き防災用パネルユニットの少なくとも1組を、建造物屋外の外壁上部に、地面に向けて伸長するよう設置するとともに、前記パネルが地震の振動によりスライドを開始して伸長状態で保持された前記複数枚のパネルが前記建造物を支えることで倒壊を防ぐ。
また、本発明である異なるロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置は、前記ロック機構付き防災用パネルユニットの少なくとも1組を、建造物の外壁に、該建造物が面する道路、広場、公園など空間確保が可能な場所に向けて伸長するよう設置するとともに、前記パネルが地震の振動によりスライドを開始して伸長状態で保持された前記複数枚のパネルが前記建造物近傍に避難スペースとなる空間を確保し、前記建造物や周辺からの窓ガラス片などの落下物からパネル下方を守ることが可能となる。
本ロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置の発明において、前記ロック機構付き防災用パネルユニットを同方向に伸長するように複数組重ねて配置しており、前記ロック機構付き防災用パネルユニットのパネルの組み立てが、重ねた最下位のパネルが最先に位置して伸長する組み立てであることで、伸長する際に下側に位置するロック機構付き防災用パネルユニットの重なり部分の段差に刺さるように引っかかって展開が不十分となるおそれがなく、接触しながらも滑ってスムーズに伸長することが可能である。
本ロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置の発明において、前記ロック機構付き防災用パネルユニットを同方向に伸長するように複数組重ねて配置しており、前記ロック機構付き防災用パネルユニットのパネルの組み立てが、少なくとも1組は、重ねた最下位のパネルが最先のパネルとして伸長し、少なくとも他の1組は、重ねた最上位のパネルが最先のパネルとして伸長することで、ロック機構付き防災用パネルユニット間の距離を広げてロック機構付き防災用パネルユニット同士の接触を防ぎ、動作の確実性を高めることが可能である。
本発明に用いられるロック機構付き防災用パネルユニットは、複数のパネルおよび各パネル間を連結する連結構造とからなるとともに連結構造はロック機構を有しており、動力を必要としない簡易な構造であって主として一般家庭に新設既設および部屋の大小を問わず且つ日常生活の邪魔になったり美観を妨げることなく設置しやすく、地震の振動により短時間で複数枚のパネルが連なって伸長した後伸長状態でロックされるため、パネルの下側の空間を落下物や天井の崩落などから保護して人が避難できる安全な空間を確保することが可能となり、また、パネルが伸長状態でロックされることから、内外壁や柱などを支えて家屋の倒壊を防ぐことも可能となる。
特に、パネルユニットを家屋の屋内天井付近の中央位置あるいは片側位置に設置し、地震の振動によりスライドを開始して伸長した先端のパネルの先端面が内壁に当接しつつ内壁下端まで下降してロック機構が作動すると、連なったパネルが半円あるいは略1/4円のアーチ状を形成することから、上方からの荷重を圧縮力に変え、分散させることで強い強度を発揮してパネルの下側に収容した住人などを落下物や建造物の倒壊から保護することが可能となり、また同方向に伸長するパネルユニットを複数組備えて多層のアーチを形成した場合はより強度を増すことができる。その際、パネルユニットの複数のパネルが最下位のパネルを最先として伸長する組み立てとなっていることで、伸長時に上層のパネルが下層のパネルの段差に引っかかることを防止する。
また、複数のパネルを重ねて配置する際にはパネルユニット同士の組み立てを変え、下方のパネルユニットは重ねた最下位のパネルが最先のパネルとして伸長し、上方のパネルユニットは重ねた最上位のパネルが最先のパネルとして伸長することでパネルユニット間の距離を広げてパネルユニット同士の接触を防ぎ、動作の確実性を高めることが可能である。
更に、地震が収まり、伸長状態でロックされたパネルユニットのロックを解除して元の状態に復帰させることも連結具を回転させるだけで非常に簡便に可能であり、最先のパネルに戻し紐が止着されている場合はより作業性が向上する。
本発明に用いられるロック機構付き防災用パネルユニットの好ましい実施形態を示す概略正面図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおけるパネルの伸長状態を示す概略正面図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおける連結構造を示す分解説明図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおける連結構造のうち上下方向に連結されたパネルのスライド方向の反対の端部を示す斜視図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおける連結構造のうち上下方向に連結されたパネルのスライド方向の端部を示す斜視図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおいてパネルの長手方向の一端に形成された長孔および固定孔を示す平面図。 図6に示したパネルの下方に配置されたパネルの長手方向の一端に形成された長孔および固定孔を示す平面図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおける上下方向に連結されたパネルおよび連結具を示す、(a)パネルの短手方向に平行な断面図および(b)パネルの長手方向に平行な断面図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおける連結具を示す、(a)正面図、(b)側面図、(c)平面図、および(d)斜視図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおける連結具を示す分解斜視図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおいてロック機構によりスライドを終結したパネルをロックする様子を示す説明図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおける異なる形状の連結具を示す(a)正面図、(b)側面図、(c)平面図、および(d)斜視図。 図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおける更に異なる形状の連結具を示す(a)正面図、(b)側面図、(c)平面図、および(d)斜視図。 本発明に用いられるロック機構付き防災用パネルユニットの異なる実施形態を示す(a)斜視図および(b)要部拡大図。 図14に示したロック機構付き防災用パネルユニットの連結構造を示す分解説明図。 本発明に用いられるロック機構付き防災用パネルユニットの使用方法の一例を示す概略正面図。 図16に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおけるパネルの伸長状態を示す概略正面図。 本発明に用いられるロック機構付き防災用パネルユニットの異なる使用方法の一例を示す概略正面図。 図18に示したロック機構付き防災用パネルユニットにおけるパネルの伸長状態を示す概略正面図。 本発明のロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置における第1の実施形態を示す概略正面図。 図20に示した実施の形態の概略斜視図。 図20に示した実施の形態におけるパネルの伸長状態を示す概略正面図。 図20に示した実施の形態におけるパネルの伸長状態を示す平面図。 図20に示した実施の形態における(a)パネルを示す平面図および(b)連結具を用いてパネルを連結して組み立てた状態を示す平面図。 図20に示した実施の形態における(a)異なるパネルを示す平面図および(b)連結具を用いてパネルを連結して組み立てた状態を示す平面図。 図20に示した実施の形態を建造物の部屋内に配置した状態を示す平面図。 本発明のロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置における第2の実施形態を示す概略正面図。 図27に示した実施の形態におけるパネルの伸長状態を示す概略正面図。 図27に示した実施の形態におけるパネルの伸長状態の先端部分を示す概略正面図。 図27に示した実施の形態における(a)上部収納室に収納したパネルユニットを示す平面図および(b)連結具を用いてパネルを連結して組み立てた状態を示す平面図。 図27に示した実施の形態における(a)下部収納室に収納したパネルユニットを示す平面図および(b)連結具を用いてパネルを連結して組み立てた状態を示す平面図。 図27に示した実施の形態におけるパネルの伸長状態を示す概略斜視図。 本発明のロック機構付き防災用パネルユニットを用いた本発明の防災装置における第3の実施形態を示す概略正面図。 図34に示した実施の形態におけるパネルの伸長状態を示す概略正面図。 図34に示した実施の形態におけるパネルの伸長状態の先端部分を示す概略正面図。 本発明のロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置における第4の実施形態の設置場所を示す概略図。 図36に示した実施の形態の(a)パネル収納状態の正面図および(b)パネル伸長状態の正面図。 本発明のロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置における第5の実施形態を示す概略正面図。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1乃至図13は本発明に用いられるロック機構付き防災用パネルユニットの好ましい実施形態を示すものであり、パネルユニット101は平時においては重なった状態の複数枚の平面視長方形のパネル1と、互いに接する前記パネル1,1同士を地面や床である下方に向けてスライド可能に連結する連結構造20とからなっており、さらに前記連結構造20はロック機構70を備え、当該ロック機構70は地震の振動によってスライドを開始して伸長した前記パネル1の伸長状態を保持することが可能であり、本実施の形態では、開口部31を有するケース体3の内部に保持されている。
前記ケース体3は、例えば屋内の内壁などに設置され、一端にヒンジ部41を設け、他端側に止め金42を設けた鉤状に形成された係止具4が前記ケース体3の開口部31の一部を閉鎖するように前記ヒンジ部41を前記ケース体3に軸着して配置されており、パネルユニット101をケース体3の内部に収装した状態で、前記止め金42を前記ケース体3に形成した係止部32と係合させて取り付け、前記パネルユニット101をケース体3内に保持させるものであり、地震時には図2に示すようにその振動により前記止め金42が外れてヒンジ部41を中心に回転した開放状態となり、パネル1はケース体3の外に滑り出る。
本実施の形態におけるパネルユニット101は、重なったパネル1のうち最も上方に位置する固定パネル11がケース体3に固定されているため、パネル1がケース体3の外に滑り出た後も固定パネル11により一端を保持されたままとなる。
尚、図面中の符号12は重なったパネル1のうち最も先端に位置する最先パネルを、符号13は最先パネル12に取り付けた案内部材を示す。
パネル1は平面が長方形に形成され、軽量で十分な強度を有し、且つ、可撓性が良く容易に破損しないことが望ましく、例えば合成樹脂や軽合金など任意の材質を選択して使用することができ、長手方向の両端付近および中央付近にパネル1同士をスライド可能に連結する連結構造20を有する。
本実施の形態では、互いに接する前記パネル1,1を連結する連結構造20は互いに接する前記パネル1,1の対向位置に形成された上下方向に隣接する長孔5および固定孔6と、前記長孔5および固定孔6を連結する軸状の連結具7とからなる。
そして、互いに接するパネルの上方のパネル1aに長孔5が形成されているとき、下方のパネル1bには前記長孔5に対向する位置に固定孔6が形成され、同時に、前記上方のパネル1aの前記長孔5の近傍に固定孔6が形成され、下方のパネル1bには前記固定孔6に対向する位置に長孔5が形成され、これが各パネル1に順次繰り返して形成されていることにより、パネルユニット101の各パネル1は全てスライド可能に連結されている。
さらに連結構造20を構成する長孔5は、一方のパネル1の対向面側に開口した幅狭長孔部51と当該幅狭長孔部51に厚み方向に連設される前記幅狭長孔部51よりも幅広の幅広長孔部52と、前記長孔5の内周面53に形成された段部54とからなり、二段長孔に形成される。
一方、連結構造20を構成する固定孔6は、他方のパネルの対向面側に開口した小径孔部61と当該小径孔部61に厚み方向に連設される前記小径孔部61よりも幅広の大径孔部62からなり、前記固定孔6の内周面63に形成された段部64により小径孔部61と大径孔部62とを形成した、二段溝の丸孔に形成される。
尚、長孔5の幅狭長孔部51の幅W1と前記固定孔6の小径孔部61の幅はほぼ同じ幅に形成される。
また、連結構造20を構成する連結具7は、図9に示すように、前記パネル3に形成される長孔5の幅狭長孔部51に嵌挿可能な短辺Sおよび前記短辺Sより幅広に形成された長辺Lを有する柱状の軸部71と、軸部71の両端に前記幅広長孔部52に収納可能な大径円板状の頭部72,72と、を有する断面I字形に形成されている。
更に、連結具7の軸部71は、横断面略小判形の中心軸73と、中心軸73から軸対照に突出して形成された一対のロック用突部74,74とから構成されており、頭部72の表面には工具係合溝75が形成されている。
尚、前記連結構造20を構成する連結具7を固定孔6および長孔5に装着するには一方の頭部72を軸部71から取り外し、軸部71を固定孔6および長孔5に挿入して再度取り外した頭部72を取り付けて装着するが、本実施の形態における連結具7は、図10の分解斜視図に示すように、一方の頭部72と軸部71が一体に形成された部品7aと、もう一方の頭部72である部品7bと、前記両部品を嵌合させた状態で固定する固定ねじ75とからなる構成である。
尚、固定ねじ75を用いずに部品7a及び部品7bに雌雄のねじを設けてもよく、また例えば弾性力を利用したスナップフィット構造など他の構成としてもよい(図示せず)。
そして、連結具7の軸部71が対向するパネルの対向面間において連通している一対の長孔5の幅狭長孔部51および固定孔6の小径孔部61に嵌挿されるとともに軸部71の両端の頭部72が前記一対の長孔5の幅広長孔部52および固定孔6の大径孔部62に嵌挿されることにより対向するパネル1,1が一方向に所定の距離だけスライド可能な状態で連結される。
尚、長孔5および固定孔6間に嵌挿させた連結具7の前記頭部は当該長孔5の幅広長孔部52および固定孔6の大径孔部62内に収納されているため、対向して連結させたパネルに隣接する上方または下方のパネルのスライドを妨げない。
このように、本実施の形態のパネルユニット101は一方のパネル1に形成されたスライド方向に延びる長孔5と、他方のパネル1の対向位置に形成された固定孔6と、連結具7による連結構造20により、互いに重なるパネル1が容易且つ確実に短手方向に平行にスライドして伸長する。
更に、本実施の形態のパネルユニット101における前記連結構造20はスライドして伸長した状態で伸長状態を解除可能にロックするロック機構70を有している。
本実施の形態におけるロック機構70は、図11に示すように、パネル1に形成される長孔5におけるパネルのスライド方向の端部に幅狭長孔部の幅W1以上且つ前記幅広長孔部の幅W2以下の幅W3に拡張して形成された回転部55と、連結具7の軸部71に突出して形成された一対のロック用突部74,74とから構成され、連結具7が長孔5の幅狭長孔部51内を通過している図11(a)に示すスライド途中の状態の後、更にパネル1はスライドし、図11(b)に示すスライドをほぼ終結した状態となる。するとこのとき前記回転部55の奥端には斜面のガイド面551が形成されているため、このガイド面551に前記連結具7のロック用突部74が当接し傾斜方向にロック用突部74が案内されることで連結具7を回転させる。
図11(c)はスライドを終結したパネル1の連結具7が回転することでロック機構70が作動した状態を示す図である。このとき前記回転部55の奥端の反対側には係止段部552が形成されているため、連結具7のロック用突部74,74が長孔5の係止段部552に当接することによってスライドを終結したパネル3は伸長状態を保持される。
本実施の形態では横断面略小判形の中心軸73の対向位置にロック用突部74,74を形成した連結具7を用いているが、図12で示した連結具7Aのように、中心軸73Aを円柱形としてもよく、また、図13で示した連結具7Bのように、軸部71Bの全体を横断面略小判形の中心軸73Bとして、長辺Lから短辺Sの長さを差し引いた余りの部位をロック用突部74Bとしてもよい。尚、軸部の全体を横断面視で短辺と長辺を有する楕円形や小判形、または長方形の形状とした中心軸で構成した場合は小径孔部よりも幅狭長孔部の幅を狭くする(図示せず)。
また、本実施の形態では、前記複数のパネル1を順次伸長させて保持状態をロックさせた後にロックを解除したい場合は、連結具7の頭部72の表面に形成した工具係合溝75に適切な工具などを係合させて回転させ、長孔5の幅狭長孔部51内を連結具7の軸部71が通過可能な長手方向に戻すことでロック解除できる簡便な構造である。
また、図14は本発明に用いられるロック機構付き防災用パネルユニットの異なる実施形態を示すものであり、本実施の形態のパネルユニット102では、対向するパネル1,1にスライド方向と平行に伸びるガイド突条17および前記ガイド突条17が嵌挿してスライドするガイド溝17が形成されている。
このようにガイド突条17がガイド溝18に嵌挿してスライドすることでパネルのスライドのがたつきが防止されるとともに特に左右方向への伸長の方向性が安定し、パネルユニット102の各パネル1を確実に所望の方向に伸長させることを可能とした。
図16はロック機構付き防災用パネルユニットの使用方法の一例を示すものであり、本実施の形態のパネルユニット103では、先端に位置する最先パネル12に穿設した取付部14に戻し紐81の一端82を止着するとともに、ケース体3を介して戻し紐81の他端83を吊り下げている。
このように最先パネル12に戻し紐81を止着することで、使用後のロック状態にあるパネルユニット103を元の状態に復帰させる際、作業者は戻し紐81を片手で引くだけでパネル1は平時の重なった状態に戻る方向(スライド方向の反対)へ付勢されるため、空いた片手で各連結具7を回転させロックを解除することが可能であり作業性に優れる。
図18はロック機構付き防災用パネルユニットの使用方法の一例を示すものであり、本実施の形態のパネルユニット104では、固定パネル11に防水カバーの一端86を止着するとともに、先端に位置する最先パネル12に防水カバー85の他端87を止着している。
防水カバー85の幅はパネル1の長辺方向と同程度の長さを有し、防水カバー85の長さは伸長状態となったパネル1の全長と同程度の長さを有しており、防水カバー85はパネルユニット104が収納状態にあるときはケース体3内部で折り畳まれた状態で保持されている。
最先パネル12に防水カバー85の他端87を止着していることで、パネル1が伸長する際、最先パネル12に引かれて展開した防水カバー85が伸長状態になったパネル1の上面全面を覆い、パネル1の下側の空間を風雨などから守ることを可能とした。
パネルユニット104を建造物内で使用する場合は、建造物が破損して雨漏りなどを生じた場合でもパネル1の内部を濡らすことがなく、建造物外で使用する場合は、台風や洪水などの勢いを遮断することが可能となり、いずれもパネル下方の安全な空間を確保することができる。
また、最先パネル12に防水カバー85の他端87を止着せずに、例えば地震の振動により複数枚のパネルが連なって伸長した後、カバー体3に折り畳んで又は丸めて収納した状態の防水カバー85を紐などで引き出して伸長したパネル1を覆うようにしてもよい(図示せず)。
尚、本実施の形態における防水カバー85は落下物などによる衝撃で容易に破損しない強度を有するとともに容易に水を通過させない密度を有することが望ましく、例えばシート状の合成樹脂など任意の材質を選択して使用することができる。
次に図20乃至図26を参照して、本発明であるロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置201について説明する。
本実施の形態における防災装置201は、対向する内壁Wを有する建造物Bに建造物Bの天井Cに前記両側の内壁Wに向けて伸長するよう固定して使用されるもので、平時においては重なった状態の複数枚の平面視長方形のパネル1と、互いに接する前記パネル1,1同士を地面や床である下方に向けてスライド可能に連結する連結構造20とからなっており、さらに前記連結構造20はロック機構70を備えたパネルユニット101を、対向する内壁Wを有する建造物Bに建造物Bの天井Cに固定するための複数の取付孔37が設けられた上面34と、照明機能を有する発光部38が一体に設けられた下面35と、前記上面34および前記下面35を連結する一対の側面36,36とからなり左右を開口部31,31として開放した函型に形成されたケース体3内に上下2段および左右に配置した、合計4組のパネルユニット101を収装しており、ケース体3の上面34に設けられた取付孔37を介して取付ねじ39により建造物Bの屋内における中央付近の天井Cに、前記両側の内壁Wに向けて伸長するよう固定されて使用される。
尚、本実施の形態では、ケース体3の下面35に照明機能を有する発光部35を一体に設けたことで、建造物に備えられた電気配線と接続して電源を確保し、ケース体3を取り付けた部屋の照明として使用することができる。
地震発生時にはその振動により前記止め金42が外れて係止具4はヒンジ部41を中心に回転した開放状態となり、パネル1は開口部31,31よりケース体3の外に滑り出て、スライドを始めたパネル1は次々にスライド方向へ伸長する。
このとき、パネル1は両側の内壁Wに向けて伸長される位置に設置され、かつパネル1が伸長を完了した際の全長が内壁Wに当接するよりも長尺に設定されていることから、最先パネル12はその先端が内壁Wに当接したのち撓って、更に下方に滑り落ちながら伸長し、内壁W下端まで滑り落ちた後に、パネル1はスライドを終結してロック機構70が作動し、スライドの戻りが規制されて伸長状態を保持する。
図21,図22、23はパネル1が伸長し、対向する内壁W間に一杯に広がった状態を示す図であり、このように伸長した複数のパネル1が両内壁W間で半円アーチ型に互いにロックされた状態で保持されることとなる。
この半円アーチ型の構造は、比較的薄い板状であっても外部からの衝撃、特に上方からの衝撃に対して極めて強い強度を発揮するため、パネル1はその内側を覆って落下物や建造物の倒壊から内部に収容した人体などを確実に保護することを可能とする。
尚、本実施の形態におけるパネルユニット101は、重なったパネル1のうち最も上方に位置する固定パネル11がケース体3に固定されているため、パネル1がケース体3の外に滑り出た後も固定パネル11により一端を保持されたままとなる。
図24は本実施の形態におけるパネルを示す平面図および連結具により連結された状態を示す平面図、図25は本実施の形態における異なるパネルを示す平面図および連結具により連結された状態を示す平面図である。
この図24に示すように、本実施の形態では、各パネルユニット101は最下位のパネルを最先として伸長することで仮に各パネルユニット101が接触した場合であっても、パネルユニットが最下位のパネルを最先のパネルとして組み立ててあることによって下側に位置するパネルユニットの重なり部分の段差に刺さるように引っかかって展開が不十分となるおそれがなく、接触しながらも滑ってスムーズに伸長することが可能であり、複数のパネルを重ねて配置する際の動作の確実性を高めることが可能である。
尚、パネル1は裏返しても使用できるように構成することで、図25に示すように組み立て方を変更することも可能となる。
パネルユニット101のパネル1のうち最も先頭に位置する最先パネル12には、先端部に断面円形の案内部材13が一体に備えられており、建造物Bの内壁Wに接触しパネル1の自重により建造物Bの内壁Wに沿って降下していく際にスムーズに案内することができる。
案内部材13は内壁Wに対するすべり性及び万一人体に接触した場合も怪我をさせ辛いクッション性がある事が特に望ましい。例えば、樹脂材など任意の材質を選択して使用することができる。尚、案内部材13はパネルの先端部に取り付けたローラーであってもよい(図示せず)。
このように伸長したパネル1の先端は壁面Wと床面Fの交差する丈夫な構造となる角に反力が働き居室内の傘となって生命を護ることができる。
図26は、広さの異なる室内に本実施の形態の防災装置201を設置した場合の図であり、パネル1の長手方向の長さがそれぞれの部屋の広さに応じた長さを有するとともに、伸長時の全長をそれぞれの両内壁W間の距離に応じた長さにするという簡単な方法で、どの室内においても安全な空間を確保することが可能となっている。
尚、ロックを解除したい場合は連結具7の頭部72の表面に形成した工具係合溝75に適切な工具などを係合させて回転させ、長孔5の幅狭長孔部51内を連結具7の軸部71が通過可能な長手方向に戻すことでロック解除できる簡便な構造である。
図27乃至図32は前記図1に示したロック機構付き防災用スライドパネルを用いた防災装置における第2の実施形態を示すものであり、本実施の形態における防災装置202は、対向する内壁Wを有する建造物Bに建造物Bの天井Cに前記両側の内壁Wに向けて伸長するよう固定して使用されるものであり、図18に示した防災装置201と比較してケース体の形状が異なる。
すなわち、本実施の形態におけるケース体9は、左右を開放した函型に形成されていて、ケース体9内が上部収納室91と下部収納室92に二分されており、更に、上部収納室91と下部収納室92の間には所定の奥行きを有する空間93が設けられている。
尚、図27においてはケース体9の右側のみを図示しているが、省略した左側も同様にケース体9は上部収納室91と下部収納室92を有しており、各収納室にはパネルユニット101が収装されている左右対称の構造となっている。
上部収納室91は、開放部が例えば10〜45度(好ましくは15度)の所定の角度だけ下方を向いた断面視略コ字形であり、下面を構成する板は固定孔6を形成した固定板94とする。
上部収納室91内に収装したパネルユニット101は、図30に示すように上部収納室91に収装されたパネルユニット101は最上位のパネルを最先として伸長するように組み立てられている。
下部収納室92は、開放部が例えば10〜45度(好ましくは15度)の所定の角度だけ下方を向いた断面視略コ字形であり、上面を構成する板は固定孔6を形成した固定板95とする。
下部収納室92内に収装したパネルユニット101は、図31に示すように下部収納室92に収装されたパネルユニット101は最下位のパネルを最先として伸長するように組み立てられている。
前記空間93は、少なくとも上部収納室91の固定板94に形成した固定孔6と下部収納室92の固定板95に形成した固定孔6が全て露出するだけの奥行きを有しており、連結具7を各固定孔6内に挿通させてパネル1を取り付ける際に支障なく作業ができる。
本実施の形態によれば、図28乃至図32に示すように、上部収納室91に収装されたパネルユニット101は最上位のパネルを最先として伸長し、下部収納室92に収装されたパネルユニット101は最下位のパネルを最先とすることで上下一対のパネルユニットの各最先パネル12間の距離が開くため、パネルユニット101同士の接触を防ぐことができるとともに、仮に接触した場合であっても、下側に位置するパネルユニットが最下位のパネルを最先のパネルとして組み立ててあることによって下側に位置するパネルユニットの重なり部分の段差に刺さるように引っかかって展開が不十分となるおそれがなく、接触しながらも滑ってスムーズに伸長することが可能であり、複数のパネルを重ねて配置する際の動作の確実性を高めることが可能である。
図33乃至図35は前記図1に示したロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置における第3の実施形態を示すものであり、本実施の形態における防災装置203は、内壁Wを有する建造物B屋内の天井C付近に、前記内壁Wに向けて伸長するように固定されて使用されるものであり、平時においては重なった状態の複数枚の平面視長方形のパネル1と、互いに接する前記パネル1,1同士を地面や床である下方に向けてスライド可能に連結する連結構造20とからなっており、さらに前記連結構造20はロック機構70を備えたパネルユニット101を、開口部31を有するケース体3内に上下2段配置した合計2組のパネルユニット101を収装している。
このとき、パネル1は内壁Wに向けて伸長される位置に設置され、かつパネル1が伸長を完了した際の全長が内壁Wに当接するよりも長尺に設定されていることから、最先パネル12はその先端が内壁Wに当接したのち撓って、更に下方に滑り落ちながら伸長し、内壁W下端まで滑り落ちた後に、パネル1はスライドを終結してロック機構70が作動し、スライドの戻りが規制されて伸長状態を保持する。
図35はパネル1が伸長した状態を示す図であり、このように最先パネル12の先端が前記内壁Wに当接した後、更に長尺に伸長してロックされるため、伸長したパネル全体が略1/4円アーチ型となる。この略1/4円アーチ型の構造は比較的薄い板状であっても外部からの衝撃、特に上方からの衝撃に対して極めて強い強度を発揮し、その内側を覆って落下物や建造物の倒壊から内部に収容した人体などを保護することを可能とする。
本実施の形態によれば、半円アーチ型を形成する前記第1,第2実施形態と比較して省スペースでの使用が可能となるため、例えば寝室など比較的小さい部屋への配置に特に適している。
図36,図37は本発明であるロック機構付き防災用スライドパネルを用いた防災装置の第4の実施の形態を示すもので、建造物Bの外周壁上部に地面に向けて伸長するよう固定して使用されるもので、本実施の形態における防災装置204は、前記パネルユニット103を、開口部31を有するケース体3内に2段同方向に伸長するように配置して収装している。
本実施の形態によれば、建造物自体に耐震補強などの工事を行うことなく、地震の振動によりケース体3内のパネルユニット103がスライドを開始して板状に伸長してロックされたパネル1が建造物Bの支柱の役割となり負荷分散や強度向上に貢献して、建造物Bの振動を緩和させることや、建造物Bが倒壊する危険性を低減させることが可能となる。このとき、建造物Bの周辺に複数個所設置することで一層効果的となる。
図38は本発明であるロック機構付き防災用スライドパネルを用いた防災装置の第5の実施の形態を示すもので、本実施の形態における防災装置205は、建造物Btの外壁に、該建造物Btが面する道路、広場、公園など空間確保が可能な場所に向けて伸長するよう設置され、前記パネルユニット104を、開口部31を有するケース体3内に1組収装している。
本実施の形態によれば、建造物Btにこの防災装置205を取り付けることで、地震の振動によりケース体3内のパネルユニット104がスライドを開始して板状に伸長してロックされたパネル1が建造物Btが面する道路、広場、公園などに避難スペースとなる空間を確保し、建造物Btの上方や周辺からの窓ガラス片などの落下物や風雨から守ることが可能となる。このとき、建造物Btの周辺に複数個所設置することで複数の避難スペースとなる空間を確保することもできる。
また、パネルユニット104が防水カバー85を有していることから、台風や洪水などが到達した場合にパネルユニット104内部への水などの侵入や勢いを遮断することが可能となり、避難スペースとなる空間や建造物Btの安全を確保することができる。
尚、ガイド突条17およびガイド溝18を有する前記パネルユニット102と、戻し紐81を有する前記パネルユニット103と、防水カバー85を有する前記パネルユニット104とは互いに排他的な関係ではなく、複数の要素を組み合わせたパネルユニットおよびそれを用いた防災装置として実施することも可能である事は言うまでもない。
以上のように、本発明によれば、簡単な構造で建造物の新設既設および部屋を問わずに設置可能であり、且つ日常生活の邪魔や美観を妨げることがなく、地震の振動により短時間で複数枚のパネルが連なって伸長した後伸長状態でロックされるパネルユニットによってパネルの下側の空間を落下物や天井の崩落などから保護して人が避難できる安全な空間を確保することが可能となり、また、パネルが伸長状態でロックされることから、内外壁や柱などを支えて家屋の倒壊を防ぐことも可能となるものである。
1 パネル、3 ケース体、4 係止具、5 長孔、6 固定孔、7 連結具、7a 部品、7b 部品、9 ケース体、11 固定パネル、12 最先パネル、13 案内部材、15 取付部、17 ガイド突条、18 ガイド溝、20 連結構造、31 開口部、32 係止部、34 上面、35 下面、36 側面、37 取付孔、38 発光部、39 固定ねじ、41 ヒンジ部、42 止め金、51 幅狭長孔部、52 幅広長孔部、53 内周面、54 段部、55 回転部、551 ガイド面、552 係止段部、61 小径孔部、62 大径孔部、63 内周面、64 段部、70 ロック機構、71 軸部、72 頭部、73 中心軸、74 ロック用突部、75 工具係合溝、76 固定ねじ、81 戻し紐、82 一端、83 他端、85 防水カバー、86 一端、87 他端、91 上部収納室、92 下部収納室、93 空間、94 固定板、95 固定板、101 パネルユニット、102 パネルユニット、103 パネルユニット、201 防災装置、202 防災装置、203 防災装置、204 防災装置、205 防災装置、B,Bt 建造物、C 天井、F 床面、W 内壁、L 連結具の軸の長辺、S 連結具の軸の短辺、W1 幅狭溝部の幅、W2 幅広溝部の幅、W3 回転部の幅

Claims (4)

  1. 平時においては重なった状態の複数枚のパネルと、互いに接する前記パネル同士をスライド可能に連結する連結構造とからなり、前記連結構造はスライドの戻りを規制するロック機構を有し、地震の振動によってスライドを開始して伸長した前記パネルの伸長状態を保持することが可能であるロック機構付き防災用パネルユニットの複数組を、対向する内壁を有する建造物屋内の天井付近に、少なくとも1組が一方の内壁に向けて伸長し、少なくとも1組が他方の内壁に向けて伸長するよう設置するとともに、前記パネルが地震の振動によりスライドを開始して伸長した際、最先のパネルの先端面が前記内壁に当接しつつ内壁下端まで下降し、前記複数枚のパネルが略半円アーチ状を形成してその内部を保護することを特徴とするロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置。
  2. 平時においては重なった状態の複数枚のパネルと、互いに接する前記パネル同士をスライド可能に連結する連結構造とからなり、前記連結構造はスライドの戻りを規制するロック機構を有し、地震の振動によってスライドを開始して伸長した前記パネルの伸長状態を保持することが可能であるロック機構付き防災用パネルユニットの少なくとも1組を、内壁を有する建造物屋内の天井付近に、前記内壁に向けて伸長するよう設置するとともに、前記パネルが地震の振動によりスライドを開始して伸長した際、最先のパネルの先端面が前記内壁に当接しつつ内壁下端まで下降し、前記複数枚のパネルが略1/4円アーチ状を形成してその内部を保護することを特徴とするロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置。
  3. 前記ロック機構付き防災用パネルユニットを同方向に伸長するように複数組重ねて配置しており、前記ロック機構付き防災用パネルユニットのパネルの組み立てが、重ねた最下位のパネルが最先に位置して伸長する組み立てであることを特徴とする請求項2記載のロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置。
  4. 前記ロック機構付き防災用パネルユニットを同方向に伸長するように複数組重ねて配置しており、前記ロック機構付き防災用パネルユニットのパネルの組み立てが、少なくとも1組は、重ねた最下位のパネルが最先のパネルとして伸長し、少なくとも他の1組は、重ねた最上位のパネルが最先のパネルとして伸長することを特徴とする請求項2記載のロック機構付き防災用パネルユニットを用いた防災装置。
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