JP3208097U - 簡易建屋及び連結ブラケット - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で製作が容易であり幅広い簡易建屋に適用可能な簡易建屋及びそれに使用する連結ブラケットを提供する。【解決手段】本考案に係る簡易建屋1は、複数の正三角形で構成される正20面体上部の五角錐体部分A及び中央の10面体部分Bの各辺に配置される25本の棒状の骨格部材13bと、前記各辺に配置される骨格部材13b同士を連結する連結ブラケットと、前記五角錐体部分Aを屋根31とすべく、前記五角錐体部分Aの各辺に配置される10本の骨格部材を支持部材とし、当該骨格部材を覆うように取付けられる屋根部材32と、前記中央の10面体部分Bの一部を覆う壁材42と、当該建屋1内に吹き込む風を逃がすことが可能な空気排出口101と、を備える。【選択図】図1
Description
本考案は、簡単な構造で製作が容易な簡易建屋及びそれに使用する連結ブラケットに関する。
これまでに東屋(四阿)、キャンピングハウスなどに関連し、簡単な構造で製作が容易な簡易建屋が種々提案されている。例えば特許文献1には、十文字状となるように水平に組んだ土台の両端部分から4本の支柱を斜めに立て、その上に方形の屋根を載せ、さらにテーブル、座板を備える簡易組み立て式の東屋が提案されている。
また特許文献2には、平坦な基盤上に一定長さと高さを有する複数枚の壁体パネルを連設してなる正複数面体の壁体と、該壁体上面に底部が載置され固定された壁体パネルと同数の台形状の屋根パネルと屋根パネルの上辺に位置する傘パネルからなる正多角錐様の屋根下地と、屋根下地を構成する屋根パネルの各面を被覆するように固着された面状体とからなるキャンピングハウスが提案されている。
また本考案者らは、堅固な骨組構造を基本構造としながら、軽量かつ単純形状で部品点数の少ない構成部材をもって容易に組み立てることができる簡易住宅を開発している(例えば特許文献3参照)。この簡易住宅は、構成部材の保管、取扱い性に優れ、備蓄することにより、罹災時に大量かつ迅速に簡易住宅を提供することができる。
特許文献1〜3に記載の簡易建屋を含め、これまでに提案されている簡易建屋は、東屋ならば東屋、キャンピングハウスならばキャンピングハウス各々の形態、構造しか考慮されていない。東屋、キャンピングハウスなどの簡易建屋の骨組み構造を共通化することができれば種々の簡易建屋の製作が容易となり、また幅広い簡易建屋に適用することができるが、これまでこのような考え方は提案されていない。
本考案は、簡単な構造で製作が容易であり幅広い簡易建屋に適用可能な簡易建屋及びそれに使用する連結ブラケットを提供することである。
本考案は、複数の正三角形及び/又は二等辺三角形で構成される正20面体又は20面体の上部の五角錐体部分A及び中央の10面体部分Bの各辺に配置される25本の棒状の骨格部材と、前記各辺に配置される骨格部材同士を連結する連結ブラケットと、前記五角錐体部分Aを屋根とすべく、前記五角錐体部分Aの各辺に配置される10本の骨格部材を支持部材とし、当該骨格部材を覆うように取付けられる屋根部材と、前記中央の10面体部分Bの少なくとも一部を覆う側壁部材と、当該建屋内に吹き込む風を逃がすことが可能な通風手段と、を備えることを特徴とする簡易建屋である。
また本考案の簡易建屋は、さらに前記中央の10面体部分Bの下部の各辺に配置される5本の骨格部材を支持部材とし、当該骨格部材を覆うように床材が取付けられ、床が形成されていることを特徴とする。
また本考案の簡易建屋は、さらにキャスターを備え、移動可能なことを特徴とする。
また本考案の簡易建屋は、前記通風手段が、前記屋根の頂部に設けられた通風口と、前記通風口の上部に設けられた補助屋根とを有し、前記屋根と前記補助屋根との間の空間部分が空気排出口となり、前記補助屋根は、前記通風口から建屋内に雨が入り込むことを防止することを特徴とする。
また本考案の簡易建屋は、前記五角錐体部分の頂点Cから伸びる5辺に配置される5本の棒状の骨格部材が、軒を形成するように先端が前記中央の10面体部分Bから突出し、前記屋根部材は、軒を形成するように前記突出部分も覆うことを特徴とする。
また本考案の簡易建屋は、前記五角錐体部分の頂点Cから伸びる5辺に配置される5本の棒状の骨格部材が、軒を形成するように先端が前記中央の10面体部分Bから突出し、さらに当該5本の骨格部材の先端部同士を連結する棒状体を有し、前記屋根部材及び側壁部材がテント地であり、前記屋根部材は、軒を形成するように前記突出部分及び前記棒状体も覆うことを特徴とする。
また本考案の簡易建屋は、前記簡易建屋が、東屋又は簡易テントハウスであることを特徴とする。
また本考案の簡易建屋は、前記屋根部材及び側壁部材がテント地で一体的に形成され、側壁部分には雨の侵入防止手段を備える窓及び人が出入り可能な出入口を備え、前記屋根部材及び側壁部材は、前記連結ブラケットを介して連結された骨格部材に対して覆い被せるように取付けられていることを特徴とする。
また本考案の簡易建屋は、前記通風手段が、渦巻き状のバネ部材を介して巻き取られた柔軟性を有する両端が開口した筒状体を備え、前記筒状体は、基端部が前記屋根及び/又は側壁に設けられた通風口を覆うように取付けられ、建屋内の圧力が上昇すると、渦巻き状態から直線状となり建屋内の空気を排出し、建屋内外の圧力差がなくなると前記バネ部材を介して渦巻き状に巻き取られ、雨の侵入を防止することを特徴とする。
また本考案の簡易建屋において、前記通風手段は、さらに前記筒状体を強制的に直線状とする手段を備え、前記通風手段は、前記屋根に取付けられ、前記筒状体を前記手段を介して直線状にすることで換気手段として利用可能なことを特徴とする。
また本考案の簡易建屋は、前記簡易建屋が、グランピングハウスであることを特徴とする。
本考案は、前記簡易建屋で使用する連結ブラケットであって、5本の前記骨格部材を連結可能な5つの連結片を有し、前記連結片の1つをそのまま又は折り曲げることで前記簡易建屋を基礎部材に連結する連結手段として使用可能なことを特徴とする連結ブラケットである。
また本考案は、前記簡易建屋で使用する連結ブラケットであって、断面が皿形状を有し、連結される前記骨格部材がそれぞれ縁高の境界部の間に形成される凹部に納まるように絞り加工されてなることを特徴とする連結ブラケットである。
本考案によれば、簡単な構造で製作が容易であり幅広い簡易建屋に適用可能な簡易建屋及びそれに使用する連結ブラケットを提供することができる。また本考案の簡易建屋は、デザイン的にも優れる。
図1は、本考案の第1実施形態の東屋1の外観図、図2は、本考案の第1実施形態の東屋1の骨格構造の外観図、図3は、図2のA部詳細図及び図2のB部詳細図である。
本考案の第1実施形態の東屋1は、図1及び図2に示されるように大略的には正20面体の下部の五角錐体部分を切り取ったような骨格構造11を有し、上部の五角錐体部分Aに屋根31、正20面体の中央の10面体部分Bに部分的に壁(側壁)41が取付けられ、正20面体の中央の10面体部分Bの下端に床51が設けられ、基礎55の上に固定されている。
東屋1の骨格構造11は、正20面体の上部の五角錐体部分A及び中央の10面体部分Bの各辺に配置される25本の棒状の骨格部材13(13a、13b)が11個の連結ブラケット21を介して連結されてなる。骨格部材13のうち正20面体の上部の五角錐体部分の頂点Cから斜め下に伸びる5本の骨格部材13aは、他の20本の骨格部材13bに比して、軒33を形成すべく長くなっている。このため5本の骨格部材13aは、先端部分側が中央の10面体部分Bから突出している。
骨格部材13の材質、断面形状は、特に限定されるものではないが、東屋1であることを考えれば木製の丸太、木材の角材が好ましい。
連結ブラケット21は、中央に基部22を有し、これに骨格部材13に連結する連結片23が設けられてなり、大略的には断面が皿形状でヒトデ形状である。連結片23は、連結する骨格部材13と同数設けられ、各連結片23は、連結する骨格部材13(13a、13b)の軸芯に平行となっている。各連結片23には、骨格部材13にボルト止めするため貫通孔(図示省略)が設けられ、骨格部材13が、連結片23にボルト61止めされ連結される。
各連結片23に設けるボルト止めの貫通孔を間隔をあけ2以上設けることで連結ブラケット21に対し骨格部材13が動き難くなり好ましい。各連結片23に対して骨格部材13をボルト61一本で連結すると、ボルト61を中心に骨格部材13が回転する恐れがある。本実施形態では、骨格部材13が連結ブラケット21の外側に位置するが、骨格部材13が連結ブラケット21の内側になるように取付けてもよい。連結ブラケットは、本実施形態の連結ブラケット21に限定されるものではなく、骨格部材13を確実、堅固に連結することができれば、他の形態であってもよい。以下に連結ブラケットの他の形態を示す。
図4は、骨格部材13を連結する他の連結ブラケット24、28である。図4(a)は連結ブラケット24の斜視図、図4(b)は連結ブラケット24の正面図である。連結ブラケット24は、断面が皿形状を有し、縁高の境界部25を有し、境界部25の間に凹部26が形成されている。凹部26には、ボルト61止めするため貫通孔27が設けられ、凹部26に骨格部材13が配設され、凹部26にボルト61止めされ連結される。
連結ブラケット24は、骨格部材13が縁高の境界部25の間に形成される凹部26に納まるようになっているので、骨格部材13の連結ブラケット24への組付けが容易であり、さらに連結後に骨格部材13が動き難い。また連結ブラケット24は、連結ブラケット21と異なり、骨格部材13が連結される各凹部26が縁高の境界部25と繋がっているので、連結ブラケット24自体が変形し難い。このような連結ブラケット24は、絞り加工により容易に成形することができる。
図4(c)に示す連結ブラケット28は、連結する骨格部材13が嵌り込む筒状の連結片29を備える。連結片29は、連結する骨格部材13と同数設けられ、各連結片29には、骨格部材13にボルト止めするため貫通孔30が設けられ、骨格部材13の先端部が連結片29に挿入され、ボルト61止めされ連結される。このような連結ブラケット28も連結ブラケット21に比較して強度的に優れ変形し難く、連結ブラケット28と骨格部材13とが堅固に連結される。
連結ブラケット21は、強度的には連結ブラケット24、28に劣るものの構造が簡単で安価に製造することができる。逆に連結ブラケット24、28は、製造コストが高くなるが強度に優れ、骨格部材13を堅固に固定することができる。このように3種の連結ブラケット21、24、28には各々の特徴があるので、東屋1の大きさ等に応じ適したものを使用すればよい。
屋根31は、骨格部材13のうち正20面体の上部の五角錐体部分Aを覆い、軒33を形成するように設けられている。屋根31は、複数の平板状の屋根部材32が骨格部材13aに固定され形成されている。屋根31を形成する屋根部材32は、平板材に限定されるものではなく、種々の材料、形状のものを使用することができる。屋根部材32の骨格部材13aへの固定方法も特定の方法に限定されるものではない。
本東屋1には、東屋1の中に吹き込む風により東屋1自体が持ち上がることを防止するための通風手段が屋根31に設けられている。
屋根31には頂部に通風口(図示省略)が設けられ、その通風口を覆うように通風口の上部に傘となる補助屋根34が設けられている。この通風口と補助屋根34とが通風手段であり、通風口と連通する、屋根31と補助屋根34との間の空間部が空気排出口101となり、屋根31を持ち上げるように東屋1の中に吹き込む風はここから排出される。
屋根31の頂部の通風口は、屋根部材32を取付ける際に頂部の部分を除くことで簡単に形成することができる。
補助屋根34は、屋根31の頂部に支柱(図示省略)を立設し、支柱上に屋根部材35を取付けるかたちで設けられている。補助屋根34は、屋根31との間に空気排出口101となる空間部が形成され、屋根31に設けられた通風口から東屋1内に雨が入り込むことのないように設けることができればよく、構造等は本実施形態に限定されるものではない。但し、デザイン的には、屋根31との調和を図り、屋根31と同様の形態、材料、色合いであることが好ましい。
壁(側壁)41は、中央の10面体部分Bの下部に出入口となる2か所を除き取付けられている。壁41は、平板状の壁材42が中央の10面体部分Bの骨格部材13bに固定され形成されている。壁41の高さ、取付け位置、壁材42の材質、壁材42の骨格部材13bへの固定方法等は、特に限定されるものではなく、所望のものを採用することができる。
床51は、中央の10面体部分Bの下端に配設された5本の骨格部材13bを覆うように床材52が固定され形成されている。より詳細には、本実施形態では床下中央に基礎ブロック57を配置し、中央の10面体部分Bの下端の各連結部から中央の基礎ブロック57に棒材(図示省略)を架け渡し、下端に配設された5本の骨格部材13b及び架け渡された棒材を支持部材とし、これを覆うように三角形に形成された5つの床材52が取付けられ、床51が形成されている。
東屋1において床51を設けなくてもよいが、床51を設けることで骨格部材13bの太さ及び床材52の厚さ分だけ床51を嵩上げすることができる。これにより雨のときでも足元が濡れず好ましい。また床51を設けることで東屋1の変形に対する強度が増す。床材52の材質、骨格部材13bへの固定方法等は、特に限定されるものではなく、所望のものを採用することができる。
基礎55は、コンクリート製の基礎ブロック55からなり、東屋1は、中央の10面体部分Bの下端に使用される連結ブラケット21を利用して基礎ブロック55に固定されている(図3B部参照)。本実施形態では、連結ブラケット21の連結片23の一つを、基礎ブロック55の上面56と平行になるように加工し(折り曲げ)、これを介して基礎ブロック55にボルト61止めしている。
正20面体の上部の五角錐体部分A等では、各所において5本の骨格部材13を連結するのに対して、中央の10面体部分Bの下端において連結する骨格部材13bは4本である。このため5本の骨格部材13を連結する連結ブラケット21を中央の10面体部分Bの下端の骨格部材13bの連結に使用すると連結片23が一つ余る。この余っている連結片23をそのまま使用して基礎ブロック55に固定してもよい。この方法を採用すれば、東屋1において全て同じ連結ブラケット21を使用することができる。
この場合、矩形の基礎ブロック55を使用すると基礎ブロックの上面56と連結片23とが平行にならないので、基礎ブロックの上面56と連結片23との間を埋める当て物を使用するか、連結片23と平行になるように基礎ブロックの上面56の一部を加工するのが好ましい。これにより堅固に固定することができる。東屋1への基礎55の固定は、本実施形態に限定されるものではなく他の方法であってもよい。
本東屋1は、骨格構造11が正20面体の下部の五角錐体部分を切り取ったような形状からなるため、各骨格部材13が同じ角度で連結される。このため骨格部材13の連結には同一形態の連結ブラケット21を使用することができ、さらに基礎55への固定も同一形態の連結ブラケット21を使用することも可能なため製作が容易である。
図5は、本考案の第2実施形態のテントハウス2の外観図である。図5中のドットは、奥側に位置するテント地42の存在を示すために記したものである。図6は、本考案の第2実施形態のテントハウス2の骨格構造の外観図である。図1〜図4に示す本考案の第1実施形態の東屋1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
本考案の第2実施形態のテントハウス2は、図6に示されるように大略的には20面体の下部の五角錐体部分を切り取ったような骨格構造14を有し、上部の五角錐体部分Aに屋根31が設けられている。テントハウス2の骨格構造14は、第1実施形態の東屋1の骨格構造11と類似するが、以下の点で異なっている。
第1実施形態の東屋1の骨格構造11が正三角形を組み合わせてなる正20面体形状をベースとするのに対して、テントハウス2の骨格構造14は、正三角形と2等辺三角形とを組み合わせてなる20面体形状をベースとする。具体的にはテントハウス2は、屋根31部分の骨格構造14aは、東屋1と同じく正三角形を基礎とする五角錐体形状を有するが、屋根31を支える中央の10面体部分Bの骨格構造14bは、2等辺三角形を基礎とする10面体の各辺に骨格部材15a、15bを配置することで形成される。
本実施形態のテントハウス2では、屋根31を支える骨格構造14bの部分に正三角形に比較して高さの高い2等辺三角形を用いることで地面から屋根31までの高さを高くしている。このため骨格構造14bを構成する骨格部材15aは、骨格部材15bよりも長くなっている。本実施形態において骨格部材15bと骨格部材13bとは同じ長さである。テントハウス2の骨格部材13(13a、13b)、15(15a、15b)の材質、形状は、特に限定されるものではなく用途に適したものを使用すればよい。
テントハウス2の高さは、用途等に応じて適宜設定すればよく、第1実施形態の東屋1と同様に正20面体形状をベースとしてもよい。この場合には、本実施形態のテントハウス2に比較して高さが低くなる。なお、本実施形態のテントハウス2の骨格構造14を東屋1に適用すれば、高さの高い東屋を製作することができる。
テントハウス2の屋根31は、屋根部材32としてテント地を用い、骨格構造14のうち五角錐体部分Aを覆い形成されている。テントハウス2の屋根31は、第1実施形態の東屋1と同様に軒33が設けられており、さらに吹き込む風によりテントハウス2自体が持ち上がることを防止するための通風手段である補助屋根34も第1実施形態の東屋1と同様に設けられている。
屋根31を覆うテント地32は、風に煽られてばたつくと耐久性が低下するため、本テントハウス2では軒33を形成する、隣り合う骨格部材13aの先端部に棒材39を架け渡し、これにテント地32を固定することで風によるばたつきを防止している。また本テントハウス2では、内側に雨が入らないように軒先33部分からテント地32を垂れ下がらせている。
本テントハウス2において、テント地32、テント地32の骨格部材13(13a、13b)、15(15a、15b)への固定方法は、特に限定されるものではないが、本テントハウス2をイベント会場等でイベントハウス等として使用する場合には、現地で組み立てることとなる。これらの点を考慮すれば、骨格部材13、15の連結、テント地32の骨格部材13、15への固定方法は、簡単に着脱できる方法が好ましい。
例えば、骨格部材13、15の先端部にボールロック機構を設け、ボルト61に代え、ボールロック機構のボールを利用して連結ブラケット21、24、28と連結させるようにしてもよい。テント地32の骨格部材13、15への固定には、テント地32の先端部に短冊状の面ファスナを設け、これを骨格部材13、15に回し掛け固定するようにしてもよい。
20面体の中央の10面体部分Bの6面には、壁材としてテント地42が取付けられている(図5中のドット部分)。テントハウス2には、床は設けられておらず、コンクリート製の基礎ブロック55に固定されている。基礎ブロック55への固定方法は、第1実施形態の東屋1と同じである。本実施形態ではテントハウス2の地面に対する固定方法として、基礎ブロック55を使用しているが、地面に置くだけでもよく、骨格部材13に固定用のロープを取付け、ロープの一端を地面に固定する方法でもよく、これらの方法を併用してもよい。
本テントハウス2は、第1実施形態の東屋1と同等以上に、簡単に製作することができる。なお、本考案の第2実施形態のテントハウス2では、床51を設けていないが、第1実施形態の東屋1と同様に床51を設けてもよい。
図7は、本考案の第3実施形態のグランピングハウス3の外観図である。図8は、本考案の第3実施形態のグランピングハウス3の骨格構造17の外観図である。図9は、本考案の第3実施形態のグランピングハウス3に設けられた通風手段である自動開閉機構115の構造を説明するための図である。図1〜図4に示す本考案の第1実施形態の東屋1、図5及び図6に示す本考案の第2実施形態のテントハウス2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
グランピングハウス3とは、グランピングで使用する簡易建屋をいう。グランピングとは「グラマラス」と「キャンピング」とを掛け合わせた造語であり、贅沢にキャンプを楽しむという概念といわれている。グランピングハウス3は、用途からグランピングハウスと呼ばれるが、本グランピングハウス3は、骨格構造17をテント地43で覆う構造からなるゆえテントハウスということができる。
本考案の第3実施形態のグランピングハウス3は、第2実施形態のテントハウス2と同様に、正三角形と2等辺三角形とを組み合わせてなる20面体形状をベースとする。グランピングハウス3の骨格構造17は、軒33を有していない点を除き、他は第2実施形態のテントハウス2の骨格構造14と同じである。グランピングハウス3の骨格部材の材質、形状も第2実施形態のテントハウス2の骨格部材と同様に考えることができる。
グランピングハウス3では、屋根31及び側壁44全体がテント地43で覆われ、床51も設けられているため内部に1つの閉じた空間が形成されている。ここでは屋根31と側壁44とがテント地43で一体的に形成され、骨格部材17に対して上から覆い被せるように取付けられている。本グランピングハウス3は、軒33を備えず、さらに出っ張りもないため骨格部材17に対しテント地43を被せ易い。本グランピングハウス3では、雨漏り、内部への雨の侵入を考慮し、屋根31と側壁44とを一体的に形成しているが、屋根31と側壁44とを別々に形成してもよく、また側壁44を複数のテント地で形成してもよい。
さらに側壁44部分には窓45及び人が出入り可能な出入口46が設けられている。窓45及び出入口46は、側壁44部分のうち下部が内側に入り込んでいる面Dに設けることが好ましく、ここに設けることで雨が入り難くなる。側壁44部分のうち下部が内側に入り込んでいる面Dは、中央の10面体部分Bのうち下部に骨格部材15bが配置される部分である。
窓45及び出入口46の部分は、ファスナー47が取付けられ開閉可能に構成され、ファスナー47の部分にはファスナー47を覆うカバー部材(図示省略)が設けられ、当該部分から内部に雨が侵入をすることが防止されている。窓45、出入口46及びこれらの防水対策については、キャンプ等で使用するテントに用いられている公知の手法を用いることができる。
また側壁44部分には、通風手段として、内部の圧力が外部の圧力以上に上昇したとき、自動的に開き内部の空気を外部に排出する自動通風機構115が設けられている。自動通風機構115は、側壁44部分に設けられた開口部48を覆うように取付けられた自動通風パイプ116を主に構成される。
自動通風パイプ116は、両端が開口した柔軟性を有する防水性の筒状部材であり、渦巻き状のバネ部材(図示省略)が取付けられている。自動通風パイプ116は、通常、バネ部材を介して渦巻き状に巻き取られた状態であり(図9(a)参照)、基端部117が開口部48を覆うように取付けられている。自動通風パイプ116には、自動通風パイプ116を強制的に直線状とするための挿入パイプ118が装着されている。挿入パイプ118は、自動通風パイプ116の内径よりも僅かに小さい外径を有するパイプであり、挿入パイプ118を自動通風パイプ116に挿入することで自動通風パイプ116を直線状とすることができる(図9(b)参照)。
自動通風機構115の動作について説明する。グランピングハウス3内外の圧力差がない場合には、自動通風パイプ116は渦巻き状に巻き取られた状態であり、通風不能である。グランピングハウス3内が所定の圧力まで上昇すると渦巻き状のバネ部材のバネ反力に打ち勝ち、グランピングハウス3内の空気が自動通風パイプ116を押出し、自動通風パイプ116が直線状となる。これによりグランピングハウス3の内外が連通し、内部の空気が外部に排出される。
グランピングハウス3内の空気が排出され、グランピングハウス3内外の圧力差がなくなると、渦巻き状のバネ部材のバネ反力により自動通風パイプ116は渦巻き状に巻き取られる。これにより外部の空気、雨の侵入を遮断する。本実施形態では、自動通風機構115が側壁44部分に設けられているが屋根31、又は側壁44部分と屋根31の両方に設けてもよく、数も特に限定されない。
換気等によりグランピングハウス3内と外とを連通させたい場合には、挿入パイプ118を自動通風パイプ116に挿入し、自動通風パイプ116を強制的に直線状とすればよい。特に、屋根31に自動通風パイプ116を設け挿入パイプ118を挿入し、これを換気手段とすればグランピングハウス3内に籠る熱を逃がすことができる。屋根31に取付ける自動通風パイプ116の数は、限定されないのでグランピングハウス3の大きさに応じて適宜設ければよい。この場合、グランピングハウス3内に雨が入り込まないように自動通風パイプ116を取付けるのがよい。また屋根31にグランピングハウス3内に籠る熱を逃がす他の換気手段を設けてもよい。
グランピングハウス3は、第1実施形態の東屋1と同じ要領で床51が設けられている。さらに床51の下にはグランピングハウス3を移動させるためのキャスター(図示省略)が取付けられている。キャスターは、ストッパ付きのキャスターであり、グランピングハウス3の固定は、キャスターのストッパーと固定用ロープ70による。
以上、本考案の簡易建屋として、東屋、テントハウス、及びグランピングハウスを示したが、いずれも骨格構造が、正20面体又は20面体の上部の五角錐体部分A及び中央の10面体部分Bの各辺に配置される25本の棒状の骨格部材を連結ブラケットで連結されてなり、屋根及び中央の10面体部分Bの一部又は全部を壁部材で覆い、さらに当該建屋内に吹き込む風を逃がすことが可能な通風手段を備える点で共通する。このような簡易建屋は、簡単な構造で製作が容易であり幅広い簡易建屋に適用可能であり、デザイン的にも優れる。
本考案に係る簡易建屋は、上記実施形態に限定されるものではなく要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。例えば、第1実施形態の東屋、第2実施形態のテントハウスに第3実施形態のグランピングハウスと同様に移動用のキャスターを取付けてもよい。また当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる考案の範囲内のものと解釈される。
1 東屋
2 テントハウス
3 グランピングハウス
11 骨格構造
13,13a,13b 骨格部材
14,14a,14b 骨格構造
15a,13b 骨格部材
17 骨格構造
21 連結ブラケット
24 連結ブラケット
25 境界部
26 凹部
28 連結ブラケット
31 屋根
32 屋根部材,テント地
33 軒
34 補助屋根
39 棒材(軒)
41 壁
42 壁材,テント地
43 テント地
44 側壁
45 窓
46 出入口
51 床
55 基礎,基礎ブロック
101 空気排出口
115 自動通風機構
116 自動通風パイプ
118 挿入パイプ
A 五角錐体部分
B 中央の10面体部分
C 五角錐体部分の頂点
2 テントハウス
3 グランピングハウス
11 骨格構造
13,13a,13b 骨格部材
14,14a,14b 骨格構造
15a,13b 骨格部材
17 骨格構造
21 連結ブラケット
24 連結ブラケット
25 境界部
26 凹部
28 連結ブラケット
31 屋根
32 屋根部材,テント地
33 軒
34 補助屋根
39 棒材(軒)
41 壁
42 壁材,テント地
43 テント地
44 側壁
45 窓
46 出入口
51 床
55 基礎,基礎ブロック
101 空気排出口
115 自動通風機構
116 自動通風パイプ
118 挿入パイプ
A 五角錐体部分
B 中央の10面体部分
C 五角錐体部分の頂点
Claims (13)
- 複数の正三角形及び/又は二等辺三角形で構成される正20面体又は20面体の上部の五角錐体部分A及び中央の10面体部分Bの各辺に配置される25本の棒状の骨格部材と、
前記各辺に配置される骨格部材同士を連結する連結ブラケットと、
前記五角錐体部分Aを屋根とすべく、前記五角錐体部分Aの各辺に配置される10本の骨格部材を支持部材とし、当該骨格部材を覆うように取付けられる屋根部材と、
前記中央の10面体部分Bの少なくとも一部を覆う側壁部材と、
当該建屋内に吹き込む風を逃がすことが可能な通風手段と、
を備えることを特徴とする簡易建屋。 - さらに前記中央の10面体部分Bの下部の各辺に配置される5本の骨格部材を支持部材とし、当該骨格部材を覆うように床材が取付けられ、床が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の簡易建屋。
- さらにキャスターを備え、移動可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載の簡易建屋。
- 前記通風手段が、前記屋根の頂部に設けられた通風口と、前記通風口の上部に設けられた補助屋根とを有し、前記屋根と前記補助屋根との間の空間部分が空気排出口となり、
前記補助屋根は、前記通風口から建屋内に雨が入り込むことを防止することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の簡易建屋。 - 前記五角錐体部分の頂点Cから伸びる5辺に配置される5本の棒状の骨格部材が、軒を形成するように先端が前記中央の10面体部分Bから突出し、
前記屋根部材は、軒を形成するように前記突出部分も覆うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の簡易建屋。 - 前記五角錐体部分の頂点Cから伸びる5辺に配置される5本の棒状の骨格部材が、軒を形成するように先端が前記中央の10面体部分Bから突出し、さらに当該5本の骨格部材の先端部同士を連結する棒状体を有し、
前記屋根部材及び側壁部材がテント地であり、
前記屋根部材は、軒を形成するように前記突出部分及び前記棒状体も覆うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の簡易建屋。 - 前記簡易建屋が、東屋又は簡易テントハウスであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の簡易建屋。
- 前記屋根部材及び側壁部材がテント地で一体的に形成され、側壁部分には雨の侵入防止手段を備える窓及び人が出入り可能な出入口を備え、
前記屋根部材及び側壁部材は、前記連結ブラケットを介して連結された骨格部材に対して覆い被せるように取付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の簡易建屋。 - 前記通風手段が、渦巻き状のバネ部材を介して巻き取られた柔軟性を有する両端が開口した筒状体を備え、
前記筒状体は、基端部が前記屋根及び/又は側壁に設けられた通風口を覆うように取付けられ、建屋内の圧力が上昇すると、渦巻き状態から直線状となり建屋内の空気を排出し、建屋内外の圧力差がなくなると前記バネ部材を介して渦巻き状に巻き取られ、雨の侵入を防止することを特徴とする請求項8に記載の簡易建屋。 - 前記通風手段は、さらに前記筒状体を強制的に直線状とする手段を備え、
前記通風手段は、前記屋根に取付けられ、前記筒状体を前記手段を介して直線状にすることで換気手段として利用可能なことを特徴とする請求項9に記載の簡易建屋。 - 前記簡易建屋が、グランピングハウスであることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の簡易建屋。
- 請求項1から11のいずれか1項に記載の簡易建屋で使用する連結ブラケットであって、
5本の前記骨格部材を連結可能な5つの連結片を有し、前記連結片の1つをそのまま又は折り曲げることで前記簡易建屋を基礎部材に連結する連結手段として使用可能なことを特徴とする連結ブラケット。 - 請求項1から11のいずれか1項に記載の簡易建屋で使用する連結ブラケットであって、
断面が皿形状を有し、連結される前記骨格部材がそれぞれ縁高の境界部の間に形成される凹部に納まるように絞り加工されてなることを特徴とする連結ブラケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016004897U JP3208097U (ja) | 2016-10-11 | 2016-10-11 | 簡易建屋及び連結ブラケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016004897U JP3208097U (ja) | 2016-10-11 | 2016-10-11 | 簡易建屋及び連結ブラケット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3208097U true JP3208097U (ja) | 2016-12-22 |
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ID=57572557
Family Applications (1)
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JP2016004897U Active JP3208097U (ja) | 2016-10-11 | 2016-10-11 | 簡易建屋及び連結ブラケット |
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JP (1) | JP3208097U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022071990A (ja) * | 2020-10-29 | 2022-05-17 | 有限会社オンサイト計画設計事務所 | シート構造体 |
-
2016
- 2016-10-11 JP JP2016004897U patent/JP3208097U/ja active Active
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JP2022071990A (ja) * | 2020-10-29 | 2022-05-17 | 有限会社オンサイト計画設計事務所 | シート構造体 |
JP7078286B2 (ja) | 2020-10-29 | 2022-05-31 | 有限会社オンサイト計画設計事務所 | シート構造体 |
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