JP2019123836A - ペレット - Google Patents
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例えば、特許文献1には、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し、ポリエステル系長繊維糸(B)が1〜100質量部の割合で配合され、前記ポリアセタール樹脂(A)がオキシメチレン基と、炭素数2以上のオキシアルキレン基とを含み、前記オキシアルキレン基が前記オキシメチレン基100モル%に対して0.3〜6.0モル%の割合で含まれており、前記ポリアセタール樹脂(A)の190℃、2.16kgで測定したメルトボリュームレートが5cm3/10分以上であり、前記ポリエステル系長繊維糸(B)に張力を付与した状態で、溶融された前記ポリアセタール樹脂を前記ポリエステル系長繊維糸(B)に含浸させて得られる、本発明のペレットが開示されている。
しかしながら、本発明者が検討を行ったところ、ポリアセタール樹脂に、ポリエステル系連続繊維を含浸させる方法は、生産性が必ずしも優れた方法ではないことが分かった。また、生産性に優れた方法で製造できるペレットであっても、ペレットを成形して得られる成形品の摺動特性が劣れば問題である。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、生産性に優れた方法で製造可能なペレットであって、摺動特性に優れた成形品を提供可能なペレットを提供することを目的とする。
<1>ポリアセタール樹脂100質量部に対し、ポリエステル系短繊維20〜50質量部を含むペレットであって、前記ポリエステル系短繊維が、ポリアセタール樹脂中にランダムに分散している、ペレット。
<2>前記ペレットをシリンダー温度195℃、金型温度60℃の条件で射出成形して得られた円筒形スラスト試験片の、接触面積2cm2、温度23℃における、JIS K7218 A法に規定されるスラストリング摩耗試験において、同材での比摩耗量が10×10-2mm3/kgf・km以下である、<1>に記載のペレット。
<3>前記ペレットをシリンダー温度195℃、金型温度60℃の条件で射出成形して得られた円筒形スラスト試験片の、接触面積2cm2、温度23℃における、JIS K7218 A法に規定されるスラストリング摩耗試験において、同材での限界PV値が10MPa・cm/sec以上である、<1>または<2>に記載のペレット。
<4>前記ペレット中に含まれるポリエステル系短繊維の数平均繊維長が、数平均ペレット長よりも短い、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のペレット。
<5>溶融状態にあるポリアセタール樹脂に対し数平均繊維長が、3〜12mmであるポリエステル系短繊維を配合してなる、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のペレット。
<6>前記ポリアセタール樹脂およびポリエステル系短繊維は、二軸押出機によって溶融混練されてなる、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のペレット。
<7>溶融状態にあるポリアセタール樹脂に対しポリエステル系短繊維を配合した後、面積15〜150mm2の吐出穴を1〜4つ有するダイから吐出させ、その後に冷却したものを切断して得られたものである、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のペレット。
<8>前記切断は、回転刃と固定刃を備え、前記回転刃と固定刃のクリアランスが0.01〜0.06mmである切断装置によって行われたものである、<7>に記載のペレット。
上述のとおり、特許文献1には、ポリアセタール樹脂に、ポリエステル系連続繊維に含浸させた後、切断してペレットを製造する方法が記載されている。この方法で得られたペレットは、ペレット中の繊維長を長くできるという点で、有益な方法として知られている。しかしながら、本発明者が検討を行ったところ、ポリエステル系繊維は、柔軟な樹脂繊維であり、強化繊維として一般的に知られているガラス繊維や炭素繊維のようには、連続繊維の引き取り速度を早くできない。そのため、生産性の両立には限界がある。そこで、連続繊維を利用せずに、ポリアセタール樹脂に、ポリエステル系短繊維を溶融混練し、ストランド状に押出しし、切断してペレットを製造することが考えられる。しかしながら、ポリエステル系短繊維は、炭素繊維やガラス繊維の短繊維の場合と比べ、押出しが困難であることが分かった。これは、ポリエステル系短繊維が溶融混練の際には破砕されにくく、結果として、押出が困難であると推測された。
また、溶融混練してペレット化すると、摺動特性が劣る可能性も懸念された。
かかる状況のもと、本発明では、溶融した状態のポリアセタール樹脂にポリエステル系短繊維を配合して混練する等の方法によって、ポリアセタール樹脂中に、ポリエステル系短繊維がランダムに分散しているペレットを得るに至った。そして、かかるペレットは、ポリエステル系連続繊維を用いて製造したペレットと同レベルに摺動特性の高い成形品を製造可能であり、本発明を完成するに至った。
本発明で用いるポリアセタール樹脂は、アセタール構造−(−O−CRH−)n−(但しRは水素原子、有機基を示す。)を繰り返し構造に有する高分子であり、通常はRが水素原子であるオキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とするものである。本発明に用いるポリアセタール樹脂は、この繰り返し構造のみからなるアセタールホモポリマー以外に、前記オキシメチレン基以外の繰り返し構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックコポリマーを含む)やターポリマー等も含み、さらには線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。
本発明のペレットは、ポリアセタール樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明のペレットは、ポリアセタール樹脂中にポリエステル系短繊維がランダムに分散している。ランダムに分散させることにより、ポリエステル系連続繊維を用いた場合に匹敵する摺動特性を維持できる。
ここで、ランダムに分散とは、ポリエステル系連続繊維にポリアセタール樹脂を含浸させてカットした場合のように、ポリエステル系繊維が一定の方向に配向している態様ではなく、多方向に存在していることをいう。
本発明のペレットは、ポリエステル系短繊維を含む。ポリエステル系短繊維とは、ポリエステル系繊維のうち、連続繊維ではなく、非連続な繊維をいう。
前記ポリエステル系短繊維の数平均繊維長は、溶融混練前で4mm以上であることが好ましく、6mm以上であることがより好ましく、8mm以上であることがさらに好ましい。数平均繊維長の上限値は、20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることがより好ましく、12mm以下であることがさらに好ましい。
前記ポリエステル系短繊維の数平均繊維径は、溶融混練前で4μm以上であることが好ましく、6μm以上であることがより好ましく、8μm以上であることがさらに好ましい。数平均繊維径の上限値は、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。
ポリエステル系短繊維は、ポリアセタール樹脂の融点よりも高い融点を有することが好ましい。この場合、本発明のペレットから成形された成形品を摺動させた際、摺動面においてポリアセタール樹脂よりもポリエステル系短繊維は溶けにくくなる。このため、ポリアセタール樹脂の一部が溶けてもポリエステル系短繊維は溶けにくく、本発明のペレットの形状を保持することができる。このため、本発明のペレットは、摺動特性をより向上させることができる。
ポリエステル系短繊維には、ポリエステル系樹脂の他、熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、等の樹脂添加剤及び繊維の表面処理剤が含まれていてもよい。
本発明のペレットは、ポリエステル系短繊維を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明のペレットは、本発明の目的を損なわない範囲内で、従来公知の任意の添加剤や充填剤を含んでいてもよい。本発明に用いる添加剤や充填剤としては、例えば、ポリアセタール樹脂およびポリエステル系短繊維以外の熱可塑性樹脂、帯電防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、ホルムアルデヒド捕捉剤、炭素繊維、ガラス繊維、ガラスフレーク、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウイスカー、顔料等が挙げられる。これらの詳細は、特開2017−025257号公報の段落0113〜0124の記載を参酌することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明のペレットは、また、ポリエステル系短繊維以外の強化繊維、例えば、炭素繊維およびガラス繊維を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、本発明におけるペレットにおけるポリエステル系短繊維以外の強化繊維の含有量が、ポリエステル系短繊維の含有量の30質量%以下であることをいい、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、一層好ましくは3質量%以下、より一層好ましくは1質量%以下であることをいう。
本発明のペレットは、金型温度60℃の条件で射出成形して得られた円筒形スラスト試験片に成形したとき、接触面積2cm2、温度23℃における、JIS K7218 A法に規定されるスラストリング摩耗試験において、同材での比摩耗量を10×10-2mm3/kgf・km以下とすることができる。下限値については、0mm3/kgf・kmが理想であるが、1×10-2mm3/kgf・km以上であっても実用上問題ないレベルである。本発明における比摩耗量の測定方法の詳細は、実施例に記載の方法に従う。実施例に記載の機器等が廃番等の場合、同等の性能を有する機器等を利用できる。
本発明のペレットは、金型温度60℃の条件で射出成形して得られた円筒形スラスト試験片に成形したとき、接触面積2cm2、温度23℃における、JIS K7218 A法に規定されるスラストリング摩耗試験において、同材での限界PV値を10MPa・cm/sec以上とすることができ、さらには11MPa・cm/sec以上とすることもでき、特には12MPa・cm/sec以上とすることもできる。限界摩擦荷重の上限値は、特に定めるものではないが、例えば、20MPa・cm/sec以下であっても、実用上問題ないレベルである。本発明における限界PV値の測定方法の詳細は、実施例に記載の方法に従う。実施例に記載の機器等が廃番等の場合、同等の性能を有する機器等を利用できる。
本発明のペレットは、ペレット中に含まれるポリエステル系短繊維の数平均繊維長が、数平均ペレット長よりも短いことが好ましい。ポリエステル系連続繊維を用いて製造した従来のペレットでは、数平均ペレット長とペレット中のポリエステル系短繊維の数平均繊維長が等しいが、本発明では、ポリエステル系短繊維の数平均繊維長の方を短くできる。そのため、種々の形状に加工する際に、金型などにより充填しやすいというメリットがある。そして、本発明のペレットは、ポリエステル系短繊維の数平均繊維長が短くても、ポリエステル系連続繊維を用いて製造したペレットに匹敵する摺動特性を有するものとすることができることは上述のとおりである。
本発明のペレットは、ポリアセタール樹脂中にポリエステル系短繊維がランダムに分散している。ランダムに分散させる方法は、特に定めるものではないが、ポリアセタール樹脂が溶融した状態のところに、ポリエステル系短繊維を投入して混練して、ペレット化する方法が例示される。このような構成とすることにより、柔軟な繊維であるポリエステル系短繊維をポリアセタール樹脂中にランダムに分散させたペレットをより容易に製造することができる。
溶融状態にあるポリアセタール樹脂に、ポリエステル系短繊維を配合する際に用いる混合機はニーダー、バンバリーミキサー、押出機等が例示され、押出機が好ましく、二軸押出機がより好ましい。二軸押出機を用いることにより、長時間の安定な供給を達成可能になる。
押出機を用いる場合、スクリューピッチは、35mm以上であることが好ましく、35〜45mmであることがより好ましい。
本発明では、特に、1つの二軸押出機で、最初にポリアセタール樹脂を投入して溶融し、次いで、ポリエステル系短繊維を投入して混練することが好ましい。
本発明で用いるポリエステル系短繊維は、表面処理剤や集束剤を有していてもよいし、有していなくてもよい。
吐出穴の面積の下限は、20mm2以上であることが好ましく、40mm2以上であることがより好ましく、50mm2以上であることがさらに好ましい。また、吐出穴の面積の上限は、150mm2以下であることが好ましく、140mm2以下であることがより好ましく、130mm2以下であることがさらに好ましい。
ダイの吐出穴の数が1つの場合、ダイの吐出穴の形状は、非円形、例えば、長円形や楕円形が好ましい。非円形とすることにより、ストランドをカットしやすくなる。特に、本発明では、吐出穴の面積が、ガラス繊維などを含むペレットに比べて大きき方が好ましいため、内部が十分に冷却せずに切断する場合も想定される。このような場合に、ダイの吐出穴の形を非円形とすることにより、切断をより容易にすることができる。本発明では、ダイの吐出穴が楕円形または長円形の場合、長径が短径の3倍以上であることが好ましく、3〜5倍であることがより好ましく、3.5〜4.5倍であることがさらに好ましい。
ダイの吐出穴の数が2つ以上の場合、ダイの吐出穴の形状は、円形が好ましいが、非円形であってもよいことは言うまでもない。
その後、冷却したストランドを連続して切断して製造することが好ましい。すなわち、吐出したストランドをそのままカットすることが好ましい。ストランドの切断は、また、冷却直後に切断せずに、時間をあけて行ってもよい。
本発明でストランドを切断する方法としては、ストランドの一般的な切断装置を用いる切断方法が広く含まれる。
本発明では、前記切断は、回転刃と固定刃を備え、前記回転刃と固定刃のクリアランスが0.01〜0.06mmである切断装置によって行うことが好ましい。このような構成とすることにより、ペレットの毛羽立ちを効果的に抑制できる。回転刃と固定刃のクリアランスとは、回転刃の最も先の部分が、固定刃の先の部分に最も近づくときの、両者の距離をいう。本発明では、回転刃と固定刃のクリアランスの下限は、0.02mm以上であることが好ましい。また、回転刃と固定刃のクリアランスの上限は、0.05mm以下であることが好ましく、0.04mm以下であることがより好ましい。
また、回転刃のすくい角は、25〜45°であることが好ましく、25〜35°であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、ペレット切断面から繊維の飛び出しをより効果的に防ぐことができる。
本発明では、上記の通り切断したストランドをさらに切断してもよい。特に、ダイの吐出穴が長円形または楕円形であるなど、非円形断面の場合、ペレットは、ストランドの吐出方向に垂直な方向にさらに切断することが好ましい。このような構成とすることにより、ペレット中の繊維長をより長く保つことが可能になる。2度目の切断は、1度目と同様に回転刃と固定刃を備えた装置により切断することが好ましい。
本発明のペレットは、各種成形法で成形して成形品として用いられる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、歯車状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。本発明の成形品は、完成品であってもよいし、部品であってもよい。
摺動部品の具体的な例としては例えば、電気・電子機器、事務機器、車両(自動車)、産業機器等で要求されている高品質化を目的とした、歯車、回転軸、軸受け、各種ギア、カム、メカニカルシールの端面材、バルブなどの弁座、Vリング、ロッドパッキン、ピストンリング、ライダーリング等のシール部材、圧縮機の回転軸、回転スリーブ、ピストン、インペラー、ローラ等の摺動部品が挙げられる。
ポリアセタール樹脂(POM)
トリオキサンと1,3−ジオキソランとのオキシメチレンコポリマーであり、オキシエチレンユニット1.5mol%を含有するポリアセタール樹脂(MI:50g/10分)(溶融指数(MI)は、ASTM−D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下の条件での測定値である。)、融点:166℃
ポリエステル系短繊維:ユニチカ社製、ユニチカES、数平均繊維長:10mm
ポリエステル系連続繊維:ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸、延伸した長繊維糸、単糸繊度4.5dtex、トータル繊度1100dtex
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX44αII スクリュー径47mm)を用いて、シリンダー設定温度190℃、スクリュー回転数200rpmの条件で190℃でポリアセタール樹脂を溶融させた後、表1に示す質量割合となるように、ポリエステル系短繊維を添加し、溶融混練したのち、表1に示す面積の吐出穴を、表1に示す吐出穴数を有するダイを用いて、ストランド状に押出し、ペレタイザーにて回転刃(すくい角30°)と固定刃のクリアランスが0.03mmとなる条件で、ペレット長6mmに切断することでペレットを製造した。但し、比較例2は押出できなかった。実施例1および実施例2では、ポリエステル系短繊維が十分にポリアセタール樹脂中に混練され、ポリエステル系短繊維が、ポリアセタール樹脂中にランダムに分散しているペレットが得られた。
ポリエステル系連続繊維の繊維束を用意し、この繊維束を押出機の先端に設けたクロスヘッド内に通した。このとき、クロスヘッド内には、複数個のローラを設置した。そして、ポリエステル系連続繊維の引き取り方向と各ローラの回転軸とが直角になるようにポリエステル系連続繊維の繊維束を配置した。繊維束は、複数個のローラに対し、当該繊維束に張力を与えるためにジグザグ状になるように配置した。一方、ポリアセタール樹脂を、押出機にて温度200℃で溶融し、溶融物を押出機からクロスヘッド内に押し出した。そして、ポリエステル系連続繊維を引取速度7m/minで引き取りながら、溶融物を、ポリエステル系連続繊維の繊維束に含浸させ、クロスヘッドからストランドとして引き抜き、ストランドを水で冷却後、長さ10mmに切断してペレットを得た。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2について、以下の押出性を以下の通り評価した。
上記ストランドの押出に際し、良好、押出困難、押出不可の3つに分けて評価した。なお、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2では、押出困難に該当するものはなかった。
上記実施例1、実施例2、比較例1、参考例1で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製「EC100SX」)を用いて、シリンダー温度195℃、金型温度60℃の条件で射出成形し、ISO179に準拠した厚さ4mm、幅10mm(ノッチ部幅8mm)、長さ80mmのノッチ付き試験片を作製した。この試験片について温度23℃でシャルピー衝撃強さ(単位:kJ/m2)を測定した。
上記実施例1、実施例2、比較例1、参考例1で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、射出成形機(日精樹脂工業社製「PS40」)を用いて、シリンダー温度195℃、金型温度60℃の条件で射出成形し、円筒形スラスト試験片、接触面積2cm2の試験片を作製した。この試験片について、温度23℃でJIS K7218 A法に規定されるスラスト摩耗試験を実施し、同材での比摩耗量及び限界PV値を測定した。
測定条件はそれぞれ以下の通りである。
・比摩耗量の測定時:面圧13MPa、速度8mm/sec、試験時間3時間、摺動するスラストリング間にはけい砂を塗布して試験を実施。
・限界PV値の測定:速度10cm/secで摺動させながら面圧を徐々に上げて限界の面圧を測定し限界PV値を算出、摺動面にグリス等は塗布せず試験を実施。
上記実施例1、実施例2、比較例1、参考例1で得られたペレットの吐出量はストランドを切断したペレットとして得られた樹脂組成物の時間当たりの重量である。
単位は、1時間当たりの量(kg/hr)として示した。
Claims (8)
- ポリアセタール樹脂100質量部に対し、ポリエステル系短繊維20〜50質量部を含むペレットであって、前記ポリエステル系短繊維が、ポリアセタール樹脂中にランダムに分散している、ペレット。
- 前記ペレットをシリンダー温度195℃、金型温度60℃の条件で射出成形して得られた円筒形スラスト試験片の、接触面積2cm2、温度23℃における、JIS K7218 A法に規定されるスラストリング摩耗試験において、同材での比摩耗量が10×10-2mm3/kgf・km以下である、請求項1に記載のペレット。
- 前記ペレットをシリンダー温度195℃、金型温度60℃の条件で射出成形して得られた円筒形スラスト試験片の、接触面積2cm2、温度23℃における、JIS K7218 A法に規定されるスラストリング摩耗試験において、同材での限界PV値が10MPa・cm/sec以上である、請求項1または2に記載のペレット。
- 前記ペレット中に含まれるポリエステル系短繊維の数平均繊維長が、数平均ペレット長よりも短い、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペレット。
- 溶融状態にあるポリアセタール樹脂に対し数平均繊維長が、3〜12mmであるポリエステル系短繊維を配合してなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペレット。
- 前記ポリアセタール樹脂およびポリエステル系短繊維は、二軸押出機によって溶融混練されてなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペレット。
- 溶融状態にあるポリアセタール樹脂に対しポリエステル系短繊維を配合した後、面積15〜150mm2の吐出穴を1〜4つ有するダイから吐出させ、その後に冷却したものを切断して得られたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のペレット。
- 前記切断は、回転刃と固定刃を備え、前記回転刃と固定刃のクリアランスが0.01〜0.06mmである切断装置によって行われたものである、請求項7に記載のペレット。
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