JP2019124055A - マンホール用安全柵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マンホールMから安全柵20を引き出した際のその安全柵の落下防止用ロックピン30と作業者の墜落防止用アウトリガー40を同時に作動させる。【解決手段】マンホール内の上下方向の梯子Hに昇降自在に設けた可動支柱11と、その両可動支柱の間にマンホールの内周に沿うように設けた円筒状安全柵20と、可動支柱に設けたロックピン30と、そのロックピンにリンク機構42を介して連動するアウトリガー40とを有する安全柵装置Aである。ロックピンは、作動杆12により梯子支柱に対して接離可能になって、安全柵がマンホール内に入り込んでいる時、梯子支柱側面に摺動し、安全柵がマンホール内から引き出されると、ばね14によって回動して梯子支柱の上端面に係止する。そのロックピンの回動作用に伴ってアウトリガーも作動(回動)してマンホールの上面に係止する。このロックピン及びアウトリガーによって安全柵の落下防止と作業者の墜落防止が同時に行われる。【選択図】図4

Description

この発明は、下水道、地下に埋設されている電力ケーブル、通信ケーブル、ガス管等の点検・修理作業用のマンホールの安全柵装置に関する。
通常、マンホールは、道路等の地表面に開口し、その開口部には縦穴を塞ぐ鋳鉄製の蓋板が設けられている。
このマンホールを有する地下施設の保守点検は、上記蓋板を開け、作業者がマンホール内に入って行い、通常、作業中は蓋板を開放状態としている。この開放状態は、作業者や道路の通行人等が誤ってマンホール内に転落する恐れがある。
このため、従来から、開放状態のマンホールの開口の周りを安全柵で囲ってその転落を防止するようにしている。
その安全柵装置として、マンホール内の上下方向の梯子に昇降自在に設けた可動支柱と、その可動支柱に安全柵とを備えたものがある(特許文献1図1〜図4)。
また、上記梯子支柱の上部に出没自在に設けた手摺りと、梯子支柱の上端に起伏自在に設けた転落防止柵とを備えたものがある(特許文献2図1〜図10)。
特開平09−279615号公報 特開2013−249626号公報
上記いずれの安全柵装置も、安全柵や手摺りを梯子支柱から引き上げて地表面に立てた際、その安全柵等がマンホール内に墜落(下降)する防止手段が講じられている。その防止手段は、安全柵と梯子支柱の間を抜き挿し可能なピンで行ったり(特許文献1の符号9、10参照)、梯子支柱の上端に手摺り支柱のストッパ片を係止することで行ったりしている(特許文献2の符号20等参照)。
このピンやストッパ片による墜落防止手段は、安全柵等が下降しないためにする一義的なものであり、作業者が忘れたりすることはなく、また、自動的に作動するようにしたものもある。
ところで、作業者がマンホールの出入りを行う場合、手足の滑りなどによって墜落する危険を回避するために市販の墜落防止装置(安全(セイフティ)ブロック)を使用することが一般的に行われている。その墜落防止装置は、梯子や電柱など高所作業場を昇り降りする際に使うものであって、ブロック本体を固定物に固定し、そのブロックから作業者に括り付けたワイヤーロープを繰り出し可能とし、作業者が万一足を踏み外した場合でも、ワイヤーロープが瞬時に繰り出しを停止して墜落を緩和する。
この墜落防止装置を安全柵装置の安全柵の一部に固定することも可能であるが、その固定状態は不安定であるうえに、従来の安全柵は、万が一の作業者の墜落の衝撃に耐え得る構造となっていない。このため、安全柵の門型部分の下端に内側から外側に出没可能なアウトリガーを設け、安全柵がマンホールから引き出された際、安全柵からそのアウトリガーを外側に突出させてマンホールの側壁上面に位置させ、前記門型部分を地盤(マンホール側壁上面)に安定的に固定することが考えられる。
この発明は、以上の実状の下、アウトリガーの作動を確実に行い得るようにすることを課題とする。
上記課題を達成するため、この発明は、アウトリガーをロックピンに連動するようにしたのである。
上記のように、ロックピンは手動にしろ、自動にしろ、必ず作動して安全柵の下降を阻止するため、それに連動してアウトリガーが作動すれば、アウトリガーもその作用(機能)を発揮する。
この発明の具体的な構成は、マンホール内の上下方向の梯子に昇降自在に設けた可動支柱と、その可動支柱に設けた安全柵、ロックピン及びそのロックピンに連動するアウトリガーとを有し、ロックピンは、安全柵に設けた作動杆により梯子に対して接離可能になって、安全柵がマンホール内に入り込んでいる時、梯子に摺動し、安全柵がマンホール内から引き出されると、作動杆により梯子に係止して安全柵の下降を阻止し、アウトリガーは、ロックピンが梯子に摺動している時、マンホール内に位置し、ロックピンが梯子に係止した時にはそのロックピンに連動してマンホールの上端に係止する構成を採用することができる。
上記安全柵は、通常、門型部分を有しており、その門型部分の横杆に墜落防止装置(安全ブロック)を取り付け(固定し)、作業者は、その墜落防止装置を介してマンホール内に出入りすることとなる。このとき、アウトリガーは、ロックピンに連動してマンホールの上端(側壁上面)に係止するため、安全柵が安定しており、墜落防止装置の十分な固定物となり得る。
また、安全柵がマンホール内から引き出された時、ロックピンはマンホールの上端等に係止して安全柵の下降を阻止しても良いことから、この発明において、ロックピンが梯子に係止するとは、ロックピンが梯子の上端(上面)に係止したり、そのマンホールの上面に係止したりする場合のみならず、梯子の絶対的な上端でなくても、途中の切欠きや突起等のロックピンが係止して安全柵の下降を阻止し得る部分との係止も含むものとする。
この構成において、上記ロックピンは、ばねにより上記梯子に向かって付勢されており、上記安全柵がマンホール内から引き出されると、前記梯子の上端に至って前記ばねにより梯子への摺動からさらに梯子に向かう方向に移動してその梯子上端(上記マンホールの上面等も含む)に係止する構成とすることができる。
このようにすれば、ロックピンとアウトリガーをばねによって自動的に作動させることができる。
上記ロックピンとアウトリガーは、適宜な手段によって連動させれば良いが、例えば、リンク機構によって連結して連動するようにすることができる。
この発明は、以上のように構成してアウトリガーをロックピンに連動するようにしたので、ロックピンによる安全柵の墜落防止作用と同時にアウトリガーによる安全柵の安定化を図ることができる。このため、より安全な安全柵装置とすることができる。
この発明に係る安全柵装置の一実施形態のマンホールへの安全柵の設置状態を示し、(a)は収納状態、(b)は引き出し状態 図1(b)の左側から見た部分側面図 図1(b)の蓋板を開放した平面図 同実施形態の要部斜視図 同実施形態の部分斜視図 同実施形態の部分作用図であり、(a)は斜視図、(b)は切断平面図
この発明に係る安全柵装置の一実施形態を図1〜図6に示し、従来と同様に、マンホールMの内壁に上下方向の梯子Hがマンホール底まで設置されている。この実施形態の安全柵装置Aは、梯子Hの両側の支柱1、1にそれぞれ昇降自在に設けた可動支柱11、11と、その両可動支柱11の間に設けた安全柵20と、前記可動支柱11に設けたロックピン30と、そのロックピン30に連動するアウトリガー40とを有する。
上記梯子Hは、両側の支柱1、1に横桟(踏み板)2が適宜間隔で設けられて、その上端がマンホールMの内壁に、下端がマンホールMの底面に、取付板(ベース板3)を介してそれぞれ固定されている。作業者は、この梯子HでもってマンホールM内に出入りする。
安全柵20は、略円弧状の横桟21と、その横桟21を連結する縦桟22とからなるマンホールMの内周壁に沿う円筒状であり、その円筒状の一部が切り欠かれて出入り口となって、その出入り口(切欠き)から作業者が自由に出入りし得る。
この実施形態では、安全柵20の上面にマンホール蓋を兼用した蓋板4が蝶番5を介して起伏可能に設けられており、その蓋板4の出没自在な取手(図示せず)でもって、図1(a)に示す安全柵20がマンホールM内に収まった状態から、図1(b)に示すように安全柵20を持ち上げる。このとき、蓋板4は安全柵20にフック等によって容易に開放しない(開かない)ようになっている。
安全柵20が持ち上がれば(マンホール内から引き出されれば)、図1(b)の鎖線で示すように、フックの係止を外す等して蓋板4を起立させてステー(図示せず)によってその起立状態を維持・ロックする。マンホールMの蓋板は、安全柵20の蓋板4と別途の物とし得る(特許文献1の蓋2、特許文献2の転落防止柵2参照)。この場合、安全柵20は、蓋板4を省略することができ、上端部を適宜に掴んで昇降させることとなり、マンホール蓋(蓋板)は、その昇降の前にマンホールMの開口から外すこととなる。
可動支柱11はその内側に側板11aを有し、その可動支柱11の側板11aに長さ方向の作動杆12が軸受片12aを介してその軸心回りに回転可能及び上下方向落下不能に設けられており(図5参照)、その作動杆12の上端にハンドル13、下端にロックピン30が一体に設けられている。
作動杆12の途中に突片15が設けられ、その突片15の上下にトーションスプリング等のばね14が設けられている。このばね14の付勢力により、ロックピン30を梯子支柱1側に付勢する(図6(b)において矢印の時計回り)。ばね14は、ロックピン30及びアウトリガー40を回転し得る十分な付勢力が得られれば1つでも良い。
作動杆12がその軸心回りに回転可能のため、ロックピン30は、可動支柱11及び梯子支柱1に対して接離可能になっており、図1(a)に示す、安全柵20がマンホールM内に入り込んでいる時、ばね14の付勢力により梯子支柱1の一角に摺動して上下動する(図5の鎖線状態参照)。一方、図1(b)に示す、安全柵20がマンホールM内から引き出されると、ロックピン30は、前記梯子支柱1の上端に至ってばね14によってその梯子支柱1の上面方向に向かってさらに回転する(図5の鎖線から実線、図6(b)の実線から鎖線)。
このロックピン30が梯子支柱1の上面に向かって回転すると、ロックピン30は梯子支柱1の上面に係止する。この係止によって、安全柵20の下降が阻止される。このとき、図5、図6(b)に示すように、梯子支柱1の上面にストッパ片31を設けると、ロックピン30と梯子支柱1上面の係止が安定する。
アウトリガー40は、図4、図5に示すように、安全柵20の縦杆23bに上下方向に沿う支軸41を介して安全柵20の内外に出没可能に設けられている。その支軸41は、同図に示すように、リンク機構42によって上記作動杆12に連結されており、このリンク機構42によって作動杆12に連動してアウトリガー40は支軸41を介して回動する。リンク機構42は、アウトリガー40の支軸41に固定のリンク42aと、ロックピン30の作動杆12に固定のL字状のリンク42bと、両リンク42a、42bに回転自在に連結された円弧状リンク42cとから成る(図5参照)。
このように、ロックピン30とアウトリガー40をリンク機構42によって連動させたことにより、図6(b)に示すように、図1(a)に示す安全柵20がマンホールM内に収まった状態及び安全柵20を持ち上げる途中状態においては、ロックピン30が梯子支柱1の側面(一角)にばね14に抗して当接して摺動する。このとき、リンク機構42も動かないため、アウトリガー40は安全柵20内(マンホールM内)に位置する(図5鎖線状態)。
ロックピン30は、梯子支柱1の上面(上端)に至ると、ばね14の付勢力によって、図6(b)の鎖線で示すように回転して可動支柱11に当たるまで回転して梯子支柱1の上面に係止する。
このロックピン30の回転とともにロックピン30と一体の作動杆12も回転し、この作動杆12の回転に伴って、リンク機構42は、図5の鎖線から実線に示すように動いてアウトリガー40も安全柵20の外側に突出する。
以上のロックピン30、アウトリガー40、リンク機構42、作動杆12は安全柵20の左右両側に対称にそれぞれ設けられている(図4参照)。
この実施形態は以上の構成であり、つぎにその作用について説明する。まず、図1(a)から同(b)に示すように、蓋板4をその取手でもって持ち上げてこの安全柵20をマンホールMから引き上げる。このとき、特許文献2に記載の、カウンタウエイト、ワイヤなどからなる昇降装置が梯子H(その支柱1)に備えられていると、その引き上げ動作は簡単かつ円滑である。
つぎに、その安全柵20の引き上げに伴って、ロックピン30は梯子支柱1の一角を摺動しながら(図5鎖線状態)上昇して梯子支柱1の上端に至ると、図1(b)、図5、図6(b)に示すように、その一角の拘束が解放されてばね14により安全柵20の外側に回転して梯子支柱1の上面に係止する。このロックピン30の動作に伴ってリンク機構42によってアウトリガー40も外向きに回転してマンホール上面(補強枠Wで構成されたマンホール開口周縁)に係止する。この両係止によって、安全柵20はマンホールMの上面に固定される(セットされる。図4実線状態)。
このようにして、ロックピン30及びアウトリガー40による自動の二重ロックによって安全柵20がマンホールMの上部に取付固定される。この状態において、作業者は、チェーンTを外し、安全柵20の門型部材をなす横杆23aに墜落防止装置(安全ブロックB)を固定し(図2、図4参照)、その墜落防止装置Bを介し取手等を握って梯子HでもってマンホールM内に入って作業を行う。このとき、その安全柵20(特に、図4で示すアウトリガー40を設けた縦杆23b及びその上部の横杆23aの門型部分)は、アウトリガー40によってマンホールMの周壁上面に安定して固定されているため、作業者が万一足を踏み外した場合でも、墜落防止装置Bが安定して動くことなくそのワイヤーロープが瞬時に繰り出しを停止して墜落を緩和する。門型をなす横杆23a及び縦杆23bは、安全柵20の横桟21や横桟22とは別途に設けたり、その横桟21や横桟22をアウトリガー40用門型部材として強度面において使用し得る限りにおいて兼用したりすることもできる。
作業が終了して、作業者がマンホールMから出れば、作動杆12をハンドル13でもってばね14に抗して反時計回りに回すと、ロックピン30も同方向に回転して梯子支柱1の上面との係止を解除する。また、作動杆12の回転とともに、リンク機構42によってアウトリガー40も回転してマンホール上面(補強枠W)から安全柵20内に退去する(図4鎖線状態)。
このロックピン30及びアウトリガー40の梯子支柱1の上面及びマンホール上面との係止解除によって、安全柵20は下降可能となる。このため、蓋板4を押さえることによって安全柵20をマンホールM内に押し込んで収納する。蓋板4がマンホールMに納まれば、その収納完了となる。
なお、そのロックピン30と梯子支柱1の上面との係止解除は、図5、図6(b)に示すように、ストッパ片31があれば、ロックピン30がそのストッパ片31を乗り越えるまで作動杆12を引き上げた後、回転させて梯子支柱1に当てる。このストッパ片31を有する場合、安全柵20の引き上げは、ロックピン30がそのストッパ片31を乗り越え得る位置まで行って梯子支柱1の上面に係止するようにする。
上記実施形態においては、ばね14によって作動杆を付勢するようにしているが、ばね14を省略し、手動によって作動杆12を回転することによって、ロックピン30及びアウトリガー40を梯子支柱1の上面及びマンホールMの上面に係止したり、その係止の解除を行うようにしたりすることができる。しかし、ばね14によれば、その付勢力により、ロックピン30及びアウトリガー40の梯子支柱1上面及びマンホールM上面への係止が自動的に行われるとともに、その係止が維持されるため安全である。そのばね14は、上記の作動杆12の周りに設けた態様と同様に、アウトリガー40の支軸41にトーションスプリングを設けたり、リンク機構42にコイルスプリング等を設けたりすることもできる。
また、安全柵20の下降防止機能及び作業者の墜落防止機能(安全柵の安定化)が発揮し得れば、ロックピン30及びアウトリガー40は安全柵20の両側ではなく、一方側のみでも良い。
上記実施形態は、平面視円形のマンホールMであったが、この発明は、平面視四角状等と各種の平面形状のマンホールに採用し得ることは言うまでもない。そのとき、安全柵20等の形状は、そのマンホールの平面形状に対応させることは言うまでもない。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 梯子の支柱
2 横桟(踏み板)
4 蓋板
11 可動支柱
12 作動杆
13 ハンドル
14 ばね
20 安全柵
21 横桟
22 縦桟
23a 門型部材の横杆
23b 同縦杆
30 ロックピン
40 アウトリガー
41 アウトリガーの支軸(回転軸)
42 リンク機構
A 安全柵装置
M マンホール
H 梯子
T チェーン

Claims (3)

  1. マンホール(M)内の上下方向の梯子(H)に昇降自在に設けた可動支柱(11)と、その可動支柱(11)に設けた安全柵(20)、ロックピン(30)及びそのロックピン(30)に連動するアウトリガー(40)とを有し、
    上記ロックピン(30)は、上記安全柵(20)に設けた作動杆(12)により上記梯子(H)に対して接離可能になって、前記安全柵(20)が上記マンホール(M)内に入り込んでいる時、梯子(H)に摺動し、安全柵(20)がマンホール(M)内から引き出されると、前記作動杆(12)により梯子(H)に係止して安全柵(20)の下降を阻止し、
    上記アウトリガー(40)は、上記ロックピン(30)が梯子(H)に摺動している時、マンホール(M)内に位置し、ロックピン(30)が梯子(H)に係止した時にはそのロックピン(30)に連動してマンホール(M)の上端に係止するマンホール用安全柵装置。
  2. 上記ロックピン(30)は、ばね(14)により上記梯子(H)に向かって付勢されており、上記安全柵(20)がマンホール(M)内から引き出されると、前記梯子(H)の上端に至って前記ばね(14)により梯子(H)への摺動からさらに梯子(H)に向かう方向に移動してその梯子(H)上端に係止する請求項1に記載のマンホール用安全柵装置。
  3. 上記ロックピン(30)とアウトリガー(40)はリンク機構(42)によって連結されて連動する請求項1又は2に記載のマンホール用安全柵装置。
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