JP4933954B2

JP4933954B2 - 簡易建物

Info

Publication number: JP4933954B2
Application number: JP2007129860A
Authority: JP
Inventors: 光喜東海; 櫻池上
Original assignee: 三協立山アルミ株式会社
Priority date: 2007-05-15
Filing date: 2007-05-15
Publication date: 2012-05-16
Anticipated expiration: 2027-05-15
Also published as: JP2008285833A

Description

本発明は、トラス構造体を用いた屋根の端部を建物の躯体（外壁を含む）に固定して設置する簡易建物に関する。

玄関前や庭などに設置される簡易建物の一形態として、屋根の一方側を支柱で支持し、屋根の他方側端部を建物の躯体に固定するものがある。このような簡易建物の屋根では、特許文献１の図１，２に記載されているように、屋根パネル１３を支持する垂木３の躯体側端部を、躯体に固定した垂木掛け２に掛けてネジ４で直接固定したり、特許文献１の図３，４に記載されているように、ブラケット５を介して垂木掛け２に固定したりしている。
このような簡易建物の屋根に、特許文献２に開示されているような、上下の弦材と水平材と斜材とからなるトラス構造体を用い、且つその上弦材及び下弦材を躯体と交差する方向に配置しようとすると、その固定が困難であり、また、その固定手段によっては、弦材の端部にだけ荷重が集中し、破損したりするおそれがあり、屋根の強度が保持できない。また屋根を施工する際に、トラス構造体を梁の上で組立てたり、屋根の躯体側を作業者が支持していなければならないのでは、屋根の施工が容易に行えない。
特開２００３−２２７１７６号公報特開２００６−１５２７５４号公報

本発明は以上に述べた実情に鑑み、トラス構造体を用いた屋根の端部を躯体に固定して屋根の強度を保持でき、尚且つ屋根の施工の容易な簡易建物の提供を目的とする。

上記の課題を達成するために請求項１記載の発明による簡易建物は、躯体から離間して設けた少なくとも２本の支柱で支持した梁と、躯体に固定した躯体側枠と、梁と躯体側枠で支持した屋根体とを備え、屋根体は、上弦材、下弦材、斜材及び水平材を複数有するトラス構造体であり、上弦材及び下弦材が躯体側枠と交差する方向に配置してあり、各下弦材前後方向中間部を梁に載置固定してあると共に各上弦材に取付金具を有し、取付金具は、上弦材取付片と躯体側枠取付片とを有し、上弦材取付片を斜材と水平材と上弦材の接合部の梁側と躯体側の両方で各上弦材に固定してあり、躯体側枠取付片を躯体側枠に設けた取付金具載置部に載置固定してあることを特徴とする。

請求項２記載の発明による簡易建物は、請求項１記載の発明の構成に加え、取付金具は、上弦材に取付けてから躯体に固定した躯体側枠の取付金具載置部に載置するものであることを特徴とする。

請求項１記載の発明による簡易建物は、取付金具の上弦材取付片を、斜材と水平材と上弦材の接合部の梁側と躯体側の両方で上弦材に固定してあることで、上弦材が補強されて変形を防止でき、尚且つ上弦材が取付金具を介して躯体側枠に強固に固定されるとともに、荷重が斜材と水平材に効率良く分散する。また、下弦材の前後方向中間部を梁に載置固定したため、トラス構造体を用いた屋根の強度を保持できる。また本発明の簡易建物は、屋根体の下弦材を梁に載置し、上弦材を取付金具で躯体側枠に固定することで、屋根の施工が容易に行える。

さらに、請求項２記載の発明による簡易建物は、取付金具は上弦材に取付けてから躯体に固定した躯体側枠の取付金具載置部に載置するものであるため、屋根体の躯体側を躯体側枠に仮置きでき、屋根体の取付けがより一層容易に行える。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図４は、本発明の簡易建物の一実施形態を示す平面図であり、図５は同簡易建物の側面図であり、図６は同簡易建物の屋根を分解した状態の斜視図であり、図３は同簡易建物の屋根の躯体側を拡大して示す平面図であり、図１は図３のＡ−Ａ断面図であり、図２は図３のＢ−Ｂ断面図である。この簡易建物は、玄関の前や庭等に雨よけのために設置されるものであって、図４〜図６に示すように、建物の躯体４（外壁）から屋外側に同じ距離だけ離れた位置に左右の支柱１，１が地面から立設してあり、両支柱１，１の上端部に連結して梁２が建物の躯体４と平行に且つ水平に架設してあり、梁２上に載置して屋根３が設置してあり、屋根３の躯体側端部は躯体４に固定してある。屋根３は、躯体から離れるにつれて下降するように若干傾斜している。

屋根３は、図４と図６に示すように、左右方向に並べて配置した複数の屋根体３ａ，３ａ，…で構成してあり、屋根３の躯体側端部には複数の屋根体３ａ，３ａ，…に跨る形で躯体側枠５が取付けてあり、屋根３の躯体４と反対側の端部には複数の屋根体３ａ，３ａ，…に跨る形で雨樋１８が取付けてあり、屋根３の両側縁部には破風１９，１９が取付けてある。躯体側枠５は、図１に示すように、垂直壁２０と、垂直壁２０の上下端部から躯体４の反対側に向けて突出する突出片２１，１２とを有する断面コ字形の長尺材となっており、垂直壁２０を躯体４に当接してコーチネジ２２で固定してある。上側の突出片２１は、屋根体３ａの躯体側端部を被い、屋根パネル２４の端部を係止している。雨樋１８の端部には、支柱１に沿って設けた竪樋２３を接続してある

各屋根体３ａは、図２と図３に示すように、左右方向に間隔をおいて前後方向に配置された複数の上弦材７及び下弦材８と、上弦材７と下弦材８にそれぞれ交差させて前後方向に間隔をおいて配置された複数の水平材１０ａ，１０ｂと、上弦材７と水平材１０ａの交差部と下弦材８と水平材１０ｂの交差部とを繋ぐように斜めに配置された複数のジグザグ状の斜材９とからなるトラス構造体１１となっている。上下弦材７，８、斜材９、水平材１０ａ，１０ｂの各部材はアルミ製であり、各部材同士の接合部１６ａ，１６ｂはリベット１７により固定してある。上弦材７は、図２に示すように、上方が開口する溝形の長尺材となっており、上弦材７上に樹脂製の屋根パネル２４を載置し、屋根パネル２４の両側縁部をパネル押さえ２５で押さえて固定している。隣接する屋根体３ａの上弦材７は、連結カバー２６で連結してある。各上弦材７の躯体４側端部には、図３に示すように取付金具６が取付けてあり、この取付金具６を介して各屋根体３ａを躯体側枠５に取付けている。各下弦材８は、図５に示すように、前後方向中間部を梁２に載置し、金具３２で固定してある。各屋根体３ａは、梁２と躯体側枠５とで支持されている。

取付金具６は、金属製の帯状板を折り曲げて形成したものであり、図１に示すように、躯体４の反対側に上弦材７に沿ってのびる上弦材取付片１３と、躯体側にのびる躯体側枠取付片１４と、上弦材取付片１３と躯体側枠取付片１４とを繋ぐ垂直片１５とを有している。折り曲げ部にはリブ２７を形成して曲がらないように補強してある。
上弦材取付片１３は、前後方向に間隔をあけて２箇所に雌ネジ孔２８，２８が形成してあるとともに、２箇所の雌ネジ孔２８，２８のちょうど中間に、屋根体３ａの上弦材７と水平材１０ａと斜材９との接合部１６ａを固定しているリベット１７を逃がす丸孔２９が形成してあって、上弦材取付片１３を上弦材７の溝底面に当接し、下方よりネジ３０，３０を各雌ネジ孔２８，２８に螺入して、斜材９と水平材１０ａと上弦材７の接合部１６ａの梁側と躯体側の両方でネジ３０，３０により固定している。躯体側枠取付片１４は、躯体側枠５の下側の突出片１２上に載置して下方からのネジ３１で固定してある。

次に、この簡易建物の施工手順を説明する。まず支柱１，１を地面の所定の位置に立設し、支柱１，１間に梁２を架設する。次に躯体側枠５を躯体４にコーチネジ２２で固定する。屋根体３ａはそれぞれ予め組立てておき、屋根体３ａの各上弦材７に取付金具６を取付けておく。次に、複数の屋根体３ａを梁２上に順次並べて載置する。このとき、取付金具６の躯体側枠取付片１４を躯体側枠５の下側の突出片１２上に載置して、屋根体３ａの躯体側を躯体側枠５に仮置きする。次に、各屋根体３ａの位置を調整しながら隣接する屋根体３ａ同士を連結カバー２６で連結し、屋根体３ａの下弦材８を梁２に金具３２で固定し、取付金具６の躯体側枠取付片１４をネジ３１で躯体側枠５の突出片１２に固定する。次に、雨樋１８、破風１９、竪樋２３を取付ける。

本簡易建物は、図１に示すように、屋根体３ａの各上弦材７に取付金具６の上弦材取付片１３が、斜材９と水平材１０ａと上弦材７の接合部１６ａの梁側と躯体側の両方でネジ３０で固定してあるので、上弦材７が補強されて変形を防止でき、尚且つ上弦材７が取付金具６を介して躯体側枠５に強固に固定されるとともに、荷重が斜材９と水平材１０ａに効率良く分散する。また、下弦材８の前後方向中間部を梁２に載置固定したため、トラス構造体を用いた屋根３の強度を保持できる。また、屋根体３ａ，３ａ，…の下弦材８の前後方向中間部を梁２に載置し、上弦材７を取付金具６で躯体側枠５に固定することで、屋根３の施工が容易に行える。さらに、取付金具６を上弦材７に取付けてから取付金具６の躯体側枠取付片１４を躯体側枠５の突出片１２に載置することで、屋根体３ａの躯体側を躯体側枠５に仮置きできるので、屋根体３ａの取付けがより一層容易に行える。さらに本簡易建物は、屋根３がアルミ製部材からなるトラス構造体１１で形成されているので、大型で高強度の屋根を比較的軽量に構成することができ、間口の広い屋根付き空間を戸外に形成できる。屋根３の左右寸法は、使用する屋根体３ａの数を変えることで容易に変更できる。

本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。屋根体を構成する上弦材等の各部材の形状、材質は任意であり、各部材の配置の仕方（部材同士の重なり順、各部材の配置ピッチ等）も適宜変更できる。梁を３本以上の支柱で支持するものであってもよい。また、図７に示すように、屋根の前側だけでなく躯体側にも支柱１と梁２を設けてもよい。本発明は、カーポート、テラスの屋根、通路用シェルターなど、あらゆる簡易建物に適用できる。

図３のＡ−Ａ断面図である。図３のＢ−Ｂ断面図である。屋根の躯体側を拡大して示す平面図である。本発明の簡易建物の一実施形態を示す平面図である。同簡易建物の側面図である。同簡易建物の屋根を分解した状態の斜視図である。本発明の簡易建物の他の実施形態を示す側面図である。

符号の説明

１支柱
２梁
３屋根
３ａ屋根体
４躯体
５躯体側枠
６取付金具
７上弦材
８下弦材
９斜材
１０ａ，１０ｂ水平材
１１トラス構造体
１２突出片（取付金具載置部）
１３上弦材取付片
１４躯体側枠取付片
１６ａ斜材と水平材と上弦材の接合部

Claims

躯体から離間して設けた少なくとも２本の支柱で支持した梁と、躯体に固定した躯体側枠と、梁と躯体側枠で支持した屋根体とを備え、屋根体は、上弦材、下弦材、斜材及び水平材を複数有するトラス構造体であり、上弦材及び下弦材が躯体側枠と交差する方向に配置してあり、各下弦材前後方向中間部を梁に載置固定してあると共に各上弦材に取付金具を有し、取付金具は、上弦材取付片と躯体側枠取付片とを有し、上弦材取付片を斜材と水平材と上弦材の接合部の梁側と躯体側の両方で各上弦材に固定してあり、躯体側枠取付片を躯体側枠に設けた取付金具載置部に載置固定してあることを特徴とする簡易建物。
取付金具は、上弦材に取付けてから躯体に固定した躯体側枠の取付金具載置部に載置するものであることを特徴とする請求項１記載の簡易建物。